学校等における省エネルギー対策に関する検討会(第6回) 議事要旨

1.日時

平成31年3月13日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎4階 文教施設企画・防災部会議室

3.議題

  1. 学校等における省エネルギー推進のための手引き(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

淺川委員、伊香賀委員、川瀬委員、高村委員(主査)、判治委員、松本委員、渡邉委員

文部科学省

平井文教施設企画・防災部長、山川施設企画課長、渡邉施設企画課課長補佐

5.議事要旨

【議事】
(○:委員、●事務局)



議題1 学校等における省エネルギー推進のための手引き(案)について


・事務局より、資料1及び参考資料に基づき説明
●前回と今回、御欠席の委員から事前に御意見を頂いているので、紹介と併せて事務局の対応を説明させていただく。
 まず、資料1の6ページの(3)エネルギー使用実態の把握において、エネルギー使用量の把握の際に、なぜ原油換算に統一する必要があるのか説明をしてはどうかという御意見をいただいた。事務局としては、文言の追加をしたいと考えている。
 次に、参考資料18ページの照明設備の管理に関する解説において、「上限を定めた範囲の設定が有効」と記載があるが、上限を定めるのではなく下限を定めるのではないかとの御意見をいただいた。 事務局としては、「上限を定めた」を「適切な学習環境を確保した上で照度を設定することが必要です」と修正をしたいと考えている。
 最後に、参考資料19ページのエレベータの管理に関するエネルギー管理マニュアルの設定例において、「最寄りの階の移動は階段を利用する」を追記してはどうかというご意見をいただいた。事務局としては、追記をしたいと考えている。


・事務局からの説明の後、以下のような意見があった。
○文京区の取組事例の補足として、文京区全体の地域推進計画の中に地球温暖化対策実行計画があり、トップダウンの推進体制を構築している。省エネ十七条憲法は、設備ごとに省エネに有効な運用などを認識してもらうためのチェックリストである。
 各学校や教育委員会などで統一された手引きがあれば、省エネルギー対策、ひいては地球温暖化対策の推進に有効だと思う。教育が学校における最優先事項であるが、その中で省エネルギーを進めるに当り、本検討会の手引きが1つのよりどころとなればよいと思う。


○根岸小学校は新潟市でも比較的小規模な学校であるが、事務職員が中心になって省エネルギーの意識付けを進めている。この規模の学校でも1年間で30万円の削減ができたので、大規模校になれば、より削減効果を得られるのではないかと考えている。
 また、電気使用料の掲示については、子供たちからすると24,000円も減らせたという感覚だと思うので、子供たちも見える場所に掲示すると一層効果的だと思う。
 原単位の設定については、空調のエネルギーを分けて把握することは難しいと認識していたが、14ページの補足にあるような概算方法でもよいと明示してあれば、大きな障害にはならないと思い安心した。
⇒○完全に正しい値ではなくても、それに近い値を求めやすい方法で算出するのが、手始めとしては有効だと思う。


○背景、具体的な進め方や事例と盛り込まれているが、我々教職員が見ても分かりやすく、手引きのタイトルもとても平易になり、敬遠せずに読める構成になっていると思う。


○エネルギー使用量の把握に関する記載については事務局の案でよいと思うが、省エネルギーは我が国全体でエネルギーを効率的に使うことであって、一次エネルギーでの比較が重要であることから、国は原油換算での管理を求めている、という省エネ法の基本的な考え方をもう少し詳細に説明した方が良いように思う。
⇒●御指摘のとおりだが、今回の手引きの対象を鑑みて、柔和な表現としている。


○資料1の換気扇と全熱交換器という書き方について、全熱交換器が換気設備であることを知らない方も多いので、換気設備の中に換気扇と全熱交換器があるということをわかるようにした方が良いように思う。
⇒●統一的に分かりやすい表現に変更する。


・高村主査より、最終回の修正内容については主査一任とすることについて確認(一同、了承)



議題2 その他


・高村主査より、今後の学校の省エネルギーの推進に関して、各委員へご意見を伺った。
○文京区では、各学校に管理標準の作成や省エネルギーの取り組みを進めてもらうため、省エネルギー指導を実施しているが、全ての学校で実施することは難しいため、選定して行わざるを得ない。そのため、文科省から広く手引きが配布されれば非常に効果的で、省エネルギーを意識するきっかけになると思う。


○今回の手引きが、来年度以降徐々に教育委員会で使われるようになると思うが、なかなか現場に浸透しないことも往々にしてあるので、例えば、1、2年後どのくらい手引きが浸透したかフォローすることが重要だと思う。


○手引きは、容易にダウンロードできるような形で公表することが重要だと思う。
 また、今回の手引きは現場の負担にならないようできる限り配慮したものになっていると思うが、省エネルギー活動をする上で、どうしても負担が増える役割の人もでてくる。そういった負担を減らしていくため、省エネルギーの取組でもITやIoTなどをうまく活用する環境が整備されていくことを期待したい。
⇒●配布又は公表に関しては、最終的な修正を終えた段階でホームページに公表し、管理標準に関しては、別途エクセル様式でのホームページ公表を予定している。
 また、冊子の配布に関しては、全国の都道府県及び市区町村の各教育委員会に1部ずつ渡るように配布する予定である。


○教育委員会の取組になると思うが、現場での努力が、学校側に何かインセンティブをもたらすような仕組みが必要ではないか。


○新潟市の小学校での事例について、削減できた光熱費は学校へ配分されているのか。
⇒○当市では、教育委員会事務局が予算を一括管理しており、そこから各学校に配当している。そのため、削減分を学校へ配当する仕組みにはなっていない。
 首長部局では、省エネルギー等で経費節減した場合、その一部を配当するインセンティブ予算という組み方をかねてから行っている。財政当局側とも相談しながら、学校でも実施が可能か検討していく必要があると思う。


○努力して削減した分が予算に還元されるという形は、一番分かりやすいとは思う。ただし、これから取り組み始める学校と今まで継続的に取り組んできた学校では、伸びしろが異なるため、過度な努力の要求に結びつかないよう慎重に検討する必要があると思う。
 本校は、今年度、区の重点改善校の1校に指定され、1年間取り組んできた。専門家を派遣してもらいレクチャーを受けたが、実は、我々教員には知り得なかった専門的な部分に無駄が潜んでいたことが分かった。消灯のように普段の運用で省エネルギーに結びつく部分と専門家の知識が必要な部分とが明確になることが効果的だとわかった。
 また、改善の結果が数値で示されるので成果を把握しやすく、この1年間は改善の効果が現れて終えられそうである。
⇒○民間企業でも、マニュアルはたくさんあっても自分たちが何をすればよいか分からないということがある。各自が実施すべきことを具体的に示すことが必要だと思う。


○現在、働き方改革として教職員も事務職員も時間外労働を減らす方向で進んでいる。このような状況では、いかに手のかからない形で省エネルギーに取り組むことができるかが重要だと思う。また、予算の還元のように取り組みの効果が目に見える形で感じられることが最も望ましい。まずは、モデル校的に取り掛かっていくことが重要だと思う。


○必ずしもお金でのインセンティブは必要ないように思う。フォローアップの1つとしても良い事例を集めることも効果的と思うが、その中で、各教育委員会が頑張った学校を表彰するような事例があるのではないかと思う。


○本学では、省エネルギー投資が十分とはいえず、設備の更新等が進んでいない。省エネルギーに対してもっと投資をする方向に進むよう期待している。
 今の学校の状況を見ても、もう少しお金をかければもっと省エネルギーができる部分は少なくないと思う。一般のビルでは、建築物省エネ法などが施行され、省エネルギー性能が要求されている。学校でもできるだけ最新の設備に少しずつ変えていくことが効果的だと思う。


・事務局より、検討会終了後の予定について説明
●手引きの配布は、学校等のエネルギーの使用が増える前である来年度の5月末を予定している。また、来年度、本手引きを活用した講習会などの開催を検討している。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課

エネルギー対策企画係
電話番号:03-5253-4111(内線2324)

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)