環境教育に活用できる学校施設検討部会(第2回)議事要旨

1.日時

令和元年6月3日(月曜日) 14時00分~16時00分

2.議題

  1. 現地調査の報告について
  2. エコスクールの活用に係る事例集(骨子案)について
  3. その他

3.出席者

委員

(委員)  伊香賀俊治,伊藤俊介,小泉治,小澤紀美子,古俣和明,田中稲子,長澤悟(敬称略)(敬称略)
(特別協力者) 五島政一,丹沢広行(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画・防災部) 笠原施設企画課長,西村施設企画課企画調整官,渡邉施設企画課課長補佐,原施設助成課課長補佐
(総合教育政策局)田中男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐

オブザーバー

(環境省) 田代大臣官房総合政策課環境教育推進室室長補佐

4.議事要旨

議事要旨
・事務局より資料1に基づき,昨年度の現地調査の報告について説明。
・各委員より,議題1について意見交換。

(○:委員・特別協力者の発言,●:事務局の発言)
○ 守山中学校は,設計者の選定に当たって建築の専門家を入れ,設計者にエコスクールを提案・実行させている。そのようなプロセスもあり,環境に配慮した特徴的な屋根など建築の姿そのものが,生徒や地域に対してエコスクールを表現している。しかし,その表現されている内容が,安全性への考慮により十分に伝わっていない部分も見受けられたのは少し残念であった。
○ 朱雀第四小学校は,異動のある教職員だけでなく,地域住民が関わることにより,取組が継続されていくことを実感できる事例であった。
○ 鹿ノ台中学校は,100キロワットの太陽光発電設備の設置がどのような結果(数字)に反映されているか生徒に伝わっていないようだった。生徒だけでなく,教職員にも引き継がれるような説明資料があると良い。
○ 鹿ノ台中学校は,国立教育政策研究所文教施設研究センターにおける平成29年度の調査結果によると,ゼロエネルギー化について目標値に対して大きく達成できていた。
○ 曽根東小学校は,近くの干潟(地域の生態系)や校内のビオトープを通じて環境教育が長年育まれている。また,卒業生が教える立場で学校に戻り,子供たちが一緒に学べる仕組みを作ろうとしている取組がうまく継続的に行われている印象を受けた。
○ 小榊小学校は,保護者の前で学習してきたことを下級生に発表する取組は,環境教育の継続の面で良い循環を生んでいる。発表する児童には励みになり,下級生にはいつかなりたい姿を見ることができ,保護者にも学ぶ機会となる大事な取組と感じた。
○ 建物や設備の生かし方,屋外環境の使われ方,地域との関わり方,エコスクールとして整備はしたが経年劣化した部分をどのようにしていくかなど,事例集の材料として様々な観点を持つ5校であった。
○ エコスクールは,アクティブラーニング,ICTの活用,コミュニティスクールという観点で,その素材として非常に幅広く関わりを持たせる可能性があることを,5校を通じて実感した。

・事務局より資料2及び資料3(机上資料)に基づき,事例集の骨子案及び今後実施する現地調査について説明。
・各委員より,議題2について意見交換。

○ 「Ⅰ.エコスクールについて」の中に,取り上げる事例の主な取組や効果の総論的な内容を記載してもいいのではないか。この事例集の事例を通じて何を伝えようとしているのか,何を大事と考えているのかということを記載してはどうか。
○ 小学校で地域の湿地について学んだ児童が,高校生になって「こども環境学会」でポスター発表を行うといった取組が見受けられた。こういった形で学びが広がっていくことも「効果」と考える。
○ この事例集は,全国の学校に配布し,学校が活用することを目的としているのか。
● 学校を整備し,管理する学校設置者向けと考えている。
○ 校舎だけでなく,地域の環境を活用するなど,様々なタイプの広義な意味でのエコスクールがあると考える。学校施設にとらわれず,地域の資源も活用して,子供自身が環境に対する意識を高める取組を盛り込んではどうか。
○ 事例集について,地域を活かしてどのような取組を行っていけばよいか,また,継続の仕方としてどのような工夫を行えばよいかを示す方法もあるが,施設担当部署として発信するものであるため,そのような取組を踏まえてこれからの施設整備にどのようなことを考えていくか,活動を生み出すためにどのような施設とするかという観点で検討していきたい。
○ 空気の流れ,熱の状態がよくわかるような形で設計されている事例を紹介すれば,設計者側にもわかりやすい。そのことを教育にどうつなげるかは難しいところもあるが,環境教育の観点で継続的に施設が使われていくという思想を盛り込んだ紹介ができれば,設計者側も,そこまで踏み込んで考えなければならないと意識するだろう。
○ 事例集のまとめ方について,SDGs(持続可能な開発目標)における4の質の高い教育や3の健康(と福祉)等のゴールの達成に資するという表現を盛り込んではどうか。
○ 土橋小学校は現地調査済とされている。どのような整理か。
● 事務局が現地調査を行った。このように,事例の取りまとめに当たっては,委員による現地調査だけではなく,地方公共団体から提供された事例や委員の紹介による事例も含め,その中から選定していきたい。
○ 国立教育政策研究所文教施設研究センターによる,スーパーエコスクール実証事業の学校を対象とした調査の結果など,既存データがある場合は活用してはどうか。
○ 現地調査の候補案について,豪雪地など気候風土が異なる学校を選定してはどうか。設備の仕様が異なるなどそれぞれの地域性を紹介すれば参考になるのではないか。
○ 多雪地帯でいえば,例えば福井県の中学校は行ったことがある。現地調査を行わなくても,このような過去の事例から取り上げるという方法もある。
○ 日照時間等が異なるため,気候区分(日本海側の気候等)も配慮すれば,配布された地方公共団体も参考にしやすいのではないか。
○ 資料3の候補案は,沖縄が含まれていないのは気になるが,基本的には地域のバランスや気候の違いは配慮されているように感じた。
○ 木造校舎の事例集は既に作られているので,簡単な事例紹介として木造校舎を挙げることも考えられる。
● 候補案の1や2については,木質化の事例である。木造校舎又は木質化の観点も配慮し,掲載事例を整理していきたい。
○ 単なる事例紹介ではなく,事例を基にそこから読み取ってほしいことや大事なことを,具体的なイメージを持ってもらえるような形でまとめることを検討していきたい。

・以上で,意見交換を終了。
・事務局より今後のスケジュールについて説明。

―了―
 

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