環境教育に活用できる学校施設検討部会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成31年2月14日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文教施設企画・防災部会議室

3.議題

  1. 環境教育に活用できる学校施設検討部会の検討事項等について
  2. 杉並区における学校施設を活用した環境教育に関する取り組みについて
  3. 現地調査について
  4. その他

4.出席者

委員

(委員) 伊藤俊介、小泉治、小澤紀美子、鈴木賢一、田中稲子、長澤悟、長濵裕也(敬称略)
(特別協力者)  五島政一、森政之(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画・防災部) 山川施設企画課長、西村施設企画課企画調整官、松下施設企画課課長補佐、佐々木施設助成課技術係長
(初等中等教育局) 野内教育課程課教科調査官

5.議事要旨

・事務局より資料1に基づき、環境教育に活用できる学校施設検討部会の設置について説明。
・事務局より資料2に基づき、議事内容の公開について説明し、了承。
・事務局より資料3に基づき、検討部会における検討事項等について説明。
・田中委員より、杉並区における学校施設を活用した環境教育に関する取り組みについて説明。
・各委員より、検討部会における論点について意見交換。

(○委員の発言、●事務局の発言)
○ エコスクールの環境教育への活用を推進するのであれば、建築の専門家に協力してもらうことが有効。土橋小学校の例では、建築の専門家のサポートがあるが、建築学会等にサポートを求める仕組みがあると良い。首都圏であれば建築学会の協力を得やすいが、地方での仕組みが課題。
○ 前回の事例集では、学校内の取組に留まっているが、例えば、木材のことであれば地域に広げて考えるべきであり、木材が二酸化炭素を吸収する仕組みといった視点入れる等、今回の新しい事例集には視野を広げて考えることが出来るという例を入れると良い。
○ 土橋小学校のエコ改修では、設計の初期段階から子供たちや先生方を巻き込むという設計プロセスを大切にし、設計事務所が積極的に取り組んだ結果、完成後、学校施設を活用した環境教育が教育プログラムの中に位置付けられ、スムーズなスタートにつながったと考えている。
○ 一般的には先生方が学校施設の案内を行うが、土橋小学校では子供自身が自分たちの学校に色々な仕組みがあることを誇らしげに話すという姿がとても素晴らしい。
○ エコ改修の計画当初、子供たちが学んだことが地域や家庭に広がることを期待しており、卒論として学生がアンケート調査を行ったところ、省エネの効果が伝わっていることを実感した。
○ 学校施設を活用した教育という点からいうと、ユニバーサルデザイン等の様々な観点があるのではないか。そういう意味では、エコを核とした学校全体の快適性につなげられるような学習プログラムが出来ると良い。
○ エコスクールを活用した環境教育を継続する上での課題は、「教員の異動により、継続が難しい」というのが実感。取組を継続するためには、エコスクールとして認定を受けた学校に、データや実践状況の報告をしてもらうのも一つの方法。また、取組をバックアップする大学の先生等の専門家を配置する等、いつでもサポートできるような環境が必要。
○ エコスクールではない一般校舎においても学校施設を活用した環境教育が出来るということは、身近な環境にある題材や教材に気付いてどう活用するのか、また最終的に子供の持続可能な社会を築いていく能力や実践力を養っていくというところに結び付いていくと思う。
○ 環境教育に活用できる施設づくりとの視点は、これまでの設計の中で余り重きを置いていなかったことは反省点。例えば、あえてガラスの種類を変えたり、照明も、通常は列で行うのが一般的であるが、器具一つずつ点灯できる教室を設計側で配慮して計画することも考えられる。学校施設を教材として設計する視点で考えると、これまでの施設づくりと少し異なるアプローチの仕方があると感じた。
○ 大きな建物での省エネルギーの在り方と、個々の家庭での省エネルギーの仕方が違うのか、同じものもあるのかということも考えながら、教材として設計するのであれば、どのシーンで生かすのかということも含めて考えていければ良い。
○ 教育と省エネルギーの関係で言えば、例えば、自動水栓は水の使用量の節約に非常に効果があるが、一方、水栓ボタンを押すことも教育という考え方がある。照明スイッチの入り切りについても同様で、自ら点滅するようにするという教育面を優先するか、使用量を減らすために感知式にするのか。教育の場である学校ならではの課題がある。
○ エコスクールを活用した環境教育の実践の様子を見ると、色々な科目をまたいで授業を計画する、教材を作る、時間を作ってその枠内でやるということに大きなエネルギーが掛かっており、非常に感銘を受けた。大学の導入教育にも活用できるくらい環境工学的な観点として素晴らしいと感じた。
○ 校舎を題材にして環境教育を行うことの良さは、生のデータやリアルな状況を扱った上で、上手くいかないことまで含めて実験や測定を行うということだと思う。
○ 環境教育には循環や廃棄物まで含めたかなり広い範囲があるため、省エネだけに重点を当てるのではなく、幅広い観点で検討出来れば良い。
○ 学校施設を環境教育とどう絡めていくか、その例を示せればと考えている。
○ 今回の事例集には、学校施設が健康に与える影響に配慮する視点を書き加える等すれば広がりが出てくるのではないか。
○ 前回の事例集では、エコスクールを推進しているものの十分環境教育に活用されていないとの問題意識があり、学習プログラムを施設部の視点でまとめることにチャレンジした。
○ 学校現場で聞き取ったところ、学校がエコスクールであることを知らない、または教育学習プログラムの例や教材がないとの回答が多かった。
○ 長く続いている活動の何がポイントになっているのか学び、長く続いている取組をうまく取り上げる事例集を作成できれば良い。
○ アンケート結果で約80%の学校で取り組まれており、これをどうやって伸ばしていくのかが今回の事例集のポイントだと思う。
○ 東京であれば建築学会に頼みやすく、地方は困難との話があったが、地元の学校と密接な関係があるのは、やはり地元の建築士会や地域に住んでいる方、地域の専門家であるため、建築士会と連携を取れるような仕組みや研修の場、事例集とは別の枠組みになると思うが、そういったものと一緒に展開されれば良いのではないか。
○ 東海地区でも建築士会は頑張っているが、他の建築関係の団体、例えば建築家協会等も活動しており、学校現場に入っている方もいる。学校の先生が建築に対して敷居が高いと思っているところに、建築の専門家が支援する仕組みはとても良いと考えている。
○ 取組の継続ということに関して、異動があるとの指摘があったが、各学校におけるカリキュラム管理、各年度の取組を学校の成果として保存し、次年度以降に活かす仕組みづくりやそのための場所の確保が課題となる。
○ カリキュラムは前年のものがベースとなるが、校長の交代や施策の変更により大きく変化することもある。また、各校長の強み弱みがあり、環境教育以外の部分に強みがあれば、環境教育については縮小されるといった場合もある。
○ カリキュラムが属人的なものではなく、学校の取組として継続できる仕組みがあると良い。また、子供たちの積極的な取組を施設整備の担当者が受け止め、次の施設整備方針に反映する仕組みが自治体で出来れば良いと思う。
○ 今回の事例集が学校教育だけではなく、それに関わる様々な立場の人たちそれぞれに受け止めてもらえる内容になると良い。

・以上で意見交換を終了。
・事務局から、資料5・6に基づき現地調査及び今後のスケジュールについて説明。

―了―

 

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