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幼稚園施設部会(平成28年度~)(第1回) 議事要旨

1.日時

平成29年5月26日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 旧庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 幼稚園施設整備指針改訂に向けた検討
  2. その他

4.出席者

委員

【委員】 浅井靖弘,東重満,新山裕之,木下勇,倉斗綾子,長澤悟,日比野拓,松村和子,山下文一(敬称略)
【特別協力者】 磯山武司(敬称略)

文部科学省

【大臣官房文教施設企画部】 山川施設企画課長,金光施設企画課企画調整官,小谷施設助成課企画官,西村施設企画課課長補佐
【初等中等教育局】 本田幼児教育課子育て支援指導官

5.議事要旨


・山川施設企画課長より挨拶。
・事務局から,参考資料1に基づき本会議についての趣旨・委員等の説明,参考資料2,3に基づき本会議の運営について確認。
・長澤委員が部会長に選任されていることについて,事務局から報告。
・長澤部会長より挨拶。
・事務局から,資料1,資料2に基づき本会議の主な検討内容,学校施設を取り巻く現状,幼稚園施設整備指針の概要等について説明。
・幼児教育課から,資料3に基づき新幼稚園教育要領について説明。
・事務局から,資料4に基づき今後の学校施設の在り方に関する論点について説明。
・本会議における論点について意見交換。


○ 岐阜県大垣市では,現在,公立の保育所が10園,幼稚園が11園,幼保園が6園あり,地域のニーズ等を踏まえ,幼保園化を進めている。その際,園庭など幼稚園の基準と保育園の基準が違う部分をどのように整備するか,階数制限のある幼稚園と階数制限のない保育所をどのように一体的に整備するかが課題となっている。


○ 幼稚園設置基準には,面積等,幼稚園を建設する際の様々なハード面の基準が示されているが,幼保連携を進めていくためには,幼稚園と保育所との基準をどのように整合を図っていくかが課題。例えば保育所では園庭が必置でなく,特に地域型保育事業所の場合は全く想定されていないという状況から,子供が遊ぶ環境,学ぶ環境の劣化というものが非常に危惧されている。そういう面で,この施設整備指針において望ましい姿を示していけると良い。また,改訂された学習指導要領や幼稚園教育要領では,学び方,指導の在り方の改変が急務という課題が挙げられており,ユニバーサルデザイン等,環境の調整が大きなテーマになっていると感じている。例えば,聴覚過敏の子供の場合は,床材や壁材に配慮することが重要になってくるが,予算上の制約があれば,机や椅子の脚にテニスボールをはめるといった工夫も現場で行っている。そのような柔軟性のある具体的なイメージも指針において示せると良い。


○ 特に地方において国公立幼稚園の数が減ってきており,それに伴い,1つのまちに1つのこども園を作るといった話をよく聞くようになった。一方で,港区のように人口の増加とともに子供の数が増加しているところもあり,地区によって,状況は様々である。
港区のような都市部では比較的狭い敷地に整備をすることが多いが,園庭など保育園に比べ幼稚園の設置基準が厳しいことが,良い方向に作用する面もある。例えば,ある保育所では,専用の園庭がないため,空(あ)いている時間に隣の小学校の第2校庭を使っており,幼稚園と保育所のように,同じ年代の子供たちを預かる近い施設の中でそういう差が出ているのも事実。20年,30年後の日本を背負う子供たちが健やかに育っていくためにも,自身が通う幼稚園とともに地域の良さを実感しながら,心に残る思い出を作ってもらうことも重要。


○ 幼稚園教育要領や施設整備指針を改めて見ると,大人の視点で書かれている部分が多く,子供の視点に立った記述が非常に弱い印象を受ける。イギリスやベルリンでは,幼稚園等の園庭をどんどん緑に変えている。子供がどのようにそういう自然やものと触れ合い,体験して成長していくかという,そういった観点の記述もあると良いのではないか。海外における砂場は,子供が主体的にいろいろなものを作って,水があれば,水と発展的に遊ぶものであるが,日本では泥んこになってしまうことを理由に砂場だけの場合が多い。ドイツなどでは柳で迷路みたいなものを作ったり,ベリー類で秘密基地を作ったり,実を取って食べたりする子供の遊びを想像しながら屋外環境を作っている。幼稚園教育要領や施設整備指針を改訂したときに,実際の担い手の先生たちがどう対応したら良いか,プログラム等を展開することも有効。


○ 親の立場として子供のことを考えると,思いっきり遊んだり,木登りをしたり,泥だんごを作ったり,水を流して,ぐちゃぐちゃにしたりということができるのは園庭しかなかったなと思い返している。公園の木は管理上の理由や虫が発生するという理由で切られてしまうことも多く,子供の頃,我々ができたことができなくなってきている。
学校でも幼稚園でも,安全という言葉は非常に重要で重いものではあるが,安易に安全という言葉を使い過ぎているように感じている。例えば,骨折や切り傷ができてしまった,何針か縫った,ということがあると,ここは安全でないとされるのか,それとも,命を落とさない,治るけがで済んだということは安全であると言うべきなのか。絶対に怪我(けが)をしない,ということが安全であるとしてしまうと「遊びを引き出すような環境づくり」の実現はできないと思う。大学で授業をやっていても,最近の学生は,自分が最初に想定したものができると,できたと言って終わってしまうが,昔,遊び込んでいた子供というのは,もっとこうやったらよく飛ぶようになるんじゃないかとか,もっとこういうふうにしたら早く回るんじゃないかというカスタマイズを続けていけた。幼稚園の施設・環境づくりが,大人になってからの創意工夫できる力につながっていくのではないか。


○ 施設整備だけでいうと,今の日本の幼稚園というのは,恐らく世界最先端と言えると思っている。以前は,我々が欧米の幼稚園をたくさん視察して学んできたが,現在では,アジアのみならず欧米からも,学校関係者や建築関係者,学生が我々のところに視察に来ていることがその裏付けである。しかしながら,たくさん海外視察を繰り返していくと,昔の日本のような,決してハイテクとは言えないアナログな設備の幼稚園でも,豊かな教育をしているところがたくさんあることが分かる。子供たちの笑顔があふれているのを目の当たりにすると,最先端とは何なのか,施設整備というのは何を目指すべきなのかと,日々自問自答している。
1つ言えることとしては,施設整備というものは完璧を目指す必要がないんじゃないかということ。幼稚園というものは人が使うものであるからこそ,必ず人とリンクすべきであり,例えば安全に対しても,教育と合わせて子供たちの怪我(けが)が減るようにしていくべきだ。どんなに工夫しても,施設で100%安全なものを作ることは不可能。ICT化についても,幼稚園では備品として整えていくだけで十分に触れることができ,建築でそこまで完璧に整える必要性を感じない。
将来の変化に対応する施設整備という視点も重要。整備した段階で完璧を目指すのではなく,ある程度余白を残しながら整備していくことも今後の課題と考えている。


○ 今回の幼稚園教育要領改訂では,3つの学力,10の育ってほしい姿ということが明記され,今後,どのように幼稚園教育の中に落とし込んでいくか,ということが問われていくと思われる。
施設・設備面の対応としては,思考力や判断力,表現力,多様性,持続力,探求心といった,今まで余り学力と言われなかったことに対し,それらを育てるためのワークスペースや机の配置・出し入れする際の工夫などが考えられる。小さな運営主体である幼稚園にとって,そういった,ちょっとした工夫というものが事例とともに示されることは有効。
職員室についても先生たちが,リラックスしながら,お菓子をつまみながら,ちょっと話をしたり,一息ついたりする。そういう温かいアットホームな雰囲気の中で,ちょっと困っていることが話すことができ,支え合っていけるようなスペースというのは,人材確保の面からも絶対に必要。


○ 幼稚園は,園全体が幼児にとって学びの場であるということを常に意識していくことが重要。
例えば,言葉に対する感覚を豊かにする,絵本や物語に親しむ環境について見てみると,部屋の中に少しのスペースを設けているだけだったり,どこか分からないところに本が片付けられていたりといったケースも見られる。
また,砂場は,水を入れれば固まり,プリンやおかずなどのごちそうにもなる。山にもなれば,トンネルにもなる。正に学びの宝庫である。しかしながら,現状ではネコのフンの問題などもあり,多くの砂場にシートが掛けられ,遊ぶときだけ一部分をめくってちょこちょこと遊んでいるような場合も見られる。今回の施設整備指針改訂では,子供が思い切って遊びながら学べる場について,衛生面も含めどのように管理すれば良いか,などの視点を盛り込めると良い。
情報機器については,幼稚園教育が目指す直接体験という点を意識すべきであり,表現の仕方に工夫が必要。


○ 幼稚園教育要領の改訂部分において,施設・設備の面から留意すべき点はないか,といった観点で整理が必要。現行の施設整備指針では,耐震化や防犯計画,家庭と地域の連携など,重要な観点が網羅されているが,今回の改訂を踏まえ,プラスアルファで何か必要なものはないか,といった議論が必要。


○ 現行の施設整備指針において,これまで発言のあった意見の骨組みは表されているので,今後,その構成も含め議論を重ねてまいりたい。また,施設整備指針改訂の検討に当たっては,新幼稚園教育要領において,遊びと学習,学びという言葉がどのように使い分けられているのか,整理することも必要。


・以上で,意見交換を終了。
・事務局から,資料5に基づき施設現地調査について説明。
・最後に事務局から,下記について説明し,会議を終了。
・6~8月 現地調査,8~9月 第2回部会の予定。


お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

指導第一係
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2291)

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)

-- 登録:平成29年08月 --