熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成28年7月12日(火曜日)15時30分から17時30分

2.場所

スタンダード会議室虎ノ門ヒルズFRONT店(2階大ホール)

3.議題

  1. 熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について
  2. その他

4.出席者

委員

【委員】伊香賀俊治、片田敏孝、壁谷澤寿海、鎌田正樹、小林賢一、清家剛、長澤悟、中埜良昭、中村仁、山田哲(敬称略)
【特別協力者】磯山武司、梶原浩一(敬称略)

文部科学省

【事務局】山下文教施設企画部長、山﨑文教施設企画部技術参事官、杉浦施設企画課長、日向施設助成課長、山川計画課長、深堀施設企画課防災推進室長、西村施設企画課課長補佐 他

オブザーバー

【内閣府】中村政策統括官(防災担当)付参事官(被災者行政担当)
【総務省】田中消防庁国民保護・防災部防災課災害対策官
【国土交通省】安藤住宅局建築指導課建築物防災対策室長、峰水管理・国土保全局下水道部下水道企画課企画調整係長
【文部科学省】廣田初等中等教育局参事官付参事官補佐、中村初等中等教育局健康教育・食育課課長補佐、志賀高等教育局私学部私学助成課専門官、田中研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室室長補佐、一言スポーツ庁参事官(地域振興担当)付参事官補佐

5.議事要旨

議題(1)熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について

・国土交通省住宅局安藤室長から資料1に基づき、熊本地震における建築物被害に関する国土交通省の検討状況等について説明
・事務局から、資料2に基づき、緊急提言(素案)について説明

主な意見は以下の通り

(○:委員の発言、●:事務局の発言)

○「避難」という言葉は、時系列によって、命からがら逃げる“evacuation”の段階、避難生活が始まる“sheltering”の段階、難民状態となる“refuge”の段階の3つに分かれている。素案にある熊本県の調査結果でも出ているが、避難者のニーズは段階によって変化する。そのため、学校施設がどの段階のどの部分を担うべきなのか明確化しておく必要がある。

○学校という公共施設が災害時において、避難所として大きな機能を果たしている。文教施設の予算だけでなく、防災施設としての予算を措置することで、避難所としてのレベルを整備することが必要ではないか。

○避難所運営などを見ても、学校に委ねるところが非常に多く、学校の先生方が大変苦労しているという現状が非常に多く見られる。防災部局が、学校という施設を使った避難所運営について、避難生活の実態に照らし合わせて、綿密に避難計画を立てないといけない。防災部局と学校部局との災害時の防災という面での連携がまだまだ不十分で、なし崩し的に学校が負担を強いられている状況を感じる。

○災害時にトイレで使う水を確保するため、避難所となる小学校に井戸を整備するという県主導の事業を防災部局が窓口となり一緒にすすめる中で、両部局の連携が進んだと感じた。このようなことがないと、学校施設の整備担当部局と防災部局とが積極的に連携する機会はほとんどなく、「防災部局との連携が必要」という抽象的な言葉では、なかなか進まない。

○学校として、学校施設をどこまで開放するのか、決めることができれば良いが、今回の地震のように想定以上の避難者が来た場合、どう対応するのかが難しい課題だと感じる。

○防災部局側では、学校単位で防災計画をしっかり地域で練るようにという通達を出しており、全国各地で動いている。釜石小学校では、避難所運営は学校がやるのではないことを、地域防災の中で明確に位置づけ、避難所の開設訓練から避難所の運営を自主防災側で訓練している。学校側もその会議に出席し、段階毎の学校施設の開放できる範囲について、地元との相談ができている。

○避難所毎のマニュアルを作って、訓練を重ねている。先生に過度な負担をかけないように地域の方に仕事を振り分けている。

○学校施設に関わらず公共施設の長寿命化に取り組んでいる。学校施設では、まず校舎の長寿命化を進めているところで、避難所となる体育館まで手が回らないのが実情である。避難所として使うためのトイレの洋式化やバリアフリー化の整備が精一杯のところ。

○学校以外の避難所施設(総合体育館等)の天井が脱落して、避難所として使えなかった。学校以外の大空間での非構造部材を含めた耐震化を進めることで、学校に対するしわ寄せというのは少しでも軽減されるのではないか。そういう観点を入れると良いのではないか。

○被害の実態を踏まえた定量的な数字を提言に加えたほうが良いのではないか。

○東日本大震災の際に言及されている基本性能を高めておくことが、避難所としても有効な機能を果たすということを認識されるためには、「災害に強い学校施設の在り方について(平成26年3月)」のようにまとめたものが、今回の緊急提言を受けてできると良い。

○避難に関する実態について、別途実施されている調査・報告書の参照先を記載した方が良いのではないか。

○避難所運営と防災の在り方についての議論が中心となっているが、本検討会の位置づけについてはっきりさせたほうが良いのではないか。

○益城町の被害者数と熊本市の被害者数はほぼ同じくらいだが、職員の数にはかなり差がある。学校の先生への負担についても同様の状況であり、そういった課題について、本検討会でどこまで踏み込んで議論するのか。

○「はじめに」のところで本緊急提言の位置づけや、避難所運営、防災の在り方との関係について記載し、整理したい。

○仮に発災が授業時間帯等の昼間であった場合、児童生徒等に重大な被害が及んでいた恐れがあったが、具体的にどのような被害の恐れがあったか記載してもらいたい。

○耐震化が進んだとはいえ、新耐震以降の建物についても、倒壊しなくても重量物が落下するような被害が起きている。非構造部材とあせて落下物を抑えるという被害抑止の観点でチェックをし、今後、必要に応じて対策を講じるべきである。

○12ページの「備えておくべき施設整備等の明確化について」、その地域の置かれている状況等に応じた具体例や優先順位について記載できないか。

○優先順位等について、学校設置者の立場から位置づけすることは難しいので、防災部局と協議しながら進めていくべきと考える。

○避難所を設営する段階で、余震以外の雨や雪、土砂崩れ等のリスクについても情報提供していくことが重要である。

○連携と言っても結局誰がやるのかわからないので、記載できるところは、主語を記載してもらいたい。

●連携について強く進めていかなければいけないという意見を多くもらったので、実際に連携が進むよう、関係省庁と調整して記載できるところは工夫して記載したい。また、本緊急提言の位置づけやポイントについては、「はじめに」で記載する。

議題(2)その他

・事務局から、資料3に基づき、今後のスケジュールについて説明

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)