学校施設の長寿命化計画策定に係る手引作成検討会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成26年11月10日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 手引作成の進め方
  2. 有識者からのヒアリング
  3. その他

4.出席者

委員

上野委員、鬼沢委員、倉斗委員、丹野委員、寺沢委員、望月委員、山本委員、齋藤特別協力者

文部科学省

関文教施設企画部長、新保技術参事官、蝦名施設助成課課長、野口施設助成課企画官、木村施設助成課課長補佐、小林施設企画課課長補佐、高草木施設助成課長寿命化対策推進係長

5.議事要旨

・事務局から、本会議が公開となることを説明。

・上野委員の主査選任ついて了承。

有識者からのヒアリング

・丹野委員から、資料5に基づき説明。

○予防保全の項目の選定については、どのように行ったのか。
○これまでの経験から、躯体への水分の浸透によるコンクリートの劣化が老朽化を一番進めるのではないかと考えている。そのため、屋上防水や外壁塗装を中心に行なっている。
○項目によっては事後保全を選択せざるをえないものもあると思う。また、途中で状況を把握しながら、その状況に応じて対応を決めるものもある。予防保全の項目はある程度耐用年数が推定できるものを選定したということか。
○建築基準法による定期点検を行う中で、劣化部分があれば対応していく。学校カルテのデータも定期点検の状況を踏まえ更新することとしている。
○学校は、公共施設に占める割合が大きく、例え計画を策定しても、計画通り予算を確保するのは難しいと考えるが、どのような工夫を行っているのか。
○本市の総合管理計画は、財政局の資産運用部で策定しており、学校施設の長期保全計画が、市財政の平準化において重要なことだと予算管理を行う財政局も認識している。本計画自体は、市長も含め共有しており、財政局や市の総合的な計画を行う部署にも理解を得ている。
○本手引において先行事例を載せる予定だが、川崎市の事例は大変参考になる。
○個別施設の順位づけは、評価点数に基づくものなのか。
○評価点数により順位付けを行う予定であったが、実際に評価点数を出してみると築年数が古い学校ほど、低い評価結果となった。当初は、建物の維持管理の状況によって、必ずしも古い校舎が使い勝手が悪いとか老朽化が進んでいるわけではないのではないかと考えていたが、実際の調査やヒアリングにより点数化した際に、古い建物の評価が低いという結果になった。また、グループ内においても優先順位付けをしており、古い学校から対応していく予定だ。こうすることで、学校の順位付けについて、対外的にも説明しやすい。

・望月委員から、資料6に基づき説明。

資料7・8について

○予防保全によりトータルコストは下がるが、毎年の維持管理費は増えることに留意する必要がある。次回までに、先進的な取組を行う武蔵野市にヒアリングを行ってもらいたい。
○本計画の中では、施設の総量の削減についても、記載するのか。
○総量の削減については、ソフト面での議論も行われるべきものであり、例えば本手引の中で具体的な削減目標を設定することを求めるような記載をすることはできない。ただし、先進事例を紹介したり、併せて検討することが有効な点として掲載することは可能。
○長寿命化を図りながら、今後、他の施設に転用する可能性についても記載する必要があるのではないか。 
○国全体では、児童生徒数は減ってきているが、学校の保有面積数は高止まりしている。今後も、このようなストックを学校として抱え込むことが妥当かという視点は必要。一方で、児童生徒一人当たりの面積は増加しており、中身をリファイニングすることで高水準の教育環境となりうるのではないか。
○流山市の場合は、学校の整備に併せて他の公共施設の機能も集約していく予定。例えば、建て替えを行う場合、将来の転用を見込んで計画し、段階的に機能を集約していきたいと考えている。他の公共施設と関連することなので、学校だけで総量の議論を行うのは難しい。また、自治体によって、事情は異なる。
○個別施設計画と総合管理計画の境目が曖昧な部分があるので、空白の部分がないようしっかり整理しておく必要がある。
○複合化については、施設企画課でも議論が行われており、両課でよく連携して欲しい。
○地方公共団体が保有する施設のうち学校が約4割を占めている。我々が策定する手引は、学校施設の長寿命化計画を対象にしているが、前提条件として地方公共団体が抱えている施設全体のマネジメントの中に、本計画を位置づける必要があることは記載すべきだろう。
○地方では学校が公共施設の中心となっている。統廃合しても別の用途に施設を利用したいという地域もある。
○本手引は市町村の教育委員会向けとのことだが、自治体によっては技術職員がいないところも多い。実際の計画策定にあたっては、技術職員の力が大きい。市町村の中にいる技術職員が兼務や併任をして、計画策定に携われるようすることも重要である。
○技術職員も多くいる大規模な自治体がある一方で、技術職員がいない小規模な自治体がある。このことについて配慮が必要である。小規模の自治体が、近隣の自治体とコンソーシアムをつくって、連携して技術職員を確保する仕組みなども考えられる。
○予防保全の項目には技術的なノウハウが必要となるため、技術職員が少ない自治体のためにも、ある程度わかりやすく項目を示す必要がある。
○これまで改修工事については、単年度契約で行っていたので、夏休みだけでの工事となっていたが、債務負担により複数年契約でやると冬休みや春休みにもできるので、そのようなことも考えていかなければならない。そうでないと、「いながら改修」は難しい。
○予算を決めるのは財政部局や市長であり、その人たちに対して説明するための手引きの概要資料を作成して欲しい。
○市全体の計画に個別施設計画をきちんと位置づけておくことが、自治体内部で予算確保や計画執行の観点から重要となる。
○個別施設計画の目的としてコストの縮減や平準化とあるが、その前に「機能を維持していく」という考え方を示す必要がある。
○学校施設整備基本構想と個別施設計画の位置づけを明確にし、本手引が出た際に、自治体が新しい計画を一から策定しなくてはいけないと思わないよう配慮してほしい。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設助成課 高草木、後藤

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2051)、03-6734-2078(直通)

(大臣官房文教施設企画部施設助成課)