国立大学法人等施設整備に関する検討会(平成26年度)(第3回) 議事要旨

1.日時

平成26年8月21日(木曜日)15時~16時30分

2.場所

文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 平成27年度国立大学法人等施設整備事業の評価及び選定について
  2. その他

4.議事要旨

(○:委員、●:事務局)

(1)平成27年度国立大学法人等施設整備事業の評価及び選定について

 事務局より、委員が実施した「教育研究等への効果」に関する評価の結果について報告を行った。さらに、事務局より、これらの評価結果や「平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」等を踏まえた「平成27年度国立大学法人等施設整備事業の選定の考え方(案)」及び「平成27年度国立大学法人等施設整備事業の評価及び選定一覧(案)」について説明を行い、了承された。
 主な意見は以下のとおり。

○ 総合評価がSとなった事業の中で概算要求事業として選定されているものとされないものの差はどのように判断しているのか。
● 基本的に、第3次国立大学法人等施設整備5か年計画や平成27年度国立大学法人等施設整備事業の選定の考え方(案)でも掲げさせていただいたとおり、耐震化事業を優先的に選定している。また、これまでの事業の継続性やマスタープランとの関係などと齟齬が生じないように工夫させていただいている。
○ 「教育研究等への効果」について、委員から修正意見があったものの、事務局案から変更しないと判断された事業はあるのか。
● そのような事業はない。
○ 附属病院のカテゴリーの事業が選定される割合が高いのはなぜか。
● 附属病院の施設整備は財政投融資と補助金で行われており、大学は再開発を検討する際に中長期的な整備計画や収支バランスを見据えた上で要求を出していることから、もともと精査された要求となっているという事情がある。また、その他の事業に比べて安定的に財源を確保できることから、計画的に整備を進めやすいという特徴がある。
○ 老朽改善が必要な施設がかなりある中、附属病院のように安定した財源を確保できる施設はよいが、それ以外の施設では資金の確保が大変厳しい。

(2)その他

 事務局より、第3次国立大学法人等施設整備5か年計画の進捗状況及び28年度からの次期5か年計画に関する検討状況について報告を行った。最後に、事務局より、今後のスケジュール等について説明した。
 主な意見は以下の通り。

○ 附属学校の施設整備については、大学の中で優先順位が低くなりがちだが、老朽化して危ない状況にあるものも少なくない。そのため、附属学校の施設整備を計画的に行うよう次期施設整備5か年計画に位置づけられないか。
● 安全や環境への配慮などの観点については、附属学校も含めた全体の施設整備の方針となるように考えている。また、大学の機能強化の観点においても、先端研究施設に限らず、教育研究上の効果が見込める施設であれば、附属学校の施設整備も読み込めるようになっている。
● 国立大学改革の中で、各大学のミッションの再定義がなされており、その中で、教員養成の課題にどう対応していくかという観点からの検討を各大学が実施し、公表している。附属学校については、教員養成分野において、各大学がその特色を活かして考えていく中で、施設整備についても今後検討していくことになると思う。
○ 附属学校は、大学本部の管理ではなく、教育学部の管理となっているものも多く、老朽化した附属学校の施設整備が大学全体として計画的になされていない状況もある。学部管理の施設も含め、全学的な視点からの施設整備のためのガイドラインを検討するといったような視点はないのか。
● 全学的な視点からの施設整備については、国立大学キャンパス計画指針において、サステイナブル・キャンパスの考え方の中で既存資源の戦略的管理運営などを掲げている。
● 学部が管理する場合、学部の研究活動が中心になりがちで、学生サービスのための施設整備の優先順位が高くならないことがある。これまでは、附属学校についても耐震化など施設の安全・安心の確保の観点から、施設整備が進められたが、耐震化が完了しつつあることを踏まえ、今後、学部で管理するべき施設と大学本部で管理するべき施設を各大学において再整理いただく必要があるかもしれない。
○ サステイナブル・キャンパスの考え方は適切だと思うが、各大学の計画が適切かどうかの検証が不十分ではないか。LEDや太陽光発電、風力発電などにかける費用と経済面だけに限定されない効果の検証など、学内の評価体制も含めて施設整備を認めるような視点も必要だと思う。
● 次期5か年計画の策定に向けた有識者会議においても、経済性の観点からの議論があったが、一方で、先端研究を行うという大学の教育研究上の取組の観点からの議論もあった。
● 省エネ設備を導入するとともに、省エネにより5年間で採算がとれるような計画を立てている大学も中にはある。
○ 高校までは授業の中で環境に関心を向けること自体がプラスになると思う。一方で大学、大学院ではそれだけではなく、サステイナブル・キャンパスの形成によって人類や社会全体にどれだけ影響があるかという視点での検証も重要である。施設整備の中にそのような視点を入れても良いのではないか。
○ 役に立たない施設を抱えるのは企業においてはマイナスであり、活動の正当性を疑われることになる。一方で、大学においては教育研究効果も含めて全体が上手く回るように考える必要があるので、大学からもその点を主張してもらえると良い。
○ 参考資料3の4ページにある「国際的にも信頼性の高い施設基盤の整備」とは具体的にどのような内容なのか。
● 日本の国立大学施設に関して、諸外国からも安全に懸念をもたれないよう、施設整備を進める必要があると考えている。特に日本は地震大国だと認知されているので、地震対策が遅れている印象をもたれると、外国の学生の足が日本に向かなくなってしまう。
● 電気、水道、ガスなどのインフラについては、戦後、大学のキャンパスを整備した際に設置したまま60年以上経過したものが多く、老朽化対策が進んでいない。そのため、電気、水道、ガスが一斉に利用できなくなる可能性もある。インフラが利用できなくなることで研究が中断されてしまう事態も考え得るため、十分に対策を検討する必要がある。

以上

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