国立大学等施設の総合的なマネジメントに関する検討会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成25年12月5日(木曜日)15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 各委員からのプレゼンテーション
  2. 検討に際しての論点
  3. その他

4.出席者

委員

佛淵主査,上野委員,小松委員,恒川委員,成田委員,古阪委員,和田委員,齋藤特別協力者

文部科学省

関文教施設企画部長,長坂技術参事官,山川参事官,笠原計画課整備計画室長,阿部監理官,中島参事官補佐

5.議事要旨

○ 佛淵主査プレゼンテーション
○ 恒川委員プレゼンテーション
○ 事務局より資料3~5説明
○ 討議

委員:平成14,15年のマネジメント報告書(知の拠点)はよくまとまっているので,これにアウトカムが追記されると良い。

委員:施設を良くしたら何が改善できたかという評価を何年か前に検証したことがあるが難しかった。
  教育と施設の関連を説明するのは難しい気がする。

委員:施設が教育にどれだけ寄与しているかは難しい。
  私は,短期的な目標,中期的な目標,長期的な目標をある程度設定し,アウトカムを最初から考えながら事業を行っている。
  例えば,短期的な目標として,美術館であれば入館者数,図書館であれば利用率や満足度など。

委員:名古屋大学ではコミッショニングに取り組んでおり,建物を造るときに測ることができる目標を幾つか立てて,検証を行っている。
  例えば,他の研究室とのコミュニケーションを上げることやCO2削減という目標は測ることができる。

委員:何となく造ったモノをどう評価するかが難しい。
  コミッショニングをするためには,最初の目標設定が一番重要。
  目標が定量化できない場合でも,満足度等で目標達成度がわかる。

委員:名古屋大学のキャンパスマスタープランの中では,計画ごとに外部から予算を獲得してやるべきこと,学内経費でやるべきこと,予算をかけなくてもできることの3つに分け,6年間の目標として定めた。

委員:多くの大学は,誰が何をすべきなのかがわからないから,マネジメントに手が付いていない気がする。
  この辺りをわかりやすく解説することが必要。

委員:最低限やらなければいけない指標があると良い。

委員:今まで出てきた内容は,個々の大学の問題と文科省内で検討していただきたい内容がある。
  大学はまず優先順位をつけることが必要であり,そういう指標を文科省で示していただきたい。

委員:組織が大きくなると新築,保全,財務と縦割り組織になってしまい,全体を見渡す人がいない。
  今まで一部しか見ていなかった人に,いきなり全体を見ることを要求するのは酷であり,縦割り組織に横串をさす組織が必要。

委員:病院のアウトカムは手術件数の増加等により出しやすいが,大学のアウトカムを出すのは難しい。
  論文数の増加や困窮度だけを見ればいいというものでもない。

委員:大学のミッションの中で施設のアウトカムを考えていく必要がある。
  また,ミッションは複合的に見るべきだが,大学を全体として俯瞰(ふかん)し長期的に見る仕組みがない。

委員:ベンチマークはトップを刺激するために意味があるので,是非やっていただきたい。
  まずはやれるところから,やらなければいけない状況を作り出す必要がある。

委員:資料2で示した10の戦略は,小さな大学はそのうち1つでも2つでもいいので,できるものをやっていただきたいという思いで書いた。

委員:マネジメントは取り組むべきレベルがそれぞれあると思うので,段階別に何をしたらいいかの整理を文科省でやってほしい。
  そういう方向付けがあると大学も取り組みやすくなるのではないか。

委員:担当者レベルにおいて課題の目標がどこにあるのか理解されていないところが問題。
  担当者レベルでワークショップをやっても,すぐ具体的な業務の話になってしまう。
  例えば,役務の一元化がコストやクオリティに対しどのような影響があるのかを理解せずに,一元化をすることの課題をあげてしまう。

委員:資料5を見ると,情報整理や現状把握等の維持管理の要素が強いという感想だが,これはキャンパス計画や施設計画を含めた総合的なマネジメントの内容になっているのか。

事務局:企画・計画から整備の実施,維持管理を含めてPDCAをまわすというパッケージで考えており,総合的に盛り込まれた内容としている。

委員:報告書目次(素案)を見た限り,今まで言ってきたことと余り変わっていないのではないか。
  今までなぜマネジメントが浸透しなかったのかといえば,どうしていいかわからないからであると理解している。
  理念よりも実践編をつくるべきである。
  例えば,マネジメントの練習という意味で,具体的な課題を挙げて,現状把握から目標設定,計画の作成,検証という一連の流れを体験してもらうというケーススタディをしたらどうか。
  または,『もしドラ』風に,架空のシナリオを設定し,より具体的に解説できないか。

委員:この報告書目次(素案)は,マネジメントのことをわかっている人が書いた実践編だと思う。
  「施設のマネジメントを今までやっていなかった」という前提に立つべきである。
  資料3の(2)(3)(4)は,計画ではなく目標設定とするべきである。
  そして,この(2)(3)(4)は,施設だけを見ていてはできない問題であるが,目標を具体的に作ることが最も重要。
  目標をうまく設定できればPDCAも回るのではないか。

委員:各機関のミッションを実現するために施設をどうするかということが施設マネジメントであると思う。
  PDCAサイクルを回さなければ各機関のミッションを達成できないはずなのだが,マネジメントのためにマネジメントを行っている現実がある。

委員:ケーススタディのお題としては,例えば「施設の有効活用」がいいのではないだろうか。
  施設の有効活用について教職員全体に意識を持ってもらいたい。

委員:組織の中でミッションが共有されていないことが問題。
  PDCAサイクルを回すには,Cを考えてからPDを作るぐらいでないといけない。

委員:かなり事例を盛り込んだ方が良い。
  今後,施設マネジメントに関するコンクールをやってもいいのではないか。
  また,施設マネジメントを専門に取り組んでいただける先生を巻き込めると各大学での推進もやりやすくなるのではないか。

委員:ケーススタディのお題としては,「施設の有効活用」に加え,「老朽化改善」が適切ではないかと思う。
  施設マネジメントが何とどう関係があるのかという,まずは全体像を理解することが必要である。
  企画・計画,整備,運営の中でどういう作業を誰がしているかなどの全体の流れや,ミッションとのつながりを分からせた上で,ケーススタディを示すことが必要である。

委員:報告書目次(素案)2.の,「施設担当部課に求められる施設マネジメント」を,「経営者層に求められる施設マネジメント」に変えたらどうか。
  また,ユーザーの視点があってもいいかもしれない。
  2012年の施設マネジメントのリーフレットにアウトカムが書いてあるのは非常にいい。
  経営者層にすごく分かりやすい。やはり,アウトカムが必要。
  この報告書は誰に向けて出すのか。

事務局:経営者層の方々を主なターゲットとし,一部,実務担当者に向けてのメッセージも含めたい。 

委員:今までの施設担当には,建物を造ることが求められていたが,意識の転換をしてもらわないといけない。

○今後の予定説明

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部参事官付

(大臣官房文教施設企画部参事官付)