平成26年2月24日(月曜日)
文部科学省 文教施設企画部会議室(旧文部省庁舎4階)
香山主査,上野委員,小山委員,田村委員,澤野委員,伊香賀委員,古橋委員,山本委員,齋藤委員
関文教施設企画部長,森計画課整備計画室長,山川参事官,新保技術参事官,阿部監理官,濱田参事官付参事官補佐
・議題(1)検討会報告書(最終案)について
・事務局より資料1から資料3に基づき説明の後,各委員から以下の内容の意見があった。
第1章について
○ P2,3でフレキシビリティについての記載があるが,「実験研究上求められる機能の不備」だけでなく,構造計画等に関連する「空間の広さや高さの確保」についての記載も必要ではないか。
・追記する。
○ P4 3.低炭素社会の実現の図3内の「大学・専門学校」について,国立大学に限ると数値はいくらになるのか。平均値がわかるのであれば記載した方が良い。
・検討会(第3回)の会議資料に全国立大学のエネルギー使用量を示しているため,この数値を保有面積で除すると国立大学分の数値が算出できる。
○ 過去の検討会資料等により,学部毎に細かく分かれているものがあると思うのでそちらの図の方が良いのではないか。
○ 図3を見ると,「大学・専門学校」は「コンビニ」や「飲食」と比較すると数値も低いため,あまり気にしなくても良いが気をつけろというイメージに見える。比較するのであれば,他の教育施設の方が良いと思われる。
○ 机上配付資料8-6に,小・中・高・大学のCO2排出量の予想図が出ており,これを見ると大学が殆どを占めており,学校施設の中でも大学の低炭素化というのは大事であると過去の報告書にも記載されている。
・委員の御意見を踏まえ,再度事務局で検討し,エビデンスとして適切な図表に差し替える。
・サステイナブルキャンパスの定義について議論いただきたい。
○ きちんとした定義はない。目指していかなければいけないというイメージだと思われる。
○ 注釈部分に「この報告書においては」と追記することで,本文中の「実現に向けた」という内容とつながってくるのではないか。
○ 事務局で再検討いただきたい。
第2章について
○ 各章につながる文言を加えた方が見る側にとって親切である。
・構成として,第2章のタイトル「設計の基本的考え方」の下にもう一つタイトル「機能の活性化の推進」が来ている。重要な内容のため,文章の中に溶け込むと分かりづらくなると思い特出ししているが違和感はないか。
○ 第2章のタイトルを「大学機能の活性化の推進」とし,活性化につながる中身として「設計の基本的考え方」があるので,かぎ括弧書き(『大学機能の活性化の推進「設計の基本的考え方」』)としてはどうか。
○ 副題にも「大学機能の活性化」とあるし,文章全体を読んでいけばおのずと分かるものであるので,特出しで記載する必要はないのではないか。
・リード文も含めて全て不要という意味か。
○ タイトルのみ不要という意味である。
○ 目次を見ると,他の章は「節」で分かれているが,第2章はリード文のみとなっている。体裁の問題だが他と統一した方が良いのではないか。第2章が大事なのであれば他と同様全て「節」としてはどうか。
・第2章は節で分けた場合,第1節のみしかないため,あえて節を外した。各委員の御意見を踏まえ再度検討する。
第3章について
○ P8第3節 機動的可変性の確保の3行目について,「設備計画において・・・」の前にも「構造計画」という文言を追加した方が良いのではないか。
・第3章のタイトルが「教育研究空間の最適化」ということで,ここでは空間として最適化となるもののみを記載している。構造計画は,どちらかというと長寿命化の観点になると考え,第4章で整理した。第3章では,短いスパンで計画する時のフレキシビリティを記載している。
○ 早い段階で記載されていることは大事である。例えば,階高の設定で,費用を抑えるために低い階高としてしまい,将来,実験室の更新を行う際に不都合が生じてしまうということも考えられる。
・第3章と第4章は並列の考え方となるので,早く記載があるからより大事ということにはならないと思い,このように記載した。
・第3章は機能の話で,第4章の長寿命化は環境配慮型という区分けとなっている。機能的なことを述べる上においても,構造的な配慮も必要だという考え方が第3章に記載されていてもおかしくはない。再度事務局で検討する。
○ 「サイン」の注釈があるが,本文中にそのまま「案内・誘導サイン等の」と記載すれば注釈は不要となる。
○ 第2節 快適性・利便性への配慮内にある「教育研究のコアな空間」は専門用語にあたるのではないか。「中核」や「中心となる空間」等にしてはどうか。
○ 第3節の「機動的可変性」はフレキシビリティとイコールの意味と考えて良いのか。
・P2第1章「フレキシビリティ」の注釈にある「可変」部分を整理した。
・可変性が機動的に出来るということを記載したかったので,表現については再度検討する。
○ 第3節の設備計画において,プレハブ化は記載できないか。将来の撤去・改修等に手間がかからないものや,更新の際にメンテナンスしやすいこと等を考えていくと,プレハブ化の採用というのもあるのではないか。
・報告書に記載すると,全ての整備がプレハブ化してしまう恐れがある。
・施設の利用期間を踏まえての話だと推測するが,それだと第4章の長寿命化の方になるのではないか。
○ 設備計画において,将来対応として様々な事を想定して検討する必要があるのであれば,改修計画も進めやすく,費用も低く抑えられるプレハブ化が良いのではないか。
・設備のプレハブ化という内容であれば検討する。「プレハブ」という表現が適切かどうかは確認する。
第4章について
○ 項の順番としては,「防災」,「事故防止」,「防犯」としていただきたい。防災が一番大事ということは理解できるが,大学で調査を行っても,圧倒的に事故件数の方が多い。これに伴い,第2章2.施設水準の向上内の文章も「災害,事故,防犯」の順番に直していただきたい。
・御指摘のとおり修正する。
○ 第1節1.防災機能の強化について,病院や学生寄宿舎は避難者が集まってはいけない場所であるため,文章の修正が必要。またBCPの注釈についても修正が必要。作文し後日連絡する。
○ 「防犯」「事故防止」に対し,防災部分だけ「機能の強化」となっている。
○ 「防災」のみとするか,「防犯」「事故防止」にも何か追記した方が良い。
第5章について
○ P14第2節2.推進体制の構築について,報告書の内容は現在の大学施設部の考え方からは内容が飛躍している。プロジェクトチームの構成等については,机上配付資料8-5「実験施設の整備等における安全衛生対策の留意点について」を参考とするよう注釈を追記していただきたい。
○ 第4章の省エネルギーについても,資料8-6「大学等における省エネルギー対策の手引き-経営層,実務管理に向けて-」を参考とするよう注釈を入れてはどうか。
・机上配付資料8-5は実験施設に特化したものとなっているため,全体の考え方として扱えるかという懸念はある。注意書きを加えた上で記載する。
○ P14第2節3.基本計画書の策定内の「与条件」とは何か。
・注釈を入れて対応する。
○ 文言の問題だが「基本設計書」ではなく「基本設計図書」ではないのか。
・確認の上,修正する。
第6章について
○ P23第4節3.環境・設備性能への配慮について,どのような室内環境を維持するのか分からない。「良好な」という文言を追加した方が目的が明確化するのではないか。
・追記する。
○ P25第6節4.運用面への配慮について,「アプローチに配慮した位置に確保」とあるが主語がないため分からない。
○ 災害対策本部と外部のアプローチに配慮したという意味である。本部を上階に設置してしまうと,エレベータ等も使用できない状態で外部とのアプローチが悪くなってしまうためである。
○ 写真は先進事例を示しているのか推進するものなのかわからない。写真と本文の中身がリンクしていない。本文の内容はやらなければならない内容のものか。
・その通り。
○ 文章は補強した方が良い部分もあるため,作文し後日連絡する。
○ 第6章に掲載している写真はどのような意図で掲載されたものかという内容を記載してはどうか。
・写真を取ってしまうのはどうか。
○ もったいない。
・本報告書の書き方として写真の中身をどのように考えていくかが必要である。現在事務局で収集した写真を掲載しているが,本文の内容をイメージ的に分かりやすくするために写真を掲載しているところである。
・写真の中身と本文について議論を呼ぶのであれば,写真を取ってしまうというのも一つの考えではある。
・その際は,国に求められる取組の中で,技術的情報の提供として,特色ある施設の事例としてとりまとめる事例集の中に,より多数の事例や写真を紹介することで対応することも可能である。
・現在は写真の下に本文という構成となっているのでそれぞれの中身がリンクしていない。報告書として求める内容を始めに記載し,その参考イメージとして写真を掲載するということも考えられる。
○ 写真と本文の順番を入れ替えて掲載しても良いと思われる。
第7章について
○ 第1節1.戦略的広報について,ここでいう広報とは誰が誰に対して行うものなのか。
・1つは学内に対して全学的な周知が必要。もう1つは学外に対しても,様々な外部資金の確保等が考えられるため,広報が必要と考えている。
○ 施設整備関係者が学内の関係者に対して行う広報と,大学として外部関係者に対して行う広報とそれぞれあり,両方大事だと思われるので分けて記載してはどうか。
・分けて記載する。
はじめに・副題について
○ 「はじめに」の内容について,報告書の背景が強く本編の議論に対するメッセージが弱いように感じられる。報告書の趣旨についての記載をした方が良い。
・各ポイントを加えるよう追記する。
○ 関係者に見てもらえるよう概要版等があれば良い。
・資料2については参考資料に掲載しており,これを本報告書の概要版とする予定である。文章ベースでの概要版はないので,作成するか検討する。
○ 本報告書の構成を理解してもらえるよう,「はじめに」に概要版を持ってきた方が章立て等が分かりやすくなるのではないか。
○ 「はじめに」は目次の前に持ってくるのではないか。
○ 副題の文章は,大学機能“が”とするか“を”とするかどちらが良いか。
・事務局としてもどちらが良いか議論していたところである。
○ 「大学機能“を”」とした方が良いのではないか。「大学機能“が”」とすると教育研究空間を造ると自動的に大学機能が活性化するように捉えられてしまう恐れがある。
・「大学機能“を”」に修正する。
・議題(2)その他
・今後の報告書作成までのスケジュールについて,事務局より説明を行った。
大臣官房文教施設企画・防災部参事官付