参考1 検討会(第1回)議事要旨

国立大学等施設の設計に関する検討会(第1回)議事要旨

1.日時 
平成25年7月4日(木曜日) 13時30分~15時30分

2.場所
  文部科学省 旧文部省庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題
  (1)国立大学等施設の設計に関する検討について
  (2)設計指針の見直しの方向性について
  (3)その他

4.出席者
 [委員]上野武,香山壽夫,小山薫,澤野由紀子,竹内徹,古橋秀夫,堀川晋,山本仁(敬称略,五十音順)
 [特別協力者]齋藤福栄(敬称略)
[オブザーバー]山下計画課長,笠原計画課整備計画室長
[事務局](文教施設企画部)清木文教施設企画部長,長坂技術参事官,山﨑参事官,阿部監理官,濱田参事官付参事官補佐 他

5.議事要旨
以下のとおり

・主査の選任
  本検討会の主査を互選後,香山主査より挨拶。

・議題(1)国立大学等施設の設計に関する検討について
 ・本検討会の趣旨について,事務局より資料1に基づき説明を行った。

・議題(2)設計指針の見直しの方向性について
 ・事務局より資料2及び3に基づき説明の後,上野委員より資料4,小山委員より資料5についてプレゼンテーションを行った。
・設計指針の見直しの方向性について自由討議を行った。

【自由討議】(○:委員,●事務局)
○ アメニティーを含む,机・椅子などについて,指針の中でどのように取り扱うのか。

● アメニティーについて,良い空間は建築・備品が一体として計画されている。設計の留意事項として考えることは必要である。

○ 国立大学なのでキャンパス全体が公的空間であるべきではないかと考えるが,研究室等の教育研究の場を私的空間と表現して良いのか。学生にとって講義室や演習室,大学院生にとって実験室等は長い時間を過ごす重要な公的空間であると思う。
○ 研究室は責任者である教員等が自由に使える空間であり,他の人が勝手に入れる場所ではないので私的空間とした。

○ 予算成立から実施設計までの期間がとても短いため,しっかりとしたキャンパス計画の作成や,ふだんからの準備が大切である。設備や構造計画まで事前に計画する仕組みができると良い。

○ 維持管理の面から見たときに,これから大学の施設を何年もたせるという明確なプランが記載されていない点が気になる。

○ 100年建築でも設備機器の更新は生じるため,スケルトン・インフィル等,構造体と設備等部分を分けて考えなければ計画的な維持管理はできない。

○ ふだんからの維持管理の記録やデータなど,ファシリティーマネジメントとしてのデータ管理が極めて重要である。

○ 非常時の安全については議論されているが,日常の身近なところでの安全対策についても議論が必要である。

○ 設備設計を行う中で,BCP(事業継続計画)についてのクライアントからの要望が非常に多い。

○ 建物を設計する際に,周辺建物を含めてスマートグリットを活用したデマンドレスポンスの考え方を取り入れたり,発電機や水の供給においても建物単体ではなく施設群で考えたりというアイデアは非常に良い。

○ 現在の設計期間では,当該部局との意思疎通を図る時間が非常に短いことが問題である。施設職員も教員も含め,良い建物を造りたいという共通認識はあるが,意思疎通がうまくいっていなかったり,それぞれの業界の常識を知らないために,使い勝手の悪い建物になっていたりというケースが全国的に多い。

○ 設計時には,第1世代の教員の希望を考慮したものが非常に多く,次の世代の人は動線や使い勝手の良さを犠牲にした状態で使用しているため,安全面に問題がある。本当の意味での実験室等のフレキシビリティーの確保について考える必要がある。

○ 安全・安心のキーワードの中で,「安心」とは,誰が誰に対してのものかを明確にし,共通認識の中で検討しなければいけない。

○ 総合大学や理系大学には危険物等を扱う場も多いが,それと同時に非常時には地域の防災拠点としての避難場所となる。双方を実現するのは非常に難しいことである。

○ フレキシビリティーの確保については,現行の指針にも触れられているが,この重要性は増しており,様々なものに対応しなくてはならない状況である。設計時にフレキシビリティーをどのように考えておくかということを指針の中に強調して記載しても良いのではないか。

○ 指針策定時から国立大学の中で大きく変化してきたこととして,総合研究棟という整備形態が非常に増えてきたと感じている。総合研究棟は設計上,様々なことを考慮する必要があるため,指針の中に反映できればいいのではないか。

○ 日本の大学は周辺地域に対して開いていかなければならない状況にあるが,うまく対応しきれていない。建築空間の造り方にも問題があると痛感している。

○ 海外の大学では,周辺地域にも様々なサービスが行われている。例えば,誰でも自由に授業が聞けたり,日曜日や夜の映画会などを行ったり,地域住民にとって,大学は魅力的な存在である。日本の大学は,組織としてだけでなく,活動や空間的にも閉ざされている。

○ 大学の施設担当者にはファシリティーマネジメントを一番に考えてほしい。学部,学科という部局の枠を超えてフレキシブルな対応ができるような役割を果たしてほしい。

○ 日本では,セミナー室と食堂は分けて考えられているが,海外では食堂でコーヒーを飲みながらセミナーを行っている事例も多い。

○ 策定後の普及活動が大事ではないか。

・議題(3)その他
 ・今後のスケジュールについて,事務局より資料6に基づき説明を行った。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部参事官

(大臣官房文教施設企画部参事官)