資料1 学校施設の長寿命化改修に係る手引作成検討会(第1回)議事要旨(案)

1.日時

平成25年6月10日(月曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 東館3F1特別会議室

3.議題

  1. 手引作成の進め方
  2. 有識者からのヒアリング
  3. その他

4.出席者

【委員】上野委員、青木委員、安間委員、海野委員、野口委員、柳原委員
【特別協力者】齋藤特別協力者
【文部科学省】清木文教施設企画部長、長坂技術参事官、串田施設助成課課長、富田同課企画官、齋藤同課課長補佐、錦同課課長補佐、木村同課専門官、扇谷同課技術係長

5.議事要旨

議題(1)手引作成の進め方

事務局から、資料2に基づき「学校施設の長寿命化改修の手引(仮称)」の編集方針について(案)、資料3に基づき今後のスケジュールについて(案)、資料4に基づき手引掲載内容案(たたき台)について、資料7に基づき「学校施設の老朽化対策について」(概要)等について説明。

資料4について

  • 資料4のうち、総論的事項については既にこれまでの検討資料の中に大体ヒントや答えが書かれてはいるが、後段の内容については、自治体レベルだとなかなかコメントのしようがない、正直言って分からない項目というのが多数ある。
  • 当教育委員会では、現在、学校の再生整備事業をモデル的に実施している。当市の場合は、仮設校舎を建てない、いながら改修を実施してほしいという学校の要望が強いことから、工事の完了までには4年かかってしまう。
    このため、手引においては、補助金との関係も含め、長寿命化改修の実行可能なモデルケースを例示すれば、全国の自治体の参考になると考えている。
  • 補助金を活用すると、工事自体は単年度で実施しなくてはいけない。このため、当教育委員会では、2年ほど前までは、夏休みに工事を集中して実施していたが、改修のメニューが多くなるにつれて、どうしても授業中にやらなくてはいけないようになっている。早期発注して夏休みには工事を終わらせるというような方向に変わってきている。
    近年では、東日本大震災や国の補正予算の影響で、各自治体でかなりの仕事を発注しているため、無理して夏休みに工事をとるという業者が少なくなっている。このため、補助金を活用しようと思っても結局工事ができないという課題がある

資料7について

昨年の「老朽化対策検討特別部会」の議論の過程では、現在では、学校施設は平均42年という寿命の短さで、作ってはすぐ壊し建て直す、その際に相当な量の廃棄物を排出しているという状況にあるが、今後は、しっかりメンテナンスをしてしっかり使い続ける、そういう文化を我が国として取り戻す必要があるのではないかという議論があった。このような意味において、文部科学省が長寿命化改良事業を創設したことは非常に大きい決断だったと思う。単に延命させるのではなくて、しっかり使い続けるための技術を模索するというような手引ができれば望ましいと考えている。 

議題(2)有識者からのヒアリング

青木委員から、資料5に基づき説明

  • 長寿命化改修を実施する際、あと何年ぐらい持たせたいという施主の意思は、ある程度明確にあるものなのか。
    (青木委員)住宅では、工事に係る費用の返済期間は必ず使えるように、ということではないかと思う。例えば、30年のローンを組んだのであれば、30年間は必ず使えるようにしたいということ。
    なお、当事務所では、コンクリートについて、内断熱と外断熱を行っている。例えば、当事務所が改修した八女市立福島中学校の屋内運動場の場合は、外側よりも内側の方がコンクリートの劣化が激しかった。つまり、人間が出すCO2が建物に対して非常に悪影響を及ぼしていると分かったため、当事務所では、コンクリートについては外断熱とともに、内断熱を施している。そのことによってコンクリートの劣化はかなり抑えられるのではないかと考えている。
  • ともすれば長寿命化、延命ということが議論になりがちであるが、ベースビルディングを使いながら、新しい教育ニーズあるいはバリアフリーなどのような30年前、40年前には考えなかったような、しかし、今日の学校建築に求められている水準にまで機能向上しながらリファインしていくという観点を、この検討会として忘れないようにしていくことが大事ではないかと改めて感じた。

野口委員から、資料6に基づき説明

現時点で何を基準として、コンクリートの劣化度合いを評価し判定していくのがよいかについて御教示願いたい。
(野口委員)鉄筋に沿ってひび割れが発生しているという状況においては、その後の劣化の進行は加速度的に早まるので、対策を講じなければ、コンクリートの表面部分が剥離して落下してしまい、また、耐力も落ち始めるという状態になるので、そこが一つのポイントであると考えている。

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