学校施設における非構造部材の耐震対策の推進に関する調査研究(第9回) 議事要旨

1.日時

平成25年12月16日(月曜日)15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省東館15階15F特別会議室

3.議題

  1. 非構造部材の被害調査・分析の検討状況の報告について
  2. 調査研究報告書(素案)について
  3. 屋内運動場等の天井等落下防止対策事例集(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

岡田主査、宇留間委員、国崎委員、坂本委員、清家委員、矢崎委員、山田委員、齋藤委員

文部科学省

関文教施設企画部長、長坂技術参事官、新保施設企画課長、奈良施設助成課長、山下計画課長、森防災推進室長、廣田防災推進補佐

オブザーバー

河村課長補佐(スポーツ青少年局 学校健康教育課)、前田企画専門官(国土交通省)

5.議事要旨

(※○委員意見、●事務局意見)

(1) 事務局より資料の確認・説明
・予算について
・天井対策加速化事業について
・防災科学技術研究所による天井の脱落被害再現実験について(清家委員より補足)

(2) 調査研究報告書(素案)について  
○武道場において、天井の被害が最も多かったとあるが、武道場は後の方でも特別に取り上げているのか。
○武道場の天井対策は体育館と同様に重要。被害としては天井脱落が多くなっている。
○武道場はIs値などが不明なものが多く、分析が難しい。構造特性としては、小規模な体育館と見ており、体育館の分析結果を延長できると考えている。
○武道場の扱いを明確にしておくとよい。ほとんどの学校に武道場はあるのか。
●中学校の武道必修化により、整備が進められている。
○天井の振動被害とスパンの関係など、机上資料1の内容は、専門の方以外では理解が難しい。下線を引いたり太字にしたり、要点を分かりやすく整理するなど加工が必要。
○片持構造において横連窓がサッシごと脱落した例は、3.11の震災以前にも発生している。これは水平方向の層間変位ではなく、上下方向の揺れにより、上下の幅が開いて掛かり代が少なくなり、サッシが外れたと考えられる。どのような振動だったのかもう少し見極める必要がある。
○そのとおり。ワーキングでも御指摘の挙動ではないかと推察した。
○30ページに教室の境界壁ブロックが全面的に倒れた被害について書かれているが、このような被害は他にもあったのか。
○コンクリートブロック壁の一部が破損したという被害は多数見られたものの、全面的に倒壊した被害は、この1例のみ。しかし、1例とはいえ、注意喚起をする意図で、危険度の高いということで、積極的に掲載している。
○ここまで間仕切り壁が倒れた例は見たことがない、もう少し個別の理由があるのではないか。
○過去の地震では、能登半島地震で鉄骨造の校舎の教室間の間仕切りが倒れており、ブロックほど重いものではないが、生徒がいると非常に危険という注意喚起で、ガイドブックにも掲載している。
●建築基準法第12条の定期点検制度などで把握している可能性が考えられる。

○39ページに、ラスシートを用いた妻側壁の脱落について書かれているが、最近は新築の建物にラスシートが使用されていることはほとんどないのではないか。
●既存の建物への対策として記述している。
○既存の建物に使用されているラスシートは、極めて危ないので、積極的に撤去を進めた方が良い。また、外壁を撤去した後の処置としてサイディングボードを張るなど、具体的な対応策を示すことができると良い。
○ガラスについては、飛散防止フィルム以外にも、ガラスの代わりにプラスチックを用いるなど、様々な対策案があってもいいと思う。ガラスの飛散防止フィルムについて、公的機関が行っている飛散防止フィルムの性能評価というものはあるのか。また、どの程度効果があるものなのか。
○1978年の宮城県沖地震で大量にガラスが割れたことを踏まえて飛散防止フィルムが誕生した。その当時、建築研究所で試験をしたという記録が残っているが、その後
公的機関での試験等はされていないというのが実態と思う。ただ、フロート板ガラスのような普通ガラスについては、ある程度有効であるものの、強化ガラスに用いてしまうと飛散防止フィルムごと一固まりで落下する危険性が増す可能性もあるため、もう少し丁寧で慎重な記述が必要と思われる。
○施設等の点検について、学校設置者による専門的な点検と学校教職員による日常点検をしっかりと整理した方が良い。これまで議論してきた内容は非常に専門的であり、教職員が実施できるものではない。屋内運動場等の落下危険性の判断は、学校設置者が責任をもって実施することとしており、本報告も設置者の責任を明確にした方がよい。
●主たる点検実施者は学校設置者と想定しているが、日常的に利用する視点から学校職員が実施できる点検も一部あると考えており、その役割分担を整理してまいりたい。
○ひび割れや破損がどこにあるかなど、簡単で日常的な安全点検は、学校の先生方が行う余地もあるということだが、専門的な人や設置者がより専門的にやらなければいけないということをさらに前面に出した方がいいと思う。
○非構造部材の点検に関しては、専門家が責任を持つ一方で、劣化等により耐震性が落ちることもあるため、日常点検は教職員の方にも御協力いただく、という位置づけと考えている。

○ガイドブックに関して、対策の事例を更に充実すると非常に使いやすいものになると思われる。また、対策手法を選択する上で、それぞれのコスト面の記述を充実すると良い。ガラスの飛散防止対策は、今どこまで対策を行ったらいいのかが非常に議論になっている。網入りガラスにも飛散防止対策は必要なのか、強化ガラスには飛散防止フィルムは貼らない方がいいのかなど、具体的にどこまでどういう対策をするべきなのか分かりにくい。
●対策手法の優先順位とともにコスト比較もできるように示してまいりたい。
○東日本大震災の経験を生かしたものを追加していくことが重要。このガイドブックには、棚やロッカーなどの対策も掲載されているため、学校現場としては大変有り難い。東日本大震災をきっかけにして、このガイドブックを活用した点検が学校で始まりつつあることを広く知ってもらう必要がある。
○テレビモニターの大型化や、電子黒板など今の時代に応じた対策も重要。また、小学校や中学校を想定したものが多いので、幼稚園でも活用できるよう記述を工夫した方がよい。
○教育委員会内でも、ガイドブックの存在を知らない方が非常に多いので、どういうふうに普及して活用してもらうのか考えながら見直していく必要。
●今までも都道府県担当者向け説明会等で説明をしてきたが、引き続き周知方法を工夫してまいりたい。

(3)屋内運動場等の天井等落下防止対策の事例集(案)について
○点検に係る期間及び費用、また、教職員や保護者等への説明、予算の確保、工事中の代替場所の確保など、全体のプロセスをより丁寧に示したほうが良い。

(4)その他
 ・事務局より、今後のスケジュールの確認

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大臣官房文教施設企画部施設企画課

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