平成22年9月24日(月曜日)10時~12時
中央合同庁舎第7号館西館(金融庁)9階 共用第1会議室(903)
【委員】釼持勉、杉山武彦、高際伊都子、長澤悟、増田道子、増谷信一、松村和子、御手洗康、村山真由美、柳澤要、山重慎二、山西潤一、和田文夫(敬称略) 【特別協力者】新保幸一、屋敷和佳(敬称略)
【文教施設企画部】辰野文教施設企画部長、長坂施設企画課長、瀬戸専門官、山本専門官
【文教施設企画部】都外川施設助成課長補佐 【初等中等教育局】(高校教育改革PT)沓澤産業教育振興室産業教育調査官 【教育課程課】梶山教育課程企画室長 【特別支援教育課】横井企画官、美濃専門官、石塚特別支援教育調査官、丹羽特別支援教育調査官、樋口特別支援教育調査官、大西特別支援 教育調査官
(○:委員の発言、●:事務局の発言)
・事務局より資料1、2-1に基づき調査研究の趣旨等について説明。
・事務局(特別支援教育課)より、資料2-2に基づき特別支援学校学習指導要領等の改訂について説明。
○ 現場において施設整備を考える際には、児童等の現状とその背景を把握・整理しておく必要があるのではないか。
○ 今回の学習指導要領改訂のポイントの一つは、個に対応した充実した指導である。その意味では、特別支援学校の子どもこそが、最も個に対応した指導が必要であり、個のニーズに応じた指導が可能な学習環境が求められているのではないか。
○ 情報保障という点では、障害のある子どもが情報を入手したり、発信したりすることが普通にできる環境を用意するということが重要な視点ではないか。
○ 特別支援学校高等部での職業教育における自立・社会参加を目的とした情報活用能力の習得学習では、ICTの活用が有効であることから、施設面において対応していくことが重要ではないか。
○ いくつかの養護学校を視察したが障害のある子どもの自立支援を考えると豊かなコミュニケーション能力が必要であると感じた。情報の入手、意思伝達手段としてICTの教育への活用は有効であり、施設を整備する上で重要な視点ではないか。
○ 身体的な障害のある子どものための施設整備、特に重複障害の子どもを受け入れていくといった場合には、どのような子どもたちにも対応できる、いわば究極のユニバーサルデザインの施設を整備することになり、どう効率的にそのようなユニバーサルデザインのエリアを確保しつつ、適切な教育が行える施設を整備していくかが課題である。グッドプラクティスなどを参考にしながら検討していくことが必要ではないか。
・長澤部会長より資料3-1に基づき、部会における検討経緯について説明。
・事務局より資料3-2に基づき、高等学校施設整備指針の改訂の主な方向性について説明。
○ 高校生の体格や、荷物の大きさを考慮して、教室の面積や収納スペースを計画することが重要である。
○ 自習スペース、図書室の面積を十分考慮した施設整備の推進が重要である。
○ 開放的な施設の中にも、個人の居場所となる空間(思春期の子どもが落ち着いて過ごせるような空間)が用意されているような配慮が重要である。
○ 道徳教育の充実の観点から、ホームベースの在り方が重要である。
○ 単に施設を新しくするだけでなく、ソフト面との対応が重要である。
・長澤部会長より資料4に基づき、部会における検討経緯について説明。
○ 夏の暑さと新学習指導要領に対応した授業時間の増加による冷房化の必要性について本部会で検討は行っているのか。
○ これまでの検討の中でも、快適な環境をつくるという目標を掲げながら、一方でむだはなくし、他のエネルギーを活用する、そのためには施設づくりと学校運営とをあわせて考えていかなければいけないという議論は行っている。
● 公立の小中学校に対する国庫補助の仕組みの中では、設置者が冷房化したいという場合には国が一定の割合で支援するという仕組みが用意されている。
● CASBEE学校の評価の仕組みの中には、室内の快適性を高めるという観点が入っている。教室、あるいは屋内運動場が例えば34度になるととその分評価が下がるというような環境品質の見える化を図る仕組みもある。また、国立教育政策研究所の文教施設研究センターで昨年発表された環境モデルプランの中では室内の快適性を高めながら環境負荷を減らすための手法についてのモデルを設定している。
● 冷房導入の際は、地域、気候風土の他に高効率の空調の導入について検討する必要がある。
○ 環境問題と切り離し、猛暑による子どもたちの命の安全性を考える必要がある。
○ 教育環境の快適性や子どもたちの安全性と環境対策を対立したものと見るのではなく、まずは子どもたちの教育と安全を最優先に考えるべき。それを確保するためにどのような形で環境に負荷のかからない方法を実現していくかということが課題。安全のために必要な整備をする上でいかに環境に優しい施設整備にしていくか、例えば高効率のエアコンを導入するとか、ペアガラスを必ず導入し低い環境負荷で快適かつ安全性を確保できる教室をつくる、といった視点で考えればよい。
・山重委員より資料5-1に基づき、ワーキンググループにおける検討経緯について説明。
・事務局より資料5-2に基づき、ワーキンググループ(第1回)における主な意見等について説明。
○ 学校施設の整備については、耐震化や情報化、エコ化などがメインで進められているが、質の高い教育を目指すためには、国の教育振興基本計画などに示されている教育内容が実現できる学校施設がどのようなものであるかをソフト面と併せて議論すべきではないか。
○ 学校施設はどの学校も同じである必要はない。特に高等学校は特色化が言われており、各学校の教育方針に応じた施設が整備されるべきである。
○ 現場では、維持管理に手間がかからない施設が求められる。施設の整備にあたっては、維持管理にも目を向けることが重要である。
○ 10年先の教育の質をイメージしながら議論することになるが、学校施設(特にICT環境)について、先進事例などがあると議論しやすいのではないか。
○ 成果物の中でグッドプラクティスを紹介する際、施設を活かせている要因(例えば、教員の取組やボランティアのサポートなど)なども併せて紹介することで、他の自治体が応用しやすくなるのではないか。
○ 学校施設整備指針などのガイドラインが現場に浸透していない感がある。WGでは、これらガイドラインをどうすれば普及できるかも含め、学校施設整備施策の計画の策定手順などについて検討してはどうか。
・事務局から資料6に基づき、今後のスケジュール案について説明。
指導第一係
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