小中一貫教育推進のための学校施設部会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成25年8月28日(水曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 現地視察報告
  2. 委員からのプレゼン
  3. 小中一貫教育校の学校施設の在り方に関するアンケートについて
  4. その他

4.出席者

委員

【委員】倉斗綾子、高橋政志、竹内美矢子、長澤悟、樋口直宏、湯澤正信、渡辺直樹(敬称略)
【特別協力者】齋藤福栄(敬称略)

文部科学省

【文教施設企画部】関文教施設企画部長、長坂技術参事官、新保施設企画課長、小林施設企画課課長補佐

オブザーバー

(文部科学省)
【文教施設企画部】
(施設助成課)奈良施設助成課長、木村施設助成課課長補佐

5.議事要旨

(○:委員の発言,●:事務局の発言)

・事務局から資料説明
・委員からプレゼン発表

○ 中学生や高学年の児童はチャイムにより,時間割に沿って行動することができるが,比較的低学年の児童は,それが難しい。そのため,小中共用の特別教室等がある場合には,使用している特別教室の受渡しをスムーズに行うために,小学生児童には早めに時間に沿って行動できる能力をつけさせる必要がある。
○ 小中学校の施設を一体化し,共有で使用する場合,高学年の児童のことを考えて整備する必要がある。小中学校の時間割の違いによる音の問題については,ゾーニングをしっかり計画すれば,余り気にならないのではないか。始業と終業のチャイムは必要かもしれないが,途中のチャイムは必要ないのではないか。むしろ,自主的に判断をして動ける子供を育てることが重要ではないか。養護教諭が二人以上いれば,保健室は一つでも十分であると考える。
○ 大規模校で職員室が一つの場合,先生の目が行き届かなくなってしまう。1か所に先生たちが集まっているという利点と,子供たちと先生の距離感の両方を大切にする必要がある。
  保健室に行く子供というのは,体の調子が悪くていく子だけではなく,様々な理由がある。そのため,保健室については,子供の行きやすさという観点も踏まえ,議論を慎重に行う必要がある。
○ 飛島学園では,二人の養護教諭の要望で,主に体と心のケアで2か所の保健室を持ち,あえて離しておいて分担している。主な理由は,体のケアで寝ている子の横で心のケアはできない。体のケアは校庭に面した1階,心のケアは高学年に近い2階,二人の連携は離れていても問題なく可能で,連携を取りながら体のケアの部屋に常時どちらかがいるように調整している。
○ 保健室は,学校施設の規模に応じて,2か所に分ける必要もあるのではないか。一方,1か所の場合,二人の先生で,柔軟に対応できるという意見もある。
  職員室は,小中一貫教育を行っているのであれば1か所になっている方が良い。小学校の先生方は,なるべく子供たちのそばにいて,見ていたいという意識が強いため,職員室に戻らずに教室にいることが多く,教室を見渡せるような教師コーナーが有効に機能する。一方,中学校の先生方は,生徒のいる場所で採点をしたくないという意見も多い。そのため,小学校と中学校の文化や運営方式の違いによって,施設を作り分けないといけない。
○ いろいろな公共施設が整理されざるを得ない状況において,学校がつくりだす地域のコミュニティの考え方や,コミュニティ単位と学区の関係をどのように考えていくかという視点も重要である。
○ 小中一貫教育というのは,一つの見方として,地域ぐるみで子供を育てるという見方があるが,学校と地域の関わり方というのは,小学校や中学校単独の場合とでは少し異なる。また,地域との関係を考えるときに,地域との関係をどのようにとらえるかという視点も大切。この点については,一つの論点として整理できるかもしれない。
○ 施設一体型小中一貫教育校において,吹き抜け空間を活用すると,空間としての開放感がある一方,安全面への配慮も必要である。低学年の1階の教室で,昇降口がベランダ側にあり,そこに教師コーナーがあることで,子供の動きがよく見える工夫が施されている。大規模の施設一体型小中一貫教育校には,比較的狭い階段が二、三箇所ある場合が多く,避難時に安全が確保できない可能性がある。また,4-3-2の学年区分を校舎のゾーニングにどう反映させるかについて,4年生と5年生の区別はその理由がよく考えられている一方で,7年生と8年生の区別は施設上の特色が余り出ていない感がある。個性に応じた教育が施設設計にも反映されれば,設計が教育の中身を変えていくことにつながるのではないか。
○ いわゆる教育課程と校舎建設が一体化していないと,本来の小中一貫教育はできない。小中一貫9年間で何を子供たちに学ばせたいのかという大きな基本理念が,どうしても中途半端になる傾向がある。また,4-3-2の学年区分について,区切りの節を明確にすることで,その節での子供たちの生活におけるアクセントになっていくのではないか。
○ 視察では,4-3-2の学年区分の学校と,6-3の学年区分の学校があったが,視察を通じて感じたことは,日本から6-3制がなくならないことを前提に考えれば,小学校6年から中学校3年へ移行するときの中1ギャップを解消するために,あえて他の学年区分で区切ることで,ギャップをうまくつなげる工夫をしているという感がある。施設面に限らず,各校いろいろな工夫をしているので,そこをまとめて示す意味は高い。また,中学には試験期間があり,その期間に限って,うまく小学生と分ける工夫が必要であると感じた。

・事務局から「小中一貫教育校の学校施設の在り方に関するアンケート(案)」の説明

○ 学校視察に全て参加し,過疎地でもともと小学校と中学校とが一体である学校を除けば,どこでも必ず出た話として,「小学校と中学校の先生が一緒でよかった」という話に加えて,「子供たちが一緒でよかった」ということである。全ての視察校では施設一体型小中一貫教育校にして良かったという結果であったが,アンケート調査でもまずは,施設一体型小中一貫教育校にして良かったかどうかを聞いていただきたい。
  また,施設のデータを資料として問うべきではあるが,大切なことはそこでどのような教育が行われているかであり,施設一体型小中一貫教育校を整備したことによる教育上の効果についても聞くべきではないか。
○ 施設一体型小中一貫教育校を整備したことによるメリットはよく聞かれるが,その反面,困っていること,課題,デメリットと感じられていることについても聞きたい。また,施設一体型小中一貫教育校を設置する経緯の一つとして,それ以前は,一小一中や,二小一中であったのかといった項目を入れることについて検討してはどうか。

・事務局から今後のスケジュールについて説明

―― 了 ――

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