学校や設置者にとって全ての学校のエコスクールづくりを進める上での課題の抽出-耐震化に続いて行うエコスクールづくりについて-

1.現状

(1)報告書「環境を考慮した学校(エコスクール)の今後の推進方策について」(平成21年3月)

  • すべての学校のエコスクール化を目指す
  • 4つの推進方策を提示

(2)4つの推進方策を踏まえ、事例集、ガイドブックなどを作成

(3)一方、耐震化は進捗し、完了した自治体もあるが、耐震化されていない建物も多く残されている。

  • 耐震化率73.3%(平成22年4月1日現在、小中学校、6.3ポイント増)
  • 耐震化が完了した自治体 375自治体(20.9%)(平成22年4月1日現在)
  • 耐震性がない、または耐震診断未実施の建物(現在実施中の耐震化事業完了後の見込み)約23,700棟

(4)自治体の厳しい財政事情の下、国のCO2排出量25%削減の方針や省エネ法等の改正により、これまで以上にエコスクールづくりが求められている。

2.エコスクールづくりを進める上での課題(論点メモ)

 本検討部会に先立ち、耐震化完了の目途が立っている3自治体に、次のような課題についてヒアリングを行った。

(1)自治体でのエコ化の方針

(2)エコ化の取組む際の課題

(3)環境教育の状況  ※詳細は次ページ参照

3.今年度進め方

(1)各委員のご意見を踏まえ、教育委員会へのアンケート調査を実施

(2)アンケート調査結果をとりまとめ、課題を整理

 

(参考)事前ヒアリングの主な概要

 東京近郊に所在し、耐震化が完了またはその目途が立っている自治体を対象に事前ヒアリングを実施した。
 主な概要は、以下のとおり。

【自治体でのエコ化の方針】

  • 厳しい財政事情の下で、自治体内での施策の優先度を考慮すると、エコ化だけでの予算措置は難しいのが現実。
  • 毎年数校ずつ改築を実施しており、その際にエコ化(標準で整備するメニューを決めている)。
  • 既存校では、財政事情などから、主として仮設校舎を必要としない整備。

【エコ化に取組む際の課題】

  • 既存校舎では、老朽化対策の際のエコ化や緑化などに取り組む。
  • 既存校舎に太陽光発電を導入する場合の屋根荷重に応じた設置容量など技術的課題を解決する情報があると良い。
  • 緑化(屋上・壁面)や芝生化に取り組む方針はあるものの、それほど増えていない。
  • 特に、芝生化は、維持管理(手間・経費)の問題があるため、学校側が難色を示すことが多い。
  • グランドの全面芝生化は、使用実態を考えると現実的ではない(すぐ駄目になる)ため、多くは一部だけを芝生化している。
  • 緑のカーテンは、初期投資が必要。

【環境教育の状況】

  • 学校施設を積極的に活用して環境教育を行っている事例は、あまり聞いたことがない。
  • 太陽光発電の表示装置等も十分には活用されていないと思う。
  • 授業で使うためには「見える化」することが重要。

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大臣官房文教施設企画部施設企画課

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)