平成20年12月12日(金曜日)
文部科学省 旧文部省庁舎2階 第2会議室
藍澤部会長、伊香賀委員、和泉委員、大塚委員、小峯委員、新保委員、高井委員、長澤委員、中村委員、鷲谷委員
(文教施設企画部)長坂施設企画課長、森企画調整官その他関係官
(環境省環境教育推進室)林室長
・「分析作業の中間報告」について意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。
○児童生徒数の減少に比例して単純に学校数や学級数が減少しないことに留意する。
○多くの学校施設において老朽化が進行し、この先10年の間に建築後50年を経過する建物が増加する。これらの学校施設を今度どのように整備していくか重要な課題である。
○中長期的には学級規模の変更なども考えられるのではないか。
○マクロ分析の将来予測については、少子化や統廃合の傾向に幅があるため、複数の予測結果を提示した方がよい。
○エネルギー消費状況について、暖房用などの使用用途についても今後検討する。
○給食調理用やプールのエネルギー消費原単位は単位人当たりで算定しており、中間報告等で示しているデータ(単位床面積)と整合性がないことについて、今後検討する。
○体育館の利用は、小学校では学校開放による地域住民の利用が多く、中学校では部活動による利用が多いといった傾向がある。
○政府の低炭素社会形成に向けた政策の中では太陽光発電も重要視されており、モデルプランにおいてもこの点を踏まえ検討した方がよい。
○ある学校では転落防止のため窓の開放範囲を制限し、十分な通風が得られず良好な空気環境を確保できない事例があった。学校施設は、安全対策と適切な室内環境の確保の両面に対応していくことが重要である。
○普通教室の廊下側に耐震壁が入り、自然換気用の欄間が無くなった事例があった。耐震補強においても適切な室内環境の確保を併せて検討することが重要である。
○階段室を利用した通風については、夏場はよいが冬場は非常に寒くなる。階段室回りで空気が流れないような風除け等の設備があった方がよい。
○学校施設は、子どもたちにとって快適で健康的な環境を保障するということが大変重要な視点である。
○施設の改善による省エネ化や自然エネルギーの活用を図るという視点も重要である。
○環境対策を実施した場合と実施しなかった場合の差を見せていくことが重要である。
○学校施設は地球温暖化対策に対して最大限努力していくことが重要である。その上で、子どもたちにとって適切な学習環境を確保するためにはエネルギー消費を増加させてしてしまう面があり、数値目標を達成していくためには学校だけでなく社会全体で達成していくという考え方もある。
○2050年までに温室効果ガスを6~8割削減するという目標値が既に閣議決定されている。今後、学校に対する削減目標が一律に設定される可能性がある。この部会においては、学校施設の実態を踏まえ、小中学校施設の質的向上の必要性や温室効果ガス排出量を学校種毎に把握していくこと等について整理する必要がある。
○環境省では現在、2050年までの中長期計画のマニュアル策定を行っている。
○内閣府の「環境モデル都市」に指定された都市では、中長期的な温室効果ガス削減目標が掲げられており、今後これらの都市では、学校への対応についても検討が進んでいくものと考えられる。
○中長期的にはLED照明やバイオマスエネルギーの利用など革新的な技術によって学校施設を低炭層化していく視点が必要である。
○エネルギー消費を減らすという視点とともに、太陽光発電、太陽熱、バイオマス等によってエネルギーを作り出すという視点を加えれば、学校施設の質的向上を図っても環境負荷を軽減することができる。
○児童生徒自らが施設の使い方を工夫することによって、過ごしやすくなったことやエネルギー消費を減少させたことを実感できるとよい。
○冷房化の要望が増えている中で、冷房設備を設置しなくても室内温度を低くすることができる方法、工夫を示せるとよい。
○イギリスでは、2019年までに住宅以外の全ての新築建物はゼロカーボン化するという方針を打ち出している。そのマニュアルは今年度末頃に発表される予定である。
指導第二係 栗本、森田
電話番号:03-5253-4111(内線2292)