がん研究の推進の在り方に関する検討会(第5回) 議事録

1.日時

令和3年5月11日(火曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 Web会議システムによる開催

3.議題

  1. がん研究の推進の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

宮園主査、島主査代理、青木委員、中釜委員、中山委員、西川委員、野田委員、古矢委員、堀田委員

文部科学省

高木研究振興戦略官、岩﨑先端医科学研究企画官、清家がん研究推進係長

オブザーバー

岩佐がん対策推進官(厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課)、浦課長(日本医療研究開発機構 創薬事業部 医薬品研究開発課)

5.議事録

【清家係長】  ただいまより第5回がん研究の推進の在り方に関する検討会を開会いたします。本日も前回と同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点より、Web会議システムによる開催とさせていただいております。委員の皆様には、御配慮、御協力いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、委員の皆様全員に御出席いただき、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 また、Web会議システムについて、前回同様ではございますが、御発言の際だけマイクをオンにして、お名前をおっしゃってから御発言いただきますよう、お願いいたします。システムの不備等が発生しましたら、随時お知らせいただきますよう、よろしくお願いします。御不便をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞ御理解のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行は、宮園主査にお願いいたします。宮園主査、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  今日は先生方、またお時間をとっていただきまして、大変ありがとうございました。本日は、前回議論いただきました骨子案に基づきまして、事務局で作成してくださいました報告書(案)について議論を進めていきたいと思います。
 なお、議事の公開に関しまして、設置要綱の第4条第1項に基づきまして、今日は冒頭から傍聴者として事前に御登録いただいております報道関係者と一般の方向けに本検討会の模様を配信しております。
 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【清家係長】  配付資料の確認をさせていただきます。議事次第に記載のとおり、資料は報告書(案)と参考資料を6点用意しております。なお、メールで委員の皆様に送付したものに修正がありましたので、直前で恐縮ではございますが、メールで再度送付させていただいております。本日は、画面でも共有させていただきますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上です。
【宮園主査】  すみません、事務局、最後のところが聞こえなかったので、今のところ、もう1回お願いいたします。
【清家係長】  失礼いたしました。昨日、メールで委員の皆様に資料を送付させていただいたものに修正がありましたので、直前で恐縮ではございますが、メールで再度送付させていただいております。本日は画面でも共有させていただきますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 よろしいでしょうか。先ほど送っていただきましたので、画面で共有しながら議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。最初に事務局から報告書(案)について説明をお願いいたします。大体10分程度と聞いておりますが、よろしくお願いいたします。
【清家係長】  資料1「がん研究の推進の在り方に関する検討会報告書(案)」について説明いたします。まず、1.の「はじめに」は省略しまして、4ページ目の2.の「がん研究推進の現況」でございます。2.の「がん研究推進の現況」では、我が国におけるがん対策の現況、がん研究に関する政府方針、それから、文部科学省の取組、AMEDの他事業の取組について事実のみを記載しておりますので、この場での説明は省略させていただきます。
 先に進んでいただきまして8ページ目、3.の「次世代がん医療創生研究事業の取組の成果と課題」でございます。3.につきましても既に本検討会で暫定的に取りまとめていただきました事業の事後評価の内容を主に書かせていただいておりますので、説明は省略させていただきます。
 それでは、早速ですが、本題に入りますけれども、4.の「今後のがん研究推進の在り方について」にお進みください。ページは11ページ目になります。まず、4.1.の「推進すべき研究について」です。
 4.1.1.の「次期事業の目的・役割」は、P-CREATEは第2期の「健康・医療戦略」で医薬品プロジェクトにおけるがん研究の初期フェーズに位置づけられ、がんの生物学的本体解明に迫る研究開発や患者のがんゲノム情報等の臨床データに基づいた研究開発等の推進に貢献してきたこと、また、「がん研究10か年戦略」の中間評価においては、がん治療のシーズ探索についてP-CREATEが中心となって取り組んでおり、今後も有望なシーズを見いだし、着実に育て、実用化まで切れ目のない支援をしていくべきであると必要性が指摘されているとした上で、「次世代がん医療の創生に向けて出口を意識した、国際的にも質の高い基礎的研究を支援し、着実に企業や他事業へ導出を進め、臨床現場を大きく変革するような新たな医薬品等の早期社会実装につなげることが望まれる。また、新しいコンセプトに基づく多様な創薬シーズの継続的な発掘・育成を通じて、がん研究領域のみならず他分野からの研究者の参入を促し、研究者層の拡大と人材の育成に寄与することが求められる」としました。
 次に、4.1.2.の「推進すべき研究領域・研究フェーズ」について、P-CREATEでは科学研究費助成事業等を活用したアカデミア等の研究者の自由な発想による基礎研究と実用化に向けた開発研究をつなぐ研究フェーズを支援する研究事業として5つの研究領域を設定し、成果を創出してきたとした上で、「国内外のがん医療を取りまく動向やP-CREATEの実績も踏まえると、今後も現行の研究領域を維持しつつ、創薬モダリティの多様化などに応じて柔軟に対応できるようにすることが望ましい。例えば、複合免疫療法に関する研究では、免疫分野だけでなく、代謝やゲノムといった分野も深く関わっているため、領域横断的な支援が必要となってくる」としました。また、「診断やバイオマーカーに関する研究については、メカニズムの解明が治療薬の開発につながる可能性もあるため、統計学的な解析に加え、生物学的、病理学的、薬理学的な観点等からの基礎的な理解の進化に資する研究も支援することが重要である」としました。
 次に4.1.2.1.の「分野融合的な研究の推進」について、JSTの「CRDS俯瞰報告書2021」の「医薬品の研究開発においては、化学、生物、薬学、工学、情報科学、臨床、規制科学など幅広い分野の研究者が協働することが必要」などの指摘も踏まえ、「臨床医や情報学等の多様な専門性を有する研究者の協働による分野融合的な研究についても推進するとともに、必要な体制を整備する必要がある」としました。
 次に4.1.2.2.の「戦略的に取り組むべき研究の推進」について、「がん研究10か年戦略」の中間評価で示された方向性を踏まえ、「研究者の自由な発想に基づく基礎研究に加え、政策的なニーズや国内外における研究の発展に応じて戦略的に取り組むべき研究についても積極的に推進する必要がある」としました。
 次に4.1.3.の「次期事業の目標」について、P-CREATEではP-DIRECTの流れを汲むとともに、各課題を出口へ着実に進めるための様々な仕組みや体制を整備・強化したことが効果的な成果の創出につながっているとした上で、「次期事業においても、これらの仕組みや体制をさらに強化・発展させ、企業や他事業への導出を進めることを所期の目標としつつ、支援終了後も他事業や企業における開発状況についてフォローアップを行うなど、中長期的な成果についても把握するように努めるべきである」としました。
 次に16ページ目、4.2.の「研究推進のための取組について」として、4つに分けて記載いたしました。
 1つ目、4.2.1.の「次世代のPIとなる研究人材の発掘・育成」について、現事業の取組を振り返りつつ、「がん研究10か年戦略」の中間評価において、がん研究を担う人材の育成に関して、「継続的にがん研究を発展し、国民によりよいがん医療を提供するためには、幅広い分野の柔軟な発想を持った若手の人材をがん研究領域に取り込み、積極的に育成することが必要」であることが指摘されていることを踏まえ、「次期事業においては、若手や他分野からの研究者を取り込み育成する方策が必要であり、若手等に特化した公募枠や育成のためのコンサルテーション機能などの強化が期待される。また、研究者間の交流を促進し、コミュニティの活性化と研究者間の協働が進み、国際競争に打ち勝つ革新的な研究開発が推進されることが望まれる」としました。
 2つ目、4.2.2.の「専門的支援体制の整備」については、「次世代のがん医療につながる革新的な成果を創出するためには、若手や幅広い分野の研究者をがん研究領域に取り込み、積極的に育成することが重要である。しかし、若手や他分野から参入する研究者については、研究環境が十分に整っていない場合もあるため、円滑に研究を遂行するための手厚い支援が必要となってくる」とした上で、「次期事業においても研究環境に左右されずに高い質の研究を遂行するために、高度な技術による支援を継続するとともに、技術の進展に伴い、支援の内容も適切にアップデートされることが重要である。さらに、技術的な支援に加え、臨床現場との接点がない、小児がんや希少がんのような患者が少ない(専門医療機関に集中している)などの理由で検体へのアクセスが困難な場合に、検体の提供や臨床とのマッチングを行うような支援があることが望ましい」としました。
 また、知的財産戦略に関する支援について、「研究開発の早期段階で競合相手の状況を探索・外観する丁寧な特許調査を実施する」とともに、「導出利便性の高い特許を支援することが必要」であり、「そのような支援を実施する際には、AMEDの「AMEDぷらっと」(シーズ・ニーズマッチングシステム)やアカデミアのAROなどの活用も含め、検討する必要がある」としました。
 さらに、3つ目、4.2.3.の「PS/PO等による推進体制」については、事業の全体運営や研究開発課題の進捗管理に関して、「次期事業においても、引き続き、優れた学識経験や高い見識を有するPS/POによる推進体制が構築されることが望まれる」「研究開発の各段階において、創薬標的として妥当性について創薬専門家の参画の下に適切に目利き・見極めを行い、次のステップに進むべきシーズを絞り込むことが期待される」としました。
 4つ目、4.2.4.の「企業や他事業との連携」については、「基礎的なフェーズから臨床フェーズへつないでいくことは容易ではないため、事業内の専門的技術支援に加え、BINDSや創薬支援推進事業などAMEDの他事業等も活用しながら進めていくことが望ましい」。また、「AMEDの医薬品プロジェクトにおいて、製薬業界の協力の下、AMEDの支援課題の実用化促進を図るための新たな取組として、企業視点からの有望シーズの目利き機能と進むべき創薬プロセスのガイド役を担う「AMEDアカデミア医薬品シーズ開発推進会議(AMED-FLuX)」が設置された」ことを受け、「AMED-FLuXを活用することにより、アカデミアと企業の距離を縮め、シーズの実用化を促すことが期待される」としました。
 なお、5.の「おわりに」については、本日、御議論いただいた内容を踏まえ、記載させていただきます。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 議論に入る前に、例えば18ページの上から4行目のところで、アンダーラインが少し波線になっているところがありますね。ここですね。これは何か理由はあるのでしょうか。また、これは最終版にも残るのでしょうか、それともこれはもう消えていくのでしょうか。
【清家係長】  説明が不足しておりました。申し訳ございません。波線で書かせていただいたところは、これまでに先生方にいただいた意見で、骨子案に反映していなかったところを引かせていただきました。
【宮園主査】  はい。では、これは最終バージョンでは消えるということですね。波線は消えるということですね。
【清家係長】  はい。
【宮園主査】  はい。分かりました。
【清家係長】  今、太線で書いてあるところに関しては骨子案で記載していた内容ですが、最終化する際にはそちらも線を削除させていただきます。
【宮園主査】  はい。分かりました。了解です。ありがとうございました。
 それでは、今御説明をいただきましたので、早速ですが、報告書(案)の中で11ページの4.の「今後のがん研究の在り方について」というところについて、自由討論形式で議論していきたいと思います。今日は、特にもうこちら、指名いたしませんので、これは順番に見ながら、皆様に自由に御意見を述べていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 これまでいろいろ議論していただいて、私もなるべくこういうとき、ノートをとるようにするのですが、この会議は意見が非常に多くて、もしかすると反映できていないところもあるかもしれません。ただ、事前に拝見したところでは、皆様の御意見、かなり取り入れていただているとは思いますけれども、お気づきになった点をどうぞ自由に挙げていただきたいと思います。
 では、順番に行きますので、よろしくお願いいたします。まず、4.1.1.の次期事業の目的と役割というところで何かお気づきの点、ありますでしょうか。この辺はよろしいでしょうか。
【野田委員】  すみません、よろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ、どうぞ。
【野田委員】  入り口のところなので、この下から4行目のところの「新たな医薬品等」という記載ですが、この「医薬品等」というのは、いわゆる治療法全般を包含するということであるというふうに理解をしてよろしいですか。薬という表現の対象は、従来の概念より広がっているというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
【宮園主査】  私はそう、医薬品だけではなく、診断薬とかその他も含めるので「等」というのを入れてもらったと思いますが、事務局、そういうことですよね。
【清家係長】  そのとおりでございます。
【宮園主査】  これは議論があったかと思いますので、「医薬品等」ということで「等」で。
【野田委員】  それで広がっているということですね。
【宮園主査】  はい。
【野田委員】  はい。分かりました。
【宮園主査】  では、少し、ほか気づかれたらまた戻りますので、4.1.2.の「推進すべき研究領域・研究フェーズ」ということで、これはもうこれまでの成果をA、B、C、D、Eの領域、挙げてあります。それぞれの領域、丁寧に御覧いただければと思います。研究領域Aが治療ターゲットですね。ここでは本領域の必要性は高い。どれもここは、各領域の必要性は、「本領域の必要は高い」という言葉で終わっています。Bが異分野融合創薬システムです。がん根治療法、異分野の研究多様性という言葉が入っていて、Cが免疫機能制御。これは免疫チェックポイント療法の話から始まりまして、CAR-TやTregの制御等について触れられていて、ほかの自己免疫疾患や感染症の治療薬として展開も考えられるということが書いてあります。
 次がD、診断/バイオマーカーです。こちらのほうは腫瘍マーカーのことで、マイクロRNA、メチル化DNAとかマイクロRNA、セルフリーのDNAなど遊離核酸、そういったことについて書いてあって、ここで体外診断用医薬品とか画像診断用の放射線医薬品など具体例も挙げていて、本領域の必要性は高いということで終わっています。最後がE、がん多様性でして、国際的な優位性が高い課題が多いというところで終わっています。
【中釜委員】  中釜ですが、よろしいでしょうか。
【宮園主査】  はい。では、ここまでで、12ページの研究領域Eまでが終わったところで御意見をいただきます。中釜先生、どうぞお願いします。
【中釜委員】  このAからEで、恐らく各領域で御意見があるかと思いますが、細かな点で、例えば研究領域Aの2行目、この「原因となる新たな遺伝子が特定」というのは少し分かりづらいので、例えば「がんの発生や進展」という言葉があったほうがいいのかなと思いました。
 それから、研究領域Bでは、3行目の「「がん根治療法」創生」と書いてありますが、「がん根治療法の創生」をするほうがよいかなと思いました。
 研究領域Cで、オプジーボと製品名が出ていますが、これでいいのか。例えばニボルマブみたいな一般名にするのか、そこは一般名でもいいのかなと思いました。
 研究領域Dですけれども、先ほど宮園先生が御指摘になっていた体外診断薬と画像診断用の「放射線医薬品」と書いてありますが、これも画像診断用の場合、放射線医薬品だけではないと思うので、ここに「等」があるといいのかなと思ったところです。
 それから、このDの2行目、「反復配列RNA」というのは、これは反復配列のRNAだけに特定していましたでしょうか。
 それから、Eの領域の1行目で、「発がん原因分子を選択的に抑制する」と書いていますが、必ずしもEの領域が発がん原因だけではなくて、がんの増殖・浸潤など具体的な本態を示すような言葉がいいのかなと思いました。
 それから、6行目、7行目の「我が国のがん医療産業にとって必須の課題といえる」ということですが、生物学の解明から知的財産を確保することは必ずしも産業だけではなくて、がん医療の大きな研究を含めたものにも影響するのかなと思うので、医療産業だけに限定しなくてもよいかなと思いました。いずれも細かな点ですが、このAからEの記載で私が気づいたところです。もし専門の各担当の先生方で何か御意見があれば聞かせていただければと思います。
 私から、ここまでは以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 事務局、今の御指摘、メモしていただいて、また後ほどよろしくお願いいたします。
 私は各領域のバランスが気になっており、今、AとBが6行ぐらいで、CとDとEが少し長くなっています。CとDとEは少し削って、AとBは少し増やすことは可能でしょうか。事務局、いかがでしょうか。
【清家係長】  工夫させていただきたいと思います。
【宮園主査】  どれもが非常に重要だというのは間違いないので、バランスをとれないでしょうか。
【岩﨑企画官】  宮園先生、事務局なのですけれども、この文言自体は暫定的事後評価のために各POの先生方から記載してもらっているもので、実は事務的に手を加えるのがなかなか難しいので、ただ、その場合は、むしろ検討会の専門的な知見で先生方にこう省略したほうがいいとか、そういうアドバイスをいただければ、そのように短くするとかいうのは可能だとは思っています。今のこの文面そのものは、あくまでも事後評価票そのものから引っ張ってきているので、仮に省略するのであれば、そのような意見をぜひいただきたいなと思います。
【宮園主査】  はい。分かりました。では、A、B、C、D、Eに関して、特にCとDとEについてもう少し減らすか、あるいは、中釜先生、Aにもう少し何か文言を加えることは可能でしょうか。
【中釜委員】  そこは私も感じていたところなのですが、もし増やすという方向でもう少し詳細に書いたほうがいいということであれば、領域の担当と相談して少し増やしてみたいと思います。増やしたほうがいいでしょうか。個人的には、あまり具体的になり過ぎないほうがいいのかなという思いも少しあります。
【宮園主査】  そうですね。私もずっと気になっていたのですが、CとDとEに関しては少し具体的になり過ぎていて、例えば今CとDは10から12行ぐらいで、逆にAとBは6行から7行です。AとBに関して全体的に大体8行から10行の間ぐらいにしていただくというふうに考えると、AとBに関しては、中釜先生、古矢先生、ほかのPOの先生方と相談し、もう少し加えていただくのがいいかということと、C、D、Eに関しては逆に少し個別のことが多過ぎるかなと思いますので、5年後の発展がどうなるか分からないというようなものについては、少し削っていただくぐらいのほうがいいかもしれません。
 研究領域Cもオプジーボという商品名が出ているのは変えていただければ、分量はこのくらいでよいと思います。領域Cの分量を標準としつつ、Dに関してはもう少し何か、反復配列RNAからずっと書いてありますが、もう少し何か一般的なものに絞っていただきつつ、少し削っていただき、Eも我が国のがん医療の産業、がんの生物学を解明、知的財産を確保といった言葉がここで必要かどうか。全体に共通することであれば少し削ってもいいでしょうか。
 全体に共通することについては削って、それから、あまり細かいことで、3年後、5年後に古くなりそうなことについては削って、それで、AとBに関してはもう二、三行ずつぐらい増やして、具体的なことを書くという方針でいかがでしょうか。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【野田委員】  今、言われた方針でいいとは思いますが、これで、またそれぞれの先生方がそれぞれに直されて、またそれらを並べて、それが揃うか?という心配があるので、今、ここで言われたことについては、宮園先生に、まずそのまま改変を加えていただくのがよいと思いますが、いかがでしょうか。
【宮園主査】  私が修正するということでよろしいでしょうか。
【野田委員】  はい。例えば医療関連産業がDでは残って、Eでは残らないということが起こらないように、今、ここで出された、各領域に共通する部分、総論的な部分、内容が細かすぎる部分、ぐらいは削っていただいて、それぞれの領域の先生に、それを土台に言葉を変えたり、追加して頂くのが良いような気がします。
【宮園主査】  はい。分かりました。
【岩﨑企画官】  宮園主査、すみません。
【宮園主査】  どうぞ。
【岩﨑企画官】  事務局です。文言の重複など、今のような作業であれば事務局が対応するということでもよいと考えております。
【野田委員】  大変に失礼しました。事務局の作業を宮園先生にお願いしてしまいました。失礼いたしました。
【宮園主査】  とんでもないです。
【岩﨑企画官】  事務局でやらせていただきまして、また相談をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 細かいところで、ここは少しないほうがいいなとか、入れてほしいなというのがあれば、もう少し御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【中山委員】  中山です。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【中山委員】  Aについて、最初、ゲノム医療から始まって、がんの本体解明がゲノムによっているというふうに読めてしまうかなと思いました。恐らくは、その後の「高度な基礎研究により」というところで、ゲノムでの異常はなくてもいろいろなことが起こっているということを見つけたいということを読むのだと思いますが、少しゲノムが出過ぎている感じがします。むしろ、オミックスとかにしてしまったほうがいいのかもしれません。要するに多様な標的の見つけ方をするということが重要だと思うので、ゲノム、ゲノムという言葉が2つ出てきて、強調されているように少し思いました。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 では、そこの部分は文言を足していただいて、その後で事務局で修正いただければと思います。
【中釜委員】  ありがとうございます。
【西川委員】  宮園先生、西川です。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【西川委員】  領域Cのところですが、3行目について、「研究開発が行われていくであろうと考えられる」と想定が2個入っているので、どちらかだけでいいと思います。「いくと考えられる」か、「いくであろう領域」か、どちらかでいいような気がします。また、5行目のCAR-Tとあり、細胞療法をCAR-Tだけに特定していますが、「CAR-Tなどの細胞療法」というふうにしてもいいのではないかなと思いました。
【宮園主査】  ありがとうございます。
【西川委員】  あともう1点、7行目の「また」の後、「ヒトの免疫系の多様性に起因する」という内容について、多様性は免疫系だけではなくて、恐らくがん側の多様性も免疫系に影響することが現在分かってきていますので、「免疫系の」というのは外して、「また、ヒトの免疫系及びがん細胞側の」とするといいと思います。これだと免疫系側だけが影響しているようにも受け取れるので、そういうふうに変えていただけるといいのかなと思います。
【宮園主査】  「ヒトの免疫系とがん細胞の多様性」ですね。はい。分かりました。
【野田委員】  すみません、野田です。繰り返しになってしまいますが、中釜先生も言われた、研究領域Aは入り口だけに、そこでの表現は重要だと思いますが、そこでさっき岩﨑企画官が言われた、「文章や言葉は、今ここで直せないという部分」は、そうなのでしょうか。例えば、一つの例ですけれども、「創薬標的とならない場合もあり」というのは単に前置きになっていて、そしてそこから大事な本論に入ったところに、「ゲノムから細胞形質への連携」と言う言葉がありますが、これの意味するものを理解できる人は、少ないと思います。そして、最後の部分に、それを制御する戦略は大事ですが、「戦略の整備」については、その整備の意味が分からにくいと思います。「本領域はその端緒となる創薬標的としての妥当性の検証と治療薬の創出に向けたシーズの発掘」という、最後の2行だけはすごく分かりやすい表現となっておりますが、その前のところ表現が、少し抽象的、哲学的な表現になっていて、全体を理解しにくくしているところがあると思います。「連携」と「整備」という言葉の使い方でそうなっているのだと思います。
【宮園主査】  どうぞ、中釜先生。
【中釜委員】  領域Aについては、確かに御指摘のとおりなので少し書き換えて、また皆さんの御意見を伺わせていただきます。ありがとうございます。抽象的過ぎる表現が続いているので、最後の2行を生かしながら、少し前のほうを書き換えてみます。至急書き換えて、また皆さんに共有させていただきます。それでよろしいでしょうか。
【宮園主査】  領域Bは、いかがでしょうか。研究多様性ということですね。どうぞ、古矢先生。
【古矢委員】  古矢ですが、まずこの各領域の必要性というのは、私もこれは少し全体に統一感といいますか、分量が違うなとは思ったのですが、ただ、これ、きちっと出典が明確になっているので、私たちがこれを直してしまうことが果たしていいのかというところで少し悩んでおりました。領域Bに関しては、少し2行か、そのぐらい足していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  ありがとうございます。これはぜひよろしくお願いいたします。
 では、Cは西川先生をはじめ、皆様からコメントをいただきまして、分量は10行ぐらいでちょうどいいかとは思います。3行目の「がん研究・がん医療における科学的・医学的・技術的側面がますます期待され、社会的・経済的な期待も年々大きくなっている」というのが全体と重複するような感じがしますので、免疫療法に関することであれば、もう少し具体的に書いていただいたほうがよい気がします。ここは少し検討が必要かなと思って見ておりました。あとは、研究領域Cに特化したことであると思いますので、よろしいかと思います。では、Cはよろしいですね。
 Dのほう、私は中釜先生から指摘がありましたとおり、「反復配列RNA」から「腸内細菌などの」というところで、これでいいのか確認が必要でしょうか。野田先生、これ、についてはいかがでしょうか。
【野田委員】  少し、細か過ぎるように思います。
【宮園主査】  はい。これは、少し削ったほうがいいですね。
【野田委員】  はい。核酸とそのタンパク分子などの診断のターゲットというようなことでよいと思います。むしろ、それよりも、後ろのところで診断シーズが輸入超過につながるという表現少し削ってもよいと思います。一方、診断シーズの研究がまたメカニズム解明、そして標的の同定につながるという流れは残していただかないといけないように思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【野田委員】  このままだと、「診断」がここで1つ、船に乗ってどこかへ行っちゃう感じがします。
【宮園主査】  「輸入超過」のところは不要ですね。ありがとうございます。では、そういった方向でお願いいたします。
 次が領域Eですが、薬剤耐性の話から、これに関わるがんの生物学を解明しというところから知財や医療産業のところは、ほかの領域と共通ですので、この辺りは少し削っていいかなという気がします。それから、あとはよろしいかなと思います。
【野田委員】  1つだけよろしいですか。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【野田委員】  入り口のところで、「殺細胞で薬剤耐性」というのが出てくるのはいいのですが、4行目、5行目のところの「がんの薬剤耐性獲得の最も大きな理由は」という部分ですが、後ろにつなげていくときのここでの表現は、「薬剤耐性」よりは、「治療抵抗性」のほうが、より広いものが見えてきていいと思います。
【宮園主査】  治療抵抗性ですね。「薬剤耐性獲得」というのを「治療抵抗性」ですね。はい。分かりました。ありがとうございます。
【中山委員】  中山ですけれども、よろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ、中山さん。
【中山委員】  先日、私、このがん多様性の審査をさせていただいたのですが、そのときに多様性という言葉の定義がこの文言だと割と、1つのがんもいろいろな種類の細胞からできているというふうに読めるのですが、例えば同じ変異でもいろいろなところにがんができるということも多様性として捉えるといったことを間野先生がおっしゃっていました。そういう意味で、これだけだと本当に、我々は今何とかがんと診断していても、実はいろいろなものがありますというだけになってしまうような感じがします。いかがでしょうか。
【宮園主査】  なるほどね。はい。間野先生は、要するに1つのがんでいろいろなヘテロジェナイティがあるということと同時に、ALKの話になりまが、いろいろながんで同じ遺伝子の異常があるということもあり得るといったことも少し入れてもらっていいということですね。
【中山委員】  領域Eは、そういう形で審査してくださいと言われていて、そういう意味ではちょっと表現を工夫したほうがよいかなと思いました。
【宮園主査】  分かりました。はい。
 ほかは、いかがでしょうか。皆様にAからEまでいろいろコメントをいただきましたが、事務局と私が一緒に削ったものをまた皆様に見ていただくというような形で進めてよろしいでしょうか。
【清家係長】  はい。大丈夫です。よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  では、またお気づきになったら戻ることも可能ですので、13ページの「また、国立研究開発法人科学技術振興機構」というところに進めさせていただきます。ポツが5つあります。科学技術振興機構の研究開発戦略センター(CRDS)の報告書について書いてあります。そこで「がんについては」というところがあります。遺伝子解析技術の進展により分子標的薬が高い有効性を発揮し、積極的な開発が世界中で進められていること。免疫チェックポイント阻害薬の研究も加速しており、免疫の働きを担う免疫細胞を増強して、がん細胞を排除することを目指したがん免疫治療法は第4のがん治療とも言われ、実用化が進んでいること。現在、細胞医薬とも呼ぶべき新規医療技術の登場も世界的に大きく注目を集めている。これはCAR-Tの改良や新たな細胞治療法も開発が期待されていること。
 がんゲノム医療においては、ゲノム異常を標的として開発されてきた分子標的薬が実用フェーズに入っている。多数の臨床サンプルを解析することで、がんの持つ体細胞変異のカタログが作成され、それらを応用してがんの分子標的医薬の適用例の選別などが試みられていること。がん予防は、がん治療(特に進行がん治療)に比べて圧倒的に費用対効果が優れていることから、日本を除くほとんどの諸外国でがん予防に資するワクチン研究も推進されており、昨今導入され注目されている免疫チェックポイント薬などと併用する複合療法の臨床試験も活発になってきていることなどが挙げられている。
 この13ページの下のほうから14ページの上のほうまでについて何かお気づきの点がありましたらお願いいたします。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいですか。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【堀田委員】  この5つ目のポツのがん予防、これはJRDSの報告書の抜粋なので、別にこれを直すべきということは言えないのですが、このがん予防の意味が、発がんする前の1次予防のことを言っているのか、進行を食い止めるためのことを言っているのか、これはどういう意味合いでしょうね。この費用対効果が抜群に高いというのは、がんになってしまう前に予防したほうがいいという意味ではないかという気はします。ここの文脈からでは諸外国ではがん予防に資するワクチン即ち、発がん前のワクチンが盛んに行われているという現状があるということでしょうか。少し解説をお願いしたいと思います。
【宮園主査】  すみません、これはどなたか。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  はい。野田先生、どうぞ。
【野田委員】  その議論の前に、これを抜粋した方に質問なのですが、原文では、これは本当にダイレクトにつながってこのように書いてあったのでしょうか。がん予防が注目されているところのすぐ後ろにチェックポイント阻害薬等の治療におけるペプチドワクチンの併用がくるというのは、確かにそれらの研究が進められており治験が始まってはいますが、本当にこう繋がっていたのでしょうか。文章を切り貼りするときに何となくこうなってしまったのではなのか、それを調べてから議論した方が良いような気がします。
【岩﨑企画官】  ありがとうございます。がん予防は、がん治療に比べて圧倒的に費用対効果が優れていることから、日本を除くほとんどの諸外国でがん予防に関するワクチン研究も推進されてきており、昨今、そこから以降全く同じですけれども、今の抜き方ですと全く一緒です。基本的にそのまま抜粋していました。
【野田委員】  そうするとちょっと気をつける必要があると思います。今、堀田先生が言われたように、予防と言いながら、その1つの例にすぎないところでの予防の重要性を訴えながら、そこに治療のバリエーションが出てきているのは少し誤解を与えます。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【西川委員】  すみません、西川ですが、よろしいですか。恐らく私が理解したここのワクチンというのは、HPVのワクチンではないのでしょうか。
【野田委員】  チェックポイントとワクチン、HPVのワクチンの併用の治験はないように思います。
【西川委員】  その後と前はつながっていないのではないかと考えています。日本を除くほとんどの諸外国でやられているワクチンというのはHPVのワクチンですので、逆に、ペプチドワクチンが日本よりも外国のほうがたくさんやられているかと言われると、そうではないと思います。
【野田委員】  それは分かりますが、「昨今導入されており」の後ろの「免疫チェックポイント阻害薬と併用する」というのにつながっているところはどう思われますか。
【西川委員】  その後の「複合療法」というのは、別にわざわざこのワクチンを指しているわけではないのかなと私は考えました。
【宮園主査】  何かこれ、この文章自体が、野田先生指摘のとおりつながりがおかしいのかもしれません。がん予防に資するワクチンは、もし西川先生がおっしゃるとおり、HPVのワクチンということになると、次の免疫療法とは全く関係ないものが2つつながっていることになりますね。
【西川委員】  そういうふうに理解しますが、予防というのであれば、ここのワクチンは、恐らくHPVのワクチンを言っているのではないかと思いました。前段から読み取れるここのワクチンは、ペプチドワクチンではなくてHPVのワクチンではないのかなと私は理解していました。
【野田委員】  もしそうだとすると、ワクチン研究の推進というのもおかしいですね。
【宮園主査】  おかしいですね。
【野田委員】  研究も何も、実際に、もう世界中でやっているわけですから、北朝鮮と中国以外は。
【青木委員】  何かすごく違和感がありますね。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【青木委員】  文章自体が。
【堀田委員】  堀田ですが、これを抜粋した場合に省略などはしてはいけないのでしょうかね。例えばここの部分って本当に必要でしょうか。
【野田委員】  全部抜いてしまうのは構わないと思いますが。
【堀田委員】  ポツの部分だけです。
【古矢委員】  すみません、古矢ですが。
【宮園主査】  はい。どうぞ、古矢先生。
【古矢委員】  私も今のところはずっと引っかかって、浮いているなと思っていましたが、ただ、今、COVID-19のワクチン、RNAワクチンは、実はがんのワクチンが最初だったはずです。その出口としてCOVID-19がはやってきたので、感染が広がってきたので、そちらのほうに出口を求めたということで、本来はがんのワクチンであるという、この報道はされていると思いますので、私は逆にこれ全部なしにしてしまうと、やっぱり一番日本が遅れているという耳の痛い指摘を受けているところに光を当てないのかというようなあらぬことも言われかねないので、これは、だから、どうしたらいいのかというのは、実はとても大事なことではないかなと思っております。
 以上です。
【宮園主査】  西川先生、それを受けて、今のように読み取れますか。
【西川委員】  読み取れないです。前段はHPVのことを言っているのだなというふうにしか受け取れませんでした。予防ワクチンとそれは同じにというのは分かります。私はそれこそファイザーのコロナワクチン開発をやっていた方は、留学先が一緒なのでよく知っていますが、彼はもちろんワクチンの研究をしていて、あそこにうまくつなげましたが、がんワクチン=ウイルスワクチンというのはやっぱりちょっと余りにも乱暴な意見かなと思います。彼の発見があったということは当然評価すべきではありますが、がんワクチンをやっていたからイコールみんなが、ウイルスワクチンが作れたかというと、そうではないので、やはりそこはきちんと分けて考えるべきではないかなと思います。がんワクチンを開発していればウイルスワクチンができるのだというのは、乱暴な意見のようなに、私は感じます。
【野田委員】  その鍵になるのが、ここのがん予防に資するワクチン研究。あのRNAワクチンは、彼がやっていたのはもともと最終的に予防の前の治療でしょう。
【西川委員】  そうです。おっしゃるとおりです。
【野田委員】  だとすると、この言葉は、古矢先生のように読むのには書き間違えになっていますね。がん治療、予防・治療にするか、いずれ文を変えてはいけないのでしょうが、ここが「がん予防に資する」となっているから、HPVワクチンしか頭に浮かんでこないと西川先生は言われているのでしょう。
【西川委員】  そうですね。おっしゃるとおりです。
【宮園主査】  がん予防ということになると、例えばゲノムでいろいろな遺伝子の異常が分かることによって、いろいろな予防につながるということもできますし、いろいろな疫学的な研究から始まって、ゲノムの研究やワクチンの研究につながるということにもなりますので、少しここ、書きぶりは、「がん予防に資するワクチンの研究も推進されており」というのがいいかどうかですね。
【野田委員】  日本と海外では、そこの捉え方が違うので、今の宮園先生の言葉を入れるときには1次予防と2次予防を区別しないといけなくなります。
【宮園主査】  はい。そうですね。
【中釜委員】  すみません、関連した質問でよろしいでしょうか。質問というか、コメントです。この部分、たしかこれは報告書の引用なのでなかなか難しいかと思いますが、今、議論されているところ等を含めて、予防が費用対効果が優れているということに関しては、かなり表現に気をつけたほうがいいかなと思うことと、一方で今言ったような、宮園先生が御指摘のゲノム情報から得られるハイリスクに対するアプローチとかというのは、恐らく広くゲノム・オミックス情報からのハイリスクに対する懐疑的なアプローチとして今後出てくるのだろうなと思います。その辺を意図しているのかなと思いました。
 それから、ワクチンに関しても、単に抗体による予防だけではなくて、抗体を産出、誘導するような方法などもきっと意識しての記載だと思います。皆さん御指摘のように、これだけの表現だと非常に誤解を招きやすいと思うのですが、報告書の一文なので、どういうふうにこれを注意深く書けるかというところは、少し工夫が必要かなとは思いました。
【宮園主査】  報告書をリストアップしているわけですね。だから、これを書き換えるのは難しいですね。
【野田委員】  書き換えるのは難しいです。
【岩﨑企画官】  先生。
【宮園主査】  はい。どうぞ、岩﨑企画官。
【岩﨑企画官】  この部分は、実は我々、現領域がなぜこのまま維持していいかという根拠にはなっているのですが、国内外の研究がどういうふうに進んでいるかというのが我々は分からず、この報告書に依拠しているというのが現状です。報告書そのままを抜粋するのではなくて、先生方のほうから、こういう研究が進んでいるというものがあれば、それを列記するような形で、国内外では、がんの医療を取り巻く状況がこう変わってきていますという一般論として記載することは可能かなと今伺いながら聞いていました。
 そうすれば言葉は自由に動かせます。ただ、そういったエッセンスを各先生方からいただかないと、事務局としてはなかなか難しいので、今の中で使っていい言葉やフレーズがあれば、それはそのまま残して、それを活用しながら全体的な動向を包含するような文章を作成するというのはどうかなと考えたのですが、いかがでしょうか。
【宮園主査】  では、岩﨑さんの話では、この部分は少し書き換え、我々なりに書き換えてもよいと。その場合に少し何か言葉でつけ加えるものがないかを考えてほしいという感じになりますね。それで、遺伝子解析技術で積極的な開発が世界中で、分子標的薬が高い有効性を示していることと、さっきの治療抵抗性に関してもかなり進んできているということは、抗がん剤、分子標的薬の耐性の部分についてもできてきているということは言えますよね。
 それから、免疫チェックポイント阻害薬も実用化が進んでいるということと、これから有効性を上げるためのいろいろな研究も進められているということもあるかと思いますし、細胞医薬に関してはCAR-Tとか細胞治療法ですよね。がんゲノム医療においては、実用フェーズに入っていて、これは適切ですよね。最後のがんの予防については、ここはやっぱり野田先生がおっしゃったとおり、1次予防、2次予防ということからすると、ゲノムのデータも必要ですし、そしてワクチンってここに書く必要があるかどうかですよね。
【野田委員】  この文章について今、チェックしましたが、完全にそのものですね。要するに元の文が誤解を与える文になっています。
【宮園主査】  なっていますね。だから、ワクチンはもちろん重要、ワクチン研究は推進されるというよりは、もう少し予防に関する方策も必要であるぐらいにしておかないといけないかなと思います。
【野田委員】  先ほど岩﨑企画官が言われたように考えて変えるのであれば、この2つは別にするという、つまり、治療のほうに入るものを一緒にしないということと、それで、例えばここでは「日本を除くほとんどの諸外国でワクチン研究等、がん予防に資する研究が推進されており」とするとか、そういうのがいいと思います。
【宮園主査】  そうですね。
【野田委員】  二つが一緒になっているのは、確かに西川先生のおっしゃるようにあまり良くないと思います。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 では、ここはまた事務局と私で少し練りまして、必要なところは皆様に御意見を聞いた上で、先ほどの御意見を入れながら最終バージョンに持っていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ほかは、よろしいですか。
【中釜委員】  その前に1点だけ確認というか、先ほど野田先生が御指摘になった1次予防、2次予防という言葉に関して、これを積極的に使われるのかどうかということの確認です。ここは野田先生、いかがですか。1次予防、2次予防はなかなか微妙な表現かなと私自身は思っています。
【野田委員】  微妙な表現です。1次予防、2次予防で、さらに予防的介入という言葉が入っていて。
【中釜委員】  ありますよね。
【野田委員】  そしてケモプリベンションに入っていくので、そこの区別の詳細は、ここでは入れるべきではないと思います。
【中釜委員】  ありがとうございます。予防という言葉で含むということで承知いたしました。
【宮園主査】  予防という言葉で包括するということですね。
【西川委員】  すみません、西川ですが、そうするとやっぱり皆さんが誤解されたように、このワクチンという言葉はすごく危険なような気がします。ワクチンという言葉を使うのであれば、きちんと特定して何のワクチンを言っているのかというのは明記したほうがいいのではないかなとは思いました。
【野田委員】  ワクチンを明記するよりは、後ろの治療のほうでの記載を削れば良いと思います。いろいろなワクチンの研究がこれからもあるので、ここでHPVだけに絞って、「研究が今外国で進んでいる」と書けば、「一体、いつのことを言っているの?」と言われてしまうと思います。
【西川委員】  研究と書くとおかしいと思いますが、例えば「がん予防に資するHPVワクチンの研究が推進されており」というようなのであれば理解はできるかなと思います。予防が必要なのだというような文章であれば理解はできると思います。圧倒的にその部分で日本が立ち遅れたことは事実だと思うので。
【野田委員】  そこも含めて1回お任せするのがいいと思います。
【宮園主査】  はい。では、一応、HPVワクチン、ウイルスのワクチンですかね。まあ、でも、ほかは全部やられている。B型肝炎とかもずっと昔からやられていますから、もうHPVですよね。
【西川委員】  そうですよね。遅れているのは、特段、HPV。
【宮園主査】  では、HPVワクチンという言葉にして書いてみて、また相談させていただくということで。はい、分かりました。
 では、その下に行きますが、このような国内外のがん医療を取り巻く動向やP-CREATEの実績も踏まえると、今後も現行の研究領域を維持しつつ、創薬モダリティの多様化などに応じて柔軟に対応できるようにすることが望ましい。例えば複合免疫療法に関する研究では、免疫分野だけでなく代謝やゲノムといった分野も深く関わっているため、領域横断的な支援が必要となってくる。また、診断やバイオマーカーに関する研究については、メカニズムの解明が治療薬の開発につながる可能性もあるため、統計学的な解析に加え、生物学的、病理学的、薬理学的な観点等からの基礎的な理解の深化に資する研究も支援することが重要であると。
 これは4.1.2.の最後のところでありますが、ここはいかがでしょうか。「例えば」というふうに書いてありますので、複合免疫療法で代謝やゲノムの領域横断的なもの、それから、診断バイオマーカーでは統計に加えて生物学、病理学、薬理学的な観点からの基礎的深化と、これはよろしいですか。
【野田委員】  私が前にも言って加えていただいているところですが、また診断バイオマーカーとせずに「診断やバイオマーカー」としていただいています。
【宮園主査】  はい。よろしいですね。
 では、次に行きます。次が「分野融合的な研究の推進」ということで、ここはビッグデータ技術やAIの発展により、データサイエンスを活用した創薬プロセス云々と。次期事業では、臨床医や情報学などの多様な専門性を有する研究者の協働によって分野融合的な研究についても推進するとともに必要な体制を整備する必要があるということです。
 次が「戦略的に取り組むべき研究の推進」ということで、2行目ですね。P-CREATEで十分に対応し切れていない分野があるため、次期事業においては引き続き戦略目標の達成に向けて取り組む必要がある。例えば希少がん・難治がんと書かれていて、私が少し気になったのは、そこの3行目のがん種が限定的であるなと。病名を挙げてありますが、これ、挙げると逆に、膠芽腫、小児白血病、膵臓がんに対して逆風にならないかなと思ったので、「限定的であり」だけで病名までは書かないほうがいいかなと思いました。「限定的であり、多種多様な希少がん・難治性がんの支援には至っていない」ということで、これを書くと膵臓がんなどは、十分にプロジェクトが進んでいるというイメージで、そこが少し気になったので、私はこの括弧の中、削ったほうがいいのではないかなと思いました。
 あとは、全ゲノム解析のことが書いてあって、希少がんの話になって、そして、そのほかiPSや遺伝子改変技術と新たな免疫療法の開発ということで、最後に研究者の自由な発想に基づく基礎研究に加えて政策的なニーズや国内外における研究の発展に応じて戦略的に取り組むべき研究についても積極的に推進する必要がある。さっきの戦略的に取り組むべき研究ということで、逆に膵臓がん、ぜひやってほしいという声も結構ありますので、こんな感じで最後にアンダーラインを引いた部分でまとめていただいております。ここはよろしいですか。
【古矢委員】  古矢ですが、宮園先生のお考えに賛成します。私も膵臓がんというのを多面的に取り組むということがこれでできなくなるのかなと少し懸念しました。
【宮園主査】  はい。ありがとうございます。
 もちろん、中釜先生が御紹介されたように、確かに希少がん・難治性がんが少し狭い領域になってしまっているのは確かですが、ここで挙げてしまうのはいかがかと思いますので、では、削っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【中山委員】  すみません、中山です。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【中山委員】  少し戻りますが、1つ前の最後の行の「臨床医や情報学等の多様な専門性を有する」って、臨床医ってわざわざ出すのは、臨床医の参加が今までは不十分だったという認識があるということなのでしょうか。何となく今までもとても臨床医の先生方、活動いただいていたかなと思っています。先生方も臨床をやりつつ、基礎研究をやりつつという方もたくさんいらっしゃると思います。
【宮園主査】  なるほど。
【中山委員】  少し違和感を持ちました。
【宮園主査】  なるほど。確かに臨床医と書くことについて、いかがでしょうか。
【中山委員】  情報学というのは本当に生物学とは違う、生物化学とは違うというのでとても多様なというふうな感じがするのですが。
【宮園主査】  臨床医は除いてもよろしいですか。臨床の先生方がP-CREATEに入りにくかったということかなと思ったのですが、除いてしまってもよろしいですか、いかがでしょうか。
【島主査代理】  島です。審査のときに指摘されたことに、サイエンスが面白くて基礎的にはすばらしい提案だが、臨床的な観点が完全に抜け落ちているというのが随分ありました。こういう提案には少し臨床からの目があるといいなという指摘があったので、ここでは、臨床医、何かそういうニュアンスを若干残したいような気がします。臨床的なバックアップをもっと進めてほしいとか、何かそのような表現を少しでも入れていただきたいと思いました。
【宮園主査】  そうですね。では、島先生のお考えだと、例えば「臨床医や」というのを除いて「情報学などの多様な専門性を有する研究者や臨床医の積極的な参画」とか、そういった言葉を入れるというのではいかがでしょうか。
【島主査代理】  そんな文章が良いと思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。では、そのような形で、中山先生、それであればよろしいでしょうか。
【中山委員】  はい。分かりました。ありがとうございます。
【宮園主査】  では、4.1.3.の「次期事業の目標」ということで、こちらはアンダーラインのところ、次期事業においてもこれらの仕組みや体制をさらに強化・発展させ、企業や他事業への導出を進めることを所期の目標としつつ、支援終了後も他事業や企業における開発状況についてフォローアップを行うなど、中長期的な成果についても把握するように努めるべきであるということでまとめてありまして、上のほうはこれまでも見てきたものですが、本事業がP-DIRECTの流れを汲むとともに、各課題を出口へ着実に進めるための様々な仕組みや体制を整備・強化したことが効率的な成果の創出につながっているということで、これまでのP-DIRECTからP-CREATEへの流れが非常によかったということを書いていただいた上で、次期事業においても、引き続き取り組んでほしいということの期待も込めてこういう中長期的な成果についても把握するように努めるべきであるということでまとめていただいております。ここはよろしいでしょうか。
【野田委員】  すみません、いいですか。
【宮園主査】  はい。
【野田委員】  また1つ前へ戻るんですけれども、さっきの戦略的に取り組むべき研究のところで、「政策的なニーズ」という表現をどういうふうに受け取るでしょうか。悪いとは言いませんが、ここまで何行も書いてきて、「このように」と書いて、「政策的なニーズ」となると、例えば何を政策的なニーズと受け取るでしょうか。言葉が適切でないようにも思いますが、いかがでしょうか。前段にわかりやすく、こういうものが政策的なニーズであると示されているのであればわかりますが。
【宮園主査】  おそらく、政治的なというよりは、何かこうリーダーシップを持ってやってほしいということでの、自由な発想というのがボトムアップだとすると、トップダウンの考え方でも何かやる必要があるということで、そこで政策的なニーズという言葉になったような気がします。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいですか。
【宮園主査】  はい。
【堀田委員】  ここの文脈で政策的というのが、政治的という意味ではなくて、推進計画に基づいてという意味での政策的であればやはり、希少がん、難治がんというのは1つの政策課題でもあるし、ゲノム医療を実現化していくというのもそうだと思います。そういうふうに取れば政策的でいいのかなというふうに私は読んでいました。ただ、先ほど少し議論になっていたように、あまり個別具体的な課題や病名を挙げてしまうと限定的になってしまうのでそこは気をつけるとしても、そういうふうに読んでいいのだと私は思いましたが、それでも気になるでしょうか。
【野田委員】  そういうふうに読む人が過半数であれば、それは問題ないように思います。今言ったような希少がんや全ゲノム解析といった内容が、今どこに力点を置くべきかという観点で使われているのであればよいと思います。
【宮園主査】  ありがとうございます。少し考えてみますが、おそらく、政策的なニーズというのは、要するにトップダウンということだと思います。
【野田委員】  はい、分かりました。
【西川委員】  宮園先生、西川ですが、同じパラグラフのもう少し下にある、「この他にも細胞治療におけるiPSや細胞技術を活用した新たな免疫療法」という文章について、これはこの掛かりだと細胞、どれがどこに掛かっているかがちょっと分かりづらいかなと思います。iPSと遺伝改変技術って、ある意味、包含している内容です。遺伝子解析技術でiPSも入ってしまうと思うので、「などの」とかいうふうにして、「活用した細胞治療等を含む新たな免疫療法の開発」みたいにしたほうがいいのではないかなと思いました。
【宮園主査】  活用した。
【西川委員】  これだと、「細胞治療における」だと、どれがどこに掛かっていっているのか、いま一つ分かりにくいなと。
【宮園主査】  なるほど。「細胞治療における」を後のほうに回してということですね。
【西川委員】  そうですね。あと、iPSと遺伝子改変技術という表現については、ある意味、遺伝子改変技術は結構広い言葉だと思うので、iPSも包含していると言えば包含してしまっているのかなと思いました。
【宮園主査】  でも、これ、iPSと書きたいのではないでしょうか。
【野田委員】  私は、そこは包含していないと思います。
【西川委員】  それでも問題はありません。
【宮園主査】  やっぱりiPSは残しましょう。
【西川委員】  この「細胞治療」というのは後ろにあったほうがいいのではないかなと思います。
【宮園主査】  はい。分かりました。
 実は、自由に議論しろと事務局は言ってくださっていますが、大分前半に時間を取り過ぎましたので、4.2.に参りたいと思います。16ページの「研究推進のための取組について」ということで、まず最初が「次世代のPIとなる研究人材の発掘・育成」ということで、「P-CREATEは」というところから「寄与してきた」と。それから、次は「採択された研究者に対しては、PS/POと技術支援班の協働により、基礎研究者の実用化に向けた位置づけがなされるとともに」ということと、さらに「チーム型の研究において異分野との融合や連携が進み、がん基礎研究以外の分野の研究者の参入が促され、研究者層の拡大にも貢献した」と。
 そこで、逆にこういうことが指摘されていて、「次期事業においては、若手や他分野からの研究者を取り込み育成する方策が必要であり、若手等に特化した公募枠や育成のためのコンサルテーション機能などの強化が期待される。また、研究者間の交流を促進し、コミュニティの活性化と研究者間の協働が進み、国際競争に打ち勝つ革新的な研究開発が推進されることが望まれる。なお、研究者の育成に当たっては、次なるPIとなる研究人材への支援に偏り過ぎず、PI経験の浅い研究者にも配慮されるような留意が必要である」。この「次なるPIとなる研究人材への支援に偏り過ぎず」という文章について、偏ってはいないと思いますので、ここは「次なる」から「偏り過ぎず」はなくてもいいのではないでしょうか。研究者の育成に当たっては、PI経験の浅い研究者にも配慮されるよう留意が必要であるというくらいに、さらっと書いてもいいのではないでしょうか。次なるPIへの育成はやはり非常に重要なので、これは削ったほうがいいと思います。
 ほかは、いかがでしょうか。
【中山委員】  中山ですけれども、ここはやっぱりPIとちゃんと入れたほうがいいのでしょうか。ずっと若手、若手と書いてきているので。
【宮園主査】  はい。
【中山委員】  タイトルは次世代のPIとなる研究人材ですが。
【宮園主査】  そうですね。「PI経験の浅い研究者」という言葉がいいかどうかということですね。
【中山委員】  そうですね。
【野田委員】  今、宮園先生が削られた部分が無くなった場合、PIになっていないような若手が普通にイメージされるのであれば、やはり、PI経験の浅い研究者という場合、それは若手枠から外れてしまうかもしれないので、これを維持するのは大事だと思います。若手といったら、PIじゃない人のみがイメージされるのかどうかというところがポイントです。
【宮園主査】  なるほど。分かりました。では、これは確か前回、西川先生が強調されたところでもありますので、よろしいでしょうか。
【西川委員】  それだったら、偏り過ぎずというか、「支援のみならず」「支援に加えて」といった言葉ではいかがでしょうか。
【宮園主査】  次なるPIとなる研究者の支援に加えて。次なるPIというのは、研究人材の支援もやってほしいということを残したほうがよければ、支援に加えてですか。なるほど。
【野田委員】  言葉遣いの観点で、この線を引いてある2行目の「若手等に特化した公募枠や育成のためのコンサルテーション機能などの強化」について、「公募枠の強化」という表現は具体性がないので、公募枠の設定とか何か入れないとちょっとまずい感じがします。
【宮園主査】  「公募枠の設定」ですね。はい。
【野田委員】  それから、一番下の、今度は、逆に「PI経験の浅い研究者にも配慮されるよう留意が必要である」という表現、何かちょっと繰り返しているような、ここもどちらかにしたほうがいいと思います。
【宮園主査】  「配慮すべきである」という表現ではいかがでしょうか。
【野田委員】  「配慮すべきである」でよいと思います。
【宮園主査】  はい。分かりました。
 じゃあ、17ページに行かせていただきまして、「専門的支援体制の整備」ということでありますが、ここはずっと行きまして「次期事業において」というところからだけ読ませていただきますが、「研究環境に左右されずに高い質の研究を遂行するために、高度な技術による支援を継続するとともに、技術の進展に伴い支援の内容も適切にアップデートされることが重要である。更に、技術的な支援に加え、臨床現場との接点がない、小児がんや希少がんのような患者が少ない(専門医療機関に集中している)などの理由で検体へのアクセスが困難な場合に、検体の提供や臨床とのマッチングを行うような支援があることが望ましい」。
 その下に「また、企業導出を目指した研究開発を進めるためには、知的財産戦略に関する支援が重要となる。医薬品開発において特許による知的財産の保護、他者の特許を侵害しないことが重要であるため、研究開発の早期段階で競合相手の状況を探索・外観する丁寧な特許調査を実施する必要がある。一方で、企業側から見ると特許権の残存期間や権利範囲も重視するため、導出利便性の高い特許を支援することが必要である。なお、そのような支援を実施する際には、AMEDの「AMEDぷらっと」(シーズ・ニーズマッチングシステム)やアカデミアのAROなどの活用も含め検討する必要がある」、こうなっています。
 次期事業においてということで、小児がん、希少がんのことが書いてあって、それから、知財のことが書いてありますが、いかがでしょうか。
【中山委員】  中山ですが、質問よろしいでしょうか。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【中山委員】  1段落目に、若手や他分野から参入する研究者については手厚い支援が必要というように読めてしまう気がしますが、手厚い支援は誰でも欲しいと思いますが、いかがでしょうか。
【宮園主査】  しかしの後、1行目、2行目は、若手や幅広い分野の研究者をがん研究領域に取り込み育成することが重要であると。その取り込んだけれども、若手や他分野から参入する研究者については円滑に研究を遂行するための手厚い支援が必要となってくるというつながりで読むということですね。
【中山委員】  そうですね。ただ、1段落目は若手の支援、研究者を取り込むためにはこういう政策をしているということを書かれていると思いますが、この全体が支援体制の整備というところになると、こう続いて読むと何か手厚い支援が必要な人たちを限っているように読めてしまうかなと思いました。
【宮園主査】  どのようにしましょうか。
【中山委員】  むしろこの「若手や」というところを強調するのであれば、その4.2.1.で育成のところに、こういう人たちには十分に支援するということを、前段では採択のことしか書いていなかったかと思いますが、採択された後も支援を継続するということを書いて、むしろ支援体制としては、採択された方たち、もしくはそれ以外の人たちにも積極的な支援を続けるほうがいいかなと、今、お話をしながら思いました。
【宮園主査】  なるほど。この支援というのは、専門的な研究支援、サポート機関をはじめとした、このP-CREATEというか、次世代がん研究としての手厚い支援ですね。
【中山委員】  その通りです。
【宮園主査】  はい。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  はい。どうぞ、野田先生。
【野田委員】  今、中山先生が言われたように、ここでもう1回繰り返しているからそこに絞られてしまっているので、繰り返しの仕方を「若手や他領域から参入する研究者に限らず」というようにしてはどうでしょうか。
【宮園主査】  限らず、なるほど。
【野田委員】  研究の方向性を定めて新たな革新的な成果を創出するためには、研究環境が十分に整っていない場合もあるため、円滑に研究を施行するための手厚い支援が必要となってくるということです。
【宮園主査】  そうですね。はい。ありがとうございます。
【中山委員】  ありがとうございます。
【古矢委員】  古矢ですが、すみません。
【宮園主査】  はい。古矢先生、どうぞ。
【古矢委員】  今の野田先生のお考えに賛成です。それで、これ、中山先生が御質問になったこと、実は私もちょっと引っかかっていたのですが、せっかく11ページに西川先生のリクエストにお応えされる形で若手というのが削られて、脂の乗った研究者もしっかり見ていますよというメッセージになっています。それで、KPI、企業導出ということになっているのですが、いつの間にか人材育成になっているという、どっちの部分だというところが、このパートに入ってきて気になっていて、若い人の育成はとても大事なのですが、であれば、企業導出というのは少し目をつむるのかという考え方が出てきてしまいますので、ここは整合性がある表現のほうがいいかなと思いました。なので、脂の乗った先生がとても大事で、そういう先生が大車輪のように研究をやっていただいて、企業導出を図るというのが大命題だと僕は思っております。
【宮園主査】  はい。野田先生、よろしいですか。
【野田委員】  今の古矢先生の発言でよく分からなかったですが、「そこの部分」と言われたのは、ここではなくて、前の部分を少し修正するということですか?それとも、そうではなく、この部分を修正するということですか。
【古矢委員】  若手の育成、研究者の育成というのが何度か出てくるということで、この辺りに入ってくると、この事業の目的が人材育成なのかと読めるときがあります。KPIというのは企業導出というふうに冒頭書かれていたと思うので、ここが二兎を追うのかというふうに読めてしまうということで、そうではないという表現にしてはどうかということです。ですから、今おっしゃっていただいたような表現のほうが適切かなと思いました。
【野田委員】  はい、分かりました。
【宮園主査】  はい。ありがとうございます。
【堀田委員】  堀田ですが、私もここを読んでいて同感で、この前段の部分の若手研究者、幅広い研究者というところが、前のPIを育てるというのと何か少しダブッているように感じていました。むしろ、研究成果を最大化するための、脂の乗った研究者にもきちんとしたサポートがさらに必要だという意味合いで、ここは書いたほうがいいのではないかと思いました。
【宮園主査】  ありがとうございます。
【野田委員】  繰り返しになりますが、先ほど言ったように「若手や新たに参画する研究者に限らず」という表現でよろしいのではないでしょうか。
【宮園主査】  そうですね。そう思います。ありがとうございます。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。
【野田委員】  前回、意見を出せばよかったですが、内容はそのままでいいのですが、下線の2段目、「更に、技術な支援に加え」のところの次、「臨床現場との接点がない、小児がんや希少がんのような患者が少ないなどの理由で」というのは、スムーズに読めないのではないかと思います。
【宮園主査】  そう思います。
【野田委員】  「などの理由で、検体へのアクセスが困難な場合に」とありますが、困難な場合というか、困難な環境での研究推進に対して、こういう支援をするという書き方にしたほうが、もう少し分かりやすくなりませんか。
【宮園主査】  御指摘のとおりで、つながりが悪いですね。
【野田委員】  はい。内容は、このままで問題ありません。
【宮園主査】  内容は、これでよいですね。はい。臨床現場との接点がないというのと小児、希少がんが少ないなどの理由で検体アクセスが困難な場合とか、この内容については検討いたします。
【堀田委員】  堀田ですが、その検討していただくときに、この括弧内の「専門機関に集中している」ということが何か特別な意味合いを持っていますでしょうか。
【宮園主査】  そうですね。これが少し浮いているように感じますね。
【野田委員】  後で、また少し直してから提案いただくということでも構いません。
【宮園主査】  はい。すみません。例えばレチノブラストーマなんかですとやはり、どうしても専門の医療機関で集中的に見て、一般の方はアクセスが少ないということを聞いたことはありますが、そこは文章を考える必要がありますね。分かりました。
 事務局、一緒に相談することでいいですか。
【清家係長】  はい。よろしくお願いします。
【宮園主査】  よろしくお願いします。3段目の企業導出を目指したというところで。
【野田委員】  「外観」という表現もおかしいですよね。
【宮園主査】  そうだ。外観というのは、僕も読んでいて少し詰まりましたね。探索、外観ってどういう字を書く。これ、「外観」でいいんでしたっけ。
【野田委員】  概要の「概」ではないでしょうか。
【宮園主査】  概要の「概」ですか。
【野田委員】  広く見るということですから、俯瞰というと少し上から見ているように感じますが、要するに、基本的に開発早期の段階から、その標的やその周辺のバイオロジーも含めた中で、どのような特許なり企業の関与が見られるのかというところをきちんと把握しながら進まなければいけないというのが、言いたいことだと思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【野田委員】  知的財産戦略の入り口のところの技術支援と、後半の出口のところでの技術支援があり、研究開発の初期段階において、競合相手の状況の調査が重要となります。この「競合相手の状況」というのは、その標的の周辺に競合相手がいるか、いないか、誰がどのような研究開発をしているかということを調べるものです。ですから、競合相手の「相手」は抜いたほうがいいですね。
【宮園主査】  「競合の状況」ということですね。
【野田委員】  「通じて、当該分野の知財状況を探索・概観する特許調査」という表現になるのではないでしょうか。
【宮園主査】  ありがとうございます。全部言っていただきましたが、今、野田先生が言っていただいたような感じで、事務局、書き換えられますか。
【清家係長】  はい。修正いたします。
【宮園主査】  僕もそう思います。競合相手という言葉が少し引っかかっておりました。
【野田委員】  抽象的になってしまいますね。
【宮園主査】  そうですよね。はい。それから、外観というのがうまくもう少し漢字も変えて、今、野田先生がおっしゃったような感じで書き換えてもらえばいいと思います。
【野田委員】  その後ろのほうは、古矢先生にお聞きするのがいいと思いますが、「一方で」から「導出利便性の高い特許を支援することが必要である」というところは、スムーズに理解できるものなのでしょうか。そこは古矢先生のご意見にあるところなのではないかと思います。
【古矢委員】  古矢ですが、導出利便性というのは結果であって、例えば「導出戦略の立てやすい」とか、そういうニュアンスであろうと思います。
【宮園主査】  導出戦略の立てやすい特許をということですね。はい、分かりました。
 次のAMEDの「AMEDぷらっと」というのは、私、分からなかったので書き加えてもらいましたが、これは、AMEDのシーズ・ニーズマッチングシステムで括弧「AMEDぷらっと」でいいのではないでしょうか。AMEDのシーズ・ニーズマッチングシステムである「AMEDぷらっと」でしょうから、括弧が後にあるよりはよいと思います。お願いいたします。
 よろしいでしょうか。では、また戻ることはあるかもしれませんが、次が4.2.3.です。「PS/PO等による推進体制」ということで、定期的なPS/PO会議を開催してということと、波線が入っているのは、PS/POが一体となって事業運営を行ってきたことにより事業全体の活性化が図られているということ。引き続き、優れた学識経験や高い見識を有するPS/POによる推進体制が構築されることが望まれるということ。
 「次期事業における進捗管理については、PS/POや課題評価委員などの創薬プロセスなどに習熟した専門家による目利きを強化することも重要である。具体的には、標的検証に入る段階、標的検証を終えHTSに進む段階、リード化合物を取得して最適化研究に進む段階など、各段階において創薬標的としての妥当性について、創薬専門家の参画の下に適切に目利き・見極めを行い、次のステップに進むべきシーズを絞り込むことが期待される」。これはよろしいでしょうか。
【野田委員】  すみません、少し気になる点があります。PS/POのところの一番前の段落ですけれども、「P-CREATEでは」と言って、そこからずっと来て、一体となって事業運営、「事業全体の活性化が図られている」までは、次期事業のことではなくて、今の事業のことがこれだけ重く書いてあって、「次期事業においても」以下は、2行になってます。あまり具体的な内容を入れるとまた次期事業を縛ることになりますが、例えば「PS/POが一体となって事業運営を行うことが必要である」とか、そうした部分はこれからの事業の方に移した方がいいような気がします。
【宮園主査】  なるほど。「次期事業において」というのは、この段落では2行しかない。なるほど。
【野田委員】  ここのところは、P-CREATEでのPS/POを中心した運営が評価されており、次期事業でも繰り返されることはすばらしいが、やはりPS/POが一体となってというところからは、次期事業を表す言葉であるべきなのではないかと考えています。
【宮園主査】  そうですね。はい。分かりました。この段落の「次期事業において」というのは、もう少し前のほうに、二、三行前のほうに持ってきて、少しこれからのことということにするということですね。はい。
【野田委員】  例えば「引き続き」の前に、「次期事業においても」として、「引き続き」の次のところに、「PS/POが一体となって事業運営を行い」としたら良いように思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【野田委員】  そういうことで、優れた、有するPOによる推進体制が構築されるというふうに引っかけたほうがいいと思います。
【宮園主査】  分かりました。次期事業というのを、その波線の前のPS/POのところに持ってきて、この文章を変えるということですね。分かりました。
 ほか、よろしいですか。じゃあ、最後に企業や他事業との連携ということで、P-CREATEにおいては、標的分子同定やターゲット・バリデーション等々の話になって、BINDSや創薬支援推進事業などAMEDの他事業等も活用しながら進めていくことが望ましいとあります。全体を読ませていいただきます。
 「P-CREATEにおいては、標的分子同定やターゲット・バリデーションを行う研究に加え、革新がん事業などにおいて実施する前臨床研究、臨床研究へつなげるための応用研究フェーズも支援している。基礎的なフェーズから臨床フェーズへつないでいくことは容易ではないため、事業内の専門的技術支援に加え、BINDSや創薬支援推進事業などAMEDの他事業等も活用しながら進めていくことが望ましい。また、健康・医療戦略推進会議のもとに設置された医薬品開発協議会においても、依然としてアカデミアと企業のシーズに関する捉え方にギャップがあることが指摘されたことを受け、AMEDの医薬品プロジェクトにおいて、製薬業界の協力のもと、AMEDの支援課題の実用化促進を図るための新たな取組として」、ここ、少し文章が長いですね。
 「取組として企業視点からの有望シーズの目利き機能と進むべき創薬プロセスのガイド役を担う「AMEDアカデミア医薬品シーズ開発推進会議(AMED-FLuX)が設置された。AMED-FLuXでは、AMED支援課題のうち、開発早期の具体的なシーズを対象にアカデミアと企業有識者が実用化の観点から有望なシーズ開発に求められること、実施すべき研究開発内容などについて意見交換が行われる。次期事業においては、AMED-FLuXを活用することにより、アカデミアと企業との距離を縮め、シーズの実用化を促すことが期待される」。こういう形で終わっていますが、てにをはが、少し変えたもらったほうがいいところがありますが、ここはどうでしょうか。AMED-FLuXのことにかなり言及されています。
【野田委員】  AMED-FLuXの部分が少し重いように思います。ここの下線部に至るまでの、この9行は削れるのではないでしょうか。
【宮園主査】  はい。私も読んでいて長く感じましたし、つながりも悪いように思いました。2段落目が1つの文で、7行ありますので、削れますね。
【清家係長】  事務局です。修正させていただきます。
【野田委員】  今、宮園先生が言われた前半の部分を2つに分けて、後半の文を、全部抜いちゃったらどうですか。「AMED-FLuXでは、意見交換を行われる」、これ、おかしいけれども、「AMED-FLuXでは」から「行われる」までは抜いちゃってもいいような気がします。
【岩﨑企画官】  承知しました。
【清家係長】  ありがとうございます。
【野田委員】  前を2つに分けるというのは置いておいても、依然としてアカデミアと企業のシーズに関する捉え方にはギャップがあることが指摘された。それで、AMEDの医薬品プロジェクトにおいては、この指摘を受けて、こういうものを設置したと書いたらどうですか。次期事業では、これを活用してアカデミアと企業の距離を縮め、シーズの実用化を進めるというのが良いような気がします。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【清家係長】  ありがとうございます。そのように修正させていただきます。
【宮園主査】  これはまだ、AMED-FLuXはまだ1回目が5月ですよね。これからですよね。それで、確かにモダリティでは次世代がんは2番目のモダリティですので、かなりAMED-FLuXの活躍が期待されるということで、ここに入れていただいたということですが、さっき野田先生も言っていただきましたが、もう少しスリムにしたほうがいいですね。ありがとうございました。
 時間の調整が難しくて、ここまで来ましたけれども、戻って結構ですので、何か言い忘れたこと、御自由におっしゃっていただければと思いますが、いかがでしょうか。
【野田委員】  よろしいですか。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【野田委員】  古矢先生と堀田先生に確認したいのですが、確かに全体として、もう1回読み直したときに、育成が余りに前に出るとやはり何か違ってしまうので、そこをもう少し変えることが、全体にとっても良いと思われる部分があったら教えて頂きたいと思います。そっちが強くなり過ぎているということが無きにしもあらずと言う感じがしています。
【宮園主査】  そうですね。御指摘のとおりで、今日、こうやってずっと皆さんと一緒に見てみると、若手をというのは、今回の議論でかなり出てきました。KPIに関して、P-DIRECTからP-CREATEで非常に成果が上がったので、これからは若手もということでしたが、やはり一番重要なことは、創薬に関する、あるいは次世代がんとしての成果を出して導出につなげていくということですので、そこはもう1回見直して考えてみたいと思います。ありがとうございます。
【古矢委員】  古矢ですが。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【古矢委員】  今の視点とちょっと違うかもしれませんが、KPIが企業導出を図るということは、それでいいと思うのですが、ただ、それのみになると、いわゆる次世代がんというのは、企業の下請事業なのかと受け取られかねない気もしました。アカデミアにふさわしいのは、シーズは企業に導出するけれども、根っこになる本格的な基礎研究というのをしっかりやっていただく。だから、応用研究のようなものが企業導出と並行して進むというのが、本来、目指している姿ではないかなと思うのですが、この辺り何か書き込まれたらいいのではないかなと思いました。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 11ページの最初の次期事業の目的・役割というところで、アンダーラインを引いて国際的にも質の高い基礎的研究を支援し云々というのが入っていて、それから、臨床現場を大きく変革するようなといったことが書いてあって、皆さんの考えは、今、古矢先生におっしゃっていただいたとおりでありますが、ここに書いてあって、その後、そういった基礎的研究でアカデミア発の創薬につながるような研究を進めるというのが、「おわりに」でもう1回書くのかのか、あるいはどこかでもう少し書き込むのかといったことが、もう1回考えたほうがいいかもしれませんね。ありがとうございます。
【中山委員】  中山です。
【宮園主査】  どうぞ、中山先生。
【中山委員】  今の点ですが、15ページに目標が出ているのですが、そこにあまり基礎から続けるとか、あと人材育成もここに出ていません。それなのに16ページの推進に向けての取組の最初に人材育成が始まってしまうので、そこ、もしかしたら、研究推進のための取組についての順番を変えるだけでも印象が変わるかなとは思いました。中身は同じでも、例えば取組についての最初、PS/POによる推進体制をきちんと構築する。それから、支援体制をきちんとする。その次に人材育成に対すること、最初からストーリーが何となく合っているかなと思いました。
【宮園主査】  ありがとうございます。ちょっと検討、確かに非常に重要なポイントですので、検討させていただきます。4.2.1.と4.2.2.は逆のほうがいいのではないかということですね。
【中山委員】  はい。
【野田委員】  4.2.3.の順番でしょう。1.と3.を取り替えるのだと思います。
【中山委員】  そうですね。1.と3.。
【宮園主査】  1.と3.を取り替えるんですね。はい。
【野田委員】  そうしたときに、3.を取り替えると、そうすると、3.の体制のところに先ほど古矢先生が言って下さったような、やっぱり優れた基礎研究というのを推進、PS/POの下ではあるけれど、その優れた基礎研究を推進できる体制を構築して、という書き方をして、それに当たるようなものを、その上の目標のところの文をほんのちょっと増やして、足したらどうかということだと思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。ありがとうございます。全体の流れで読んだときに、確かに若手というのが4.2.1.で来るよりは、やっぱり順番を考えたほうがいいということで、大変ありがとうございます。
【野田委員】  それ、いいですね。
【宮園主査】  あとは、いかがでしょうか。
【中釜委員】  すみません、1点だけよろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ、中釜先生。
【中釜委員】  13ページから14ページで、先ほど丸ポツで書かれたところで議論されたかと思うのですが、前段のところでCRDSの報告の記載が非常に大きくなっています。このCRDSの、13ページの下のこの6行ぐらいに当たるところの書きぶりは少し工夫するとよいと思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。
【中釜委員】  ポイントをそこから酌めるような形にしておいたほうがいいかなと思います。
【宮園主査】  はい。分かりました。ありがとうございます。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいですか。
【宮園主査】  はい。どうぞ。
【堀田委員】  最初に説明のときに飛ばして説明いただいた、前段のところですけれども、そこにコメントします。4ページのがん研究推進の現況のところ、我が国におけるがん対策の現況のこの図ですけれども、これは差し替えということになっていますが、これは2016年までのデータですから、最近、19年までのデータに、がんの統計2021でも出ていますので、ぜひそれを使っていただくのがよいと思います。これはがん対策の現況というよりは、がんの現況であって、対策の現況だったら死亡率の年次推移を示したほうが、対策がどういうふうになっているかが分かりやすいのではないかと思います。
 というのは、1990年代後半からがんの年齢調整死亡率がどんどん下がってきているのですが、第3次対がん10か年総合戦略では目標にした75歳未満の死亡率の10%減というのが達成できませんでした。それが課題として残っているのが現在なので、そこのところは意識づけできるほうがいいのではないかと思います。死亡率自体は下がってきているのに、まだ目標にはちょっと及んでいないというところです。それともう一つは、次のページの5年相対生存率は確かに上がってきているのですが、これは全がん協の34施設のデータなのですが、今や院内がん登録で400施設の拠点病院のデータがありますので、それを引用されたほうがいいのではないかと思います。院内がん登録は日本のがん患者の70%は捕捉していますので、そのほうが現実に近いのではないかと考えます。ただ、全国がん登録がまだ生存率データが出るには、もう少し時間がかかるので、今のところ、院内がん登録のデータを使うのがいいのではないかと思います。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。では、ここは今日飛ばしてしまいましたけれども、少しまた今の御指摘に従って修正いたします。
 中釜先生、よろしいですか。
【中釜委員】  いいです。すみません。
【宮園主査】  はい。ありがとうございます。
【野田委員】  すみません、堀田先生の今の前半の部分の、どこを引用したらいいかを、事務局に教えてあげていただけると有り難いと思います。
【宮園主査】  そうですね。はい。よろしくお願いします。
【野田委員】  達成、未達成のところについてですが、後ろのほうは全がん協のあれを使いましょうというのは良いと思います。
【宮園主査】  はい。よろしくお願いします。
 すみません、皆様からいろいろ意見をいただきまして、事務局は全部ピックアップしていると思います。それから、今日、多くの宿題をいただきましたので、これを基になるべく早く次のバージョンを作って皆様に見ていただいて、きちんと皆様の御指摘を反映できているかということを確認させていただくということにしたいと思います。ほぼ時間となりましたので、この辺りで一旦、本日の議論はこの辺りまでにしたいと思います。特に今日、1.から3.、今、堀田先生から御意見をいただきましたけれども、最初の1.から3.のところ、10ページまでのところ、今日はあまり細かく議論いたしておりませんが、お気づきの点がありましたら、今週中に事務局まで御連絡いただければと思います。事務局が修正案を作って、また御報告をさせていただければと思います。
 それでは、事務局から連絡事項等、お願いいたします。
【清家係長】  事務局です。本日は、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。次回の検討会は既に御連絡させていただいておりますとおり、6月3日、木曜日、16時から18時を予定しております。詳細につきましては、決まり次第、御連絡申し上げます。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 何かもしかして言い残したことはあられますでしょうか。よろしいでしょうか。3時までもう少しだけ時間が残りまして、今日は事務局と事前に相談したのですが、シナリオなしでやりましたので大分心配しましたけれども、無事に3時で、皆様、御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは、今日いただきました御意見は、できるだけきちんとした形で取り入れまして、皆様にまたフィードバックした上で次の6月3日に向けて準備を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事は以上です。どうもありがとうございました。大変貴重な御意見、ありがとうございました。これで終了いたします。
 
―― 了 ――
 

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