長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会(第12回) 議事録

1.日時

令和6年3月8日(金曜日)10時30分~12時30分

2.場所

文部科学省 東館15階 15特別会議室・・・事務局
Web会議システム・・・委員等

3.出席者

委員

(委員)笹川主査、野口委員、神田委員、河本委員、岡村委員、平尾委員
(説明者)長崎大学 栁高度感染症研究センター長、安田高度感染症研究センター副センター長/高度感染症研究センター附属BSL-4施設長、森内高度感染症研究センター副センター長、渡部高度感染症研究センターリエゾン推進室長、中嶋高度感染症研究センターバイオリスク管理部門長

文部科学省

塩見研究振興局長、大月研究振興戦略官、永松先端医科学研究企画官

4.議事録

【笹川主査】おはようございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまより第12回の長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会を開催させていただきます。
委員の先生方におかれましては、大変御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、開始に当たりまして、事務局から今回の出席委員数の確認からお願いいたします。
【永松企画官】研究振興戦略官付先端医科学研究企画官の永松と申します。よろしくお願いします。
本日は、全委員7名のうち、6名の委員に御出席いただいており、「長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会」設置要綱第3条の(5)に基づく会議開催に必要な定足数に達していることを御報告いたします。
また、事務局側に3名、人事異動がございましたので、併せて御紹介させていただきます。
研究振興局長として、塩見が着任いたしました。
【塩見局長】塩見でございます。
【永松企画官】大臣官房審議官として奥野が着任しております。本日、公務のために欠席しております。
そして、先端医科学研究企画官として永松が着任しております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、開会に当たりまして研究振興局長の塩見より一言御挨拶申し上げます。
【塩見局長】失礼いたします。文部科学省研究振興局長の塩見でございます。委員の皆様には、年度末の大変お忙しい時期に御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。
政府としましては、感染症の脅威を認識し、平成27年より、そのための対策を強化してまいりました。その重要な取組の1つが長崎大学におけるBSL4施設を中核とした感染症研究拠点の形成ということだと考えております。昨年9月には内閣感染症危機管理統括庁も発足し、次の感染症危機に備えた検討が進められております。感染症対策としましては、感染症危機が起こる前からの平時の備えが極めて重要ということでございます。未知の病原体や、病原性の高い病原体を扱うことができる体制を整備することは、我が国として大変重要なことだと考えております。
 長崎大学におきましては、BSL4施設整備の実施主体としての役割を果たすべく、令和3年7月のBSL4施設竣工以降、施設設備の試運転や実験者の教育訓練等を進めていただいていると承知しております。引き続き施設の安全性確保に万全を期し、地域の理解を得るための努力を継続いただき、我が国における感染症研究の中核機関としての役割が果たせるよう、着実に取組をお進めいただきたいと考えております。
 委員の皆様には、施設の稼働に向けまして長崎大学が実施する安全性確保と住民理解等に向けました取組について、それぞれの専門的なお立場から忌憚のない御意見、御助言を賜ればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【永松企画官】  局長の塩見は公務の都合上、こちらで退席させていただきたいと思います。
 続きまして、議事に移りたいと思います。議事につきましては、設置要綱第4条の規定により、本委員会は公共の安全性確保に支障を及ぼすおそれがある内容を含む検討を行うため、非公開とさせていただきます。プレスや一般傍聴の方は、ここで退出をお願いいたします。確認できました。
 これより非公開の議事に移りますが、投影資料や説明内容には機微な内容にわたるものもございます。委員及び関係者の皆様においても、録画や録音、写真撮影は厳禁とさせていただきます。御理解と御協力のほどお願いいたします。
 それでは、笹川主査、議事の進行をお願いいたします。
【笹川主査】  ありがとうございました。
 まず、本日の配付資料につきまして事務局より確認をお願いいたします。
【永松企画官】  本日、資料1、安全確保の方策等に関する検討状況について、資料2、地域における理解促進に向けた取組について、資料3、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会の意見、及び参考資料、長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会の設置要綱を配付しております。
 以上です。
【笹川主査】  ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入らせていただきます。まず、議題1でございますが、安全確保の方策等に関する検討状況につきまして、資料1につきまして長崎大学より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
・長崎大学から施設の概要、運営体制・運用に係る規則等の検討及び、教育訓練状況について説明。
・各委員からの質疑に対して長崎大学から回答。
【笹川主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして議題2の地域における理解促進に向けた取組、これも大変重要な課題でございますので、資料2について長崎大学より御説明をお願いいたします。
【長崎大学】  それでは、資料2に基づきまして長崎大学高度感染症研究センターリエゾン推進室長の渡部から御説明をいたします。
2ページ目になりますが、BSL-4施設に関します地域住民の安全・安心の確保に向けた取組といたしまして、長崎県、長崎市、長崎大学による協議会の下に地域連絡協議会というものを平成28年に設置しまして、この拠点整備に関わる幅広な議論、情報提供や協議を続けてきましたが、前回の監理委員会でも御報告しましたとおり、施設の竣工を受けて一区切りがついたということで、令和5年度からは施設の運用状況や安全対策等に焦点を当てた情報共有と協議を行う場として衣替えをいたしました。
それに応じまして新たな協議会構成員として、2に記載のとおり、施設近隣の自治会長に参画いただくのは従来どおりなのですが、これまで毎年更新の公募委員制を止める一方で、前公募委員2名については引き続き継続して参画いただくこととしました。また、学識経験者委員を7名から3名に絞り込む一方で、行政側の委員として消防局など長崎市の防災部門から新たに3名加わっていただきました。また、長崎大学高度感染症研究センターの地域連携担当の副センター長が交代しまして、新たに森内教授が着任しましたので、協議会の議長も引き継いでおります。
 3ページ目には平成28年度から昨年度までの前身の協議会の全44回の開催実績をまとめてございます。各回の詳細の御説明は割愛しますが、施設設置計画、基本構想といったもの、リスクアセスメントの対応への議論というのが幾つか散見されるかと思いますが、そのほか、建設工事の進捗などの報告、安全管理規則案の中間報告、委員による竣工前の施設見学といったものも実施しておりまして、施設への理解を深める機会を設けてまいりました。
4ページ目以降には、今年度3回開催しました新たな協議会の開催状況を記載しております。昨年7月に開催いたしました第1回では、新たな協議会の趣旨説明に続いてセンター実験棟に関する本学からの報告のほか、文科省様から昨年開催の監理委員会の概要も御報告いただきました。そのうち主立ったやりとりに関しまして、かいつまんで御紹介したいと思います。
BSL-4実験棟の運用に係る検証ということで、設備の定期点検の体制ですとか手順等について検証を進めていることを御報告しております。それに対して委員のほうからは、停電回避のための更なる対応検討をお願いしたいというような指摘などがございました。教育訓練の実施では、作業者の実験室入室前の体調管理ですとか、陽圧防護服の装着訓練を報告したのに対しまして、スーツ着用下でのストレスから来るメンタル面での不調も確認できる体制を要望されたりというのがございました。
また、新規委員となった長崎市消防局等の協力を得まして、消防訓練を実施しているほか、災害事故対応に特化したマニュアルの作成を進めている旨を報告させていただきました。さらに、前身の協議会から住民委員のほうから強く要望されておりました地域防災計画のBSL-4施設の盛り込みにつきましては、長崎市のほうから病原体などによる生物災害等の対策について整理し、同計画の掲載を見直す方向で検討するといった報告がなされまして、住民委員からは施設の運用開始までにスケジュールを意識して、しっかり進めてほしいといったような要望が出されております。
続いて、昨年の10月に開催した第2回では、同月着任いたしました永安新学長が冒頭出席しまして、BSL-4施設の運用には安全管理、災害対策が重要であり、本学が軍事に用いられる研究は行わないことを宣言した学長宣言、こちらのほうを堅持して引き続き地域の皆様の安心を得られるような施設にしていきたいといった内容の挨拶をいたしました。これに対しまして住民委員のほうからは、軍事的な研究はしない旨の学長宣言が変わらないということを聞き、安心しましたといったような感想がございました。
5ページ目ですけれども、センター実験棟に関する報告としまして、まず警備に係る対応ということで、令和5年4月から警備員が24時間、365日常駐する警備体制が開始されているといったことですとか、実験室利用者の教育訓練として実験室入室時の室内設備確認、病原体の取扱い、実験機器を用いた訓練を紹介いたしております。また、病原体等の盗取等の事故に備えた検討状況ということで、長崎県警の担当者と現場を確認しながら打合せを行い、作成中の対応マニュアル案を提示しまして確認と助言をお願いしていること。さらに研究者に健康障害が生じた場合の対応として、長崎大学病院と連携して現場確認や打ち合わせを行って、対応マニュアルの作成を進めていることを報告しております。
また、緊急時の地域への情報伝達手段といたしまして、前身の協議会でも要望がございました屋外スピーカーを実験棟の屋上に設置することになり、設置後には試験放送を実施する予定であるといったことを報告しております。これに対し、住民委員のほうからは、有事の際にスピーカーでいち早く知らせてもらえることは、とても安心感があり、本当によかったといった感想をいただいたところでございます。長崎市の地域防災計画の検討状況につきまして、長崎市から長崎大学と具体的な協議を開始して、本年度中に開催される長崎市防災会議に向けて掲載内容案の検討を進めているといったことが報告され、委員からは行政が責任を持って対処するという意思表示であり、大きな一歩であるといった評価をいただいたところでございます。
続いて、年明け先月の13日の第3回の協議会ですが、センター実験棟に関する報告として、まずセキュリティ装置の検証ということで実験棟の厳重なセキュリティ管理を行うために導入しております各種装置について、専門業者とともに検証を実施し、これら全ての装置が確実に稼働すること及び入退室の履歴が適正に記録されることを確認したこと、更に教育訓練の実施については、実験終了時の安全キャビネットや実験器具の除染消毒、それから、実験室退室時の薬液シャワーによる陽圧防護服の除染消毒を反復して実施しているといったようなことを報告させていただきました。また、委員から御意見を頂いておりました安全管理規則、こちらのほうをやっと学内制定できたということを御報告しました。これに対しては、住民委員のほうから厳しい意見を取り込み、仕上げてもらったことの感謝と、この規則に基づいた厳格な運用への期待を頂いております。
6ページ目では、研究者に健康障害が生じた場合の対応ということでは、針刺し事故や体調不良者が生じた場合に必要な対応について、大学病院と連携して検討を進めていることを報告したのに対しまして、委員のほうからは病院との定期的な訓練実施への要望のほか、実験者の帰宅後の発熱ですとか、実験室内の傷病者の病院看護師への引継ぎといった具体事例に関して意見交換がなされておりました。それと、屋外スピーカーの設置につきましては、前回の協議会での予告どおり、昨年12月に設置をし、1月に音達調査も兼ねた試験放送を行った結果を報告いたしました。かなり遠方まで声が届いた場所もある一方で、遮蔽物がある場合には近場でも聞こえにくかったという結果だったわけですが、そうした結果から、委員からは市の防災行政無線等との併用ですとか、チャイム音や放送内容の改善等について要望を頂いたところでございます。
最後に地域防災計画につきまして、長崎市から同計画の中に新たに特定一種病原体等所持施設に係る事故・災害等対策計画といったものを追加する案が提示されまして、今月開催予定の長崎市防災会議に付議予定であるといったことが報告されまして、委員からは、ねぎらいの言葉とともに、ぜひ防災会議できちんと通していただきたいといった期待が述べられました。
参考までに、下に写真、会場の様子をつけてございますけれども、特に新たな協議会では実験棟内の詳しい情報を提供していくことから、従来より一層、セキュリティを確保する観点で、資料配付を控えてスライド投影を多用するようにしております。それに加えまして前身の協議会で認めておりました代理出席というものは認めず、委員御自身の出席に限定させていただくといったことにいたしました。さらに、一番右側、傍聴会場の様子をつけておりますけれども、傍聴会場は委員会場とは別に設けておりまして、特に機微な情報を含むスライド投影については、傍聴会場のほうへ共有しないといったような運用とさせていただきました。
地域連絡協議会の御報告は以上となりますが、7ページ以降に、その他の地域理解活動に関して前回の監理委員会報告以降の状況をまとめてございます。1の地域広報紙ですが、感染症ニュースと題しまして、先ほどの地域連絡協議会での意見交換等の様子をお伝えするとともに、センターに所属する研究者や研究の紹介ですとか、感染症に関する身近な話題などの内容で7,000部発行して関係機関に配布をしておりますし、うち4,000部についてはキャンパスに隣接する6自治会の地域にポスティングをしております。今年度については3号を発行いたしました。
もう一つ柱となる取組としまして、2の市民向け公開講座を当センターの研究者が講師となって、毎年度2回実施しております。感染症にまつわる専門的な話題だけではなく、講師の人となりに触れられる場になるように心掛けております。オンラインと会場参加の併用での開催としておりまして、昨年7月開催時には合わせて約100名の参加がございました。また、来週になりますけれども、3月16日の土曜日にも開催を予定しております。
前回の監理委員会でも、委員のほうから御指摘いただいたように若い世代へのアプローチが重要であると私どもも捉えておりまして、この市民公開講座にも多くの高校生の参加を頂いておりますが、次の8ページ目に特に中高生の理解増進活動と言えるものを3のほうに切り出しております。まず昨年8月の夏休み期間中に中高生を対象としまして「熱帯医学・新興ウイルス感染症サマースクール」と題して本学の熱帯医学研究所と共同開催しておりまして、当センターからは2人の若手研究者から講演とポスターにより研究紹介をしました。写真にありますように、ポスターとともに陽圧防護服も展示して、直接研究者と交流できる機会となったかと思います。
また、昨年9月には県立高校が文科省のSSH事業の一環で開催するサイエンス講座へ当センターから講師派遣を行っております。これは先ほどの市民公開講座の企画、宣伝のために我々センターの担当職員が主だった高校の高大連携の担当教諭を訪問して、いわば営業活動というか、御用聞きをしているわけですが、その中で高校側から逆に御相談を受けて実現に至ったものになります。せっかくの機会でしたので、単なる講義だけではなくて、それを基に、班分けした生徒間でBSL-4施設の意義、問題点に関して大学側と住民側双方の視点に立った形でのグループディスカッションを行ってもらいました。終了後のアンケートで感想ももらっておりますけれども、高校生にも理解を深めるよい機会になったことが窺えました。
最後、4ですけれども、地域イベントへの参加ということで、今年度、地域の自治会や商店会が主催します4つのイベントにセンター職員が参加して運営協力を行っております。この写真の一番右下のほうには森内副センター長も参加して、地域と交流を深めているところです。こういった形で、研究内容以外でも地域との交流に努めております。
以上となりますけれども、今後も引き続き地域の理解を深める取組を実施してまいりたいと考えております。
説明は以上になります。
【笹川主査】渡部先生、大変お詳しい説明、ありがとうございました。
 また時間が少し押しておりますが、今回はまた質疑応答に移らせていただく前に、西條先生からコメントを頂いていますので、手短に事務局より御紹介をお願いいたします。
【永松企画官】事務局です。議題2に関する内容としまして西條委員より、地域社会に対する説明を地域連絡協議会、地域理解活動を通じて内容を充実させながら、丁寧に、また、継続的に行っていることが確認されました。上記の活動の報告を高く評価します。特に質問はありませんが、要望として、これからも継続的に安全確保の見直しと地域社会を含む社会への貢献に努めてほしいと希望しますとのコメントを頂いております。
 報告は以上です。
【笹川主査】  ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方、何か御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
【平尾委員】  平尾でございます。よろしいですか。
【笹川主査】  はい。平尾先生、どうぞ。
【平尾委員】  従前からお話を聞いていて、当初はそれなりに厳しい意見と申しましょうか、かなり不安だとか、そういう意見も結構出ていたなというふうに記憶をしておりまして、今回、お聞きして非常に前向きな意見が多いなという印象を受けた次第でございますけれども、何かネガティブな意見とか、そういうものはあまり出なくなってきているという、そういう状況なのでしょうか。
【笹川主査】  どうぞ。
【長崎大学】  渡部でございます。ネガティブというか、今後、こういった方向にしてくださいというような、更に改善を望むような話ですとか、前向きに捉えた形での御助言を頂くといったようになってきているかと思います。
【平尾委員】  
ありがとうございました。おそらくこれまで粘り強く情報提供をしていった成果なのかなと感じている次第でございまして、あと、できて実際に見てみると、ようやくどういうものなのかが分かって不安感も大分減ってきているのかなとも思いますので、引き続き地域理解のために御尽力いただければなと考えております。
以上でございます。
【笹川主査】平尾先生、ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。どうぞ、河本先生。
【河本委員】地域の理解促進の活動は非常にすばらしいと思いますし、特に若い人を対象にした理解促進というのは、これからこの施設は長く運用していくわけですから、特に若い方の理解促進は非常に大事だと思います。彼らは帰って、また家族とも話をするわけですから、そこのところに引き続き御尽力いただければと思います。
・安全対策に係る体制について質問。
・河本委員からの質疑に対して長崎大学から回答。
・現在の体制に加えて、警察との連携体制の構築も重要性について意見。
【笹川主査】ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。神田先生ですか。
【神田委員】ありがとうございます。すばらしい取組で感心いたしました。その中で1つ教えていただきたいのは、屋外スピーカーの設置で、具体的にはどういった放送内容で発信されるのかということを教えていただければと思います。と申しますのは、地震とか津波であれば、地震が来ました、津波が来ました、皆さん避難してくださいみたいな放送になるのではないかと思うのですけれども、この場合はどういった内容なのか具体的に教えていただけますでしょうか。
【長崎大学】このスピーカーの設置に関しましては、前身の協議会の中でもかなり議論がされたところになります。大学側としては、やはり何か事案が発生した場合の対応については、きちっと整理した上で、できれば、それに対する対応も含めた上での公式発表というような形にさせていただきたいということで、プレス発表ですとか、あるいはセンターのホームページへ、まとまった段階で掲載を周知していきたいということでしたが、やはり委員の御要望としては、なるべく分かった段階ですぐに知らせてほしいということがございました。
 ということで、真に緊急性があり、伝えておいたほうがよさそうなものということで考えた場合に、実態上は、火災が例えば実験棟で発生して、それが大学の敷地外に延焼するおそれがあるような場合というぐらいかなと。そういった場合については、火災が発生して、今、火の勢いがどうかといったような内容は、お知らせはできるだろうと考えておりますが、いきなり屋外スピーカーでそういった内容が聞こえてくると、また、よく聞こえなかった方々についても、混乱を来す場合もございますので、なるべくそこら辺の使用方法については、今後も大学側としてもきちっと検討は進めていきたいとは考えております。
【神田委員】  どうもありがとうございました。
【笹川主査】  ありがとうございました。
 あと二、三分ございますが。岡村先生、はい、どうぞ。
【岡村委員】  こういう活動はすばらしいと思うのですけれども、実際、参加した研究者の先生たちにもいい効果があると思っています。例えば市民の方とふれあうことによって、我々もちゃんとやらなければいけないとか、そういう気持ちが少し芽生えてくるかなと思ったのですけれども、実際、参加された先生たちがどのようにおっしゃっていたかというのが分かったら教えていただけますか。
【長崎大学】  ありがとうございます。先ほど説明の中で、研究の中身だけではなくて、その講師の方の人となりが分かるようなというようなことを申し上げましたけれども、実際、その講演の内容に先生方が自分の子供時分に何がきっかけでこの研究者の道へ進むことになったのかといったようなことも含めて話していただいて、この感染症の研究者だけを目指す方ではないような生徒さんにも興味を持っていただくような話をしていただいています。要するにその先生方のほうで、そういった形でぜひ子供さんへの喚起を促したいというような気持ちはもともと持っております。
 それと、実際、講演会が終わった後も、引き続き残って質問をする生徒さんがおられて、その場でいろいろと親密に会話をしてもらっているということがございまして、多分、御自身の研究を進める上で、そういった市民というか、一般社会への伝達の仕方みたいなものについては学んでおられるのかなと実感しております。
【岡村委員】  ありがとうございました。
【笹川主査】  それでは、時間が限られておりますが、どうぞ、もうお1人だけ。手短にお願いいたします。
【野口委員】
・現在の体制に加えて、警察との連携体制の構築も重要性について意見。
【笹川主査】  ありがとうございました。野口先生、どうもありがとうございました。貴重な御意見を頂きました。
 私も実は感染研の村山庁舎のBSL-4施設の地域連絡協議会に長年出席し、地域住民に対する施設安全性への理解では、自治会はもちろんですが、特に学童やその母親に対する安全性への理解も重要であることを実感しておりました。コロナ禍を通じて感染症に対する社会の関心とリテラシーが格段に上がり、また長崎大学高度安全実験施設の安全管理に対する地域住民の関心も一層高まりましたので、それに伴い分かり易い丁寧な説明も引き続き重要であると思います。広報活動においても裾野を広げ地域住民との相互の信頼関係を地道に築いていく努力が大事であることをあらためて感じております。本日の委員会では貴重なご意見を頂きありがとうございました。
 また、追加等がございましたら、適宜御質問を受けますので、一応、ここで次に移らせていただきましてよろしいでしょうか。それでは、次は議題3、その他のほうに移らせていただきます。事務局から情報共有がございますので、資料3に関しまして御説明をお願いいたします。
【永松企画官】  事務局より情報共有です。3月6日に文部科学省では、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催しました。こちらの審議会では、文部科学省が実施しております新興・再興感染症研究基盤創生事業の中間評価を実施いたしました。その際の中間評価に用いました資料の一部を抜粋して資料3にまとめております。こちらには長崎大学BSL4施設に対する評価や期待に関するメッセージがございました。委員の先生方には、こちらの内容を御確認いただきたく、情報共有として提供させていただきます。
 以上となります。
【笹川主査】ありがとうございました。
これに関しまして何か御質問ございますでしょうか。これは審議会のほうの評価分科会よりの資料でございます。ざっと見る限りは特に何か問題を指摘されているというよりは、一応、いい評価を頂いている。このBSL-4施設は非常に意義の高い1つの機能として役割を果たしていくというようなことも一応理解されているようですので、これは大変いいあれかなと思いますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、以上で大体時間どおりに進んでおりますが、御協力いただきまして誠にありがとうございます。それでは、議題はこれで一応締めさせていただきまして、最後に事務局から今後のまた次回開催も含めまして御説明を頂きますので、よろしくお願いいたします。
【永松企画官】事務局でございます。事務連絡をさせていただきます。次回開催につきましては、長崎大学における取組を踏まえまして、主査と相談の上、適宜開催していく予定でございます。年に1回から2回程度の頻度で開催になると思われますが、確定次第、皆様に御連絡いたしますので、委員の皆様におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
以上となります。
【笹川主査】ありがとうございました。
それでは、先生方の御協力によりまして時間内に終わることができまして、大変感謝しております。また引き続き御支援、御協力、御理解のほどよろしくお願いいたします。
それでは、第12回の監理委員会をこれで終了させていただきます。本当にありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

研究振興局 研究振興戦略官付

(研究振興局 研究振興戦略官付)