長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会(第11回) 議事録

1.日時

令和5年3月13日(月曜日)10時30分~12時30分

2.場所

文部科学省 東館16階 16F2会議室・・・事務局
Web会議システム・・・委員等

3.出席者

委員

(委員)笹川主査、岡村委員、河本委員、神田委員、西條委員、野口委員、平尾委員
(説明者)長崎大学 栁高度感染症研究センター長、安田高度感染症研究センター副センター長/高度感染症研究センター附属BSL-4施設長、渡部高度感染症研究センターリエゾン推進室長、中嶋高度感染症研究センターバイオリスク管理部門長、南保高度感染症研究センターBSL-4人材育成部門長

文部科学省

森研究振興局長、木村大臣官房審議官、大月研究振興戦略官、南川先端医科学研究企画官

4.議事録

【笹川主査】それでは、ただいまより第11回長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、まず、事務局から出席委員数の確認をお願いいたします。
【南川企画官】それでは、研究振興戦略官付先端医科学研究企画官の南川と申します。よろしくお願いします。
本日は第2期として新たに就任していただいた委員を含め、全委員に当たる7名の御出席をいただいており、「長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会」設置要綱第3条の(5)に基づく会議開催に必要な定足数に達していることを御報告いたします。
また、事務局側に4名人事異動がございますので併せて御紹介させていただきます。
研究振興局長として、森が着任しました。
【森局長】よろしくお願いします。
【南川企画官】大臣官房審議官として、木村が着任いたしました。
【木村審議官】よろしくお願いします。
【南川企画官】研究振興戦略官として、大月が着任しました。
そして、先端医科学研究企画官として、南川が着任しました。よろしくお願いします。
それでは開会に当たりまして、研究振興局長の森より一言御挨拶申し上げます。
【森局長】第11回監理委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
委員の皆様におかれましては、本委員会の委員をお引受けいただき、そしてまた、年度末のお忙しい時期に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症につきましては、2019年末に世界で最初の患者が報告されて以来、これまで我々の生活に多大な影響を与えてきたことは皆さん御承知のとおりかと思います。ただ、新型コロナウイルスのパンデミック以前から、2012年の中東地域でのMERSや、2014年の西アフリカでのエボラ出血熱といった国際的な感染状況にかんがみまして、政府といたしまして感染症の脅威を認識し、2015年頃からそのための対策強化を進めてまいりました。
この重要な政府の取組の一つが、BSL-4施設を中核とした感染症研究拠点の形成でございます。これまでの新型コロナウイルス感染症の影響にかんがみれば、今後も感染症によるリスクは決して軽視できず、平時からの感染者への備えを進めるとともに、未知の病原体や、病原性の高い病原体を扱うことのできる世界トップレベルの体制を整備する社会的重要性は高まっているものと考えております。
長崎大学には、その事業実施主体としての役割を果たすべく、令和3年7月のBSL-4施設竣工後も、施設の稼働に向けた施設設備の試運転や実験者の教育訓練等を進めていただいていると承知しております。引き続き、施設の安全性確保に万全を期し、地域の理解を得るための努力を継続いただき、我が国におけます感染症研究の中核機関としての役割が果たせますよう、着実に取組を進めていただくようお願いを致したいと思います。
委員の皆様には、施設の稼働に向けた長崎大学の実施する安全性確保と住民理解などに向けた取組につきまして、それぞれ御専門的な見地から、忌憚のない御意見、御助言を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
文部科学省といたしましても、引き続き平成28年11月に、「国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議」で決定されました「長崎大学の高度安全実験施設整備に係る国の関与について」を踏まえまして、必要な取組を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
【南川企画官】ありがとうございました。
それでは、続きまして、議事に移ります。議事につきましては、設置要綱第4条の規定により、本委員会は公共の安全性確保に支障を及ぼすおそれがある内容を含む検討を行うため、非公開とされております。プレスや一般傍聴の方はここで退出をお願いいたします。
これより非公開の議事に移りますが、投影資料や説明内容については機微な内容にわたるものがございます。委員及び関係者においても録画や録音、写真撮影は厳禁とさせていただきます。御理解と御協力のほど、お願いいたします。
御案内が遅くなりましたが、本委員会の主査につきましては、設置要綱第3条の(1)に基づき、研究振興局長が指名することになっていることから、第1期から主査をお務めいただいています、千葉大学真菌医学研究センター所長の笹川委員を第2期の最初の開催となる本委員会に先立ち、指名させていただいたところです。
それでは、笹川主査、第2期の議事を開始するに当たって、御挨拶をお願いいたします。
【笹川主査】笹川でございます。先月、2月13日に新しい委員の方々と一緒に早速BSL-4、長崎のサイトビジットをさせていただき、その際も御挨拶をさせていただきましたので省略させていただきますが、今回は研究振興局長の森様をはじめ、事務方の方々が新しく加わりまして、ぜひ、また御指導御鞭撻よろしくお願いいたします。
早速ですが、新しい委員の方を含めまして議事進行をしたいと思います。議事、その他の進行につきましては御協力をお願いいたします。
それでは、まず、本日の配付資料につきまして、事務局より確認をお願いいたします。
【南川企画官】本日の配付資料を御説明させていただきます。メールで御送付させていただいておりますが、議事次第、資料として資料1から3、そして、参考資料1、計4つの資料が送られていることになっております。
もし何か過不足等あれば、事務局にチャット、電話、またはこの場で御連絡いただければと思います。
以上となります。
【笹川主査】ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。それでは、議題1の「長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会について」、資料1について事務局より説明をお願いいたします。
【南川企画官】それでは、資料1に基づいて説明させていただきます。長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会についてのこれまでの経緯を文部科学省から御説明させていただきます。
1ページ目について、この監理委員会の目的ですが、後ほど経緯も御説明しますが、長崎大学の高度安全実験施設整備に係る国の関与という関係閣僚会議の決定に基づき、文部科学省において設置された委員会でございまして、長崎大学が取り組む高度安全実験施設、BSL-4施設の整備に当たり、大学が実施する安全性の確保や、住民の理解などに向けた取組を第三者の立場からチェックすることを目的として設置されております。
第1期は2017年から開催されておりまして、計10回開催してきております。このときにはまだ施設そのものがこれから建築という時期でございましたので、施設の設計、建設段階における理念、基本的な考え方、作業方針などの基本構想について、最初の3回までしっかり議論していただいた上で、その後の建設工事の状況を含む安全性確保方策、そして、併せて地域における理解促進の取組状況等をしっかりと御確認いただいたところでございます。
第2期につきましては、第1期の議論の進展とともに、BSL-4施設関連施設がおかげさまで、2022年3月までに竣工しております。現在は稼働に向けた準備段階にあることから、第2期では以下の論点を基に、長崎大学の取組状況を踏まえつつ、年に1、2回の頻度で開催する予定です。具体的には施設の運用や、今後行われる研究の計画・実施に関する自己点検状況を踏まえた安全確保方策、そして、地域における理解促進の取組状況ということになります。第2期を開始するに当たって、先ほど主査から御紹介があったとおり、2月に監理委員会の委員全員で現地の視察をさせていただいているところでございます。
続きまして、これまでの経緯及び基本的なことについて御説明差し上げます。2ページ目に関しては後ほど、長崎大学から詳細な御説明があると思いますが、BSL-4施設、これは病原性の高い病原体を最も安全に取り扱うための施設でして、今の日本中で最も厳重に管理運営がなされる施設と定義されております。下のそれぞれの4段階、BSL-1、2、3、4の中で一番高い封じ込めの厳しい実験室とされていて、実際にそこで扱うウイルスとしては、エボラウイルスであったり、ラッサウイルスであったりという出血熱の非常に病原性の高いウイルスを扱うこととなっております。
3ページ目をお願いします。この施設を最終的に長崎大学が建設することになった経緯について記載させていただいております。特に国が関与している部分を中心に申し上げますと、従前の長崎大学の検討、取組があった上で、平成28年2月9日に「国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議」において、「国際的に脅威となる感染症対策の強化に関する基本計画」を決定しました。この計画に基づいて、関係省庁、県、市、大学が「感染症研究拠点の形成に関する検討委員会」等においても議論を行い、地域連絡協議会など、地域の協議会を開催し、その後、改めて同閣僚会議において、長崎大学の高度安全実験施設の整備に係る国の関与が決定されております。
4ページ目は、「長崎大学の高度安全実験施設(BSL4施設)整備に係る国の関与について」の概要に記載されたものでございます。基本的な姿勢としましては、事業実施主体としての長崎大学の対応を踏まえて、国家プロジェクトとして、国策として支援していくという形になっております。文部科学省の役割としては、一つは施設整備等に必要な予算の確保という形で、世界最高水準の安全性を備えた施設の建設及び安定的な運営のための維持管理、組織・人員体制の整備等に必要な支援を行うということと、もう一つは、この委員会に直接関わってくる部分ですが、長崎大学が行っていく取組について、第三者の立場からチェックする仕組みを国の主導により構築するという形で、関係省庁及び有識者等を構成員とする「施設運営監理委員会」(仮称)を開催し、大学が実施する安全性の確保と住民の理解などに向けた取組をチェックするということです。このことから、この監理委員会を設置し、先生方に御協力いただいているところです。加えて、今回、関係省庁から多数のオブザーバーに参加していただいているところでございます。
5ページ目は「国際的に脅威となる感染症対策の強化に関する基本計画」が決定された当時の関係閣僚会議の構成員や、感染症対策推進チームの構成員等が記載されているものです。
6ページ目、この策定された基本計画は、平成27年から、当時は5年程度とされているものですが、ここに5つの重点プロジェクトというものがございまして、その中の一つとして、長崎大学BSL-4施設の話がございます。
7ページ目ですが、平成28年当時に策定されたものの中に、感染症研究体制推進プロジェクトという形で、BSL-4施設を中核とした拠点について、長崎大学の検討・調整状況等を踏まえて必要な支援を行うなど、我が国の感染症研究機能の強化を図るとされているところでございます。
8ページ目、最近の動向としまして、この基本計画については、現在、見直しの議論をしているところでして、令和4年度末頃の完了をめどに、改定に向けた作業を行うこととされておりまして、まさしく目下この作業を行っているところでございます。ここまでがこれまでの背景と行政的な経緯になります。
9ページ目は、文部科学省としてBSL-4施設に関係する事業として、新興・再興感染症研究基盤創生事業についてです。比較的実用化に近い部分を目指した基礎的な研究を行う研究事業の中の②の部分で、長崎大学BSL-4施設を中核とした研究の推進という形で、BSL-4施設を活用した基盤的な研究や、その人材育成に対する支援をまず行っているところです。
10ページ目を見ていただければと思いますが、それ以外に関係する動きとして、ワクチン開発・生産体制強化戦略という形で、ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成というものを文科省として取り組んでいるところでございまして、11ページ目を見ていただければと思いますが、この中にも日本発のワクチンを作るために、しっかりと基礎的な研究をやろう、そして、そのための拠点を選んでいこうという中で、フラッグシップ拠点、とシナジー拠点というものを設定しています。そのシナジー拠点の一つとして、今回、長崎大学が選定され、拠点の強みの一つとして、BSL-3、4施設等の最先端の機器や人的資源がしっかりと運用できることが確認されて、採択されているということの御説明をさせていただければと思います。
文部科学省からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。
【笹川主査】ありがとうございました。
この事務局の御説明に対しまして、何か御質問、御意見等ございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
ないようでしたら、続きまして議題2に移らせていただきます。「安全確保の方策等に関する検討状況について」ということでございます。資料2 について、長崎大学より説明をお願いいたします。
・長崎大学から施設の概要、運営体制・運用に係る規則等の検討及び、教育訓練状況について説明。
・各委員からの質疑に対して長崎大学から回答。
【笹川主査】ありがとうございます。それでは続きまして、資料3のほうの説明について、長崎大学より、よろしくお願いいたします。
【長崎大学】リエゾン推進室長の渡部から、御説明いたします。
BSL-4施設整備に関します地域住民の安全・安心の確保のための柱の取組といたしまして、長崎県、長崎市、長崎大学による協議会の下に平成28年に地域連絡協議会を設置しまして、情報提供、協議を続けてきているところでございます。こちらに記載のとおり、構成員といたしましては、施設近隣の自治会長に公募委員も加えた形での地域住民のほか、学識経験者、長崎県、市の保健部局、学内関係者で構成されております。議長としましては、調副センター長が務めているということになります。
3ページ目以降に、開催実績としまして、第1回目以降、各回の主な議題を記載しておりますけれども、これまで計44回開催いたしました。初期の頃は主に施設の立地構想、施設管理のリスクアセスメント関係、それから令和元年には実際、建設着工となりましたので、それ以降は工事の進捗状況の報告といったものが続いておりました。
昨年3月の前回監理委員会での報告以降、開催いたしました第40回からの5回の会議では、施設竣工に伴う進捗報告は終了する一方で、緊急時の地域住民への伝達方法や、施設の安全管理に関する議論の総まとめのような形で安全管理規則や、管理基準といったもの、さらには地域との新たなコミュニケーション組織の検討といったものについて主に議論をしてまいりました。
5ページ以降に、その直近5回におけます委員からの主な質問、意見、それに対する大学等からの回答ということで整理させていただいております。この記載だけですとよく分からない部分もありますので、若干の背景を適宜、口頭補足しながら説明させていただければと思います。
令和4年3月の第40回におきましては、地域住民委員から要望のありました、施設での軍事的な研究をしないことの担保としまして、その旨を学長宣言といった形で施設玄関に掲示することを報告させていただきまして、高く評価をいただいたといったところです。
また、緊急時の地域住民への伝達方法に関しまして、県、市、大学間での調整状況を報告する中で、地域住民委員のほうから、大学独自で野外スピーカーを設置すべきといったような提案をいただきました。
第41回では、引き続き緊急時の地域住民への伝達に関しまして、施設隣接の自治会長に個別に第一報を入れるといったことへの是非について、賛否両論の意見交換がされております。
また、新たな地域とのコミュニケーション組織の検討としましては、現協議会においては、施設整備に関する検討を中心にしておりますが、今後、主に施設の運用状況の意見交換へ移行していくといったことを念頭にしまして、協議事項ですとか委員構成への衣替えを提起させていただいたのに対して、こちらに書いてあるような幾つかの御意見を頂戴しました。
第42回になりますけれども、こちらでも引き続き住民への伝達に関する議論の中で、自治会未加入者への配慮もすべきということが指摘されたほか、スピーカー設置の要否につきまして意見交換がされております。
また、新たな地域とのコミュニケーション組織の関係では、公募委員を設けないということを提案させていただいていますが、これまで御意見をいただいていた現行の地域協議会の公募委員については、別枠で入ってもらうといった形で考えているといったことを御説明しております。
第43回ですけれども、地域への情報伝達に関しては、これまでの協議会の議論を踏まえて、大学として責任ある判断の結果として、自治会長への個別の発生連絡は行わないということと、野外スピーカー設置については、さらに検討を深めたいということでお伝えしました。ここには記載はしておりませんが、その後、大学としてスピーカーの設置を進めていくということを決めております。
また、これまでの安全管理に関する協議内容の集大成となる安全管理規則を第42回で、それから安全管理基準というものを第43回で報告をさせていただいております。これらに対しては、おおむね委員のほうから好評価を頂戴したといったところになります。
先月開催いたしました第44回ですけれども、地域住民委員のほうから、長崎市の大規模事故対策計画へBSL-4施設関係をなるべく早く盛り込むよう要望があったほか、安全管理基準の運用上使うと御説明いたしましたチェックシートにつきましては、ヒヤリ・ハットの発生に応じた適宜見直しも考えてほしいということで提案をいただきました。
そして、現協議会の設置の趣旨ですとか協議事項等を若干衣替えして、次年度から新協議会へ移行したいということで大学より提案をさせていただきました。これに対しては一部委員のほうから、その参加要請方法について要望があったほかはおおむね了解をされましたので、今後、県や市と協議の上で、新協議会設置の手続を進めていきたいということで御説明をいたしました。
ということで、その下に⑤の新たな地域連絡協議会の概要を記載しております。名称としましては、高度感染症研究センター実験棟の運用に関する地域連絡協議会とする予定になっております。組織の設置の趣旨ですとか協議事項については、こちらに記載のとおりですけれども、従来の拠点形成に向けたオール長崎での幅広い議論といったようなものから、より周辺地域に向けた施設運用状況に関する実務的な情報共有に移行するということを考えております。
それ以外、その他の地域理解活動に関します、昨年の監理委員会での開催以降の状況になります。
まず、地域イベントへの参加ということで、昨年8月と12月の2回、周辺自治会等が開催する催物にセンター職員が会場設営等に協力をして、地域との交流に努めているということでございます。
また、センター主催あるいは共催での市民向けの講座等でセンター教員が講演を行いまして、好評を博しているところでございます。こちらについては、今週末、3月18日にも公開講座を開催する予定でございます。
定期的に地域広報誌といった形で発行しておりまして、近隣住民へポスティングもしておりますが、従来の地域協議会の様子に加えまして、感染症に関する話題、センターで行っている研究等についても、新たに充実した内容にリニューアルをしているというところでございます。特にこの新しくリニューアルした広報誌に書かれた内容を読んだ地域住民の方から、励ましのメールをいただくといったようなこともありまして、地域への理解が広がっているといったことを実感しているところでございます。
地域住民を対象とした説明会ということについては、ここ2年ばかりはコロナ禍の関係で中断しておりましたけれども、来年度以降、各自治会と調整の上、再開できればというふうに考えております。
また、ここに記載の取組以外にも、センターのホームページをリニューアルしまして、掲載内容の充実に努めているところでありまして、そうした媒体も用いながら、引き続き地域の理解を深める取組を進めていきたいと考えております。
説明としては以上になります。
【笹川主査】どうもありがとうございました。渡部先生、大変御丁寧な説明いただきまして、分かりやすく理解できたと思います。
フリーディスカッションでお一人お二人、もし御意見ございましたら。先ほどの西條先生の最後の御質問との関連も少しございますけれども、感染研の今まで地域住民との、私も連絡協議会にずっと何年も参画して見てまいりましたけれども、やはり実際に稼働してから、第一種病原体が入ってからのフェーズになりましてから、大分住民の理解というのも、質的に変わってきたような印象を大変受けております。これまでと、それから2024年度以降のフェーズでは、住民の皆様もこれだけ危ない仕事を国のため、国民の安全のためにやっておられるというふうな、そういう立場での理解というものも少しずつ見えてきているというふうに思いますので、その点もし、どなたか御意見、御質問ございましたらお受けいたしますが、よろしいですか。
どうぞ、野口先生。
【野口委員】どうもありがとうございました。大変御苦労さまでございます。
この活動は、先端科学技術システムを基盤とする地域づくりに必須なものですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、今日の意見は、リスクコミュニケーションをずっと実施してきた者の視点で見ると、今日の資料の表題が、地域における理解促進に向けた取組についてと書いてあります。この地域の中に、住民に加えて長崎大学が入っているかどうかというのが実は結構大きなポイントになっていて、住民の理解を得るということと地域として理解を推進するということは意味が違うのです。ややもすると昔のリスクコミュニケーションって、自分たちの考え方を住民に理解してもらうという、そういう発想だったのですけれども、そこで出てくると、理解するということと受容するということが違うので、理解はしたけれども反対だということはずっと続いていく。そこのギャップを埋めていくには、実は長崎大学自体が、地域の方々の言っていらっしゃることをどう理解するかということも大変重要になっていて、そういう意味では、地域における理解の促進ということに関して、両方がお互いの在り方を考えるという方向でいけば大変結構かなというふうに思っています。
ずっと僕もやってきたので、専門的な技術に関して一般の方々に理解をしていただくことの難しさは百も承知ですし、ただその中で、やっぱりこのこと自体が、科学技術に根づいた地域をつくるときの非常に大きな試金石だと思っていますので、そういう点も踏まえて、よろしくお願いしますというコメントに近いものです。
あと今後、細かいいろいろな話に関しては、委員会を通じていろいろ一緒に考えていければと思います。すいませんが、よろしくお願いいたします。
【笹川主査】どうもありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。もし何かございましたら、あるいは後日、もし何かありましたら、チャットその他をお使いになって、また事務局あるいは長崎大学宛てにお申出いただいてもと思いますが。
岡村先生、お願いいたします。
【岡村委員】はい。手短に。若い世代へのアプローチというのはどのようにされているでしょうか。この施設というのは長くこの地域に根づくと思いますので、若い世代に理解を深めていくというのも非常に重要と考えています。
例えば高校とか中学校に、出向いて講義するとか、結構時間はかかるかもしれないのですけれども、そういう活動も、先生たちお忙しいので大変だと思うのですけれども、若い世代に理解を促す活動を長く続けるといいかと個人的には思いました。
以上です。
【笹川主査】ありがとうございます。これはもう私のほうから。感染研のほうは、まさに今先生が御指摘のところを地道に何年もやっておりまして、大変若い方、それから、新たにその地域に参入された方も含めて、大変そういう意味では出張授業その他いろいろなものに参画するということはやはり大事だというふうに思っておりますので、これはよろしいですよね。長崎大学も感染研の今まで歩まれた道というのはよく検証されておられると思いますので、大変貴重な御意見ありがとうございました。
【長崎大学】大学の渡部から、若干補足させていただければと思います。
【笹川主査】お願いいたします。
【長崎大学】先ほどの資料3の8ページの地域理解活動のその他の部分で御説明させていただいた中で、市民向けの公開講座というのをやっております。特に昨年7月23日に開催された講座は、オンライン参加102名、会場参加46名でございましたけれども、この開催については、特に中高生をメインターゲットにして呼びかけまして、この参加者のほぼ半数以上が高校生でした。研究の中身の話だけではなくて、講師の経歴、なぜ研究の道に進んだのかといったような話も織り交ぜて、非常に質問も活発になされて好評価を得たという事実がございますので、こういった活動も通して、若手の皆さんにも理解を深めていきたいというふうに考えております。
【笹川主査】どうもありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、この辺あたりで本日の議題に対する質疑応答を終わらせていただきたいと思います。全体を通じて何かございますか。
よろしいでしょうか。また次回までしばらく時間はあるかと思いますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。
ないようでしたら、最後、事務局から連絡事項の共有をお願いいたします。南川さん、よろしくお願いいたします。
【南川企画官】それでは、私のほうから事務連絡をさせていただきます。
本日は、先日行われたサイトビジットを踏まえ、委員の皆様方におかれましては、施設の稼働に向けた長崎大学の取組について、専門的な見地から様々活発な御議論及び御意見、御助言をいただきありがとうございます。文科省としましても、本日いただいた御意見、御助言について、長崎大学がBSL-4施設の管理運営にしっかりと生かしていただけるよう、必要な取組を行っていきたいと思っております。
その一環としまして、本日、主査からもありましたとおり、本日の議論もしくはその後の資料等見て何か御質問等あれば、適宜事務局に御連絡いただければと思っております。
次回につきましては、主査と御相談の上、長崎大学の取組状況を踏まえて、適宜開催をしていきたいと思っています。年に一、二度の開催になると思いますが、確定次第、御連絡いたしますので、皆様方におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【笹川主査】ありがとうございました。
それでは、第11回、第2期の第1回目でございますけれども、長崎大学高度安全施設の監理委員会をこれで終了させていただきます。
委員の先生方、大変限られた時間、的確なコメントをいただきまして大変感謝しております。ありがとうございました。
それでは終了いたします。どうもお疲れさまでした。
 
―― 了 ――

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