長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会(第7回) 議事録

1.日時

令和元年8月2日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 研究振興局会議室(17階)

3.出席者

委員

(委員)笹川主査、春日委員、加藤委員、河本委員、小松原委員、平尾委員、平川委員、堀委員(欠席:筧委員)
(説明者)長崎大学 調学長特別補佐(感染症共同研究拠点・核兵器廃絶研究担当)、二村副学長(BSL-4施設設置計画担当)、安田感染症共同研究拠点高度安全実験施設設置準備室長、中嶋感染症共同研究拠点施設・安全管理部門長、長野施設部長

文部科学省

村田研究振興局長、増子大臣官房審議官、吉田研究振興戦略官、藤井大臣官房文教施設企画部計画課長、西井学術機関課長、岩崎先端医科学研究企画官

オブザーバー

山口内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)付参事官、生田内閣官房国際感染症対策調整室参事官、大沢内閣官房健康・医療戦略室参事官補佐、梅田厚生労働省結核感染症課室長、西條国立感染症研究所ウイルス第一部・部長

4.議事録

【笹川主査】  それでは、定刻になりましたので、第7回長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会を開催させていただきます。
  まず最初に、事務局の方から出席委員数の確認をお願いいたします。
【岩﨑企画官】  本年4月より企画官を拝命しております岩﨑と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、8名の委員に御出席との御連絡を頂いておりますので、設置要綱、3の(5)に基づく会議開催に必要な定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 引き続きまして、委員会の設置要綱の改正と委員の改選を行いましたので、併せて御報告させていただきます。
 資料1、長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会設置要綱、2の(2)に規定しております委員の任期を、平成31年3月31日から2021年3月31日に改正いたしました。
 また、本日は第2期の監理委員会としての初めての会となりますので、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。
 席順に、加藤委員でございます。
【加藤委員】  加藤です。よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  小松原委員でございます。
【小松原委員】  よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  河本委員でございます。
【河本委員】  河本でございます。よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  笹川主査でございます。
【笹川主査】  笹川でございます。よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  春日委員でございます。
【春日委員】  春日でございます。よろしくお願いいたします。
【岩﨑企画官】  平川委員でございます。
【平川委員】  よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  堀委員でございます。
【堀委員】  よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  また、4月より新たに委員に御就任いただきました平尾委員でございます。
【平尾委員】  平尾でございます。よろしくお願いします。
【岩﨑企画官】  また本日は御欠席ですが、筧委員にも引き続き委員をお願いしてございます。
 本委員会の主査については、引き続き笹川委員にお願いしてございます。
 それでは、笹川主査、議事の進行をお願いいたします。
【笹川主査】 
 それでは、本日の議事、感染症共同研究拠点実験棟(BSL4施設)建設工事の進捗状況について、長崎大学より、資料2に基づいて御説明をお願いいたします。
【長崎大学】  長崎大学施設部の長野でございます。よろしくお願いいたします。
 資料2でございます。表紙を入れて4枚の資料でございます。BSL4施設の建設工事に当たり、本施設の設計プランほかの整備計画については、本委員会、前々回の昨年5月の委員会で、平面図等を説明させていただいたところですが、その後の経緯及び現状について御報告いたしたいと思います。
 前々回の昨年5月の本委員会の説明後、設計の取りまとめを進めるとともに、併せて入札手続を進めておりまして、昨年8月に官報へ入札公告し、8月から入札の事務手続を具体的にスタートいたしました。
 その後、入札の参加資格の確認等々の事務手続を経て、資料2の2枚目にありますとおりの状況で昨年12月26日に契約に至りました。工事名称は長崎大学(坂本1)実験研究棟新営工事、坂本1というのはキャンパスの名称でして、通例こういうような表現にいたしております。契約年月日は昨年、2018年12月26日、契約の相手方は戸田建設株式会社でございます。契約金額は税込みで75億4,920万円。工期につきましては、契約の翌日をもって工期の始期としておりますので、昨年12月27日から2021年7月30日をもって、竣工と引き渡しという予定で契約したところでございます。
 その下に概要を示しております。建物の名称としましては長崎大学感染症共同研究拠点実験棟、構造・階数は免震構造を含む鉄骨鉄筋コンクリート造の5階建てとしております。
 面積につきましては、ごらんのとおり延床で約5,300平米の規模となっております。右の方にイメージ図を付けておりますが、これは前々回にお示ししたものと同じものでございます。このイメージは踏襲して外装の仕上げは進めていこうと考えております。
 続きまして3枚目、ページは2ページ目です。工事の全体スケジュールを少しシンプル化して示しております。左から2018年12月に契約したのですが、正月を挟んで1月末あたりから準備工事に入りまして現場がスタートしました。準備工事に2か月ほどを経て、杭工事のための掘削工事を年度末から4月にかけて行い、現在、ごらんのとおり杭工事を8月上旬、今日が最後の工程です。後で写真をお見せしますが、杭工事が終わろうとしているのが現在の状況です。
 それ以後、更に掘削し、基礎工事、基礎躯体、免震装置、1階床躯体、鉄骨、1階、2階、3階躯体と進めております。躯体といいますのは柱、梁及び床スラブ等のコンクリートの構造体のことを示しておりまして、1階躯体、2階躯体の順次出来上がりに合わせて、横に伸びておりますとおり1階の仕上げ、2階の仕上げ、この仕上げは内装等だけではなくて、設備工事の空調、給排水、電気その他も含めて順次各層ごとに進めていくという計画であります。これらの計画は、本体の仕上げとともに、上と下にちょっと書いておりますが外回りの外構工事というのを並行して進めて、来年度末、2月ぐらいをめどに完成を予定しております。
 その後、気圧管理、機密管理等々の本建物が求める機能性の確認というものを、この試運転調整期間として約半年ほど見込んでおります。そして、それが全てオーケーとなった2021年7月末をもって引き渡すという計画で進める予定であります。
 最後に、現状の写真を付けております。先ほど申しましたように、今は杭工事ですので地上に何もありませんので似たような写真ばかりで恐縮ですが、左上にちょっと大きめの写真を付けております。全景としておりますが、杭打ちの重機が2台、2セットで進めておりまして、敷地内には茶色い長方形の物がいっぱい並んでおりますが、これは施工の作業性を向上するために敷いている鉄板でございます。全て鉄板で覆って作業性の効率を上げています。以下は同じような写真ばかりなのですが、現時点で、先ほど申しましたように杭工事の予定が今週いっぱいで、この鉄板の下に杭が全て今埋まっていて、施工が終わっている状態であります。いかんせん地上には何も見えないのでこのような写真しかありませんが、現状はこういう状況です。
 なお、左上の全景写真と、左下の遠景の全景写真、これは今後随時上物が上がっていくたびに写真を撮って記録保存するための定点のアングルにしております。
 簡単ですが現状の説明でございます。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 今の御説明に対しまして何か御質問、御意見等がございますでしょうか。
 これは、試運転が終わってから引き渡しということですね。
【長崎大学】  はい。
【笹川主査】  契約者は大学の学長名で契約ですね。
【長崎大学】  学長です。
【笹川主査】  ほかに何かございますか。
【平尾委員】  競争入札か何かで施工業者が決まったと思うのですが、戸田建設というのは、こういった施設を造るのに知見があって、技術点が高いとかそういうことだったんでしょうか。
【長崎大学】  はい。公共工事の一般競争として入札手続を進めております過程で、幾つかの競争参加資格というものを求めるんですが、一つは文部科学省の方で等級というものを認定しておりまして、当然A等級を持っていることというのが基本的になりますが、それに合わせて一般には建設する建物と同種類の実績というものを求めるわけですが、本施設はBSL4ということで日本にもないということで、今回はその一つ下のBSL3の実験室を含む建物の実績というのを求めて、戸田建設さんもその実績はあるというところでオーケーしたというところです。
【平尾委員】  了解しました。
【河本委員】  これは工事が進捗する間というのは、外周から見てどういう工事をやっているかというのは簡単に分かるような感じですか。要するに、今、内部の構造はどういう構造かというのはなかなか表にしづらいところもあるんでしょうけど、工事をするところを見ていて、外周からこういう構造になっているんだというのが分かるかどうかということなんですけど、いかがですか。
【長崎大学】  一般に公共工事としては決まりとして建物の概要を示す看板を立てるようになっておりまして、敷地の入り口に付けております。さらに今回は地域への周知という意味で敷地周辺に5か所ほど看板を設けて、そのうちメインのところには中間工程とか内容とかを示したものを随時提示するようにしております。
【河本委員】  そうしたら内部構造が明らかになるわけじゃないですよね。
【長崎大学】  そうです。
【河本委員】  それと、工事そのものの、工事をやっているところを外から、言い方は変ですけど偵察して、内部構造はこういう建物になりつつあるんじゃないか、なんていうことが分かるのかどうか。あるいは、そういうことがまずいということで、それを防ぐため、例えば工事をやっているときに周りに囲いといっては変ですけれども、中を見えづらくするとか、そのようなことはやられていますか。
【長崎大学】  資料の最後の写真の中に、右上に一つ写真を付けておりますが、透明パネル設置と、ここで左全体の写真でいえば、仮囲いと申しますが、これの要所、要所に透明パネルを設置して見られるようにしているという状況です。ちょっと分かりにくいでしょうか。
【河本委員】  いや、むしろ見えない方がいいんじゃないかという意味です。要するに機微なところがあるので、内部の詳しい構造は明らかにできませんというのが多分原則だと思うんですけど、工事をやっているところを見ると、例えば、どういう隔壁になっていて、どういう構造になっているんだというのが外から見たときに分かってしまうということがあるのか。それはまずいと思います。
【堀委員】  よろしいですか。私、建築もちょっとかじっていまして、ここで工事の表を見ていただくと、2020年6月から12月まで外壁工事というのがあるんですけど、これで多分覆われてしまうので、設備等の詳しいものは多分分からないと思います。なので、最初はフロアが何層あるかぐらいは分かると思うんですけども、あとはエレベーターがどの辺とかというざっくりとしたことしか多分外側からは見えないと思います。
 安全に関わるような、セキュリティーに関わるような細かいところというのは、もう外壁で覆ってしまいますので、工事中は恐らく見れないと思います。
【河本委員】  なるほど。
【長崎大学】  先ほど写真で説明した透明パネルも、地域住民からの要望もありまして、ただ、堀委員がおっしゃるようにセキュリティーに必要なところは見せる予定はないですし、実際隠れますし、そこら辺はオープンにしないような予定でおります。
【河本委員】  ありがとうございます。
【長崎大学】  少し補足させていただきます。
 地域連絡協議会等でも地域住民の方からは、ブラックボックスの中でやるんじゃなくて、ちゃんと住民が見えるような形で工事をしなさいという強い要望がありますので、このように透明のパネルを10メートル間隔ぐらいに入れて見ていただけるようにと。先ほど堀先生がおっしゃったように外壁を作った後で隔壁とかをやりますので、それは分からないと思います。
【笹川主査】  河本先生、御指摘ありがとうございます。透明な物をところどころに入れているというのは、私も住民に対する御配慮かなと考えておりましたので、よい取り組みだと思います。
  それでは、次に進めさせていただきます。議題の(2)でございます。安全確保の方策等に関する検討状況についてということで、資料3に基づいて、長崎大学から御説明をお願いいたします。
【長崎大学】  長崎大学の安全管理部門を担当しております中嶋と申します。資料3に基づいて説明させていただきます。
 資料3をお開きいただきまして、長崎大学感染症共同研究拠点実験棟の運用に係る規則等の策定についての検討状況ということでお話をさせていただきます。この資料は6月に行われました第26回の地域連絡協議会の資料を一部改変して今回お持ちして、説明させていただくところでございます。
 2ページ目、絵としては矢印が上から下に行っているところについて御説明させていただきます。長崎大学BSL4施設運用に係る規則の作成ということで、一番下のところに青い四角の中でBSL4生物災害等防止安全管理規則(施設のみ)新規という赤い冊子みたいなものができているイメージがございますけれども、上のオレンジの現行、長崎大学の全学で使用している規則、これを基に安全管理、バイオセーフティー、バイオセキュリティーを強化するという観点から、例えば左の方にありますリスクアセスメントと対応の検討で分かってきたこと、それからそもそも感染症法でこういう規則の策定が定められております。そういったものに外国のBSL4の事情、それから既に大臣指定が済んだ国立感染症研究所の規則の情報、そういったことを基に今作業を進めて、策定を目指しているところでございます。
 3ページをおめくりください。資料としては真ん中に人がいるような図ですけれども、特定一種病原体等所持施設に係る義務(感染症法)ということで、先ほど法律に基づくというお話をさせていただきましたけども、どういうような義務なのかということをお話しさせていただきます。
 この一種病原体所持施設というのは、エボラといったウイルスを持つことを許される施設なんですけれども、上の方に書いてあります厚生労働大臣指定により所持の禁止を解除された特定一種病原体等施設には様々な義務が課せられるというところでございます。
 じゃあ、どういう義務が課せられるのかというところがこの四角の枠でございます。まず、第1に感染症発生予防規程の作成。この規程が法律に基づくものです。これを作らないといけないということが義務付けられていると。それから、病原体等を取扱う主任者を選定しなくてはいけない。バイオセーフティーオフィサーとかそういった名前で呼ばれることもあるんですが、法律上は主任者となっております。そして必要な教育、訓練を実施すること。不要になった保管していた病原体は滅菌すること。それから、保管、使用とか滅菌等は全て記録を残して、それを保存すること。それから、施設の設備に関する技術上の基準に適合する、適合するだけではなくて、その維持管理を続けていくということ。そして、病原体等の保管、使用、運搬、滅菌に対する必要な措置を全て書き込むこと。運搬、事故の届出。事故というのは、病原体に発生する事故でございますので、紛失してしまった、取られてしまった、持ち出されてしまった、そういったことが事故になるんですが、その届出のこと。それから災害時、災害時というのは中で働く人が曝露した、それから地震とか火災になって施設が被害を受けたときの応急措置といったものを書き込むことが求められております。
 書き込まれたものについては、それを実施するという義務がございますので、この義務を守らなければ重い罰則が科せられるということになります。罰則で一番重いものは、例えば施設をシャットダウンしなさいという命令がなされることも法律上はできることになっています。
 次、4ページ目をおめくりください。似たような図になっておりますけれども、法律上、この感染症発生予防規程というのはどのようなものかというのを説明させていただく資料でございます。感染症発生予防規程に定める事項、これは厚生労働省の省令で定められています。先ほど申しましたような主任者とか病原体の取り扱いに関わる者の職務とか組織のこと。絵でいえばピラミッドのようなものでイメージしてみましたが、こういった組織管理体制を取っているのかということ、取れるようになっているのかということ。
 それから、管理区域に立ち入る者の制限。管理区域というのは病原体を扱うところ、それからそれをサポートする施設設備が入っているところ、そういったところに入れる者は制限すること。そして、そのような表示をすること、その区域の設定に関すること。そして、施設の維持・管理に関すること。それから教育及び訓練、先ほど言ったようなことを全て網羅的に書く必要があるのが予防規程でございます。厚生労働大臣指定を受ける際には、一番下に書いておりますけれども、これをまず厚生労働省に届け出る、そしてその確認を受けて、さらにその実施体制がしっかりしているのかという査察を受けるというようなことが必要になってくるということでございます。
 次、5ページ目をおめくりください。最後の法令の説明のところでございます。この法律の監督体制としては、法律は厚生労働省と警察庁が感染症法の病原体管理に関わるところは共管で所管しています。厚生労働省、警察庁は、意見を出したり、報告を求めたりというようなことができる形になっておりまして、そしてそれにより施設に対して指定、管理、指導、命令そのほかということがなされるような仕組みになっております。
 長崎大学では所持者たる学長、取扱主任者、そしてBSL4施設の部門の人間、こういった者が学内的にいえば承認等という矢印が向かっております生物災害等防止安全運営委員会というところ、それから監視委員会というところ、それからこの施設のために設けましたバイオセーフティー管理監というところ、こういったもので感染症法の施行に基づく対応をするとともに学内的にも対応がなされていく。そしてこの場、監理委員会、それから専門家会議というところでの意見も踏まえて対応していく。さらには長崎県さん、長崎市さん、それから地域連絡協議会等に大学側から報告して、また要望がなされると、このような監督体制になっているところでございます。
 次、6ページ目をおめくりください。それでは、この長崎大学BSL4施設の運用に関する規制(文書)というものが、まずざっくりどのようなものなのかというところで、この青のものがBSL4施設で必要となる管理規則で、これは法律に基づく予防規程の内容を含むものでございます。
 そして、この施設で扱われるエボラ等の特定一種、そのほか二種、三種、四種という法律で決められた病原体を取り扱うときには、このBSL4施設の規則に基づいて行うということが必要じゃないかと考えております。
 大学、学内的には、白いところにございます全学で運用する学内の予防規程をそのまま使う形になってまいると考えております。すなわち、この予防規程というのは法律に基づくルールブックで、これに従って稼動しないといけないということになります。
 次、7ページ目をおめくりください。BSL4生物災害等防止安全管理規則、この規則の中身について、今、案で作っているところ、60条ぐらいの条文になっているところなんですが、この右上の方に人が集まったような絵を作ってみましたけれども、今後、BSL4施設で作成する、そして生物災害等防止安全運営委員会、学内の委員会でございますが、そこで承認を受けて病原体等所持者がそれを実施していくという流れになってまいります。
 ここに書いてあることとして、感染症法に基づく予防規則の内容を含む病原体の安全管理について定めた規則でございます。施設を使用する全ての者は、この規則に従う義務が生じます。これは、後々病原体を保持するために所持施設としての指定を厚生労働大臣から受ける際に不可欠になるというところでございます。
 内容の主な点を六つの小さい四角で説明させていただきました。一つ、安全管理について、組織体制等がここに明示されることになります。その下、施設で働く人について、施設に立ち入る職員等のことについても、どういう者であるべきかということを書くことになる。そして、設備・機器についてのこと。それから、右上の方に参りまして病原体の取り扱いについてのこと。動物実験、遺伝子組換え実験等についてのこと。BSL4施設として動物実験を円滑に進めていくというのがとても大事な任務になりますので、こういったことも盛り込んでいます。それから緊急時、曝露対応についても書き込みました。
 ちなみに、この四角の中で赤字になっている罰則とか施設に立ち入る職員、安全カード、地域への連絡ということ、これは、現地で行っております地域連絡協議会の中で委員の方々からそういったところはしっかりやってほしいと言われている内容でございます。
 次、8ページ目をおめくりください。こちらはBSL4生物災害等防止安全管理規則の運用スケジュールということで、私どもが考えておりますこの規則をどのように運用していくか、すなわち、この施設をどのように利用していくかのスケジュールをステップ1からステップ4でまとめたものでございます。ステップ1、これは今現在でございますが、施設を建設する、この規則の原案を策定中でございます。
 2年後に施設が完成して引き渡された段階で実際の物が出来上がりますのでステップ2ということに入る。この場合には、施設としては電気が入って様々な設備が動き始めますので、形的には施設は動き始める。ただし、この段階においてこの規則を完成させるということになってまいります。機械設備の運転マニュアル、それから維持管理に関すること等々は、作成を含めてこのステップ2で行って万全の体制を作っていくこと。それから、教育訓練とか従事者の習熟ということもこの段階で行っていく、そして組織体制も見直しを含めてここで十分なものにしていくということを行うということがこのステップ2の大事なところになります。
 ステップ2から、今度は特定一種病原体等所持施設として厚生労働大臣の指定というのがこの規則ができた段階で完全に受けられるということ、査察を含めて行える段階になったときにステップ3の大臣指定された施設としての稼動ということができるようになる。ただ、ここで扱われるべき病原体はステップ2でも現行の大学で持っていますようなそのほかの病原体といったものを用いまして、このステップ3では、この新しい規則に基づいて病原体を用いた実験をして、ここで更に習熟を進めるということが必要になると考えております。
 そして、その上で全部万全にできる体制が整いましたところで、特定一種病原体、エボラウイルス等を導入して、大臣指定された病原体の所持施設としての稼動ができることになる。このステップ4の段階がBSL4施設としての真の稼動になることかと思います。
 ちょっと言い方を変えてみますと、現在ステップ1ではだるまを作っているというような形になるのでしょうか。ステップ2ではだるまができるんですが、目玉が入っていないということ。ステップ3ではようやく施設としての片方の目玉が入って、ステップ4で両方の目玉が入ると、このような流れになっていくことになると思います。ステップを追いながら安全管理を万全にしていく、そこで働く人が間違いなくやれるようにしていくというのが一番大事なことかと考えております。
 次に、リスクアセスメントを踏まえた規則の検討について具体例を少し御紹介させていただきます。このお見せする資料については、昨年12月に行いましたこの監理委員会でも既に一部を御紹介させていただいたものでございます。
 資料10ページ目、BSL4実験室外へ病原体が出るおそれがある事象ということで、これは地元でもどういうリスクが可能性としてゼロじゃないところを全て出してくれというような話がございまして、我々が一つ一つのリスク分析をした上で、①から⑤に分けて出させていただきました。これは昨年12月にこの場でもお話をさせてもらったものです。特に①実験室内での実験者の感染。ウイルスを含む注射針等を刺してしまう、これは外国で起きている事例ですけれども、こういったおそれがある事象、そして実験者が感染した表に出ることで病原体が施設の外に出るというようなおそれがあることとして紹介させていただきました。
 例えばこの①の実験室内での実験者の感染ということについて、次の11ページ目、リスクというのが右上にございますけれども、非常に込み入った図で恐縮です。去年もこれで御説明させていただきました。リスクアセスメントの規則等への反映(例)ということで、青字のところが想定されるリスク。そしてオレンジ色のところがどのような形でリスクに対応していくんだろうと、すなわち、こういったものを規則に盛り込んでいく、規則というのは先ほどの60条程度のものにプラス細則と、例えばあとは標準処理手順書(SOP)のようなものも入ってまいりますけれども、こういったものに書き込んでいく内容として、例えば一番左上の(2)実験室入室、スーツ室、グローブの破損、誤着用、点検不足等々がございますけれども、こういったものを一つ一つ考えながら、それをどのような形で規則に盛り込んでいくかということを今現在行っているところでございます。
 次の12ページで少し具体的な御説明を、写真をもって説明させていただきます。この写真のところ、実験室内での実験者の感染に関する規則への反映事項の例でございます。例として適切なスーツの使用。スーツというのはスーツのほかグローブ、それからシューズというようなものから成り立っておりますけれども、例えばこういったものの破損へのリスク対応としてどのようなことが必要になるか。ちょっと細かいんですけれども、ここは安全管理の一番の要の一つのところでございますので、少し写真の説明をさせていただきます。
 左上の方から、使用前のスーツ点検。空気を入れて、自転車に乗っている方は御存じかもしれませんけれども、平たく言えば、チューブに空気を入れて穴が空いていないかというようなことを調べるということに似ていることになろうかと思います。それから、そのスーツ点検・使用を記録。問題がないと、問題があったら問題があったこと、そういったことを全て記録していく。そして、スーツにはグローブが必要なんですが、グローブというのは消耗品でございます。適切なグローブを3枚ぐらいすることになるんですけれども着用を間違いなく行う。そしてこのスーツ室という部屋にスーツが置いてありまして、ここで適切なスーツの着用をすること。そして、スーツを着用したらシャワー室というのを素通りして実験室に入っていく。実験室は左下になりますが、実験室に入って作業動作の熟達というようなことを書いております。このスーツは国外のBSL4施設でも広く使われたりしているものでございますが、私も実際にやってみたんですけれども、ある座り方をしたりすると立ち上がるときに耳がツンとするようなことが起きます。それから、実験室からの退室。実験室からの退室の際には、薬液シャワー室というところでスーツを薬液除染するということ。本来はこんな写真が撮れるような状況ではなくて、もっと真っ白に見えてしまうような感じで薬液がその部屋に満ちることになるんですが、そしてそこでしっかりと薬液除染した後、次の脱いだ後の濡れを確認して、例えばインナースーツのところに何か濡れがあったりしたら、そこが破れていたんじゃないかということが考えられますので、そういったことをよく確認する。そして、そのスーツを先ほどの入ってきたスーツ保管室というところに保管するということ。
 ちなみに、この写真はアメリカのNIHのBSL4施設での作業手順というのを、英語ではございますけれどもビデオで作っているようなもの、それを長崎大学として日本語に翻訳してナレーションを付けたりして作っているものでございますけれども、そういったものにも相当詳しく書いてある。そういった項目を規則や細則で定めて、トレーニングして実行する。そしてトレーニングを受けた人間のみでないとこの施設を利用できなくすると。施設を利用する人としたら研究者でございますけれども、あとは施設を維持、メンテナンスする人も当然この中に入っていきますので、そういった者が全て習熟するということが不可欠なことになります。
 アメリカの情報では、幾つかの施設、大学もございますけれども、決められていることとして40回以上、100時間ぐらいやらないと一人前とはみなさないという厳しい決まり等があるようでございます。
 最後のスライドになります。13ページ目。実験室内での実験者の感染に関する規則への反映事項。例えば、今お話ししてきたことをどのように反映させるべきか、ポイントとしては、1番は起こさないための対策、2番、万が一起きた場合の対応、3番、地域への情報伝達、4番、緊急時に備えた訓練と、こういったものを一つ一つ規則、細則に作って書いていくということが必要で、今その原案を作っているところ。そして、先ほどの説明のとおり、ステップ2でそれを完成させていくということになっていくものと考えております。
 資料3の説明は以上のとおりでございます。
【笹川主査】  中嶋先生、大変お詳しい説明、どうもありがとうございました。
 質問をお受けする前に、今ここで審議官と局長が見えましたので、事務局の方にお返しします。
【岩﨑企画官】  ありがとうございます。
 前回、12月の開催以降、事務局である文部科学省に人事異動がございましたので御紹介させていただきます。7月をもちまして局長に村田が、担当審議官といたしまして増子が着任しております。局長は要務のために途中退席となりますので、ここで一言御挨拶申し上げたいと思います。
【村田局長】  失礼いたします。7月から研究振興局長に就任しております村田でございます。今日は遅参いたしまして申し訳ございません。
 先般、アフリカにおきますエボラ出血熱の感染拡大に関して、WHOから緊急事態宣言が発出されました。人の交流が広がっている今日では、国内でこのようなウイルスの入ってくる可能性というのは十分考えられるものでございます。我が国における感染症対策の強化の一環として、長崎大学BSL4施設を中核とした感染症研究拠点の整備を進めることの重要性を改めて私どもとしても認識した次第でございます。本委員会の開催を含め、長崎大学に対して必要な支援を行い、この施設の整備を着実に推進してまいりたいと考えております。
 委員の先生方におかれましては、大変御多忙なところをお集まりいただきまして、また御審議を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 長崎大学にて策定を進めております安全管理に関する様々な規則等についての御報告をただいま頂戴いたしました。海外のこのBSL4の施設で発生した事故につきましても、その多くは針刺し事故などヒューマンエラーを要因としたものと伺ってございます。長崎大学におかれましては、本日の先生方の御意見も真摯に受け止め、この施設を利用する各職員の方々が自分自身の課題として事故防止の必要性、重要性を認識して事故防止に努めていただくよう、防止体制を確立していただきたいと存じております。
 また、地域住民の方々は特に住民の安全に関する事項について丁寧な説明と情報公開を求めていらっしゃると伺ってございます。安全管理規則に関する丁寧な説明を含め、引き続き地域住民の方々の理解を得る取組に御尽力いただきたいと思います。
 委員の皆様には、会議の場に限らず、引き続き様々な形で御支援、御助言を頂ければ幸いでございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 では、議事に戻ります。先ほど長崎大学より御説明ありました内容について、委員の先生から御意見を伺います。どうぞ、加藤先生。
【加藤委員】  ここの中に書いてあることは大変結構だと思うんですけども、安全管理で基本となる1人で作業させないということは書いてないんで、それは当たり前だから書いていないのか、それともどんなときでも複数で相互チェックして、それから万が一の事故のときには1人の人が助けられるようにという、そういう実験の一番の基礎だから書かなくていいのかしらとか思いましたので、一応お聞きします。
【長崎大学】  今日全てを御紹介はできなかったんですけれども、そういったようなことも盛り込ませていただいております。
【加藤委員】  飛行機のパイロットが2人乗務するのと同じで、必ず相互チェックをさせて、こういう規則を守らせるということを最初に書くことが大事だと思います。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 他はいかがでしょうか。春日先生、どうぞ。
【春日委員】  御説明ありがとうございました。
 資料の書き方なんですけれども、10ページ、御説明いただいた病原体が出るおそれのある事象というところに5つについて何例、何例と書いてありますけれども、これは検討した169項目のうちの何項目という意味ですよね。例と書かれると海外でこういう事故があったんじゃないかと誤解されるおそれがあるかと思いまして、ちょっと質問させていただきました。
【長崎大学】  ありがとうございます。言い方とか説明の仕方に気を付けていきたいと考えております。
【笹川主査】  説明会のときは特に何か混乱はなかったんですか。混乱というか、分かりにくいという指摘。
【長崎大学】  特にそういったところはございませんでした。外国で起きた、例えば針刺し事例は何例ございましたとか、具体的な説明もさせていただいております。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ、堀先生。
【堀委員】  規程は磨き続けてこそ、光輝くものになると思うんですが、定期的な見直し規定と、あと臨時の見直し規定、これに関してはちょっとお話がなかったんですがどのようにされていくのか。特に臨時の場合は、先ほどございましたけれども、飛行機では運航停止まで含めたインシデントレベルを例にとれば、直ちに運航をやめて見直しをして、教育が終わってから再開するというようなインシデントレベルに応じたアクションもあると思うんです。軽微なものであればその都度の見直しで、定期でアップデートするということでもいいと思うんですが、そういった見直しの規定に関しての規定はあるのか、ないのかだけをお伺いしたいです。
【長崎大学】  重要な御指摘だと思います。今の検討案においてはその規定も一文、盛り込ませていただいております。
【笹川主査】  ありがとうございます。実際また運用する中でいろいろな見直しというのは出てくると思います。これは感染研の方からの情報というのもかなり参考になると思うのですが、西條先生、いかがでしょうか。
【西條部長】  私たち(感染研)の方から長崎大学の皆さんに情報を提供して、それに合わせて準備されているところもあれば、長崎大学に特化された形で準備されているものもあるはずで、いずれ今度は私たち(感染研)もまた逆に長崎大学から学ぶことがあるだろうと思います。
【笹川主査】  お互いにフィードバックするということは非常にいいことだと思います。ありがとうございます。
【平尾委員】  研究者の方々がこのような規則をどう受け止めるかというのは私は分からないもので、ちょっと的外れかもしれませんが、かなり詳細で念には念を入れているというか、かなり保守的にいろいろなルールを定められるんだろうなという印象を持ちました。ルールを詳細にすればするほど、念には念を入れるほどルールに対する納得感というのは失われやすいと申しますか、何でこんな細かいことまでやらなきゃいけないんだろうかということを考えがちになると思います。全然畑が違いますけれども製造業で品質不正問題というのが度々出ておりますが、あれも中身を見てみると、確かに品質に問題はないんです。ないんですけれども、やらなきゃいけない検査というのが膨大にあって、こんなことは本来やらなくていいんじゃないかというのが恐らく製造業に携わっている人は感覚的に分かっちゃうものですからオミットしてしまうということがほとんどの実態なのかなと感じているところでございます。研究者の方なので非常にモラルは高いとは思うので、ルールは本当に実践するんだろうとは思っているものの、細かく作り込むと、それに対する、何でこんな意味のないルールを守らなきゃいけないんだという感覚が、片方でもし生まれるようなリスクがあるのであれば、そこに対する手当というのは考えておく必要があると思います。外国の施設がどのようにそれを乗り越えていっているのかというのも、そういう視点で見られてもいいのかなと思います。
【長崎大学】  ありがとうございます。
【笹川主査】  安全確保のために必要ではあるものの、あまり具体的に細かく規則を定めすぎると、逆にそれが作業を妨げる。製造業における問題は、新聞に出ている報道でも私もよく感じております。そういう検討というのは、いかがでしょうか。
【長崎大学】  先生がお話しのところはまさにそのとおりでございまして、どのように作業をする人、そのルールを守らなくてはいけない人が理解してやっていけるようにするかというのは、一番肝心なところになっていくんじゃないかなと考えております。理解しないものをやれといっても絶対にできないことだと、どこかで間違いが起こってくるかと思っております。それをどのように文化というんでしょうか、それを醸成していくかというのが、ある意味このBSL4施設の一番重要なところであり、難しいところじゃないかなと考えております。
 ちなみに外国の事例でございますけれども、なかなか厳しい書き方の一文なんかも入っております。端的に言いますと1回目は許すが2回目は許さないぞというようなことで明確に明示されておりまして、そういったことで対応されて、変な話ですけれども訴訟みたいなことになったというようなことも少し勉強させていただきました。
【平川委員】  今のことに関連して質問させていただきたいんですけれども、例えば昔のJCOの臨界事故、あのときは現場でこうやった方が合理的だろうという、現場の判断としての合理性で作業の短縮をやってしまってあのような事故に至ってしまったわけですけれども、そういう意味では現場で作業をされている研究者の方、実験者の方たちが、ここはこうした方がより安全性もちゃんと確保した上で、更に作業も効率的になるという、そういうような工夫をする余地というのが多分出てくると思います。そういうところをフィードバックして規則を、ちゃんと安全管理を、場合よってはより高める形、あるいはレベルは維持したままより作業を効率的にするというようなプラスの改善案というのも話し合って規則に反映させていく、そういうプロセスというのは今のところ、この運用の中では考えられておりますか。
【長崎大学】  お話のところの一番大事なタイミングは、ステップ2での実際に施設で対応する中で無理があるところ、それから足りないところというのをつまびらかにしていくというのが大事じゃないかなと考えております。
 それとともに、今こういった決まり事とかそういったものは安全管理部門というところが主体となって作っているんですけれども、既にそこには研究部門の方も1名入ってもらっているんですが、タイミングが進むにつれてより深く研究部門、それから人材育成部門というのもございますので、そことスクラムを組んでやっていけるかというのが非常に大事なポイントになってくるんじゃないかなと考えております。
【笹川主査】  ありがとうございます。
【長崎大学】  お二方の御質問に対して少し補足させていただきますと、まずはどのように研究者が勝手にやらないように管理していくかと、1点は、先ほど中嶋教授からもありましたように罰則等を設けて、それを遵守させるということが一つ。
 もう一つは、研究者はなれ合いでやっていくおそれもありますので、この施設の中には研究部門と施設安全管理部門というのが独立して存在してございます。研究部門は研究者が所属しておりまして、施設安全管理部門というのは中嶋教授や施設安全管理を本務とする人たちがいるところですので、言ってみれば研究者が勝手にやらないように施設安全管理部門が常に監視、指導しながら規則を遵守させていくという作りになっております。
【河本委員】  今、安田先生がおっしゃったことは非常に大事なことであって、当事者は効率性を優先してしまうので、これは大丈夫じゃないかと思うと手を抜いちゃうんです。それを防ぐためには性善説に立つとだめなので、今おっしゃったように安全管理部門の方が実際の例えばスーツの着用であれば、決まったとおりに着用しているかどうかをちゃんと監視し、チェックする。一々人がついて確認できなければ、監視カメラでそれを全部記録して、後で規則どおりにやっているかどうかということをチェックするような形、やっぱりチェックするという仕組みを入れておく必要があると思います。私は平川先生がおっしゃったとおり、確かに現場のアイデアがあって改善していくというのは非常に大事だと思いますけれども、実際にはそこの現場、現場で判断してしまうということもあるので、監視する、チェックするということが必要だと思います。それは逆に言えばこの人がちゃんとやっていますよという証明にもなるわけです。ちゃんとやっている人であれば、これからもどうぞやってくださいということになるでしょうし、先ほど、1回目はオーケー、2回目はバツという話がありましたけれども、監視して、あるいは画像チェックして、何回やってもだめな人はもう使わせないというようなときには証拠が必要ですよね。そういうためにもチェックする必要がある。例えば食品の製造業における内部脅威対策なんて、まさにそれをやっているわけです。全部仕事着に番号を打ち込んで、監視カメラで手元までみんな映していると、そういう発想が必要かなという気がします。
【長崎大学】  まさにそのように考えておりまして、まずは先ほど冒頭で加藤委員からも御指摘がございましたけれども、中での作業は必ず複数名というか2の倍数で行うと、相互監視できる体制で行うということと、常時監視カメラで、監視カメラというと余り言葉がよくないですが、実験室の外に中央監視室というのがございまして、そちらで中の作業風景をカメラで監視するということで安全確保を考えております。
【小松原委員】  御説明ありがとうございました。
 これから規則等はだんだん詰められていくと思いますので、今日すぐにお答えを頂くという話ではないのですが、3点ほどお願いしたいことがございます。一つは7ページ目にいろいろと管理規則が示されております。これらはこういうものだと思いますが、これを研究者が全部熟知している必要は必ずしもないわけでありまして、各規則を担当する者、知っておくべきものは誰かということを明確にされる必要が恐らくあるだろうと思われます。例えば施設で働く人の管理は誰が、どの部署が行うのかという、実行者、責任者とともに規則は示される必要が恐らくあるだろうというのが一つです。
 もう一つが、実験の手続については、恐らく実験手続の承認の手続というのが実際運用に入ったら必要になると思いますが、そういうような法令等には定められていないような、長崎大学の研究施設としての手続というのを更に作っていかれる必要があるだろうと思われるというのが2番目です。このあたりもそろそろ準備を始められる必要があると思います。
 3番目は、先ほど意識の問題ということがありましたが、それに関係したことです。罰則等も当然必要になってくると思いますが、それ以前に、前々回ぐらいから議論になっている安全文化の確立ということについてです。安全文化という言葉は最近余り使われなくなってきて、安全のための文化という言い方にしましょうと原子力などでは言っているようです。これはよい言い方で、長崎の歴史と文化の上の、長崎大学全体の文化の中の研究文化の上に、恐らくこの施設の文化というのがまた出てくると思うんですが、それをどのような形で理念として共有するかという部分が意外と重要になってくると思います。なので、研究施設としての研究理念をどのように定め明示するかということが結構重要な話にはなってくる。悩んだらそこへ立ち戻りましょうという憲法みたいなものになると思うんですが、研究者の行動規範にもなる。それをそろそろ考えていかれる必要があるだろうし、それが地域住民と共有されるということが重要ということにもなっていくと思われますので、そのあたりも御検討を始められるといいかなと思います。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 感染研の方では今どのようになっておりますでしょうか、西條先生。
【西條部長】  ほぼ同様な形で私たち(感染研)も文書管理をしておりまして、安全管理規程、それから安全操作指針、それからそのほか、その階層の下にいろいろな文書があります。あともう一つ重要なのはSOPです。SOPをしっかりと準備して、そのSOPをどのようにして承認していくのかとか細かなところは、やはり感染研でも幾つかまだ問題点があります。そういったところ、問題点などを長崎大学と共有しながら、しっかりとした安全管理をしっかりとしたものにしていくことが重要かと思います。
 あともう一つ、日頃私たち(感染研)が大切なこととして考えているのが、キーワードとしての「透明性」です。先ほど小松原先生からどういった手続で実験の承認がなされるのかという御質問がございましたが、感染研では高度封じ込め施設運営委員会というのがありまして、BSL4施設内で行われる作業については詳細な申請書を高度封じ込め施設運営委員会に提出して、そこで審議され承認を得る必要があります。この内容については施設連絡運営協議会と連絡協議会などの、地域の方々がメンバーに入っている委員会でこれを説明します。そこでは行われた作業の進捗状況等についてもこのような機会を通じてまた公開するという手続をしております。この透明性にかかわる作業が非常に重要かなと思っています。
【笹川主査】  大変貴重な御知見をいただきまして、ありがとうございました。地域連絡協議会ですか、そこで住民の方にフィードバック、そして透明性を担保するというのは非常に大事なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。それが感染研の研究理念の一つになるわけですね。
【西條部長】  特にこの点については透明性が大事だと思います。ただ、大学の場合は、今度は研究となるとどうしても機密性とかいろいろ問題が出てくるかと思います。しかし、その問題についてはバランス(透明性と秘匿性)を求めていくことが重要だろうと思います。現状では感染研はできるだけ何でも公開するという方針で対応していこうと考えています。
【笹川主査】  ありがとうございました。
  それでは、次に3番目です。議題の(3)に移らせていただきます。地域における理解促進に向けた取組についてということでございます。長崎大学から、資料4-1、4-2について説明をお願いいたします。
【長崎大学】  総務部門長をしております二村と申します。私から、前回のこちらの監理委員会以降、どのような地域に関する活動を行ってきたか、概要を御説明したいと思います。また、特に地元の方で行われました説明会について詳細に報告してほしいというオーダーもありましたので、それについて若干時間を取らせていただいて概要を御紹介したいと思います。
 まず資料4-1をごらんいただきたいと思います。地域における理解促進に向けた取組についてということで、1枚めくっていただきまして1ページ目、地域連絡協議会の開催という資料です。この地域連絡協議会につきましては、御案内のとおり年度ごとに一部の委員を公募してメンバーを代えているということでございます。今回の、今年度の地域連絡協議会、昨年度から変わった点を御紹介させていただきますと、まず1ポツの近隣連合自治会長は7名おりますが、そのうちの(4)江平地区の自治会長が代わったということ。2ポツのその他地域住民、公募で選んでいる委員がいるんですけれども、昨年は6名おりました。今年度は5名に減っております。この5名というのは昨年と変わっておりません。3ポツの学識経験者・専門家で、(19)で長崎大学核兵器廃絶研究センター長、通称RECNAと言っていますが、ここのセンター長が代わったということ。それから5ポツでございます。大学の中も、先ほどちょっと出ましたが人材育成部門長ということで南保明日香教授が着任されましたので、この方がメンバーになっております。大学側のメンバーも今回は部門長を中心としたメンバーに構成を変えたということで、若干メンバーの変更がありました。
 次、2ページ目でございます。議論でございますけれども、開催実績ということでついておりますが、まず前回のこの監理委員会以降の地域連絡協議会の実績としましては、昨年12月19日に第23回、今年に入って2月6日に24回、今年度は5月に25回、7月に26回ということで計4回の地域連絡協議会を開いたということでございます。
 具体的にどのような議論があったかということについて、駆け足で恐縮でございますが3ページ目をごらんいただきたいと思います。④前回監理委員会以降の開催状況、議題及び主な質疑等ということで整理しています。地域連絡協議会ごとにどのような意見が出て、どのように回答したかというのを、主なものを整理しています。
 昨年12月19日、23回の会議では、委員からの意見としては、住民の理解が進んでおらず、議論が終わるまでは工事着工しないということだったけども、それがまだ地域住民の理解が十分なされていないんじゃないかという意見。それから、二つ目として住民の合意がない着工であるといったこと。それから、三つ目は第三者のチェック機関をちゃんと作ってほしいと。四つ目が、住民の合意やこの会議で合意を得るつもりがあるのかどうか。また、これは毎回言われているんですが、アンケートを是非取ってほしいと、こういった意見がありました。これはちょうど着工前のときの委員会ですので、こういった形で、着工についてなるべくもう少し考えた方がいいんじゃないかという感じの意見が出されたということでございます。
 次に2月6日、これは着工した後でございますが地域連絡協議会でどのような意見があったかということですけども、実際に工事を開始しているということで、建設工事の際には振動とか騒音は大丈夫なんですかといった意見。二つ目として、3ページ目の一番下ですけれども、文部科学省が設置する監理委員会の目的に住民の理解等に向けた取組について、第三者の立場でチェックするということが含まれているけども、委員に地域住民の声や活動が伝わっていないのではないか、是非生の声を届けてほしいと。実はこの御意見を受けて、この後、地元で説明会した概要について御紹介させていただくものでございます。
 4ページ目、今年度に入ってからです。第25回をごらんいただきたいと思いますけども、今、中嶋教授から説明がありましたように安全管理に向けた運用に関する事項ということで、これまでの建設とか着工とかそういう議論から少しフェーズが変わりまして、まさに作る以上は安全確保をきちんとやってほしいということでの運用に関する議論をきちんとやってほしいということ。それから、二つ目にありますのが感染症発生予防規程を作成しているとのことだが、いつ頃までに作るんですかとか、あるいは、病原体を持ち込む場合には地域住民の同意を得て進めるべきと、病原体を持ち込むという次のステップに入ったときでの話が出てきたりとか、透明性を持たせるための情報公開をきちんとやってほしいということ。それから、アンケートというのはその次の次ですけれども、また毎回出ているというような、こういう意見がありました。
 それから、先月行われました第26回におきましては、これも実際にできるという前提での質問が多かったと思いますが、特に二つ目ですけれども、この施設を使う研究者の心身の状態に関する確認をしなければトラブルが起こる、あるいは事故につながる可能性が高いということで、こういったものをどのように確認するんですかという意見。研究者の身元確認、これについてはどのようにやっていくんですかということ。万が一のことが起こった場合の事故時の住民への連絡について、例えばということで防災ラジオといったものを設置したらどうですかというような質問が出ました。着工した後は、もう施設ができるという前提での質問が非常に増えてきたというのが地域連絡協議会における一つの傾向ではないかと思います。
 また5ページ目で、最後に地域連絡協議会以外にどのような活動をしてきたかということで、地域住民を対象とした説明会ということで、まず10月27日の、この後に概要を御紹介させていただきます質問会に参加したということ。それから引き続き自治会における説明会とか、高校生との意見交換というような形でも行っているということで、可能な限り積極的に我々も地元への説明を進めているということでございます。また、地域イベントへの参加とか、市民向け公開講座といったものも引き続き積極的に行っているという状況でございます。
 では、資料4-2です。今申しました、昨年10月でございますけども、平野町山里におけます自治会主催の質問会でどのような意見が出たかということについて、若干丁寧に御説明させていただきたいと思います。
 今ごらんいただいている資料は、そのときの議事録をそのまま付けております。若干個人名は黒塗りになっておりますが、これは自治会の方から送られてきた資料でございますので、我々は一切手を入れずにそのままここにお持ちしているというものでございます。
 最初から46ページまでずっと議事録が載っています。その後に、質問会を行うために事前に住民にアンケートを彼らが取ったと、それでどのような意見が出たかというものを意見書という形で付けています。また、58ページ目以降に、この会議が終わった後にこういう感想を持ちましたということで自治会長さんを中心として大学側に意見が寄せられております。この三つの情報をここに添付させていただいているということでございます。
 それで、実際の内容でございますけども、ちょっと飛んで恐縮でございます。5ページ目をごらんいただきたいと思うんですけれども、下のページで5というところです。2行目に住民という方からの質問が出てきています。ここで住民の不安に配慮して住宅地から十分離れた場所に建てる計画はそもそもなかったんでしょうかと。要は坂本に造るということについて、なぜそこなんですかという御意見です。
 それから、次の方からは、原爆によって8万人という尊い命が一瞬に奪われましたと。BSL4施設ができるということで、また新たな脅威が来るんじゃないんでしょうか、こうことを懸念しておりますと。結論としては安全な場所に造ってほしいと、最初のなぜ住宅地に造るんですかというのと同種の意見かと思いますが、こういった御意見が出ました。
 その次、6ページ目も地元の方の御意見として、住宅密集地への建設は絶対に許しませんということで、一番上の部分ですが、こういった御意見がありました。
 これにつきましては、この6ページ目の下から7ページ目にかけて大学から回答しているんですが、これまで何度も御説明しているとおり、坂本というのはいろいろな研究施設もありますし、病院もありますと。それからいろいろなインフラも整っているということで、我々はいろいろなところを考えたんですが、ここに建設することとしましたという回答をさせていただいております。これについては何度もいろいろなやり取りがあったんですが、その後、9ページ目をごらんいただきたいんですけども、先ほどちょっと申しましたアンケートに関する質問も出ております。例えば、9ページ目の上から5行目あたりでしょうか、ある地元の方が地元でアンケートを取ったところ、反対の署名活動を行ったときに365の署名が集まりましたと。
 それで、それから10行ほど飛んで、司会の「以上です」というところの上のところなんですけれども、こういったちゃんとしたデータを持って議論するのが筋道じゃないですかと。地元がどれぐらい賛成しているか、反対しているかというのを、ちゃんとデータでの議論を行うべきじゃないかという質問が出ました。
 これに関連して、次の10ページ目の上から5行目ぐらいですか、市民の設置に関するアンケートを実施して、施設の必要性を問われるべきではないかということで、アンケートを是非実施してほしいというような質問がありました。これについては、同じ10ページ目の下から三つ目のパラグラフ、15行目ぐらいですけども、我々が大学でアンケートを取っても、それを信用していただけるかどうかというのはなかなか難しいと。我々は設置するという意志を持ってやっているわけですから、そこはアンケートをやっても、その結果をちゃんと信用していただけるかどうかというのはなかなか難しいんじゃないかということで回答をさせていただいております。
 11ページ目に飛びまして、その上のところでも、我々はアンケートを行いませんけれども、パンフレットの類い、あるいは説明会とか、あるいはフリーダイヤルの設置などもして、皆さんの御意見があれば、それは真摯に受け止めさせていただきたいということも併せて説明をしているところでございます。
 11ページ目の下から5行目あたりで、本当に感染症の研究が必要であれば、長崎ではなくて、それが起こっている現場、はっきり言うとアフリカとかそういったところで研究すればいいんじゃないですかという意見も出ております。特にこういうことをおっしゃる方は毎回おられるんですけれども、ここでもそういう御意見が出ました。
 次はちょっと飛びまして15ページ目をごらんいただけますでしょうか。アフリカで行うべきだというこの意見に対してなんですけども、15ページ目で安田先生から回答していまして、アフリカというのは政情が安定していないとか、あるいはBSL4施設をちゃんと安全に稼動させるということであれば、いろいろなインフラが整っているという意味からも当然日本で行うべきだと、こういうことを説明しております。
 16ページ目に行きまして真ん中あたりです。やっぱり住民が多いところでやるというのは非常に不安ですということで、先ほどの住宅密集地でやってほしくないといった意見、これもまた同じような意見が出されたりということがありました。
 その16ページ目の下の方でちょっと違う意見が出まして、要は地域連絡協議会で行われている議論が末端の住民の方までは届いていないと、これは改善してほしいというようなちょっと違った形での意見がありまして、それもある意味で新しい意見として出されております。
 18ページ目の下から6行目ぐらいで、司会の方がおっしゃっているんですけども、こういった情報が自治会長とか副会長までは来ているんだけども、そこで止まっていると。そこから下に下りてきていないというのを是非改善すべきではないでしょうかというような御意見がありました。
 これについての回答としては19ページ目なんですけども、自治会の中でどのような情報を展開されるかというのは、大学が何かああしろ、こうしろというものではないんじゃないかということで答えておりますけれども、これにつきましては、大学としてもこの地域連絡協議会も含めたいろいろな情報発信の状況について、活動の状況を地元の方にお知らせするやり方を改善していくべきだろうということで、今検討を進めているところでございます。
 それから20ページ目です。住民の方からの意見で、観光地である長崎でこういう施設を造るのはやめてほしいということ。それから、真ん中あたりでしょうか、こういう施設を造るのであれば、例えばということで地下とか、そういう目立たないところに造ってくれるというのも一つの方策としてあるんじゃないでしょうかという意見も出ました。
 駆け足で恐縮ですけども、21ページ目から22ページ目にかけて出たのが、この施設ができることによって地域住民が不安、精神的なストレスを常に持たなきゃいけなくなるということについての懸念といいますか、それを心配しているというような御意見もありました。これにつきましては、22ページ目の真ん中、これは調先生がお答えになったんですけども、個人的なことを言えばということで、こんな危険な施設を造るようなことは考えておりませんと、当然安全には万全な配慮をしてまいりますというような答えをしたところであります。
 それから、24ページ目の第2パラグラフです。上の方ですけれども、これもアンケートにつながる話なんですけども、どれぐらいの反対、あるいはどれぐらいの合意であれば造れると思っているんですか、どれぐらいのパーセンテージであれば大学としては進めると思っているんですかと。要は100%というのはあり得ないにしても、多分言いたいことは半分以上の方が賛成するとか、ある割合以上の人が賛成しているという状況じゃないと、このプログラムを進めるのは適切じゃないんじゃないでしょうかというような御意見が出たり、あるいは24ページ目の下ですけども、先ほど言いましたように、施設ができれば毎日ストレスを抱えて生活しなきゃいけないと、寝ても覚めてもあの建物があると、こういった不安な生活を私たちは過ごしたくないといった御意見が出されたりしております。
 27ページ目にストレスといいますか不安に対する大学側の回答ということで、我々としてみれば少しでも信頼していただけるように努力していきますと、そういう説明を尽くしますといいますか、誠意を尽くして説明していきますというような回答をしております。
 29ページ目です。これもまたちょっと違う視点からの意見だったんですが、当時、免震装置のデータ改ざんの話がありまして、こういったデータの改ざんとかが心配ですねと。それから、ミサイルが飛んでくるといった脅威といいますか、そういったものについての不安がありますということを主張されている方もいました。
 そういう議論があった後、29ページの下にあるんですが、最終的に坂本に設置するということについて納得がいかないというのが自分たちの気持ちだということを下から6行目ぐらいでしょうか、そういうことをおっしゃっている方もいました。
 それから、30ページ目の上から5行目ぐらいでしょうか、今長崎大学でやっている人たちは一生懸命やっているかもしれないけれども、その次の人たちになったときに安全に関する文化をどうやって継承していくのかと、それが非常に重要ですねと。これはもう先ほども委員の皆さんから御指摘いただいたんですが、こういった意見が地元からも出されているということでございます。
 ちょっと飛んでいただいて34ページ目をごらんいただけますでしょうか。2行目から3行目ですけども、この施設ができたときに、この施設を是非視察させてほしいといった御意見。それから、下のところの住民の御意見なんですけども、学術会議のガイドラインについて、これをちゃんと遵守するようにといった、これも何度も出ているんですが、こういった御意見を言われる地元の住民の方もいらっしゃいました。
 37ページ目の下から20行目ぐらいでしょうか、先ほども言いましたが第三者チェック機関を是非置いてほしいと。こういった施設を造るんであれば、そういった第三者のチェックが必要だから第三者チェック機関を作ってほしいという御意見が出されました。これについてはその後に回答しておりますけども、まさにこの監理委員会とかそういったものが第三者チェック機関になりますよということで、42ページ目で回答しております。
 戻っていただいて恐縮ですが、40ページ目です。上のところの住民からの意見で、長崎大学の説明というのは非常によくなされていると。上手に文書は構成されていますけども、説明は立派かもしれないけども、どうしても納得できないです、ちょっともう気持ちとして納得できませんと、こういった御意見を言われる方がありました。
 44ページ目に飛びますけれども、ここでの意見は、こういった大事な話であるんだから、このときは実は調先生以下が出席していたんですが、学長が出てくるべきだといった意見です。こういうところにちゃんと顔を出して、どんな意見を持っているかを言ってほしいと。工事の着工は、このときはちょうど工事に着工する前だったものですから、工事を着工するというのは再考してくれ、こういうことを強く意見としておっしゃっていたということです。
 駆け足で恐縮ですが、このときは、従来の説明会ですと、大学側から資料を持って、こういうような安全とか考え方を説明した上で議論するんですが、このときは大学側から何の説明もなくて、ともかく住民が思っている不満を聞いてくださいという形で、今申し上げたような意見がどんどん出てきて、それに対して大学が答えるという、これまでの説明会とはちょっと違う形で質問会を行ったものでございます。
 実は、今申し上げました内容につきましては、48ページ以降の意見書というところにほぼ網羅されております。今申しました内容がここに1番からずっと55番まで意見が並んであるんですが、そこに今申し上げた内容はほぼ網羅されたような意見になっております。
 それから、58ページ目以降に先ほど申し上げましたように終わった後に自治会長から、この質問会に対する意見ということを出されています。59ページ目に質問会を終えての意見書というのが出ているんですが、①で立地について、なぜ坂本キャンパスか、②でアンケートについて、③で平和町自治会、④で住民の抱えるストレスについて、それから61ページ目に行って情報公開及び外部からのチェック機関についてという形で、出た人なりに出た意見を整理して、我々の方に送ってきてくれたというような状況になっております。
 なお、実はこの質問会は、山里中央と平野町というキャンパスの横に隣接している自治会の方が主催で行った質問会で、当然周辺住民の皆様が主に出てくるということを想定していたんですが、大学側で把握している数字でいきますと参加されたのは44名、うち男性が18名で女性が26名だったんですが、その当該地区以外の地区からも多くの方が参加されています。
 駆け足で恐縮ですが、このときの質問会の様子について、以上のとおり御説明させていただきました。
  雑駁な説明で恐縮でございますが以上です。
【笹川主査】  ありがとうございます 私も今回、この会議の前に住民の説明会の議事録は最後まできちんと読んでまいりまして、どういうようなお気持ちか、それから住民の方がどういうことを不安に思っているか、よく分かりましたし、今日またこの委員会で詳細な説明をしていただきまして、住民の不安がどういうところにあるかということもよく分かったところでございます。
 難しいのは、安全と安心を切り離して議論されていなくて、最終的には安心をどのようにして大学側が住民側に寄り添ってこれからも説明していく、それから必要な情報は適宜提供するというようなことをしながら進めていくことが一番大事かなと思っております。自治会副会長様の最後にまとめていただいたものは、大変御自身もお忙しい方にも関わらず、このような形で要約してまとめていただきまして、監理委員会としても敬意を表したいと思います。
 委員の方から何かございますでしょうか。
【平尾委員】  特段質問等はないところでありますが、今回初めて参加させていただいて、非常に丁寧に何回も説明会を開催されているんだなと思いました。その点については本当に敬意を表したいと思いますし、大学が御努力されているんだなと思います。
 議事録を拝見すると、住民の方々のお気持ちもなかなか複雑な思いがあるのは当然のことなので、これは丁寧に繰り返し説明するほかはないんだろうなと考えております。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 他はいかがでしょうか。よろしいですか。
 これは建設前の、直前までの説明会の議事録でございますので、またその後、少しずつ理解が深まって、溝が埋まっていけばいいと思います。私ども監理委員会としましても、住民の理解というものがどのような形でこれから深化していくか、長崎大学はまたそれに対してどのように対応していくかということは十分見守っていきたいと思っております。
  全体を通しまして何かありますでしょうか。
【山口参事官】  内閣官房事態室というところは、国の緊急事態みたいなものが発生したときに対処するところでございまして、いろいろな立場があるんですけれども、今回の件でいいますと、感染症のようなものが日本で起こることを防ぐという観点ではどんどんやってくださいという話なのかもしれませんが、他方で、災害であるとか事故であるとか、もしかしたらテロであるとか、そういったことが起きた場合には、まずそれを起こさないようにする、起きた場合の影響を最小限にするということが必要になってくるという観点で、何点か御質問と、あと御確認をさせていただきたいことがございます。
先ほど冒頭、河本委員からのお話にあった、外から見える、見えないみたいな話がございましたけれども、建物の見取り図であるとか、中の構造図みたいなものというのは、どの程度住民説明会などで外向きに説明されていると理解したらよろしいでしょうか。
【長崎大学】  設計図面については、既に情報公開請求が来ておりまして、それに対して、BSL4を含めた実験の平面プランが分かるような部分等は全て黒塗りで公表しているというところで、中の平面動線が分からないような状況でしか公表しないという姿勢を今、取っているところです。
【山口参事官】  どこが入り口で、どこをどうたどっていけば中にたどり着くということが、分からないようになっていると考えてよろしいんですか。
【長崎大学】  はい。
【山口参事官】  他方で、今のアンケートとか住民説明会での議論でいくと内部の見学という話が出てきていますけれども、内部の見学ということと、設計図面みたいなもの、内部構造をお知らせしないということのバランスといいますか、整合みたいなものはどのように取られるつもりですか。
【長崎大学】  竣工後には、地域住民の方からの強い要望もありまして、中も見せてほしいという御意見を伺っておりまして、我々としても地域の小・中学生への教育とか、この施設は地域住民の方に誇りに思っていただきたい、ドイツやアメリカでは、カナダもそうですけれども実際そういう施設になっておりますので、できるだけ研究成果も含めてこの施設を住民の誇りにしていただきたいという思いから、施設ができたときには公開して見学していただくという方向でおります。
 ただし、先ほどの御質問ですけれども、図面を全部出してしまって、それを見ながら中に入っていただくと、もう本当に全てがつまびらかに分かってしまうので、図面というものに関しては後で残るような形になってしまいますので、それについては公表しない。中で見学していただく場合も写真撮影とかは一切禁止するというようなことで、一応住民への公開というのは検討しております。
【笹川主査】  感染研はいかがですか、西條先生。
【西條部長】  感染研の方も、これまで見学会は結構多く開催しておりまして、BSL4施設内に入ってもらって、そしてBSL4施設の構造を説明したり、中に入るためのプロセスについて説明したり、それらに加えてオートクレーブといった使用されたものを滅菌する機械について説明するなど、ほとんどのことは全て見学会等で紹介しています。
 感染研のBSL4の実験室の構造自体も別に秘密にしているわけではありませんが、例えば先ほども言ったとおり病原体がどこの冷凍庫にあるか等の情報については公開しておりません。ただ、できるだけオープンにするというのが感染研の基本的な考え方です。実際に感染性のウイルスが所持された場合には、一般の方にBSL4施設内に入ってもらうことができるかというと、それは難しいかもしれませんが検討しなくてはいけないと考えています。ただし、できるだけ公開していくという姿勢で対応していかなければならないと考えています。
【山口参事官】  住民の方に理解を頂くという話と、他方でテロ対策上、秘密にしなければならない話というのは、非常にバランスの取り方が難しい話ではあるんですけれども、テロ対策上、どうしてもここだけはというところはありますよね。そういったところについては、有識者の委員の皆様であるとか、あるいは関係省庁、警察も含めてかもしれませんけれども、そういったところにいろいろ御相談いただきながらきちんとした線引きをしていただくということが必要かなと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
【笹川主査】  ありがとうございます。大変大事なところです。
【山口参事官】  それと、これは役所の中の話であるんですけれども、緊急時の対応に関して、大学でいろいろお考えになっているということは資料を拝見して分かったんですけれども、他方で国の支援といいますか、長崎大学を所管するような立場になる文部科学省であるとか、施設の許可といいますか、指定を行う厚生労働省であるとか、そういったところが、こういった事案が起きたときに何か役所として、国としてどういう支援あるいは対応策みたいなものを出していくか、その辺については何かプランというものはあるんでしょうか。あるいは、長崎大学との間で話は進んでいるんでしょうか。
【吉田戦略官】  全体の総論については、関係閣僚会議で決定されている国の関与についての中で、そういった事故が発生した場合の総論的な部分の対処の仕方が決まっております。国の関与は内閣官房国際感染症対策室が中心となって取りまとめられたものでございますけれども、まだ詳細についてどうするのかというところについては、これから大学とも協議し、当然関係省庁とも相談しながら決めていくということになると思います。
【山口参事官】  それと、最後にもう一点なんですけど、今日お話のありました安全管理規則に関してなんですが、これはあくまでも感染症法上の話ということで、厚生労働省で御確認されて、審査されるということでよろしいんでしょうか。
【梅田管理官】  そうです。
【山口参事官】  それに関連して、立入検査みたいなものを行うのも厚生労働省になるのでしょうか。
【梅田管理官】  感染症法に基づいて、査察、立入検査を行っていくということになります。
【山口参事官】  ありがとうございます。
【梅田管理官】  先ほど少し御質問いただいたことに補足させていただきますと、もし万が一問題が発生したときの対応として、説明でもございましたように、感染症法に基づいて事故届出等についてはすぐに届け出なければいけないということが定められていますので、そういう対応を我々としても支援していくということになってございます。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 感染研の場合と、長崎大学の場合には監督省庁も違いますので、緊急事態の対応も異なってくるかと思いますけれども、いかがですか。
【長崎大学】  緊急事態の対応については、所持施設として行うべき対応、それからあと所管省庁である厚生労働省がどういう対応をするかというのはガイドライン的なものというので示されておりまして、我々、規則ができた段階においては、そういったところを順次詰めていく必要があるかと考えております。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 では、春日先生お願いします。
【春日委員】  多分、今の内閣官房からの御質問は、資料3の5ページの図でいきますと、厚生労働省、警察庁は感染症法に基づいてしっかりと関係がはっきりしている。でも、この監理委員会が置かれている文部科学省との間は矢印で意見等ととなっていて、万が一のときの報告連絡等もはっきりしていないのではないかという御懸念があるからかなとも思いまして、私もちょっとだけ気になっていたんですけれども、そこは多分これから規則の段階なのか、細則の段階になるのか分かりませんが、文部科学省との連絡体制ということもどこかで整理していただく必要があると思います。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 平川さん、どうぞ。
【平川委員】  2点ありまして、一つは先ほどの住民からの自治会の意見を見ていて思ったんですけども、59ページのところで山里自治会の副会長さんからの御意見の中で、例えば①の下のところで、「しかしながら、実験中の針刺し事故に対応するとは、研究者の安全・生命を守ることが最優先されており、大学側の論理ではないのか」という形で言われていて、これは、本来はリスク管理全体の中で、まずはそういう実験者の安全を守ることが最終的にはというか、そこからリスクが広がることなので、ここはもう本当に一番最初のところで守らないと、ここで守らないと住民を守ることにならないんだという、本来はちょっとリスク管理のストーリーとして個々のものが全部ちゃんと住民の安全を守るというところにつながっているんだよというところが何か見えていないのかなと。そういう意味では、説明の中でうまく大学の、例えば研究者を守るということは、それはそのまま住民の皆さんを守ることだというつながりがうまく伝わっていないなという感覚が、実際にやっていておありになりますでしょうか。何か住民の方たちは、割ともう大学対住民みたいな形の図式で完全に捉えてしまっていて、そこが一体であるというところがなかなか埋まっていないのかなと思ったんですけども、その辺、御実感としてはいかがでしょうか。
【長崎大学】  住民の方もいろいろな方がおられまして、我々の説明をそのまま素直に受け取っていただける方、まさに平川先生が御指摘いただいたように、我々も、この施設の外に病原体が出るとか、外の人が何らかの感染するリスクというのは、考えられるのは実験者が針刺し事故等で感染して、そこから移る可能性、それは申し上げています。ですので、ロジックとしては実験者が感染しないようにすることがまずは極めて重要であるというのは再三にわたって説明させていただいています。
【平川委員】  もう一点が地域連絡協議会、ちょっとした事実確認的なことなんですけど、この協議会は建設が終わって実際に施設が稼動した後もずっと続いていくものと考えておられるんでしょうか。
【長崎大学】  形は多少変わるとは思いますけれども、建設が終わった後、さらには稼動を開始した後も地域の方に入っていただく協議会のようなものは残すつもりでおります。
【平川委員】  ちょうど一つの参考事例として、例えばフランスで原子力施設、発電所の近くとかには必ず地域連絡委員会、地域情報委員会というのを作っていて、それが住民の代表の方であったり、その中には当然反対の立場、否定的な立場の人たちも入れて、さらにほかにもいろいろな、県庁であったりとか、場合によっては議員さんであったり、いろいろな立場の人たちを入れて、そこで安全管理についての、実際に今、施設としては今月こういう案件が、研究実験をやって、それに関してこういう安全管理の手続を行ったりとか、あるいは安全のための講習をこうやっているとか、そういうことをちゃんと丁寧に報告して、それで長期的に信頼関係を作っていくということが結構重要だと言われていますので、この地域連絡協議会がそういう場として建設後も、稼働後も機能するといいかなと思いましたので、ちょっと伺ってみました。ありがとうございます。
【笹川主査】  ありがとうございます。
【堀委員】  先ほど、内閣官房の山口参事官から御指摘のあった点なんですが、何か起きたときのバックアップというか、国のバックアップの件に関しては、今回のこの監理委員会のイシューに入っていないような気がします。原発事故の例を取ると異質かと思うんですけど、事故が起きないようにしようと、それが起きないようにする監視の委員会としての役割はあると思うんですけども、起きた後の補償とか、あとは地域住民への、例えば感染症になると移動制限とかそういった話が出てくると、ここの委員会のイシューを超えるような気がします。なので、今までの過去の議事録も公開されていますけども、先ほど御指摘があったような事態に関しては、我々は明確には指摘はしていません。
【笹川主査】  ありがとうございます。
調先生、どうぞ。
【長崎大学】  今の議論の中の話に関連するかと思っているんですけども、一つは169個の考えられるリスクについてリストアップして、もちろんこれが最後ではないんですけれども、それに対して今後その対策、予防策のようなことを考えていくというフェーズに我々はおりますけれども、それぞれのリスクの中で結果的に何が起こるのかというときに誰がどうしなきゃいけないかという議論は具体的にはこれからやるということだと思いますし、これは大学だけがやる話ではない。住民が避難しなきゃいけないような事態が想定されるとすれば、これは例えば地元の長崎市がかなり頑張っていただかないと物事は動かないわけですから、この地域連絡協議会という協議会の上に長崎市と長崎大学と長崎県で作った協議会を置いてありまして、不定期ですけれども開催しているところで、ここの課題としてそういうものが出てくるというふうに、今後の具体的な検討課題になっておると言えると思います。
 もう一つは、住民と議論を積み重ねる中で、大学というのは国立大学法人で、もはや国ではないと言われたことがあるんですけど、それはおっしゃるとおりで、国がもっと前に出てほしいと、感染研は国だろうというお話を頂いた中で、地元の県市からも国にもっと前に出てほしいという要望が上げられて、内閣官房の国際感染症の室長さんが座長になって、私と副知事と副市長が委員になって年に一度会議をやっていただいていて、これは稼動後もやると言っていただいていますので、そういう大学の権限を超える国の責任がどうのこうのというようなことを含めて、私はその委員会がもし何かあれば機能していくと理解しています。
【笹川主査】  ありがとうございます。
【平川委員】  特に先ほど御指摘のあったところで堀先生がおっしゃったことで、この監理委員会の所管を超えているようなところとして、住民の安全確保のための移動であるとかとなると、それは県の取組が必要なわけで、そういう人たちも入っている場というのがかなり大事になると思います。全般的にちゃんとケアされているんだということが信頼醸成となっていくと思います。
【河本委員】  ただ、その場で緊急事態が起こったときにどう対処するかということがきちんとアジェンダに上がっていないといけないということでありますね。
【平川委員】  ええ、そうですね。
【河本委員】  結局、ここで議論しているのはいかに安全にしますかという議論をしていて、先ほど先生がおっしゃったように起こったときにどうするかという議論ってなかなかしづらいところがあります。じゃあ、それは誰が議論するんですかって必ずなるんです。今おっしゃったように長崎大学であったり、それから県や市であったり、あるいは緊急事態を所管している消防であったり警察であったり、そういうところも巻き込みながら、じゃあ、緊急事態があったときにどう対処するのか、その準備は誰がやるのか、訓練はどうするのかという、多分その枠組みってなかなか難しいし、決まったものはきっとないんです。だから今、調先生がおっしゃった枠組みの中で、そういうことも是非御検討いただくというのがあるのかなという気がします。
 多分、基礎自治体である市であったり、あるいは県であったりが恐らく中心にならないと、ほかのところを緊急事態対応で引っ張っていくってなかなか難しいと思います。これはこの問題だけではなくて国民保護の緊急事態だってそうですよね。基本的にはどこかが中心になって動くんだけども、なかなかそれがうまく動かない、だから緊急事態に対応できないというのがあちこちで散見されますので、これに関してはと言ったら変ですけど、きちんとそこを考えておきましょうねということも、それは長崎大学が引っ張っていくのかどうか分かりませんけども、そういうことも考えておく必要があるのかなという気がします。
【笹川主査】  ありがとうございます。 先ほどの話に戻りますが、地域住民との連絡協議会は、感染研の例を見ていましても、私もそちらのメンバーに入っていますけれども、この委員会ももちろんずっとまた形を少しずつ進化させながら続くんだと思いますが、それはもう十分御承知のことだと思いますので繰り返しませんけれど、これからもまた引き続き長いお付き合いを続けていく中で、住民から最終的には理解を得られるようになると一番いいと思っております。
【長崎大学】  今のことについてですけれども、地域連絡協議会の中でもだんだんそういう意見が出るようになっておりまして、例えば小・中学校の関係者がここにはいないじゃないかとか、そういう意見も出ました。
【笹川主査】  感染研の方は小学校は入っていますよね。校長先生。
【長崎大学】  校長先生が入っておられる。それもその場で御紹介した上で、検討課題ですねという話をしているんですけど、どの段階でどういう形に変えるかという議論は今後の課題というところです。
【西條部長】  感染研の連絡協議会には、隣の小学校の校長先生や養護学校の校長先生に加わってもらっています。また、そういった交流が基となって、感染研のスタッフに勉強会というか、キャリアの勉強会みたいな、講師を学校から依頼されてそれに応えるなど、そうした交流が広がってきています。
 ただ一方で、そういった連絡協議会、それからいろいろなところで説明会も開催しているのですが、それでも実は多くの人は余りこの情報に触れていない、情報が届いていない方々が多くいるということも実感しております。感染研でもこれからもそういった方々にどう説明する機会を得ていくのか考えていなければならないと思っています。これは感染研の中で話し合った案件ではありませんが、これは個人的な意見とさせていただきたいのですが、説明会を繰り返して開催しても集まってくる方は少なかったりします。説明会にアクセスしていない方にBSL4施設関連の情報をどのように伝えていくのかという問題は、これからも継続して考えていかなければならないかなと思います。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 先ほどの訓練とか、SOPをどのように守っていただくという点について、話を聞いていますと長崎大学の研究者だけをイメージしがちなんですが、もともとこれは共同研究拠点ということで始まっておりますので、いろいろな方がこの施設を利用するというときには、またもう少し進化したSOPその他の規則も必要になるかもしれません。身元調査も含めまして、それはこれからの課題だと思います。
私たちアカデミアとしてはなるべくこれを活用して、日本からいい成果を出していただきたい、そういうような形でまたいろいろな多様な取組、活動もあるかと思いますので、まだ竣工までに時間がございますので、是非よろしくお願いいたします。
 何かほかにございますか。ないようでしたら、時間でございますので事務局にお戻しします。
【岩﨑企画官】  本日は、貴重な御意見をどうもありがとうございました。
 次回の監理委員会でございますが、長崎大学の取組を見ながら別途調整させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【笹川主査】  それでは、第7回の委員会を終了させていただきます。先生方、皆さん、御協力いただきまして大変ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

お問合せ先

研究振興局 研究振興戦略官付

(研究振興局 研究振興戦略官付)