長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成30年12月5日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 研究振興局会議室(17階)

3.出席者

委員

(委員)笹川主査、春日委員、加藤委員、堀委員、筧委員(欠席:櫻井委員、河本委員、平川委員、小松原委員)
(説明者)長崎大学 喜田感染症共同研究拠点長、調学長特別補佐(感染症共同研究拠点・核兵器廃絶研究担当)、二村副学長(BSL-4施設設置計画担当)、長野施設部長、深尾感染症共同研究拠点地域連絡部門長、安田感染症共同研究拠点BSL-4施設設置準備室長、中嶋感染症共同研究拠点施設・安全管理部門長、早坂感染症共同研究拠点施設・安全管理部門准教授

文部科学省

磯谷研究振興局長、千原大臣官房審議官、吉田研究振興戦略官、藤井大臣官房文教施設企画部計画課長、西井学術機関課長、高城先端医科学研究企画官

オブザーバー

山口内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)付参事官、安居内閣官房国際感染症対策調整室参事官、木村内閣官房健康・医療戦略室参事官、磯貝厚生労働省結核感染症課情報管理官、西條国立感染症研究所ウイルス第一部・部長

4.議事録

【笹川主査】  それでは、定刻になりましたので、第6回の監理委員会を開催させていただきます。本日の議事、最初は、今後の主なスケジュールということでございます。資料2について、長崎大学より御説明をお願いいたします。
【長崎大学】  長崎大学の担当副学長をしています二村でございます。よろしくお願いいたします。
 今、座長から御案内ありましたように、今後の予定、それから現在の状況について、概要を御説明したいと思います。
 まず資料2でございますが、この資料は先日11月に行われました地域連絡協議会で配った資料と同じものを添付させていただいております。今年度、2018年度以降の主な予定、まだ決まっていないところもあるわけですが、およそこういう流れでやっていくということで、地元の方々にも御説明した資料になっております。
 まず2018年度のところの一番上の設計という矢印が途中で終わっておりますけれども、これは先日の地域連絡協議会におきましても、既に報道等で御存じだと思いますが、本学の学長の方より、これまでいわゆるハードに関する議論というのは一段落したということをもって、状況が整えば年内にも着工をするという宣言を行ったということで、設計については2018年度で一旦終わって、今後建設のフェーズに入っていくということで、矢印が引いてあるところでございます。
 この施設につきましては、予算等でも御案内のとおり4年度掛けまして2021年度まで建設を行います。その後、試運転、それからこの赤い2021年度以降という波線のところになりますけれども、いわゆる厚労省によります施設の指定等といった手続を経た上で、段階的な稼働を進めていくというようなものを紹介させていただいています。これがハードの今後のおおよその流れでございます。
 その下の段にありますけれども、このハードに付随しまして、来年度以降、施設従事者に対する教育訓練といった、実際に動かす人たちの訓練とか、あるいは人の確保といったものに移っていくというようなことも並行して始めるということです。
 それから3番目の矢印でございますが、これにつきましては既に地域連絡協議会等におきまして芽出しをしておりますけれども、安全管理マニュアルとか、あるいは緊急時対応、人物審査とかいう、いわゆるマニュアル、あるいは実際に整備しなければいけない書類、我々はソフトと言っていますが、こういったものの検討・調整を並行して行うということをこの資料で示しております。それで、2020年度以降のこの施設の指定等に向けて活動していくということ。これがおおよその流れになっているということを、前回地域連絡協議会で紹介しております。
 また、下半分の大きな矢印でございますが、これは地元への情報提供・協議ということで、今回施設を建設するということを宣言したわけでございますが、いわゆる地域の方々への情報提供というのは今後も引き続き、例えば地域連絡協議会とか説明会を通じて積極的に対応していきますと。そのときのいろいろな質問に対しても、当たり前ではありますけれども、一つ一つ丁寧に答えていきますよ、ということ。それから、いろいろな情報公開、特に今回やりましたのは、施設ができた際の公開とか見学といったもの、いわゆるそういった施設に関する情報を積極的に公開していくということをこちらの方から説明をしたということで、今後、およそこのラインに沿って、BSL-4のスケジュールを進めていきたいというふうに本学としては考えているところでございます。これが1点でございます。
 関連しまして訴訟の話でございます。一部の周辺住民らが11月16日に、大学、県、市に情報開示を求める訴訟を長崎地裁に起こしたということです。私どもとしましては、こういう訴訟が起こりましたものですから、これについて我々として適切に対応していくということで、今、その調整を進めているというところでございます。1つ動きがあったということで御紹介をさせていただきたいと思います。
 それからもう一つ、これ資料がなくて恐縮でございますけれども、前回堀委員の方から、いわゆるワンウエイについての御指摘を頂いたかと思います。これにつきまして、前回の会議以降、本学の方で状況を確認いたしましたところ、いわゆる基本設計を行った際に、いわゆるワンウエイの可能性について検討したということは実際ございました。ただし、各国のBSL-4施設の実績ですとか、あるいは今回長崎大学が設置しますBSL-4施設が、その陽圧防護服がいわゆる使い捨てではなくてもう一回再利用するというような、こういった除染をしてまた使うというようなことから、結局、薬液シャワー室などにおいて動線が交差するということが明らかになりましたことから、かなり前ですが、御説明させていただいたような、ああいった形の設計になったということで、確認をいたしましたので、現在の動きではございませんが、前回の宿題事項としてあるかと思いますので、この場で御説明をさせていただきたいと思います。
 簡単ですが以上です。
【笹川主査】  ありがとうございました。
 今の御説明につきまして委員の先生方から何か御質問等ありますか。
【堀委員】  では、宿題をしてきていただいたので、その件に関してアンサーを。
 一応、事前にまた御説明いただいたもののほかに、実は基本設計の段階で、ワンウエイを行うことに関しても検討したと。スペースユーティリティーの問題とか、実際の使い勝手であるとか、様々な今御説明されたものを勘案した中で、最善の策であるという原案に落ち着いているという説明に関しては了解できるものでありますので、この件に関しましては、了解したということで、私はコメントを述べたいと思います。
【笹川主査】  ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。ほかの先生の方から何かありましたら。よろしいですか。 春日先生は。
【春日委員】  訴訟の件なのですけれども、差し止めよりはもう少し答えやすい形の訴訟になっているのかなという気はするのですけれども、今の段階で何ともお答えにくいところはあるとは思いますけれども、そのあたりの感触は今、お答えいただける範囲内ではいかがでしょうか。
【長崎大学】  訴訟本体につきましては今後のことがございますので、直接どうするというのはお答えできないのですが、大学といたしましては、情報公開というのは当然できるものは全て公開するという考え方で進めています。もちろん、セキュリティーですとか、幾つかの問題があるものについては公開できないというのは当然あるわけですが、基本はハードの面もそうですし、今後整備する予定にしていますマニュアル関係にしましても、ある程度のところまではきちんと公開していくという原則で進めていきたいと思っております。
【春日委員】  ありがとうございます。
【笹川主査】  今回の一番のポイントはやはり、住民に対する理解をどうするか、これは今後もずっと引き続きやっていただくことになると思いますけれども、やはりそれ時々に応じて住民の懸念というのも変わってまいりますので、その都度やはり丁寧な御説明をしていただきたいというふうに思っております。
 ほかの方、いかがでしょうか。長崎大学以外の方で何かあれば。もしコメントございましたら、よろしいですか。また何かございましたら、最後に意見を出していただきたいと思います。
 それでは本日の議事でございますけれども、地域における理解促進に向けた取組ということで、資料3-1から3-5につきまして、長崎大学より御説明をお願いいたします。
【長崎大学】  それでは私、地域連携部門長の深尾でございます。
 地域理解の促進に向けた取組でございますけれども、1ページ目、長崎市長から長崎大学長への要請ということで、地域理解の取組については以下のとおり要請が行われております。2月2日に行われた市長と地域住民との話し合いを踏まえて、地域とのコミュニケーションをしっかり取って頂きたいと。その中でも、地域連絡協議会は重要な場所となるのでこれからもしっかり取り組んでほしい。地域との共生を計画的に進めて頂きたいというような内容になっております。
 河野学長からは大学の説明、私、実はこの部門に来る前は長崎大学の広報担当をしておりまして、2010年以降、BSL-4には関わってきたわけなのですけれども、ずっと広報活動の中では様々な情報を提供してきておりました。ただ、それでもまだ聞いたことがないという方が実際にはいらっしゃる。そう仰る方もいらっしゃいまして、新聞等、あるいはテレビ等でも頻繁に取り上げられている話題ではあるのですが、そういう方々を含めてしっかり説明を繰り返していきたいというふうに、河野学長からは田上市長に回答させていただき、我々もそれに従って十分な取組をやってきているというふうに思っております。訴訟の話は先ほどありましたけれども、透明性をなるべく高めるということで、様々な会議の様子についても情報は提供しております。
 とは言いながら、実際に印象に残らない、あるいは大学がやっていることだからということで、素通りをされる方も随分いらっしゃるのは間違いなくて、そういったことがないように丁寧に説明をしていきたいというふうに考えているところです。
 地域連絡協議会につきましては、次のページをごらんいただきたいのですが、2ページ目、平成29年7月4日、基本構想について、委員からの質問・意見への回答ということで、地域連絡協議会を開催。その後もずっと地域連絡協議会を開いております。現在までに22回の地域連絡協議会を開催しておりまして、このページの下の方にありますが、11月14日に、今後のスケジュールについてということで開催し、河野学長から、着工をしますという宣言を住民の方に対してさせていただきました。
 地域理解の促進をする必要ということで、こういう地域連絡協議会での活動と別に、説明会であるとかイベントというものも繰り返し開催をしております。11月14日にこの地域連絡協議会の場で河野学長が着工を宣言させていただいたのですけれども、そこに向けては、大学からより丁寧な説明を何重にもやっていく必要があると。要するに、長崎市民、長崎県民がみんな知っておいてほしいと考えて、新聞記事の広告というのを出しております。「BSL-4施設の役割と展望」という新聞広告を9月29日付けでカラーで、県紙の長崎新聞に掲載をさせていただいたと。これは、長崎新聞側からも、厳しい質問を用意するので、その厳しい質問に答えるような形で、是非県民の皆さんに意見を発してもらってはどうかという提案がありまして、徳永さんという長崎新聞の論説委員も務められた方の質問に調学長特別補佐が答えるという形で準備させていただいた。
 先ほどの資料の3-1に戻っていただきたいのですが、こういう活動を続けていきながら、資料の4ページのように、住民説明会を継続的に開催しております。7月31日と8月2日には少し広域の人たちを対象とした説明会を実施しております。そういったこととは別に、マスメディア向けの勉強会、メディアの方が頻繁に長崎も替わられるものですから、マスコミの方に対してBSL-4の勉強会というのを開いています。また、先ほど申し上げましたように、11月14日の河野学長の着工宣言に向けて、長崎県内のさまざまな層に情報を届けたいということで、8月から12月に掛けて地元の経済団体や医療団体の方々を対象に、特に会長さんであるとか事務局長さんであるとか幹部の方々を中心に説明会を開催させていただいて、これには延べ222名の方に御参加いただきました。そういうことで、情報が各層に流れていくというようなことを意識しながら説明会の実施をしているところです。
 こうした施設に関する説明会とは別に、大学の先生方の顔は実はよく知られていなかったりしますので、顔が分かる関係を作りたいということで、地域イベントへの参加というのも進めております。コーポレート・シチズンシップという考え方を少し大事にしていきたいと。顔の見える関係を作りたいということです。昨年の12月17日にはクリスマス会で、調学長特別補佐がサンタ役をやったり、今年も10月13日に「わくわく秋祭り」というものに大学としても参加をして、こういったところに大学の教員だけではなくて留学生とかも参加をして交流するというようにしております。
 それ以外にも、市民向けの公開講座ということで、5つの公開講座を今年も実施したのですが、特に11月9日の市民公開講座は電車の中吊り広告も展開をしまして、長崎大学の良順会館というホールがあるのですけれども、206名の参加がありました。南アフリカ共和国のパウェスカ先生という、BSL-4施設の施設長の方に来ていただいて、日本熱帯医学会との連携で実施をしたものですけれども、国を守るという観点から考えてもBSL-4施設というのは絶対必要なんだよということをここで話をしていただいて、参加していた高校生からもすぐに手が挙がって、自分はこういう研究をしたいんだみたいな声も上がって、非常に好評の公開講座となりました。
 こういった取組をしつつ、先ほどちょっと申し上げたような、地元の経済、医療団体を対象とする説明会を開催させていただいたことで、参考資料1をごらんいただきたいのですが、11月13日に、『長崎大学による感染症研究及び人材育成の早期強化に関する要望』ということで、医療、経済団体から要望書を御提出いただくということがございました。参考資料1の3ページ目からを見ていただくと、長崎県医師会、長崎市医師会、県の歯科医師会等、長崎県をエンカレッジしていく人たちからの要望書です。こういう人たちの要望書を頂いて、その場で、河野学長がこれに応えて頑張っていきたいというふうに話もさせていただいたのですが、こういうことを経て、学長からの着工に向けた宣言をさせていただいたということでございます。
 こういった取組をずっと続けているのですけれども、先ほどの資料3-1に戻っていただくと、例えば5ページのところには、先ほどご説明した調学長特別補佐が回答する一面広告以外にも、欧州のBSL-4施設の視察をした結果を新聞広告で周知をさせていただいております。これは、長崎新聞にやはり一面広告を出したのですが、ちょっと小さくて見づらいと思いますけれども、真ん中の段に5人の方の顔写真が出ています。これは2回に分けて実施をした欧州視察、市議が視察をしたものと、住民の方に行っていただいたものを組み合わせて作ったものですけれども、具体的にBSL-4施設というものはどういうものだというふうに感じた、というお話をここでまとめて紹介をしています。こういった形で、BSL-4施設というのが何も特別なものではなくて、この新聞記事の中では特に市議の方が非常にいい話をしてくれておりまして、まちの中に溶け込んでいるんだと。親近感が非常にあるというようなことを、この記事の中でもまとめていただいております。
 同時に、多分以前も説明をさせていただいているのだろうと思うのですが、感染症に関するニューズレターを毎月発行しているのですが、要するに感染症ってどういうものなんだということを説明しています。それと、身近な感染症はいっぱいありますのでそのための対策をちゃんと紹介しつつ、長崎大学の関連する先生方を紹介して、ここでもやはり顔の見える関係ということで、変な人たちが施設を造って運用するのではなくて、例えば安田教授のような人がちゃんと研究をするんですよ、というようなことを、紙面を通してお伝えするようにしています。
 この周辺自治会等に配付等している4,000部というのは、部数は確かにそれほど多くはないのですけれども、ホームページで紹介をしているということとあわせて、自治会の中では回覧板のような形で回覧をしてもらっています。ですから、潜在読者数というのはそれなりの数に上っているのかなというふうに考えているところでございます。
 こういう取組を更に、より丁寧にやっていこうと思っていまして、この5ページ目の「感染症とたたかう」というのは、これから少しモデルチェンジをしようとしています。例えば、今だと風疹の話題であるとか。例えば長崎でも風疹の患者さん出始めましたし、結核とか、そういう、今、どんなものに気を付けなきゃいけないということをお伝えするのと同時に、感染症の対策に関わっている長崎大学というのはどういう組織でというようなことを、ここで丁寧に出していこうと思っております。また、ホームページも改修し、より丁寧に、もっと情報を分かりやすく、調べやすくしていきたいというふうに思っております。
 また、資料の最後のページになりますけれども、フリーダイヤル等も設置をしておりまして、地域の方々から御質問を頂けるようになっております。先ほどの新聞広告とか、必ずこのフリーダイヤルは記述をしておりますし、周辺の自治会の方にも説明しているのですけれども、もう少し皆さんが御利用していただけるように、準備をしていきたいと考えているところです。
 私からの説明は以上でございます。
【笹川主査】  どうもありがとうございます。
【長崎大学】  続いて、施設管理部門の早坂です。私の方から、資料3-2に基づいて説明させていただきます。資料3-3から資料3-5につきましては、地域連絡協議会で実際に使用しました資料の例として挙げておりますけれども、説明といたしましては資料3-2に沿って説明させていただきます。
 資料3-2をごらんください。最初の表紙の部分ですけれども、地域連絡協議会等におけるBSL-4施設のリスクに関する説明・コミュニケーションについてということで、私たちがその地域連絡協議会とか住民説明会等で行ってまいりました、このリスクに関する説明・コミュニケーションについてお話しさせていただきたいと思います。資料3-2の1ページ目、資料としては2枚目になりますけれども、こちらにありますとおり、地域連絡協議会において、BSL-4施設において想定されるリスクを地域住民等に説明してほしいとの御指摘・御要望がありました。そのことを踏まえて、我々としましては地域連絡協議会におきまして、地域の方々に分かりやすいように工夫した資料を用いて、丁寧な説明を行ってまいりました。
 またその際、説明後の御質問や御意見を受けて、更なる改善を行いながら、地域とのコミュニケーションを図ってまいりました。そのことについての経過を少し御紹介させていただきます。
 その結果としまして、平成30年10月に開催した第21回の地域連絡協議会における説明の際には、今後マニュアル等のソフト面や、施設を利用する研究者等の対策が大事であるので、安全性を確固たるものにしてほしい、などの意見を受けております。
 本学としましては、今後とも、地域の方々に本件計画を御理解いただくための取組を継続的かつ丁寧に実施していくというところであります。
 その地域連絡協議会における我々の説明とやりとりにつきまして御紹介させていただきます。2ページ目、資料につきましては3枚目になりますけれども、そちらに参考としまして地域連絡協議会におけるBSL-4施設のリスクに関する説明・コミュニケーションの経過(概要)とあります。第13回会議、こちらはちょうど1年前の平成29年12月に、我々としては「安全確保上考慮すべき事象」としまして説明を行いました。資料の一部ちょっと小さいのですけれども、そのような資料を何枚か用いての説明になりました。その際、やっぱり委員からの主な御意見としましては、作業動線ごと具体的なリスクを提示してなるべく細かく説明していただきたいという要望がございました。
 それを受けまして、その次の14回、15回につきましては、「設計に向けて行った安全確保策の検討」としまして、資料を準備して説明準備を行っています。ただ、このときにはちょっとほかの話題で議論がありまして、説明まで至りませんでした。その際に、資料は配付しております。その資料を見て、委員からの主な意見としましては、資料をもう少し分かりやすくしてほしい。ちょっとそちらに絵があるように、小さいのですけれども、やはり字が多いとか表が多いとかで、なかなか細かくて分かりにくいという正直な意見を受けましたので、その次の第16回会議、平成30年5月で、この回に説明したのですけれども、ちょっとそこにある絵のように、スライドの一部を抜粋してそこに載せていますけれども、なるべく絵を使って、字もなるべく、そんなに細かくなく、なるべく簡単な言葉でスライドを作成するように心掛けて説明を行いました。その第16回会議においては、「設計に向けて行った安全確保策の検討」について、そのような資料を用いて分かりやすく改善した上で説明を行いました。
 ちょっと戻りますけれども、第13回会議の「安全確保上考慮すべき事象」についての説明の、そこの資料につきましては、昨年のこの監理委員会でも同じ資料を提示して説明をしております。済みません、説明が抜けてしまいました。
 第16回会議の際の我々の説明に対し、委員からの主な意見としましては、リスクに対する大学側の対応だけではなくて、地域への被害の可能性、被害発生時の住民への対応についても、より検討して説明してほしいというふうに、なかなかそこら辺が伝わらなかったので、その辺分かりやすく説明してほしいという要望がありました。そこでまた資料を準備して説明をしていくのですけれども、第17回会議、平成30年6月につきましては、このときには「施設の設計概要」ということで、一時ちょっとこのリスクに関しての説明とは離れたのですけれども、施設の設計概要について説明をしていきました。その次の回では、委員からの主な意見としましては、リスクアセスメントについて、今後のスケジュールも示して詳しく説明してほしいという要望がありました。
 第18回会議におきまして、また資料を作成しまして、今度は「設計に当たっての評価・検証と今後進める対応策(緊急時対応骨子)の検討」について説明ということで、そちらの資料になります。ちょっと小さいですけれども、このような例をスライドに載せて説明をしてまいりました。この回はちょっと絵が少なかったのですけれども、段落ごとに関してはアニメーションで出て、なるべく一つ一つ丁寧に説明できるような形の資料を準備して説明をしてまいりました。その際、委員からの主な意見としまして、近隣住民に被害が及ぶ可能性があるリスクの項目を、やはり一つずつ丁寧に説明していただきたいという要望がありました。
 第20回会議、平成30年9月に関しましては、その要望に応える形で、リスクの項目を一つずつ洗い出して説明を心掛ける、そのような資料を準備して説明をしてまいりました。「地域への被害の可能性がある事象」についてということで、説明をしました。その際、委員からの主な意見としましては、絵を作ってなるべく分かりやすく伝えようとしたことも非常に伝わったと思うのですけれども、分かりやすい資料を作成いただき有り難かったのですが、ただ表などがやっぱり字が小さくて見づらいとか、そういった意見が出まして、次の回には資料を大きい紙に印刷して、あとは項目を分けるとか、色分けするとか、そういう工夫の資料を用意して説明をしました。また、このときの説明で、結局、表と絵を両方見ないと分からないと言われました。
 そこもやっぱり考えに考えて、第21回の会議で、資料の3-3から3-5にそのときの説明資料があるのですけれども、このときに、会場が実は前にスクリーンが2つありますので、1つに絵のスライド、1つに表のスライド、表の方も一つ一つ項目が現れるような形で、右手と左手に違うポインターを持って、ピンマイクで何とか説明、結構練習して臨みました。そのときの資料なのですけれども、それが資料の3-3になるのですが、こちらのスライドにその例として示させていただきたいのですけれども、実際にはもう一つスクリーンがあって、もう一個の方にはその資料3-4にある表、それが1個1個また現れるような形で準備しています。
 こんなような説明のスライドを用意いたしまして、事象を起こさない安全確保の対策ということで、例えば表だと細かくなっていたのですけれども、項目ごとになるべく発生パターンを整理して、このような絵を使って説明をしてまいりました。また、その発生パターンというのは、原因があって要因がありますよ、それに対してそれぞれの対策を練りますよ、というようなことを一つ一つ丁寧に説明するように心掛けました。
 また、最初に作業動線に追って、どんなところにどんなリスクがあるのかを説明していただきたいということで、模式的にこの実験室の絵に関しまして、このようにまず始め、全般的事項とか、入っていく順番にこういうことがあります、それに対してのリスクを洗い出して、検討してまいりましたということを、一つ一つこのような形で説明して、まず概要としてはこのような流れでありますということを説明させていただいた上で、発生パターンで、やはり地域の方々に被害が及ぶ可能性があるといったところを非常に言われていましたので、そのパターンですね、病原体がBSL-4施設の実験室の外へ出るおそれがある事象、さらに施設の外へ出るおそれがあるというところで検討して、最終的には実験者が病原体に感染して、人を介して施設外に出る可能性が高いんですよ、というところを説明させていただきました。
 ではその実験者で外へ病原体が出るおそれがある事象としましては、項目を5つに整理しまして、1つは実験者の感染。又は実験室の隣の部屋、直接実験室から出る隣の部屋が何かしら汚染されるおそれ。あとは滅菌するものが滅菌不十分で外に出たとか、あとは病原体の意図的な持ち出しとか動物の逸走などといったパターンで分けて説明させていただきました。実際に起きる可能性が高いというのは、この1番、2番、人を介した可能性であるということを説明させていただきました。
 一つ一つ説明したのですけれども、実験室内での実験者の感染の可能性としては、例えばここではこういう可能性がある、だからこういう対策を練りますとか、ここではこういう可能性があるからこういう対策を練りますとかというのを一つ一つ丁寧に説明してまいりました。済みません、急ぎ足で飛ばしますけれども、このような形で、実験者の可能性がありますよ、ということを表と対応しながら説明をしてまいりました。また、実験室に隣接する部屋の汚染ということでも、同じようにこのような形で順番にアニメーションで説明をしてまいりました。
 結果としてはこのような形になっております。実験室外への搬出ということで、こちらは出る物に関しては滅菌して廃棄物としてオートクレーブを掛けて出る物とか、不活化したサンプルを外で解析するために出るところで起きるような事象に関して、起きるリスクというもの、それに対する対策というものを説明したスライドになります。また、病原体の意図的な持ち出しに関しましては、内部の者、若しくは外部の者が入ってくるなどに対しての、それぞれ、これは実験室の所を中心にした絵ですけれども、どういったことが考えられるので、どういった対策を練るのかということを、絵を使って説明させていただいております。また、動物の逸走に関しましては、実験室の中で逃げる可能性があるということを説明するために、こういった対策を練りますということを説明してまいりました。
 最終的には、BSL-4の施設外へ病原体が出るおそれが最も高いのは、人を介して施設外に出る可能性ということで、これ、実験者を病原体の暴露から守る対策が、施設外へ病原体が出ることを防ぐ最も重要な対策ということで、ここを長崎大学BSL-4施設における安全確保の基本として、安全確保に努めていきたいというふうに考えているという説明になります。
 以上です。
【笹川主査】  ありがとうございました。前半は地域連絡協議会の今までの説明の経緯と、それからあとは、個々の住民の説明会ですね。これまでも頻回にしていただいたということがよく分かりました。また、それぞれ少しずつ説明の中身も協議会と説明会では少し違う表現もありますけれども、後半の方はリスクアセスメント、実際に委員からの質問も踏まえて対策を、毎回少しずつバージョンをアップしながら、最終的に今日スライドで見せていただいたところまで進んで来ているということでございます。
 これに関しましていかがでしょうか。
【加藤委員】  済みません、私、感染症に関しては素人的なので。一番説明の中で疑問に思ったのは、BSL-3とBSL-4で扱う病原体の種類が違うかもしれないのですけれど、違う研究をやる可能性があるのかどうなのかということが知りたいということと、もしBSL-3とBSL-4で行う研究が同じような研究、病原体の種類は違うけれども、同じ研究をやっているのだったら、BSL-3で今おっしゃった実験者が感染する危険性はないとか、そういう話は、素人にはとても分かりやすいのですけれど、そういう説明というのはあり得ないのかなというのをお聞きしていて思いました。
【笹川主査】  ありがとうございました。加藤委員からのご質問について感染研では西條先生いかがですか。
【西條部長】  よろしいですか。きょう初めてこの会にオブザーバーとして参加させていただきます。私たちも同じような作業を住民の方々に対して行っています。BSL-4で行う作業は、よりBSL-3に行う作業と基本的には同じです。どちらも安全なのですけれども、そのBSL-4で行う作業の場合は更に機能的に、それから構造的により安全性を担保するということです。そういった意味では、どちらも安全であるということをまず前提に考える必要があります。そして更にヒューマンエラーとかいったようなことが少なくなるような形の安全性をより担保するんだという説明が、適切だと思っています。そういう意味では、先ほど早坂先生が説明されている内容で理解されるのではないかと考えます。
【加藤委員】  私だってBSL-3で事件・事故が起こる確率がこれだけあったのが、今おっしゃった、更に安全に配慮した実験方法が取られているのだったら、そのリスクは更に10分の1とか100分の1になるとかいう、そういう説明はされないのかなとかいうのが疑問でした。BSL-3の運用で、事故・事件が起こっていない。だからもっと高度なもので同じ病原体を扱うわけではないのですけれども、そこの中で行う行動・行為自身がほぼ相似だったのなら、BSL-3でこれだけ事故・事件は起きていないのだと。悪意を持ったという話は別な話ですけれども、偶然の事故・事件はこれだけ安全ですよ、という説明は、少なくとも僕には分かりやすいですね。
【笹川主査】  いかがですか。中嶋教授。
【長崎大学】  なかなか、リスクをどういうふうにお伝えしたものなのかというのが、とても難しい事柄で、特にこの半年、10か月ぐらいはそれに大分費やしてきたというのが実際のところでございます。やっぱり我々、ある程度こういったものに、言葉も、それから病原体ってどんなものかというイメージができる側の我々が行う説明と、それからそれを受け取った側の方々の考え方が相当乖離しているのだろうなというのを、まず理解するところで少し時間が掛かったのですが、やはり、なるべく具体に則したところでリスクを説明していくしかないのではないのかなというのが、行き着いたところで、それをずっと続けることによって、ある程度は理解というものを醸成できる方には働きかけできたかなというところは考えております。 なかなか、考え方として確率論とかいろいろなものはあると思うのですが、我々としたら、どういうのが実際に危ないのか、それは危ないのをどういうふうにすることによってそれを減らせるのかという説明を、少しずつ繰り返したところの次第でございました。
【長崎大学】  加藤先生のおっしゃっていただいたことというのは、私も同じように感じているところはもちろんあります。BSL-4施設については、長崎大学が表明して以来、ずっと、どんな情報を出すべきかというのをいつも考えてきて、その中で、長崎大学にはすでにBSL-3が複数あるんですが、でもそこから何か問題が起こっているわけではない。で、BSL-4施設は更にそれよりも高い安全性を目指しているものだから、より安全だという話も伝えてはきました。
 ただ、1つは、やっぱり扱うものが違うから。要するにウイルスが違うので、それが万が一でも万、万が一でも出てしまったら、というような発言をされるわけです。で、一旦漏れてしまうと、それがもう止められないじゃないかと。そんなことは多分ないのですけれど、薬もないからどんどん広まってしまうというケースが結構ありまして、そこに対して、より丁寧に、これだけリスクを詳細に分析して、万、万、万が一も起こらないようにするんですよ、ということを今、説明しようとしております。BSL-3よりも安全だから大丈夫ですよ、というだけではなかなか御納得いただけないという状況に今、なっていると。そこが非常に悩ましいところで、これからも繰り返し繰り返し、こういうリスクに対する我々の姿勢、取組を、よりブレークダウンしてお伝えしていくしかないのかなと。
 さっき、早坂が一生懸命説明したのは、委員にどこが分からないですか、どういうふうにしたらより分かりやすくなりますか、というのを何度も何度もお聞きして、それで作り上げてああいう形まで持ってきたのですね。そういうことをすること自体も、長崎大学は真剣にこの問題に取り組んでいるよ、と。安全をより高めようとしているというふうな評価にもつながってくると思っていますし、やっぱりこれを繰り返していかざるを得ないのかなというふうに思っております。
【笹川主査】  先生、やや質問と答えが食い違っているように感じがいたしますが。
【加藤委員】  済みません。私は、人の認知というのはパターンで認知するので、これを安全だと思ってそれと類似しているということは安全という認知をするので、BSL-3とBSL-4で同じ実験で格別異なる作業を行うわけではないということがまず理解されていて、BSL-3で事故が起こる確率が、例えば10年に1度だったと。そうしたら、それに対する安全対策は多分100倍とか1,000倍頑張っているんだったら、10年に1度が1万年に1度の確率で起こるんだという説明は、僕らの世界ではよく行いますけれど、ということを申し上げます。
【長崎大学】  いいですか。
【笹川主査】  どうぞ。
【長崎大学】  一時期、熱研のBSL-3が情報開示の対象になりまして、BSL-3と比較して何か物を言うと、かえって何か、やりにくくなるだけという印象が一時期あったのです。それとあと、病院で、これはもう、堀先生がおられる前で恐縮ですが、針刺し事故が起こっています。これは、BSL-4の針刺し事故が何十年かのうちに数えられるほどしか起こっていないのに比べて、病院の針刺し事故というのは年間に50例とか100例とか実は起こっていて、その話も1回僕はちらっとしたことがあるのですけれど、それも僕はもうやめました。ひたすら、BSL-4の安全をいかに作るかという説明に今はなっているというのが現状なのです。
【堀委員】  よろしいですか。
【笹川主査】  はい。
【堀委員】  日本人はゼロリスクを求めるところがあって、災いは目の前というか身近になければそもそもは起きないだろうという発想があるので、比較論で理解できる人もいらっしゃるのですが、とにかくないことが大事という、その1点に固執する方々もいます。住民への丁寧な説明をやり続ける努力は必要なのですけれど、全住民に理解してもらうことはできないだろうなというふうには思うところであります。
【笹川主査】  はい。
【長崎大学】  正に堀先生がおっしゃってくださったとおりなのですけれども、私、正にそこをお話ししようと思ったのですけれども、住民が求めているのはリスクゼロなのです。なので、比較でBSL-3でこれぐらいで、BSL-4だとより安全度が高まりますよ、では納得してもらえないんですよ。ゼロにする努力をしないと、とても納得していただけない。ゼロを目指しますということ以外、納得いただけるすべがないんです。
【堀委員】  努力をし続けますという以外に方法がなかなか、難しいですね。多分、原発の事故以降、それもかなり激しくなったと思います。
【笹川主査】  よろしいですか。どうぞ。
【春日委員】  その、ゼロなのですけれども、今原発の話が出ましたけれども、放射性物質とか、あとは有害化学物質とか、人為的に作っているものと決定的に違うのは、世の中にBSL-4レベルの病原体があるということなんですね。いつ何どき長崎にだって入ってくる可能性あるわけですね。そこがゼロの基準の違いということを一つ、理解していただきたいなというふうには思っています。
 もう一つは、やっぱり誰でもそうなのですけれども、自分が気にされている、気に掛けてもらっているんだという、その感覚、感触を持つことが大事なんだと思うのですね。ですので、どんなに気分を害されることがあったとしても、地域の方たちに向き合っていくことがやっぱり大事だと思います。あなたのことを気にしています、あなたのためを考えています、ということを常に言い続けて見せていくことだと思います。
 それから、いろいろな形でその市民との交流会をされているのはとてもいいことで、これを是非、もっともっと強化していただきたいと思います。というのは、特に高校生、中学生にとって、こんないい機会、それからいい立地はないと思うのですね。今、学術会議でも、微生物学について、もっともっと学校教育で教えてほしいということを言おうとしているのですけれども、こんな第一線の先生方が積極的に市民の中に入ってきてくだされるような地域というのはそんなにはないので、是非その出前授業などで高校に行って教えていただきたいと思います。将来、長崎県出身の方がノーベル生理学・医学賞を取るように、その素地ができたらと思います。
 そのときに、長崎大学には本当にすばらしい微生物感染症学の先生がたくさんいらっしゃるのですが、もう一つ、経験のある感染研の先生と協力するということもいいんじゃないかと思うのですね。経験がある、既に施設を持っている所の研究者に来ていただいて、中嶋先生はその役も果たしていらっしゃると思うのですけれども、せっかく西條部長いらっしゃるので、そういう形の協力をつなげていけないかというふうに思います。
 御説明に本当に苦労されて、とても見やすい形の資料ができてきていると思うのですけれども、今苦労されていることは、これは次の段階で、作業従事者のその教育資料に必ず応用ができることだと思いますので、その苦労は必ず報われると思います。お金が掛かるのですけれども、ビデオなどもちょっと考えてやれるといいかなという気はしました。
 最後にもう一つ、観光協会も含めて地元の医師会から各経済団体の方が要望書を出してくださる、これを支援してくださるということ、とってもうれしいニュースだというふうにお聞きしました。可能であれば、感染の機会の高い農林水産業従事者の団体の方にも一緒に入っていただけるような、そういう素地ができるといいなというふうに思いました。
【笹川主査】  ありがとうございます。今、堀先生、長崎大学、春日先生が言われたことは、少し定量的に説明ができないかと思います。病原体の危険度とバイオセーフティーレベル(BSL)の関係は、一般の市民にはやはり難しい。加藤先生もちょっと触れましたし、今私も学術会議の分科会で議論していますが、微生物に対する教育や理解というのは非常に不足している。ですから今、微生物や病原体に対する理解をどう深めるか。特に若い方とかお母さんにまで、感染症を理解していただく前に、ウイルスは何だ、細菌は何だ、寄生虫は、原虫はどうだ、真菌(カビ)はなんだということを、ある程度理解していただく取組みから始めなければいけないと考えています。
 それから最初におっしゃったように、住民 に対する丁寧な説明というのは今、正に、西條先生おられるので申し上げますが、私も感染研の連絡協議会にずっと出ていますけれども、住民の方々のBSL-4に対する理解は、最初と今ではもう大分変わってきましたね。この設置の目的とか、この活動の社会的役割は皆さんは100%分かっています。ただやはり、感情的に自分の目の前に置くというのはいささかどういうものでしょうかと思う方もいらっしゃる。そのためにやはり、地域に持ち帰ったときに、安全対策をきちんと説明できるような丁寧な対応もしてほしいということではないでしょうか。長崎大学もそのような努力をやっておられるでしょうけれど、感染研でもその取り組みを少しずつ積み重ねることで、連絡協議会の雰囲気も変わってきたと思います。西條先生、補足する事が何かありましたらお願いします。
【西條部長】  ありがとうございます。感染研でも連絡協議会というものを定期的に開いて、そして、感染研のBSL-4施設のBSL-4施設としての使用の指定を2014年8月に頂いて、現在、今度は感染性のある病原体を用いて診断法をしっかりと整備するということを通じて、感染研として国民の皆さんのために、それから来年にはオリンピック・パラリンピック等もありますので、それに備えるために、より一層、その輸入感染症対策を強化する必要があると考えています。そのためには、感染性のある病原体を用いて検査法を整備するための作業をすることを考えていることを、前回の連絡協議会で説明しています。
 やはり、地域の方々には、今までの作業の中でその必要性を理解していただけている部分は非常に多いと思っています。また一方、やはりそれでも心配があるんだということを表明される委員の方もおられます。感染研としては、そういった方々も含めて、繰り返し正しい姿勢で正しい内容を説明を繰り返していくということを続けていこう、このように考えております。ですから、この作業は私たちと、それから長崎大学の方々とも情報を共有しながら、同じ一定の姿勢で対応していくことが大事かなと思っています。
【笹川主査】  ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。時間ちょっと過ぎていますけれども、よろしいですか。また後で御質問がもしございましたら、お受けいたしますので。どうもありがとうございました。
 それでは次に進ませていただきます。それでは、本日の長崎大学の御意見を踏まえつつ、引き続き、、バイオセーフティの管理監について、これは8月に決まったのでしょうか、それについての説明を。資料4でございますか。よろしくお願いします。
【長崎大学】  資料4をごらんいただきたいと思います。バイオセーフティ管理監についてという資料です。
 今、座長の方から御紹介いただきましたように、バイオセーフティ管理監につきましては、この8月16日付けでこの資料4の2ページ目以降についております、北大の有川先生をバイオセーフティ管理監として委嘱させていただいております。本日は、そのバイオセーフティ管理監の学内における位置付け、それから有川先生のこれまでの略歴について簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。
 資料4をまずごらんいただきたいと思います。このバイオセーフティ管理監につきましては、そもそもこのバイオセーフティ管理監の業務につきましては、御案内のとおり、昨年まとまりました基本構想の中において、こういうバイオセーフティ管理監、我々のやる活動を第三者での視点から見るという形でチェックいただく方を置きますというのをその中に明示しておりますけれども、それを今回より具体的な規定という形で整理をしたのがこの資料でございます。
 ここに職務、それから監査結果の報告・公表、それから任命その他とございますが、これはこのバイオセーフティ管理監を指名するに先立ちまして、大学の中の規定として決めた内容のポイントを紹介させていただいている資料でございます。
 まず、職務でございますけれども、バイオセーフティ管理監は、BSL-4施設におきます病原体の安全管理に関する業務を監査するということ。それから2つ目の丸ですけれども、管理監は、いつでも学内の役職に対して業務に関する報告を求め、状況を調査することができると。正にバイオセーフティ管理監が管理監としての業務を行うことをここで規定しております。
 それから2つ目の括弧、監査結果の報告・公表というところでございます。管理監は監査結果に基づき、学長に意見を提出することができる。この部分も、基本構想の中で学長に意見を具申できるということは規定しておりました、この部分を規定の中に明示しているということでございます。また、病原体の安全管理に関して、不正行為等があった場合には、その旨を学長に対し報告しなければならない。バイオセーフティ管理監が何らかの気付きがあった場合は、その結果を学長に、こういう問題がありますよ、というような報告をするということがここに規定されています。また、2つ目の丸です。管理監が上記の意見の提出及び報告を行ったときは、ホームページ等を通じてその内容を公表するということで、バイオセーフティ管理監が行っている種々の活動については、こういったホームページ上を通じて対外的に発信するということを規定しております。
 また、任命その他ということで、管理監は、我々の感染症共同研究拠点に所属しない者から学長が任命又は委嘱、この任命又は委嘱というのは、学内の人間であれば任命ということになります。それから学外の人であれば委嘱ということで書き分けているということでございます。結果的には学外の方になっていただきましたので、今回はバイオセーフティ管理監を委嘱するという形になっております。次の丸ですけれども、学長は管理監に対して、監査をしたことを理由として解任等の不利益な取り扱いを行ってはならないと。不利益な取り扱いを行った役職員に対しては、処分を科すことができるということで、バイオセーフティ管理監が何らかの、大学にとっては若干不利になるような報告をした場合に、それをもって学長がバイオセーフティ管理監を首にするとか、あるいは学長以外の役職の方がバイオセーフティ管理監の報告を基にこいつを首にするとかいうことはだめですよ、ということを規定するということで、バイオセーフティ管理監の位置付けをここで確保するということも規定をさせていただいております。
 2ページ目、先ほど申しました北大の有川先生のプロフィールでございます。現在は北大の大学院の医学研究院の特任教授でいらっしゃいます。一応、今年度で退官をされるというふうにお聞きをしております。その以降、これまでの有川先生の研究の内容について、それから受賞歴等につきまして参考までに付けさせていただいているところであります。有川先生につきましては、BSL-4における経験もあるということもありまして、我々としましては、有川先生が一番適任であろうということでお願いをしたという経緯でございます。
 簡単ではございますが、以上です。
【笹川主査】  ありがとうございました。今の御説明につきまして、管理監、大学でいえば監査室みたいなものですけれども、どうぞ。
【堀委員】  よろしいですか、済みません。職務が非常にざっくりしていて、外部で非常勤ということなのですけれど、年に何回、例えば訪問するとか監査をするとか、あと年俸に関してもどう取り扱ってそれを公開していくのかということに関しては、特に書いてないのですが、これ、場合によって、名ばかり管理監みたいな感じになると非常に問題に、後々なるかと思うのですけれど、そういった部分に関しての対策というか、もう既に細則というのはお決めになっていらっしゃるのでしょうかという御質問でございます。
【長崎大学】  済みません、説明がちょっと飛んで、恐縮でございます。今は、バイオセーフティ管理監はここにありますとおり、当面は非常勤ということで来ていただいております。これは、実態を申しますとまだBSL-4施設ができておりませんので、BSL-4施設ができるまでの間は、今我々が行っております、安全に関するいろいろな活動についてアドバイスを頂くということが基本構想に規定されています。したがって、たった今の段階は、定期的に、一度もう長崎に来ていただきまして、我々のやっている今の活動はこういう状況にありますというのを御説明しております。また、定期的にこちらの動きについて、先生に情報をお送りしているという状況でございますが、いずれにせよ、我々としましては、今のところは我々が今やっている活動に対してアドバイスを頂くというフェーズが当面のところかなということで、今のところは非常勤ということになっています。
 ただ、今後、常勤という形を取るのかどうかについては、きちんとした議論をしなければいけないかと思ってございます。
【堀委員】  そこは議論が終わっていないと。
【長崎大学】  そういった意味では、とりあえず今のところは非常勤で来ていただいて、アドバイスを頂くというところまでです。
【堀委員】  そうしたら、この8月16日付けで委嘱(非常勤)というのが、いついつまで、というふうに書かれた方が誤解が少ないかと思います。
 それと、実際開所をして、動き始めてからのこともやはり皆さん、心配になるんじゃないかと思いますけれど、監査をする方が常にアベイラブルな状態でないというのが、恐らく信頼性の根幹を揺らぐ部分ではないかと、揺るがす部分になり得ないかという危惧があるので、やはりしっかりそこは規定をお決めになった方がよろしいかと思います。
【長崎大学】  今御質問頂いた2点のうちの最初の任期でございますけれども、これには書いてございませんが、我々の方の規定によりますと、毎年1年間で見直すというか、再任していただくなり、新しい方に来ていただくということで規定をしております。もっとその、実際の位置付けでございますけれども、これはBSL-4施設ができるといったときに、長崎大学全体の安全管理に関する規定を見直さなければいけないということがあります。そのときに、学内の中全体の安全確保体制の中で、バイオセーフティ管理監をどういうふうに位置付けるかというのを改めて検討することは必要でございます。
【笹川主査】  ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。どうぞ。
【筧委員】  何か、今の御説明だとちょっと分かりません。委嘱の日付が8月16日ですので建物ができるまでのアドバイスになりますね。でもここの文章に書いてあるのは、安全管理の監査の話ですよね。つまり、動き出してからの話がここに書かれていて、だからちょっと何かそこら辺が、やっぱり分かりづらいなと思うのですよね、この文章では。建物ができるまでの管理監の仕事の中身と、出来上がった後どういうタイミングで必ず監査をするのかどうか、これ必ず監査をするとは書いていないんですよね、できるとしか書いてないので。そのあたりの、書きぶりがちょっと理解がしにくい文章になっているかなと思うのですけれど。
【長崎大学】  御指摘のとおりバイオセーフティ管理監本来あるべき業務という形で規定をしております。他方、当面はそういうアドバイスをするということで、そこは確かに、この規定と、今、正に有川先生にお願いしている業務とは、一対一の対応にはなっていないように見えるというのは、御指摘のとおりでございます。
【笹川主査】  これは感染研の方の西條先生、BSL-4、これに対応する監査システムというのは何かありましたよね。
【西條部長】  感染研の場合は、感染研内部にバイオセーフティ管理室というものがあって、BSL-4も含めた感染研全体のバイオセーフティの実施状況、それから教育の在り方とか教育の実施とか、それからあとはメンテナンス、そういったことを担当する部門があります。
 それから、外部の委員を含めた安全管理を監査する委員会があります。それが感染研のバイオセーフティの実施状況を監査します。こういった長崎大学に設置されている管理監という形ではありませんが、外部委員を含めたバイオセーフティ実施状況を監査するための委員会が設置されているという形でもバイオセーフティ実施状況が担保されているということです。
【笹川主査】  ありがとうございます。私も委員長の立場で余り発言はしたくないのですけれど、やはりこれ意外と大事で、付け足しのような形で作るというよりも、多分これは、BSL-4が動き出すと、コンプライアンスの問題、手順書はどうであるか、それから人間がどういうふうに業務しているか、また記録書がどうなっているか、企業の生産現場と似たようなシステムで形のものを精査する必要があると思うのですね。ここは非常に丁寧ににやっていただいく、非常に大事な役割を担うところになると思います。多分、住民の方もそれが備えられていれば非常に安心されるのではないかと思いますし、 あと2022年まで少し時間がありますので、今、堀先生がおっしゃったようなところを、もう少しきっちりとやられると良いと思います。感染研の場合には外部の方を当ててやっておりますけれども、大学の中の施設ということになりますと、やっぱりコンプライアンスの違反という形で出てくる場合もありましょう。あるいは内部告発があったり、いろいろな形で出てくるのではないかと思いますので、単に監視ということよりも、よりもっと具体的な問題を解決する、しかも第三者の立場で是非おやりになっていただきたいと思います。
 ほかにご意見はどうでしょうか。どうぞ。
【長崎大学】  少し議論が複雑になってしまったような感があるので、ちょっと整理してお話しさせていただきたいのですけれど、長崎大学の中には、生物災害等防止安全委員会というのがございまして、その中で運営委員会というのと監視委員会というのがございます。運営委員会は通常の、感染研でいうバイオセーフティ管理室のような役割を担っていて、その監視委員会の方はそれをまた監査するような委員会がございます。こちらには外部委員も半数以上、確か外部委員の方がいらっしゃるという建て付けがございます。BSL-4に関してはさらに、この監視委員会プラス、特別に更に設けるという建て付けです。
 それから、ハラスメント事案に関しましては、また別に人事委員会等ございますので、またそちらの方が大学として対応するという建て付けになるかと思うのですけれども。
【笹川主査】  私が言ったのは、このBSL-4施設の中での日常活動の中に出てくる様々な問題はBSL-4や病原体の知識をある程度お持ちの方でないと、大学の全体のなかでBSL-4から派生する諸問題は多分処理し切れないと思うのですね。中ものぞけないですし、やはり病原体のこともある程度分かっている方で、しかも規則や記録がきちんとそのとおりにやられているかどうかをチェックしていただけると、我々としては非常に安心ですけれどね……。
【堀委員】  よろしいですか。
【笹川主査】  どうぞ。
【堀委員】  そういう意味では、既存の組織の延長ということであるならば、分室を置くとか、常勤でちゃんとそのことについて分かって判断できる人を置くということが重要かと思います。その分室であるならば、全体の委員会に参加して、分室の報告という形でまとめていくことで、既存の仕組みを大きく変えることなく安全性は担保できるかなというふうには思うのです。ですから、何らかの、外から見て分かりやすい仕組みを導入されて、あとは組織図もできれば添えていただくと、より理解しやすいかなと思います。
【長崎大学】  御指摘のとおりだと思います。今、安田の方が言いましたように、学内には既にそういう組織があって、実は情報開示請求等々の中で、これは組織を一遍作り直してかなり厳重な管理体制を作ってございます。この管理監の立ち位置は一応、その中に位置付けておりまして、全体の整合性の中でかつそれなりの権限を持たせるという作りにはしてございます。我々の今の組織の中に安全管理部門というのがあって、これは中嶋さんが部門長でやっておられます。これは今現状は、さっきのリスクアセスメントをやり、このリスクアセスメントの結果を踏まえて、具体的なルール作りに入っていくという途上にありまして、そのルールについて、この管理監が監査をして意見を頂くという過程がその次に出てくるというふうになりますので、あるところでもう少し明確にした上で、今後の常勤化については確かにそういう時期が来るのだろうと思いつつ、これも今後の検討課題とさせていただきたい。以上です。
【笹川主査】  是非、よろしくお願いいたします。ほかはよろしいでしょうか。
【堀委員】  済みません。
【笹川主査】  どうぞ。
【堀委員】  今の調先生の、検討しますというお話で、それの回答というか、こうしたいのですがという話を、この委員会で審議するとか承認するとかというプロセスは想定されているのでしょうかということを、ちょっと確認させていただきたいのですが。
【長崎大学】  SOPを作り、具体的な更にその下にぶら下がるルールを作る中で、どのぐらいの仕事量が生じるのかということも正直、完全に把握できていないところもありまして、そういうことも含めて……。
【笹川主査】  実際出来上がると大体どのくらいの人数がこの中で日常活動されるでしょうか。外国の例でも構わないのですけれど、感染研ではどのくらいの人数と人件費が必要でしょうか。
【西條部長】  感染研では、バイオリスク管理室の職員が室長入れて5名。
【笹川主査】  5名。
【西條部長】  5名ですね。それからあと、非常勤職員や再任用職員の方々がおります。それから、建物を管理する専門の会社に委託して、対応できるような職員がいます。それで(バイオセーフティに直接かかわる)職員がトータルで何人かというと、今すぐ出ませんけれども、24時間対応できる対応になっています。昼間は結構,多くの職員がバイオセーフティに従事しています。
【笹川主査】  そうですね、モニターの方もいますしね。
【西條部長】  それから夜は必ず1人泊まる状態(です)。それから、安全管理のところにはほかにも職員がいて、そういった形で対応しています。それから、バイオセーフティ管理室の職員の中に必ずBSL-4施設専属職員が1名います。これは何年かで1回ローテーションして、皆さん(職員全員)がBSL-4にも対応できるようにするという意味もあります。つまりBSL-4に専任の職員がいるという形です。そういった状況で対応しています。
【笹川主査】  そうすると、専任の職員は数名で、あとの非常勤というのはほかの業務も分担してやっているのですか。
【西條部長】  あとの職員の方々は、そういった作業をサポートする非常勤の職員ということです。それから、実際に(BSL-4施設で)作業をするウイルス第一部の職員も、バイオセーフティに一緒に関わるという形で対応しています。
【笹川主査】  では長崎大の方も、どうなのですか、その辺は。そうすると、今のこの管理監ですが、この方の仕事量というのも大体出てくるのではないかと思うのですけれど。
【長崎大学】  管理監の仕事量が先なのか、安全管理の方の仕事量が先なのか。当然、安全管理の仕事の方が先にカウントしなければいけない話だと思うのですが、この場で私が組織として決まっていることでお話しできることと、私が思っていることでお話しできることって違いがあるかもしれませんので、余りそんなところでお話しを勝手にはできないものだなとは考えておりますが。
 ただ、安全管理に関わる事務仕事一つ取ってみても、相当の記帳、記録を残す、建物に出入りをする、部屋に出入りをする、どこに入る、それからどういった滅菌をする、いつ誰がどこで何をしたか、全てログを取ってきますので、それだけの施設管理でも相当な事務作業量になります。それについては、研究者だけが行うわけでもないですし、設備を管理する者が行うわけでもないですし、警備をする者だけで行えるわけでもない。当然、事務方も相当数が必要になってくる。
 それとともに、警備ということで考えても、一つ、今後設計が出来上がって、建物を造る方向になってきていますので、最終的な設計が出来上がってから警備動線をまた更に引いてやっていく段階で、警備の方が何人必要だというのははっきりしてくる。
 それから、施設設備の方の管理についても、建設の方が請け負えばどういったものが出来上がるか、最終的に決まりますので、そうしたら何人そこで必要だということもはっきりと最低の人間の数、そこにも松竹梅あるかと思うのですが、分かってきて、それを全て外注で委託するというのがどう見ても、エンジニアの方、やっぱり我々の組織の中にいないと、問題があろうかと強く思いますので、そういった人間を何人置いて、何人の外注を委託するか、その辺のところというのは、非常に大事なことに今後なってくるかと考えております。
 それを総体として考えると、大体どのぐらいのボリュームの仕事が発生するか、それというのは、図面の上で考えることと、建物ができて、そこで実際にやるところでもまた、多少の違いが起きてくるかと思います。
 それからさらには、今後どういうような実験研究をその中で行っていくかということにも大きく左右されるかと思います。今、動物の話はしておりませんが、動物のことを考えていくことになると、ここでも応分の人数が必要になってくるということで、やはり相当なボリュームの仕事が安全管理部門の仕事としては掛かってくるかと考えております。
【笹川主査】  ありがとうございます。では少しずつ具体化する中で、この役割の仕事のボリュームというのも、常勤にするか非常勤にするかということはでも変わるとおもいます。
【堀委員】  それで、それを誰が監査するんですかという部分に関しては、今、結局ここの委員会のどこまでが責任をレスポンシビリティーとしてあるのか、なのです。
【笹川主査】  ある程度我々のところで議論もしていかないといけないと思いますのでね……。
【堀委員】  なので、それを次の運営を監査する委員会に引き継ぐのか、ないしは我々がこの任期の間にそれをするのかという部分は、事務局の方に御検討いただいた上で、お決めになっていただきたいなと。
【笹川主査】  どうぞ。
【長崎大学】  この委員会は、長崎で、大学がやることを国がきちんと見ていくということの要求がございまして、文部科学省の方でこういう会を作っていただいたというふうに我々は認識してございます。そういう意味で、仮に稼働がしても、我々としては、国が、同じ組織であるかどうかはともかくとして、きちんと見ていただく会議があって、というのは大変心強いものだと思いますので、継続して是非……。
【堀委員】  お願いがあれば。
【長崎大学】  同じ委員かどうかはともかくとして。
【笹川主査】  実は、学術会議でBSL-4施設の必要性について提言を書いたときも、国の関与がないと、やはりなかなか住民の方も納得できない部分があるだろうということで、それが今、こうやって本委員会として動いているというふうに理解しております。これからも、メンバー替わってもこういう仕組みというのはやはり大事であると思います。
【長崎大学】  ありがとうございます。
【笹川主査】  是非それは。
【長崎大学】  長崎としては、この数箇月、先ほども早坂の方からプレゼンがありました、あれ7回やりました。だから7か月以上議論をしたのですけれども、その前に建物そのものの議論は終わったので、次は運用の話だという話になっている。学長が着工宣言をやった。建物についてはオーソライズしていただき、議論も終わった。で、どう使うか、使う上でどういうリスクがあるかというのを今、議論を延々とやっているということでございます。そういう意味で、今日も大変貴重な意見も頂いたと思いますので、今後は作りながら、歩きながら考えるというフェーズに入ったというふうに我々、考えてございます。よろしくお願いいたします。
【春日委員】  関連して1つだけお聞きしたいのですけれども、この国が設置した委員会とは別に、長崎大学が設置されている専門家の委員会がありますよね。その委員会は、先ほど御紹介があった監視委員会とは別。
【長崎大学】  また別です。
【春日委員】  また別ですか。
【長崎大学】  そっちは病原体とかの生物災害の委員会ですね。専門家会議はBSL-4に特化した。
【春日委員】  その委員会と、バイオセーフティ管理監との連携というか、関係はどういうふうになるのでしょうか。
【長崎大学】  今のところ特に関連付けをしてございません。あれ、我々の専門家会議は年に1回開催を大体してございますけれども、個別に委員の方々のやりとりはいろいろ御意見を頂きながら進んでいるというところで、基本的にはそのそれぞれの分野の、この会と同じようなことになりますけれども、委員の数はやや長崎の方が多いですかね。長崎大学の中にいろいろな学部の先生方もおられますが、そういうところで不足する知識について、いろいろ御相談したいということで、作りました。
【長崎大学】  あと、現在の専門家会議は、造るまでのところをいろいろ専門家の先生方に見ていただこうという趣旨でやっておりますので、恐らく運用が始まった後はまた運営会議のような形で立ち上げることになるかと思います。
【笹川主査】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。ございますでしょうか。
【西條部長】  1つだけ。
【笹川主査】  どうぞ。
【西條部長】  先ほど、バイオセーフティ管理室があってバイオセーフティを管理していて、それから病原体の取り扱いを評価する委員会があると申し上げましたが、その委員会の名前は「病原体等安全監視委員会」といいます。これは感染研内外の病原体等を取り扱う学識経験者が含まれています。正式な名称を述べておきます。
【笹川主査】  ありがとうございます。 それでは大体今日の議題に関して御議論頂いたかと思いますが、事務局から何かございますか。
【千原審議官】  済みません、私の方からいいですか。
  委員の先生方におかれましては、本日お忙しいところ、当委員会に御出席いただきまして大変ありがとうございました。
 また、今日は本当に地元の住民の方々への理解促進の事項ですとか、あるいはバイオセーフティ管理監の在り方について、本当に活発な御議論をいただいて、大変ありがとうございます。
 いよいよ、その建設開始という新しい段階に行くということで、本日は、委員より、地元住民との関係ではとにかくしっかり説明し続ける、向き合うことが重要という御指摘を頂きました。長崎大学におかれましては、そういった先生方の御指摘を踏まえて、しっかり御対応いただければというふうに思いますし、管理監の件も、資料1が正にこの委員会の設置要綱で、そこを読むと、「長崎大学におけるBSL-4施設の整備に当たり、大学が実施する安全性の確保と住民の理解などに向けた取組について第三者の立場からチェックするため、この委員会を設置する。」となっていまして、委員の先生方の任期というのはありますけれども、ただ、この委員会がその任期で終わるということではないと理解しておりますし、管理監の考え方も、今回委員から御指摘を頂き、重要な事項だというふうに理解しておりますので、事務局としても世界最高水準の安全性の確保の一つの大事な要素だと考え、委員の先生の御指摘を踏まえて、またこの委員会で御議論いただきたいと思っております。
 この委員会に限らず、この問題、非常に大事なところでございますので、引き続き、委員会の場以外でもアドバイス、御指導いただければというふうに思います。本日は本当にお忙しいところ、ありがとうございました。
【笹川主査】  今日は地域住民に向けた取組の理解について、住民とのコミュニケーションをどうするか、それからリスクアセスメント、そういう話を包括的にさせていただきました。今後とも、引き続き御指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【笹川主査】  じゃあほかに、よろしいですか。
【高城企画官】  失礼いたします。事務局でございます。
 また、次回の監理委員会の日程でございますけれども、ただいま御紹介等ございました、長崎大学の取組を見せていただきながら別途調整をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【笹川主査】  ありがとうございます。
 それでは、第6回の長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

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文部科学省 研究振興局 研究振興戦略官付

(研究振興局 研究振興戦略官付)