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国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議 技術設計報告書(TDR)検証作業部会(平成30年1月~)(第2回) 議事録

1.日時

平成30年3月2日(金曜日)15時00分~18時00分

2.場所

文部科学省13階 13F1~3会議室

3.議題

  1. 国際リニアコライダー(ILC)計画に関する規制・リスク等調査分析について(委託調査結果報告)
  2. ILC計画の見直し(国際リニアコライダー加速器のステージングに関する報告書2017)について(非公開)
  3. その他(非公開)

4.出席者

委員

横溝座長、熊谷座長代理、大町委員、加藤委員、上垣外委員、北村委員、小磯委員、佐々木委員、田中委員、近久委員、野田委員

文部科学省

板倉大臣官房審議官(研究振興局担当)、渡辺振興企画課長、岸本基礎研究振興課長、轟素粒子・原子核研究推進室長、吉居加速器科学専門官、三原科学官

オブザーバー

高エネルギー加速器研究機構 道園教授、高エネルギー加速器研究機構 宮原特別技術専門職、株式会社野村総合研究所 矢島上級コンサルタント

5.議事録

【横溝座長】  それでは、ただいまより、国際リニアコライダーに関する有識者会議技術設計報告書(TDR)検証作業部会(第2回)を開会します。
本日は御多忙のところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
まず、冒頭のみ、カメラ撮影をされるようなので、御了承いただきます。では、撮影御希望の方はどうぞお願いします。いないようですね。
本日の会議は、前回に続きまして、具体的なコストに関する議論がありますので、議題の2から非公開とさせていただきます。
では、本日の出席状況やその他、事務局から報告をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  御報告いたします。
本日は、小関先生と内藤先生が御欠席でございます。11名の委員に御出席いただいておりまして、定足数7名を満たしておりますので、会議は有効に成立しております。
本日は、外部委託調査結果について御報告いただくため、株式会社野村総合研究所から矢島上級コンサルタントに御出席いただいております。また、前回に引き続きまして、リニアコライダー・コラボレーションILC研究グループリーダーを務めておられる高エネルギー加速器研究機構教授の道園先生、それから、同じくリニアコライダー・コラボレーションCFSグループ、高エネ機構特別技術専門職の宮原先生にも御出席いただいております。
事務局からは以上でございます。

【横溝座長】  どうもありがとうございました。
それに続いて、事務局から配付資料の確認をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  お手元の資料をごらんください。
資料の1番が、本日御発表いただく野村総研の資料でございます。
資料2が、同じく御発表いただく宮原先生の資料。
資料3が、同じく道園先生の資料。
資料4が、道園先生から御発表いただきます第1回検証作業部会後の質問事項についての回答でございます。
資料の5が今後のスケジュール(予定)。
参考資料の1としまして、国際リニアコライダー計画に関する規制・リスク等調査分析。資料の1番と関連する報告書の概要版でございます。
それから、先生方の机の上には、野村総研にお願いしました外部委託調査の冊子の報告書の本体を置いております。
それから、ドッチファイルの参考資料について、内容を新しくしましたので、目次だけごらんいただければと思います。ドッチファイルの目次でございますが、計画の見直し関係としまして、(1)から(6)まで、前回の資料に付けた資料を入れております。それから、当初計画関係ということで、500GeVの頃のILCの関係資料、以前、このドッチファイルにとじていた資料を7から11にとじてございます。それから、発表資料といたしまして、前回の会議で御発表いただいた資料を12から14にとじてございますので、適宜ご覧いただければと思います。
本日は、議題の2から非公開となりますので、一般傍聴の方には資料1と参考資料1を配付してございます。
以上、不足の資料がございましたら、お知らせ願います。

【横溝座長】  どうもありがとうございました。
それでは、議事に入ります。
議題1は、今年度、文部科学省から外部委託調査として実施された国際リニアコライダー計画に関する規制・リスク等調査分析について報告いただき、議論したいと思います。
それでは、本調査を実施された野村総合研究所の矢島上級コンサルタント、よろしくお願いします。

【矢島上級コンサルタント】  野村総研の矢島と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料1に基づきまして御説明させていただきます。
タイトルにもありますとおりに、ILC計画国内において建設・運用されるような際に、こういった規制とかリスクというものを改めて考慮するべきではないかといったところを、海外若しくは国内のほかのプロジェクトから得てきたといったところが今回の調査の内容になっております。プロジェクトは、加速器、放射線、トンネルといったキーワードを持つプロジェクトを挙げさせていただいて、ILCに対して得るべきものという観点で、規制やリスクを調査させていただきました。
1ページ目に書いてありますように、業務の内容につきましては、先ほど申したとおりに、国内建設・運用する際に検討すべき事項を洗い出したというのが今回の調査となっております。
ただ、一番下の業務の留意事項と書かせていただいておりますけれども、余り複雑な地形とかいったものを現状では考えられておりませんで、ここにも書かせていただきましたけれども、基本的にはTDRとかPIPを参考にさせていただきながら、安定した地盤の中に物を作っていく、その上に物を作っていくといったところで検討しておりますので、特殊な地質なり地層なりに対してこうすべきだという案が出てきたわけではないといったところを御留意いただければと思います。
今回、様々な指導を頂いた有識者を委員として集めさせていただきました。積極的な御議論、御検討、御指示を頂いた方々のリストも載せておりますので、併せて御確認いただければと考えております。
今回、対象とした事例でございますけれども、海外3つ、国内5つで、先ほど御説明したとおりに、キーワードとしては、加速器、放射線、トンネルといったところで、LHC、XFEL、GranSassoの例を海外から取ってきて、国内は、ご覧のとおり5つのプロジェクトについて、先ほど申したようなILC計画に対して国内で実施とした場合の規制やリスクに係るレッスンを引き出した調査になっております。
お手元にあるとおり、各事例は細かくこちらの報告書に載せていただいておりますので、必要に応じて、こちらを参照しながら御説明できればと思います。本日は個別の事例の説明というより、むしろその中からどういったレッスンが得られたのかといったところを中心に御説明できればと思っております。
まず、国内で実施、建設、運用されるであろうILCを対象にして資料をまとめております。地下空間と地上空間と大きく2つに分けました。ただ、地下空間の分け方が少し変わっておりまして、加速器トンネルとか衝突実験ホール、アクセストンネル・立坑、そういった物的なものもありますし、横串で、放射線防護という観点から地下空間を見たら、地震という観点から見たらという形で、少し切り分けが縦と横の串が入っておりますけれども、こちらについて先生方から御指導いただいているのは、両方から見なきゃいけないよと。ですから、ほとんど重なっている事項もあります。ただ、両方からきちんと見ることによって、取りこぼしがないようにしていこうといったところもありましたので、切り方が縦と横に入り交じりこの中でも重複がございますので、そういったことを御留意いただきながら、御説明をお聞きいただければと思っております。
手元にある6ページ、まずは先ほど説明した大きな地下空間の中の加速器トンネルといったところに対して、ほかの事例からどういったことに留意すべきかが上がってきたというのをまとめたものが6ページ目になります。資料の構成でございますけれども、2アップで見ていただいた方が分かりやすいかと思うんですけれども、そもそも我々が前提としておかなければならないILC計画の内容を、ILC計画の想定としてまとめさせていただいております。こういったことを念頭に置きながら、ほかのプロジェクトを見ていったという形になっております。
幾つかのトピックの中で特徴的なものを幾つか挙げさせていただいています。
6ページに戻ります。ILC計画の想定につきましては、皆様方は御専門家でございますので、今回、特に御説明を差し上げることはなく、こういった加速器トンネルというものを踏まえた上で、どういったものがあったのかといったところをまとめさせていただいております。ただ、今回、新しく、今まで取りこぼしたようなことがあったということではなく、むしろ確認的なものが多いのかなと考えております。
7ページ目をごらんいただけますでしょうか。加速器トンネルに対しまして、御承知のとおり、現在の建築基準法等につきましては、地下施設に対して耐震設計というものの言及が非常に少ない、若しくはないという状況になっております。今回、プロジェクト自体が、基本的には地下空間を最大限活用したものになっているという点、それから、これは日本人だけではなくて、いろいろな国の方、若しくは研究者だけじゃなくて一般の方も入り得る地下空間ということになりますので、研究者のみ、若しくは放射線をよく分かっている人たちだけが入ってくるわけではないということを留意して、さらに、我が国につきましては地震というもの、若しくは自然災害というものも多く考えられるところでありますので、そういった観点、一般の方も入り得る地下空間というものに対して、規制若しくは法律がなくても、きちっと留意をした設計等はもう少し必要なのではないかといったところを、かなり委員の方から指摘を受けたところになります。
赤字で書いておりますけれども、こういった法規制等が存在しない地下空間であっても、地上で一般の方が利用する施設と同じような、若しくはもう少し厳しい概念を導入すべきじゃないかなと。厳しいという言い方をしましたけれども、リスクコミュニケーションとか、ハザードコミュニケーションというのは、これから来る方、訪問される方もそうですし、地元の方へも必要になってくるということがあります。通常どおりやりましたというよりは、むしろ何か専門的な関知から踏み込んだ対応も必要になってくるという指摘を受けたところでございます。
海外につきましても、国際的な機関であればあるほど、こういったところを非常に留意されて設計、運営されているところもありますので、そういったところを御指摘させていただいているところになります。
先ほど申しました法的に遵守するというところで、例えば環境アセスについても、地下空間はどうだといったところ、これまでいろいろな見解がありますけれども、やはりここはリスクコミュニケーション、ハザードコミュニケーションという観点から、きちんとした対応をしていくべきじゃないかといったところで、こちらにつきましては、法規制等がなくても、きちんとした世に対して示せる、若しくは継続的、持続的にコミュニケーションができる体制を作っていくべきじゃないかというのが、まず1つ、大きく御指摘いただいたところになります。
それから、予算や工期、これはいろいろなところで指摘を受けているわけでございますけれども、全てが全て事前に分かるということはない。やはりやっていく段階でいろいろな難点にぶち当たる。これは海外の地下工事であっても、国内であっても、どこでも同じ共通の課題かなと思っております。ただ、出てきたときにあたふたするのではなくて、そうは言っても、これまでのいろいろなプロジェクトの経験ですとか、日本国内での経験、海外での経験もあると思います。そういった予期せぬことが発生しても、きちんと対応できるような準備はしておくべきではないのかといったところを指摘させていただいたのがこちらのところになります。ですから、予期せぬことが起こったときに、ただ、可能な範囲で事前準備、一生懸命勉強して、あそこではこういうことが起こっていたね、じゃあ、こういう準備をしておこうかといった、今、考え得ることもありますけれども、ILCだけじゃないところで起こったところも参考として予防しておく。TDR以上のこと、そういったところもきちんと踏まえておくことが安全で、さらに工期等への影響を少なくするポイントが何かと視点で指摘いただきました。こういった観点でも、我々としては新しい視点といいますか、TDRに書いてあること以外についても、関係ないことでもほかのプロジェクトからレッスンを得て、予防、準備をしておくということが重要、特に地下工事については大事なのかなというレッスンを受けたところでございます。
各プロジェクトで実は問題になったのは、掘った後、出てきたものをどうするか。CERNでも非常に問題になりまして、しかも、出てきたものを運ばなきゃいけない。そのときに、今まで小さい車が走っているような田舎道を、ダンプが1日500台とか走るようになってしまうと、こういったところはどうやって考えるべきか、これも実はいろいろなところで残土の使い方、そもそも残土をどう使うか、どう外に運び出すか、そういうところもいろいろなプロジェクトで検討はされております。修景に使うとか、近くで何か埋め立てがあればそこに使うとか、いろいろなことを都市計画の検討時のように、どう使っていくか。道路を作る場合でも、単に工事用道路を作るんじゃなくて、将来的この地域はこうあるべきだろうから、この道路はこう使いましょうみたいな、工事だけのことを考えない道路建設というのもあるかと思います。ある意味、都市計画の概念を持って当たっていくべきかなといったところも得たところでございます。そういったことを考えることによって、よくよくの無駄を減らしますし、若しくは工期を短くする可能性もあるというところで、今、大量の掘削残土という書き方をしていますけれども、そういったものの処理の仕方も踏まえて検討していくべきといったところは、特に地下空間の中でいろいろ議論されたところになっておるところでございます。
こういったところは、実はこの報告書の方にはいろいろな事例をまとめさせていただいておりまして、ここにも幾つか具体的な事例は載せさせていただいております。
8ページ目の一番最後が、地下空間はそんなに広いわけではないので、1つの工程が遅れると渋滞が起こってしまうと。この資材をどこに置くんだ、次、どうするんだ、資材はどんどん来てしまう。でも、工事が止まってしまったら、そこは動かないみたいな形で、そういった交通整理というのも、加速器を単に運用するときのことだけを考えるのではなくて、工事のときも考えて、資材がストックしたときはどうしようか。そういったところでも加速器トンネルというのは設計していくべきではないかといったところの指導も頂いたところになっております。そういった面で、我々は、予算、工期をできる限りオンラインに載っけていく、そういった意味では、こういった観点も必要なんだなというのが勉強させていただいたところになります。
続きまして、9ページ目、衝突実験ホールになります。これは巨大な空間が地下に出現するわけでございます。これは加速器トンネルと同じような地下構造部に対する地震等、それから表層における気候変動、気象の変化等も捉えていかなきゃいけないのですが、特に大きい空洞が空いてしまうというところに対して、そこに一般の方も来られたときに、どういった対策をしようというのは、もしかしたら加速器トンネル以上の配慮が必要になってくるのではないかというところを書かせていただいているところになります。同じような問題でありますけれども、構造物の形、若しくは耐えることが違いますので、別としてきちんと考えていかなければならないということで、同じような表現にしておりますけれども、指摘をさせていただいたところになっております。
続きまして、10ページ目が、アクセストンネルとか立坑ですね。加速器トンネルがあって、空洞があって、そこにアクセスする道が随所にあるわけでございます。御承知のとおり、6ページ目にも書きましたけれども、いろいろなアクセストンネルがあって、メーンのMLにつながっていくという形になります。そうすると、このアクセストンネルなり立坑というのは、まさに表面に出てくるといいますか、表との接点になってきます。この絵がいいかどうかは微妙ですけれども、山の中に突然アクセストンネルが出てくるというような、今まで何もなかったところに突然出てくるというところが、30キロ当たりの円を描くと、その中に入ってくるという形になりますので、出口との接点をきちんと考えなければいけない。地下構造物であるが、表層部との接点ということを考えて、放射線も考えていろいろと対策しなければならないいうところを御指導いただいたのが、このアクセストンネル、立坑といったところになっております。
予算や工期への影響が懸念される点と対応策、10ページ目になりますけれども、地下から表層部への接点ということになりますので、接点ですから、そこで構造物ののり面崩壊とか、いろいろな現象も考えられます。それから、地震以外の気象の変化による影響もあるかと思いますので、こういったのり面崩壊とか土砂災害みたいなところも考えて、地下空間への影響を与えない、若しくは地下空間の影響を外に与えない、こういったところももう少し踏み込んだ議論が必要になってくるのではないかというのが1点。
それから、先ほど申したように、これだけ広いところを工事する、若しくは用地を取得しなければならいとなると、ここの土地は確保できたけれども、ここはできなかったと。じゃあ、ここはやらないというわけにいきませんので、全体的にきちんと用地確保ができないと、工事というのは、ここをやっていったけれども、ここはだめだったから諦めましょうというわけにいきませんので、そういった土地の確保という面でも、きちんと予定どおり、予算内に収めていく必要があるのかなと。これは建設以前の問題かと思いますが、地下空間の確保というよりも、さらに出口との接点、地上空間としての土地の権利というものに関する配慮、それをきちんとどう手当てしていくか、そのところも工期若しくは予算への影響としてきちんと把握をして明らかにしていく必要があるんじゃないかというところも指摘を受けました。
もちろん、運用前に工事車両を置かなきゃいけないとか、そうすると、エンジンを付けっ放しでトラックがいるときの生態系への影響ということもいろいろ出てくるかと思います。そういったことも踏まえて、立坑とかアクセストンネルというのは、もう少し踏み込んだ議論があってもいいのかなといったところが、ほかのプロジェクトを見た結果としての示唆になっておるところでございます。
ここまでが縦横どちらでも構わないと思うんですけれども、構造体としての指摘で、こちらからは横串になりますので、同じような指摘が続くかと思います。ただ、放射線防護につきましては、これもTDRの中でも非常にしっかりとした検討がされていると思いますので、改めて何か検討をするということではないかもしれないですけれども、ただ、リスクイベント、今想定できることもありますけれども、恐怖というものをリスクに変えていくということも重要であります。何かもやもやしているけれども、何かありそうだなというところはきちんと検証してリスク化していく。それをリスクイベントにすることによって初めてリスクがマネジメントできますので、放射線につきましても、今分かっていることをきちんとやっていくというのはもちろん重要かと思いますけれども、例えば一般の方がこれってどうなのと思ったときに、それがもし恐怖になるのであれば、きちんとリスクに挙げていく、そういったところも必要になってくるのかなと。
放射線障害防止法、これは運用時とか廃棄時の問題を言っておりますけれども、その中で、もやもやとした恐怖というものを、きちんといろいろな方とのディスカッションの中から取ってきて、ここはきちんとリスクコミュニケーションをすべきところなのかなと思っております。そういった面では、もう少しいろいろな方とのディスカッションを踏まえる。地元も今あります。それから、海外から来る方に対しても、働く方にしても、きちんと意見を聞いておくというのも重要なのかなと思っています。ここは日本国民だけが利用する施設ではないというところを我々は常に念頭に置いて、日本国の人が考えるリスク、恐怖だけじゃなくて、途上国の方、先進国の方、いろいろなところから来る方々の考えることも踏まえた検討もこれから必要になってくるのかなと考えております。そういった面で、独自の観点もあってもいいのかなと提案させていただいているところになります。
予算や工期への影響というところで、放射化した地下水等、この辺はいろいろ検討されて、排水口も作ってあると思います。このあたりはきちんとして、先ほど申したとおりに、皆さんが安心して、安全だと思ってできるような形を作っていくという体制を作って、文章を作って、そしてコミュニケーションをしていく、そういうところも重要なのかなと考えております。
11ページの最後です。これはかなり皆様から御指摘いただいた実験終了後、ディコミッショニングについてどうなんだと。これは50年、70年、80年になりますと、多分、我々は生きていない世代まで、このプロジェクトが続く。そういったときに、スタートするときにきちんと考えて、むしろ考えるという体制を作っていくということも重要なんじゃないのかなと思っております。ですから、ここについては多分、どうなるのと聞かれる部分について、今、答えがなくても、こういう体制でとか、こういうことでやっていますということをきちんと示していく必要があるのではないかなということを考えております。ですから、ここについては、今も検討が進んでいると思いますけれども、我々の次の世代が安心してできるというところまでを視野入れた体制、物、文章、考え方というのも作っていく必要があるというところで、少し特出しして書かせていただいたところになります。
日本でございますので、地震というものを横出ししております。ここに書いていることは、先ほども縦で書いたこととほぼ一緒になりますので、地下空間、実験ホールということでまとめて書かせていただいておりますので、説明は割愛させていただきますけれども、いろいろな方が来られる。それも、日本人は地震になれていると言うと言葉は悪いですけれども、地震のない国からいらっしゃる方も入れるといったところも考慮しながら、こういった設備を作っていく必要、若しくはワーニングシステム、何が安全で何が危ないのか。地震を経験していない国の方がよく日本に来て思うのは、どれが安全で、どれが危ないのか、地震の震度じゃ分からんというのもあります。そういった海外から人が来るということに関して、さて、地震はどう考えればいいのか。単に設計だけじゃなくて、先ほど申したようにコミュニケーションをどうすべきか、伝達をどうすべか、そういったことも考えなきゃいけないというところをレッスンとして頂きました。
そのほか、放射線、地震以外にもいろいろな災害を考えなきゃいけない。その災害に対して、防災もしていかなきゃいけない。こういったところも書かせていただいております。防災体制というのは、何か起こったときに、英語なのか中国語なのか日本語なのか。それから、みんなが分からなきゃいけない。指示を出す人は分かるではなく、来ている方々が共通の行動を取れる言語なり、仕組みなり、ワーニングシステムを考えなきゃいけないというところが、国際プロジェクトとしてのILCの難しさかなと、今回、非常に痛感しました。もちろん、仕組み、土木とか建築とかの中で、サインとかいろいろなものがあると思いますけれども、そういった体制面も含めてどう作っていくのか。安全に避難して、みんなが助かる仕組みはどうすべきかというところも考えなければいけない。そういった国際機関であるというところをもう少し留意した災害、防災の仕組みが必要になってくると思います。そういったことを少し書かせていただいております。
CERNでもそうですけれども、プロジェクトの中で閉じた防災体制と、近隣住民、地域とのコラボレーションというのもあるかと思います。そういったあたりもきちんと、村で全てやるのではなくて、地域住民との連携によって、できる限り効果的、効率的な防災システムを考えていかなきゃいけないと考えているところでございます。そういったところをこちらで指摘させていただいたところになります。
それから、今回、いろいろなところで環境への影響というのは、これは別にこのプロジェクトだけじゃなくて、大型プロジェクトにつきましては、環境への影響というところを非常に懸念される事項なのかなと思っております。こちらは御説明したとおり、環境アセスというものをきちんと事前に、検討しましょうということではなくて、事前に建設期間、運用期間、ディコミッション、終わった全ての段階について、我々としては説明責任を負っているのかなと考えております。
また、14ページに書いておりますが、非常に広い分野をきちんと精査をしていかなきゃいけない、これは避けては通れぬ道かと思っております。いろいろな段階ごとで考えることをきちんと伝えていく。その面で、環境アセス、若しくは環境だけじゃないアセスが必要になってくるのかなと思います。これはどのプロジェクト、どの国のプロジェクトであっても、きちんと皆様方、説明、コミュニケーションという観点からやっているのかなと思っておりますので、こういったところも留意すべき必要があるのかなと考えております。
最後、地上空間になります。こちらについてもいろいろな施設、街ができますので、ILC計画以外の施設もたくさんできるということになっております。こちらも先ほど来、御説明しましたけれども、いろいろな人が来る空間だとして、いろいろな対策が必要になってくると。ですから、地下空間でやったことと同じようなことをきちんとやらなきゃいけない。大電力とか、水とか、いろいろなものを使いますので、新しくインフラを作る、都市を作るという観点から計画を作っていく。ILC計画という狭い中じゃなくて、都市を作っていく、ある意味、都市計画を作る、そういった観点から、いろいろなところを検討していかなきゃいけないし、そういったもので地域とコミュニケーションを取っていく必要があると考えた。そこはいろいろなプロジェクトも同じようなところでございます。そういうところを幾つか提案させていただいておりますし、地域住民が既存の生活を維持するのか、もっとよくなるのか、もっと悪くなるのか、そういったことを考えて、地域住民との在り方、新しく来る方との在り方、そういったものを考えて、きちんと設備設計なりをしていく必要があるのかなというところを事例から取ったところになります。
駆け足で全体を説明させていただきますけれども、国際機関としての在り方、いろいろな方が来るんだよというところに留意した建物なり地下空間の在り方、それから、想定される以外のことを我々はこれからどう取り組んでいって、それをマネジメントしていくのかといったところも重要になってくるといったところが全体的なまとめになっております。規制はないが、規制に対応していく。地震とかアセスのものもあったりします。それから、防災もあったりします。それから、今までの想定でいろいろなことが起こり得る、それが予算とか工期に影響を与える可能性がある。そういったものが事前に分からなくても、あったときにどうしようというものを、放射線とかトンネルとか加速器以外のところからもレッスンを取って、常に蓄積しておいて、いろいろなところに対応できる体制が必要になってくる。それが予算とか工期をオンラインに乗せる手法なのかなと考えた次第でございます。
これだけ分厚い報告書を20分という限られた時間で説明しておりますので、歯抜けの部分も大分あるかと思いますけれども、そういった調査をして、今回提出させていただいたのが我々の調査でございます。
以上でございます。

【横溝座長】  どうもありがとうございました。
ただいまの御説明に対しまして、御意見や御質問等がありましたら、お願いします。
では、ちょっとよろしいでしょうか。一番最後のところに、運用終了後の維持管理方法についての検討が深まっていないと書かれておりますが、こういうトンネルを使い終わった後にどうしなければいけないという法律とか何かあるんですか。埋め戻しなさいとか。

【矢島上級コンサルタント】  基本的には、特に個々の法律で言うのではなくて、例えばプロジェクトで、青函トンネルのような新しい法律を作ったときに、その対象物が明確になっているときには書くこともあるし書かないこともある。ただ、基本的に今のプロジェクトというのは、余り終わるということを考えない。特に今回、対象としたインフラにつきましては永続的に使うということが目的になっているので、まず、インフラ系のものは余りないなと。期限が明確になっているプロジェクトについて、それに対して具体的な法律が特別にできる場合につきましては、最後こうしなさい、更地に戻しなさいとか、こういった状況に戻しなさいというある部分はありますが、特別なもの、特別にプロジェクトを規定する法律等がない部分につきましては、我々の調査の中では、計画上、載せられているものはあるんですけれども、法律で規定されるかというと、そこはないという形になっております。

【横溝座長】  例えば地下の埋設で、水配管、大きな川からの導水路とか、あれは使い終わると撤去するというのが一般的かなと思いますが、それも特に法律で規定しているわけでなくて、日本の慣例でそういうことをやっているという感じですか。

【近久委員】  私の方から矢島さんの説明を補足します。まず、今の説明にあったように、地下空間の使用後の処置に関する法律はありません。このため地下空間を開発する事業者が、実験終了後の地下空間の処置を決めて、地権者をはじめとする関係者に説明することになる。この時、周辺環境への影響を含めて、対処方法の話が出る可能性はあるものの具体的な指摘や要望が出ることは多くない。しかし、土被りが少なくて区分地上権の設定をした場合には、地権者などと協議することになる。そのときに、将来の土地の有効利用(例えば、将来は高層の建物を建てられるように)現況復帰し欲しいという要請があるかもしれません。現況復帰できないなら、補償して欲しいなどという要請につながる可能性はあります。まとめますと、今後の地元や地権者との協議の中で実験終了後の地下空間の処理の話が出てくることを前提にして、地下空間を利用する事業者がどのようにするかということを決めて、その計画について説明することになります。そして,協議中に要請が出てきた段階で,ケース・バイ・ケースで対応することになる。

【横溝座長】  どうもありがとうございました。

【熊谷座長代理】  ちょっといいですか。14ページ、地下空間施設―環境―というところの左側の文言がずっと並んでいるんですが、ILC建設において、ILCについては、環境影響評価法の規定において、1と2という理由から、環境アセスメントの義務を負わない可能性がある。負わないんだけれども、任意で実施すべきとの議論が大勢を占めているということは、具体的にもし実施するとしたら、かなりな物量になるんですか。これ、よく分からないんだけれども。

【矢島上級コンサルタント】  今の法律上、やりなさいという施設では必ずしもないところですが、やらないということで、本当に地域住民の納得性があるのかというところを懸念しておる方が多く、法律で規定しない施設であっても、環境アセスメントにきちんと準じて実施する方がよいのではないかと。それはリスクコミュニケーションの観点からやるべきじゃないかという議論があるというような言い方をしたくて、こういった書き方をさせていただきました。

【熊谷座長代理】  これ、実際にやろうとすると、相当時間が掛かる部分もあったりするわけですよね。ですから、例えばやるとなったときに、この作業は一体どのぐらいの期間を要する。いわゆる全体のスケジュールがあるわけですから、その辺、どうなんですかね。

【近久委員】  まず、今、話に出ましたのは、自主アセスという形式で実施することになります。その意味で、よく似ているのが新幹線や高速道路です。このとき、実施する規模や期間は、当然、事業者が考えることになりますが、現状では、3年から5年程度必要であると考えております。これもILC建設を担当するしっかりしたCMなどの組織やメンバーが入念に計画を立てて、地域行政や関係自治体と事前協議を進めながら、具体的なアセスを進めていくことになりますので、その協議によって、内容や期間にもふれが出てくることになります。

【熊谷座長代理】  5年というのは長いですよね。

【近久委員】  環境アセスを実施している途中で、事前の計画段階では、想定していなかった問題に遭遇することも度々あります。例えば、JPARKでは、工事が開始される段階になって、鷹の営巣が見つかり、工事の影響を見極めるために、長く工事を中断することになりました。環境アセスは、長い期間が必要であるだけでなく、結果によっては、期間がさらに長くなる可能性が含まれている。

【熊谷座長代理】  これは最初からしっかりと検討というか、準備しておくということが必要になりますよね。

【近久委員】  御指摘のとおりです。

【横溝座長】  日本だから長くて、海外だともっと短いとかということはあるでしょうか。

【近久委員】  どう答えていいか分かりにくいところがあるんですけれども、まず、日本は、後で問題が起こらないように、周辺住民とのコンセンサス作りを丁寧に実施されます。一部の国では、周辺住民や周辺環境に関係なく工事を進めることができる国もあり、速やかに工事着工ができます。一方で,欧米は環境問題に対する対応が厳しく、日本は欧米に準ずるような方法で対応するしていくことになるとは思います。

【横溝座長】  それ以外にいかがでしょうか。
きょう、まだ結構議論する議題がありますので、また後で戻ってもいいという前提で、とりあえず次に進ませていただけますか。
そうしますと、次の議題から非公開になりますので、すみませんけれども、傍聴の方は御退席をお願いします。


―― 了 ――

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