次期フラッグシップシステムに係るシステム検討ワーキンググループ(第1回) 議事要旨

1.日時

平成26年6月11日(水曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省7F1会議室

3.出席者

委員

(委員)
小柳主査,浅田委員,梅谷委員,笠原委員,加藤委員,工藤委員,善甫委員,中島委員,藤井委員,宮内委員,松岡委員
(HPCI計画推進委員会委員)
土居主査
(理化学研究所計算科学研究機構)
平尾機構長,米澤副機構長,宇川副機構長,石川プロジェクトリーダー(PL)(FS:東大教授),佐藤副PL(FS:筑波大教授),牧野副PL,富田副PL

文部科学省

山脇審議官,下間参事官,川口計算科学技術推進室長,遠藤参事官補佐

4.議事要旨

・議事開始に当たり,議事を非公開とすることを確認。

(1) 次期フラッグシップシステムに係るシステム検討ワーキンググループの開催について

・事務局より,次期フラッグシップシステムに係るシステム検討ワーキンググループの開催及び運営規程について説明。

(2) 次期フラッグシップシステムに係るこれまでの検討状況について

・事務局より,次期フラッグシップシステムに係るこれまでの検討状況について説明。

(3) 「将来HPCIシステムのあり方の調査研究」について

・事務局より,「将来HPCIシステムのあり方の調査研究」及び「将来HPCIシステムのあり方の調査研究」評価委員会の評価結果について説明。
・石川東大教授より,「レイテンシコアの高度化・高効率化による将来HPCIシステムのあり方の調査研究」及び佐藤筑波大教授より「演算加速機構を持つ将来の将来HPCIシステムのあり方の調査研究」の成果について説明。主な質疑応答は以下のとおり。
【笠原委員】東大の調査研究(レイテンシコアの高度化・高効率化による将来HPCIシステムのあり方の調査研究)で検討したシステムでは,省電力化について,世界のプロセッサで標準的に使われるようになってきている電力削減技術は考慮されているのか。
【石川東大教授】一部は考慮しているが,我々の思想に基づいて,アプリケーションにおける実効性能対電力で競争力のあるものにすることを考えている。

(4) HPCIコンソーシアム最終提言について

・藤井委員(HPCIコンソーシアム理事長)より,HPCIコンソーシアム最終提言について説明。

(5) 次期フラッグシップシステムについて

・石川PLより,次期フラッグシップシステムにおける検討状況について説明。主な質疑応答は以下のとおり。
【笠原委員】ノード内ではキャッシュのコヒーレンスが保たれており,自動並列化コンパイラがサポートされることになるのか。
【石川PL】実効性能がどれだけ出るかは別の問題だが,その通りだ。
【佐藤副PL】自動並列化コンパイラに関しては,ノード内の並列化のための枠組みであるOpenMP(Open Multi-Processing)と組み合わせることが標準になっているので,それもサポートしていく。
【宮内委員】全体的な共通認識として,この研究開発の中で何が課題で,想定される障害は何であるかを押さえていると思うが,日本の技術力と世界の技術力を比較した中で,どのあたりが日本の強みになると考えるのか。
【石川PL】電力性能は一つのチャレンジになる。他のCPUと比べると,自主開発することで電力性能の高いシステムが提供できると考えている。
【宮内委員】日本の強いところは自主技術を使った上で,海外が強い技術については,国際協力をしていくことでコスト削減できるのであれば,それを取り入れることは可能なのか。
【石川PL】「京」のときと比べて,指摘された方向で取り組むように変わっている。
【宮内委員】エネルギーについて,再生可能エネルギーを利用して,開発するシステムを含めた電力環境を整えるというような,最先端の新しい日本型の提案はあるのか。
【平尾機構長】環境に優しいシステムを実現するため,まずは省電力化に取り組んでいきたい。エネルギー問題は一番重要なので,ポスト「京」を活用して解決に貢献したい。
【小柳主査】海外の汎用部との比較があったが,加速部を用いたシステムと比べた場合にはどうか。
【石川PL】2018年から製造を始めるとしているので,そのときに使用可能な海外の加速部を付けることが想定されるが,海外の加速部の開発ロードマップによると,加速部と汎用部の間の通信がそれほど高くないので,競争力がなく,それを用いる利点は余りないと考えている。
  その次の世代のものを考えた場合,加速部と汎用部をつなげるインターフェイスは,次の仕様を使わなければいけないと考えるが,その仕様が不透明だ。
【小柳主査】2020年代前半までプロジェクト期間を延長する場合はどうか。
【石川PL】かなり厳しい。汎用部のみで1エクサを達成するということを考えた場合は,2020年以降に登場する5 nmの半導体製造技術を使うことになるが,具体的にいつ実現されるのか分からないので,計画が立てられない。
【中島主査代理】アーキテクチャのCo-designについて,理化学研究所(理研)は誰とCo-designするつもりなのか。
【佐藤副PL】選定されたターゲットアプリケーションを取りまとめて,我々でそれを対象にCo-designする。
【石川PL】我々だけでできないところは,大学と連携することを考えている。ただし,責任を持つのは理研なので,大学側のミッションは,いろいろな意見を出してもらうとか,評価してもらうといったことになる。
【加藤委員】スペックに対して,このワーキンググループ(WG)でどこまで議論をするのか。WGの目的を確認したい。
【事務局】このWGの目的は,理研の提案を評価し,スペックについて変えられるところと変えられないところがある中で,どういう良いものにしていくかということを,頂いた意見を受けてまとめていくことになる。
【石川PL】「将来のHPCIシステムのあり方の調査研究」(FS)の結果をうけて検討を進めているので,基本的なパラメータについてはよほど何かない限りは変わらないと考える。それの根拠については細かいデータがあるので,必要であれば見せることはできる。
【浅田委員】電力見積りがよく分からない。示されている消費電力の目標は,省電力技術を使って,フルスピードを出さないという前提でのものに見える。ここでは,Linpackを動かしたときの消費電力を目標にしているのか。
【石川PL】Linpackを動かしたときの消費電力を目標にしている。アプリケーションによって性能対電力比は変わってくる。
【浅田委員】主要なアプリケーションでどれくらいピークから性能が落ちるというデータを示してほしい。
【石川PL】次回示したい。
【松岡委員】FSにおいて東大チームが実施した汎用部に対する調査研究では,現行の「京」をベースとした商用機を用いた検討を実施しているが,それよりも「京」をベースとした次世代の商用機をもとにした想定の議論をすべきなのではないか。製造コストに関しても,その次世代の商用機の製造コストから外挿した値をもとに議論すべきではないか。
【石川PL】相手があることなので確認が必要だが,その方向で調整をしたい。
【梅谷委員】チップが作られてから実用的に使い始めるまで期間が長いと,速い独自のチップを作っても,利用側がその恩恵にあずかれないのではないかと懸念する。利用開始の時期を早めることはできないか。
【石川PL】検討したい。

(6) 今後のスケジュールについて

・事務局より今後のスケジュールについて説明。

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室

電話番号:03-6734-4275
メールアドレス:hpci-con@mext.go.jp

(研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室)