HPCI戦略プログラム推進委員会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成24年10月31日(水曜日)17時30分~19時30分

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室

3.出席者

委員

土居主査,中村委員,寺倉委員,矢川委員,小林委員,小柳委員,平尾委員

文部科学省

下間情報課長,林計算科学技術推進室長,村松計算科学技術推進室長補佐

オブザーバー

(戦略機関)柳田分野1統括責任者,常行分野2統括責任者,今脇分野3統括責任者,加藤分野4統括責任者,青木分野5統括責任者

4.議事要旨

(1)HPCI戦略プログラム推進委員会における会議の公開等について

林計算科学技術推進室長より資料1に基づき説明。委員より承認。

(2)HPCI戦略プログラム重点枠・一般配分枠における利用課題の進捗について

各統括責任者より資料2-1,資料2-2,資料2-3,資料2-4,資料2-5に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【平尾委員】
・優先課題については,早期に成果を創出していくことになっており,公表できるものに関しては,いろいろな形で,できるだけ早い時期に国民に成果を知らしめていく必要がある。計算科学研究機構でも記者との懇談会のようなものを計画しており,今後,各戦略機関に協力していただくことになると思うので,よろしくお願いしたい。
【林計算科学技術推進室長】
・優先課題については,計算資源も優先的に割り当てるが,計算資源を使うときもそれなりにきちんと使えるようにということで,計算科学研究機構の方にもお願いをしているところ。今後,どういう対応ができるかは,機構の方でも検討してもらって,対応していく。

(3)平成24年度戦略プログラム加速枠の計算資源配分の方針について

林計算科学技術推進室長より資料3,資料4に基づき説明。審議の結果,案1となった。質疑応答は以下のとおり。 

【中村委員】
・案2の場合は,利用実績から判断することになるが,実際の審査や利用を考えると,平成24年度については,案1の方が良い気がする。
【土居主査】
・運用形態並びに利用の仕方もまだ試行錯誤の状態である点と,利用実績も十分にたまっていない状態であるため,各分野における機動的な差配を可能とするために,加速枠5%分を各分野に1%ずつ均等配分し,あとは各分野で考えていただきたい,ということ。
【小柳委員】
・案2の場合,利用実績をもとにとなると,たくさんの判断項目が考えられ,これをきちんと評価するには大分議論が必要になる気がするため,案1で良いと思う。
【土居主査】
・それでは,時間的なことも考え,今年度については,案1とする。

(4)平成25年度戦略プログラムにおける「京」の計算資源配分の方針について

林計算科学技術推進室長より資料5に基づき説明。審議の結果,引き続き検討となった。質疑応答は以下のとおり。 

【小柳委員】
・案1と案2の両方に共通だが,評価基準について,平成24年度の優先課題のときは,早急に成果を出すということで,早急性というものを非常に重視した。平成25年度の場合は,どういうふうに考えれば良いか。
【土居主査】
・現時点では特段何も決まっていない。
【小柳委員】
・内容の優秀さというか,学問的,若しくは社会的な意味ということになるのか,それとも,また継続で,前回のように早期に成果が出るものを優先してという時間的なものをかなり加味するのかというあたりで,この制度そのもののニュアンスが変わってくると思う。
【平尾委員】
・当然,科学的な卓越性や,社会的なインパクトの強さというのは,評価の基準になることは当然だが,「京」が動き出してまだ一年たっていないわけで,「京」の重要性を国民にも理解していただくという意味では,ある程度早期に成果が出るということも,指標の一つに入れておいていただきたいという気がする。
【土居主査】
・加速枠をどのように決めるかということについて,案1では,上期の利用実績情報から対象課題を抽出してということになっている。
【中村委員】
・加速枠を決める際の指標が,利用したノード時間積ということになると,大規模ノードジョブは流れにくいため,少ないノード数掛けるたくさんの時間というジョブを助長してしまうことにならないか心配。
【小柳委員】
・恐らく,少ないノード数のジョブの方が流れやすいと思われるため,利用したノード時間積で選ぶようにしてしまうと,「京」を細切れで使うことになってしまう恐れがあり,大規模ノードを利用したという点も評価の指標に入れる必要がある。
【中村委員】
・科学的な意味も非常に重要で,利用実績だけで判断されてしまうと,せっかくいいことをやろうとしている研究課題が加速枠に選ばれないという問題もあると思う。
【平尾委員】
・「京」の大規模なノードを使って計算するということも非常に重要である一方で,アンサンブル的な計算により,これまで扱えなかったような非常に複雑な現象を扱うということも非常に重要。したがって,どちらか片方だけで判断してしまうのは難しい。
【寺倉委員】
・非常に短期間にいろいろな成果の評価を行うことは,実施者にも負担が大きい。また,毎年同じパターンにする必要はないと思っているが,来年度について言えば,今年の9月から共用開始されて,来年の初めにまたいろいろな評価で負担をかけても,実効は余り上がらないと思う。要するに,一年ぐらいは分野側に任せてやってもらった方が良いのではないか。その結果で再来年度は判断するようにして,少し年度によってやり方を柔軟に考えていった方が良いのではないかと思う。
【中村委員】
・各分野でどういうことが進んでいるかということは,分野マネージャと分野別作業部会が把握しているはずであり,分野別作業部会をうまく利用した方が良いと思う。
【土居主査】
・その意味だと,分野の裁量を重視した案2の方になるということか。
【小柳委員】
・案2の場合,加速枠の評価を上期も下期も行うことになるのか。
【土居主査】
・そのとおり。その際の判断基準を,計算科学研究機構の指標だけではなく,いろいろなことを加味しなければならないが,各分野の意見等々を加味した上で決めていくような方式を採らなければならない。
【平尾委員】
・加速枠と一般枠があった場合,分野によって配分が多少違うと思うが,それを来年度はみんな均等にするということか。
【土居主査】
・均等ではなく,重点課題をどうするかは分野に任せるということ。案1の場合は有識者を交えた推進委員会で決定するが,案2の場合は分野別作業部会で決定するという点が違う。
・また,第3案として,加速枠を設けずに,全て均等割りにして,分野の裁量に任せるという案もある。
【中村委員】
・重点配分というものは,その年ごとにある程度優れたものが出てくる可能性もあるため,余り均一にすると,それが外に見えにくくなる気がする。したがって,重点配分は,分野別作業部会から提案が出てくるため,それを何らかの形で判断するというものがあっても良いと思う。
・加速枠の決め方については,分野別作業部会が関われば,きちんと決まるのではないかと思う。
【小林委員】
・今の意見であれば,どちらかというと案1の方か。
【平尾委員】
・案2の場合は分野の中での競争,案1の場合は異なる分野も含めた競争。
【土居主査】
・案2の場合も,加速枠分は異なる分野間の競争。
【平尾委員】
・実施者からすると,案2の方が実施しやすいとは思うが,一般的な評価はきちんと行う必要があると思う。
【加藤分野4統括責任者】
・重点配分と加速枠の位置付けやその違いが明確に理解できていない。もともと重点配分というのは,加速しているわけで,また同じ基準で判断されると,実施者側としてはどう考えれば良いか分からない。
【土居主査】
・分野の中で重点的にどの課題を実施するかを決めていただき,その課題にどの程度の計算資源を配分するかというものが重点配分枠。課題を進めていただいた途中で,全体を見渡して,この課題をもう少し加速して早く成果を出していただきたいものに計算資源を追加配分するものが加速枠。
【今脇分野3統括責任者】
・確かにめり張りをつけることは必要だと思うが,当初,五年計画を立てて,最終年度までの目標を決めており,一般枠の計算資源が減ってしまうと,最初に立てた計画の実行が難しくなる。
【青木分野5統括責任者】
・一年目は早期に成果を出したいということで理解できるが,社会的にインパクトがあり,かつ,早期に成果が出るものとなると課題が限られてしまう。
【土居主査】
・三年目,四年目がどうなるかはまだ何も決まっていないが,一年目については,成果の創出を加速するということで,そのような判断基準のもとに実施した。
【中村委員】
・来年度の計算資源配分方針は,今日決めないといけないのか。もう少し議論した方が良い気がする。
【寺倉委員】
・今日,今すぐ決めるのはちょっと無理ではないかと思う。
【土居主査】
・もう一度日程調整をして,再度検討する。


土居主査より閉会宣言

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