スーパーコンピュータ「京」事後評価委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成25年1月18日(金曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省 3階 3F2特別会議室

3.出席者

委員

有川主査、浅田委員、宇川委員、笠原委員、熊谷委員、辻委員、土居委員、西島委員、平木委員

文部科学省

吉田研究振興局長、下間情報課長、林計算科学技術推進室長、村松計算科学技術推進室長補佐

4.議事録

(1)スーパーコンピュータ「京」事後評価委員会の設置について

林計算科学技術推進室長より、資料1に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【平木委員】  2点ほど確認である。1点目は、非公開というのは、それほど気にしないが、前回の経緯を見ると、どのぐらい文部科学省が私たちを守ってくれるかということに対して若干の不安があるが、その辺はいかがか。
【林計算科学技術推進室長】  議事録をつくる際には、各委員の先生にはあらかじめ承認を得るということになるので、適当でない表現などは直していただくことは可能。それをまとめて議事録とする。前回というのは、概念設計評価と中間評価のことだと思われるが、あれは後から資料及び議事録を公開したということで、作業的にもタイトで至らなかった点があったと思うので、我々としても反省しなければならないと思う。事後評価についても仮に非公開にしたとしても最後まで非公開にするということはなかなかできないと思っており、最終的には何らかの形でやはり公開はしていくことになると思う。
 概念評価、中間評価のとき、その当時は機密だったと言われているものも、「京」のシステムも完成した段階でどこまで機密なのかということをメーカーともいろいろ議論し、出せるものは公開してきたので、もし事後評価委員会の場合も非公表になったとしても、ある程度同じ扱いになって、ある年度たって情報公開請求等があれば、そのときに見直して、公開できるものは公開していくことになろうかと思う。
【平木委員】  2点目は、中間評価又は概念設計評価のときに、その場では非公開になっていたものを、後に文部科学省がホームページで公表している資料というのがある。それはもはや公表資料と思ってよいか。
【林計算科学技術推進室長】  それはもう公表資料である。
【有川主査】  基本的には原則公開であるが、どうしても非公開にしないと議論ができないようなところに関しては、ずっとということはないにしても、少なくともしばらくの間は非公開にするということはあり得るということで、非常に健全なやり方だと思う。
【西島委員】  事後評価委員の12名の中に中間評価に関わった方はどれぐらいいるのか。
【林計算科学技術推進室長】  中間評価、概念評価、両方あるが、浅田先生、笠原先生、土居先生、土井先生、平木先生の5名。
【西島委員】  全く中間評価の先生がいないとなるとまた一からの議論となるので、そういう意味では大変バランスがとれていると思う。

(2)スーパーコンピュータ「京」の開発・整備の概要について

林計算科学技術推進室長より、資料3に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【西島委員】  3ページで事後評価を行う対象は、スーパーコンピュータ「京」の開発・整備、いわゆるハード部分となっているが、ソフト(グランドチャレンジアプリケーション)については別のところで事後評価を行うということだったと思うが、そのソフトはどういうタイミングで、いつごろ事後評価を行う予定か。
【林計算科学技術推進室長】  ナノテクノロジーについてのソフトウエアの事後評価はもう行っており、来週の委員会でそれが決定される予定である。ライフサイエンスのプログラムは、本年度中の3月に評価をする予定と聞いており、最終的にはそういうものをまとめて上の部会に上がることになっている。
【西島委員】  参考情報として、評価を終えた資料や途中経過をこの事後評価委員会に出すことは可能か。
【林計算科学技術推進室長】  評価が終わっているものは評価票を出すことも可能と思う。また、評価が終わっていないものは、途中経過を報告することも可能と思う。
【西島委員】  国民や産業界から見れば、いいものをつくったということはもう十分わかっており、Linpackで世界一というのもわかるのだが、どういう状況でこのスパコンの性能を十分使い込むアプリケーションがどういうふうに動き始めるかという話を聞けると、やはり評価もしやすいと思う。
【平木委員】  4ページですが、最初の目標のところで、やはり世界一という目標が最初にあったのがどこかでなくなって、しかし実際に世界一を達成したというような状況というのをきちんと記録に残しておくべきではないと思うが、いかがか。
【有川主査】  世界一と言いながら引っ込めたが、実際は世界一を達成したわけで、どうしてそれが一旦消えて、そういう中にあって、どうして達成できたのかと。複合システムとしてやろうとしていたものがスカラだけになったといったことなども関係があると思うが、これはきちんと書いて残しておく方がいいいのではないかということだが、いかがか。
【林計算科学技術推進室長】  そもそも引っ込めてはおらず、この資料がこういうふうになっているだけで、世界最高性能というところで、ここで世界最高、1位を取るということを目標にしており、そこは変わっていない。最初の段階で、平成23年6月に世界一を取るといった目標を掲げてCSTPの評価を受けているが、そこから目標は変わっているものではない。
【平木委員】  変わっていないことは承知しているが、この表現だと変わったように見えるというのが気になっている。
【有川主査】  表現上は、取り下げたようになってしまっているので、きちんと書いておいた方が良いということだと。
【平木委員】  最初のころは、明確にTop500で1位を獲得するって書いてあったもので、それは変わっていないということか。
【林計算科学技術推進室長】  変わっていない。
【平木委員】  それが実際、成果として達成できたということで、やっぱりこれは非常に大きい達成だと思うので、それは明確にわかるようにした方がよりうまく達成ができたということがわかると思う。
【林計算科学技術推進室長】  そのとおりだと思う。
【辻委員】  9ページ目の事業仕分けの対応のところに、やはり「世界一の速度性能の追求から脱却し」という表現もあるが、このあたりとの整合性はどうなるのか。
【浅田委員】  似たような質問で確認だが、今、御説明いただいたところをそのまま取ると、やはり世界一の目標と10ペタフロップスの達成時期の目標というのは微妙に違うにしても、この9ページの資料を拝見すると、10ペタフロップスの達成時期が平成23年の11月から平成24年の6月に延ばされたというふうに取れてしまうが、これはいわゆる先ほど目標は動いていないということとどう整合するのか。
【林計算科学技術推進室長】  もともとの経緯としては、10ペタの達成時期と世界一の達成時期は違う時期であったと思う。中間評価のときにもその辺の議論がいろいろあって、10ペタで世界一ということでは必ずしもなくて、たしか10ペタを達成するのはもともとある時期に達成するので、そのときに世界一ではなくて、世界一を取るときはまたその前の段階かもしれないというようなことだったと思うが、ここで書かれているのは事業仕分けの前の中間評価の段階で10ペタを達成する時期を平成24年6月にして中間評価を受けた。そのときに、その計画では遅いという状況があり、10ペタを達成する時期を平成23年11月にするべきではないかということで、中間評価を受け、そのために開発を加速するための予算を要求したと。ただ、そこまでして世界一を取るのかという議論の中で、ここに書いてあるように、世界一の速度性能の追求から脱却して、10ペタフロップスの達成時期を中間評価の前に戻していったということ。
【土居委員】  実は、私は立案当初から現在に至るまでかかわっている唯一の人間であるが、省庁再編で科学技術庁と文部省が一緒になって文部科学省になったときに、科学技術・学術審議会というのが設置されて、その孫に情報科学技術委員会があり、審議会の委員及びその下の分科会の研究計画評価分科会会長代理、そして情報科学技術委員会委員長を4期8年仰せつかった。その途中で出てきた案件がこの次世代スーパーコンピュータの開発で、当初から関わっているだけでなく、たまたまその時期、総合科学技術会議の専門調査会の委員を仰せつかったもので、文部科学省を送り出した評価委員長が総合科学技術会議の評価委員長も仰せつかったというような経緯があり、多少、今のことに関して申し上げると、Linpackで10ペタフロップスを達成するというときに、括弧で要するにトップ500で第1位を奪取するというのがついていたと。そのときに、時期が明確に平成23年6月と書いてあったと思う。それが最後までついて回っている。
 事業仕分けで2位じゃいけないのですかというのがあったわけだが、その目標が変わったという認識はなく、中間評価の段階で、米国が、あるいは後ろをひたひたと追いかけてきた中国がどう出るかというのがあり、米国が我々の完成年度よりも前に10ペタマシンと20ペタマシンを計画してきた。彼らは着実にやってくる、それをどうしようかというのが途中から出てくるわけである。場合によったら、国家基幹技術としてベクトル、スカラ、両方とも残したいという意図がずっとあったわけだが、複合システムとしてうまく機能しそうにないということがあり、中間評価の段階で複合システムはベクトル部を含めて見直しなさいということをやって、見直している最中にNECが撤退したと。
 そうすると、複合システムが片方だけということになり、片方の性能をもっと早くしてもらわなければいけないということで、さあどうしようと。中間評価で、先ほど明確に室長がおっしゃったように、10ペタという目標は固定した技術目標であったけれども、トップを奪取するというのは、要するにムービングターゲットなわけである。国民との約束があるから、どこかの時点でトップが取れるものなら取りたいということで、それをいつの時点で何ペタぐらいにするかということを慎重に時間をかけて審議した結果、改めてスカラだけで平成23年6月に照準を合わせて、そこでトップを取るということになり、それを実現すべく生産ラインその他等のための加速分110億円が出てきたという経緯がある。さっき平木先生がおっしゃったように、このあたりはもう少し明確に書いておいた方がありとあらゆる点でわかりやすいのではないかと思う。
 そして、なぜうまくいったかということだが、富士通が非常に頑張ってくださって、8ペタが出たのと、それから、米国の10ペタプロジェクトが頓挫し、20ペタプロジェクトが遅れた。そういうこともあって、8ペタでトップを取り、そしてその次の11月に10ペタを達成し、しかもHPCC Awardの4項目もトップをとったと、こういう経緯がある。
【林計算科学技術推進室長】  少し複雑なので、その辺の経緯はもう1回紙でまとめて、次回に御説明をさせていただこうかと思うが、よろしいか。
【平木委員】  明確にしておくべきだと思う。
 それから、2ページのまとめのところに、目標の重要な一つであるHPCC Award4項目の達成というのが書いてないのが残念。これは非常に重要な達成なので、いろいろな意味で本当の世界一ということを示すという意味で明確にされた方が良いと思う。
【浅田委員】  申し上げたかったことは土居先生がおっしゃったことと同じで、事後評価において、このハードウエアで最も重要なことは、世界一が取れたことの理由、その必然性をきちんと記録することだと思う。実質は取れない状況にあったが、土居先生がおっしゃった二つの作用があって取れたのであって、決して必然的に取れたわけではないというのが私の持った印象。計画を平成24年6月に10ペタ実現としていたならば、それは駄目であったという可能性が当然あったわけであるから、それを当初の目的のまま実施した結果うまくいきましたとまとめてしまうのは、後に続く余りよくないメッセージになると思った。
【有川主査】  若干の修正等があるが、極めて大事なことを御指摘いただいたと思う。途中では悲観的になったこともあったが、担当した企業も非常に頑張っていただいたということは明らかであり、それは評価に際して記録に残しておいた方がいいと思う。

(3)評価の進め方について

林計算科学技術推進室長より、資料4-1から資料4-5に基づき説明。
資料4-1の「事後評価実施要領」、資料4-2の「スーパーコンピュータ『京』事後評価委員会のスケジュール」、資料4-3の「成果報告票」、資料4-4の「事後評価シート」、資料4-5の「事後評価票」については、案のとおり決定。質疑応答は以下のとおり。

 【西島委員】 実際の作業としては、3月4日から3月11日までに私たちが事後評価シートを書けばよいということか。
【林計算科学技術推進室長】  そうである。
【西島委員】  2月5日から2月17日の間の事前確認というのはどういう意味か。事前質問を出せるというわけではないのか。
【林計算科学技術推進室長】  事前質問でこういうことを特に聞きたいということがあれば、あらかじめ出してもらえれば、理研に資料を用意してもらう、説明のときに特に強調してもらうなど、そういうことは可能だと思う。見ていただいて、もし質問があれば事前に事務局にいただければと思う。
【平木委員】  評価の観点とどういうふうに記入するかということは、実は非常に重要な問題であり、最終的にはすばらしい成果を残して非常に成功していくというふうに評価すべきプロジェクトだと思うが、途中に記録に残すべき問題点がなかったというわけではなかった。いろいろな紆余曲折がたくさんあった困難なプロジェクトだったわけで、それを総合的な評価を下げずに、しかもそれをちゃんと残すにはどうすればいいかというのは、このシートのつくり一つにかかっていると思うので、その辺を御配慮いただけたらなと思う。原案での評価をそのままやると、要するにどこかで問題点を指摘すると全体評価を下げるようなことになってしまう懸念があるので、問題は指摘できるけれども、全体的にはちゃんと評価できるという、まとめていく段階でその非常に微妙なところを工夫していくということが必要かなと思う。
【有川主査】  これはかなりわかりやすいプロジェクトであるので、その辺は大丈夫かと思う。
【浅田委員】  評価されるレポートや資料によるとは思うが、これは当初からいろいろな中間評価を経て、そのコメントを経て、当初の計画を軌道修正しながらここに至ったという形だと思う。その軌道修正があったことを私は是とすべきではないかと思う。当初の計画から変わっているじゃないかといって、それをバツとし下げる必要はないと。基本的には運営というのは、変わったことによって結果的によかったのだという判断をしていいと思う。そういう観点でいけば、平木先生の御懸念も余り生じないのではないかと思う。
【有川主査】  これは、当初の計画どおりに簡単にいくというものであれば、国で、特に文部科学省でやることではないのではないか、ということになると思う。そのぐらい大変なことをやっているということであるから、必要に応じて軌道修正もしなければならない。それから、今回は世界的に財政状況が急変するといった状況であったにもかかわらずきちんと修正して、より効率的、効果的な結果を出したということだと思う。
【浅田委員】  もう少し申すと、そういう観点で資料を書いていいということを理研が理解しないと、かえって誤った資料をつくるのではないかと思う。
【有川主査】  大事な御指摘だと思う。
【熊谷委員】  今のことに関連することだが、理研側でこの計画に対して完成までの間の自己評価のようなものはあるのか。計画で紆余曲折しているわけで、中でも、それに対してどういうふうに対応したのが結果としてどう成功につながっているのかというのは、成功するとやらない。だが、実はそこが非常に重要。そういう内部資料がもしあればいただきたいと思う。
【林計算科学技術推進室長】  それは事務局から理研に伝える。
【西島委員】  全く同意見。先ほど、中間評価に関わった方がどのぐらいいますかと質問したのは、そこが間違いないようにという主旨。次の展望とかそういうことを考えたときに、とてもできないようなものを目標に上げておいて、中間評価をやったときに、最初のスタート時点の目標が甘かったと。例えば5年間で新薬をつくるとか、どう考えても無理だが、中間評価で言われたから修正したとそういうのとはちょっと事情が違うと思う。その辺は十分くみするというのをわかるように残さなければいけないなと感じている。
【辻委員】  今までの質問と重なるが、これは事業がいかに達成できたかという評価であるが、国家プロジェクトということを考えると、目標の設定はどうだったのか。例えば過去には第五世代コンピュータや地球シミュレータもあるが、そういったところまで評価することが、次に生かすために必要ではではないかと思う。そうすると、最初にこの複合システムを選んだことはどうだったのか。結果的に当初の目標が達成できなくなっても、紆余曲折を経てきちんとした形になったというのはもちろん評価すべきことではあるが、最初の目標設定のところまで含めて評価することは、ここでの評価の範疇には入ってこないのか。
【有川主査】  最初の課題の目標の設定と達成状況等についてどこかで評価しておく必要はないかということである。
【林計算科学技術推進室長】  それは評価していただいてもかまわないと思う。
【有川主査】  つまり、そういう項目を上げておくかどうかということだと。
【土居委員】  おっしゃることは大変よくわかることが、一つ間違えば、事後評価が事前評価になる可能性があり、それは避けなければいけないこと。要するに、事前評価を行って始めたもの、それがまた中間評価を経てやってきたもの、それに対して全体としてどうだったかという観点で、当初のところから多少見てみようか、又は、辻さんがおっしゃったように国家プロジェクトとして、今後に資するものというような観点ならよろしいが、得てして事前評価になってしまう可能性があるので、その点だけは注意していただきたいと思う。
【有川主査】  
今おっしゃっている事前評価というのは、結果が出た後で事前評価の時期にやっておくべきだったというようなことになってしまう。それがよかった、悪かったというようなことになってしまうということであるが、実際にはこうしたことは学会その他、あるいはいろいろなコミュニティの中でそういったことも含めて実質的には評価されているのだと思う。例えば、古い話であるが、第五世代コンピュータプロジェクトに関しては、プロダクトとしての評価ということについてはいろいろあるかもしれないけれども、実はあのプロジェクトというのは人材育成ということに関してはものすごく貢献したという評価がある。だが、書かれたものの中にはそれが全然ない。そういった側面があると思う。
 そのため、それぞれの委員の方々が評価シートを書かれるときは、定型的なものを使っているわけで、少し慎重に書かれた方がいいのかもしれない。
【熊谷委員】  成果報告票の4ページの人材育成のところであるが、研究開発という側から人材が育ったかどうかというのを聞いているだけに見えるのだが、メーカー側の人材も育っていると思う。その部分をきちんと一つの成果として事後評価を行うことは非常に重要だと思う。
【有川主査】  非常に大事な点である。
【宇川委員】  今の点だが、人材育成についてプロジェクトの当初から明示的に目標として立てていたのかというと、必ずしもそうではなかったと思う。人材育成については、結果的に大いに育ってきたということではあろうとは思うが、それをどういうスタンスで評価すればいいのかというのはちょっと難しい面があるように感じている。この人材育成の項目を当初の目標設定も含めてどういうふうに評価すればよろしいか。
【有川主査】  当初、人材育成するということは確かに表立っては言っていなかったかもしれないが、技術水準を上げるということが結局、人材育成をするということにはなると思うが、いかがか。
【西島委員】  人材育成を目標にするかというのではなくて、人材育成は当然含まれていることで、事後評価の中に人材育成というのを上げているのは波及効果としてもいいのではないかと思う。恐らくそういうことは理研が書いてこられる項目だと思うし、評価できる項目だというふうに思う。
【林計算科学技術推進室長】  確かに目標には余り明確に掲げてはいないが、目標との関係はどちらかというと成果報告票の3の課題の達成状況等の方に入ってくるので、4の方はその結果こういうことが得られて、こういう人材育成があったということを書いていただくということだと思う。もちろん人材育成を全く考えないでやっているということでもないので、そういった結果を書いていただいて、目標との関係、明確に目標に載っているような話であれば3の方にも書いてくると、こういう整理になると思っている。
【笠原委員】  研究開発成果の利活用のところだが、この「京」というハードウエアとともに、その上で非常に重要なアプリケーションを動かして、そのアプリケーションで世の中に真価を問うという計画だったと思う。ただ、アプリケーションに関しては今回の評価の中に入っていないので、この利活用の評価をどういうふうにやったらいいのかというのは疑問があり、それについて説明していただきたい。
【有川主査】  「京」によって生まれてきた技術を使って、実際に商用のものもできたり、いろいろなコンピュータをつくる上での技術的な革新があって、そういう意味でほかのところにも使えるようになったというようなことはあろうかと思うが、そういったことを書くのか、あるいは、本当に「京」を使って計算した結果、そういうことがわかったという、その辺を書くのか、整理しておく必要があると思う。
【林計算科学技術推進室長】  これは確かに難しいところだが、まず一つ、ハードをつくってどういう成果が出てきたかということについては、こういう成果が出てきましたというようなことを説明することで、それに貢献できるようなハードができたのだと、そういう意味での評価をすればよいと考えている。ソフトについてですが、アプリケーションを開発した人はそもそも理研ではないが、そのアプリケーションがちゃんと動いて、こういう成果が出るまでのハードになりましたと評価してもらわざるを得ないのかなと思っている。要するに、ハード側の話と、利用での成果の両方の観点があるのかなと思っている。
【有川主査】  既に140件ぐらいの課題が動いているわけだが、極端なことを言うと、ものすごく速いけど何もできていないというのであれば、幾らよくてもその評価にはつながっていかないと思うのだが、そういったぐらいのことはした上で、利用という面から見ると、本当に数えきれないような様々な利用がこれからもあり得るわけなので、そういったものを見越した評価というのはしにくいところがある。そのため、限定的な中でやっていくというのは一つのやり方だろうと思う。
【西島委員】  理研の中でこのスパコンを使うために、予算を割いて、アプリケーション、いわゆるグランドチャレンジに向かったようなものが実際動いて7年間やった成果の最終発表会のシンポジウムがついこの間あったので、その辺を理研の方から言ってもらえばよろしいのではないかと。

(4)その他

【有川主査】  ありがとうございました。その他として何かございますか。
特にないようでしたら、今いただきました御意見、事務局で整理していただきます。 

事務局より、次回の日程(2月18日月曜日、10時から12時)を報告。

 

有川主査より閉会宣言

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