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今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループ(第3回) 議事録

1.日時

平成24年5月30日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省 第二講堂(旧文部省庁舎6階)

3.出席者

委員

小柳主査、青木委員、秋山委員、天野委員、宇川委員、加藤委員、小林委員、関口(智)委員、善甫委員、高田委員、常行委員、富田委員、中島委員、中村委員、牧野委員、松尾委員、松岡委員、村上委員、室井委員、渡邉委員
(HPCI計画推進委員会)土居主査
(説明者)日本電気株式会社(西川氏)、株式会社日立製作所(五百木氏)、富士通株式会社(追永氏)

文部科学省

下間情報課長、林計算科学技術推進室長、村松計算科学技術推進室長補佐

4.議事録

(1)HPC技術の動向に関するヒアリング

松岡委員より、資料1に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【小柳主査】  Sequoiaの説明で、Miraはハーフサイズになるのか。

【松岡委員】  MiraはSequoiaのハーフサイズである。Blue Gene/Qの理論的なスケーラビリティは100ペタぐらいまで行く。システムソフトウエアがサポートしているのがそのぐらいのコンフィギュレーションなので、お金さえあればつくれるという状況である。

 

日本電気株式会社より、資料2に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【小柳主査】  どの方向を技術動向のターゲットとして考えているのか。

【日本電気】  合同作業部会の報告でもあったように、アプリケーションに応じて得意・不得意のアーキテクチャがあるので、1つのアーキテクチャで全てをカバーするのはロスが出ると思う。したがって、そのアプリケーション特性に応じた計算をすることで、トータルでは一番最適にできることになると思う。利用者から見ればそれをばらばらにやるのではなく、ジョブを入れるところと、データを置いておくところはシングルシステムに見えるのがあるべき姿と思う。

【高田委員】  ビジネスという面では5年先ぐらいをみていると思う。説明ではスピードだけではないHPCとのことだが、そういう意味で今のクラウドの流れとHPCの今後の先端技術の進み方は連動しながらいくものなのか。それとも、クラウドはすそ野を広げるだけで、最先端とは別の考え方になるのか。

【日本電気】  非常に難しい話だと思う。クラウドという言葉で描くイメージが、聞く人によって異なる場合がある。ただHPCの場合は扱うデータが非常に多いということ、クラウドは実際に処理するシステムがどこにあるのかを意識しなくてもいいということで、それは一面では利便性だが、ハンドリングしなければならないデータ量が多い場合に、それを意識しないでできるのかという問題がある。ネットワークが潤沢にあれば可能かもしれないが、やはり距離の問題で実行すべきところにデータを置いておかないといけない。ただ、プログラマやオペレータがそこにいなければならないということはなく、それはリモートでできると思う。したがってHPCのクラウドがどうあるべきかは、ハンドリングするデータが多いことから、慎重に考えないといけないと思う。

【松岡委員】  インターコネクトについて、100ペタぐらいだと25Gbps×4の100Gをビルディングブロックとして使えばよく、その辺は各社が様々なインフラをやっているが、エクサの場合は400Gぐらい使わないとつくれない。そのあたりはまだ研究段階だと思うが、今後400Gとかテラbpsぐらいのエクサ時代のインターコネクトをどうやってつくっていくかということに関してのビジョンはどうか。

【日本電気】  今の先生のお話はクラウドではなく、インターコネクトですね。

【松岡委員】  ロードマップを見ると、400Gもロードマップはあるけれども技術的にはまだ物理層ができておらず、テラだと矢印があるぐらいである。そのあたり御社のスタンスはどうなのか。

【日本電気】  まだこれという方向性は持っていないが、ノード間のインターコネクトに関してはまず光が重要であるということ。光のままでスイッチングし、光のままCPUに入ってくるのは、おそらく2020年ぐらいを見ても無理だと思う。そうすると電気変換が1つのネックになる。光では波長多重などいろいろな方向性があると思っているが、むしろその電気変換をしてCPUはまだシリコンで電気で動いているというようなところをうまく考えないといけないと思っている。また、ノード間でほんとうにそれだけのデータを飛ばす必要があるかについては、アプリケーション側からも考えないといけない部分があると思っており、ぜひ議論させていただきたいと思う。

【松岡委員】  御社の通信部門などはいろいろな技術を持っている。

【日本電気】  通信領域ではそういうことがあると思う。

【松岡委員】  ただそれはすごいコストが高い、パワーが高いので、それをどうやって何千何万のインターコネクトに持ってくるかが重要で、御社はまさにそういう会社なので、ぜひお願いしたい。

【牧野委員】  配付資料に入っていない後半部分は、後からいただけるのか。

【日本電気】  特に企業秘密はないので、文言を見直して送るようにする。

 

日立製作所より、資料3に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【加藤委員】  トップエンドを本気でやるのであれば、何らかのハードウエア的な技術革新がない限りは難しい。トップエンドではなく、ボリュームゾーンを産業界に展開する戦略に見えたが、その解釈でいいか。

【日立製作所】  トップエンドをやりませんと言う意味ではなく、先ずは、ボリュームゾーンで性能を引出す必要があるとの認識です。産業界でのスーパーコンピュータ利用促進のためには、ISVソフトウェアが高速に動作することが必須であることから、コモディティ計算機に対する外付けの機構で性能を引出すことを考えています。利用促進の観点から考えると、トップエンドも、その延長線上で検討しています。

【小柳主査】  アーキテクチャごとにプログラムしなければならないのは大変という問題意識はわかったが、御社の技術的な展望として、どうしていくのかがわからない。

【日立製作所】  アーキテクチャごとのプログラムチューニングが大変というところに関しては、プログラムの特性によってアーキテクチャを分けるということがある。更にプログラミングを簡単にするという意味では、まだ研究レベルではあるが、自動チューニングに取りかかっている。もう一つはライブラリという形で、全体ではなく、フーリエ変換などの部分を速くするというアプローチになる。

【松岡委員】  ポータビリティーという観点では、米国や欧州でもパフォーマンスポータビリティーを含めて非常に重要視されていて、例えばハイプロダクティビティ・コンピューティングシステム(HPCS)などがある。その結果としてPGASが出てきたり、メッセージパッシングが標準化されたり、例えばOpenMPとかOpenACCのような、あるいはディレクトリベースの、ポータビリティーがあると、そのような言語やコンパイラ技術、ライブラリ等が出てきている。それは御社のまさに合致するところであると思うが、例えばOpenACCやOpenCLといったアーキテクチャニュートラルな言語をつくっていくことに関して御社はどのような活動をしているのか。

【日立製作所】  並列化指示文に関しては、現在、筑波大学の佐藤先生とXcalableMPに携わらせていただいている。

【松岡委員】  もちろん国産技術は重要だが、一方で国際標準の動きもあり、それに関して御社は、もしパフォーマンスポータビリティー、あるいはアーキテクチャニュートラルなポータビリティーを重要視されるのなら、そういうところにぜひ参加するべきだと思う。

【日立製作所】  標準化という意味では、残念ながら弊社は参画できていないが、検討しなければいけないと思っている。

【松岡委員】  例えばIBMはX10をPGASで一生懸命やっている。X10に関する御社の態度はどうなっているのか。

【日立製作所】  そこはわからない。

【関口(智)委員】  資料の2番目の項目でスーパーコンピュータの現状の課題を提示されて、それに対する開発の方向性が3-1でまとめてあるが、その対応がついていない。だから速くしなきゃいけないよね、という課題に対し、速くしましょうみたいになっている。課題に対してどうアプローチするのかという方向性かと思ったが、課題そのものが方向性と言われると、どこに実際の技術的なソリューションを求めているのかがわからない。こういう場では言いにくいかもしれないが、オウム返しではない言い方はないか。

【日立製作所】  すみませんが、公開の場でのご説明は出来ません。

 

富士通より、資料4に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【牧野委員】  将来の方向として、SIMDのベースを増やすという話があったが、そうするとアプリケーションから見ると非常に使いづらくなる。それに関して何か対応を考えているか。

【富士通】  我々のSIMDは演算器を増やすのが中心だったが、Sandy BridgeのAVXは、例えばリストアクセス、ストライドアクセスがSIMDで行くようになった。パーミュテーションというレジスタ間のデータのアライメントができる命令も導入されている。その機能は我々がかつてベクトルをやったときに導入した機能であり、当然サポートされている。我々もSandy Bridgeが入れてきたことはありがたく思っていて、我々の方が技術力はあると思っているので、うまくそれを組み合わせていきたいと思っている。一般的にはSIMDを増やすとそれだけ実効効率が下がるが、そのような仕掛けも次は取り入れようと思っている。

【加藤委員】  方向性は大体わかったが、意外だったのがメモリを減らすのではなくメモリを増やす方向となっており、おそらくコアは32個ですね。SIMDが倍ぐらいになると、ソケット1テラかと思うが、そのスペックでBFはキープできるのか。

【富士通】  あまり言いたくないが、します。

【常行委員】  TofuでAlltoAll通信アルゴリズムという話が出たが、これはネットワークの改良なのか、アルゴリズムを変えたのか。

【富士通】  アルゴリズムでやっており、論文の準備をしている。イシハタ・ミウラという2名の貢献があり、社内ではイシハタ・ミウラアルゴリズムと呼んでいる。

【常行委員】  どのぐらいの規模でどのぐらい通信が軽減されているのか。

【富士通】  6,144ノードといっているのは「京」の27分の2のシステムとなる。当然全部を使うこともできるが、全部を使うチャンスが我々にもなく、Y軸は2しかない。動画ではY軸が高さ方向になっている。

【常行委員】  近々論文が出るのか。

【富士通】  書かせるように言っているが、いつごろ出るかはちょっと。

【高田委員】  これからも並列化は進んでいくと思うが、アプリケーションの立場、ユーザの立場から見ると、並列化で効率が出にくいものと出やすいものがあると思う。1つの考え方として、アプリケーションに応じてアーキテクチャを別していくという考え方もあると思うが、エクサに対応するのはジェネラルパーパスのものとして考えているのか。

【富士通】  先ほどのVISIMPACTはアプリケーションによって性能が異なる。そのため最適な組み合わせで、例えば8×2がよかったり、2×8がよかったり、4×4がよかったりするが、これはアプリケーションによってバリアブルに構成が組めることを意味している。我々がかつてやったベクトルだと、VP200は1サイクルで4エレメントを同時に処理できるが、これは固定だった。ですから、先ほど言ったVISIMPACTをもう少しやりたいと思っている。

 今は連成計算が多くなってきて、例えば強連成は我々のスカラには最適であり、同じプラットフォームの中でネットワーク上でやるので、そのときに、それぞれに最適な組み合わせもできるようにしたいと思っている。集団通信について、あるところのノードが、8スレッドを1プロセスにして片方が2スレッド1プロセスのようなものでも、全体としてAlltoAllでできるようには思っている。ほんとうにそれで性能が出るかどうかを、これから少し遊んでみたいと思っている。

【小柳主査】  松岡委員の発表に加えて3社の発表があったが、全体を通して議論の時間を持ちたいと思う。

【牧野委員】  90年代ぐらいまでの日本のHPCメーカは垂直統合で、半導体からつくっていることが、米国メーカに対する優位性になっていたと思う。今はその状況がひっくり返っている。これからどのように日本メーカが国際競争力を持とうとしているのか、そのビジョンをお聞きしたい。

【富士通】  「京」については富士通が中心になってやってきたが、「京」のシステムは今までの大学や研究所に入れた従来のマシンとは異なり、もっと大きな規模となっている。それを1社でやっていくのは難しく、日本のいろいろなメーカと一緒に、得意なところを合わせてやっていくというのが現実的であるということを、当社の幹部も含めて言っている。私も同感だと思っている。

 今回、ハード、ソフト含めて五、六百人の技術者がかかわっているが、それを維持していくのは大変なので、そういう形でできればいいと思っている。

【加藤委員】  下方展開について富士通にお聞きしたいが、先ほど日立の方はもう上はあまり見ないという話だったが、富士通は両方やっている。トップエンドと、トップエンドの10分の1のFX10、それからSBのラインとなっている。ところが何年かたってからボリュームゾーンに展開されているのは、少なくとも現状を見る限りではコモディティであり、上から展開されることは今まで起こっていない。その辺は今後どうなっていくと考えているのか。

【富士通】  次のマシンは1つの単位を2Uぐらいにしようと思っていて、基本的には手ごろな値段で提供できるようにしようと思っている。ただPCクラスタは世の中で一般的になっているので、システムソフトウエアは、基本的にはPCクラスタも当社のプロプライエタリのシステムを、同じシステムソフトウエアの上でハイブリッドで展開するように考えている。

【加藤委員】  ユーザから見たときにプライスがそうなっていればそれでいいが、せっかくトップエンドの技術開発をして10分の1スケールまでは展開されても、ボリュームゾーンには展開されていないという現実がある。それは今後どうなるのか。

【富士通】  今までは、基本的にはコスト的に対応できなかったが、次は何とかそういうところまでするような、そういう意味です。

【高田委員】  企業の現場ではISVの市販のソフトを使っているケースがほとんどであり、アメリカのソフトメーカのものはアメリカのマシンでチューニングすることになる。わざわざ日本のメーカが自分でコストを払ってまでチューニングしてくれないということがある。

 1つの解決は、国産のいいソフトが出てくれば、当然国産のマシンでチューニングされることになり、それは1つの方向性として大きく期待している。もう一つは、日本でいいソフトを開発して、それを海外で使ってもらうために海外のマシンにチューニングすることもあるが、これもコストの問題がでてくる。

 いいハードが国内、海外ででてきても、実際のボリュームゾーンのユーザは相変わらずISVを使っているので、そのギャップはなかなか埋まらない。もちろんユーザサイドから、このハードとソフトの組み合わせでチューニングするようにISVに圧力をかけることはできると思うが、ベンダから見たときに何かコメントはあるか。

【富士通】  私どもは基本的にはISVのポーティングも行っていきたいと思っている。ただ、PCクラスタではある程度既にポーティングされていて、それと対抗できるぐらいの品数をそろえるのは難しい面もある。

【高田委員】  それは直接ベンダと交渉するのか、困難はないのか。

【富士通】  それは私どもでやります。困難な面は多く、例えば、プライオリティの問題もあり、ISVはたくさん売れるところを先にやることになる。ですから、お客さんと一緒にやっていかなければなかなかできないと思っている。

【秋山委員】  富士通に伺いたいが、SIMD拡張の話は下方展開のとき深さは変わってくるのか。

【富士通】  プロセッサを変えるのは大変なので、それはできない。

【秋山委員】  その前提で伺うと、技術の方向性としては非常にリーズナブルで、このようにつくられたマシンを見てみたいと思うものの、やはりSIMDが増えていくと、聞いていたとおりの性能が出ないのではないかという誤解が起きがちである。又は、出るようなものしか走らせちゃいけないとか。

 今、我々は歴史の分岐点に立っているような気がしていて、昔から持っていた計算機は汎用というイメージから、はまるものとはまらないもので全く勝者と敗者が変わってしまう。この提案のマシンを広く上から下まで展開しようと思うと、SIMDの深さというところは、技術屋としてできることを出すという以上に、市場の動向を見て決めないと怖いような気がする。

【富士通】  全くそのとおりで、先ほど私が言いたかったのは、SIMDは今まで専用的な機能だと思っていたが、Sandy Bridge、インテルがいわゆるビジネス機でも使うプロセッサ上に4SIMDやってきたことで、今後は標準機能となっていくように思っている。それを、例えばMICのように8に広げていって、それが現実的かどうかは、今日提案させていただいたが、東大の先生方も含めて、その辺は議論していきたいと思っている。

【松岡委員】  下方展開というか上方展開を考えると、市場が小さくならないためには、どうしてもストロング・スケーラビリティと戦うしかない。ストロング・スケーラビリティの必要性はいろいろな技術的方向が出てくるが、それに対して、例えばヘテロジニアスアーキテクチャはその1つの解だし、ほかにもいろいろな手があり、やみくもにSIMDや並列性を上げていくと、それこそ単一の、コアだけではなくマシン全体としてウィーク・スケーリングのソフトウエアしか動かなくなる。ストロング・スケーリングに対する対応は重要になってくるが、そのあたりの3社の考えを伺いたい。例えばBlue Geneとかはほとんど考えていないマシンなので、非常に市場が狭くなると思うが。

【富士通】  そこは非常に悩んでいて、例えばエクサに向けてGPGPUベースのものや、SIMDを拡張して、基本的には同じトランジスタをどれだけ演算器に投資するかで変わってくる。それを演算器に多くしたものとバランスして汎用的なアプリケーションに対応できるものにするなど、私どもは、基本的には「京」についてはそういう広汎なアプリケーションに対応するようにやってきた。SIMDを拡張し数を多くするということは、そういうところに効かなくなるという面があるので、どこでバランスしていくかを、いろいろな先生方と議論させていただきたいと思っている。

【日本電気】  まさにご指摘のとおりと思う。SIMDの深さというか幅は、アプリケーションによって随分変わってくる。2018年ぐらいのエクサスケールをターゲットして考えると、富士通さんもおっしゃったとおり、柔軟性が必要だと思う。ものづくりではカメレオンチップと言っているが、必要なSIMDの深さを入ってくるアプリケーションに応じて切りかえるものができればいいと考えている。つくりますという宣言ではないが、そういったものが必要になってくると考えている。

 それをダイナミックに切りかえられるのか、ある程度スタティックにするのかはインプリメンテーションの問題もあるので、そういったことを考慮しないといけないと考えている。

【日立製作所】  スケールが非常に大きくなったところでアプリケーションがどのぐらいまでカバーできるかは悩むところである。先ほどから日立はもう上はやめたという話で理解されてしまっているが、そうではなく、我々としてはある程度汎用的なベースをつくりながら、その上でナショナルリーダーシップ的なところはある程度ターゲットを絞るという中で、その選択の中でアクセラレーション等の技術で達成するというところでまず悩んでいる。

 ですから当然これは用途が狭くなり、市場としての課題が出てくることになる。そういう形で絞りながら、かつ、ビジネスとして成立するところを見定めて、アーキテクチャを決めていきたいと思っている。

【松岡委員】  先ほどのエクサの話でスループットコアとレイテンシコアを組み合わせるというのは結構な話で、それを1チップにするのもいいが、それをインテグレーションしたときに、マスマーケットとハイエンドで、まるで特性が変わってくる。マスマーケットであれば並列性はそれほど多くないので、比較的強いのと組み合わせなくても何とかなるが、ハイエンドになるほどスループットコアではなく、レイテンシコアが速くならないといけなくなる。ところが、それだとつくってもマーケットがない。GPUやMICがなぜうまくいくかというと、レイテンシコアとスループットコアが別のプロセッサだから、それぞれのマーケットでうまくいっている。インテグレーションしたとたんにマーケットがなくなる。各社はそれにどうやって対応するのかということに問題意識をもっている。市場性を無視して速いものをつくるのも1つの答えかもしれないが、市場性を考えたとたんに下方展開できなくなるのはどうするのか。

【小柳主査】  今すぐ答えろといってもなかなか難しいと思うが、大きな問題であり、この委員会で今後とも検討していかなければならないと思う。

 このセッションは今日のところはここで一応閉じさせていただき、議題2に移りたいと思う。

(2)国内の計算資源について

林計算科学技術推進室長より、資料5、資料6に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【小林委員】  資料6の方法2については、例えばセンターの利用を見ると、最初は若干余裕が出るが、すぐいっぱいになってしまう。結局、器に合わせて計算需要が出ているという状況になっている。そこから必要な量を推計するのは難しいと思う。

【松岡委員】  大学の基盤センターの場合、シーズナルな要因もあり、卒業や学会シーズンなど、繁忙期はほんとうに足りなくなる。一方、例えば新年度になるとユーザが変わるので、いきなり利用率が下がる。年平均でならせばいいのかというと、もちろん我々もあいているところを例えば企業利用とかで埋めようと努力はしているが、年平均でならしたものをそのまま利用率とされてしまうと、ほんとうにみんなが必要なときに使えるだけの計算パワーがなくなる。シーズナルな要因を加味することにより、より正確な統計が出ると思う。

【加藤委員】  別な観点では、大体資源量はパワーユーザで決まってくる。そのため、パワーユーザにヒアリングして、それの何掛けかしたほうがむしろ精度が高いと思う。

【中島委員】  そういうセンターばかりではない。京大はリテールでやっているので、リテールでやってもたくさん来る。

【小柳主査】  いろいろな意見があるが、これを参考に進めていただきたい。多分、方法3はパワーユーザということになるかと思う。

(3)今後の調査・検討課題について

林計算科学技術推進室長より、資料7、資料8に基づき説明。質疑応答は以下のとおり。

【小柳主査】  資料については、皆様の確認もありましたので、この段階では確定とし、今後の追加などはその都度行っていきたいと思う。修正の文面等については主査にご一任いただきたい。今後の進め方については、資料7、8に沿って議論をしていきたいが、ご意見等はあるか。

【青木委員】  次々世代のスパコンを日本でつくるかどうかということも検討課題に含めるべきだと考えるがどうか。計算はどの計算機でもできるので、計算科学の重要性だけでは、日本で計算機を開発する理由にはならない。計算科学の重要性以外の大義名分があるのかどうかを真剣に検討する必要があると思う。

【小柳主査】  大変重要な問題であり、これからの検討課題として議論しなければならないという認識である。

 ほかに意見がなければ、これまで3回ワーキンググループを開催してきたが、次回から順次、資料7の調査・検討項目ごとに議論を深め、問題点の抽出と、集約できる意見は集約していきたいと思う。そして年内をめどに全体を見直し、また、最初にお約束したように来年の夏までに中間報告をしていきたい。

 特にさきほどの資料に追加された、広い意味で自然科学以外のスパコン利用を、どういう形で掘り出したらいいかはなかなか難しく、私の知っているところでは交通利用市場やパンデミックなどがあるが、それらをどのようにするかを考えていきたいと思う。

 本日予定している議題以上です。事務局から次回の予定等の連絡をお願いします。

(4)その他

村松計算科学技術推進室長補佐より、次回の日程(7月4日水曜日、17時から19時)を報告。

小柳主査より閉会発言

 

お問合せ先

研究振興局情報課計算科学技術推進室

電話番号:03-6734-4275
メールアドレス:hpci-con@mext.go.jp

(研究振興局情報課計算科学技術推進室)

-- 登録:平成24年07月 --