資料2 エクサスケール時代以降のフラッグシップシステムについて

 本ワーキンググループの中間報告においては,フラッグシップシステムの開発について,我が国の計算科学技術インフラの維持・強化,更にその技術を水平展開・下方展開することによって我が国のIT技術全般の発展への貢献が期待できることなどから,ハードウェア技術の動向やアプリケーション分野のニーズ,我が国全体の計算資源の状況等を踏まえ,その時々において適切な目標設定を行いつつ,継続的に進めていくことが重要とされている。
 これを受けて,2020年頃のエクサスケール時代のフラッグシップシステムについては,システム検討サブワーキンググループ等において議論が行われ,一定の結論を得たところである。それも踏まえ,エクサスケール時代以降のフラッグシップシステム(以下「次世代フラッグシップシステム」という。)についても,ハードウェア技術の動向やアプリケーション分野のニーズ等,さらに,それに基づく2020年以降のシステム像の方向性を共有すべく,本ワーキンググループにおいて御議論いただきたい。
 以下に,2020年頃以降のシステム像に係る論点を幾つか記した。

1. 利用の在り方について

○次世代フラッグシップシステムが活用される新たな分野・課題はどのようなものがあるか。
○次世代フラッグシップシステムの使われ方はどうなるか(例えば,全系利用は現実的か)。

2. ハードウェアの技術動向について

○次世代フラッグシップシステムのアーキテクチャはどうなるか。
○大規模並列化はこのまま続くのか。あるいは,プロセッサ当たりの処理能力を上げることに力点を置くのか。
○消費電力の壁をどのように乗り越えるのか。
○そのほか,プロセッサ,ネットワーク,メモリ,ストレージ等に関する技術動向はどうなっているか。例えば,以下の動向についてはどうか。

  • プロセッサの微細化はどこまで進むのか。
  • ネットワークのトポロジやバンド幅はどうなるか。
  • メモリバンド幅はどうなるか。
  • 電力制御のための方法はどのようなものがあるか。
  • 信頼性・耐故障性をどのように担保するのか。

3. ハードウェアの革新的技術について

○現在使われている技術の発展だけでは,ある一定以上の性能は見込めないとの議論もあるが,その技術に変わる革新的技術はあるのか。また,それらの技術で価格性能比は劇的に向上するのか。例えば,以下のような技術はどうか。

  • 超伝導物質や有機分子などを用いたコンピュータ
  • 光コンピュータ
  • 量子コンピュータ

4. アルゴリズム等の開発について

○2020年頃以降のプログラミングスタイルや言語はどのようになっているのか。例えば,以下についてはどうか。

  • 多段メモリ階層や加速部等の,その時代に使用されているアーキテクチャに適したプログラミング
  • 省電力を意識したプログラミング
  • 大規模並列の記述(例えば,MPIライブラリは使われ続けるのか。)

○大規模並列化時代のプログラミングツールはどうなっているのか。
○耐故障性を備えたミドルウェア,アルゴリズム,ライブラリ等の開発はどうあるべきか。
○次世代フラッグシップシステムに向けた,新しい理論に基づいたアルゴリズムの開発はどうあるべきか。

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