革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)検討ワーキンググループ(第1回) 議事要旨

1.日時

平成22年年4月1日(木曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.出席者

委員

青木委員、安達委員、宇川委員、加藤委員、小林委員、関口委員、善甫委員、高田委員、常行委員、土居委員、平尾委員、藤井委員、福山委員、宮野委員、米澤委員、渡邉委員

文部科学省

中川副大臣、後藤大臣政務官、坂田事務次官、磯田研究振興局長、倉持大臣官房審議官(研究振興局担当)、舟橋情報課長、飯澤学術基盤整備室長、井上計算科学技術推進室長、中井計算科学技術推進室長補佐

4.議事要旨

 (中川副大臣 冒頭発言)

  •  これまではスパコンをつくっていく政策だったが、今後はそれを活用し、さらに新たな時代を生み出すところにポイントをシフトする。
  •  ワーキンググループの目的は、(1)コンソーシアムのメンバーをどうするか、(2)コンソーシアムで何をつくり上げるか、(3)コンソーシアムから外部に向けて広げていくために何が必要か、ということについてグランドデザインをつくること。
  • 来年度予算にワーキンググループで描くグランドデザインを反映していきたい。
  • 議事の整理は土居先生にお願いする。 

(井上室長より委員の紹介)

(事務局より配布資料の確認)

(土居議事整理役)

  • 議題1について、先ほど中川副大臣からお話があったとおり、平成22年度予算において次世代スパコンを中核とした革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)とコンソーシアムを構築していこうという方針が示されたところである。
  • このワーキンググループでは、今後文部科学省がコンソーシアム参加機関を募集する際に提示するHPCIのあり方やコンソーシアムのあり方を検討することになる。
  • 本日は最初なので、まずは各委員からHPCIやコンソーシアムに必要なこと等について、5分程度を目安にご意見を述べていただき、その上で、必要な意見交換を行いたい。

以降は各委員からの意見
 

(青木委員)

  • HPCIで何をやるのかを明確にし、また、コンソーシアムの役割をどうするのかを決めてから議論する必要がある。
  • ユーザーの意見として、各大学や研究機関のスパコンは、数年毎に更新しているが、更新の在り方自体を考えていく必要がある。費用もかかるので大変である。
  • 大容量ストレージを遠方から操作できるネットワークとして、天文ではデータグリッドがあり世界中の人が利用できる。ネットワーク構築の際には仕様を決めるのが大変であり、International Lattice Data GRIDといったこれまでの経験があるのでゼロベースで作らず活用してほしい。

(加藤委員)

  • ものづくり分野での意見として、産業界も使えるインフラにしてほしい。
  • ユーザーを増やすことが必要である。現在1千人を2万人にしたい。そうすればベンダーも投資が可能となる。どうすればユーザーが増えるのか、コンソーシアムで議論してほしい。
  • またコミュニティの連携を強めるために、大学のものを有効活用し、インフラの強化とあわせてコミュニティの強化を考えたい。

(善甫委員)

  • 24年間、住友化学に勤めていた。
  • 産業界の立場からの意見として、利用実態を踏まえた議論が必要であり、(1)どういう使い方なのか、(2)急に大きな計算はできない、(3)各センターにおいてそれぞれポリシーが異なる、というものがある。
  • (1)については、材料分野では、すぐに製品はできない。製薬なら10~20年といったものになる。有機ELなどの開発には長い時間がかかるが、それを頻繁に試行錯誤的に行うことで短くしたい。所謂スクリーニングと呼ばれるものだが、スパコンの使い方をモデル化やガイドラインが必要と思う。
  • 大きい計算だけでなく小さい計算にも使えるモデルでないといけない。
  • もちろん材料などは、モデル化、大きい計算でないとできないもの。
  • (2)については、トレーニングしないと使えないため、人材教育が必要。大きいものや中くらい、小さいもの、どこにでもいける環境と、それをできる人を育てる必要がある。
  • (3)については、ポリシーの問題で、企業からネットワークでつなぐとなると、セキュリティやポリシーなどセンター毎に運用の違いが問題になる。それをまとめてリソースを使いやすくする必要がある。

(高田委員)

  • 3月頭の分子研のシンポジウムで、100m走で一位になる、マラソンで一位になる、ということが話題になっていたが、リレーで一位になるのがHPCIである。
  • 区間新記録であるハードウェア、ソフトウェアで世界一になることも大切ではあるが、団体として優勝することが大切。団体で優勝するにはバトン渡しのテクニックが大切である。日本の摺り合わせの能力を活かして優勝を目指す。
  • 国民は観客の立場ではなく、参加者として意識を持たせるようにしたい。
  • 一般ユーザや産業界が望むHPCIは、高級フランス料理ではなく牛丼屋である。便利で行列ができるくらい繁盛を目指す。
  • 牛丼屋のキャッチフレーズ
    早い:速い10ペタの性能と問題解決の早さ
    安い:企業の費用対効果に見合う安さとセキュリティを守りかつ使い易いシステム
    旨い:今まで計算できなかったことができる(巧い)、産業界での新しい切り札を生み出すためのコンピュータと連携したものづくり(上手い)
  • 立派な料理だけではなく、役割分担して牛丼屋を作りたい。

(常行委員)

  • 牛丼屋だけと言わず高級料理も目指すことは出来ると思う。
  • HPCIコンソーシアムの役割がよく分からない。議論して実のあるものにしたい。
  • 今まではスパコンを提供する側がすべてお膳立てしていた。今回は利用者が議論に参加できることはよいことである。
  • 次世代、HPCIだけにとどまらずコンピュータ設計、次次世代スパコンを含めて広い議論ができるコンソーシアムにしたい。

(藤井委員)

  • 私は2つの立場で話をしたい。
  • 流体力学のユーザーの利用者の立場として、アプリを有効活用するためのグランドチャレンジや戦略プログラムをしっかり進めることはよいことである。HPCI連携において、シミュレーションの連携には議論の余地があるが、計算結果の連携は大いに意義がある。
  • JAXA運用管理者の立場として、業務プログラムを抱えており大学の基盤センターとは立場が異なる。連携する場合にはお互いの違いを認識して議論したい。
  • 大規模シミュレーションの延長の議論だけでは革新といわれるものは起きず、コンピュータが生活の一部となっているように、スパコンを社会生活に溶け込ませることを議論して市場規模を拡大させたい。

(福山委員)

  • HPCIとコンソーシアムの構築に関して、エネルギー・核融合の視点から核融合エネルギー分野におけるシミュレーションについて意見を述べる。
  • 次世代に向けた計算機科学・計算科学の研究基盤活性化につながる人材育成が必須。
  • エネルギーや核融合の分野でも大規模なシミュレーションが可能。
  • 様々な分野における様々なレベルの計算機システムを大型にもっていく必要がある。
  • 計算機システムを使いやすいシステムへ。
  • 次世代スパコンと全国のスパコンが連携して使えるシステムへ。
  • アメリカ、ヨーロッパでは計算科学技術が進みアプリケーション開発が進んでいる。

(宮野委員)

  • ヒトゲノム分野を専門としているので、この分野に絞って申し上げる。

背景について

  • 1980年頃から始まったヒトゲノム計画によりヒトゲノムが解読され、医療開発のパラダイムシフトが起こることが示唆された。(アメリカで1980年頃3000~4000億円をかけて解読)
  • 2008年に中国・英国・米国が世界各地の1000人以上の全ゲノムDNA配列を解析し、全人類をカバーするような医学的応用価値のある人類の地図を作成する「国際1000人ゲノム計画」がスタート。2010年に完了している。
  • また同じく2008年、主要ながんのゲノム異常カタログを作成するため、がん細胞のゲノムをシーケンスする「国際がんゲノムコンソーシアム」が開始。日本を含む世界10カ国が参加。日本は最大で500人の肝臓がんのゲノムを正常なゲノムと合わせて1000のゲノムをシークエンス。
  • こうしたプロジェクトから10000のがんゲノムが出てくるとすると、今実施している次世代シーケンサの換算ではデータだけで16PBのストレージが必要。このような時代が目の前までやってきている。
  • シーケンス技術だけでなく、DNAチップなどの遺伝子発現計測技術やタンパク質計測技術も日々更新されており、ライフサイエンスは未曾有の時代が押し寄せてきている。

ライフサイエンスにおける大規模計算について

  • 今後の技術革新により、質・量・速さにどのようなデータが出てくるか安易に予測することは難しい。
  • またデータが超高次元的であり、遺伝子の発現を、たんぱく質を構成しているエクソンレベルで解析すると数百万次元にもなる。
  • さらに新しいデータに即対応することが必須で、データができてから3ヶ月で動くものでないと意味がない。したがって、オープンソース的な言語での開発を行っている。

ライフサイエンスに必要なHPCI

  • 大規模ストレージ直結大規模メモリ実装ハイパフォーマンス・コンピュータが大量の計算から超並列計算まで様々なレベルのアプリケーションが利用可能な環境。
  • ゲノムという観点では、究極の個人データを扱うため、セキュリティには特段の配慮が必要である。
  • これらを実現するのがクラウドコンピューティング。

まとめ(次世代クラウドスーパーコンピューティング)

  • ライフサイエンスの現場では、データの質・量と解析に応じたフレキシビリティのある計算資源が必要。
  • 計算の規模やスタイルは多様。(データ並列型の大規模計算・超高並列計算・ストレージへの高頻度アクセス計算等々)
  • 10ペタフロップスの次世代スパコンというハードウェアとネットワークをつないだベンチマーク世界一ではなく、ブラウザ上でデータのアップロードやデータベース参照などを一元的に利用可能とするクラウドアプリを構築し、現場のユーザー満足度世界一を目指すことが不可欠。

(渡邊委員)

  • コンソーシアムが一体どういうものかつかめていない。また、クラウドの定義もはっきりしておく必要がある。
  • 善甫委員も言ったように、急に大きい計算は無理であり、次世代スパコンでは最大64万並列があるが、一部の特殊なものを除いては無理である。
  • アプリ開発に関して万能はない。何らかの新しいものを入れる、その要素が必要。この要素を取り入れるために産業界も含めて人材育成が必要。
  • 海洋研究開発機構地球シミュレータセンターや大学にあるベクトル機と国のスカラー機がうまく棲み分けるのではなく、役割分担することが必要。
  • 機密データの取扱いについても考慮が必要。明日でも売れるようなもののためのシミュレーションはHPCIではなく、自前購入して実施する。HPCIでは10年後に役立つものをやるためのもので、そこでの機密性はいらない。しかしながら10年後のものに対して企業は資金を投入できない。
  • 基盤センターの計算機は、今は大学に配られる交付金でまかなっており、外部が自由に使って良いというルールはない。これについては各大学内のコンセンサスが必要である。
  • 当センターの場合、計算資源の40%は公募に当てているが、交付金を割り振って対応している。よって、新たな枠が更に必要ということならば、計算資源を確保するための予算措置が必要。
  • (以降ユーザ視点)テラバイトを超えると、人間宅急便で対応しているのが現状であり、ネットワーク充実のための予算措置も必要。
  • ライフサイエンスは特殊である。ほとんどの世界はデータを分散させており、集中しておく部分と分散させておく部分と並列利用ストレージの考え方をコンソーシアムで検討すべき。集中させるとネットワークが耐えられない。

(安達委員)

  • すでに国立情報学研究所は学術情報ネットワーク(SINET)を提供してきた。SINETは全国の大学や研究機関をカバーしており、回線の増強を行うなどしてHPCIインフラに貢献できると考えている。
  • ただし超大容量のデータ転送等を考慮し、HPCI専用の仮想ネットワークを形成するべきである。
  • また平成23年4月運用開始予定の高速・高信頼ネットワークを使うことにより、さらに最先端のインフラ整備ができる。 

(小林委員)

  • HPCIにより垂直だけでなく水平の連携ができるようになる。
  • 基盤センター群は水平連携で、そこと次世代スパコンやESなどとの垂直連携の構築が必要である。
  • HPCI実現に向けてシステム運用者間、利用者間の連携体制の構築が必要である。

(関口委員)

  • HPCIの在りかたについて技術論と組織論の二つの視点からとらえる。
  • 技術論としてはNo.1ユーザから実務ユーザまで広く取り込みユーザを増やす。またアクセスを速く、処理を速く、値段を安くを目指す。
  • 組織論としてはコンソーシアムに十分な権限を与え議論が早く済むようにする。また水平統合は難しく時間がかかるため、とりあえず手元のPCからスパコンまでシームレスにつかえるような垂直統合を目指すべきだと考える。

(平尾委員)

  • 次世代スパコンの設置者である理化学研究所の意見としては、安定的な運用管理であり、特に利用者の視点からは、神戸において「計算科学研究機構」設置に向けた準備をしている。コンソーシアムには大いに期待している。
  • インフラの視点では、物理的なネットワークを形成することであり、また、コミュニティの視点では、人のネットワークをつくること。一番重要なのはヒューマンネットワークである。計算科学では横の連絡がとれていなかった。人のネットワークができ、コミュニティができれば大きな力になる。果たす役割は非常に大きい。
  • 計算機のあり方も議論できるはず。

(米澤委員)

  • 情報基盤センターではスパコンをもっているが、ユーザーとしては大学内の人が半分、その他全国の人が半分である。
  • 大きな特徴は、分野に特定せず色んなユーザーがいることであり、東京大学で1000~2000人のユーザーがいる。利用は有料である。民間利用も最大10%で使用してもらっている。
  • 基盤センターの目的は、科学を発展させ、社会貢献していくもの。
  • 1000人以上のユーザーがいるので、HPCIの旗印としてセンターを取り込むことにより、ユーザーが増える。
  • コンソーシアムに多様な方が入ることは結構だが、意思決定(ディシジョンメイキング)が迅速にできるような機動的な組織であることが大事である。

 (宇川委員)

  • ここにいる委員は、意見をいう立場ではなく、考える立場である。

資料をベースに説明、以下発言のポイントのみ。

  • 基本的視点にある健全とは、オープンな形、いわゆる国民に見えるような形であるということである。
  • 革新的HPCI構築における課題では、様々な分野コミュニティが効率的にオーバーラップした基盤が必要。
  • 喫緊の課題としては、計算科学COEの構築が遅れていることがある。大規模な科学を有効活用することと共用化促進法を踏まえた大型施設の運用を可能とする簡明で透明性のある設置形態をとるべき。
  • コンソーシアムの在り方は、拠点組織の連合体と逆に学会的な組織である連合体があると考えるが、この2つを相容れることは可能ではないか。

 (土居議事整理役)

  • 様々なご意見をいただいたが、大枠は同じところでくくれると思う。副大臣からのご要望はグランドデザインをつくることであった。
  • 基本設計に基づいて、予算に反映できるよう、コンソーシアムを立ち上げる。そのためには急いで本WGを進めていく必要がある。
  • ご意見、ご質問などありますでしょうか。 


以降、委員の先生方の説明を踏まえた上での議論 

(藤井委員)

  • 宇川先生に2つ質問がある。
  • 1つ目は、全ての研究員を中核拠点に集約させるというが、各研究拠点にも研究者は必要と考えており、数年中核拠点にいるというイメージで良いか。

(宇川委員)

  • 色々な分野のコミュニティも数年というのもあれば、そうでないものもある。分野およびコミュニティに応じて期間は検討すればよいと考えている。

(藤井委員)

  • 2つ目は、私も色々なコミュニティに参加しているが、分野横断は非常に難しいと考えている。どのように横断連携させれば良いか。

(宇川委員)

  • 一気に全ての分野は難しいと思う。素粒子と宇宙は皆さん同じだと考えているが実は違う。それを纏めたのが戦略分野であり、分野5の青木先生の努力のお陰。また別の戦略分野でも物理と化学などのコミュニティは別々だったが、分野2の常行先生のお陰でまとまりつつある。
  • このように段階的にコミュニティの融合を図っていくことだと思う。

(加藤委員)

  • 土居先生に教えてもらいたい。
  • 3回の検討会で決めるとなると、何を決めるか決めておかないといけないと思う。具体的に何をこの場で決めるのか教えてほしい。

(土居議事整理役)

  • 宇川先生の説明にあったようにHPCIとコンソーシアムを切り離して議論すべきかと。
  • まずHPCIについては、HPCIの在り方と具体的機能、コンソーシアムは在り方や参加要件、これは募るのか指名するのか、またスケジュール。人材育成やヒューマンネットワークの話はあるものの、全体のイメージをどう描くかである。このような観点で皆さんの意見を括った叩き台を事務局の力も借りて作成し、次回4月15日にそれを元に検討し、その次の回にはグランドデザインを決定する。
  • HPCIと計算資源提供機関の責任分界点の話も我々がすべきこと。

(高田委員)

  • 何をすべきかではなく、今のコンソーシアム、インフラに対して理想論というか長期的な目標設定を決めた上で、するべき内容をきめるべきではないか。

(土居議事整理役)

  • ロードマップみたいなものと思うが、それを決めるのは難しいと思う。
  • 次世代スパコンの稼動を見越して、大体4~6年といったところか。

(倉持審議官)

  • 平成24年6月(最後に訂正し、平成24年11月稼動)が稼動で、スパコンには“旬”があるので、そこで成果をあげることがポイント。それを踏まえた上でイメージしていただきたい。
  • その後のイメージは、今後設立されるコンソーシアムで検討する。
  • お願いしたいのは、ここでの議論を踏まえた上で、手を挙げてやってやろうという人をつくること。

(土居議事整理役)

  • 目標に向けたグランドデザインとして、コンソーシアムが何をできるかという大枠をここで決めて、コンソーシアムに引き継ぐ。

(青木委員)

  • この検討WGで、ストレージとネットワークは、ある程度在り方をきめるべきではないか。
  • コンソーシアムでの検討は厳しいと思う。

(土居議事整理役)

  • この検討WGでは、基本設計であり、集中と分散のバランスは検討すべきかと思う。

(宮野委員)

  • ここではがんゲノムのことしか話しておらず、それでも16PB。今年、出てくるシーケンサーでは、人のゲノムを1時間で決めることができる。10年後は日本がやるかわからないが、個人ゲノムが普通になり、そうなるととんでもないデータ量になる。そういうことからするとクラウドへの期待は強い。
  • クラウドのイメージが皆さん違うようだが、このあたりから詰めるべきではないか。

(土居議事整理役)

  • 概算要求のことまで、この検討WGで決めるのか。

(倉持審議官)

  • それは今年度にコンソーシアムで決める。連動した形にしていく。

(土居議事整理役)

  • コンソーシアムでテクニカルな詳細な実務レベルを決めて、この検討WGでは、在り方や役割、機能といった基本設計、制度設計までを決める。

(渡邉委員)

  • HPCIストレージは、一般に公開するようなデータベースのようなもので、集中させるものは計算機本体についているストレージと理解しているが、それで良いか。そういう意味で、ストレージの集中と分散の話をしているつもり。

(土居議事整理役)

  • 良い。

(加藤委員)

  • 話は変わるが、それぞれのミッションは違うので、現実的なまとめ方として、下から積み上げるといった建設的な議論から発展させないか。その下地を文科省が作るような。

(青木委員)

  • 加藤先生の意見に賛成。
  • ストレージは、計算機を絡めて議論しないと決まらないと思う。このような問題をコンソーシアムで決められるのか。

(土居議事整理役)

  • そういうことも踏まえて、コンソーシアムをいかなる形にするべきか、参加要件をどうするかを決めていかねばならない。どのように動かすかは、基盤センターなどから形成されるであろうコンソーシアムで決めると思う。

(関口委員)

  • 大規模利用と産業界などの一般的利用の扱い方をどのようにするのか。産業界にはコミュニティに属していない研究者もいる。

(土居議事整理役)

  • コミュニティにも属していない研究者も拾上げることも検討したい。

(米澤委員)

  • コンソーシアムは、インフラを提供するコミュニティとユーザのコミュニティは分けて議論すべきではないか。

(土居議事整理役)

  • 2つを分けた時のつなぎ組織、これを中核とするような組織がコンソーシアムになるのではないか。

(常行委員)

  • 今までの提供元とユーザは切り分けられている。それを繋ぐのがコンソーシアムだと思っていたが違うのか。

(米澤委員)

  • 戦略機関などのリソースの合議体とユーザーコミュニティという理解。

(平尾委員)

  • 戦略分野の分野2は、それぞれ分子研、物性研で個別に利用していた計算機を、物理と化学が同じ分野になったからこそ、融合した研究領域が出来る予定で、計算機の共用利用ができる可能性がでてきた。これも非常に難しく、やはり水平統合というものは難しい。やはり分野別に垂直統合し、無理に水平統合する必要はない。

(高田委員)

  • 水平統合を待っていると時間がかかってしまう。第4走者までを見据えて垂直統合できる部分だけを先行して進められないだろうか。

(善甫委員)

  • 水平統合は無理と思っており、長期的であれば良いかも知れないが、短期的には無理かと。

(土居議事整理役)

  • 時間もないので、以上のことを踏まえて、全体イメージを表す叩き台を私も検討しますが、事務局の力もいただいて作成し、次回の検討会で詰めるようにしたい。できれば次回の検討会前に皆さんへメールベースで資料を送って意見を聞くことも考えたい。その次の会でとりまとめ、コンソーシアムを立ち上げる。

 (井上室長)

資料3を元にコンソーシアム発足に向けたスケジュールを説明。 

  • 5月下旬 コンソーシアム参画機関を公募とあるが、前提を公募と考えてはいるが、これについてもこのWGの検討次第で公募にするか指名にするかを決めたい。
  • またストレージの詳細などはコンソーシアムで検討し、このWGの検討においては、コンソーシアムへの参加を各機関が判断できるレベルまでのグランドデザインを決めることを目指したい。

お問合せ先

研究振興局情報課計算科学技術推進室

電話番号:03-6734-4275
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(研究振興局情報課計算科学技術推進室)