ここからサイトの主なメニューです

基礎科学力強化懇談会(第1回平成20年11月7日)頂いたご意見の概要

 
 

[基礎科学研究の目標]

  • これからの基礎科学研究は細分化されたものではなく、「新しい知の開拓」、「豊かな社会」、「人類の存続」等の視野が必要。
  • 人文科学も含めた幅広い視野を持ち、総合的に発展させることが重要。
  • 個人の自由な発想に基づくものもあるが、一定の組織や目標管理が求められるものもあり、分野や課題の性格によって、求められる体制等が違う。体制、財政が重要。
  • 財政が逼迫している折、社会に役立つものとして応用面が重視される傾向があるが、基礎なくして応用は発展しない。
  • ビッグサイエンスは資金が必要。かつてはボトムアップで下から上がってくるものを適切に拾い上げ、評価をしてプライオリティーをつけるプロセスがシステマティックになっていた。近年はそうしたシステムが不十分であり、検討が必要ではないか。

[実験施設・設備の重要性]

  • 実験施設は理論の実証に不可欠であり、どうするのかを国に真剣に考えて頂きたい。
  • CERNLHCの次の課題、将来のものとして線形加速器を作る構想がある。アジアの若者のための基礎科学のセンターとしてアジアに誘致するのはどうか。
  • ノーベル賞でなぜ医学・生理学賞が出ないのかということについて、ライフサイエンス分野などで実験のために体制・資金の支援が米国に比べて少ないのも一因ではないか。

[人材確保]

  • 高等教育の格段の充実が不可欠であるが財政水準が低い。理念も明確でなく、OECD加盟国中最低の公財政支出など、日本は崩壊寸前にある。また、最も求められているものは大学院生への給費である。人材の「育成」だけではなく「確保」が求められており、北京五輪陸上100メートルで金メダルを取ったボルト選手級の世界最高水準の人材確保が必要。
  • 人材育成には最先端の実験施設などに触れさせることが有効。

[研究環境]

  • 米国には「刺激」があり、日常的に激しく議論する雰囲気がある。若手研究者が安心して研究に専念できる基盤と層の厚みが必要。
  • 不況やリストラで自信を失っている研究者や技術者が多いが、ノーベル賞受賞は自信を与える。不況だから能力が落ちることはなく、企業でも独創的なことができ、それが応用につながっていくとの自信を取り戻すことが必要。
  • 地道に努力することが「根暗」とか、新しいことを付和雷同せずに独自にやろうとすると「KY(空気読めない)」とか言われる。他人がやっていないことをやるような人を勇気づける雰囲気が必要。

[創造性に富んだ人材を生み出す教育]

  • 先生は、自分より優れた弟子を作る責任があるが、それを望まない先生がいることは問題。日本の構造的な問題ではないか。
  • 欧米国は人を褒めて育てるのがうまい。失敗したとしても次頑張ろうという気持ちがわく。子供の才能を伸ばすには、褒めることが必要。子供は大人の背中を見て育つ。理科離れは大人に自信が無いからではないか。
  • 初等中等教育でクラスの規模はあまり大きくない方がよい。先生と生徒の接触の密度が違う。
  • 理数系強化という方針に異存はないが、結局、イマジネーションや構想を立てることが重要であり、そこには理系も文系もなく、俗に言う理科系と自然科学は違う。いわゆる問題となっている理数系を人文も含めて広く捉えることが必要。
  • 頭脳流出が問題視されている。日本の科学技術に関する投資は世界の1割に達するが、ノーベル賞受賞者数で見ると、イギリスやドイツに遠く及ばない。その一因は、日本では創造性を促すシステムがない。
  • 欧米の寄宿舎制は良い。様々な国・地方から集まる環境に学生を放り込んで育てることが必要ではないか。また、大学の先生と学生が接する密度を高めることも必要。
  • いろんな制約や呪縛がなく、自分から発想し、それを大切に育てる。分野の違う人達と接する環境が重要である。
  • 人間の遺伝子の99.9パーセント共通。0.1パーセントの違いにあるタレント(才能)をいかに育てるか求められている。学校は、自分を最大限生かせるよう、どのようにドラマを演じるのか、そのシナリオを書く能力を育てることが求められている。

[国立大学]

  • 日本の国立大学は法人化したが、資金的には大部分が政府からで、寄付金の割合が高く競争している米国とは違う。日本で競争が生まれないのは、資金の出所が国からの1つであるためで不十分である。もっと寄付金を活用すべき。寄付が増えない理由として、税制上の優遇措置が不十分であることも一因。
  • 大学の法人化以降、末端の先生方への研究費が激減しており、このような現状では大学として成り立たなくなる。国立大学が現在の規模・数では生き残れない。四国で1つ、中国で1つなど、文部科学省主導で国立大学の統廃合を進めるべきではないか。
  • 現在の評価基準では、たくさん論文を書く必要がある。評価は必要であるが、論文の数だけを評価するとは百害あって一利なし。また、地方も重要。地方大学に人が集まらなくなり、地方振興の要である地方大学が成り立たなくなれば、地方が「凋落」してしまう。

[その他]

  • 基礎研究は何かを作る。何を作るかは国是である。米大統領選を見て、若いオバマ氏が当選したことに感銘を受けた。科学技術、基礎科学と言った視野は狭く、日本でどのような国是を立てるのか。
  • 日本の得意分野を伸ばすのも良いが、例えば創薬分野などは米国に遅れをとっているが、そうした不得意分野を伸ばして行くことが必要で、そのための基礎研究をトップダウンでやるべき。

-- 登録:平成21年以前 --