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学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議(第4回) 議事録

1.日時

平成26年3月24日(月曜日)16時30分~18時30分

2.場所

文部科学省 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 学事暦の多様化とギャップタームの推進方策について
  2. 討議

4.出席者

委員

(委員)坂越正樹委員、市村泰男委員、御手洗尚樹委員、齊藤斗志二委員、島村元紹委員、鈴木典比古座長、砂田薫委員、秦由美子委員、長谷川壽一委員、船橋力委員、宮城治男委員、山内進委員
(講演者)早稲田大学理事(教務部門総括)田中愛治氏、宮城治男委員

文部科学省

(文部科学省)下村文部科学大臣、上野文部科学大臣政務官、吉田高等教育局長、浅田高等教育企画課長、里見大学振興課長、渡辺学生・留学生課長、川又青少年課長、小林専門教育課企画官、猪股大学改革推進室長、東條大学改革推進室専門官

オブザーバー

(オブザーバー)小林洋司オブザーバー

5.議事録

【鈴木座長】  それでは、所定の時刻になりましたので、第4回学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議を開催いたします。
本日は御多忙の中、皆様御出席いただきまして誠にありがとうございます。今回の会議の進行は、前半に早稲田大学、田中理事と宮城委員からの御発表。続きまして、文部科学省による全国調査の結果の紹介を受けて、後半の約1時間、これまでの検討会議での議論のまとめの骨子案について御議論いただく予定です。
本日は、下村博文文部科学大臣に御出席いただいておりますが、大臣は公務のために途中で御退席なさると伺っております。また、上野通子文部科学大臣政務官にも御出席いただいております。
それでは、初めに下村博文文部科学大臣から御挨拶をお願いいたします。
【下村大臣】  皆さん、ありがとうございます。文部科学大臣の下村博文でございます。これまで3回の会議において活発な御議論をいただき、また本日も御多用の中御出席いただいていることを感謝申し上げたいと思います。
今月10日から、新たな海外留学支援制度である、「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の公募を開始いたしました。この「トビタテ!留学JAPAN」は、いろいろな方々に御協力いただきまして、今文部科学省ホームページを通じてアクセスをすると、47大学が協力してもらっていますが、我々も一緒に歌って踊っているんですけれども、50万回を超えるアクセスで大変な反響で、文科省が貴重な国民の税金を使ってけしからんというお叱りもあったんですが、確かに広告代理店を使うとこれは1億以上のお金がかかるんですけれども、実際かかったお金は98万円でございまして。つまりそれだけAKB48も無料出演を含めて、民間が無償で協力してもらって作っているということでもございますし、また今回は官民ということで、国も今年は留学予算を倍増いたしましたが、民間からも2020年までに200億協力をしていただこうということでお願いをしておりますが、大企業を中心に、やっぱりグローバル人材はそれぞれの企業にとっても必要な人材でございますので、非常に協力的な感触の中で、今進めているところでございます。
このことを踏まえて、日本代表プログラムの公募を開始したわけでありますが、この制度はアカデミック限定の留学ということだけでなく、海外でのインターンシップやボランティア、フィールドワークなど様々な活動に対して支援を援助するというものでございます。高校生は数か月、それから大学生は1年単位ということでございますが、留学計画を自分自身で設計したり、それから、各界及び企業のリーダーによる事前・事後の指導を行ったりと、ギャップイヤーを活用した社会体験活動を推進する際にもヒントとなり得るような支援を行っております。また、この留学とギャップイヤーの間の体系を組み合わせるということも可能であるというふうに思います。
今回は審議をまとめるための骨子案を御覧になっていただきながら、たくさんの御意見を頂戴した上で、次回も1回お集まりいただいて審議をまとめていただければと思っております。そのために委員の皆様方の任期を、3月まででございましたが、審議をまとめていただくために4月以降も委員として御意見を賜るようお願いできれば大変ありがたいと思います。
是非これをきっかけに、我が国においても国際社会の中で通用する制度設計と、また世界にチャレンジする意欲的な志を持った学生の支援をしていきたいと思いますし、またそれを準備する大学に対しても、積極的な財政的な支援も国の方で考えていきたいと思いますので、積極的な御議論をいただければ大変ありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【鈴木座長】  大臣、ありがとうございます。
それでは、議題に入ります。最初に、いち早く4学期制を採択されました早稲田大学様から、学事暦の改正に関する事例紹介について御発表をいただきます。早稲田大学から、教務担当理事の田中愛治先生にお越しいただいております。田中先生、よろしくお願いいたします。
【田中理事】  どうもありがとうございます。御紹介ありがとうございました。早稲田大学の田中でございます。本日はこのような会にお招きいただきまして、発表の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。
それでは、10分少々で御説明させていただきたいと存じますが、本学、早稲田大学における4学期制(クォーター制)導入の狙いと今後の展望ということでお話しさせていただきます。カラーのスライドで2枚上下になっている束がございますので、御覧いただければと思います。
下が4学期制導入の目的と目標でございまして、簡単に申し上げると、本学の在学生が欧米などのサマースクールに留学するときに、非常に現状では困るということがございました。例えば、4月5日から始まって8月2日までの春学期の途中、6月10日前後には大体欧米の大学のサマースクールが始まるので、それに出たいという者が出られないということが言われておりました。特に1年生、2年生のうちは英語の研修で8月に行っていたから問題ないんですが、3年、4年になって自分の専門の分野の授業を取りたい。それで海外にサマースクールに行こうと思うと、前期の授業の後半をつぶして行かなければならないので、単位を落としてしまうということになります。自分の大学の単位か、サマースクールかということになりますとなかなかうまくいかないということで、悩みが何人かの学生から出ておりました。
2番目には、海外の学生からも、海外の大学からも、早稲田でサマースクールをやってもらいたい。30人送り込みたいんだけれどもどうかと言われると、うちの大学では、当時では春学期の真っ最中でございますので、6月から受け入れるということは非常に難しいということで、教室もいっぱいでありますということで、軽井沢のセミナーハウスにお呼びしてサマースクールを行うというようなことをやっておりました。そうしますと、せっかくいらした海外からの学生さんも、本学の学生と交わることなくお帰りになるということですので、そういう問題がありました。
それから、海外の先生方に早稲田に来て教えていただきたいというと、6月、7月は行ってもいいけれども、8月は休みだから行かないというようなことになりますので、なかなかうまく合わないということであります。
もう一つは、早稲田の学生が海外へ留学して、9月から留学した者は、5月の下旬にセメスター、アカデミーが6月7日ぐらいに終わりますので、そこで帰ってきたときに、彼らは9月までぶらぶらと待っているということになります。9月まで授業をとれないということになります。オーストラリア、ニュージーランドに行きますと、2月から新学期が始まって11月20日に終わりますが、彼らは11月20日に帰ってくると、次は4月5日まで授業がとれないで待っているという状況になります。これらをクォーター制を入れることによって、うまく活性化できるというふうに考えてまいりました。
次のページを開いていただきますと、ここのところはちょっと端折りながらお話しいたしますが、アメリカの学期制と秋入学制についてお話ししますが、アメリカにおきましては、セメスター制とクォーター制があります。セメスター制というのは2年に2回ですが、夏休みを除いて年に2回であります。詳しくは資料を御覧いただければと思います。スライドでいうと3番目となっております。クォーター制は夏休みを入れて1年を4つに分けておりますので、サマークォーターというのはアメリカの夏休みと重なるわけであります。6月の半ばから8月半ばであります。それ以外を3つに分けております。これがクォーター制の場合には9月末から、セメスター制の場合には9月初旬から新学年度が始まるようになっていますけれども、この入学に合わせる秋入学というものにいたしますとどういうことになるかというのが、その後のジレンマだったわけであります。
それから、ここでの1つの特徴は、アメリカにおいては3年と9カ月で学位号が授与されると。9月に入学した者は、大体5月の末か6月が卒業式で卒業いたしますので、3年と9カ月で学士号が取れるということがございます。
秋入学制とアメリカの4学期制の壁ということですが、秋入学を導入しただけでは解決できない点があります。早稲田では2000年当時から、秋入学の学部が幾つかございまして、アジア太平洋研究科では早くから秋入学も行っておりました。現在では政治経済学部、理工学部、社会科学部、国際教養学部、それからアジア太平洋研究科、商学研究科のビジネス専攻などでは秋入学の学生を受け入れておりますが、4月も受け入れて、秋も受け入れるという2回受け入れておりますけれども、全員が秋入学すると問題になりますのは、3月末に卒業した高校生をどのように受け入れるかという問題と、それからタームが、2学期目がちょうど冬の入試の頃に重なってしまうということがございます。そのまま4月から春学期を行うと、欧米のサマースクールと合致しないというのは、先ほど申し上げたのと変わりません。アメリカのクォーター制も、そのままではうまく適応できないということが分かっております。
右の上の5ページ目、スライド5でございますけれども、ここで我々が考えましたのは、上が従来のカレンダーで下が新カレンダーでありますけれども、これは2013年度で見ておりますが、春学期を真っ二つに割りまして、8週間で授業を行う。としますと、セメスター制の授業でありますと、半分で8週間で1単位、セメスターで2単位ですと8週間で1単位になります。それから、セメスターで4単位ですと、週2回ずつ授業をしておりますから、8週間で16回の授業が行われますので、そこで2単位ということになります。春の前半と春の後半、ちょうど分かれ目が6月7日ぐらいにきます。ちょうどこれが欧米のサマースクールが始まる時期に重なりますので、ここで受け入れることも送り出すことも、教員の受け入れも可能になります。
秋の方を御覧いただきますと、11月24と25のあたりで切れますが、これがちょうどオセアニアの大学の夏休みに入るところでありますので、ここでもオセアニアのサマースクールに行くこともできるし、帰ってきた学生を受け入れることもできますし、オセアニアの大学の先生を受け入れることもできるということになります。
このような形で、クォーター制というものを考えました。これの検討を始めたのは2008年でございました。スタンフォード大学、カリフォルニア大学のアーバイン校、どちらもクォーター制の大学ですが、そちらでヒアリングを2009年に行いまして、長い間、このことについて温めながら議論してまいりまして、2012年の春に導入を決定いたしまして、2013年4月から、学部によりけりですが、それから科目によりけりですが、適用できるものから4学期制を導入してもらうということにいたしました。
次のページをお開きいただきますと、7ページ目のスライドの上でございますが、ここで本学の特徴は、全ての学部、全ての科目をいきなり4学期にはしなかったということであります。それはスタンフォード大学の教授で、ヒストリーの方がおっしゃっていたんですが、彼らは4学期制のスタンフォードで育ち、大学院はハーバードでやる。で、ボストンユニバーシティで教えた。ハーバードとボストンはセメスターです。2つのところで、セメスターで学び、教えて、スタンフォードに戻って母校で教えているんですが、彼はクォーターで教えるよりも、セメスター制の方がよいといっています。歴史学では、大量に1週間に400ページから500ページぐらい読ませるわけですけれども、その場合には、セメスターで週16回で完了していた方がよく学べると。やっぱり10週間とか8週間という短い期間で詰め込むのは、歴史学には向いていないというようなことをおっしゃっていました。
そのようなことを伺ってきまして、歴史学、哲学などと、それから語学、またコンピュータ実習などでは集中度が違うので、週に2回とか3回授業をやるような科目は、語学・コンピュータ実習などの場合には、クォーター制の方が向いているだろうと。長くしっかりと学ぶものはセメスター制が向いているだろうということで、全ての科目を4学期制にはいたしませんでした。学生の集中度を増す、教員の負担を増やさない、研究時間の担保ということもできると考えております。教員の方も集中して教えますので、教育効果が高まるということは、国際基督教大学の現在の日比谷先生がおっしゃっていますが、鈴木先生もよく御存じの方だと思いますけれども、そういうことが言われております。
先ほど申し上げましたように、留学修了者が早期に復帰できるということで、9月から留学した者は6月からサマースクールがとれますし、2月から入学した者は、秋学期の後半からは戻ってこられるということであります。
次の8枚目のスライドは、後で質疑応答のところでお答えします。どのように科目登録して、どのように成績をつけるかということについては後でお答えいたしますので、少し具体的なお話にまいりたいと思います。
9ページ目のスライドでありますが、右のページの上の方であります。早稲田大学におけるクォーター科目ということでありますが、2013年度は465科目がトータルでクォーターになりました。2014年度では833科目で約倍になりましたが、まだまだ全体の中では少ないです。これについては今後増やしていこうと思いますが、現在既に決めているのが、カリキュラム改革が2013年度に終わって、2014年度から新カリキュラムになりました人間科学部では、学年進行によって全ての科目がクォーターになるということで、2017年度には全てクォーターになるというふうに申しております。文学学術院の文学部と文学構想学部2017年度を目処にクォーターに移るというふうにいっております。政経学部、創造理工学部などでもクォーターに順次移っておりますので、これも増えてくるというふうに考えております。
次に、サマースクールを行うと、早稲田ではサマーセッションと読んでおりますが、これを行うとどういうことが起こるかというと、海外の学生が学びに来られるし、海外の先生も教えに来られるということでありまして、この夏、6月21日から4週間の集中講義で、7月17日までやろうと思っております。日本の紹介ということで、1年生、2年生を対象ですが、政治学、ビジネス、歴史、文化の4つと、日本語のプログラムというもので、日本に関心のある方を主にお招きしようということであります。全体で100名の定員ですが、応募はもう100名をとっくに超えておりますので、この後少し選抜をする必要が出てくると思っておりますが、かなりの反応が出てきております。詳しくは、またこの資料を御覧いただければと思います。
このようなことが1つのシンボルでありまして、普通の科目でもこのようなサマーセッションというものをサマークォーターに置くことによって、海外との交流が進むというふうに考えております。
さらに重要なことになりますが、ギャップタームの方に入りますが、海外での交流を、今の授業以外で申し上げますとボランティア活動というものがあります。早稲田大学ではボランティアセンターに毎年9,000名が登録しておりますが、その中には11枚のスライドの下の12枚目のスライドは、平山郁夫記念ボランティアセンターを通して、例えば、韓国から早稲田に来た留学生と早稲田の学生がラオスに行って小学校を建てるというような活動をしております。彼らは夏休みだけ行ったり冬休みだけ行ったりしていますが、これがクォーターごとですと、クォーターに抜けていくことができます。また、東日本大震災でありますとか台風などの震災でボランティアに出るときに、クォーター制ですと、この学期は自分は科目を取るのをやめてボランティアに出ようということができます。
同じことがインターンシップや、プロフェッショナルワークショップといって、インターンシップではなくて、これは例えば日産と早稲田とか、ANA総合研究所と早稲田とか、地方自治体と早稲田とかが一緒にプロジェクトを組んで、学生がそちらの場に行って泊まり込みでディスカッションして、何らかの貢献、提案をするというようなことをしておりますが、インターンシップよりもさらに組み込まれたものなんですけれども、そういうようなプロフェッショナルワークショップにしてもインターンシップにしても、4か月つぶして、ワンセメスターつぶしてどこかに出かけるのは非常に厳しいが、2か月、8週間はちょうどよいということになっておりまして、ボランティアの活動、インターンシップ、そしてまた教職課程の教育実習などでも、8週間はうまくいくというふうに考えております。
これらのことを踏まえまして、さらに学生の声をちょっと御紹介しますが、14枚目のスライドにありますが、国際コミュニティセンターの図にもありますように、海外との交流も、学生が日々行う中でどういうことを考えているかということですが、クォーター制はよいと思うが、もっと柔軟性を高めてほしい。各学期ごとに成績を出せないかということや、留学生は、例えば韓国からでは、兵役が必ず課せられるので、どのタイミングで戻ってきても、兵役から帰ってきたときにクォーターに入れるとありがたいということを言っています。今、それもできるようにコンピュータシステムを変えて、今年度14年度からはそれに対応できるようにしております。
あと日本人の学生では、週2回の授業は密度が高いので、1回欠席するとついていけなくなりますが、その分頑張るということがありまして、サマースクール、ボランティアは今は考えていないが、クォーターの科目が増えてくれば、それも十分に視野に入るということを言っております。これらのことを、グローバルエデュケーションセンターなどを通して、写真などを御覧いただきますけれども、進められるというふうに思っております。
コースナンバリングは今日の議題ではございませんが、最後にまとめが20枚目のスライドにありまして、このような活用で、教育の面と、それから教員を招聘すること、そして学生の受け入れ・送り出し、4,500名の学生を9,000名まで受け入れるようにしたい。2,800名の学生が毎年出ておりますが、これを入学してきた者は、4年間の間に一度は全員が出るということにしたいということを考えております。これらによって、真に国際発信ができる人材を育成したいということで、4学期制というのは、グローバル教育に非常に資するだろうと思っております。またギャップタームの考え方も、本学は学生が主体的に好きなタイミングでギャップタームをとってボランティアに出るということができると。本来、1学年の学生が全員一度にギャップタームをとるということよりも、やはり学生が主体的に異なるタイミングでギャップタームをとれるような形にしていきたいというふうなことで、4学期制というものを考えてまいりました。
以上でございます。長くなりまして失礼いたしました。
【鈴木座長】  ありがとうございます。先ほど下村文部科学大臣が御退席なさいました。大臣に私は大変失礼なことで遅れて参りまして、大変迷惑をおかけしました。
ありがとうございます。それでは続きまして、早稲田大学様の御発表について、委員の皆様から御質問を受けたいと思います。時間が短いんですが、10分程度時間がございます。御質問のある方はご自由に挙手をお願いしたいと思います。お願いいたします。どうぞ。
【砂田委員】  砂田でございます。伺いたいのは9ページのところなんですが、2013年度と2014年度を比べますと、科目のクラス数がほぼ倍増しているということなんですが、これは全体の何%なのかということが1点。それから、私どもお茶の水も、来年というか26年度からクォーターを入れるんですけれども、やはり学部の方で非常に問題になっているのは、非常勤講師の方が週2回やるのは結構きついということで、なかなか導入が進まないということが今あるんですが、そのあたりはいかが克服されたかということをお伺いしたいと思います。
【田中理事】  御質問ですけれども、465というのは非常に少なくて、早稲田では科目数が4万科目ぐらいありますので、これが465で1.7%ぐらいだと思います。1.5%ぐらいだと思います。それから、833が約3%だろうと思いますので、全体から見ればまだまだ少ないと考えております。また、御覧いただけると分かりますように、大学院の方が多くなってきておりまして、学部がまだまだ十分ではないので、このあたりが大きな課題だろうと思っております。
それから、非常勤の方について同じことで、御質問はよく聞かれるんですけれども、国際基督教大学でも同じようなお悩みをお持ちだと思うんですが、非常勤の方には、一度来て2コマ一遍に連続して教えていただくということもお願いすることにしています。例えば、月曜と木曜なんですが、月曜日の2時間目と3時間目とか、3時間目と4時間目というような形でもお願いできるように、少し柔軟には対応させていただいております。そのあたりが悩みでございます。
【鈴木座長】  そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
【齊藤委員】  よろしいですか。せっかくのチャンスだから。セメスターとクォーター制、それぞれに一長一短があるということで大変参考になりました。だけど全体として、世界的なスタンダードとして、秋の9月入学が、1つのやっぱり日本が強力に推し進めていく価値はあるのかなというふうに考えている方なんですけれども、最初の方に、日本の高校生が大学受験が2月と書いてあるんですよね。私はこの真冬の寒い中、雪の降る中、どうかな、この時期はということと、もう一つ高校3年は短過ぎるという判断をしていまして、高校の卒業を6月。そして5月のゴールデンウィークの前に大学入試、そういうタイミングをとった方が、子どもたちに対して親切じゃないかなという考え方を持っておるんですが、その点はどういうふうにお考えになられますか。
【田中理事】  日本の高校の卒業が3月というのは、私どもは所与なものとして考えてきておりますので、それを変えるのは全国的な議論が必要だと考えております。文部科学省様のお考えでも、今いきなり全国を9月入学にして、だから今のお話ですと12年と3か月教育をした方がいいというお考えだと思うんですが、それはそれであり得ると思うんですが、もし12年のままでいきますと、半年ずらせばある学年だけは1学年、半年は1学年に2学年がいると。もし半年遅らせて始めれば、ある学年は半年学生がいなくなる、生徒がいなくなる。
そうしますと、恐らく私立の小学校でありますとか私立の中学校、高校で半年全く授業料が入らない期間が出てくると、つぶれるところが相当あるというふうにシミュレーションされたというふうに伺っておりますので、これは本当に全国で一斉にやらない限りは、1大学でやろうとか5大学でやろうということはほとんど不可能だと思っておりますので、秋入学というものに関しては、全国で議論を立てていただく必要があろうと思います。もちろん国家試験の在り方も、司法試験でも公務員試験でもそうですけれども、医師国家試験でも、それに合わせて動かなければならないと思いますから、これは国家事業としてしかできないだろうと思っております。
私立大学の早稲田としては、現在考えているのは、所与の条件の中で最も柔軟に国際化ができる、最も柔軟にギャップタームがとれるということで、4学期制というものを苦心して考えたというふうにお考えいただければと思います。
【齊藤委員】  私はもう国家的プロジェクトでやるべきだというふうに考えている方です。以上です。
【鈴木座長】  そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
【濱田委員代理(長谷川)】  東大、濱田の代理の長谷川でございます。ただいま早稲田のクォーター制のお話を伺いましたが、東大でも新しいタイプの4ターム制を導入いたします。お手元の資料の一番下に、東京大学におけるというこのパンフレットがございまして、それを開いていただきますと、4ターム制の導入という図がございます。早稲田さんの場合には、現行のセメスター制を半分に割る4学期制ということでございますが、私ども東大の方では、1年間を5つのタームに分け、各学部の所与の制約条件に応じて上の4T。この場合には1月、2月、3月がすっぽりあきます。それから、下の方が4TプラスS。Sはサマーという意味ですけれども、そこのところを強制的にあけるということによって、下の4TプラスSは、本来濱田が申し上げてきました秋入学の一歩手前の段階の4ターム制というものを実現しました。
これで各学部の学業の四季と周期がタームごとにそろっておりますので、他学部聴講なども容易になるかと思います。こういうことに至った経緯は、先ほど田中先生がおっしゃったことと全く同じで、これにより、送り出し・受け入れのロスを非常に少なくすることができるし、海外の教員にも来ていただけると。学生に多様な体験を集中的にやらせる機会を提供できるというふうに考えております。簡単ですが、コメントさせていただきました。
【鈴木座長】  ありがとうございます。ございますか、どうぞ。
【船橋委員】  船橋です。貴重なお話ありがとうございました。先ほど2013年度の倍増で、465から833というお話がありましたけれども、さらにこれを加速させるために何が必要なのか。何が課題なのか。まだ3%程度というところで、教員の問題なのか、お金なのか、生徒のニーズなのか、そこら辺の課題と、逆にこういうことがあると、より促進しやすいというところら辺をちょっと教えていただけるとありがたいです。
【田中理事】  やはり各学部のカリキュラム改革のタイミングというのがありますので、カリキュラム改革が終わったばかりのところはすぐには変えられないということで、どうしても動きが遅くなります。それで本学が2008年から検討していながら2013年から導入したのは、2011年まで、通年科目を持っていた学部が1つあったんですね。それが2011年度にセメスターに変わりました。それを受けて12年度の春に決定をすることができた、クォーターを入れることができました。決定だけできました。それで今、13年から始めておりますが。
その間に、やっぱりカリキュラムをそこに合わせてきた、改革してきた学部もあれば、人間科学部がそうですが、そうでないところもあり、もう終わっているところはどうしても時間がかかるということなんです。今我々が考えておりますのは、どうすればよいかというのは、やはり学生の声が届くということだと思います。既に先ほど御紹介しましたように、クォーター制を経験した学生は、全てがこうなるとうまくいくということを言い始めています。留学から帰ってきた学生が、今は授業をまだ取らせないということで、6月に帰ってきても9月までは世界旅行するなり、自分でアルバイトするなりしていなさいということなんですが、ここで授業を取りたいという者に取らせるような仕組みが出てきて、今それを作っておりますが。そういう学生が出てきて、ああ、取れてよかった。それから、震災があってボランティアに行くために、秋の後半だけ休むことができてよかったという声が出てくると、加速すると思います。
各教員たちも、やっぱり学生の声には敏感ですので、総長とか理事からの命令とかお願いというものには非常に鈍感でありますけれども、やはり学生の声には非常に敏感ですので、学生のニーズというものを、やはり我々が実感することが一番早い改革への道だろうと思っております。
【鈴木座長】  そのほかいかがでしょうか。
今田中先生から、ICUのケースが幾つか御紹介いただきましたけれども、私もICUの学長をしていて、ああ、そうだったと思い出されるんですが。やはり9月入学で6月卒業というのも、開学以来、ですから60年ぐらいやっているわけで、これは非常にスムーズにいっている場合が多くて、先ほど留学から帰ってきて、そして9月入学できるとか、あるいは留学に行く場合も間をおかずにちゃんとやれるという意味では、非常にスムーズなシステムだと。
それから、週に2回、3回の授業、これも学生たちにとっては非常につらい面もありますが、しかし非常に集中してやれるという観点からしますと、学生及び教員の方が起承転結の学期を非常に明確にやれるという意味で、なかなか中だるみがなくていいというのを学生からも、そういう声をいただいている面もあります。
座長が申し上げて申し訳ありませんが、そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
【宮城委員】  ETIC.の宮城と申します。ちょっと最初の砂田委員の質問にもかぶるかもしれませんが、このクォーター制をいろいろな大学が導入していくのにおいて、これからそういう流れが生まれてくるべきだと思うんですが、やっぱり一番壁になるところであり、それをどう超えるべきかというようなところというのを実感されていることを、少し紹介いただきたいなと思うんですけれども。
【田中理事】  多分一番大変なところは、科目登録と成績をつけるということだと思います。現在こちらでは、8枚目のスライドのところにそのことを書いてございますけれども、今年度は科目登録を春の前期、後期、ですからスプリングとサマークォーター、両方を3月末から4月の初めに科目登録をしてもらうと。そして、成績は8月につけると。春の前半と後半もまとめて8月に成績をつければよいということで先生方にお願いしていて、また9月の頭に、春、秋の前期と後期の両方の科目登録をして、成績も2月に出せばよいというふうにしています。これが本来であれば、クォーターごとに科目登録ができて、成績も出せると一番よろしいんですけれども、なかなか教員としてはそこが厳しいということがあります。
今我々が考えていますのは、初回の授業をオンデマンドにするということで、そうしますとお試しで、例えば同じ時間帯に2つ3つの科目を取りたいんだけれども、一遍には体が1つしかないので見られないというときに、オンデマンドで内容を見ておいて、それを3つのうちからどれを取るかを選んで履修をするとなれば、1週目は授業が自宅で取れるわけですね。そうすると、1週間間があけられるので、8週目の終わりと次の6月のところで1週間間があけられるだろうと考えています。そこに間があいていきますと、そこで成績をつけるとか、科目登録ということが十分できるようになると思っています。
今も5万4,000、本学に学生がいますが、5万4,000の学生が年に4回科目登録は必要ないと思っておりまして、年に2回、4月と9月に登録すればよいが、6月7日前後のところと11月25日前後のところでアドドロップ、科目の登録と追加登録と削除ができて、微調整ができるようにすればよい。そうすると、恐らく数百名、1,000名ぐらいはそこで変えるかもしれませんが、何万人という学生が一遍にはやらないということで、やっぱり5万4,000の学生が一斉に科目登録することを年に4回やるのは、事務的にも非常に負担が高いですし、教員にも学生にも負担が高いので、年に2回にして、微調整を間に入れる。できれば成績は、なるべく年4回出したいということを考えております。そこのところの忙しさという時間のなさが、やはりクォーター制に移るところの最大のネックというふうに考えております。
【鈴木座長】  そろそろ時間となりましたので、御質問はここまでとさせていただきます。なお、後半の時間もございますので、そのときにも御質問がありましたらお願いいたします。
それでは、2件目は宮城委員から、学事暦の多様化と長期実践型インターンシップ推進に向けての提案というテーマで御発表いただきます。よろしくお願いいたします。
【宮城委員】  今日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。私は、このテーマは是非推進していくべきだと思っておりますので、その趣旨のもとに少しお話をさせていただきます。
なぜ今、学事暦やカリキュラムを大胆に変革していく議論をする必要があるのかというところで、まず前提として、やはり若者たちが求める学びであったり、社会が必要とする人材育成の在り方というものが変わってきているのではないかと。結果的に今、ニートになる若者たち、35歳までで60万人いる。フリーターでいえば170万人、それが毎年毎年ずっと年齢が上がっていっているというような現象もあります。大学の中で、今中退は10%ほどと言われていますが、大学で何を学ぶべきかということにおいて非常に迷いを抱えて、力を入れきれないという学生が多く出てしまっているというような状況。私はこれは明治以来のいわば富国強兵で、欧米に追いつき追い越せというような流れの中での教育の在り方というものを、本来は抜本的に変えていく。そこを見直していくタイミングにきているのかなと。その実態とのギャップが、今のような若者たちを生み出しているという1つの要因になっているのかなということを思っています。そのためにどうすればいいかということの、私は今回のギャップタームの議論というのは、大きな意味を持つと思っています。
激変する時代を生き抜く「グローバルでタフ」、これは東大の濱田総長のお言葉をそのまま、非常に端的にあらわしている言葉だと思って借用させていただいたんですけれども、実際に海外の学事暦と同期をしていくということも大事なんですが、やっぱり変化が多い、またグローバルな時代に、実際にそこを生き抜いていく力ということでいえば、私は異質性を体験できるような機会を学生時代に経験するべきではないかなということを思っております。そのために留学であったりインターンシップというのは、非常に有効になるというふうに考えています。
できるだけ早いタイミングで、できるだけ深い経験をということをそこに重ねて申し上げたいんですけれども、私はできるだけ早いタイミングということはとても大事だと思っておりまして、単純に考えても投資効果が高いわけですね。早く実践の現場を通して主体的に学ぶスイッチを入れるということができれば、例えばその後の大学生活の4年間の学びの深さというのは全く変わってくると思っています。
なので、できればこのギャップターム、ギャップイヤーと言われるような形で、大学入学前、あるいは前後の時期に、18歳の時期にそういう若者たちが体験ができるというようなことを、やっぱり社会の仕組みとして定着、提案すべきではないかということを思っています。ただ、それだけに限らず、後ほど深い経験という意味では、私は長期のインターンシップを経験することによって、その価値は随分得られるのではないかなということを思っております。
ということで、続いて長期実践型インターンシップのお話をさせていただきます。こちらは少し資料を見ながらお話しさせていただきたいんですが、まず皆様のお手元の資料3と書かれているものが私の資料なんですけれども、その参考資料1が、日本におけるインターンシップの実施状況の推移というものなんですけれども、ここで着目いただきたいのが参加学生数というところで、2.2%というふうになっているんです。これは努力の成果もあって少しずつ増えてはきているんですけれども、まだまだこの2.2%という数字になっています。
次のページを見ていただきますと、インターンシップということが一口に言われて、非常に誤解を受けやすいワードではあります。非常に多様な、例えば教育実習もインターンシップと言えますし、1週間、2週間のキャリア教育の入口のような形をインターンシップということもあれば、アメリカとかイギリスとかで一般的になっている半年とか1年という期間もインターンシップと言われます。これはお互いの立場に立った方から、お互いを批判されるような形で、実はインターンシップの議論というのは非常に混乱が多いという実態がありますので、少し皆様の頭も整理いただければと思いますが、これはいずれにしてもキャリア教育、専門教育、教養教育、全てにおいてつながってくるものだと考えております。その目的に応じて、期間や在り方自体が変わっていくというふうに御理解いただければと思います。
この3番の教養教育のところに書いてあります、働くこと、学ぶこと、生きることということの距離が近くなるということが、私は全てのインターンシップにおいて、しっかりと設計してなされたものにおいては得られる成果だなと思っております。これは私どもの方でデータをとったんですけれども、そこはちょっと説明させていただく時間はありませんが、結局学ぶことと働くことと生きること、これらが乖離していることによって、例えば働くということが大変苦役なものであるというような、いわば自分の人生の設計だとか生き方ということと乖離してとらえてしまっているというような中で、その人生の目的と学ぶことにおいての主体性というものがつながらないということが起きていることを、実践の現場を経験することで、それらをつなげて全体感を持ってとらえていくことができるというようなことが、データの上からも出ております。
先ほど少しお話しした、普及における国際比較ということなんですけれども、これは二重の意味において、日本が例えばアメリカとかイギリスとかに遅れているといいますか、違っているというような現状があります。それは1つには、絶対数においてなんですけれども、先ほど年2.2%というふうに申し上げましたが、例えば左下に出ています、英国におけるインターンシップの普及状況というのは、年に23万人というふうに言われているんですね。これは長期だけとは限りません。でも、ほとんどが長期なんですけれども、長期というのは3か月以上のものなんですが、企業が実施するものも含めて23万人の学生、約半数近くの大学生が、年間にインターンシップを経験しているという実態があります。その中でも、さらに下にありますサンドウィッチ教育におけるインターンシップや、上記以外の大学教育に統合されたインターンシップ。つまり、大学が事実上主催しているインターンシップ、これも全て3か月以上の長期です。半年から1年というものも含まれますが、これが年間3万人と3万人で6万人が実施されているというような状況にあります。
先ほど二重の意味でと申し上げたのは、質という意味でいったときに、実は日本の場合、3か月以上のフルタイムのインターンシップというのはほとんど実施されていないんですね。さらに全体のインターンシップの2.8%の中の10%にも満たない数%しか、長期の実践型のインターンシップというのは行われていないという意味で、二重の意味でほとんど、例えばイギリスで行われているような、サンドウィッチエデュケーションと言われているような長期のインターンシップというのは、ほとんど誤差の世界にすぎないぐらいの数しか行われていないのが実態です。
あとはちょっと割愛しますけれども、各大学で数十人から100人以上の専門のスタッフを、このインターンシップの実施に対して置く形で、長期のインターンが実施されているというような実態があります。要するに、高等教育における位置付け自体が随分違うという差がここに出ていると思います。
日本の方でも、一部それに伴う変化の動きというのが出てきておりまして、ページがなかなか見にくいんですが、8枚目のスライドのところで、高知大学では、14単位まで単位をインターンシップの一連のカリキュラムに付与するということで、実際に半年間学外に行って、自ら意思決定をして、企業等の現場でインターンシップをしても4年で卒業できるというようなカリキュラムを回している大学もあります。ただ、これはごく一部のもので、私はこれらの変化を、先ほどの早稲田大学の御発表にもあったようなクォーター制の導入等が、実は大きく改革をしていく1つの入口になるということを思っております。
先ほどの1ページ目の最初のページに、申し訳ありません、戻っていただきまして、変革を進めるために、今後とるべき施策や役割分担の提案ということなんですけれども、こちらは私の方で4点ほど書かせていただいていますが、この最後のまとめの中にも近いものが含まれておりますが、私の方から改めて申し上げたいということで言いますと、現状分析・情報の発信というところなんですが、これは是非継続して行っていただきたいというふうに思っております。実態としてはなきに等しいというものなので、それ自体が明らかになること自体意味があると思うんですけれども、例えばちょっとした制度の変革によって進められるというような分野もあります。そこはやっぱり予算の前によく調べていただくということも、とても大事かなと思います。
一方で、モデル事業の実施というのは、実際に形として見えていくことを進めていかないことには、今、実態がないものを進めていくといっても大変困難です。そういう意味で、ここでやっぱり私はある程度の覚悟をもって、国としてもモデル作りを後押ししていくべきではないかと。それがただ単に幾つかやってみましたということではなくて、私は計画を立てて、数年間の間にインターンシップ50%の実施という計画も去年出されたりはしましたが、私は学生が自ら意思決定して学外に出て、フルタイムで現場で経験をするというようなギャップターム、ギャップイヤーの理念に基づいたような形のチャレンジができるようなカリキュラムの変革や、学事暦に対する大胆な改革をしている大学の取組に対して後押しするというようなことを、数年後の達成率等から逆算した形で、私は導入、計画を立てて、投資をすべきではないかということを思っております。それもただ単純に実施を促すだけではなくて、その後の自立継続的な体制作りといったことをしっかりと担保していくということを念頭に置くべきではないかと考えています。
3番が初等・中等教育との連動ということで、これは今回この場でも議論が出ましたが、やはり高等教育だけでなし遂げられる問題ではないと思っております。やっぱり中学、高校のときから、高校の時代や大学に入る前にチャレンジをするだとか、大学に入ったら現場でインターンをするということにつながるようなことは、やっぱり学びとして得ておかなければ、急に大学に入る段階でということは私は難しいと思いますが、ここは連動が必要な領域にあることは違いないと思います。
4つ目、最後なんですけれども、これは先ほど大臣から冒頭に「トビタテ!留学JAPAN」の話がありましたけれども、現場を通しての学びや成長を促していくということにおいては、これは実際の産業界ですとか社会との連動ということがどうしても必須になってくるわけです。ですので、産業界と一緒になった座組みやキャンペーンみたいなことを設計していくということが、私はどうしても重要になると。そこにおいて、例えば今回のこの検討会のようなものを、また形を変えてもいいわけなんですけれども、実際の社会的なある種の運動を仕掛けていくような共同体やプラットフォームという形を作って推進していくというようなことも検討していくべきではないかということを思っています。
以上、早口で申し訳ありませんでしたが、私の方の御提案とさせていただきます。
【鈴木座長】  宮城委員、ありがとうございました。宮城委員の御発表に対する御質問がおありだと思いますが、後半の審議のまとめ(骨子案)の意見交換の時間帯に御発言くださいますようお願い申し上げます。
それでは、続きまして事務局から、社会体験活動プログラムの全国調査の結果について報告をお願いいたします。それにあわせて、これまでの議論を事務局の方でまとめていただいた審議のまとめ(骨子案)についても説明をお願いいたします。
【猪股大学改革推進室長】  大学改革推進室長の猪股でございます。それでは、まず資料の5を御覧ください。文部科学省の方で先月、全大学に対して、1か月以上学生をキャンパスの外に出して社会体験活動を行うプログラムを持っているかどうかの実態調査を行いました。資料5の下の方にその調査の概要が書いてございますが、大学に対しては、1か月以上の長期にわたって学生を外に出していくプログラム、それを最大3つまで挙げてくださいという調査でございまして、回収率64%という、短期間の調査ではありましたが、多大なる御協力をいただいたところでございます。
1枚おめくりいただきまして、この調査の結果、1か月以上の何らかのプログラムを持っている大学は約75%でございました。実際どのようなプログラム内容なのかというのが、右の方の6ページ目のスライドになります。プログラムの中身といたしましては、67%が留学、20%がインターンシップ、またそれ以外にもフィールドワーク、ボランティア、サービスラーニングなどなど多種に渡っております。また、その期間でございますけれども、1か月以上から2か月未満というのが約4割。また半年以上1年未満が約4割という割合でございました。
下の7ページ目のスライドになりますけれども、どのようなタイミングで学生を外に出しているのかという点でございますが、対象学年は2年生、3年生が最も多く、また学年を問わないとしているプログラムも約4割ございました。そのプログラムが単位認定されるかという点につきましては、約8割のプログラムが何らかの形で単位認定をされているということが分かってございます。
1枚、最後のスライドを御覧いただきたいと思います。プログラム運営上の課題もアンケートいたしました結果、プログラムを既に実施中の大学におきましては、プログラムを運営する人材が不足している。また、学生が参加費を負担できない。プログラムを開発する人材が不足しているなどなどの課題が上がってきております。同じくプログラムをまだ実施していない大学についても、同じように課題を聞いているところでございます。
さらにこのアンケート調査と同時に、長期間の学外学習プログラムを有している国内の先進的な事例の収集も行っております。お手元の資料に少し分厚いとじたもので、国内の取組事例というものが配られているかと思いますが、トータル13大学の取組を、このような形で事例集として一旦まとめてございます。海外に出すもの、国内で活動するもの、また学生自身が自ら場所を選んでやっていくプログラム、様々ございました。この会議においても御発表いただきました東京大学、国際教養大学の例も含めた形で、どのような形でやっているのか、またどういう点で工夫しているのか、どういう課題を持っているのか、これはこれからやろうと思っている大学に参考になる情報をと思って収集したものでございます。
以上、こういったデータ収集も踏まえまして、また第1回目からの本会議の委員の皆様方の御意見も踏まえて、資料4でございます。審議のまとめ(骨子案)を事務局の方でまとめさせていただきました。
この骨子案は、4つの軸でまとめてございます。まず1番目の「はじめに」で、教育的な意義。また2点目で、日本のギャップイヤー推進方策の方向性について。また3点目では、大学が主導した形のギャップイヤー・プログラムの推進方策について。4点目が、社会の意識改革と国や産業界による支援と、この4つの柱で取り急ぎまとめさせていただいております。
ポイントだけかいつまんで御紹介いたします。この内容は全てこれまでの委員の御発表、また御意見をまとめているものでございますが、全てを網羅しきれていない点を御了承いただきたいと思います。
まず「はじめに」でございます。最初の○のところでは、「何のために学ぶのか」という動機付けが学生たちに不足しているなどなど、多種多彩な御指摘をいただきました。また2つ目の○では、留学、インターンシップ、ボランティアなどの体験活動は、様々な教育的効果を持っているんだという御紹介がございましたので、それをまとめたものでございます。一方で、4つ目の○でございますが、日本人の留学生は減少傾向にあり、先ほど宮城委員の御発表にもありましたように、インターンシップの経験率も非常に低いという状況で、希望する学生全員に機会を与えられる状況にあるとは言い難いという形で現状をまとめてございます。
2点目でございます。日本のギャップイヤー推進方策を考えるに当たりまして、砂田委員から何度か海外の事例を御紹介いただきましたので、最初の○のところで海外の枠組みについて若干御紹介をさせていただいております。また、日本においても2つ目の○以降で、平成19年の教育再生会議の提言を踏まえて、法令上の規制が大きく弾力化されておりまして、3つ目の○にありますように、大学の判断によって、今、秋入学制度への移行、また4学期制などの多様な学期の設定が可能となっているところでございます。それを踏まえて、各大学ではそれぞれ取組が始まり、またいろいろな検討が始まっているというところを御紹介してございます。
1枚おめくりいただきまして、2枚目でございます。2つ目のパラグラフ、日本版ギャップイヤーの試みということで、この会議でも御発表いただきましたけれども、幾つかの大学では入学前、または直後に数か月、1年の単位で自主的な体験活動の取組を進めているということではありますけれども、参加できる学生はごくわずかであると。また、大学が全く関与しないところで学生が自ら休学したりする場合もあると思われますけれども、恐らく少ないであろうという、これは推測でございます。
その次の○でございますが、ここは散々いろいろ御意見をいただきました。イギリスのようなギャップイヤーがなかなか広がらない背景について、代表的なものをここで例示させていただいております。受け皿が不足している、活動資金がない、また学生にとっても留年してしまうと。また、就職でも評価されないのではないかといった声があったことを、ここでまとめてございます。
その次の○におきましては、委員の方から、イギリスでギャップイヤーが普及したのは、実績の積み重ねがあって、それが世の中に認められたからであって、日本においても実績をきちんと積み重ねてロールモデルを確立していく地道な努力が必要ではないかという御意見があったところでございます。
それを受けて3番目では、大学によるギャップイヤー・プログラムの推進についてまとめてございます。希望する学生全員が参加できる機会を増やしていくためには、イギリスのような「自主性重視型」のギャップイヤーだけではなく、各大学が自校にとってのギャップイヤーの教育的意義を判断した上で、自主的に支援プログラムの提供を行う「大学支援型」のギャップイヤーを導入していくことが期待されるのではないかとしてございます。
そういった中でこの会議では、様々な点について御指摘がございました。それを以下、参考にしていただくことを期待して列挙しております。まずプログラム名でございます。プログラム名は、基本的に大学が自由に定めるものではございますが、国際通用性の観点からは「ギャップイヤー」がふさわしいのではないかという御意見をいただきました。またそれ以外にも、東大の「ギャップターム」という言い方ですとか、齊藤委員から御指摘いただきました「チャレンジイヤー」といったような新たな名称、独自の呼称も考えられるのではないかとしてございます。
続いて、時期でございます。これは大学入学前に限ることなく、入学した後、卒業前などの多様な時期にまとまった期間実施することが考えられるのではないかと。ただし、高校卒業後の4月以降は、奨学金受給資格、学割適用などの観点から、学生を入学させて学籍を与えることについても様々御議論いただきましたので、その点についても触れてございます。
またさらに、先ほど早稲田大学から発表いただきましたけれども、学生が留学、インターンシップ等の社会体験活動に参加しやすくなるように、学事暦を柔軟に見直すことも考えられるということを指摘してございます。
続いて、活動内容でございます。活動内容は、主体的に学生が学外へ出て、多様な体験活動に参加するものでございますが、留学であったり、インターンシップであったり、ボランティア、フィールドワーク、または小中学校の教員補助といったような様々な多様な活動が考えられるという御意見をいただきました。また、大学の関与の度合いによって、以下3つの観点で分類できるのではないかと思います。大学が企画運営までするプログラム。また、大学がサポートするだけで、学生が主体的に計画をするプログラム。3点目が、全く大学は関与せず、学生が自由に行う活動という、この3つのパターンがあるわけでございますが、特に3番目については、大学が教育上有益だと認めた場合には、これを何らかの形で評価することも考えられるという指摘をさせていただいております。
また、プログラム内容については、企業側の委員の方々から何度か御意見をいただきましたけれども、学生が自発性を発揮できるようなものが重要なんだという御意見。また、事前指導、また事後指導も効果的である点。そして、NPO法人の団体が提供するプログラムの活用も考えられるといった御意見もいただいているところでございます。
続いて、活動資金の確保でございます。学生がアルバイトで活動資金を稼ぐ形で、それを一部国や大学が奨学金として支援するマッチング方式の方が、教育的意義が高いのではないかという御意見をいただいたところでございます。ただし、経済的に余裕のない学生についての一定の配慮も必要であろうという御意見もいただきました。
最後、安全確保と危機管理でございます。事故や病気に備えて、危機管理に関する事前指導や保険の加入といった点が重要であるという御意見を多々いただきました。ヒントといたしましては、JICAなどの団体との連携を大学が図っていくというヒントもいただいたところでございます。
最後4点目、社会の意識改革と国や産業界による支援というところでございます。まず(1)で、社会や企業におけるギャップイヤーの理解・協力の促進という点で3つにまとめてございます。
まず最初の○につきましては、第1回目の会議で特に意見をいただきましたけれども、学生は、就職が不利になるのではないかというおそれから参加を躊躇しているという実態。また一方、産業界の方は、こういったギャップイヤーを経験して、優秀な人材であれば、一、二年多少卒業が遅れても、問題なく受け入れるといった御意見も頂戴したところでございます。
2つ目の○は、留年や休学にあるようなネガティブなイメージを、ポジティブなものに転換していくための「トビタテ!留学JAPAN」などのキャンペーンを通じまして、学生、保護者、または高校の先生方への理解促進が重要ではないかとしてございます。
最後のページでございます。産業界において、ギャップイヤー経験者を評価してほしいという意見が多々委員から、特に第1回目にございましたので、それをまとめたのが最初の○でございます。ただし、就職に有利になるからといってギャップイヤーに参加するというのは本末転倒ではないかという御意見もありましたので、あわせて記載してございます。
また2つ目の○でございますが、これはイギリスやアメリカのように、民間団体が提供している体験活動プログラムの質を保証するために基準を作って、その質を認定するような民間団体の設立が期待されるという御意見もいただきましたので、ここに書いてございます。
最後、国よる支援策でございます。先ほどアンケート調査にもございましたけれども、大学には様々なプログラム実施上の課題を抱えてございます。2つ目の○にありますように、希望する学生全員がギャップイヤーを経験できる環境整備をするため、国としては1、学生個人に対する奨学金の拡充を図ること。2として、大学に対してプログラム開発や学生サポートのための体制整備に関する財政的な支援を行うこと。これについて、委員から多々御意見をいただきましたので、ここでまとめてございます。
最後の○でございます。9月入学、6月卒業といったアメリカのような多様な修業年限の在り方ですとか、また秋入学に伴う資格試験の実施時期の見直しといった課題もございますが、これにつきましては、日本でのギャップイヤーの普及、また秋卒業の状況を見極めつつ、今後検討していくべき課題ということでくくらせていただきました。
以上、駆け足でございますが、骨子案をまとめてございます。どうぞ忌憚のない御意見をよろしくお願いいたします。
【鈴木座長】  ありがとうございました。そういたしましたら、審議まとめ(骨子案)について御議論いただければと思います。時間が限られておりますので、お一人の発言時間をおよそ4分を目安にしていただいて、なるべく多くの委員から御意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構でございますので、よろしくお願いいたします。はい、どうぞ、船橋委員、お願いします。
【船橋委員】  非常に全部まとまっていたなという印象なんですが、2点私の方からお話ししようと思っています。
1つが、「トビタテ!留学JAPAN」の官民協働支援制度というもの、先ほど大臣からお話がありましたが、11月から私がディレクターとなって入っております。非常にやっぱり留学生を増やす、倍増させるというのが1個のミッションの中で、ギャップイヤーだったり学事暦の多様化は非常に重要だなと思っていますので、連動も今後検討に入れて、何かできないかというのを考えていきたいと思っております。
その中で私が1つ言いたいのは、先ほど宮城委員が言った、この内容を促進していくためには、やっぱり何らかの受け皿というか、プラットフォームが必要だろうという中で、今、「トビタテ!留学JAPAN」もやっていますが、官民協働でみたいな、産官学協働でという形でというのがないと、やっぱり進まないのではないかと思っています。
先ほど早稲田大学の田中先生から、学生の声が届く状態というのがありましたが、留学も全く同じでして、今、キャンペーンをやっています。留学というのは言葉自体の認知があるので、ああいうキャンペーンをやると、認知があったことによって、他人事と思っていた子が自分事に変わるというのがあったり、あるいはこういう新しい制度ができたということで、興味があった子が背中を押されて前に進んでいるというのも感じています。一方で今、学生に話を聞く中で、こういうギャップイヤーの話を聞くと、結局、休学とか留年という言葉のネガティブイメージがすごく多くて、そういう意味で、これもキャンペーンすべきだなと1個思っている理由は、ポジティブにイメージを変えると。ギャップイヤーとかギャップタームとかチャレンジイヤーと、これは格好いいものであって、意味があるものだということにならない限り進まないというのが思っていることです。
それとキャンペーンを産官協働でやる、官民協働でやるべきだと思っているのは、もう一つは企業の評価で、本末転倒なんですが、やっぱり学生は就職活動をとても気にしています。茶髪だった子が、ある日突然全員黒髪に変わって就活をやるものなのであるんですけれども、やっぱり企業がこれだけ認めているんだと。こういう実体験を求めるんだということをきちんと発信していただくことが、促進につながるのではないかと思っています。
そういう意味で整理すると、何らかの受け皿があって、まずキャンペーンなどから促進していく。打っていく手は、多分ここに書いてあること全てかなと思っていますが、そういうものが1つ必要なのではないかと思います。
あと補足でいうと、マッチングって1つ、経済的な面のマッチングは非常にいいなと思いましたが、もしかしたら今、「トビタテ!留学JAPAN」の中では、民間からお金、寄附を集めていますが、寄附、奨学金ではなくて、ギャップやローンみたいなきちんと審査を通った学生に、奨学金じゃなくてむしろローンという形も新しく今、ないと思うんですけれども、そんなのももしかしたらあるんじゃないかなというのが1つアイデアとして考えました。以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。齊藤委員、お願いします。
【齊藤委員】  イギリスの例が引かれているんだけれども、イギリスは今、停滞国だと思っていますよ。そういう歴史も踏まえながら、新しい日本型の教育制度というのは作っていくべきだ、そういう時期だというふうに思っています。
そして、過去には留学生が非常に多いときは、みんな企業派遣だったですよ。企業がお金を出した。だから、今の税制で、ちょっと僕、不勉強なんだけど、海外留学支援税額控除みたいなのはあるのかな、企業に対して。法人税を下げるとかなかなか難しい問題があるんだったら、そっちだってしっかりとやってもらって、子どもさんにとりましても、安心して就職した後、企業から行くというと気が楽だし、企業もそういうような税制が後押ししてくれるなら、どんどんやりましょうということになって増えていくと思いますよ。これから日本が大変な時代で、所得もだんだん減ってくる、実質可処分所得も減ってくる中で、自分の金で行けというのは難しい時代に入っているわけですよ。
そういうような財政上の問題もしっかりと議論して、対応してほしいなということと、もう一つ、各大学がそれぞれ自主的に秋入学とかいろいろ決められる、それは非常に結構なことなんですが、一番心配していたのは、外国から見て日本の制度はばらばらで使いにくいし、いざ行きたくても行きにくい。今、大体4月入学自体が行きにくい状況だというふうに私は理解しているんですが、外国から見た評価。日本の大学の4月入学とか、今回タームにするんだ、クォーターにするんだ、セメスターにするんだ、東京大学と早稲田大学はできるけど、ほかの地方大学はできないじゃないかという議論に対して、文部科学省はどういうふうな、外国からもこういう期待で応えられますよということは、そっちからも言ってもらわないと困ると思うよ。以上。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほか。はい、砂田委員。
【砂田委員】  砂田でございます。初めに話した方が、多分4分から削られていくんでしょうから、先に言わせていただきます。
猪股室長の非常にまとまった報告書を頂戴したわけなんですが、私は国による支援策ですね、ここのところでちょっと今までの議論を踏まえて提案したいというふうに思っております。それは1つは、大学入学延期制度を、やはり国として、あるいは文科省として推奨するというか、よりそういうものができると、事実的なギャップイヤーが進むわけです。
先ほど宮城委員からもお話があったように、やはりなかなかインターンシップも進まないと。経団連も、インターンシップと採用をマッチさせるのはよくないと。いわゆる青田刈り論理があってなかなか困られるので、そういう意味じゃ、高大の接続ですね。まさに本当の意味でのトランジションの中でギャップイヤーをポジティブに見ていくということを考えると、やっぱり大学の入学の延期制度というのは、お金のかからない導入策になるんじゃないかということと、それから、国といいますか市町村というのは2,000弱ありますよね。2,000弱のところが、まさに市町村が各10名、平均で10名インターンシップを半年でも受け入れると、これ、2万人になるんですね。だから、それもかなりお金もかからなくて、ひょっとしたらいろいろな解決ができるかもしれませんし、そういうものをやはり高大の接続の中で制度設計していくということが非常に肝要なんじゃないかなというふうに思います。
前回私は、アメリカの大学のギャップイヤー制度についてちょっとお話ししたんですが、タフツ大学は推進しているというふうに、推奨しているというふうに申し上げたんですが、この1か月でタフツ大学は50人のギャップイヤー制を、これから高大の接続で作っていくと。最大300万円、1人300万円の援助をしていくと。国内外のインターンシップとかボランティアをやるわけなんですが、これ、50人になると1億5,000万円なんですね。そういうことがあると。
それから、あるいはブラウン大学。ここも今、次のセメスターからギャップイヤーを、やはり高大の接続の中で考えていくということを表明しています。ですから、そういう大きい流れの中で、日本もやはり経験が足りないと思うんですね。僕らの時代と違って今の若い人たちというのは、みんなネットでいろいろな情報をとるわけなんですが、これが実体験と結びついて初めて大きい力になるので、頭でっかちにならない。それからどうしても一番最初に私が申し上げたように、大学というのは偏差値だとか、親のことを考えると浪人もできないし、じゃあ行けるところに行こうということで、圧倒的に今行っているわけなんですね。それが実は中退にもつながっているかもしれないし、6万人の人が今中退しているわけなんで。そういうことを考えると、ギャップイヤーをうまく接続要因にしていくのが重要じゃないかなと思います。以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかお願いします。はい、どうぞ。
【浅原委員代理(坂越)】  広島大学、浅原の代理の坂越といいます。今、ちょうど地方公共団体のお話があったので、地域からの発言ということで。官民であったり、そういうプラットフォーム作り、支援していただけるのは本当にありがたいと思うことと同時に、大学が主体的に取り組んでいくことは当然として、やっぱり地方にある大学としては、地域の公共団体であったり、地域の企業さんですね。このあたりと一緒にやるようなプログラムを是非開発したいと思っていますので、そのあたりの支援だったり、モデル提示だったりということをいただければ大変ありがたいと思います。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかどうでしょうか。秦委員、どうぞ。
【秦委員】  秋入学問題が大きく取り沙汰された1984年の臨教審から30年たって、このように進んできて、骨子を読ませていただいて本当に感慨深いものがありました。ありがとうございました。
ただ、先日も学生が、ボランティア活動は義務のことだと思ったというふうにいった発言があったので、はたと驚いたわけなんですけれども。政策は走り出しますと、日本では横並び化してしまいがちですので、その点は少し懸念するところではありますが、やはり砂田委員、宮城委員、そして今、おっしゃっていただきました船橋委員のような方々の活動のおかげで、ようやくギャップイヤーも市民権を得たようなところになったのは本当に感謝するばかりであります。
ただ、ギャップイヤーの神髄はというふうなところを考えてみますと、低迷しているイギリスではありますが、多様な生き方を社会が認容すると。そして、若者の多様な生き方を支える社会というものは、懐の深い、国の政策によって成り立つ社会でもあるわけで、そのような社会があることが、結果的には日本国民の民度というものを高めていくんだと思っています。つまり、高い民度がある国民というものは、他人の生活をうらやんだりとか、足を引っ張ったりというようなことではなくて、自分自身の、自分自らの人生を充実しようとか、豊かにしようというふうな国民でありまして、そういうふうな形になれば、引きこもりやいじめというものも少なからず減っていくんじゃないかなと。
ちょっと今までミクロ面がずっと述べられてきましたので、マクロ面の側面から、ちょっと述べさせていただきましたことと、それから、宮城委員のサンドウィッチコースをイギリスの例で挙げていただいたんですけれども、サンドウィッチコースのインターンシップは、実際8割方お給料をいただけるということで、なかなかこれは企業がしっかりしていないとできないと。でも、そういうふうなことが日本でできれば、すごくすばらしいことだろうなというふうに思っています。
また骨子案のところで、民間団体が提供していますプログラムということで、イギリスでもギャップイヤードットコムといった数百にわたる例がありますので、参考にしていただければというふうに思っています。どうもありがとうございました。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかどうでしょうか。どうぞ、先生。
【濱田委員代理(長谷川)】  この会議の名称も、学事暦の多様化とギャップタームということなので、この節のタイトルで、どこかにやっぱり学事暦の多様化というものは、多分2のところがふさわしいんだと思うんですけれども、学事暦の多様化とギャップタームの推進というような形の方がよろしいかなという感じがいたしました。
それから、ギャップイヤー・プログラムの時期に関しましては様々な意見があって、実情としては2年、3年が多いということなんですが、先ほど宮城委員の方からございましたように、投資効果、あるいは本来イギリスでのギャップイヤーというのは、入学直後、あるいは入学前ということですので、入学前、直後の時期のプログラムにプライオリティを置いて、それに対して政府の御支援なんかもそのあたりを手厚くされるのがよろしいのではないかという気がいたしております。
それから、海外との整合性ということを考えますと、やはり9月入学、6月卒業というのが、ICUさんもそうですけれども、それが可能になると、海外との連携がいろいろな意味でスムーズになると思いますので、この最後のところの書きぶりですと、少し遠い将来のような書きぶりなんですが、もう少し速やかな検討をいただけるとありがたいなというふうに思っております。以上でございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。どうぞ、宮城委員。
【宮城委員】  先ほどのお話のちょっと補足も兼ねて、皆さんにちょっと御質問があるんですけれども。補足という意味では、インターンシップ、先ほどイギリスのサンドウィッチプログラムでは8割の給料が払われるということでしたけれども、アメリカでもコーオププログラム、アメリカ、カナダで、実際に最低賃金以上の給料が支払われるような形で行われていると。要するに、本当の実践をやっているわけですね。
日本の場合、短期の1週間とか2週間が中心ですので、企業からすると、どちらかというと負担を強いられているというような受け止め方を、特に地域の企業ではしていると。東京の大手企業ですとか外資は、採用のためのインターンシップということで、むしろそれはそれで積極的にやっている面はあるんですけれども、いずれにしても研修型といいますか、見学にとどまっているような、まさに深い体験、タフな人材を育てるというようなことまではなかなか届いていないものがほとんどなんですね。
なので、インターンシップを受け入れるというと、本来は、先ほどお話があったように、地域や企業にとっても、実は積極的にその力を活用して新しい事業に挑戦したりですとかいうことを展望してやられるものですし、そういうことだからこそ学生も意気に感じて挑戦するし、成長していくというものではあるんですけれども、そこのある種のウィン・ウィンの関係が作れていないというところが、非常にこの問題の大きな根っこにあると思っているんですけれども。
なので、50%の学生がインターンを経験できるようにとかという話になると、やっぱり課題として、受け皿の話になるんですけれども、受け皿が、先ほどの押しつけのような形での受け皿開拓だと、これはものすごい開拓コストや継続コストがかかるわけですね。ウィン・ウィンの関係をうまく作っていければ、企業の側がお金を出して支援してでもやりたいというような構造を作っていくということは、実践型のプログラムを推進していく上で必須になってくることですし、今までの状況としては、非常にそこはネガティブな印象がむしろ強かったということは自覚を持つ必要があるかなと思います。
私はインターンシップの取組というのは、日本の高等教育の在り方そのものを考えていくのにも、とても私は重視すべきことだと思っているんですが、先ほど日本型の新しい教育の在り方みたいなことを、ある種クリエイティブに考えていく、今回のこの検討会が契機となってもいいのかなということを思っています。
それは例えば、古い話でいえば丁稚奉公だとか、師匠の背中を見て学ぶみたいな、日本というのはどちらかというとOJT的なことが先にあって、そこからアカデミックな学びに入るというようなリズムがあった気がするんですけれども、私は明治以降の教育ということの成果を踏まえつつも、一方で、今の時代に合った、かつ日本の実態や若者たちのニーズに合ったものをクリエイティブに発想していくのに、この大胆な学事暦やカリキュラムの改革ということを推進していくというのが、こういう場から行われる、発信されるということは本当に意義があることだなと思っています。
最後、皆様にちょっと改めてお尋ねしたいと思ったのが、例えば学事暦の議論も、このアンケートを見ても、ほとんどまだされていないと、各大学の現場においては。実態としては進んではいないと。さっきの長期の実践経験みたいなものを学外でするという取組も、実は留学以外はほとんど実態としてはないんですよね。というものを推進していくのに、相当な現状のハードルが考えられるわけですけれども、それを進めていく、突破していくために本当に何が必要なのかというようなところで、1つには、大学人の皆様に、ほとんど学事暦に、今日御発表があったわけですけれども、実態として進んでいないというものを加速させていくために何が必要なのか。それは国の後押しということももちろんでしょうし、大学としての、ここを突破口にすべきだというようなことも含めて、そこを見据えないと、やっぱり絵としては、方向性としては総論大事なんですけれども、実態として進まないということがやっぱり想像される面もありますので、そこについての是非御意見を、皆様から頂戴したいなと思うんですけれども。
【鈴木座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。今、皆さんに御質問をしたいということで、1ついただいたんですけれども。
【宮城委員】  鈴木座長にも是非推進していただいている御立場としてもおっしゃっていただきたいところではあるんですけれども。
【鈴木座長】  はい。いかがでしょうか。どうぞ。
【山内委員代理(落合)】  一橋大学の山内委員の代理の落合と申します。今日は卒業式と学位授与式があったものですから、遅れてしまいました。大変失礼しました。
今の御下問とも関係、直接にならないかもしれませんが、少し考えていることを申しますと、今この「はじめに」のところにもあります幾つかの主要なタームといいましょうか、例えばグローバル化であるとか、何のために学ぶのかとか、学生の主体性とかいろいろありますけれども、これは大学の立場からすると、どんなふうに各学生の履修計画に反映されるかというところが大変大事でありまして、履修計画、1年から4年までのどんなふうに単位を重ねていくか、どんなふうに履修していくかというのは、全体として実はPDCAの対象であるべきでありまして、そうした観点から、今少しいろいろ調査をしております、一橋大学では。
それはギャップターム全体のような大きなことはまだできていないんですけれども、例えば我々のところでは、今度機能強化分ということでいただいたお金も使って、今後いろいろなことを考えているんですが、その1つは短期語学留学というのをもし必修化するとするとどんな効果が出てくるんだろうかということで、今まさにそうなんですけれども、この2月、3月試行として100人ぐらいの学生に、海外10か所ぐらいに行ってもらっています。まさにモニターとしてやってもらっているんですけれども。それで行く前、行く後、それに別の意味でのサンドウィッチで、英語の力を調べたりするんですけれども、私もこの間視察に行ってまいりました。20人ぐらいの教員にも視察に行ってもらっているんですけれども。
そうして分かってくること、これから結果が出てくると思うので、またまとめたいと思っているんですけれども、まさに何のために自分はこれから4年間を、あるいは3年間を過ごそうと思っているのかという振り返りの大変強い効果があるということが分かりました。そうしたことを積み重ねていくためにも、まさに学事暦改革には必要なんですが、そういうふうな基礎的なデータというと変なんですけれども、大学としてそれぞれそういう調査というのは、実は必要なのではないかというふうに思います。
例えば、グローバル化をするために、学事暦改革が必要だと。これはまさに前提と結論ではそうなんですけれども、その途中の部分といいましょうか、学生一人一人にとってはどうなのかというのを丹念に見ていく必要があるものですから、我々はその100人、この夏は200人やりますけれども、そうしたモニターたちの今後数年間の履修行動を全部チェックしていこうと思っています。行かない学生もいます。行かない学生の場合、どんな履修を積み重ねて、自分の単位の取り方をやっていくのか。それから、専門に至るまでやっていくのか。また、ほかの行っている学生の場合はどうなのか、そういうふうな実はこの中には、骨子案にはないんですけれども、そうした実は地道な調査というのを、もちろん海外のいろいろなデータなんかがあることは存じておりますけれども、日本の学生の場合どうなのかということを見ていくことによって、例えば結構リラクタントだというのはなぜなのかとか、大雑把に言えば就職の問題であるとかいろいろあるかもしれませんけれども、それでも何とかしようと。それから、海外から来ている学生なんかが、実は大変に熱心に手を挙げるということも分かりました。
そうした様々な調査というんでしょうかね、そうしたものにもお金を出して、いろいろ見ていくということが必要ではないか。とりわけこれは希望する学生全員にという、これはかなり重要なタームであって、本当に希望する学生全員にとやって、どのくらいのことを想定するのか。先ほどいただいた資料の中に、イギリスで6%ぐらいとかありますけれども、日本の全学生の6%がこれをやったら大変なことになるわけで、日本の場合ですともっとかもしれませんけれども、希望する学生全員というのを本当に書いて大丈夫かなということすら思わなくもないということであります。
いずれにしましても、学生一人一人の履修行動がどんなふうに変わるのかということをきちんと把握しておいた方がよいのではないか。今のところ、先ほど申しましたけれども、出発点と最終点というのは、この書かれているとおりだろうと思いますけれども、それを具体的に見ていった方がいいのではないかなと思いました。以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
【市村座長代理】  市村でございます。先ほどからイギリスのお話がよく出るので、その点につきまして、産業界からちょっと意見を申し上げたいと思うんですが、日本とイギリスとのいわゆる社会構造といいますか、経済的なストラクチャー、これが全然違うということをまず皆さん認識すべきじゃないだろうかと。というのは、日本のGDPというのは御承知のとおり対外貿易の比率は20%を切っているわけですね。それで国内消費が60%を超えるという、国内型の経済構造をしていると。イギリスというのは、御承知のどおり対外投資、これはGDPの半分近くいっている。あるいは、イギリスに投資を呼び込むというのも最近増えているわけです。
特に昨年度の日本からの投資実績を見ますと、アメリカが1位で2位はイギリスなんです。中国なんて5番目ぐらいに下がってきちゃっていると。こういう経済構造の中で、イギリスというのは数十年前から、外へ出て行くというのがビジネスのストラクチャーに組み込まれていると。そして、移民も受け入れる、投資も受け入れると。いわゆるもともとグローバルな世界で生きていこうという思想が浸透しているわけですから、ああいう長期的なインターンシップというのは、そういうところへ出ていける素地を作るための教育の一環としては育ちやすい環境にあるということだと思うんです。
ところが日本というのは、どう考えてもグローバルというのは今一生懸命皆さんやっていますが、企業の中で、グローバル企業と本当に言えるところはあるんだろうかと。まあ、ないでしょう。したがって、これから作っていこうという段階ですから、そういう中で、イギリスのいいところと、やはり成功したというのは勉強にはなりますけれども、それがイコール日本の構造にマッチするかというと、まだまだ時期尚早じゃないかなというのを非常に感じるんです。
したがいまして、先ほど文科省の資料4の審議のまとめのところを読んでいましても、まとめる時期がちょっと早いんじゃないかなと。もう少し議論を重ねた上でまとめていった方がいいんじゃないかなと。というのは、この全国に大学が数多くある中で、この方向付けでついていける大学とついていけない大学というのはあると思うんですが、おそらくついていける大学というのは、グローバル30でもありましたように、30大学とか、多くて50ぐらいで、それはせいぜい10%以下になりますのでね。残りの大学は、恐らく地方にいけばいくほどついていけないと。こういう現実を見ますと、ギャップタームというのも重要だとは思いますが、これを今回まとめの方向に持っていこうというのは、若干早いような感じを私は持っております。以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。どうぞ。島村委員はその後に。
【齊藤委員】  この重要な検討会議なんですが、その上に教育再生会議があったり、中教審があったり、いろいろ重しがあるんですよね。その中でちゃんと突破して、我々の意見をそれなりに反映させてくれるのかどうかというのは大事なので、今日は吉田高等教育局長もおられるし、上野さんも何か言いたいんだろうからさ、政務官、決意表明みたいなのを聞かせてくれよ。頼むよ。
【鈴木座長】  はい、ありがとうございます。それでは、島村委員。
【島村委員】  今回、この学事暦の多様化とギャップタームの推進ということで、産業界としては、やっぱりすごくそれは積極的に進めてもらいたいと思っているんですね。というのは、現実的に今の新卒の学生さんが、こんなことを言っちゃいけないですね、生っちょろいというか、弱いんですよ。私どもの世代から比べると、とてもじゃないけど自立心もないし、競争意欲もないし、いろいろな面で問題があって、企業としては非常に困っているんですね。企業でかなりエネルギーをかけて教育して変えるといいますかね、切りかえさせるということなんですけれども。ただ、それが切りかわらない子は多いんです。
三、四年前でしたかね、東京商工会議所で企業にアンケート調査をやりまして、前にお話ししたかもしれませんけれども、新入社員、3年で3割やめちゃうんですね、大企業でも今は。昔は大企業に入るとやめないらしいんですけれども、どうも大、中小企業関係なく3割やめてしまうというので、私ども中小企業ですけれども、同じような感じなんです。そうすると、やっぱり本人がかなり過保護に育っているんですね、学生時代に。社会の実態とかそういうことがよく分かっていない。学問だけ、知識だけを入れるという形で、その辺が産業界としてもいつも問題になっておりまして。今、その辺のところを大学と提携して、例えばインターンシップだとかいろいろな形で、社会というのはこういうものだということを学生時代に認識してもらう。そのためには、今回のこういう学事暦の変更とか、そういう部分というのはすごく大事じゃないかと思うんです。
そういうことで、いずれとにかく学生さんは社会人としてそれぞれの産業界にいろいろ就職するわけですけれども、そのときにやっぱり時間がかかって、一人前になる。その時間をもう少し企業としては短くできる方が望ましいわけですよね。非常にエネルギーをその辺にかけちゃうんです。そんなことで、グローバル化の問題も出ていますけれども、グローバル人材についても、確かに学生時代にそういう感覚と、今、留学生が大分落ちているということで、この間も「トビタテ!留学」のミーティングに私も出させていただきましたけれども、本当に落ちていると。やっぱり何か新しいものにチャレンジするという、そういう精神が失われているんです。少なくなっているんじゃないかと。それはもしかすると、家庭の親御さんの影響もあるかもしれないですけれども。
それはともかくとしましても、やはりシビアな部分、シビアな世界を経験させるということは大事なものですから、インターンシップも、商工会議所ではインターンシップを各企業が大学といろいろ連携しながらやっていこうじゃないかという話は出ておりますので、積極的にインターンシップも進めていく方向になりますけれども、特に学事暦という形で新しい、これは私は教育改革だと思っているんですね。教育改革をしていただかないと、産業界は困るんじゃないかと思っていますので、そんなことで是非推進をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
【川村委員代理(御手洗)】  日立製作所の御手洗でございます。まず学事暦の多様化の前に、宮城さんの方から、インターンシップについていろいろ御意見いただきましたので、その辺についての考え方をちょっと述べさせていただきたいと思います。
当社は大体年間で200人ぐらいインターンシップを受け入れています。それで我々思っておりますのは、宮城先生が言われるに、長期的に受け入れて、学生も企業をよく知ってもらうということは非常に大事、それは非常にいい方向だと思っています。ウィン・ウィンでやることは非常に大事だと思っているんですが、実際受け入れてみますと顕著なのは、非常に学生に温度差があるんですよね。本当にここで一生懸命職業観を養成していこうという学生もいれば、何かほかの人もやっているから来てますという、そんな人も多くて、必ずしも一律に長期にすればいいということじゃないと思うんです。
それから、あとはよく大学の御意見を聞きますと、特に技術系の先生を中心に、そんな長期間やってもしようがないんじゃないか、もっと勉強しろという先生もいっぱいおられます。ということで、本当にこういうものを進めていくためには、学生のマインドを変えていくということと、それからもう一つは、大学側も先生を含めてコンセンサスをきちっと作っていくということが大事なんじゃないかなと思っています。
そういう意味で、学生自身がいろいろ変わっていかなきゃいけないという意味では、この学事暦の多様化とギャップタームに関する本委員会の議論というのはすごく大事だと思っております。ただ、いつも私、ここで述べさせていただくのは、こういう人材の育成に当たっては、お仕着せじゃだめなんですよね。やっぱり自主的に自己責任でやると。やりたい人間がやるという、その3つが僕は大事じゃないかなと思っています。そういう意味で、今回非常にうまくまとめていただいた中で、もう少しその辺を強調できないかなと思っている一方で、もう一つ、例えば親から支援を受けられないから配慮するという、親からの支援なんて言葉がこういうところにあるのも嫌だなと、そんな気もいたしました。
それから、こういうものをやっていくためには、さっき申しましたように、やっぱり世の中で認められていくということが大事だというふうに思っています。そういう意味では、ここに保護者、高校教員への理解促進もありますが、大学の先生たちもマインドを変えていくということも必要かなと思っています。もちろん企業も精一杯キャンペーン等があれば協力もしていきたいというふうに思っております。以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞお願いします。
【小林オブザーバー】  高等学校側からちょっとお話をさせていただければと思います。私のところは中高一貫なので中学生もいるわけですが、中学生のときに、例えば職業体験というんですかね、本当に3日間程度なのでそんなにあれではないんですけれども、そういうのをやったり、それから、インターンシップも高校ではやっています。例えば、1つの学年が全員やるというような学校もございます。それが1つ特色になっているところです。
そういった試みはしているんですが、実際のところ、これは反省も込めてなんですが、いざ進路指導になりますと、どうしても学力の方にいきがちであると。おまえの学力だったら、大体このぐらいの大学に入れるよとか、そういうふうになっていくわけですね。ですから、体験したこと、それからインターンシップなり、それから職業体験とか、そういうのはやっているんですが、ただそれが必ずしも進路指導と結びついていないという、そこにやはり高等学校側の問題もあるかなと。実際問題として、進学するとなると、やはり偏差値でここの大学だったら合格率80%だとか、そういう指導になってしまうということはあるかと思います。
前にも申しましたように、例えば1年間留学して行ってくるという、次世代リーダーの育成というのがありますけれども、それで帰ってきた子が何を気にするかというと、やはり原級留置になって、つまり留年して、次の学年になるのかどうか、そこが一番彼らの、彼女らの気になるところなんですね。つまり、自分がもともといた学年のところでそのまま卒業させてくれるのかどうかというところですね。ですから、やはり彼らなりに、彼女たちなりに今のこの社会の気風というんですかね、それは体得しているわけです。やっぱり1年遅れるのは嫌だという。ですから、やっぱりその辺が変わっていかないとなかなか難しいのではないか。
私ども大学入試や何かでアンケート調査を全国にやりましたけれども、例えば東京大学で秋入学、非常に高等学校の方でも注目もしましたし、『文藝春秋』にも書かれていたんですけれども、やはりちょっとそれが頓挫というと申し訳ないんですけれども、少しやっぱりそうかなという。やはり東京大学でさえなかなか難しい。やはり日本の社会全体が変わっていかないと、こういうものを導入するといっても、本当に我々一人一人がしっかりと意識改革をする必要があるのかなと。
例えば役所ですと、入省年次とか気になりますよね。それから、大企業もそうだと思うんですね。一方では、就活というのがものすごい今、勢いでやっていらっしゃる。ある雑誌になると、それが日本をだめにしているんだというような、そんな記事もありましたけれども。やっぱりそういうところから一つ一つ変えていかないと、こういうのはなかなか難しいのかな。財政的な支援だけではなくて、我々の一人一人の意識を変えていく必要があるのかなと思います。高等学校の側からも、やはり変えていく必要があるなと感じました。以上でございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。
先ほど宮城委員の方から、鈴木も何かを言えというリクエストがございまして、私もこのギャップイヤーに関しましては、ICUの9月入学とか、それから今おります国際教養大学でギャップイヤーの入学等々ございまして、皆さんが御懸念のところ、あるいはこういうふうになるのではないかというふうなところも、実際はこうだというのがございますが。
先ほどの文科省のこのアンケート調査で、要するにプログラムの実施状況のところで、大体プログラムの67%、70%近くは留学だということ。それから、20%ぐらいがインターンシップだということで、大体9割方が留学とインターンシップというのに集約されるというところで、例えば私がおります国際教養大学というのは、2年の終わりから3年にかけまして、1年間全員を留学させるということで、1年間は、すなわち3年度に当たる学生がいないということになります。そのかわりに海外から、それと大体同じ数の留学生を入れております。ということは、4年間のいわゆるゆっくりと進んでいく、言葉はちょっと不穏当ですが、教育のアセンブリーラインの中で1年、2年次はAIUの学生なんですが、3年次は海外から来た学生だと。4年次にまた戻ってくるということで、いわゆる3年次を外注のアセンブリーラインでやっていただいているということで、全部の仕上げをダブルのアセンブリーラインでやっているということになります。
そのことからすると、AIUの授業の内容と水準が、外注というか海外に留学させている大学の内容と水準と大体同じでないと、このアセンブリーラインの流れというのがしっくりいかない、スムーズにいかない、どこかでスタックしちゃうというのはあります。そういう意味では、何人もの方から、大学も考える余地がある、いろいろなことを考えなきゃいけないといったときに、特に留学のときには実際に我々が提供している教育の水準、あるいは内容、それが海外のそれと、要するにベンチマークできるのかどうかということが非常に問われているところなんです。それができていないと、留学に行ってもついていけないとか、あるいはその逆もあるかもしれません。日本の我が大学の方がもっと難しいというふうなことがあるかもしれませんが、そのベンチマークというのは非常に重要だということを、我々大学はよくよく考える必要がある。
といいますのも、私のところの留学している学生が頻繁に学長にメールを送ってきて、もっとAIU、国際教養大学の授業を厳しくやってくれということなんですね。大学にいるときには本当に勉強したんだけれども、海外に行ってみたらそれどころじゃないというのがあって、もっともっと厳しくするべきだと。そうしないと、国際教養大学に戻ってきたときに、何となく間延びしちゃうよというような意味のメールを学生の方から何通ももらうということで、我々としては教員、あるいは大学の方が、やはり教育の質というものをもっと高めていかなければいけないということが分かってきております。そういう観点からすると、我々は外に出す、これはインターンシップもそうだと思うんですけれども、大学として考えるべきことが多々あるのではないかと。外に向かってということよりも、内に向かって我々は襟をただすことがどうしても必要だ。
学生からくるメールの中では、本学の名誉のために申し上げますと、やはり本学のレベルは高いということもありますので、それもつけ加えさせていただきますが、いろいろコメントがございます。
そのほかございますか、あと二、三分。政務官、どうぞ。
【上野大臣政務官】  いろいろ御意見いただきまししてありがとうございます。私、前回もお話ししたと思うんですけれども、17年ぐらい前になりますか、5年間向こうの、海外の学校で日本語を教えていまして、海外はイギリスですが。イギリスの話が先ほどからたくさん出ていたんですけれども、確かにイギリス人の、特に大学生の学ぶ意識は高いです。24時間図書館があいていて、そこの場所取りをするのから、朝の時間が皆さん始まるぐらいに勉強しますから、各大学も入学時は入れても、大体1年間で多いところで100人単位で各学科から生徒が脱落していくような状況も見てきました。それにあわせてもちろん高校のレベルも、今のところは私が行っていたときよりは多分高くなっているんじゃないかなと思います。留学生に対しては特に厳しくて、留学生には授業料も倍ぐらい取りますし、本当に学ぶ意識がないと入れないという状況も見てきました。
しかし日本人は、高校までは私はかなりレベルは高いと思います。大学に行ってそのレベルが伸びないのは、やっぱり高校と大学のギャップが少しあるのかなというのを感じました。そして、そのギャップはやはり日本の中しか見ていない学生が多いということだと思います。海外から帰ってきましてから高校の方に行きまして、その高校でイギリスのことを参考にしながら改革をして、高校の方に留学クラス、1年間のクラスを作りまして1年間行かせるようにしたところ、まるで変わって帰ってきます。私学の大学だけじゃなくて国立の大学を目指していた子どもでさえ、1年間でも自分でお金をためてから大学に行きますという子も出てきますし、全く意識が変わって、技術をつけたいから大学に行かないで、まず就職してから考えますという子も出てきたりしているのは、いろいろな状況で、自分の自立心と何のために勉強しているかが分かって、先ほど一橋大学の先生のお話があったような状況になってきます。
そこで考えられるのが、もちろん大学を変えてもらって、ギャップタームを入れてもらって留学させたり、インターンシップを入れてもらうのはいいんですが、その前に高校時代で何かできないかということで、やはり修学旅行、現在いろいろ全国リサーチすると、国内の修学旅行、しかもディズニーランドに行くとか、テーマパークに行って、先生が話してそこでいろいろさせるという高校の修学旅行もあるんですね。それをちょっとお金を足せば、海外でホームステイをさせて、農業体験とか高齢者施設のボランティア体験もできるので、できれば高校時代に、それこそ5日間でも1週間でもいいから海外の研修を、教師も一緒にしてほしいんですけれども、してくると、まるで変わると思います。それを踏んだ上で、大学に行ったら、留学するコースとインターンシップするコースもあるけれども、できれば義務化はしたくないけれども、大学で準必修のようにしてもらって入れてもらうと、また変わるんじゃないかなというのを、私はイギリスの教師をしながらいろいろなことを考えたときに、それがありました。日本はきっとそれで変わるんじゃないかなと。
イギリスに来る留学生の様子も見てきましたが、とにかくいい大学を出てこられた方ほど、先に脱落するのも見てきました。こちらの皆さんの学校の生徒さんも、途中から留学してくる子がいましたが、そういう大学よりも私学の、ここの大学からよく来たなという人たちは、英語ができなくても全然平気でどんどん授業に行くので、友達が多ければ学ぶのには全然支障なく、半年いれば大体英語分かってきますので、すごいたくましくなって卒業していく子もいらっしゃるし、途中で残念ながら国立大学まで出たのに脱落して日本に帰って、かわいそうだなと思いながら送った子たちもいましたが、とにかく私は、やはりそういう時期を通り抜けた学生の方が、日本の将来には必要じゃないかなというのを、私の目から見ての判断です。
ただ、文科省がそれをこれからどのように入れようかというのは、皆さんの御意見を聞きながら、お金もかかることですし、難しいかもしれない。でも、どこかの時点でやらないと、子どもたちのボランティア精神も育たない、自立精神も育たない、そして何のために目的を持っていくのかということが全く定まらないで、親のパラサイトで大学を卒業してしまうという状況が続くんじゃないかなと実感しております。
いろいろな御意見をいただきながら、まとめるのはちょっと難しいかもしれませんけれども、まとめさせていただく方向にいきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
【鈴木座長】  ありがとうございます。落合委員、1分間でお願いします。
【山内委員代理(落合)】  済みません。今伺ったことと大変関係します。それから、鈴木先生がおっしゃったこととも関係するんですけれども、確かに結局は学生たちが外へ行って、それで日本に帰ってきてどういうふうに、もとのふるさとに戻ってきてどうなるかということがとても大事なわけですから、そうするとそこにいろいろなシステムを作らなきゃならないと。先ほど鈴木先生がおっしゃったので言いますと、日本の学校と、それから向こうの学校がどんなふうに、例えば単位の比較可能性があるかとか、それから、単位互換もそうですし、そういうふうなことをやるシステムとしてチューニングというのがありまして、チューニングを一橋大学はできるだけやるようにしています。例えば、ナンバリングもその1つだろうと思いますが、それだけではなくて、例えば卒業のときにどんな能力を期待するかというので、国際的にそろえていく。
あるいは、国内の中でもそうかもしれませんけれども、できれば今後チューニングジャパンであるとか、チューニングアジアであるとか、ヨーロッパ、USAとかチューニングの、それからヨーロッパにはEUがありますし、アフリカでもありますし、オーストラリアでもやっています。しかし、日本はまだまだこういうのをやっていなくて、やっぱり縦割りというか、それぞれの大学が頑張ってくださいという感じになっているので、これはもう少し大学間が連携して、いろいろな形で、このギャップタームもそうだと思うんですけれども、1、2の3でスタートして、それぞれの大学がどんなふうに頑張っていくかというのを比較して、あそこが優れているというだけではなくて、もう少し連携してやった方がよいことが多々。チューニングなんかはまさにその例ではないかと思っております。
【鈴木座長】  ありがとうございます。まだまだ御意見もおありでしょうし、いただきたいところですが、時間がもう過ぎておりますので、この辺で御発言をいただくのは終了させていただきます。ありがとうございました。
そういたしましたら、今後の進め方について事務局から説明をお願いします。
【猪股大学改革推進室長】  今回いただきました御意見を踏まえて、事務局の方で審議のまとめ案を策定いたしますので、次回4月の会議において御議論をお願いいたします。次回の開催日時は調整の上、追って御連絡を差し上げます。
また、資料の1として、前回の議事録をお配りしております。資料の冒頭に記載しておりますとおり、修正箇所などがございましたら、3月27日木曜日までに御連絡をいただきますようお願いをいたします。以上でございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。それでは、本日はこれにて終了させていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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