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学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議(第2回) 議事録

1.日時

平成25年12月2日(月曜日) 9時00分~11時00分

2.場所

文部科学省3階3F1特別会議室

3.議題

  1. 学事暦の多様化とギャップタームの推進方策について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員)坂越正樹委員、御手洗尚樹委員、齊藤斗志二委員、島村元紹委員、鈴木典比古座長、砂田薫委員、長谷山彰委員、萩原なつ子委員、秦由美子委員、濱田純一委員、藤沢久美委員、船橋力委員、宮城治男委員、山内進委員
(講演者)鈴木典比古座長、砂田薫委員

文部科学省

(文部科学省)下村文部科学大臣、上野文部科学大臣政務官、板東文部科学審議官、大槻総括審議官、布村高等教育局長、中岡高等教育局審議官、常盤高等教育局審議官、浅田高等教育企画課長、里見大学振興課長、渡辺学生・留学生課長、川又青少年課長、猪股大学改革推進室長、大川学生・留学生課課長補佐、東條大学改革推進室専門官

オブザーバー

(オブザーバー)小林洋司オブザーバー

5.議事録

【鈴木座長】  それでは、所定の時刻になりましたので、第2回学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議を開催いたします。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、下村博文文部科学大臣から御挨拶を頂戴いたします。
【下村大臣】  皆さん、おはようございます。文部科学大臣の下村博文でございます。委員各位におかれましては、第1回の会議におきまして活発な御議論を頂き、多数の貴重な御意見を頂戴しましたことを感謝申し上げたいと思います。本日も御多忙の中、また早朝から御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 グローバル化が加速する中、これからの時代に生きる若者たちには、広く世界に目を向け、自分のフィールドはもう地球全体であるという感覚を日本人の子供たちにも是非持ってもらいたいと思っております。これから日本と世界でイノベーションを起こし、日本の成長を牽引する人材育成が急務であると思います。
 また、2020年にはオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることになり、世界が日本にやってまいります。このときは東京だけでなく、日本全国においても文化芸術を含め、日本国内全てにおいて海外から訪れることができるような企画イベントも考えていきたいと思っております。
 この機に、この2020年を日本が新たな成長に向かうターゲットイヤーとして位置付けまして、去る10月の29日には、留学促進広報戦略本部を立ち上げ、留学促進キャンペーン、「トビタテ!留学JAPAN」をスタートいたしました。本キャンペーンは留学への若者自身や親の理解を促進し、海外留学という新しいチャレンジにみずから一歩踏み出す機運を醸成するため、イベントや特設サイト等を通じて留学の魅力や方法等に関する情報提供を進めてまいります。第3弾として、来週には早稲田大学で42大学が一緒になりまして、さらに大きなキャンペーン促進をしていきたいと思っております。また、本キャンペーンには経済界、教育界をはじめ、100名以上の方々からの賛同をいただいておりまして、私もみずから先頭に立って各企業に官民ファンド、企業からは寄附をお願いしたいということで歩いておりまして、文部科学省の職員もそれぞれ今、企業回りをして寄附を募っているところでございます。
 本日は、鈴木座長と砂田委員から、国際教養大学のギャップイヤー入試の取組や海外の事例について御発表いただけると聞いております。若者たちがギャップターム等を活用し、留学など様々な活動からグローバルな視点や新たな価値観を見出し、大きく成長できるよう文部科学省としても総力上げて取り組み、また併せて皆様方の御提言を受けて、各大学においても是非ギャップターム等、さらに促進していくような動きを作っていくように文部科学省も働き掛けをしていきたいと思っておりますので、是非活発な御議論をお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
【鈴木座長】  大臣、ありがとうございました。
 今回より、上野通子文部科学大臣政務官にも御出席いただいております。御挨拶、お願いいたします。
【上野大臣政務官】  おはようございます。文部科学大臣政務官の上野でございます。グローバル人材育成の分野を担当させていただいておりますことから、今回から、文部大臣の方からこちらの会議に参加するようにお声掛けいただきました。この機会を与えられた期間、皆さんと一緒に勉強していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【鈴木座長】  ありがとうございました。なお、上野大臣政務官は途中で御退席なさるということになっておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
 議事に先立ちまして、オブザーバーを御紹介いたします。参考資料1の「学事暦の多様化とギャップターム関する検討会の設置について」に基づきまして、高等学校関係の有識者として全国高等学校長協会大学入試対策委員長東京都立桜修館中等教育学校校長の小林洋司先生にオブザーバーとして御出席いただいておりますので、御紹介いたします。
【小林オブザーバー】  東京都立桜修館中等教育学校の小林と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【鈴木座長】  よろしくお願いいたします。
 最初に1点、委員の皆様にお願いがございます。本日、この会議終了後すぐに、この会議室で次の会議が予定されておりますので、終了時刻は11時厳守とさせていただきたいと思います。議事進行につきまして、皆様の御協力をお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。まず、前回の議事録と主な意見をまとめた資料につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【猪股大学改革推進室長】  大学改革推進室長の猪股でございます。お手元の資料1をごらんください。資料の冒頭に記載しておりとおり、この議事録について修正個所などがございましたら、12月6日金曜日までに御連絡くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料2でございます。資料2は前回、委員の皆様方から頂きました御意見の内、主なものを資料5にございます検討課題例の柱立てに沿った形でまとめております。本日の御議論の参考にしていただければ幸いに存じます。どうぞよろしくお願いします。
【鈴木座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、本日は国際教養大学の事例紹介ということで、私の方からまず発表をさせていただければと思います。お手元に資料の3を差し上げてございますので、これをごらんいただきたいと思います。これは、私が現在学長を務めております国際教養大学で行っておりますギャップイヤー入試につきまして、どのような取組を行っているかということで御報告申し上げるものですが、国際教養大学では2008年度からギャップイヤー入試及びギャップイヤーターム、ギャップイヤーと言っておりますが、私どもは、それを行っております。ギャップイヤー入試、これは私、なぜギャップイヤーと申し上げるかということはすぐ出てまいりますが、一応ギャップイヤーと呼ばせていただきますけれども、この入試を行っておりまして、この入試は、合格者には4月から8月末までの間、ギャップイヤー活動とすることを義務付けております。入学は9月の1日に9月入学を行うということであります。その前年の11月にギャップイヤー入試というものを行っておりまして、定員は10名でございます。その入試と申しますのは面接及び英語小論文を課すということ、もちろん高校時代の成績も見ますけれども、面接、英語小論文ということで、この面接の中で15分ほど掛けまして、ギャップイヤー活動計画というものを各受験生が発表するということも含まれております。合格した場合には必ず入学するという専願方式になっておりまして、ギャップイヤー活動を行う意欲あるいは覚悟のある者が受験をいたします。今年も、ついこの間行ったところですが、非常に元気な受験生が多々おりました。私、先ほど来ギャップイヤーという言葉を使っておりますが、ギャップタームという言葉も今この検討会議では使っておりまして、私ども学内でギャップターム、ギャップイヤーのいずれを使うべきか議論をしましたが、ギャップイヤーというのが一般的であるということで、一応これを御披露いたしますが、ギャップタームということでもよろしいかと思います。
 それから、出願から入学までの流れですが、10月に出願を受け付けるということで、11月の末、つい私どもでは先週行いましたが入試を行い、合格を発表すると。12月になりますと、担当の教員から入学までのスケジュール、それから宣誓書、これは当人と保護者からの宣誓書を求めるわけですが宣誓書、それから保険加入についての案内を郵送いたします。1月になりますと、より具体的な、あるいは現実的な活動計画書を再提出していただきまして、担当教員が助言・指導を行います。最初のこの11月の面接における計画書というのは、やはり大胆かつ夢を織り込んだものがございまして、それを現実的なものにまで落とし込むということで、1月には活動計画書を再提出してもらうということになっております。2月に入学前教育研修参加、これはほかの特別選抜合格者とともに2泊3日の合宿を行いますが、そのときの夜間に活動計画発表会、これ英語で行いますが、これを実施いたします。ここで初めてギャップイヤーの学生たちの顔合わせが行われ、担当教員あるいはギャップイヤー入学者の先輩等との面接もあって、助言をもらうということになっております。4月になりますとギャップイヤーの活動を開始するということで、例えば合格者でも浪人をしていた学生たちというのは、もう4月にならずともギャップイヤーの活動を始めておりますし、また、高校卒業前から始めるというケースもございます。6月に中間報告書を提出していただく、これは英語で提出するということになっております。9月に秋の入学式で正式に入学してくるということ。それから9月に入学した後、ギャップイヤー活動報告発表会を行い、英語でのレポート提出ということになっております。
 どのぐらいの人数がギャップイヤーで入ってくるかといいますと、定員が10名でございまして、大体毎年10名から15名くらいの学生が、このギャップイヤー、タームの入試で入学してきます。かなり人気がございまして、倍率も、この数値を見ていただきますと5倍ぐらいございます。いずれも元気な学生たちですので、それぞれの計画書を持参して、試験官の先生方の前でジェスチャーもパフォーマンスもよろしく発表するということが例年見られる光景です。
 ギャップイヤー入試の目的ですけれども、本学の理念はグローバル社会で通用するタフな人材を育成・輩出するということにございます。そのためにギャップイヤー入試でも、年齢あるいは学事暦にとらわれずに国の内外の諸問題に対し高い関心を持ち、探求する意欲のある人材を求める。あるいは失敗を糧にして困難に挑戦できる人材、あるいは人を動かせる力を持った人材を発掘する手段としてこの入試が行われているということで、早い時期に社会体験を積むということで、入学後の学習意欲あるいは職業選択意欲が高まるということが期待できるわけです。後ほど学生たちが寄せてくれましたアンケート調査のところをお読みいただきますとお分かりになると思いますが、非常にギャップイヤーのこのプロジェクトは役に立っているということが言われております。
 どのような活動を行っているかというこの活動の内容ですが、いろいろなことをやっております。種類としてはボランティア、インターンシップ、独自のテーマに基づく自由研究活動、それから語学の習得、ホームステイ、フィールド・トリップ、それから部活動の指導等々を行っておりまして、一人一人、非常に特徴のある活動を自分で探してきて行っているという特徴があります。最近の活動例を申しますと、日本の社会的弱者を救済するヒントを得るために貧困層への炊き出しを行うNPO法人で活動するとか、あるいは日本で必要なくなった古着をパキスタンへ輸出する団体でボランティアを行う、それから韓国と秋田、本学は秋田にございますので、秋田の交流を目指す観光ボランティア団体でボランティア活動をする、あるいは温泉旅館でのインターン、日本のおもてなしの研究とか、もちろんこれは海外からの宿泊客等への英語での対応ということが主な活動の内容でございます。それから沖縄の離島の民宿でのインターン、宿泊した若者の意識から日本の教育を考える、あるいは防災活動への意識を高めるために必要なことを研究する、あるいは自転車で日本を一周して社会問題となっている場所を自分の目で確かめる活動をする、それからアジア諸国を旅し、お米が使われているところを訪ねていってメニューを研究するとか、そういうユニークなことをやってきた学生もございました。
 特徴といたしましては、いろいろな種類の活動がありますが、ボランティア活動が多く見受けられるということ、それから、これは後ほど、ある意味問題点としてお話し申し上げたいと思いますが、当初の一、二か月は活動資金捻出のためのアルバイトをする必要があるという学生が多いということ。それから平均して、活動の種類としては2件ぐらいの活動を行っている。ただ1つやっているというのではなくて、ギャップイヤーの期間に2つぐらいの活動を織り込んでいるということ。それから六、七割の学生が海外での活動を含んでいるということであります。この海外での活動ということをするために、それに伴ういろいろな諸問題といいますか、気を付けなければいけないこともございますが、これについてはまた後ほど申し上げます。
 メリット・デメリットでございますけれども、大学側あるいは学生側にとりまして、双方メリット・デメリット、デメリットといいましても考えなければならない点ということですが、それがございます。メリットとしては、大学側は多様な学生の確保ができる。確かに非常に多様な学生が入学してきております。それから行動力・リーダーシップのある学生の獲得。それらが秋入学の推進力となっている。それからギャップイヤー経験者が他の学生に刺激を与える文化の形成が徐々に醸成されてきているということであります。それから大学側にとってデメリットといいますか、注意をしていく必要があるなと思われるところは、入試制度の増加による業務の負担があるということであります。それから学力面のばらつきがある。これは、中心となりますのがそのギャップイヤーの計画書、それと英語力とが判断になりますので、学力面ではばらつきも見られるということであります。それから広い地理的範囲での単独行動であるために危機管理が困難である。特に海外に行った場合の連絡とか、あるいはいろいろ問題点があったときの管理が難しい。それから助言・指導の難しさということであります。
 それから学生側から見ますと、これは学生側からのアンケート調査等でも出てくるわけですが、やりたいことができる貴重な機会だと。それから自分の弱点の克服などの入学前の準備が可能になる。実体験により視野が拡大する。失敗、達成、人との出会い等によって内面が成長するということを実感できるということなどが言われております。それから学習目標、将来の目標がはっきりと分かってくるということも言われております。デメリットとしては経済的な負担、本人あるいは親からも援助を仰ぐということもありますので、それが挙げられております。活動資金確保のためにアルバイトをすれば、実質の活動期間がさらに短縮してしまうということも言われております。親あるいは高等学校の理解が得にくいということで、何でそんなことをやるのかということも、親からちゃんと正規の入試を受けて入ったらどうだということも言われることがあるということであります。それから入学前に実施するために学籍がないということ。ですから所属する大学がないということです。したがって学割が利用できないということがございます。またギャップイヤーあるいはギャップタームの制度自体、認知度が低いということで、インターン先が見付けにくいという難点がございます。そのようなことが問題点として挙げられてございます。
 次に、ギャップイヤー入学生のアンケート抜粋というところを見ていただきたいと思うのですが、この入学してきた夏、9月以降、急ぎではありましたけれども、ギャップイヤーで入ってきた学生たちにアンケートを行いました。かなりの学生が、今年入ってきた学生のみならず、去年、おととし入った学生たちもアンケートに答えてくれましたけれども、なかなか活発な多様な経験をしているということが浮き彫りになってまいりました。アンケートでは10項目ぐらいの設問をいたしました。いつからいつまでギャップイヤーを体験したかとか、あるいはギャップイヤーをどこでどう体験したか、ギャップイヤーを体験しようとした動機は何なのか、あるいは得たものは何であったかということ、それから直面した問題点は何であったか、それからギャップイヤーのいい点を挙げてくださいとか、あるいは問題点を挙げてください、それから何でも結構ですのでコメントしていただきたいということを依頼しました。
 お読みいただくと分かりますが、動機的には、3番目の質問ですが、やりたいことができる時間をまとめて確保することができるとか、あるいは大学進学前に、なぜ、あるいは何を大学で勉強すべきなのかということがよく分からなかったというので、この機会を利用して、その答えを探すということ、それがまた自分探し、あるいは生きがいややりがいの探求につながった、あるいは自分がこういう能力があるのではないかという自問自答して、それを確認した機会になったということ、そういうものが挙げられております。それから、いろいろ夢を語っておりまして、それに沿って行動してみるということがあるのですが、夢の道筋が立ってきたとか、あるいは自分はそういう夢を持っていたが、そういうのとは違う方向も自分には適性があるのではないかということも言われている場合がございます。
 4番目の質問で、ギャップイヤー体験から得たものは何でしたかということですが、ここにたくさん書かれております、自分とは異なる考え方あるいは価値観を受け止める柔軟さ、あるいは寛容さを得た。それから語学力を含むコミュニケーション能力、行動力、行動範囲が広がったということ、それから幅広い視野、考え方の多様性、工夫、発想力、独自性、これらが自分で身に付けなければいけないということ、それから忍耐力、とにかく我慢しなきゃいけないということが何回も学生の声として挙がってきておりました。それから学習意欲が沸いてきたということです。それから他国あるいは他文化、他人への興味が沸いたし、それから逆に自分への興味、自分は何者か、日本とはどういう国なのか等々への興味あるいはその問いがさらに強くなったということ等が言われております。無知の知という、なかなか哲学的なこと、これ1年生のアンケートの回答ですが、言ってくれていて、やっぱりギャップイヤーで社会に多少触れてみると、自分がいかに無知であるかということが分かったということも言われておりました。それから周囲の温かさ、思いやり、それから自己管理の重要性、時間、お金、安全面など、それからお金の大切さ、これはなかなか率直な意見ですが、私もギャップイヤーの今年の入学生を全部面接しましたが、やはりお金というものは非常に大切だと。これを「稼ぐ」という言葉が使ってありますが、これを得ることがいかに大変で、両親が、あるいは親族が働いているということが、今まではそう考えたこともなかったけれども、こういうことだったのかということで、親への感謝とか、あるいは働くということ、お金という意味の理解が深まったということも言われておりました。ただ、出会いとか人脈とか、これも増えたということも言われておりますが、1人の寂しさと仲間の重要性とあり難みを本当に身にしみたということも、何人からもこれを聞くことができました。総じて、得たものは何かということに対しては、いろいろなことにあり難さが分かったということが聞かれた言葉でありました。
 次の質問、問題点ですけれども、保護者からの理解を得る苦労とか、あるいは資金の調達、あるいは学年がずれ込むなどという時間的な遅延、自分は気にしているわけではないけれども、一般論としてギャップイヤーの活動をしているときに、周りの人から何をこんなことをしているということも言われることがあったということです。それから学生証がない、身分が不明瞭、不安定、それに伴う精神的な不安もあると。それから体調管理、衛生管理、特に海外で、1人で生活をするということで、体調の管理は非常に重要だということが分かったということであります体調の管理もそうですし、自己管理といたしまして時間あるいは金銭あるいはモチベーションを維持するということ等が非常に重要な、自分の、セルフマネジメントという言葉を使っていましたが、そういうことですということがありました。
 いい点を挙げてくださいということで、これも非常に多く挙げられております。自分の意見を持つことができる、自分自身を見つめることができる、それからいろいろな問題を解決する、若しくはしようとする能力を、あるいは意欲を身に付けることができた。それから大学に入った後の学びの方向や意欲、その後の将来設計を考える機会が得られたということ、他人とは違う経験ができるということ、それから失敗や制約を気にせずに活動できるということ、高校生、大学生という社会的枠組みにとらわれずに自由な気分で、あるいは地位で活動できる。逆に、高校生あるいは大学生という社会的な位置付けを持つことがいかに重要であるかということも分かったということが言われております。そのほか、計画や目標を立てることの大切さ、それから人生観が広がる、自分を成長させる、自主性・自発性の育成等々、自分を見つめて、自分を深く掘り下げるということがいい点だということで挙げられた主要なものでありました。
 問題点としては経済的な負担、それから時間的な制約。これは、半年は短いということ特にその中に最初の1か月、2か月、アルバイトをして資金をためるということがありますと、ギャップイヤーそのものに食い込んできますので、それが最初に計画したとおりに計画が進むのかどうか、まして入学した後、報告書を提出して報告をしなければいけないということで、アルバイトをしながらもそのことが非常に気になっていたということまでも言われておりました。社会的支援体制がないということ、それから自分自身がギャップイヤーを経験したときは人生経験を積むという説明を受けましたけれども、最近では東大が行っているから、国際的に行わなければいけないからなど必要性をめぐる議論が迷走しているような気がしますという、かなり辛口のコメントも挙げられておりました。これらが入ってきたばかりの1年生ということを考えますと、私は意識が非常に高いものがあると判断しております。それから活動中に当初の目的を忘れてしまう人が多いのではないか。すなわち大学に入るための、あるいは大学生活をするに至るまでのあるプロセスとしてこれをやっていくということを忘れてしまう可能性もあるということも問題点として挙げられております。それから休学して自主的に活動する場合と比べて、行動範囲、活動の内容が大学側に拘束されたものになるのではないかということなどもある可能性として挙げられております。
 最後にギャップイヤー制度について、何でも結構ですのでコメントしてくださいとありますところに、これも非常に多くのコメントが寄せられております。ギャップイヤー制度用の奨学金が欲しい。これはアルバイト等である意味掛かる費用を捻出しなければいけないということ、これもかなり頭の痛いことらしくて、奨学金が欲しい、制度が欲しということを言ってございます。それからギャップイヤーは、これは普及してほしいし経験したい人が自由に選択できるような状況になればよろしいと思っている。制度を広めると同時にギャップイヤーのような主流でない価値観を許容できるような多様性を認めることができる日本を作っていくことが必要だと思う。ギャップイヤーは自分の人生を変えたと思うということ。それから日本の学生は個性を出さないようにし過ぎではないか。ギャップイヤーはそれを打破する良い方法である。それから入学後もこのような時間が欲しい等々、もっとコメントがありましたが、これは絞り込んで持ってきたコメントであります。
 一応、私どもの方でギャップイヤーを6年ほど、今年に入って7年目になりますが、行っておりますけれども、総じて、やはりこの効果というものは、一人一人の学生にとって非常に大きなもの、しかもいい方向に効果があるということを確認しております。ただ、学生が言っておりますように、お金の面、それから海外に出ていく場合が多いものですから危機管理の面等々、やはり注意をして、この制度自体を充実させるものにしていくためには幾つか考えなければいけない、学生たち以外の我々が考えなければいけない点があると思っている次第です。なお、この点を充実させていくというのは本学でも基本的な方針として確認しておりますので、ギャップイヤーが日本の中で進めばよろしいなと思っているところです。
 長くなりましたが、私の方から以上、説明を、紹介をさせていただきました。
 続きまして、砂田委員から諸外国におけるギャップイヤーの状況について紹介をお願いいたします。砂田委員、よろしくお願いいたします。
【砂田委員】  ありがとうございました。
 私が長く話すと議論が短くなりますので、10分をめどに、20枚のスライドをお示ししたいと思います。資料4をご用意願います。私どもでは今、サイトの中に「海外ギャップイヤー事情」という記事を90本書いております。それから私自身はネットメディアでありますブロゴスの方に15本ほどギャップイヤー関連のニュースだとか考察を加えておりますので、合計100本ほどあるので、また御参照していただくとあり難いと思います。
 実はこの資料4の表紙にエッセンスを書いております。今からお示しするのはファクトベースで、世界で何が起こっているかという事例を紹介しているわけですが、これを結局見ていくと、「グローバル人材」の文脈と、もう一つ「社会的課題解決型人材」をギャップイヤーは作り出すというところではないかなということが結論として申し上げたいことでございます。
 それでは早速でございますが、まず簡単に定義をおさらいしたいと思います。これは04年にロンドン大学の方に当時の教育技能省、今、スキルというのが抜けましたから、英国は教育省になっていると思いますが、当時の教育技能省の受託研究としてギャップイヤーは一体、英国にどんな影響をもたらすかということで調査が掛けられました。その中で、概念図がAndrew Jones教授より示されております。これを、エッセンスを拾い上げると、定義というのは、「親元や教員から離れた非日常下でのインターン・ボランティア・国内外留学、課外の国内外留学」となります。つまり大学間協定がある交換留学とかじゃなくって課外の留学、あと旅です。旅も1つの留学だと考えるといいかと思うのですが、そういう位置づけである。期間については3か月から24か月というイメージを皆さん持っているということです。ちなみに後でお話ししますが、アメリカのギャップイヤー協会というのは去年設立されましたが、彼らの期間の定義は2か月から24か月です。
 それから、これが非常に一般的であろうというのは、左の下に英国「イヤー・アウト・グループ」のギャップイヤー支援例というのが書いてあると思うのですが、これは英国のギャップイヤーの協会です。名前がちょっとややこしいのですが、協会で35社ほど加盟していますが、そこに支援例としてスキルの習得であるとか課外留学だとか探険であるとかボランティアだとかインターンと書いてありますので、実情もこの定義にかなり近いものになっているということが挙げられると思います。
 次のページ、ギャップイヤーというときに、いったい何を指しているかというのが非常に混同しやすいということで、私の方で4階層に分けております。中央を見ていただけたら三角形の形になっていますが、広く一番下の層が存在します。自分探しの旅であるとか、放浪であるとか、ヒッチハイクだとか、一旦、通常のものをオフにして、何らか違う世界へ飛び立つ準備期間というようなところです。次に3層目、これは日本でよく休学をとって海外に行く若者が今増えているわけですが、そういう自主的・計画的に行う研修や社会修行みたいな意味合いがある。その上にあるのが第2層、参加者が立案して、大学や公共団体等に提示。これは先ほど鈴木座長がお話しいただいた国際教養大学の例というのはまさにこれだと思いますし、それから前回、濱田総長の方から説明いただいたFLYプログラムもそうです。第1層の大学や公共機関で運営のプログラムとしてやっているもの、これはどんなものがあるかというと、例えばプリンストン大学のケースです。これは5つの国で、途上国で社会体験を行っていくというプログラムでありますし、Teach For Americaなどもそうですし、アメリカのPeace Corpsなどもそれに該当するのではないのかなと。つまり上の階層に行くほど戦略的になっていく。下の方に行くほど牧歌的といいますか、タイのビーチで寝転がってビール飲むとか、そういうものも含めて、この4階層になると考察いたしております。私ども高等教育の分野で議論をすべきは、この赤の破線の部分だと思います。第3階層まで、どのようにそれを捉えて、どのようにそれを育てていくかということだと考えております。
 次に、オーストラリアの事例に移ります。2010年にシドニー大学のアンドレ・マーティン教授が250人の調査を行っております。ギャップイヤー経験の大学生というのは、経験していない大学生に比べて就学後のモチベーションが高い。企画力や忍耐力、適応能力、そして、これはビジネスの方でも非常に大事だと思いますが、タイムマネジメント、それがいずれも高いということが統計的に立証されています。このインパクトは非常に大きくて、ハーバード大学やプリンストン大学もギャップイヤーというのは非常に推奨等をやっているわけですが、これで、人材育成の観点から、一気に加速の勢いが今、出てきたと考えております。
 次のページ、オーストラリアの事例の2ですが、同じマーティン教授が、今年になって今度はもっと事例を増やして904人の高校卒業生の学業成績と、そのあたりの成績を調べております。マーティン教授の考察が赤の部分です。建設的なギャップイヤーは学生のスキル獲得と好成績に資する。修学意欲をそがないし、ギャップイヤーの効果としては意思決定が明確になる、自己開発・自己統制のスキルを開発できるコンピテンシーが拡大する、自己秩序を保持できる、自信の醸成につながる。先ほどの鈴木座長のお話とかなり符合するものがあると考えております。
 続いて事例の3ですが、オーストラリアの国立教育機関調査ですが、国立職業教育研究センターの調査では、高校卒業以上大学入学前のギャップイヤー生はほとんど大学に入学して、非経験学生より修学に関心を持つ。非常に親を喜ばせるというか安心させる材料の調査結果が出ております。それから2000年に比べて2010年は、当時10%ぐらいの若者がギャップイヤーに出ていたのですが、今2割になっているということも分かります。ギャップイヤーの中身ですが、そこにあるように、インターンシップとかアルバイトが4割、社会体験関連、課外の留学だとか研究とか何らかの訓練をする、これが33%、旅が主というのがわずか3%。つまり若者が非常に堅実で、費用が掛からなことをマネージしながらこのギャップイヤーを過ごしているということが分かると思います。
 次にアメリカに飛びます。アメリカの大学のギャップイヤー制度ですが、ノースカロライナ大学チャペルヒルでは、これも名門大学だと思いますが、国際的な「グローバル・ギャップイヤー・プログラム」というのがありまして、これは約1億5,000万円の寄附によって運営されている。毎年7人とか10人に最大約70万円の補助を出す。これもプレゼンをして、獲得した学生がやれる。東大のFLYプログラムと非常に似たようなことをやっているということです。ニューヨーク大学では、新入生は全員入学延期ができる。つまりギャップイヤーが取得できる機会が与えられております。プリンストン大学は先ほど申したように、プログラムとして第1階層の部分をやっている。ハーバード大学は、大学生のギャップイヤー支援団体もできました。それからハーバード大学は入学の通知書の中にイヤーアウト、ギャップイヤーを勧める文言も今も入っております。それからニューヨークの都心型大学のラング・カレッジでは、これも前回、御説明したと思いますが、国際教養大学も半年ギャップイヤーをやったから、半年の学業を免除されるわけじゃないですね。ところがこのラング・カレッジは、1年間指定のギャップイヤー・プログラムを履修した人は、いきなり翌年に2年になる。つまり1年の普通の授業とギャップイヤー1年がイコールだと認めているわけです。これは非常に興味深い。ミドルベリーカレッジにおいてはGPA、成績評価点がギャップイヤーをとった学生は高いということまで明らかにしております。
 アメリカの事例の2でございますが、充実した奨学金、これは時間がないので割愛させていただきます。
 次のアメリカの事例の3でございますが、City Yearという教員補助、メンターとかチューターですが、8人とか10人のチームで小中高に行って、問題ある学校で何らか社会貢献をしていくというプログラムがあります。これは1年間に2,700人の若者が参加しております。この競争率は何と5倍です。
 アメリカの事例の4ですが、ギャップイヤー協会というのが昨年生まれました。ここはギャップイヤー・プログラムの評価認証をやっておる。安全性など54ページにわたる基準を設けておりまして、これはここのサイトへ飛んでいただきますと、詳細な基準が書いてあります。もちろん基準を設けるというのは安全性とクオリティー、それとインテグリティー、誠実な規範にのっとったプログラムかどうか、この3つの観点によって基準が作られております。おもしろいのは、米国の司法省の認可になっていると。レコグナイズをどういうふうに訳すかということによりますが、あと連邦取引委員会、ここもレコグナイズされたと書いてあります。連邦取引協会というのはFederal Trade Committeeですから消費者保護の立場からの団体だと思いますが、そういうところと今コンタクトをとっているというところです。今22の団体がこの認証を受けようとして、2つの団体が既に承認をされているということも情報として入っております。
 次に、イギリスの事例でございます。イギリスも、評価のところですが、British Standard BS 8848というのが2007年に成立しまして、現在、改訂版の作業に入っている。2ページ目に書いて、サイトがありますが、何とこれは王立の地理協会が担当をしております。この王立の地理協会というのが研究や情報の共有、フィールドワークを支援している公的な団体だと思うのですが、そういうところがギャップイヤー認証について関わっているということが分かります。
 次のイギリスの事例の3でございますが、先ほどお話ししたNPOのギャップイヤー支援機関、イヤー・アウト・グループのサイトでございます。2ページ目に見ると、大学の入試担当官や企業も、計画性のあるギャップイヤーというのを非常に好意的に見ているということが分かります。
 イギリスの事例の5でございますが、これは是非、経団連や東証さんに導入を御検討いただきたいものでもあります。ギャップイヤー生が、この場合のギャップイヤー生というのは大学に入るまでの人たちですが、大学に入ってからじゃなくて高校を卒業してから大学に行くまでの期間に、産業界での1年間のインターンシッププログラム、これがあります。これ、最新のウィキペディアによりますと750人もの学生が、ギャップイヤー生が英国トップ300に入れるような企業でインターンシップを受けられる。その後、成果が表彰される。どんな成果をしたかというような発表もやっておりまして、非常にいい。一番下に書いてあるように、97%の学生がこのプログラムに参加すると、就業力が向上して履歴書もアピールできると感じているということが書いてございます。
 次に、イギリスの事例では最後ですが、「ギャップイヤー社会起業」です。こういうものが昨年出てきました。Year Hereというところですが、国内に、英国は日本と同じようにいろいろな社会的な課題があるわけですが、それにチャレンジしてもらうプログラムとして作っております。このサイトを見ると、これによってイノベーターを作るし、アジテーターを作るし、実践者も作っていきたいと書いてありまして、実は今年の4月の予算で京都府が、山田知事が非常にギャップイヤーに関心を持たれていて、京都版のギャップイヤー制度というのが私も関わりできました。1,000万の予算をとって。京都も京都駅から40キロ圏内に、もう既に限界集落が生まれています。そういうところで、京都にいる大学生に、社会的な課題を現地のNPOや経済団体と一緒にプログラムとして関わってもらうという活動が始まりました。
 中国の事例、これはちょっと割愛をさせていただきます。中国でも実は「間隔年」という名前がギャップイヤーであるのですが、小説も『ギャップイヤー』というものがあって、それがベストセラーになっております。
 最後に韓国ですが、韓国にもギャップイヤー社会起業が生まれました。大統領府付きのアドバイザー達が中心になって社会起業を設立しました。韓国には社会起業法というのがあって、いろいろな税制の優遇などがあるので作っていますが、韓国の大学でギャップイヤー制度はまだない。しかし、彼らも日本の東大であるとか国際教養大学の実践例を参考にしたいので、日本に実は勉強しに来たい、大学の先生を連れてきたい、スタディーツアーを興したいという話もあります。
 最後に、韓国の事例の最後ですが、サムスンは企業として「ギャップイヤー制度」をもう20年以上やっております。「地域専門家制度」というもので、とにかく1年間仕事をせずに、その文化に溶け込んで、インドだったらインドで、インドの言葉を覚えて、生活をして、人脈を作れと。そういう中から実は競合他社にないヒット商品も生まれてきました。ここにある「鍵付きの冷蔵庫」です。これはレストランや家庭で食材などを横流ししますので、それを防止したいというニーズに応えたものです。これなんかやっぱり生活しないと出てこないものでありますし、いきなり大音響のテレビも開発しました。当然、開発途上国というのは非常に建材を運ぶトラックが行き来して、みんなでテレビを見ていて、いいところになるとトラックの騒音がする。そういうタイミングでいきなり大音響のモードを作っておくと、そのままドラマが楽しめる、ニュースが楽しめる。これもやはり住んで、そこの土地で何らか実体験をやらないと生まれてこない商品化です。こういう仕組みがあるということで、実はトヨタも今年からこういう制度を始めているわけですが、企業としてもこういうことをやっているところがあるという御紹介をさせていただきました。
 以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございました。
 それでは先ほど私が行いました発表と、それから今、砂田委員の御発表を踏まえまして、意見交換に移りたいと思います。資料5をごらんいただきたいと思いますが、検討課題例の最初に掲げております学事暦とギャップタームの意義・理念を中心に御議論いただければと思います。委員全員の御発言を頂きたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ただ、時間の関係上、発言のお時間はお一人4分を目安としてお願いしたいと思いますので、どなたからでもよろしくお願いいたします。
【齊藤委員】  よろしいですか。
【鈴木座長】  どうぞ。
【齊藤委員】  齊藤といいます。時間が短いので、短くやりたいと思いますが、このギャップタームという言葉、定義がまだ明確になっていないなということを改めて感じました。ですからこの定義を整理してもらいたいなと。いわゆる大学入学後のギャップタームと入学前の、私はチャレンジタームといった方がいいと思うのですが、そういうような整理を何かしっかりしてもらいたい。
 それから、座長はじめ皆さんからいろいろいい話を聞きましたが、最初の定員が10名、それから今世界的に10%、20%、ごく限定的で少ないなという感じでございまして、私は高校生全部対象にチャレンジターム、全学生にチャンスを与えるべきだ。なぜかというと今の子供は社会経験が少ないのです。だから他流試合をしてこい、他人の飯を食ってこい、こういう機会ということを主に考えていきたいと思っております。したがいまして高校を3年と3か月と申し上げました。前回、その3か月分というのは、これを活用してもらいたい。受け皿がなかなか困るという話も聞いていますが、各種、専修・専門学校、職業訓練校、職業能力開発校、中小大学校、警察大学、消防大学、防衛大学、様々な教育機関が外部教育機関を利用して、そこに大学前の高校生に全員行ってもらう。希望者を選んで行ってもらう。そして、そこではバウチャー制度を採用して経済負担を掛けないような格好で、新しい、成人になる前の自分作りをしっかりやってもらう。
 それからギャップターム、今言われているギャップターム、これについては大学が責任を持って様々なプログラムができるわけですよね。世界とつながっています。その方がよっぽど効率がいいと思っていますので、そういうことを御提案したいと思います。特に、今の制度では3月に高校を卒業して9月に秋入学となります。秋入学は大賛成ですが、間が開き過ぎてしまいます。その中にいろいろ組み込もうとしてもばらばら感が出て、外国から見て、これから外国からも人を呼ばなきゃならないときに、一定感がないとできないと私は思っていますので、その長さがネックになる。ですから間が開くということで、何かルーズ感が出てしまうのではないかということの中で、メリハリのある、私のようなそういう判断、考え方、是非採用していただきたい。
【鈴木座長】  ありがとうございます。ギャップターム、ギャップイヤーの定義について、ちょっと検討をした方がよろしいというお話と、それから3年3か月という、バウチャー制度等も含めて、そういう御意見を賜りました。
 濱田委員、お願いします。
【濱田委員】  ありがとうございます。濱田でございます。
 今の齊藤委員のお話にもありましたように、私も秋入学というものを議論しようといったときには、やはり高校を卒業した若い人たち全員に是非やらせたいという思いがございました。
 それと同時に、きょうは鈴木先生からお話がございました国際教養大学のギャップイヤー入試の仕組みですが、本当に私も勉強になりました。今まで秋入学問題をめぐって抽象的に議論をしてきたことが、これはかなり実証的に既に6年間、御経験がございますので、そういう裏付けを持って、実際そうなのかということが改めてよく分かりました。
 いろいろお伺いしたいことがあるのですが、1点だけ。大体10名から15名程度の規模の方でやっていらして、私たちのFLYプログラム、大体30名ぐらいかなということを想定しながら、現在11人ぐらい出ていますが、そのときに、やはり1つどうなのかなと思ったのは、担当教員の助言・指導ですね。今かなり密に、11人ですから密にやっております。これ親御さんや本人たちのもちろん心配もありますし、やはり何か事故が起こると困りますし、有効に利用してもらいたいという思いで助言・指導をしていますが、私自身の思いからしますと、もうちょっと放っておきたいなという気もします。片方で、やはり丁寧に見ておかないとまだまだ心配でしょうがない。ということで私たちも担当教員、FLYプログラム、2人ついて、かなり密な連絡をしています。これが、先ほど申し上げましたように、じゃあ高校を卒業した全員がこのギャップイヤーを使うということになると、担当教員がとても間に合わないということになりますね。これは現実的にはもう動かないということになります。そのときに動かないと考えるのか、そこの突破口は、恐らくそういう若い人たちを社会が育てる。もちろん教員が責任をある程度持たなきゃいけないのですが、同時に社会も責任を持ってそういう人たちを育てる仕組みがやはり根付いていくということが僕は大事だと思います。
 今回、国際教養大学でやっていらっしゃる試み、あるいは私たちがやり始めた試み、やはりそこでシステムが止まるのではなくて、社会が若い人たちをみんなで育てる、責任も持つ、そういうところに進んでいく第一歩だと思っています。そのあたりが、これからの1つの、この問題が展開していくときのきっかけになるのかなと思いながら伺わしていただきました。ちょっと感想のようなことでございますが、ありがとうございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。本学の例を説明申し上げましたが、今、濱田先生から頂いたように、どのくらいのところまで大学が関与すべきか。それは別の観点からしますと、大学の責任はどのぐらいなのかというところですね。ですから学生に自由を与えるということと、それから大学がいざという場合も含めてどのくらいまで責任と覚悟を持ってやるかということであります。
 本学の場合には国際センターという海外に留学をさせるときに、あるいは海外からの留学生を受け入れるために作っているセンターがございますが、これを経由して担当の教員に、このようないろいろ事前のサービスを提供するということになっておりますけれども、濱田委員がおっしゃるように、これがもう一歩、国際センター止まりではなくて、国際センターを通じてもよろしいのですが、この受け入れる側、これが海外である場合にどうするかということがありますが、今のところ学生たちが一人一人自分でやっているものですから、これも非常に難しい面もありますが、そういうところに緩やかなネットワークを作って、どういうふうにやっていけるか。これはまだ本学の場合でも確固としたネットワーク、システムができていないものですから、私はそういうところへの気配りというものも非常に重要だというふうに。だから自由にさせながらも柔らかい大枠を持って見守っているというのを社会の中に作っていきたい。これは海外に向かってもそうだということを実感しております。
 どうぞ、お願いいたします。藤沢委員。
【藤沢委員】  ありがとうございます。本当にすばらしいお話を伺いましてありがとうございました。質問をさせていただいてもよろしいですか。
【鈴木座長】  はい、どうぞ。
【藤沢委員】  3つ質問させていただきたいと思いますが、1つ目は鈴木先生に、10人ということでしたので、なぜ10人なのか、その制約若しくは壁があるのであれば、なぜ10人かということを教えていただきたい。
 そして2つ目の質問は、ギャップイヤーを実施する場合に、一体誰が何をすべきかという観点の質問ですが、砂田先生、鈴木先生のお話を伺っていると、ギャップイヤーというのは非常に効果がある、メリットがある。そして中には学生時代でもできるのではないか、ギャップイヤーじゃなくてもできるのではないかという意見もありましたが、やはりトータルで考えると、入学前にやることによって大学で学ぶためのマインドセットというのができるということであれば、やはりギャップイヤー期間中というのが単なる長い春休みにならないように何をしなきゃいけないかということを考えなくてはいけません。そういう意味では実施しない理由はないのかなと。ある意味、人間形成の上での定性的なメリットは十分あるけれども、課題があるとするならば、このギャップイヤーを実施する上でのインフラの問題が未整備であると聞こえて来ました。主にお話を伺っている中で、未整備の部分というのは5つあるのかなと。1つは資金面、2つ目は安全面、これは体の健康、そして精神の健康、そして治安という部分の安全、そして3つ目は理解ということで社会からの理解、親からの理解、そして学内からの理解というもの、そして4つ目がやはり身分、学籍がないということで学生にとっての身分の部分、そして5つ目がプログラム、インターン先であるとかそういったプログラムというふうに、私はきょうのお話を伺って5つの未整備部分というのを感じたのですが、ではこれを大学・民間・国、どこがどういうふうにやるべきなのかということを少しアイデアがあれば教えていただきたい。資金については、やはり最低限のところは国がJASSOやそういったもので支援していくということがあるのだろうと。安全の面の部分というのはどうしたらいいのか。また、理解は大きく社会的なものですが、例えば身分の部分であれば、例えばギャプイヤー中の学生については国が学生として仮の身分保障をするというような制度というのがあってもいいのかなと思いました。ですから、こういった5つの未整備部分というのを誰がやると一番良いのかというのをもし先生の中で、砂田先生、鈴木先生の中であれば教えていただきたいと。
 そして3つ目の質問ですけれども、これは砂田先生の方からギャップイヤー協会のお話であるとか、ギャップイヤーを認定するという協会があるというお話を伺って、これは非常に重要なものだと思います。じゃあこういったプログラムを、これぞギャップイヤーとして認定しましょうというようなものは国が主導で作るべきなのか、若しくは国が主導、文部科学省が主導した方がいいのか。例えば内閣府にこういうものが生まれてきて、省庁横断的にやった方がいいのか、それとももっと官民が協働しながら、非常に独立的に自然発生的に生まれてくるものなのか、この辺のまさにギャップイヤーの中身の部分をしっかりとマネジメントしていく組織というのはどこが海外はやっているのか。また、日本でやる場合はどういうものが理想なのかを教えていただけたらと思います。
 以上、3点です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。じゃあ私の方から。
【砂田委員】  そうですね。
【藤沢委員】  すみません、たくさん。申し訳ありません。
【鈴木座長】  お答えができるかどうか不安な面もありますが、まず10人という人数自体、先ほど齊藤委員の方からも少な過ぎるのではないかということがありました。私も認識としては、10人というのはいかにも少ないとは思います。これも広げていきたい面がありますが、ただ、例えば本学の状況を申し上げますと、1学年の定員が175人でありまして、そのほかにもいろいろな試験のカテゴリーがあります。それでギャップイヤーでの試験の定員というのは大体この辺が、ほかの試験のカテゴリーとの関係で、まあこのぐらいだというのが落ち着きどころとして10人というのがございます。
 しかしながら、先ほど来のお話で少ないのではないかとのご意見をいただきましたが、これも私も思っておりまして、1つには、2つ目の質問とも関連しますが、何も入る前にやるということよりも入ってからでもやると。ギャップイヤーの実質的な意味を実施するという観点からすると、入ってからでもよろしいのではないかということもありますので、学生たちも入ってからやれる制度を作ってもらいたいということが出てきております。ですから10人というのは少ないなという印象は私も持っております。
 それからもう一つ、この5つの問題点というのを挙げていただきました。これは私、全くそのとおりで、お金をどうするのかということ、それから安全面、それから理解が得られない、それから身分、それからプログラムを探すということです。私は国と大学が協力し合ってやっていくべきだ、まして大掛かりに国全体としてやるということならば、国でやらなければならない面と大学でやれるところがあると思います。奨学金的なものを充実させていっていただければ学生たち、お金を稼ぎながら、もう期間がないという思いもなくやれると思いますし、安全面も、これは海外の場合に、特に危機管理のシミュレーションなども大学ではやっておりますけれども、これなども全体で考える必要があるのではないか。それから身分に関しては、学生たちからも非常にクレームに近いものがありまして、本学では学生の身分を与えるということにいたしました。4月からですね。ですから学籍を持っていろいろなところに当たれるということにはなっております。
 砂田委員の方でいかがでしょうか。
【砂田委員】  広範な御質問を頂戴したので、エッセンスだけお話ししたいと思いますが、さっきの私の4階層がございましたよね。例えば第1階層、第2階層については当然、大学がこれだけ深く関与しているわけですから責任あると思います。ですからFLYプログラムというのは、やはり東大生なんです。特別休学をしている、だけど東大生なんですね。たまたま入学していきなり休学して、いろいろな社会体験、就業体験をやっているわけで、やっぱり大学の責任になると思います。ただし、第3層になると、自主的に僕はやりたい、私もやりたいとなる。大学で何やるか分からないという学生の声がいっぱいあります。だからそれでギャップイヤーをとって、半年なり1年を取りたいという人にギャップイヤー制度か入学延期制度を活用してもらうのであれば、もう完全に自己責任ですよね。だってこれ、物を買うのと同じです。商品やサービスを自主的に主体的に購入するのと、例えば、NPO等がやっているギャップイヤー・プログラムに参加するというのは、これ商品を買うという行動ですから、当然、購入者にある程度買った責任もあるわけで、だからあとはそういう中で、どういうふうなことができるかということに尽きるのではないかなと思います。そういう危険をマネージするということ自体、非常に生きていく上で必要なんじゃないか。これからはどうしても、私が育ってきたような一本道のキャリアじゃなくて、非常に非連続な時代というのは予見されますから、そういう予行演習を若い内にやっていく。小さな失敗をやるということも実は後の人生に非常に重要なことであって、やはりそういう目で見ていくのがいいのではないか。
 それから組織ですね。下村大臣がアメリカに外遊に行かれたときに秋入学の促進のために、例えば入試を変えないのであれば半年間のギャップイヤーが生まれる、そのときに奨学金を提供してプロモーションをしたいと言われたのですが、そうなってくると税金に掛かってくると思います。当然、その透明性ですね。先ほどいろいろな協会があると言いましたけれども、ですからそれは、実はそのヒントというのが、濱田総長が東大の秋入学に係る中間報告の中でおっしゃっているとおり、やはり産官学民の各セクターが協働する団体が必要なのではないか。プログラムを作る、評価するという観点からも、そういうものを挙げられているので、それが1つの参考になるのかなと思います。
 以上です。
【鈴木座長】  どうぞ、秦委員。
【秦委員】  すみません、藤沢委員のお答え、少しお答えできるかと思って発言させていただきます。
 今、国だとか全体だとかいう形で統括という意見も出てきましたが、国際教養大学、すばらしい例だと思いますが、国際教養大学や東京大学の正解が必ずしも広島大学の正解になるとは限らない。ほかの大学の正解にならないというところが難しいところ、これがギャップイヤーの難しいところだと思います。しかし、実際、大学で実施する場合にビジョンが必要になってくると思います。大学でする場合には、ある研究科の学生が、あるいは学部学科生がどうなってほしいかという大学のビジョンを示すことが必要で、そのためのプログラムならば社会や企業も違和感を感じないであろうし、また、プログラムとして設定されるならば、その後の学生の評価や事後教育なども一貫性のあるものができるというメリットがある。また、大学が認めるわけだから、ギャップイヤーの費用は大学が負担する必要もない。でも、そこのところはちょっと問題ではあるのですが、学生に持たせる。ただ、そういうふうな形でこうあってほしいというプログラムさえできれば、それは実施が可能なのではないかと思っています。
 ただ、一方で評価や追跡調査、それから質の保証や審査、そしてフォローアップやその体制も必要になってくるということが問題になると思います。先ほど委員がおっしゃられました危機管理ですよね。危機管理面が一番問題になってくると思うのですが、現在、国際インターンをやっている大学がありますが、それは24時間体制で専任の教員が対応する。副学長、センター長、専任教員というのは24時間体制、そしてプライベートな時間もなく、ストレスフルな毎日で非常に大変な状況だと。これを大学が対応していけるか、それだけの覚悟があるか。それの対応策として、また、保険会社と一括契約をしているというところもあります。ですから、ただ契約件数がある程度まとまらないと、それも五、六十件まとまらないと保険会社も受け持ってもらえない。そういうふうなところは中規模、小規模の大学はもう不可能になってくるので、そこに政府からの予算なり何なりが入れば、もう少し広がっていくのではないかと思っています。
 また、個人がインターンなりギャップイヤーをする場合には、財団・社団支援機関などが主体になってくると思いますが、社会の評価を得るというのは非常に難しい。結局どんな学生が生まれてくるのかというのはマスで議論ができないわけですよね。ですので、この学生は優秀だ、この学生はもう少しというのはケース・バイ・ケースになってしまいますが、しかしギャップイヤーが求めるのは、本来はこの姿じゃないのではないかと思っているわけです。つまり大学が学生の能力を1から10まで高められるとすれば、その10から100まで引き上げる可能性を持っているのがギャップイヤーではないかと思っています。ですので、それを認められるような本人の自発性、自立性、非日常性というのを認められるような寛容な社会を作っていくためにもギャップイヤーというものが推進されればいいなと感じています。すみません。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 どうぞ。お願いします。船橋委員。
【船橋委員】  船橋です。意見と質問を1つ。今、「トビタテ!留学JAPAN」ということで、留学生を倍増するという計画が文科省主導で始まっていますが、大学生や企業の若い社員に、最近よく話を聞く機会があります。海外留学となると、余り自分ごととして捉えていない。海外に行くということ自体がちょっと自分には遠い、あるいは勉強しにいくというのが遠い、あるいは体育会で部活をしている人なんか時間がないという中で、私はギャップイヤーというものができれば、1回何か考える。その選択肢の1個として留学というぐらいの方が、ここにすごくインパクトが起きるのではないかなと思って、これ国としても大学としても企業としても海外留学生を増やしたいというのがある中で、こういう1個受け皿があると進むのではないかと思います。
 もう一つ、前回もお話ししましたが、行くタイミングに関しては、まさに大学に入る前のタイミングが1つ、それから就活の前が1つ、企業の中でも、サバティカルのような形でこれから増えていくのではないかと思いますが、私は何度も行くというのがとても学びにおいては大事かなと思います。とりわけ大学に入る前は、やっぱり今、いろいろな大学が一生懸命大学改革をしていて、大学のグローバル化を進めている。それにもかかわらず、入る前の、入る学生側が、そこにマインドセットされていない、あるいは必要な語学力だったり教養だったりが足りないということだと、大学が努力してもそれは報われないということにもなる中で、大学に入る前のタイミングというのは非常に大事かなと思っています。
 そういう意味で幾つかの高校が、大学に入る推薦が決まった子に卒業旅行的な観点で二、三か月過ごせということを始めていると聞いています。こういうものからまず取り掛かるということが1つ。ギャップタームでも、ギャップイヤーでもないのですが、そういうところでトライアルという意味ではうまく連動してやるのがいいかなと思います。
 もう一つ、行く期間はどのぐらいがいいのかという話の中で、企業の人材開発の中で海外に社員を送るときには、やっぱりミニマム3か月ということがよく言われます。3か月で初めて慣れて、何かを習得する期間になるということでミニマム3か月。ただ、大学の方々と話していても、例えば1か月でもほかの大学の授業との連動があれば、決してそれに3か月が絶対ではないと。私もそう思います。大学に入る前の推薦の高校生が、例えば1月から3月に行くときに、こういうことはできないのかなと1つのアイデアですが、推薦が決まっている子は、もう1月ぐらいから、履修登録ではないのですが、履修のことを考え始める機会と、こういうギャップターム卒業旅行のようなものをセットにするようなところから始められるとおもしろいのではないでしょうか。一気に制度を変えるといろいろ大変な中で、何かロールモデルを先に作り始めることが大事かなと思っているときに、推薦が決まっている子だけにやるというのは非常に不平等な点もあると思いますが、やっぱりロールモデルを作るとか事例を作るという意味では、こういうところから取り掛かるのが一番いいのかなというのが意見です。
 1つ質問は、これは砂田さんになるのかもしれません。海外で、オーストラリア、アメリカ、イギリスなどで広まっていったきっかけ、何が突破口だったのか。Key factor for successのような。私は、こういうロールモデルなのではないかと思っています。何が広まり始めたきっかけなのかなという、何かヒントがあれば教えていただけますか。
 以上です。
【砂田委員】  よろしいでしょうか。
【鈴木座長】  はい、どうぞ。
【砂田委員】  それは、世界的に移動運賃が相対的に廉価になってきた環境以外には、象徴的に申し上げると、I don't know what to do(何をしていいかわからない)現象なのです。つまりツイッターで今このときも、もう本当に山のように世界から今の言葉が出てきます。一体何をしたいのか分からない。だから、ところてんのように小中高と12年間やってきて、そのまま大学も行くのですが、一体これでいいのだろうかと。もう大学の先は多分社会ですよね。だから大学は最後に考える非常に重要な時点であるにもかかわらず、何かところてんのように自分の行ける大学とかそういうことで決める。そこで少し踏ん張って、高等教育を選ぶときに何か考えたいという声が非常に多い。それが1つの契機だと思いますね。世界で高等教育を受ける学生が促成栽培される中、準備不足の生徒も多く、その感情が蔓延してきたということだと思います。
【山内委員】  よろしいでしょうか。
【鈴木座長】  山内委員、どうぞ。
【山内委員】  今のお話はおもしろい話だと思いますが、制度的な問題で言いますと、やはり大学入学前と大学に入ってからの違いということについてのお話がありましたが、そのとおりだと思います。私どもの大学でもそういうことを考えているときには、基本的に入れてしまってから我々の大学でプログラムを組んで、その上でそういうことをやっていった方がいいと考えているのですが、それはさておき、その前に今のように自分の将来も考えたいという学生もいるというのも全くそのとおりだと思いますので、両方可能なスタイルにしていくというのも良いかなと思います。
 先ほどの話でいきますと、入る前の人の場合、例えば入学試験がもう終わっていれば、もう入るということがはっきりしているとすれば、入れない理由は余りないような気が僕はしています。大学に入れてしまってもいいのではないかと思いますが、もし入れない方がいいという判断があるのであれば、やはり制度的に何とか大学入学予定者とか、何かそういうシステムを作って、この人は予定者であるから学生と同じようにみなして扱って学割がきくとか、身分保証もこういう形でできるとか、そういうものにしないと、入試をやって入る前にいろいろやってみたいという人を保証するのは難しいと思うので、そういうような形を作るのが良いのではと思います。それはまたお金の問題等も絡んできますけれども。オーストラリアの例だと、むしろアルバイト自体が何か目的のような形になっているのもあって、そのアルバイトをするのでなかなかできないという話と、どう関係してくるのかおもしろいなと思って聞いていましたが、それは今後いろいろ調べていくとよろしいのではないかと思います。
 基本的には大学で、さらに入学が決まっていなくてもどうしようか。その上で初めてどこの大学にするかというところまで今のお話は突き詰めて行くというような気はするのですが、ただ、入学が決まる前に高校を卒業して、そのギャップイヤー期間でギャップイヤー学生みたくするというのはかなりコストも高いですし、その人の人生にとっても危険性がかなり高いような気がするので、やるのであればやはり入学をどこかで決めた上で、予定者なり何なりという形で少しいろいろ考えさせると同時に、入った場合には大学が自分のプログラムを含む形でやった方が良いかなと私は思いました。
 あと1つ聞きたいのは、先ほども問題になっていたように、認定機関、基準があるというお話だったのですが、例えばこのアメリカ圏にいる人は多分違うと思いますが、その場合の基準として考えている最も基本的なものとして、あるいは先ほど定員は何なのかというお話があったのですが、そういうものとしてどういうことが挙げられているのか、ちょっと今教えていただければと思いました。
【鈴木座長】  御質問は砂田委員、お答えいただけますか。
【砂田委員】  はい。さっきちょっと概念的なことを申し上げたと思いますが、アメリカの認証については、当然ながら、安全性、それからクオリティー、それからインテグリティーだと思います。インテグリティーというのは誠実な規範だと思いますが、これを基に詳細に、実際にどんな、いろいろな項目がありますが、それをチェックしながら決めていくということだと思います。
【鈴木座長】  よろしゅうございますか。
【山内委員】  はい。いや、その前に、どこかがやっているからという話なのでしょうが、対象となる学生というのはどういうふうに考えられていますか。ギャップイヤーとして参加する学生。
【鈴木座長】  どうでしょうか。
【砂田委員】  参加する学生というのは、さっき言ったように大学がどこまで関与するかということに尽きると思います。大学の中に入れてしまったら、それはもう大学の責任って当然、親は言いますから。私はむしろフリーハンドで、要するにギャップイヤーをとれるような、個人として自由に取得できるようなものがいいのかなと。一方で、大学でギャップイヤー制度を設けられるのは、それ自体はその大学の姿勢であり、売りになります。例えば東大は、当初予定は秋入学に係る半年間を社会体験・就業体験に充てるというふうに言われたわけで、それ自体が、もしそれが嫌な人はほかの大学に行けばいいわけですよね。それだけの話かなと思いますが。
【山内委員】  分かりました。
【鈴木座長】  そのほか、いかがでしょうか。
 先ほど山内委員から、入学を早くすればいいではないか、合格して学生の身分を与えるようにすればいいではないかと、私はこれ1つの考え方で、柔軟に考えればそういうふうにも考えられます。だから何も4月まで待つ必要はないのではないかとか、あるいは9月まで待つ必要がないのではないか。国際教養大学の場合には4月の時点で学生の身分を与えるということで、それで9月に戻ってきて報告をしたときに、この4月から8月の間の活動に対して3単位を与えるということになっています。だから制度的にはそうですが、学生の個人個人にとってはギャップイヤーというものが両親も含めて理解が少ないとか、あるいは周りの人が何をやっているのかと言われたり、あるいは入学して入ってきた後にギャップイヤーが入ってきたといっても、友人となるべき学生たちが、それは何だというふうな感じで理解が少なくてどうも居心地が悪かったり、そういう周りの人間関係といいますか、そのあたりもやはりこの制度自体、認識がまだ少ない、あるいは認識を深まっていけば、これは市民権を得るだろうと私は思っていますが、そのプロセスにあると思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 どうぞ。じゃあ、先生お願いします。
【宮城委員】  私は齊藤先生と濱田先生が最初におっしゃった18歳全員にこのギャップイヤーを体験させるような社会的な仕組みを作っていくというのは非常に賛成です。こういう今回の検討会議のような場は、やっぱり問い立てが大事だと思いますが、私は1つの問い立てとしてそういう問いを立てて、日本の今の若者たちの現状を考えたときに、18歳の若者が、仮に全員希望すれば、このギャップイヤーを体験できるというシステムを作るにはどうすればいいかという問いを1つ立てるということは、非常に大胆ではありますけれどもおもしろいのではないかなと思います。もちろんもともとそれを、本来のギャップイヤーの趣旨である主体性を持って決断するというだけの子供たち、学生の意識をどう育んでいくかというような基盤作りから考えないといけない課題だと思います。
 もう一つの問い立てとして、やっぱりそれとはかぶりますが、別の問い立てがあり得るなと思うのは、やっぱり大学のカリキュラムとして、これをどう位置付けるかということを立ててもいいのではないかと思っています。これを両方同時に議論すると、お互いが矛盾するところが出てきて、お互いを否定すると何か両方が進まなくなるというような状況があるのかなとも思っていまして、やっぱり大学に入学して、した後にしっかりとカリキュラムの中で位置付けて、その中で学生たちが成長していくということは、それはそれで私は議論されるべきことだなと思っていまして、もちろんこれ、最終的には一緒に議論されることかもしれないのですが、2つの問いを立てて考えていってもいいのかなと思いました。
 それともう一つ、砂田委員のお話の中で、表紙に書いていただいた「社会的課題解決型人材の創出に資する」というこの視点、ギャップイヤーの効能というか、というのも非常に大事というか私はおもしろいなと思いました。この視点と、濱田先生がおっしゃった社会がこの仕組みを、これを支えていく基盤を作らなきゃいけないのではないかという視点が私はうまく重なり合うのではないかと思いまして、今、実は被災地でも、高校生とか大学生が復興のまちづくりに大きく寄与し始めているというようなことが起きてきています。例えば中高生の子供たちに教育を教えているボランティアの団体が結構入っていますが、勉強すればするほど外に出ていって帰って来なくなってしまうわけです。そういうことを町の人たちは危惧しているというのもあります。一方で、それを分かってきた現地のNPOたちは、これは仕事を作らなきゃいけない、地域の中で。作っていって、そこでそのまま子供たちが仕事をしていくというのもあるでしょうし、いつか帰ってくるというのもあるでしょうということを含めて、まちづくりの中に実はどんどん入っていこうとしています。私どもが応援している事例でも、女川町は大学生を半年、1年という、今、休学で入れ込んで、彼らがまちづくり会社とか観光業界の中に入っていって、実は復興の担い手になっている。彼らが入ることで町の人たちが、そもそも壁があった、何といいますか、余り仲が良くなかった企業同士とかがつながって、一緒にまちづくりに取り組んでいくというようなことが生まれています。私は、若者たちが地域や社会の未来にどんどん関わっていくことが、地域社会が進化することと同時に次の世代の若者が育っていくという循環になるのではないかと思っていまして、これは教育コストとして捉えると、そういうメンターを雇って、コストとして考えていったらすごいお金が掛かってしまうものですが、うまく社会作りとこれが絡んでいくことで、実はそれぞれがウィンウィンになって地域の中に人が育つ基盤と、新しい挑戦が生まれてくる基盤が生まれてくるということにつながるのではないかと思いまして、そのあたりもまた今後検討していけたらと思っています。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 お一人お一人御発言いただきたいと思いますので、萩原委員、お願いします。
【萩原委員】  まず、18歳で全員チャレンジ、これは重要だと思いますが、やはり濱田総長もよくおっしゃっていますが、18歳で大学に行くという観念を、やはり日本ではもっと壊していくべきだと思っております。18歳で一体自分は何をしたいのかと思ったときに1回社会に出てみるということですね。そして大学に行く選択というのもあると思います。私は今、ずっとフィンランドを調査していますが、フィンランドでは生涯学習という言葉がなくて一生涯学習です。学びたいときに常に戻っていける場所、そういうところが大学であると思っています。例えば立教大学の大学院は8割が社会人です。そこに多様な世代が学ぶことによって、ある意味ギャップイヤー的な経験をしていく。まずだから常にある固定観念みたいなものから一応自由になるということが、このギャップタームの議論をしているときに1つは重要だろうと思っております。
 それから今、宮城さんがおっしゃったように、宮城さんのところのETICのところに、うちの大学生も関わることによって大きく変化するということがあります。どう仕組みを作っていくのかというときに、やはりNPOとの連携、様々な連携していくということは社会を変革していくためにも非常に重要なので、そこの仕組みをどう作っていくのか。これはもう一つワークショップ的にやっていく必要があるのではないかと思っています。
 それから、前のときもお話ししましたけれども、高校時代に1か月イギリスに行ったこと、それから大学で2か月間、卒業論文の調査という名目でヨーロッパに行ったこと、これが非常に大きい力になりましたので、そういうチャンスをどういうふうにメニューとして提供できるかということは重要だと思います。その際に、私たちよく戦略的おせっかいという言い方をします。おせっかいって節度あるタイミングですよね。やり過ぎてもだめだし、なさ過ぎてもだめだし、そのあたりの微妙な戦略をどうして作っていくのかというのも、このギャップターム、イヤーにとっては重要であろうと思います。例えば資金の面ですが、やはり私も2か月ヨーロッパに行くときには、その前に1年間、必死にアルバイトをしました。やっぱりお金を稼ぐ大切さとか、それから物を認識したという話も先ほど鈴木先生の方からありましたけれども、やはり単にあげてしまうのではなくて、何らかの部分は自分で稼ぎなさい。後の部分、マッチングじゃないですけれども、半分はこちらが出してあげます。そういうふうな両方の教育効果があるような資金の作り方ということは重要なのではないかなと思います。
 それから安全面ですけれども、私、青年海外協力隊の研修も何年もしていたのですが、JICAとの連携ということもあるのではないかと思いました。学生の中でもJICAに行きたいという学生も何人もいまして、JICAとの連携ということは、安全面というところで非常に良いのではないかなと思いました。
 今現在ある制度をどううまく組み合わせていくかによって、今懸念されていることがクリアされていく部分があるのではないかと思います。プログラムにしましても、ETICさんをはじめNPOがかなりいろいろなプログラムを持っていますから、それを一堂に会してみて、プログラムのフェアみたいなのをやってもいいと思いますし、そこに大学の先生方や企業の人たちがいらっしゃることによって、新たな連携、新しいプログラム、もしかしたらそこからイギリスとかアメリカのような認証するような協会が自発的にできてくるかもしれない。そこにどういうふうに政府あるいは文科省が戦略的におせっかいできるのかということを考えていったらいかがかなと思いました。
 以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 非常にためになる御意見を多々頂いておりますが、そのほか御発言なさっていない方、どうぞ。長谷山委員、どうぞ。
【清家委員代理(長谷山)】  このギャップタームの問題ですが、かわいい子には旅をさせよという言葉がありますので、世の中を広く見ることで早く大人になるという発想は今に限らず昔から大事だったと思います。やっぱり自立した個人を育てるというのがグローバル化の中で非常に重要なことで、平均的な似たような人材を育てても意味がないというのでこういう発想が出てきていると思います。
 ただ、私は個人的には、やはり広く世の中を見てこいというのは大学卒業の時期がいいと、最適であると思っています。ただ、それはそれとして、18歳ぐらいのところでどうするかなんですけれども、やはり博物館に入るにも学割もない、身分証明もないという、しかも未成年で司法上も限定された取り扱いをされていますから、この者に広く世界を見てこいというのはなかなか酷なところもあると思います。
 実は私どものところではニューヨーク学院という高校を、もう20年前から持っておりまして、これは完全にアメリカと日本と統一の認証を受けて、特に学事暦等はアメリカ型でやっておりますから、6月の最初にはもう卒業式が終わってしまいます。ただ、同じ時期に大学部の方では湘南藤沢と、それから法学部が9月入学をもう導入しておりましたから、そこへ行く生徒はいいのですが、そうじゃないと約10か月ギャップができてしまいます。そういう身分等のことでやはり大変困りまして、一定の身分証を出すということと、それから外国育ちの者が当初は多かったので、やはり日本に早めに連れてきて、京都や奈良や、それから東北というような日本文化の本質に触れさせる、プラス日本語教育とか学部の導入のような一定のカリキュラムを持って事前教育ということをいたしました。これは経験です。
 それからもう一つ、今度はギャップタームに何をやるかということですが、今の状況で、個人で何をやろうか探すと、どうしてもインターンやボランティアに偏ってしまうと思います。一方で、なぜこういうギャップターム等を考えているかというと、高校時代のどちらかと言えば知識習得を大事にする学習から、今度は物事の本質を見極める洞察力ですとか、批判的な思考力を早く育てたいということで切り替えをしようとしている。そのときに、万々一にもインターン、ボランティアが、職業訓練的なものですとか、時間を守って指示どおりに作業をこなすというような体験をさせられたのでは大学としては非常に困ってしまいます。それですと、まさに1つ前の時代の教育が、その産業選手を育成しようとしてやっていた頃と全く変わりなくなってしまいますので、そのところの注意が必要です。
 したがって人数をもっと拡大しようとするのであれば、まさに社会的な支援や組織というものを作っていかなければいけない。1つはどういうプログラムで何を体験させるかという大枠を考えるということと、それからもう一つは、私はどこへ行くにしても、やっぱりメンターというような存在が必要になると思っています。そうしますと、そういう意味では民間の財団と大学のコンソーシアムのようなものが提携して、この問題を考えていく。正直申し上げると国は余り関与しない方がいいと思っています。なぜかというと、私が選考委員を仰せつかっている奨学財団が幾つかありますが、実は民間の奨学財団は、大変このことは先端的にやっていて、いろいろな大学の奨学金をもらっている学生を1年に2回ほど呼んで、全部お金も出して、泊り掛けでセミナーを開いたり、旅行させたり、最後にはそういうプレゼンテーションをいろいろな大学の奨学生がグループを作って行っている。この大学を超えた学生間の交流というのも非常に重要だと思います。特に入学前ですね。そういう意味で、そうした民間の奨学財団その他とそれから大学が提携して作っていく仕組みが必要ではないかと思います。
 最後にギャップタームという名称ですが、ギャップタームというのはまさに東京大学が秋入学とか、それに関連する学事暦をお考えになったときに学期をどうするかという発生で出てきた1つの用語だろうと思いますが、もっと広く、今この会議で議論されているような入学前の体験や人材育成をどうするかということで言うと、やはりギャップイヤーという用語が良いのではないか。特にグローバル化に対応するので考えようというときに、欧米ではギャップイヤーが短い期間でも一般で、これは濱田先生には申し訳ありませんが、多分ギャップタームといきなり言っても、イギリスとかアメリカの人間はそれ何という感じだと思います。ですから、いろいろこれから議論は尽くされていくだろうと思いますが、むしろ広くグローバル人材を育成するという意味で用語を定義付けていくならギャップイヤーという言葉で議論を続けていくのが良いのかなと、感想ですが、以上でございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 島村委員、お願いします。
【島村委員】  前回の議論でも出ておりましたが、ギャップイヤー期間中の学生の経済的な課題をどうクリアするかということについては十分検討の必要があるのではないかと思っております。今年から始まった東京大学のFLYプログラムでは、参加者の大半が留学を希望していると伺っておりますが、やはり将来のギャップイヤー制度においても、留学希望者がその多くを占めていくだろうと予測しています。一方で経済的余裕のない学生、地方出身者で親元から経済的支援を受けられない学生さんをどうするという問題があります。意欲と能力のある学生が留学を諦めてしまうことで、かえって将来的な学生間の不平等や格差を広げてしまうことのないように十分に配慮する必要があるのではないかと思います。その点政府は、来年度から日本からの留学生を倍増させるための新たな留学支援制度をスタートさせると伺っております。この新しい枠組みはギャップイヤー制度においても大変大きな役割と果たしていくものではないかと思っていますので、是非とも学生間の経済的格差を埋めるためにも、比重を置いた制度設計にしていただきたいと思っております。
 それから学生のキャリア教育や職業観の醸成という観点からも、ギャップイヤーは大きな役割を担っていくのであろうと思います。しかし東京大学の濱田総長もおっしゃったように、ギャップイヤーの本来の趣旨は学生が自由な発想で自主性を持ってその期間の過ごし方を考え、その後の人生や進路を考える上で有益な経験を広げていくことにあると思います。したがって留学以外にも産学連携などを通じたインターンシップなど、学生側にある程度のプログラムメニューを提供していくことが大事なのではないでしょうか。
 それと、先ほども意見がありましたが、やはり入学を認めて、学生として、それから、何といいますか、活動をしていただくというのも、やはり私は賛成だと思います。
 それと、もう一つ余計なことですけれども、いわゆる今までも留学生はおりまして、外国の大学に1年留学して、今、学校によってどうなのか私よく分からないのですが、提携学校の場合だと、それは自分の学校の大学の1年として認めるのか。私の娘も3人ばかり海外留学しましたが、学校によっては4年で卒業できないで5年で卒業したということもありましたし、4年で卒業したというのもありましたが、ギャップターム、イヤーを活用して留学する学生に対して期間をどういうふうに判断していただけるのかということも少し御審議していただきたいなと思います。
 以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 そのほか、お願いします。御手洗委員、お願いします。
【川村委員代理(御手洗)】  大変いい話を聞かせていただきました。ありがとうございました。最近、我々企業内の教育の考えるとき、非常に重視しなければいけないと分かってきたのはやっぱり自発性・自主性です。やっぱりお仕着せのプログラムを幾ら教えてもなかなか定着しない。ところが自分でやりたいとか自分で計画したものをやらせると、これは本当に定着します。そういう意味では、そういう本人の意思というのを大事にしていこうということで、企業内の教育が見直されていると思います。そういう観点からいきますと、今回、国際教養大の皆さん、非常に高いレベルで成果を上げられたというのはやはり自分で自主的に決めて、それから自主的にやって、それでいろいろな自覚が出てきたと思います。やっぱりそういうことがすごくいいサイクルになっていったのではないか。これが、例えば18歳全員とかということになりますと、本当にその辺が担保できるのか。やっぱりそういう自発性を大事にするようなことをどういうふうにしながら、広げるのはどこまでということをある程度考えていかざるを得ないのではないかという気がいたしました。
 それからもう一つ、違う観点で言いますと、我々企業といたしまして、この間から申し上げておりますとおり、もう秋の卒業も結構ですし、ギャップターム、ギャップイヤーで卒業が遅れても、それはもう全然関係なく受け入れたいと思います。それはもう、いろいろな機会を通じて言っていきたいと思います。むしろ高く評価しますよという、それぐらい言ってもいいかな、いや、言いたいぐらいだと思っています。ただ、逆に高く評価しますよというのがわーっと産業界から出ますとどういうことが起こるかというと、みんな、じゃあギャップタームは就職に有利なのねということになって、次にどういうことが起こるかというと、多分、いろいろなお仕着せのプログラムができます。で、それを例えば認定団体がAとかBとかCとかDとかいうと、多分、就職のとき、私はAのこれをちゃんと受けてきましたとかいうそんな話になっていくのではないか。そういうことになるというのはやっぱり非常に良くないなと思っています。ですから自発性とか自主性とか、そういうことを本当に大事にして、そういうことがきちっと評価できるような仕組みを作っていくことが必要なのではないかなと思っています。
 以上です。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 坂越委員、お願いします。
【浅原委員代理(坂越)】  きょうは本当に具体的な事例を教えていただきまして、ありがとうございます。お話を伺いながら学事暦、ギャップターム、意義・理念ということを考えていまして、これはもう本当に言うまでもないことだったからかなと思いますが、私自身は、やっぱりこういう試みというのは、今話題になっているように、大学生がいかに主体的に学んでいくか、主体的な学びを確保するためのいろいろな手立ての1つでもあろうと。もちろんその中にはグローバル化人材ということもありますが、そういうふうに考えていくと、先ほど砂田委員さんがおっしゃいましたけれども、今、何やっていいかよく分からない学生が入ってくるという中で、やっぱり主体的な学びのスタートラインでギャップタームというのが必要でしょう。さらには学生自身が自分の学び、4年間とか6年間の学びをデザインする自由さ、そういう中で、本当に自主休学して世界へ出ていくパターンがあっていいし、カリキュラムの中に組み込んで、こういう人材を作るためにこういうプログラムがあるよという形で学事暦の中に入れていくというのもあるだろうと思います。学生が自由に自分で選べるような、柔軟なというのがまさにこの学期制ということで、そのために、例えばよく言われているように必修科目はここに集めましょうとか、ここは学生が自由に出ていける3か月にしましょうとか、そういうデザインをやっぱり考えるべきであろうと思います。
 ちなみに広島大学では、まだささやかな事例ですが、ギャップタームというかギャップイヤー、学部ではなくして大学院でやっていますが、これは特別研究生という形で籍を置いて、研究料不徴収という形にしてございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 どうぞ、小林委員、お願いします。
【小林オブザーバー】  高校側からの御意見ということで申し上げますが、東京都では御承知のように次世代リーダーの育成というのをやっていますが、これとギャップイヤーとどういう関係があるか分かりませんが、高校側でも少しずつ動きが出てきているかなと思います。例えば本校でも昨年の12月にある女子生徒が応募して、次世代リーダーのメンバーに選ばれて、それでオーストラリアの方に行きまして、この11月30日に帰国したということで、まだ私も面接して、どんなふうに変わったかなというようなことを実感はしていませんが、きっと大きく、1回りも2回りも大きくなって戻ってきてくれたのかなと思います。その子は「言葉の祭典」という、行く前にそういうのに応募しまして、発表して、自分は将来こういうふうな夢を持っているということで発表してくれて、入選はしなかったのですが、その決意を持って次世代リーダーでオーストラリアの方に行った。帰ってきて、すぐにまた今月中旬にシンガポールの海外修学旅行があるので、そちらに参加したいので、早く復学の手続をしたいということで、今手続きをしています。原籍の学年に入るのもいいし、そうじゃなくて次の学年に入るのもいいわけですが、高校側でもそういった、うちもグローバル人材の育成ということで教育方針として掲げていますけれども、そういった1年間留学していろいろなものをホームステイで学んで帰ってくる、こういうことができつつありますので、やはり大事なことかなと思っております。
 今までは、例えば履歴書を見ても、ぴったり3月まではここにいて、4月からここにいてという、そういうふうなことが日本ではよく尊重されたというのでしょうか。1年開いていると、これ、何がありましたかなんていうことを企業で聞かれます。そういうことも学生の中で話題になって、やっぱり履歴がちゃんとしてなければいけないとかというのは高校でもよくありまして、先ほど国際教養大学の鈴木先生からの御指摘もありましたが、高校の理解が得にくいということで、なかなかそういう御発言もあったということで、それは我々もやっぱり意識改革していかなければいけないかなと感じているところです。高校側も含めて、やはり社会としてそういうのを受け入れていく枠組みというのを作っていくというのが一番大事なのかなと感じております。高校側でも少しずつそうした動きが出てきていますので御紹介いたしました。
 以上でございます。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 どうぞ、濱田委員、お願いします。
【濱田委員】  何度も申し訳ありません。今の小林先生のお話をお伺いしていて、ああ、本当になるほど変わってきているなと思っていますが、私たちがこのギャップターム、ギャップイヤーの設計をするときに、やはり今の18歳の人たちを前提に一生懸命考えようとするわけです。だけど今の18歳の学生、あれが理想的なのかというのは、僕は考え直さなきゃいけないと思います。今は確かに未成年だけれども、だけどあれが未成年というのは法制度上のだけのことですね。国民投票で選挙権を与えようかという議論も出てきている。それから成人年齢を引き下げようという議論もある。そういう中で、やっぱり僕らは、今は、もちろん今の18歳を前提にして考えなきゃいけないけれども、この先の社会で18歳の若者たちがどういう姿であるべきなのか。それも見込みながら、制度が、今の作ろうとしている制度をフィックスさせるのではなくて、そういう理想形に向けて動かしていくという視点で考えておく必要があると思います。今、小林先生がおっしゃったように、高校生で、もうそういった育て方をしてくだされば、18歳になって大学入学するときには、もう放ったらかしてよいかもしれません。そういう動きをどう作るかということも視野に置いて議論できるといいなと思います。すみません。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
【齊藤委員】  よろしいですか。すみません。
【鈴木座長】  はい、どうぞ。齊藤委員、先ほど失礼いたしました。どうぞ。
【齊藤委員】  小林先生が高校の代表で入っていただいて非常に良かったなと思っています。間もなく大学受験の季節に入りますが、1月末に、東北、北海道、山陰を周りますので、あの豪雪の中、猛吹雪の中、条件が悪過ぎのではないか、大人は俺たちのことを考えてくれているのかという声があります。そういうことを考えると、大学入試をもう少し水の緩む、雪が解ける頃まで延ばせられないだろうかとか、そんなことも考えながら学事暦というのを考えるべき時期に来ているのではないかなと思っています。
 それで、このギャップの関係ですが、今の子供たちは、価値観がたくさんあって、いろいろ勉強しなきゃいけないことがたくさんある中で、私は大器晩成型の子供たちをしっかり作っていくという考え方がもっとあってしかるべきだと思っています。今のお受験、お受験、お受験でね、促成栽培型の子供ばっかりですよ、僕が見ていて。何かあるとインターネット、それで終わり。そうじゃないことをこのギャップタームなり、この新しいシステムの中で引っ張り出していこう。それにやっぱり時間も掛かります。だからそういうことを是非お考えいただきたいということです。
【鈴木座長】  ありがとうございます。先ほどは失礼いたしました。
 あと5分ぐらいですが、大臣の方から御意見ということもございますので、大臣どうぞお願いいたします。
【下村大臣】  きょうはありがとうございました。きょうは学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会、ギャップタームが中心でありましたけれども、有益な話をしていただきましてありがとうございます。目指すべき方向性は、私もやっぱり18歳からすべての希望する子供たちがギャップタームを経験するような制度設計を考えるべきだと思います。ただ、今の段階で、それを一気にするというのはなかなかやっぱり大変なことなので、プログラム的に、まず自主的にやれるところからやっていく。そういう大学について積極的に支援する。しかし大学側の自主的な取組だけでは、この厳しい国際社会の中で我が国が生き残っていくような人材育成は難しいですから、そのためにもこの検討会議があるわけですが、いかに我が国においてのギャップターム等を大学が取り入れるか、あるいはそのための条件整備をどうするかということについて是非検討会議で今後御議論をしていただきたいと思います。
 その中で、質問的なところでもあるのですが、砂田さんがギャップイヤーの4階層を作っていただいていますけれども、この大学等運営のプログラムという中で、このTeach For Americaとか平和部隊がギャップタームに、ギャップイヤーに入るのかどうかということについては、日本での定義が必要だと思います。Teach For America等について、Teach For Japan、これは私、積極的に支援をしていきたいなと思っていますが、残念ながら我が国は教員免許等の問題があって簡単にアメリカのような形が取り入れられない部分があります。しかし、逆に本日の皆さんのお話を聞いていて思ったのは、教員志望者は、半年間はギャップタームとして学校現場を体験させ、そこで動機付けをした上で教育学部等に入ってもらうような、Teach For Americaの日本バージョンといいますか、そういう形等を考えたらいいのではないか。
 それから今、教育再生実行会議でも、6・3・3制の見直し等をしております。これは義務教育期間を必ずしも9年ということを限定するわけじゃなくてどうするかという問題と、それから義務教育に連動するわけではなくて無償期間をどうするかということと、もちろん6・3・3制はもう100年以上前の制度ですから、これからの時代にどの段階を発達段階というべきなのかとか、これが同時に教員の免許制にもつながってきている部分が、小学校の免許や中学校の免許を含めてトータル的な議論になってくると思います。それにしても小学校から高校まで、「桜の咲く頃1年生」というのは何となくコンセンサスがここにあって、その小学校から全部9月入学というのは、相当国民の反対があります。そうするとやっぱり大学はギャップタームを活用して、全てが9月入学ではありませんが、4月入学と9月入学が選択できるようにしたいところです。9月入学については国際社会の中で、グローバル化の中でどう対応するかということで言うと、もっといろいろな大学で9月入学も含めて選択できるようになれば、全員がギャップタームを18歳から活用ということではないのですが、若いときにできるだけ社会的な体験を積み重ねることによって学問に対する、大学研究に対する動機付けが高まっていくというのは、きょうの皆様方の話の中でも、これはもう客観的事実だと思います。そういう意味で海外では一旦社会へ出てからまた大学に入り直すと、先ほど萩原委員からも話がありましたが、そういう中でいかに大学における動機付けを作るかという意味でも、このギャップタームを位置付けるかというのは大変重要なことであると思います。限られた回数でございますけれども、是非そういう意味で、我が国においてこれが広がっていくような形で、さらに御議論いただければと思います。ありがとうございます。
【鈴木座長】  大臣、ありがとうございました。
 それでは本日頂きました多くの御意見を踏まえまして、文部科学省において論点を整理していただきまして、次回以降、さらに議論を深めていきたいと思います。
 最後に、今後の開催日程につきまして、事務局から説明をお願いします。
【猪股大学改革推進室長】  次回第3回の検討会議につきましては、資料6の当面のスケジュールにございますように、1月から2月頃に開催する方向で日程調整の上、追って御連絡いたします。
【鈴木座長】  ありがとうございます。
 それでは、本日の議事はこれにて終了いたします。本日は活発な御議論を頂きまして、誠にありがとうございました。

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高等教育局大学振興課大学改革推進室

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-- 登録:平成26年02月 --