資料2 前回の検討会議における主な意見

1.学事暦の多様化とギャップターム推進の意義・理念

○学事暦の多様化を通じて、大学にどのような変革が期待されるか。
○ギャップターム中の経験を通じて、学生や社会にとってどのような効果が期待されるか。

修学目的の明確化国際感覚の育成語学習得あるいはコミュニケーション能力の向上ボランティア精神の醸成など、幅広い効果を期待されている。
・経済がますますグローバル化していく中で、国際的な視野と素地を持った人材を教育のなるべく早い段階から育成していただきたい。
・タフでdiversityに富んだ人材が必要。国内の学生は線が細く、模範解答を求める傾向にあるが、それでは通用しない。
・我が国産業を支える中小企業のパイオニア起業家精神のある人材の育成を。
それぞれの大学がどういう理念を持って行うかが前提。ギャップタームの多様な経験は、創造性や異文化理解を身に付けさせることにある。
・ギャップタームの体験を通じて、知識をどう使うかという知恵に変えていかなければならない
・学生がより広い視野を持って勉強をスタートできることは大変有意義である。
早い時期に異文化体験をさせることは社会人基礎力の育成に重要。
中退の防止バーンアウト防止の効果もある。就業力や修学力を高める効果について、科学的に調べてみるのも価値がある。
明確な職業観や国際的視野を身につけるという意味で、ギャップタームは非常に有益。ぜひ多くの大学で実施してほしい。
・働くことはどういうことなのかといった職業観を今以上に高校や大学でしっかりと教育していただきたい。
・学生は何のために働くべきなのか、わからなくなっている。あまねく学生がギャップを経験できるようにすべき。
・リーダーの本質はリスクテーカーであることで、リスクテークすることとギャップタームは関係が深い。
親元や教員から離れたところで社会体験なり就業体験をすること、これがギャップタームの本質である。 

○「ギャップターム期間」の時期についてどのように考えるか。

少なくとも早い時期に、短くても3か月、半年ぐらいは必要ではないか。それを可能にするための学事暦を考えていくべき。
・育てる学生像は大学によって異なる。一律に秋入学にすべきではない
・ギャップタームは特定の時期でなくてもよい。在学中でも卒業、就職後でもよい。個人差もあるし、危機管理能力の違いも実際にある。
休学せずにカリキュラムの中で、多様な社会体験ができるようにしていきたい。
・米国のある大学では12月を集中講義期間として位置付けるなど、学事暦を様々に工夫している。
・米国の大学では、指定するギャップイヤープログラムを終えると、1年分のカリキュラムとして認めて、2年次に入学させている例もある。
・スムーズな接続が必要。チャレンジタームと呼びたい。高校を1100日(3年3か月)とする6・3・3・4制の見直しを含めて、新しい学制を考えたい。
・企業側は1~2年卒業が遅れても問題ない。むしろ歓迎したい。
・今の日本の大学生の生活自体がすでにギャップタームではないか。

2.ギャップターム期間中の活動について

○ギャップターム中の活動は、学生の自主性を重視するか。大学が一定のプログラムを用意するか。

・学生の主体性の確保が重要である。
・ギャップイヤーは自発的な意志による人生の準備を行うための期間である。
学生が自ら動き出すということを日本の文化にしていくべきである。
・しっかりとしたプログラムの整備がなければ、学生が無為に過ごす恐れがある。
・いまの学生に主体性を期待すると、活動をする学生数が増えない。まず一度、全員必須にしてみてはどうか。 

○社会や企業におけるギャップターム活動への評価・理解を、どのように促進していくか。

・全ての大学がギャップタームを取り入れるべき。そのためには、企業側がギャップタームを経験した学生を何割採用するなどどんどん宣言していくこと、また、そうした企業を税制などで後押しすることが大事。
・企業全部ではなく、トップ10社がギャップタームを経験した人材を採用すると宣言するだけで十分効果があるのでお願いしたい。
・学生自身も留年や1年遅れることを非常に恐れている。そういった固定観念からもっと自由になっていかないと、高校の先生も親も社会も変えていかないと、ギャップタームの仕組みが絵に描いた餅になる。
・ギャップタームで半年や1年遅れることについて、学生は皆不利になると思っている。そうでないことを企業側で明らかにしてほしい。
・「18歳で大学進学」という高校の先生の意識も変えないといけない。
・ギャップタームのゴールとしては、何度もギャップタームをとるのが当たり前の社会にすることではないか。ギャップを経験することで、もう一度頑張ることの動機付けになる。
・企業の若手人材も一緒に海外に行けるような支援を考えていくべき。

3.学事暦の多様化とギャップタームの推進のための制度設計と支援内容について

○学事暦の多様化とギャップタームの支援策はどのようにあるべきか。
○産学官民が連携していく仕組みをどのように構築していくか。

学生の経験や学びを本人の将来のキャリア形成につなげる一貫した支援が不足している。
・ギャップターム期間中の親の負担が大きすぎる
・採用時期・方法の見直しや、学生の学習体験の充実に向けた取組への協力はまさに産学官が連携して行うべきこと。
・様々な体験をすることが、変化のきっかけ、原動力になる。そのために応援体制を整備すべき。
・社会の受入れ態勢や環境が整っていない。
・産業界も資金援助人材の活用といった側面の支援を行っていく責務がある。産業界としてどうあるべきか考えていきたい。
企業の求める人材像と、実際の採用の際の基準に齟齬がある。そこをすり合わせてほしい。
企業から「こういう人材がほしい」ともっと発信してほしい
・委員に地方自治体が入っていないのが残念だが、自治体でのインターンシップも重要。

○学生の安全確保や危機管理体制について、どのように考えるか。

危機管理ができる学生とできない学生がいる。いきなり新入生全員を外に放り出すのは、学生を預かっている者としてはとても恐ろしい。
・安全管理、危機管理体制については、海外留学させるときに一番心配なことではあるが、あまり細かくやると、何のために留学させるのかということになる。
・海外に行くことにリスクは確実にあるが、留学で危機管理能力を身に付けると考えるべき。

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