資料5 平成24年度大学入試センター試験における問題冊子の配付に係るトラブルの概要等

問題冊子の配付に係るトラブルの概要

1.問題冊子配付に係るトラブルの概要

(パターン1-1)

  • 第1解答科目開始前に地理歴史の問題冊子のみを配付し、第2解答科目開始前に公民の問題冊子を配付。
  • 第2解答科目終了後、受験者から第1解答科目は公民を解答予定であった旨、申し出。
  • 問題冊子の配付方法が誤っていたことが判明し、当該試験室受験者全員に第1解答科目と第2解答科目の答案転記の希望を聴取。転記希望者は答案を転記。

(パターン1-2)

  • 受験者全員に第1解答科目開始前に地理歴史の問題冊子のみを配付し、試験を開始。
  • 試験開始直後に受験者が公民の問題冊子が配付されていないことを指摘。
  • 実施本部に確認したところ、配付方法が誤っていたことが判明。
  • 直ちに公民の問題冊子を配付。
  • 公民の問題冊子配付後、試験時間60分確保(終了時間の繰下げ)。

(パターン2)

  • 試験開始前に地理歴史と公民それぞれの問題冊子を配付。
  • 解答順序について質問があり、地理歴史を先に解答するよう指示。
  • 試験実施中に指示内容を試験実施本部に確認。
  • 監督者の指示が誤っていたことが判明。
  • 試験終了後、本人の予定と異なり、地理歴史、公民の順番で解答せざるを得なかった受験者を確認し、第1解答科目と第2解答科目の答案を転記。

(パターン3)

  • 第1解答科目開始前に配付担当監督者が配付した公民の問題冊子を主任監督者が回収を指示。配付担当監督者も異議を唱えず。
  • 公民の問題冊子がないことについて受験者(複数名)から疑義の申し出。
  • 監督者は登録科目の疑義と認識し、試験実施本部に確認後、疑義を申し出た受験者は別室で試験時間を繰り下げて公民から受験。
  • 残った受験者は地理歴史のみで60分間解答し、第2解答科目開始前に公民の問題冊子を配付。
  • 試験終了後、問題冊子の配付方法が誤っていたことが判明し、当該試験室受験者全員に第1解答科目と第2解答科目の答案転記の希望を聴取。転記希望者はなし。

(パターン4)

  • 監督者は実施方法を理解していたが、受験者1名に公民の問題冊子を配付漏れ。
  • 受験者への確認時も申し出なし。
  • 第2解答科目開始前に配付漏れのあった受験者に公民の問題冊子を配付。
  • 試験終了後、第1解答科目に受験を予定していた科目が地理歴史だったことが確認できたことから特段の対応はしていない。

2.トラブル発生大学による原因分析

  • 従来の試験実施方法を踏襲するものとの思い込みがあったため。
  • 解答用紙を第1解答科目開始前と第2解答科目開始前に分けて配付することになっていたため、試験室の監督者全員が公民の問題冊子は解答用紙と同じく第2解答科目開始前に配付するものと勘違いしていたため。
  • 試験開始前に主任監督者が公民の問題を配付する気配がなかったため、配付すべきことを伝えたが、主任監督者は思い込みから対応しなかった。そのまま試験を開始してしまった。
  • 試験室ごとに事前の打合せを入念にした試験室ではミスは発生しておらず、試験室単位の打合せが不十分であったため。
  • 試験場本部に確認に来た監督者が主任監督者に正確な情報を伝えなかったため。
  • 監督者は配付方法は理解していたが、1教科(1冊子)のみ配付すればよい受験者が多い座席の中に2教科(2冊子)受験をする者の座席が配置されていたため、配付漏れが生じてしまった。
  • 監督要領に2つの問題冊子を同時配付する記載がなかったため。
  • 試験実施方法の変更等によりマニュアルが複雑化し、説明時間の不足がケアレスミスの誘発要因となったため。

 

個別のトラブル事例と分析について

 

【事例1】

 (経緯)

  • 第1解答科目の解答用紙と地理歴史の問題冊子のみを配付。
        •  ↓

  • 試験開始直前、受験者より倫理を選択したい旨の申し出。
  • 試験場本部に問い合せを行うが、公民の問題冊子を配付しないまま試験を開始(監督者4名はいずれも実施方法を正しく理解していない)。
  • 試験場本部からの指示を受け、試験開始後に公民の問題冊子を配付。
  • 試験開始10分後に公民の問題冊子の配付を完了(終了時刻を10分繰下げ)。

 (検証)

  • 監督者4名はいずれも説明会には出席していたが、変更点等について十分理解できていなかった。監督者の一部に、監督要領だけを読んでおけば大丈夫との安易な考えがあり、説明会の内容や資料等を十分に理解していない者がいる可能性がある。
  • 大学では説明会を2回開催し、欠席者へは個別に説明しているが、全員に正しく理解されているかの確認をしていなかった。主な変更点等についての理解度を確認するためのチェックリストの作成等が必要。
  • 大学入試センター作成の「監督要領」に、「2冊同時に配る」とまでは明記されていなかった。
  • 試験開始前の説明時間に余裕がなく、監督者が焦ってしまったため、受験者からの疑問について確認をしないまま試験を開始してしまった。
  • 問題冊子の配付終了から試験開始までの間に余裕があれば防げた可能性がある。

   

【事例2】

  (経緯)

  • 受験者入室終了後、監督者から受験上の注意事項等について説明開始。
    監督者からの説明後、第1解答科目解答用紙と地理歴史の問題冊子の配付開始。
  • 主任監督者が公民を配付しなかったため、副監督者が主任監督者に対し、2冊同時に配付すべきことを主張(試験開始直前)。
  • 主任監督者は特別の措置をとらず、公民の問題冊子が配付されないまま試験が開始。
  • 公民の問題冊子が配付されないまま試験が始まってしまったことについて、副監督者が連絡担当者を介し、試験場本部に状況を報告。
        •  ↓

  • 試験開始後、主任監督者は監督要領を確認するが、「二冊同時配付」とは明記されていないことから、ミスに気付かず。
        •  ↓

  • 試験室に来た本部担当者が主任監督者に状況を確認しミスであることが判明。大学入試センターに対処法を確認。
        •  ↓

  • 試験室に対処方針が連絡される(一旦試験を中断し、公民の問題冊子を追加配付し、配付終了後1時間の試験時間を確保)。

  (検証)

  • 監督者の間で試験実施方法の認識に相違があった場合の対応について、統一したルールが設けられていない。  
  • 試験開始前の説明事項等が多く、試験開始前に監督者間で疑義について協議をする時間的余裕がない状況にあった。  
  • 監督者の間で試験実施方法の認識に相違があったにもかかわらず、予定通りの進行を重視し、確認することなく試験を開始してしまった。  
  • 監督要領に「二冊同時配付」とは明記されていなかったことがミスの認識遅れに影響。

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