資料4 薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂(試案)

日本薬学会薬学教育委員会

【試案の基本的方針】

  • 「薬学教育モデル・コアカリキュラム」と「実務実習モデル・コアカリキュラム」を一本化し、全体として一つの体系的なカリキュラムとなることを目指す。
  • 大項目、中項目名について、6年制薬学教育の目的を反映するものに変更する。
  • 6年のカリキュラムを履修することにより、「求められる薬剤師像とその責務」(別紙参照)に記載される資質を身につけることが望まれる。
  • 大項目、中項目の基本的組み立てについては、現行のコアカリを踏襲し、原則として大きな変更は行わない。ただし、現行の実務実習モデル・コアカリキュラムに該当する部分(試案のE 薬学臨床教育)については、中項目にある程度の変更を加えており、その構成については今後の検討を要する。
  • A 全学年を通じて、については、医学教育モデル・コアカリキュラムとの統一性も考慮して、「基本事項」と名称を変更する。
  • B イントロダクション、については、6年制薬学教育への導入という点をより明確にするために、「導入教育」とする。
  • C 薬学専門教育には基礎から応用にまたがる広い範囲の内容が含まれ、分量も非常に多いので、2つの大項目に分割し、C 薬学基礎教育とD 医療・衛生薬学教育とする。CおよびDの大項目内の[]で標記される領域内の中項目の数は3以内とする。中項目は現行のコアカリを踏襲した。変更点は以下の2箇所である。

[化学系薬学を学ぶ]について、中項目を3項目以内にするために、現行のコアカリのC4,C5を統合した。その結果、改訂後のC4は分量がかなり多くなる可能性がある。「化学系薬学を学ぶ」の構成については、今後更なる検討を要する。

[薬と疾病]のD3 薬の効くプロセスには薬理と薬剤の内容が含まれるので、薬剤の内容はこの項目から独立させ、[医薬品]に新たにD6 医薬品の体内動態の中項目をたてる。

  • 実務実習はEとする。大項目名は薬学臨床教育に変更する。事前学習は、その目的をより明確にするために実務導入教育に名称を変更する。病院実習と薬局実習は統合して病院・薬局実習にする。
    現行のコアカリの事前学習の「事前学習を始めるにあたり」は「医療人と薬剤師」に名称を変更し、「(7)事前学習のまとめ」の項目は削除した。「(7)事前学習のまとめ」の中で残すべきSBOsについては、他の中項目に移すことで対応する。
    現行のコアカリの病院実習、薬局実習の「病院調剤を実践する」と「薬局調剤を実践する」は統合した。
    病院実習の「(6)医療人としての薬剤師」は全体に共通する内容なので、[医療現場の薬剤師]として始めに移動した。
    薬局実習の「(6)薬剤業務を統合的に学ぶ」は削除した。残すべきSBOsについては、他の中項目に移すことで対応する。
  • F 薬学研究を追加した。F1 総合薬学研究とF2 総合薬学演習の2つの中項目からなる。

【基本方針に基づいた改訂案(大項目、中項目】

A 基本事項

B 導入教育

C 薬学基礎教育

[物理系薬学を学ぶ]
 C1 物質の物理的性質
 C2 化学物質の分析
 C3 生体分子の姿・かたちをとらえる
[化学系薬学を学ぶ]
 C4 化学物質の性質、反応、合成
 C5 生体分子・医薬品の化学
 C6 自然が生み出す薬物
[生物系薬学を学ぶ]
 C7 生命の成り立ち
 C8 生命をミクロで理解する
 C9 生体防御

D 医療・衛生薬学教育

[健康と環境]
 D1 健康
 D2 環境
[薬と疾病]
 D3 薬の効くプロセス
 D4 薬物治療
 D5 薬物治療に役立つ情報
[医薬品]
 D6 医薬品の体内動態
 D7 製剤化のサイエンス
 D8 医薬品の開発と生産
[薬学と社会]
 D9 薬学と社会

E 薬学臨床教育(中項目については必要に応じてみなおす)

[実務導入教育]
 E1 医療人としての薬剤師
 E2 処方せんと調剤
 E3 疑義照会
 E4 医薬品の管理と供給
 E5 リスクマネージメント
 E6 服薬説明、健康相談
[病院・薬局実習]
 E7 医療現場の薬剤師
 E8 調剤を実践する
 E9 医薬品を動かす・確保する
 E10 情報を正しく扱う
 E11 ベッドサイドで学ぶ
 E12 薬剤を造る・調べる
 E13 薬局アイテムの管理
 E14 薬局カウンターで学ぶ
 E15 地域で活躍する薬剤師 

F 薬学研究

 F1 総合薬学研究
 F2 総合薬学演習

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