資料3 薬学教育モデル・コアカリキュラムに関する主な意見(基礎データ)(薬学系人材養成の在り方に関する検討会)

モデル・コアカリキュラムに関する主な意見(基礎データ6年制の結果より)

<量・要する時間に関すること>

  • 項目数が多すぎる。コアカリにはどのくらい深く教えるかという観点がなく、項目の羅列である点がもっとも問題。6年制薬学教育のベースになるコアカリにおける問題は、薬学教育すべてに影響する。
  • コアカリSBO量(数)の見直し
  • SBOの重複が多くあることから、整理が必要
  • モデル・カリキュラムに沿った時間を減らし,大学独自の教育時間を増やすべき
  • コアカリの内容にしばられすぎている。
  • 大学の特色を出しにくい
  • 内容が多すぎて、4年次までのカリキュラムが重たい。
  • 現場のニーズに対応するための時間確保が難しい。
  • モデル・コアカリキュラムに準拠した教育を行なった場合、大学独自の教育理念や目標を尊重した教育ができない
  • 薬剤師養成に必須なコア項目にスリム化し,各大学が特色ある教育を行うことができるように,教育の自由度を増す必要がある。
  • 現行のカリキュラムはコアというよりは、あるもの何でも加えたものであり、かなり余分なものも含まれている。本当の意味でのコアの部分を抽出して運用しやすくすべき
  • モデル・コアカリキュラムで70%を占めるので、大学の特徴を出しづらい
  • 薬学教育モデル・コアカリキュラムの内容を、CBT対策、国試対策を除いた残りの時間で十分消化することができない
  • 薬学共用試験の対象となる目標を達成するためには、かなりタイトな教育プログラムを設定しなければならず、大学独自のプログラムを遂行する余裕がない
  • 現在の6年制のカリキュラムは非常に範囲が広く、学生にとっても教員にとっても過度の負担となっているので、カリキュラムのスリム化をはかるべき

<内容に関すること>

  • 学問、制度等の変化により、既に現状に合致しないSBOが散見されるので、科目間のバランスも考慮しながら見直しが必要
  • 諸状況の変化、実際に実施してみて明らかとなった不都合な点の修正が必要
  • 4年制モデルコアカリキュラムの構築と6年制モデルコアカリキュラムの再構築が必要
  • 現6年制モデルコアカリキュラムは、旧制度の薬学教育を基盤にしており、医療職育成の視点とはなっていない
  • 薬剤師養成モデル・コアカリキュラムは真にコアの部分に絞り、各大学の特色を生かせる教育や、教養教育の充実をより進めるべき
  • 薬剤師の社会的地位向上のためにも科学に立脚した問題解決型学習を重視し、また、国家試験、共用試験への取り組みも含めて学生の主体性を高める自己研鑽・参加型の学習態度を高める教育がさらに必要
  • 研究力(課題発見・問題解決能力)に優れた薬剤師を養成するための教育プログラムをさらに強化することが必要
  • チーム医療における薬剤師のアイデンティティーを確立・保持するための教育プログラムが不足
  • 6年間のカリキュラムの構成内容を大きく臨床寄りにシフトさせるべき
  • 6年制のモデル・コアカリキュラムに謳われている薬学研究者育成の要素となる専門基礎科目の内容を絞り、4年制学科の方で重点的に専門基礎教育を行うほうがよい
  • CBTが準国家試験と位置付けられ、かつ内容が過密であるために4年次までに修めなければならない項目が多すぎる。精査をし、真に薬剤師を養成するために必要な内容を再精査すべき
  • 医療の現場で指導的立場で活躍する臨床薬学専門家を養成する高度教育は、薬剤師の資格を修得後、大学院博士課程にて行う方がよい
  • 網羅的過ぎる薬学教育モデル・コアカリキュラムの到達目標(SBO)を改正し、学生のニーズを的確に捉えた上で、学生の薬学に対する探究心や創造力を芽生えさせるとともに社会に有為な薬剤師養成という大義を果たすために、各大学固有の知的財産や教育環境を活かしつつ個性を発揮した薬学教育に取り組むことが重要

<実務実習モデル・コアカリキュラム>

  • 実務実習モデル・コアカリキュラムに関しても、初年度終了時には慎重に評価点検を行い、改善が必要な点は対応が必要
  • 実務実習モデルカリキュラムの現状にあわせた修正
  • 薬局あるいは病院薬局の何れかの実習を義務付け,不足分は大学での追加実習で補うシステムへ変更するべき

薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第7回)会議でのコアカリに関する主な意見(薬学系人材養成の在り方に関する検討会 参考資料1 抜粋)

コアカリキュラム改訂に向けて

<検討体制について>

  • 医学、歯学と同様の検討会のようなものを文部科学省の中に設置
  • 基本的なことについては、文科省内の委員会で検討すべき
  • 文部科学省がすべてやることは不可能に近い。薬学教育協議会なり、日本薬学会なりに一部を検討いただき、その内容を吸い上げる方法しかない

<理念とその内容>

  • 6年制の教育に対するモデル・コアというものを規定すべき
  • 薬学というものが何を目指すのか、教育がどういうものであるべきか、あるいは制度全体としての薬学というコア、各大学が個性として追求する分とそういうものの割合について議論すべき
  • カリキュラムに統計学も含めて、臨床薬学・レギュラトリーサイエンス・治験などのカリキュラムもっと入れるべき
  • 今回改正する場合には、6年制と4年制の目的を明瞭にし、6年制の薬学教育モデル・コア・カリキュラムは、主に薬剤師を養成するということでまとめることが良い。これに対し、4年制に対しては、理系の学部として創設したことから位置づけも明瞭になる
  • コアカリにこれも入れる必要がある、あれも入れる必要があるという形で、どんどんアドオンされていくという格好は、教員の負担感が大きくなる
  • モデル・コア全体については5年ぐらいかけてやる必要があるため、実務実習モデル・コア・カリキュラムは分けたほうが良い
  • 医学と同様、国家試験ということもある程度イメージしながら、検討が必要
  • 実務実習モデル・コア・カリキュラムは、実務としての現場で教えたいことは何かについて、大学が一緒になって議論しておかないと、役立たないのではないか
  • 根本的なことを考える改訂と、緊急性のある改訂とをうまく組み合わせて行う必要がある

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