薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会(第9回) 議事録

1.日時

平成25年7月8日(月曜日)10時30分~13時

2.場所

文部科学省東館5階 5F2会議室

3.議題

  1. 今後の薬学教育モデル・コアカリキュラムの在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

市川座長、吉富副座長、赤池委員、井関委員、伊藤委員、井上委員、入江委員、奥委員、永田委員、長野委員、中山委員、奈良委員、平井委員

文部科学省

村田医学教育課長、平子企画官、小野医学教育課課長補佐、丸岡薬学教育専門官、日下部技術参与ほか関係官

オブザーバー

厚生労働省 医薬食品局総務課  田宮課長補佐

5.議事録

【丸岡薬学教育専門官】  それでは、お時間はまだ早いですけれども、先生方皆様おそろいですので、これより薬学モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会第9回を始めさせていただきます。このたびは委員として改めて御就任を快諾いただきまして、また、御多忙の中、御出席いただきましてまことにありがとうございます。私、医学教育課薬学教育専門官の丸岡と申します。今回は、再任されて1回目の委員会でございますので、座長をお決めいただくまでの間、司会を務めさせていただきます。会議に先立ちまして、村田医学教育課長より御挨拶申し上げます。
【村田課長】  おはようございます。医学教育課長の村田でございます。委員の皆様には、大変御多忙な中、引き続きこの専門研究委員会の委員御就任を御快諾いただきましてまことにありがとうございます。厚く御礼(おんれい)を申し上げます。
 この専門研究委員会でございますけれども、御案内のとおり、2年ぐらい前でございますけれども、平成23年の9月に6年制薬学教育に対応した新しいモデル・コアカリキュラムについての親会議に当たる検討会の審議を踏まえて具体的な改定作業を行っていただくということで設置をさせていただいたものでございます。これまで以降、委員の皆様には大変長時間精力的な御審議を頂きまして、モデル・コアカリキュラムの中間的なまとめの取りまとめに御尽力を頂いたわけでございます。後ほど御報告を申し上げますけれども、この4月にこのモデル・コアカリキュラムの中間まとめについて、各大学、それから関係の団体に対しましてアンケート調査を実施したところでございます。大変御関心が強い事柄でございますので、たくさんの御意見を頂戴いたしてございます。本日はそのアンケートの意見を踏まえながら、新しいモデル・コアカリキュラムがより良いものになるように御議論をいただければと思っております。そうした趣旨でございますので、委員の皆様方には引き続き長期間にわたって委員として御指導いただくということで、大変御多忙な中、恐縮ではございますけれども、継続性を持った形でモデル・コアカリキュラムの在り方に仕上がりますよう、是非引き続き御指導をよろしくお願い申し上げます。
 よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  会議に入ります前に御報告させていただきます。
 本会議は、冒頭より公開とさせていただいておりますことを御了承いただければと思います。
 皆様方におかれましては、昨年度末で任期満了となっておりますけれども、今回、改めて同じ委員の先生方に御就任を頂いております。形式的ではございますけれども、改めて御就任いただいた最初の会議ということで、座長、副座長を改めてお決めいただきたいと思います。それで、事務局からでまことに恐縮ではございますけれども、座長につきましては、前回までお務めいただきました市川委員に、それから副座長につきましては、吉富委員と、本日御欠席ですが太田委員のお二人にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
                          (「異議なし」と呼ぶ者あり)
【丸岡薬学教育専門官】  それでは、これからの議事進行は市川座長にお願いしたいと思います。
【市川座長】  おはようございます。市川でございます。先ほど説明がありましたように、継続審議ということで、まことに恐縮でございますけれども、座長を務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。それで、この審議をできるだけ遅滞なくというか、有意義なものにしないといけないわけだけれども、同時に時間軸も十分に考えていかないといけないということで、是非先生方の積極的な御意見、有意義なサゼスチョンを基にまとめていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは早速ですけれども、事務局から委員の出欠状況の報告と、配付資料について確認をお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  本日の出欠状況でございますけれども、太田委員、それから松原委員が欠席でございます。
 それから配付資料について確認をさせていただきたいと思います。まず、議事次第が1枚ございます。それから資料1でコアカリの中間まとめ。資料2としまして「薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について」というもの。資料3でございますが、同じものですけれども、それの見え消し版がございます。それから資料4としまして、「今後の想定される検討スケジュール」という1枚の紙がございます。それから、参考資料ということで机上に置かせていただいておりますけれども、参考資料1として「全体に対する意見」というもの、参考資料2としまして「『薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について』に対する意見」というもの。参考資料3としまして「『薬剤師として求められる基本的な資質』に対する意見」。参考資料4として、「大項目(A~F)に対する意見」というものがございます。それから参考資料6でございますが、これは「アンケート回答を踏まえたC~Fに関する修正のポイント」でございます。それから、参考資料5というのが水色の紙ファイルでまとめさせていただいています。「大・中・小・SBOs」に対する意見というものでございます。
 それから、それ以外に机上には、前回までの会議資料として黄色の紙ファイルのものと、現在の薬学教育モデル・コアカリキュラム、医学と歯学のモデル・コアカリキュラムの冊子を置かせていただいております。
 足りないもの等ございましたら、おっしゃっていただければと思います。
【市川座長】  どうもありがとうございました。
 それでは次に、文部科学省の方で人事異動があったということをお聞きしておりますので、御紹介をお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  医学教育課企画官でございますが、渡辺企画官から、平子企画官が7月2日付けで着任をしております。
【平子企画官】  平子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【市川座長】  それでは、議事に入らせていただきます。議事のまず最初であります薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂に向けた作業でありますけれども、アンケート結果を踏まえて修正をしていくその方針について討論をしていただきたいと思います。御承知のように、前回の会議以降のことを振り返りますと、薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について中間まとめ及び薬学教育モデル・コアカリキュラム中間まとめについて、各大学及び関係団体に対してアンケート調査が4月の中旬に行われて、それが5月の中旬に回収されて、それ以降、文部科学省の方で、先ほどありましたように整理されたものが今ここに冊子体としてまとめられたものであります。これをお読みいただいて今日の議論をしていただくわけですけれども、アンケートを踏まえてコアカリキュラムの具体的な修正作業を、今後、日本薬学会の作業チームで行っていただくことになると思いますが、この委員会として、修正の方針や観点を整理して薬学会に伝える必要があると思います。その意味で今日御議論いただきたいわけですけれども、アンケートを御覧いただいて、修正の方針等について御意見があれば、まず最初にそれを自由に提案いただいて、それから、それらをまとめて文章にして日本薬学会の方にお渡しするというのがこの専門委員会としての立場ではないかというように思います。まとめ全体に対しての御意見を委員の方から頂きたいと思うんですけれども、非常に大きなものでございますから、どこから議論していくかというのは非常に難しいわけなので、私の方から少し区切って話題を出させていただいて、話を進めていきたいというように思います。
 まず、一つのポイントとしては、全体の分量とか、各大項目間の整合性あるいは統一性、文章体の整合性について委員の先生方の方でお読みになって感じられたことを少し自由に出していただければというように思いますけれども、いかがでございましょうか。
 これは日本薬学会でこの冊子の資料1のような形でまとめていただいて、それでこの数は前のモデル・コアカリキュラムが1,450ぐらいあったわけですけれども、それが大体1,000ぐらいになったということで、ほぼ7割にスリム化されました。一番大きなポイントは、従来、各大学の先生方が使用していたときに、SBO数が非常に膨大過ぎて教育そのものが少しそれにこだわらざるを得なくなり、十分な大学の個性ある教育ができないという意見があったわけですけれども、その意味では改訂版はよく全体としてはまとまったということになるかと思います。それで、そのアンケートの中で、特に最後の参考資料5のSBOに対する意見のところにも多く反映されておりますけれども、新たな項目、SBOを増やしたりするもの、あるいはもうちょっとレベルの上の中項目あたりまで本当は踏み込んでいるような御意見も入っております。そういたしますと、全体像としては増えてしまうようなことになってくると思うのですけれども、その辺を含めてこの作業を進めていって、全体も増えてもいいとするのか、従来の大きさというかサイズはこのままにしていくのかというところあたりはいかがでしょうか。それは内容によってもちろん違うことはもう重々承知ですけれども、大きな枠として、余り増えない方がいいんじゃないかという御意見、あるいは増えていってもしようがないんじゃないかという見方と、それによって作業する方々が大分違うと思うんですね。だから、この委員会として大枠を決めておいた方がいいと思うんですけれども。
【丸岡薬学教育専門官】  最初に資料を簡単に説明させていただきますか。
【市川座長】  それでは、資料の説明をお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  そうしましたら、最初に簡単に資料を説明させていただきます。参考資料1でございますけれども、これは全体に対する意見の中で更に全体に対するものを事務局で整理したものでございまして、幾つかの項目にまとめられるものについてはまとめております。例えばその1枚目、参考資料1の1ページ目で、分量に関する意見ということで、依然として多いのではないかという意見が幾つかの大学から出ております。また、2ページ目をめくっていただきますと、全体の整合性、統一性に関する意見で、GIOですとかSBOでの記載の不統一についての意見が幾つか出されております。例えば、左側に番号を振っておりますけれども、15番ですとか16番、あるいは先へめくっていただきまして、4ページのところに31番あるいは33番、38番、こういったところで表現の不統一あるいは記載の不統一があるのではないかという意見が出されております。またそれから、SBO自体にいろいろな深さの違いがある。概括的、包括的なものと、具体的・詳細なものが混在しているというような意見が、例えばこの21番のところですとか、24番のところ、あるいは27番のあたりにそういった意見が書かれております。
 また、資料をめくっていただきまして5ページのところでございますけれども、個別事項の追加を求める意見というのがございまして、この中で、例えば放射性医薬品の話ですとか、日本薬局方の話、あるいはめくっていただきますと、医薬品の開発の関係についてなくなっているので追加すべきではないかというような意見が出されております。
 また、これ以外にも、9ページ以降には共用試験の関係ですとか、実習の関係等についての意見がございます。
 それから参考資料2と参考資料3というのは、また後の議題で使われるものでございますので、先に参考資料4を御覧いただければと思います。これはそれぞれの大項目に対する意見でございますけれども、例えばこの中に、大項目の項目の名前を変えるべきだというような意見も幾つかあります。そういったところについては、またこの場でも、必要であれば御議論いただければと思います。
 それから参考資料6というのを御覧いただければと思います。これは横の表ではなくて文章で書かれたものでございます。この参考資料6につきましては、それぞれの項目のSBOに対する意見につきまして、あらかじめ何人かの先生方に御覧いただいて意見を頂いたものでございます。この中では、例えば各意見についてきちんと確認してほしいということですとか、あるいはGIOについて書き方がばらばらなので統一すべきではないかというような意見がされております。こういったあたりも参考にしていただきながら御議論いただければと思います。
 説明は以上でございます。
【市川座長】  ありがとうございました。今の資料の説明、概略ですけれども、それなども参考にしていただいて、議論を進めます。最初に全体のボリュームということに関しての話題などいかがでしょうか。
 井上委員、どうですか。
【井上委員】  口火を切らないとなかなか意見が出ないかもしれないので、今、市川先生は、いろいろと追加すべきであるという意見がいろいろとあると。それを基本的には受け入れる方針にすべきなのかどうか、トータルのボリュームをどうすべきなのかという、そういう問題提起だと思うんですけれども、こういうアンケートをとったら、あれが足らない、これが足らないというのが絶対出るに決まっているんですね。だから、それを全部基本的には取り入れるという方向だとすれば、それはもうボリュームとしては、そうじゃなくてもボリュームが決して7割になっていないというような意見も結構あるという中では、もし増やすのであれば、基本的にはどこかを削るぐらいのつもりでいかないと、トータル7割を達成すべきものにはならないと思います。
【市川座長】  奥委員、どうぞ。
【奥委員】  せっかく減らしたので増やすのは反対ですけれども、ただ、こう見ていると、例えば局方とか放射とか極端に減ったものを増やすという意見がありますね。全く増やさないという前提でやってしまうと、せっかく意見を集めたのが有効に生きないので、そこら辺は考えて、ただ、極力増やさないで必要なものは入れていく。逆に、今、井上先生が言われたように、むしろ減らすことも考えつつやっていくということで、余りストイックにやると、アンケートでせっかくいろいろな意見が出ている意味がなくなってしまうので、そこは精査していただくということじゃないかなと思います。
【市川座長】  はい。多分、大きな方向は今の御意見のようなことになるかと思うんですけれども、実際に作業チームの検討をされていらっしゃる松木先生の方から。
【松木氏】  前回のこの委員会のときには作業がまだ間に合わなくて、EとFを出していないというような段階だったんですけれども、やはり膨大な作業で、結局、文科省からの公募事業で我々が応募したんですけれども、非常に予算的な制約がありまして、最後はかなり薬学会の持ち出しにならざるを得なかった、それでも終わらなかったというのが実情です。ですから、文言の統一とかそのようなところは、最後はやったんですけれども、いかんせん、もうみんなで読み合わせる時間とか全くないというような状況ですので、文言の統一性がないというのは本当にそのとおりだと思います。
 それからあと、SBOですが、数だけいえば少ないのですけれども、やはりSBOを作っている最中に二つを合わせて一つにしたとか、そういうようなところもあるわけです。確かに御指摘のように、御意見がありましたけれども、SBOがそれぞればらばらであるとか、内容がよく分からないとか、結局は、これは多分今までのSBOが授業内容と一致しているというか、一つが一コマというような形で書いてあるところがありまして、ですから、そうするとこれじゃあ教えられないとか、多分そういうことになってくると思うんですね。今回の方針としては、かなりフレキシブルにする、ここでSBOに書いてあることを一コマにするということではなくて、こういうことが全体的に最終的にアチーブメントとして到達できればいいというような考えで書いておりますので、それを全く、これを教えなければならない、この項目が入っていなきゃいけないということで入っていくと、結局今までと同じようになってきて、本当にもう首が回らないというか、本当にアップアップの状態になります。ですから、ある程度フレキシブルであるというところは認めていただいて、そのような書き方でいくというところをやらないと、SBOを増やすか減らすかということだけでいくと、単純に減らすんだったら、もう本当に二つか三つくっつけて一つにすればそれで済んでしまいます。ですから、その辺のところをフレキシブルでもいいというようなことでお認めいただきたいと思います。
【市川座長】  実際作業をされる方の、これを読まれての判断は非常に大きいと思うので、お任せをする格好になるわけですけれども。多くの意見、いろいろなところでこれを追加してほしいという非常に多くの皆さんが指摘している内容は、まず取り入れていくというようにしてもらって、その取り入れの仕方はもちろんSBOで増やす場合もあるでしょうし、文言の訂正ということもあり得るでしょうけれども。
 伊藤委員から何かありますか。
【伊藤委員】  実際に資料を見せていただくと、それぞれの指摘がそんなにむちゃなものではなくて、比較的妥当というか、皆さん真面目に考えて指摘されておられるので、やはりそれに関して、最初からとにかく増やさないんだという形でいくのは、何か好ましくないかなという気はします。明らかに今の案よりも修正が掛かっている、あるいはいい意見だというものもあるので、それは取り入れながらというのがいいんじゃないかと思います。
【市川座長】  赤池委員、どうぞ。
【赤池委員】  基本的には、松木先生がおっしゃったことと同じような内容になろうかと思いますけれども、私も、医療関係の方の個々の意見を事前に拝見させていただきました。現行のコアカリキュラムを実際に実施されているということもありまして、御意見を寄せられた先生方はコアカリの内容についてもしっかりと把握されて、こういう言い方が適切かどうか分かりませんけれども、しっかりとした妥当な御意見を出されているようには思います。ただ、全体に対する意見と、個々の意見とを比べてみると、全体に対する意見では多過ぎる、もうちょっと減らせという意見がどちらかというと多いのに対して、個々の意見については、どちらかというと、これも入れましょう、あれも入れましょう的な意見が若干あります。やはりそれについては、全体での統一性ということも含めて、どうしても入れる必要があるものは内容を精査して加えていくことになろうかと思います。全体としてのボリュームはやはり増えないように配慮すべきかなと思います。
 あと、その全体に対する意見についても、個々の意見でも感じましたのは、全体の統一性について、特に一般目標、GIOについては表記が統一されていないという御意見が結構あったように思います。それについては、確かに時間的な関係もあって作業の方でそこの部分が十分に統一され切れていないというところが確かにあるように思いますので、少し全体を通しての表記、特に書き方の問題だろうと思いますが、それは統一していくべきかなというふうには思われます。
【市川座長】  統一の場合のGIOとSBOとの関係ですね。それについて何かもう少し具体的に御意見があったら。
【赤池委員】  一つの意見ですけれども、少なくとも小項目の中のGIOについては、いわゆるニードの部分までしっかりと書き込むというのは、結構重複したりいろいろと困難な部分がありますので、場合によっては、実際にこの改訂案の中でニードの書き込まれているGIOと書き込まれていないGIO、あえて抜いているところとあります。それは少なくともどちらかに統一した方がいいのではないか。でないと、多分そういう指摘だろうと思いますけれども、読まれている方も混乱されているようなところもあったように感じられましたので。場合によっては、難しければ、少なくとも小項目のGIOについてはもうニードの部分は省くというのも一つの方法かなというふうには思います。むしろ中項目ぐらいでしっかりとニードを書き込んでおいて、小項目についてはもうニードは無しという案でもいいのかなと。まあこれはあくまで一つの意見というふうにお伺いいたしました。
【市川座長】  今のGIOの書きぶりというのは非常に指摘が多かった内容ですね。その辺、ほかの委員でどなたか。伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  実際に今、ニーズの部分はなかなか書きにくいとは思うんですけれども、資質が浮いてしまうというか、資質とのリンケージを示すのがそのニーズの部分なので、できればあった方がいいのかなと。今はそういう意味では、きちんと資質とのリンケージもうまく明示されていないし、うまく書けていないんですけれども、できればあった方がいいのかなという気は個人的にはいたします。
【市川座長】  はい。松木先生。
【松木氏】  資質との関連性なんですけれども、それは当然議論したんですが、結局例えば、基礎的な科学的な知識というところは、例えばこのCとかDとか全部書かなきゃいけないということになってしまって、それで、これはもう当然大きな大前提として、資質を当然達成するためにということなんですね。ただ、それが書いてないために、また今度、理解するためにというのがGIOはおかしいというような意見が出てきちゃっているというのはちょっとあれなので、やはりもう大きな全体としてその目的でやっているというところをやっていかないと、かなりのところに同じことを全部書かないといけないということになってきてしまうんですね。その点のところだけがありました。
【市川座長】  奥委員、どうぞ。
【奥委員】  ニーズに関しては、医学部の方はたしか書いてないんですよね。だからもうちょっと考えた方が良いと思います。
 それから、書きぶりですが、今これをずっと見ていると、やはりAとBのところについて、かなりいろいろ意見が出ていますよね。SBOでも、例えば「討議する。」とか「行動する。」とか「考えを述べる。」とか、それで統一できているのかなという感じは持ちます。ただ、A、Bは少し違うのかなとも思います。GIOについても、「学ぶ。」で終わっているのはどうかという意見があるので、そこら辺はほかのC以降とはちょっと異質だなという感じがします。もう少しA、Bの扱いを考えていただいて統一した方が良いかなという気は多少します。
 それから、タイトルとかはどこへつけるかとかは、最後に決めたと思うので、もう一度統一した方が良いと思います。ニーズは書くところと書かないところがあるとまずいので、この委員会で決めてもらった方が動きやすいかなという気がします。
【市川座長】  そのニーズのところで、先ほど伊藤委員からあったような基本的な資質10項目というものができるだけ分かるようにそれぞれ入れた方がいいのではないかというのがこの委員会での議論であったわけですけれども、その入れ方に、さっき松木先生から、実際作業をやってみたらものすごく同じようなことをたくさんやっていかなきゃいかんという指摘がありました。非常にこれは文言的にも文章的にもおかしくなるので、例えば一案として、前に伊藤委員だったかな、番号をつけて入れるのも一つの手じゃないかという意見がたしかあったような気がするんだけれども、学生の目から見て、この項目は基本的資質のどれに該当しているのかというのを、例えば1番から10番があったら、これは3と5に関係しているとかいうのは何か数字的に入れておいてもいいんじゃないかというような意見が確かここの中であったような気がするんだけれども、そのあたりどうでしょう。
【奥委員】  特に基礎の方はほとんど基礎的知識の修得なので、これが基本的資質のどれに該当するというふうにやらなくても、全体を学んだ結果、基本的資質の10個がカバーされれば良いわけです。だから余りそういうふうに番号などを入れるのはどうかなと思います。意外に読んでみると分かりやすく書いてあるので、薬学基礎はこれで良いのかなという気がします「何々のために」を付けられるところは大体付けてあるし、付けられないところは無理に付けなくてもいいと思います。今の体制で、もう一度精査してもらえば良いと思いますが。
【市川座長】  このあたりの、奈良先生、医学部の書きぶりについて、もう一つ何かヒントになることがあれば。
【奈良委員】  奥委員から御指摘のとおり、医学の方は特にニーズは書いてなくて、というのは、もう当然であると、そういうことが前提の上で書いていて、なおかつボリュームを増やさないということで、医学だとかなりボリュームを気にして、やはりこれでも少ないんじゃないかという意見はいっぱいあるんですけれども、それはもうやっぱり大同小異のところがありますので、かなり抜本的に変えています。でも、これでもまだ多いという意見がありますので、増やさない方向で行っています。
【市川座長】  ほかに、今のボリュームの問題ですね。それから書きぶりについてもあったのですが、それらは今後少し整理してもらえればと思います。確かにA、BとCでは違うというのは私も感じますし、その辺の書きぶりを統一するということと、それから前から問題になった文言の中で、概説できるという言葉と、それから説明できるという言葉、これは最初の1回目を作るときも、概説はざくっと言えればいいんじゃないかというのと、説明はもう少しきちんと言えなきゃいけないんじゃないかという説明があったと思いますが、この辺確かに、これを全部説明するのと、そういう理解からいくと説明できると書いてあったら、これは症例、疾患を全部説明できなきゃいかん、これは大変じゃないかということにもなるし、じゃあ概説に分けるのかと、この辺の統一性をどうしたらいいかというのは。
 伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  これはSBOを書く側からすると、結局語尾は動詞一つで閉めなくてはいけないという制限がありますので、概説と説明というのは、もう書く側の苦肉の策だと思うんですよね。ですから、これを駄目と言ってしまうと、本当に逆にいうと細かく書き分けるようなことをしなくてはいけなくなるので、私はやっぱり認めざるを得ないんじゃないかという気はするんですけれども、ニュアンスは伝わるように思います。
【市川座長】  奥委員、どうぞ。
【奥委員】  今、伊藤委員の言われたとおりで、SBOを決めるときに、ここは結構議論したところです。これは概説にしようか、説明にしようかと。これは概説程度でいいんじゃないかとか、これはやっぱり説明にしましょうというのをかなり議論して決めているので、それなりにみんな頭の中にイメージがあると思います。説明と書いたからものすごく細かくて、概説だとものすごくざっくりしているというイメージではなくて、概説はより大づかみでよく、説明というともう少し細かく理解しているというようなニュアンスで皆さんやられていると思うので、それで良いと思います。
【市川座長】  あと何か、統一性に関してお感じになったことがありましたら。
 伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  やはり最終的に、先ほど松木先生から発言のあった、それぞれの分量は考えないでとりあえず書いていこうということは分かるんですが、結果として見ると、やはりこの部分のSBOは多い、少ないという議論になっていって、今出来上がっているものに関して言うと、やはり重みの違うものがすごく混ざっているという感じはします。ですから、できればそれぞれの分野ごとである程度重みを調整した書き方というようなことを議論していただいた方が、プロダクトとしては読みやすいんじゃないかなという気がします。
【市川座長】  それでは、アンケートに基づいて精査していく過程で、少し分野ごとにSBOの中で重みを考えながらもう少しブラッシュアップするというようなコメントを記載ということでよろしいでしょうか。
 赤池委員。
【赤池委員】  もしこのモデル・コアカリキュラムとしてSBOの重みといいますか、ある程度示すものを統一するとしたら、分野ごとでは不十分であって、それはもしするのであれば、分野を越えてやらないと、かえって混乱を招くのではないでしょうか。ただ、もしそうするとなると、もう一回改訂作業をしないといけないぐらいになりますので、この期間を1年ぐらい延長するのであれば可能ですけれども、そうでなければ、多少細かい手直しはできると思いますけれども、本質的にもう1回やり直すということになるのではないかと思います。ただ、分野ごとの統一については、私は反対です。それはかえって混乱を招くと思います。
【市川座長】  伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  少なくとも、全ての分野の方がそろってお互いを吟味し合うというか、批判し合ったり、意見を交換してある程度修正を掛けるぐらいのことはできるのではないかと思うんですけれども、読む側としては、やはり余りにも密度が違い過ぎると混乱するんじゃないかという気がします。
【市川座長】  赤池委員、どうぞ。
【赤池委員】  統一という言葉にちょっとこだわったものですから。今おっしゃるぐらいのことでしたら、当然すべきだろうというふうに考えます。ですから、なるべく合わせていこうという考え方でもう1回見直すということでしたら、それはもう是非すべきだろうと思います。
【市川座長】  今度の改訂の内容を見ると、重複がすごく減ったなというのが第一印象として感じました。でも、もう少し分野間の整合性をとるということもあってもいいのかなというようなSBOもあります。次の作業は、もちろん言うことではないんだけれども、できるだけそういう分野間のお互いの横つながり、そういうものを見ながら最後の整理をしていただきたいというのは私も感じます。
 この辺、もちろんずっと作業をやられている松木先生の方から何か、そういうものを加えてできるだけ横のつながりを重視していただきたいということですよね。
【松木氏】  はい、そこは努力したいと思いますけれども、分野ごとの先生はかなり議論を進めているので、各分野の中ではある程度の統一はできているのだというふうに思います。ただ、その分野間は、やはり専門が違うとなかなか相手の重みというのはよく分からないところがありまして、それぞれの先生の重みというのがありますが、まあ書き方とかそのようなところをなるべくというところです。
 それから重複をなくすというところでは、主と従というふうに分けて、何々参照という形で、かなり学生にとっては理解しやすいように書いたつもりなんですが、さっきざっと見たところ、参照というのがいいという意見は一つも書いてないので、まあ悪いというのもないんですけれども、そこのところは少し強調しておきたいと思います。
【市川座長】  奥委員、どうぞ。
【奥委員】  分野内のはかなりやりました。今度もアンケートの意見を基に、分野内ではSBOの統一をやっていくと思いますが、実際には分野間の調整ができていません。時間がなくて1回もやってないと思うし、今、松木先生が他分野のことは言いにくいというのもあるけれども、分野間でやるとしたら、1回どこかでやらないといけないけれども、難しいところもあるかなと思います。
【吉富副座長】  奥先生が言っている分野間というのは、例えばA、B、C、D、E、Fという大項目があるでしょう。その中の、例えば薬学基礎教育のところで生物と化学と物理とかあるじゃないですか。
【奥委員】  そこは結構やっています。
【吉富副座長】  そこはやっているけれども、例えばA、B、C、Dについてはやっていないですよね。そういう会議というのは薬学会の中で上部構造的に作れるんですか。
【奥委員】  いや、今までは時間的にも無理だったということです。
【吉富副座長】  いや、それができたらGIOとかいうことの統一は自動的にそこの部会が作業していくことになるんじゃないかと思うんですけれども、気が遠くなるほど大変そうなので。
【奥委員】  大変です。
【市川座長】  そうですね、私が思うのは、この委員会でも最初の方にあったと思うんですけれども、実務実習のFの部分ですね。Fと基礎的なほかの項目との間のつながりというのがなるべく分かる方が、学生は、この実務実習、いわゆる現場の応用のところの基礎をやっているんだと、こういう関係が分かるから良いのではないかということで、そういう議論もあったんだけれども、今の話は、結局そういう面での、言うならCとFとの関係とか、あるいはA、BとF、あるいはA、B、CとFとのつながりとかいう、D、Eも入れてですけれども、Fとの関連というようなことですごく煮詰めてもらったらいい改訂になるんじゃないかと思うんだけれども、その辺いかがでしょう。
 松木先生、どうぞ。
【松木氏】  先生のおっしゃるところは検討は一応したんですけれども、やはり余り1対1に対応するところはないというので、やはりこれは全部のところにつながるとか、そういうのがありまして、なかなか、じゃあ書いてないやつは全く関係ないのかというと、関係あるので、本当に難しいというところで、あと作業も大変だというところで、ペンディングになっているというところはあります。ただ、Eの書き方はFをかなり意識して書いているはずです。
【市川座長】  今のことに関して平井委員、何か。
【平井委員】  Fのところが重きが置かれているということで、ほかとの関連性というのは、それを書くのはコアカリの仕事ではないんじゃないかなと思います。やっぱりそれは各大学での教育内容を考えていただくということが大事だと思うので、松木先生もおっしゃったように、EとFはある程度関連性があると思いますけれども、そのほかの部分というのは、確かに国家試験でそういう複合的なものが出されるようになってきているので、ということは、実際に教育の現場でもそれが根付きつつあるということじゃないかなと思いますので、コアカリであえてそれをする必要はないんじゃないかなと思いました。
【市川座長】  それからもう1点、先ほどもあったけれども、中項目で、例えば日本薬局方という言葉が今度の改訂版で1項目として消えて、いろいろなところに分散した形になっているのだけれども、これに対してのコメントというのは、局方関係の先生からも非常に強く指摘されています。薬学を出た人は少なくとも局方は必ずはっきりとしたイメージを持っている必要がある、ずっと教育がそうなっていたし、私もそう思うんだけれども、分散すると、局方の実態が学生の意識からすると分析は分析、臨床は臨床と、こういうような別々の項目として理解してしまうことになり、まずいのではないかという御指摘だと思います。こういう日本薬局方の取扱いが、また、放射性医薬品の取扱いの場所にもあります。それからもう一つ言葉として、先ほども創薬、医薬品開発に関しての言葉が前にあったのですが、項目がなくなったわけだけれども、それに対してもう少し入れたらどうかという意見も指摘されていますが、この辺について少し御意見を伺いたいと思います。
 松木先生。
【松木氏】  薬局方に関しましては、抜けてないことは確認したんですけれども、薬局方というような言葉で表現はなかなか出てきていないところはあるかもしれません。ただ、落ちていないということはしっかり確認はしております。やはり教えている側の先生は自分の科目名が入っていないと非常に不満に思うのかもしれないんですけれども、やはり内容重視というような形で、これ全体を通してですね。だから、この項目はどの科目で教えるとか、そういうようなことも外してやっているはずなんですね。だからかなり大幅な改訂ができたので、これをまたどの科目でと科目ごとにまとめていくと、また元のように戻ってしまうので、そこは書き込んでいるというところを説明すれば分かってもらえるんじゃないだろうかというふうに思いますが。
【市川座長】  そうですね、局方関係のたまたま集まりに私も出たことがあるんだけれども、やはり何か今の学生は時々、卒業生が局方って何と言うこともあるのだそうでして、そういう学生が出てくる可能性がゼロとは言えないと。内容は分かっているけれども、局方という言葉がないと、何か、古い人間にとってはバイブルみたいなものがあって、それでそこに基づいてということになっているわけだけれども、その辺の言葉を、例えばBの項目とか何かのところに見えるような格好になるといいのかなというような意見だろうと思うんですね。その捉え方についてもう少し何か熟慮をということで、何か。
 伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  以前の、今のコアカリのときもそういう全く同じような議論があって、結局、イントロダクションの一番最後に日本薬局方というのが一つだけSBOが入ったんですよね。ですからこれは、例えば最終的にこのコアカリに索引を付けるとすると、薬局方という言葉は出てこないという形になってしまいますので、妥協案としては、こういう形で1個概説という、今ですと日本薬局方の意義と内容について概説というのが入っているんですけれども、こういうのは置いておいてもいいのかなという気はします。
【入江委員】  日本薬局方の話が出ていますが、確かに、物理系薬学の中には、日本薬局方に収載されている試験法について取り扱っています。しかし、全体を網羅できていませんので、ほかの領域との打合せが必要だったのですが、時間が足りませんでした。ですから、今度の改訂で確認すれば良いと思います。ただし、改めて薬局方という項目立てをするのは難しいと思います。
【市川座長】  創薬と医薬品開発ということについても幾つかの御指摘があったのですが、長野委員、何かその辺で。
【長野委員】  先ほどから議論がありますように、大枠はまず減らさなければいけないという、それで各論になると、今度はどうしても今の薬局方に代表されるように入れなきゃいけないとか、創薬をやる者としては、当然医薬品の開発は是非なければいけないんじゃないかという気はもちろん持っていますけれども、あえてそれはまた入れてもらいたいと言えば当然増えるわけですから、アドバンスの方でも仕方ないのかなという気は持っています。何が何でも入れろということであれば、ほかのところも当然入ってくるでしょうから、まず第1に重要なのは、やはりできるだけスリム化しないと、余りにも膨大なものを基盤としてやるということになると、もうそれだけで目いっぱいで、とてもとてもこれは7割なんていう感じじゃないと思うんですよね。もうこれで十何割になっているんじゃないかなという気がするんですね。そうすると、やっぱり薬学の元々の教育がちょっとゆがめられる。各大学が特徴ある教育ができていくというのがまず大きな基本方針じゃないかなと思うんですね。
 今の先生の御質問とちょっと関係ない話ですが、先ほどのニーズ、理解するためにとか、それから概説あるいは説明できるという問題もあったんですが、そういうところもできるだけ簡素に書く、つまり、当然ニーズで何のために理解するかというのが問題だったと思うんですけれども、ただ、そこも書き込むと、松木先生が言うように、全部に同じような文言を書かなきゃいけないということになるので、であれば、つまりこの検討委員会が苦労したところの概説と説明のそういう何なのかというコメント、注釈を付けるような、そういうことで統一するみたいな格好の、それから理解するためにというところの文言の深い意味のところを、最後の方に何かまとめて、注釈するのか何か分かりませんが、書いておいて記録に残す、あるいは各先生側から見えるという格好であれば、そういう意味で分かっていて理解するためにと書いているんだなとわかる。つまり、何のために理解するかということはもう当然だからというのはある程度あるわけですね。本来であればそれは何のために理解するか書かなきゃいけないんだけれども、書くのであれば、全部に同じ文言が入ってくるのは確かにそのとおりであって、であれば、それを何らかの形で注釈する。ですから、基本方針としては、できるだけスリム化するのを第一義にしないと、また前と同じコアカリになってしまうんじゃないかなという私は気がしています。
【市川座長】  ありがとうございます。まとめをしていただいたような形なので、そんなようなことを、ここに薬学会の松木先生もいらっしゃるし、それから委員もたくさんいらっしゃるので、そのようなことも配慮しながらブラッシュアップしていただければと思います。
 先ほどありました、創薬、医薬品開発なんかの問題は場合によってはアドバンスという御意見がありましたが、アドバンストの考え方というのは、後でもう一度議論させていただきたいと思います。
 それでは、大筋、分量、全体のことですけれども、分量とか整合性、統一性に関しては委員の先生方の意見は今まとめていただいたような形でよろしいですか。
 はい、中山委員、どうぞ。
【中山委員】  アンケートのコメントの中で気になったのが、全体の方に入ると思いますが、参考資料4の15ページの124番目というのは、「学生中心の学習という立場からは、項目名から「教育」を削除した方がいいと思います」となっているのですが、全体的に項目で薬学基礎教育、衛生薬学教育、医療薬学教育、薬学臨床教育と、ここで教育というのが付いているんですけれども、私の目から見ても取ってしまってもいいのかなという感じがあります。歯学教育のモデル・コアカリキュラムにはこの教育という言葉は使っているんですが、カリキュラムで、知識体系をカリキュラムに表していくときに、「教育」という形は余り使わないのかなと思ったものですから、その辺は先生方の御判断でいいんですが、気になりましたので、そのことをコメントさせていただきます。
【市川座長】  ありがとうございます。今の点について何か。
 伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  教育を全部取ってしまうと、Fのところが多分これは臨床薬学という言葉になってしまう。そうすると旧来のイメージがまた強く出てしまって、違ってくるかなと。それ以外のCからEまでは取ってもいいんじゃないかと思いましたけれども。ちょっとFが取りにくいということで、ほかに言葉がなかなか見つからないかと思います。
【吉富副座長】  Fのことを確認したのですけれども、例えば臨床教育を薬学臨床実習とか臨床学習というふうにしてしまえば、内容的には同じことですから、教育とかいう教育者側からの発言じゃない文章の方が落ち着くかなとは私も思いました。
【市川座長】  これはどうですか、ほかの委員の方。
 奥委員、どうぞ。
【奥委員】  最初まとめるときに、衛生薬学は教育が付いてなかったのです。それで統一するために付けたのですけれども、なくても良いことはその通りです。ただ統一のために付けるのだったら付けましょうということで付けたので、基礎薬学と衛生薬学、医療薬学でも全然構わないと思います。だから、Fのところだけ今言ったように何か変えれば取ってもいいのかなと思います。
 それから、先ほどの薬局方は、どこかAかBで本当はSBOを一つくらい入れられたら良いと思います。言葉は残したいという気持ちはすごく強いと思うので、薬局方という言葉が分かるようにSBOに残しておいても良いと思います。
【吉富副座長】  そのうち「やっきょくかた」という読む学生がきっと出てきますからね。
【市川座長】  字を間違える人もいますから、最近は。
 先ほどに指摘のあった教育という言葉は大きな問題なんですけれども、ずっと付いたまま動いてきているわけですけれども。
【奥委員】  いや、統一すれば取っても別にかまわないかもしれないです。
【市川座長】  うん、なくても。そういう気もしてきたですね、確かに。だから、薬学臨床教育のところ
を考えると。まあ薬学臨床、臨床薬学。いかがですか、永田委員。
【永田委員】  例えば参考資料6の、これは単なるたたき台ですけれども、Cが薬学基礎教育というのを薬学基礎でやめてしまっても誰も疑問は感じないですよね。
【市川座長】  ああ。そうすると薬学臨床で止めてもいいと。それはどうですか。
【永田委員】  ですから、160番のこの出し方で良いと思いました。
【市川座長】  これは多分ここで決めていい問題ですね。まあ、もちろん承認は上の薬学系人材養成検討会になるけれども。じゃあ検討会の方に、取るという意見が多かったということで、取った形で上げてみてもう一度御議論いただくと。
 松木先生、どうぞ。
【松木氏】  今まとめているのが薬学教育モデル・コアカリキュラムなんですけれども、これもやっぱり取れということですか。
【市川座長】  それは取らないですよ。
【奥委員】  そこに付いているから細かいところでも。
【松木氏】  ええ、そうなんですね。だから、全体としては教育のコアカリキュラム。
【市川座長】  全体の教育コアカリキュラムということですね。大勢はそうなってきたので、私は教育があってもいいのかなと思ったんだけれども。
【松木氏】  さっきに戻るんですけれども、例えば薬局方の中の生物学的定量法とかは、33ページのEの中にも書き込んでいるんですね。日本薬局方として、分析法のところは物理に。
【市川座長】  ええ、幾つかに分かれています、3か所ぐらいに分かれている。
【松木氏】  薬局方という形で項目を立てると、それは本当に臨床でも必要だし基礎でも必要だしということで、どこに入れるかというのはちょっとあるので。
【奥委員】  本来、全体を俯瞰(ふかん)するAか、Aにはちょっと入れにくいかもしれませんが、そういうところで薬局方のようなものをきちんと一回定義しておくというのがいいのかなと思っただけです。大きく取り上げる必要は全然ないと思いますが、どこかのSBOに一つくらいに入ればいいかなということです。
【市川座長】  これは作業のときに検討していただきたいと私も思います。キーになる言葉を取りますと概念が本当に消えていってしまうということがあり得るので、AかBかどこかのところに小さいSBOでもいいですけれども入れておいて、概説できるとか何かで入れておけば、そういう言葉を覚えると思うんですね。それがばらばらにほかのところであってもかまわない、細かい内容は。
【平井委員】  Aのところとかに関わっていたので。ここに、先ほど松木先生がおっしゃった33ページのところに日本薬局方という項目が立っているので、そこで説明するというふうに書いておいた方が、わざわざAのところにもってこなくてもいいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
【市川座長】  33ページ。
【平井委員】  EのE1の(1)薬の作用の最後のところに日本薬局方とかと書いてあるので、そこで日本薬局方について概説するとか何か、そういうふうに入れておいたら駄目なんですか。
【市川座長】  結構授業では前の方で使っているんじゃないかと思うんですよ。物理とか分析とかそういうところで多分教科書的には使っていると思うんです、今。
【伊藤委員】  分野ごとのところに書いていくということになると、それぞれ関係する分野が逆に全部薬局方というものを書かないと、その部分だけになってしまいますよね。ですから、何か概説というのがあった方が逆に言うと数は増えなくて済むんじゃないかという気はするんですけれども。
【永田委員】  ちょっとよろしいでしょうか。Fのところで、この参考資料4の23ページに当たるのですか、173番の意見というのがあるのですが、実際にFをこれからブラッシュアップしていくという状況で見てみますと、確かにスタートが31年ですから、5年先になります。そのときの状況を考えて、今の医療の現場を取り巻く薬剤師の環境という5年先を見据えることができるかというと、非常にあやふやな部分がたくさんありまして、そういうことを考えていきますと、これは非常に貴重な意見だなとは思いつつも、ほかの意見を見てみますと、やはり医療機関の中の薬剤部のレベルの差、薬局のレベルの差、様々な施設間格差があるので、5年先を見据えたものをうまく取り入れるような形でブラッシュアップをすべきなのか、あるいは今の現状からほんの少し上のものって一体何だと考えながらブラッシュアップをすべきなのか、検討をしておく必要があります。
【吉富副座長】  参考資料ですか。
【永田委員】  4です。4の23ページの173番。
【市川座長】  これはここの議論では、多分5年先ぐらいを見据えたような形で取り入れていった方が、今、進展がものすごくこの領域は早いということを前提に議論が進んできて、そういうものが取り入れられるような形で入っているのかなと私は見ておりました。ただ、これを実際にどうやってこれから教育の中にこうやってうまくやっていくかということに関しては、また別個検討する組織を作らなきゃいけないんじゃないか、あるいはそういう検討する場所というかな、そういうものを作る必要があるというようには感じます。それに関してもちょっと終わりの方で議論をさせていただこうかというように思っておりますので、そのときでよろしいでしょうか。
【永田委員】  はい。
【市川座長】  そうしたら、少し時間も押してきましたので、これから少し具体的なことで先生方にこの委員会としての了解をしておかなきゃいけない部分がありますので、よろしくお願いします。
 まず一つは、基本事項と薬学と社会ということに関してもたくさんのコメントを頂きました。それで、このA、Bについては、検討会でGIO、それからSBOに関しても追加を行っております。その部分についてどのように整理していくかというのは、この場でもいろいろ検討することも必要ですけれども、少し大筋で読ませてもらったときに、きちんとした検討をするための組織を作って確認作業をしていくということでよろしいでしょうかということなんですけれども。それで、A、Bについて、その組織としては副座長を含めて私と何人かの方々に集まっていただいて検討して、それを薬学会の方にお渡しするということにさせていただこうかと思うんですけれども、それでよろしいでしょうか。
 2点目ですけれども、この作業をこれから薬学会の方にお願いをすることになりますけれども、一応期限を付けてお願いをしようかというように考えております。この内容は、いろいろ検討するとすごく時間が掛かるようでありますけれども、ざっと読ませていただいた感じとしては、それぞれの作業チーム、それから今いらっしゃるところで適宜ブラッシュアップされるので、そんなに多くの時間は掛からないのかなという気もいたしますので、松木先生の薬学会の委員会の方で、まことに勝手ですけれども、全体を今年度いっぱいでまとめるという方向を原則として動いておりますので、8月末をめどにさせていただきたいということを思っているんですけれども、いかがでしょうか。
【松木氏】  作業自体はそうかもしれないんですけれども、どういう形で報告するかなんですね。特に、こういう質問や意見で勘違いのところも結構あるので、それに対する答えとか、あと、それをどういうふうにするかということを言わないと、多分また納得してもらえないんだと思うんですが、それをする作業が物すごく膨大なんですね、文章にするというのが。ですから、その文章にしなくて、いやこれは解決済みみたいなので、そういう形でよければできると思うんですが、何でそういうふうになっているかということを書き込んでいくのは結構大変な作業なので。その、どういう形でこちらに御報告すればいいかというところを決めていただければと思うんですが。
【市川座長】  以前の作業のときには全大学の人に集まってもらって、そのときに簡単な、こういう意見が多かったのでこう直しましたとか、そういうやり方だったんですけれども、確かに文章にするとものすごく大変だと思うんです。意見は全部で5,500ぐらいあるんですね。それに対して書くのは手間暇としても当然あれですし、特に今回の場合は、最後のSBOの段階の意見は全大学の各先生が全部書く、それぞれの大学の授業をされている個人の先生が書いている部分もたくさんありますので、かなり重複している内容も多いし、かつ細かいことも多いんですね。ですから、そんなことを考えると、全体のブラッシュアップという段階はもう薬学会の方でしていただいて、それを最後、文科省の方としてはどうされますか。発表会をどこかで公表されるときに、こうなりましたといって配るのか、その説明会をされるかということですけれども。
【村田課長】  その点についてはまだ今の段階ではどういうふうにするというのは決めておりません。そこは作業の進捗状況を踏まえながら、何らかの形で、頂いたものについてこういうふうに考えて直しましたということはお知らせする。それが説明会なのか文章なのかは別として申し上げる必要はあるんだろうと思います。ただ、今お話のように細かい事項一つ一つに全てお答えするというのは、ちょっと物理的にも難しいので、それができなかったということも含めて何らかの形で御説明はする必要があるのかなというふうには思っております。
【市川座長】  松木先生の方、それでよろしいでしょうか、大体お含みいただければ。
【松木氏】  もう細かなやつは当然不可能なんですけれども、その全体、例えば文科省でまとめていただいたこの番号に対しても、これも大変なんですけれども、これもまとめてでいいんですか。
【丸岡薬学教育専門官】  そこまでやっていただくというところまでこちらはイメージしておりませんでしたので、とりあえず、修正した新しいコアカリの案というものを8月末あたりぐらいまでにいただければ、次の作業に移れるというイメージでおります。
【松木氏】  そうなんですけれども、多分、今後のことを考えると、また次にいつ改訂するか分からないんですけれども、前のやつのときも、何でこういうふうにしたか、残した方がいいだろうという意見はあって、確かにみんなそうなんですね、すごく大変だということになって、多分、今回の改定作業とかそういう意見を頂いたやつに対して、また同じような意見が出てくると思うんですね、常に。ですから、その辺のところはしっかり文章にした方がいいことは確かなんですが、いかんせん、労力と時間と、あと費用も掛かるんですね。だから、その辺のところがあるんですけれども、何かまあその辺のところの妥協でいいというんだったら。どうですか、ここで委員の方、3人ぐらいいますけれども。私が8月末でオーケーと言ったら、またみんなに首絞められるかもしれない。
【入江委員】  全体の流れからすると、8月末が妥当なラインだと思います。ただし、かなり頑張らないと間に合いません。今言われたように、個々の意見に対してではなく全体的に皆さんの御意見を取り入れて、8月末までに作り上げ、早い段階で一度皆さん方に対して説明会を行うのが良いと思います。こんなふうな方針で改訂の作業をしましたということを説明した上で、その次のパブリックコメントにもっていくのがよいと思います。
【丸岡薬学教育専門官】  成果物としましては、改訂されたものを頂きたいというのはあるんですけれども、薬学会でどのような検討をされたか、どのようなお考えかということについて、何らかの形で説明会のようなものでメッセージを発する、そういったことも含めて将来に残すというようなことをまた相談させていただければと思います。
【市川座長】  それでは、作業の結果を見て、また文科省とこの委員会との判断でどうするかというのを決めるということでよろしいでしょうか。はい。それでは期限は、8月末ということにさせていただきます。
 それから次の課題ですけれども、薬学共用試験の範囲との関係ということになると思います。今、モデル・コアカリキュラムの改訂をしましたと、その中で共用試験が4年生の末に行われるわけですけれども、そこの試験範囲をこの中から少し選ぶというか、現在のカリキュラムでいくと△印というのを付けて、4年次までに修得するのは△が付いていないもので、△が付いているものは実務実習に行ってから学んだ方がいい内容を含めてそこに△を付けてある。それで、5年次、6年次に学習するというような形でカリキュラムにありました。今回の場合にはどうしますかということです。それで、共用試験センターからも、この間、総会が行われて、そこにおいても△の問題を明瞭にしてほしいということと、その明瞭にするときに重要な位置づけとしてセンターの関与を認めてほしいという意見がありました。これももっともだと思います。今、共用試験センターの試験問題を管理して、そしてそれを運用している立場からいきますと、全部変わっちゃうというようなことがあると、大変な作業になって大変な費用が掛かってくるということもありますし、この中で△全部を取り入れるか否かという問題もその中に一つとして入ってくるわけであります。そんなことで、この△印といいますか、共用試験の範囲を明瞭にする必要があると思うんですけれども、それに関連すると、その共用試験センターを管理しているところの全国薬科大学長・薬学部長会議というのがあって、そこでも同様な意見が出されて、確かに必要ですということで、どこかでその範囲を検討する組織を作る必要があるんじゃないかと思うんですけれども。それは特に反対がなければ、組織として考えられるのは、一つは、今申し上げた全国薬科大学長・薬学部長会議が主となって、そこの下にある共用試験センター、それからもう一つは薬学会の作業チームの人々の協力を得ながら、△印の検討をしていくということでいかがでしょうか。
 どうぞ、伊藤委員。
【伊藤委員】  その△印の考え方なんですけれども、今回のコアカリ改訂に関しては、薬剤師になるための基本的な資質に絞って要するにコアカリ改訂をするという議論があったので、私はAからDまでは少なくともそのまま共用試験の範囲だろうというふうに、勘違いなのかもしれませんけれども、そう思っていました。逆に言うと、そこで△を付けるものがコアカリとして今残るべきなのかどうかというのが、ちょっと私自身の理解できないところなんですけれども。
【市川座長】  どうぞ、奥委員。
【奥委員】  そのとおりといえばそうですが、例えば技能とかそういうもので出せないものもあるかもしれない、それを全部共用試験センターに任せてくれるのであれば良いけれども、勝手にやるわけにもいかないだろうということで言えば、もし薬学会の委員会で△を付けてくれるのであれば、それは原案として作っていただければ非常にうれしいという気はします。
 それから、Aのところについては、これは多分かなりの項目をまとめて一つのところで出題するという形にしないととても無理だと思うので、幾つかまとめていいのであれば、もう△なしでやってもいいかもしれないけれども、そうすると多分、いろいろなところからまた意見が出てくるんですよね。この実習項目は試験に出るのかとか、そうするとすごく大変なので、やはり出る、出ないというのはある意味でははっきりさせておいた方が楽だと思いますけれども。
【市川座長】  伊藤委員。
【伊藤委員】  例えば技能のところは一律に抜くとかという原則を決めてしまって、要するに機械的にやれるのではないかという、現在の整理をしたのであればということです。
【奥委員】  技能だから本当に全部抜いて良いならば、ということです。
【伊藤委員】  もちろん、抜けないところも問題として出した方がいいと思うようなところも今読んであるわけですけれども、原則としては例えば△を付けるところは技能のところに限る、AからDまでとやれば技能のところに限って、EとFに関しては、やはり実際に実習が終わってからの方がいいところをある程度専門的な見方から見ていただくということで、割と機械的にやれるんじゃないかなという気がしているということです。
【市川座長】  ここで確認をしておきたいのは、ここを検討する組織というか委員会みたいなものを全国薬科大学長・薬学部長会議と共用試験センターにお願いをして、△の今の議論も含めてですけれども、そういうことを検討していただいて、そこで検討結果が△印が必要だということになったら△印の設定までやっていただいて、そして上げてもらうということの手順でよろしいでしょうか。取扱いに関してですが。
【奥委員】  いいですか。一応、共用試験センターの立場から言えば、△印がもし原案として出され、薬学会でフィードバックするのが大変だったら、共用試験センターから全国にフィードバックして意見を聞くというようなことはやらせていただきたいと思っています。ただ、共用試験センターがそれをやって良いというお墨付きが全国薬科大学長・薬学部長会議で得られればやりやすいということで、原案を薬学会で作っていただければ非常にうれしいです。ただ、薬学会は全国のフィードバックまではとても無理だろうと思うので、そこは共用試験センターがやらせていただければなと思っています。
【市川座長】  共用試験とこの委員会との関係というのは、直接は本来ないんです。
【奥委員】  関係ないですね。
【市川座長】  それでも一応確認をしておいた方がいいということで、今みたいな形で全国薬科大学長・薬学部長会議と共用試験センターで△というものを検討するということを、この委員会として特に反対がなければその方向で進めさせていただきたいと。それで、今の御意見で実際には全国の大学に対しては共用試験センターが対応するとか、いろいろ考えられると思いますけれども、組織としては全国薬科大学長・薬学部長会議で△を取り扱うということでよろしいでしょうか。ここではモデル・コアカリキュラムを完成させることはもう事実でありますからやりますけれども、それにどこかで最後には△が付くこともあり得るということで、それから、どれに付くかはまだ分かりませんけれども、そういう検討を含めて、全国薬科大学長・薬学部長会議で取り扱うと。そのときに共用試験センターが一番密に絡み、かつ同じような意味で薬学会の作業チームが絡むということにしたいと思います。
 赤池先生、どうぞ。
【赤池委員】  私も賛成です。といいますのは、このモデル・コアカリキュラムというのは、6年間の学習によって薬剤師の資質というアウトカムを設定して、それに向かって組み立てていったわけです。そういう意味で、そのうちの共用試験というのは4年の終わり頃に実施されるということですので、そこまでにこの中のどこまでをやらなきゃいけないかというのは、極端な言い方をすると、原則で言えば大学に任されている、方略に依存すると思うんですね。そういう意味で、そのある程度共通項を抽出して共用試験を行うということになりますので、これはやはり現場の全国薬科大学長・薬学部長会議のようなところである程度統一意見を出されて、そこが更に共用試験センターに委託するなり共同するなりして、どの範囲までを共用試験に出すということを決めるのがやはり筋だろうというふうに考えます。
【市川座長】  井関委員。
【井関委員】  大筋は私もそれで賛成なんですけれども、確認させてほしいんですが、今現時点でのいわゆるCBTの出題範囲というのは、この今回のコアカリの中でいうEの部分とかFの事前実習の部分というのは入ってなかったんでしたっけ。
【伊藤委員】  いや、事前は入っています。
【奥委員】  基本的には、今までもそうだけれども事前学習も入っています。先ほど各大学の方略に任されているという意見がありましたが、基本的にはそういうものではありません。要するに病院・薬局に実習に出るわけですから、実習に出るために最低限必要なことを、知識等を含めて担保するという非常に重要な役目がありますので、その部分は全部入れています。事前学習、今回「前)」と書いてあるところまでは入れざるを得ないだろうと考えています。
【井関委員】  ですから、AからDというんじゃなくて、Fの一部のところまでは入ってくるという理解でよろしいんですね。
【奥委員】  はい。
【井関委員】  分かりました。
【奥委員】  そういう形でやりたいと思います。多分、赤池先生もそのつもりで言われたと思います。
【市川座長】  それでは次の話題に移りたいと思います。実務実習についてということで、先ほど永田委員からも内容的な問題として5年先を見据えての内容というような問題の定義もありました。それでいいのかどうかというか、そういう理解ですねということの確認というのもありましたし、それからアンケートの中にもたくさん実務実習に関してコメントが来ております。それから、今も議論がありました、体験学習のアーリー・エクスポージャーの部分と、それから事前学習の部分と実務実習の部分というのが今一つになったということが新しくなったということと、それから、薬局と病院のバージョンというのは前は分かれていたんですけれども、それが一緒になったということ。そういう意味で、ある意味では非常にきれいに学生の目から見ると何を学ぶべきかというのがよく分かるようになったとは思いますけれども、現在は例えば体験学習というのと事前学習、それぞれ別にあったんですね。体験学習というのも範囲が、普通は初期体験ということになっていて、入ってきたばかりの学生さんが薬学の多様な領域、その中にもちろん実務実習、薬剤師の現場の問題もあるし、それから介護の問題もあるし、あるいは製薬企業の問題もいろいろあって、いろいろなものを体験するという初期体験学習というのがあって、それから事前学習というのは、今言った実務実習に出ていくための主にそういう内容をしっかり学ぶということで事前学習がある。それぞれが一緒になったことによって、その境目がある意味でははっきりしなくなったことも事実であります。それからもう一つは、薬局と病院の話というのが一つになったことはいいんだけれども、それぞれがどうやって担当していくのかという問題、それについてもこれから大きな課題になってくるかと思うんですね。その辺について、作られたときの整理の仕方というのは、松木先生、何か。
【松木氏】  やはり方略はそれぞれの大学がかなり考えてもらわなきゃいけないところはあるんですが、今回は一応コアカリというところで、これからの作業というところにはなるんだと思います。それで、入れる項目で常に議論になったのが、5年先、10年先の薬剤師が何ができるかということと、それが最先端のところではなくて、コアカリですから全ての大学、全ての実習先でできないといけないわけですね。ちょっとでもできないところがあったならばコアカリには書き込めない。現状は、やはり実習先にかなり大きな開きがあり過ぎるということなので、現状の実務実習の延長としてこのコアカリをやると、かなりできない部分というのがあるんですね。だから、そこを何か担保することを考えない。ですから、常に議論があったのが、書き込んだはいいんですけれども、では本当に実務実習でできるんですかというところは、まあ書き込む先生はできるとおっしゃるんですけれども、じゃあ誰が担保するのかというところですね。そこのところもカップルで考えていかないといけないんだと思います。だから、実はそこが非常に重要なところで、今の、とにかく手を挙げたところに実習していただくというような方式では多分駄目だと思うんですね。もう本当にかなりクオリティーをコントロールしないといけないということがあります。ですから、それがあって大前提で初めて次のことが言えるのであって、そこをないがしろにしてちょっと議論はできないなというのが私の考えです。
【市川座長】  ありがとうございます。今私も、そういう問題提起というのは一番大きいところだと思うんですね。この辺もう少し何かありますか。平井委員、何か日本病院薬剤師会の方の、そういう議論は。
【平井委員】  日本病院薬剤師会としては、そういう議論はまだ実際には行っていないところなんですけれども。
【市川座長】  はい。
 何か薬剤師会の方も。
【永田委員】  薬剤師会もこれからそういった施設のクオリティーをどういうふうに担保していくかというのを考えていかなきゃいけないとは考えているんですが、実行には移していないんですね。ですから、今回の考え方が明確に出てきてブラッシュアップしていく上の段階で整理された考え方というのが出たら、こちらも対応ができるようになるのではないかというふうに思います。
【市川座長】  大体そんなような感じでいいですか、日本病院薬剤師会の立場は。
【平井委員】  恐らく現在も多くのところで受入れをやっていますが、それを根本的に変えるということにはならないとは思います。だから、現状を下敷きにしてどういうふうに、結局こういうことが要求されているけれども、実際まだできていないようなことがあるとすれば、その対応をどうするかというような議論になっていくかと思います。
【市川座長】  赤池委員。
【赤池委員】  そういう意味では二つの点があるのではないかと思います。一つは、やはり松木先生もおっしゃいましたように、これからどうしていくかというところが非常に重要で、目標がある程度設定されて、もちろんこれもある程度更にブラッシュアップを図れるとしても、方略として実際に病院と薬局で実施する場合に、具体的に実施可能な形で方法を示していくという必要があろうかと思います。そういう意味では、どこまでそれを作り込むかということはあるかと思いますけれども、これが完成した後で、今まで並行しているかもしれませんけれども、方略を何か考える組織を作っていただく必要があるのかなという点が一つ。
 もう一つは、今ここで案として出てきているものは、まさに5年後、つまり将来を見据えた形と、それからやはり実施可能な形で目標を書き込もうという、その二つの、よく言えばうまくあんばいして入っていますけれども、悪く言えば中途半端なところがどうしても出てきているというところがあると思います。そういう意味では、もちろんコアカリ全体をある一定期間、例えば5年ごとに見直すということはもう決まっていると思いますけれども、それと同時に、特にこの臨床薬学の部分は、もう少し細かめに、特に実際にこれが予定どおり施行された場合でもかなり先にこれは入ってくるということになっていますので、場合によってはそれに合わせて目標も少し考えていくという作業も同時に進めていく、その二つがどうしても必要になってくるのではないのかなと思います。まあ一つの提案としてお考えいただきましたら。
【市川座長】  このあたりもう少し何か違う観点の御意見はございますでしょうか。
 今御提案があったように、何か組織を作る必要というのは絶対あるかと思うんですね、これから先進めていくときに。その組織をどこに作るかというまず問題点があって、そこでやる内容というのは、今御議論があったような内容、たくさんあるかと思うんですね。ガイドライン的な方略を作る問題を含めて、それから実施のいわゆる均一性を保つような実施、施設での問題、そういうものを全部含めてカリキュラムというのは存在していないと、大学というか先生方にとってはそこが一番心配な部分というのが出てくるわけなので、そういうことを包括的に討論する場所というのは、これは大学サイドはもちろんあるわけだけれども、それとともに日本病院薬剤師会、それから薬剤師会の、そこにある病院、薬局の現場との話合いというのが非常に密になっていないといけないというように思います。そういう組織を、一つの提案ですけれども、文科省の組織の下に作るというか、この組織の下に作るというのが一つの案。それからもう一つの案は、全国薬科大学長・薬学部長会議のところで作るというようなことも一つ考えられるかもしれません。そういうような提案はどうでしょう。
【永田委員】  例えば、望月先生、薬学教育協議会の下の中央調整機構の下、各ブロックに任せるという手もあるのではないかなというのがあるんですが、いかがですか。
【望月氏】  各ブロックに任せるのは難しいです。また、地区によってばらばらになってしまうと困ります。
【永田委員】  中央でやるというのは。
【望月氏】  中央調整機構で1本にまとめるか、更にその上に薬学教育協議会を含む会議を作って検討するというのはあります。一番大きいのは実習内容の均質性というのをどこまでとるかです。うちの病院はものすごくいい実習をやっているんだから、こういうことをやらなければいけないんだと燃えているところと、燃えていないところとあります。また、薬局も同じなんです。だから、現状とばらばらで動きがとれなくなっているところが結構多いので、そのあたりをモデル・コアの中できっちりと決めて、実務実習ではどこまでどの程度やるかということをはっきり書いていただけると、それで合わせられると思います。それで合わせられれば、たとえどういう組織であろうとできます。今の問題は、日薬と日本病院薬剤師会とそれぞれ考え方が違います。しかも、両方とも絶対曲げない。真ん中に入った協議会がおろおろしていた。私立薬科大学協会と国公立大学薬学部長会議についてもある程度いろいろ考え方があるということです。全部同じ線で全く歩み寄ろうとしないということが一時ありましたので、それを繰り返したらやはり、よくできないので、その基になるモデル・コアをきちんと作っていただけると、これに沿ってやりますとはっきり言えると思います。まずそれがきっちりできることを私が一番期待していることです。
【吉富副座長】  薬局などでできないことというのでよく議論に出てくるのが、例えば在宅はうちはやってないからというのと、セルフメディケーションのOTCは販売していないからというのがよく出てくる。僕は、OTCを販売するかどうかというのは、そこの薬局の薬剤師がある程度頑張ればその実施はできると思うんですけれども、在宅はその薬局のシステムとしてできるかどうかだから、薬剤師の努力じゃできないんですよね。かといって、できないところはできないと言われると、大学の方とすると、幾らコアカリにあっても、できるだけやってくださいといってそこで引き下がっているのが今の現状なので、これが例えば調整機構なんかにもしそういうことを議論する場を作っても、恐らく薬局の方がそれで動かないと思うんですよね。これは何も薬剤師会の努力が足らないとか言っているわけじゃないですよ。結局、末端のところというのは、ちょっとこんなこと言ったらいかんのかもしれませんけれども、薬局としてもうかるとかもうからないかという、そういうことでしか動いていないところがあるわけです。実習費なんかも払っているんだから、例えばセルフメディケーションなんかの教育についてはちゃんとやってくださいよという話、それは本当は要求してもいいのかもしれないですけれども、大学はそれこそ断られたら困るという弱者的なところもあるし、だから、その点で言うと調整する必要はあるかもしれませんけれども、実は、できないときに体験できる何か実習のやり方についてこのコアカリにコメントを付けない限り、正論だけ吐いていると、結局今の問題があと5年たっても10年たっても出てくるんじゃないかと思います。
【市川座長】  細かい話はまた次でしたいと思います、大枠のところだけで。
【奥委員】  実際に実習が始まるのは平成31年度だと思います。今から細かいことを話してもしようがないと思いますが、多分、市川先生がこれを提案されたのは、モデル・コアカリキュラムが出来上がってしまってこの会議がなくなったら、このことがうやむやになるというのが非常に困るということと思います。昔は、実務実習のガイドライン作りを大学人会議とかが中心となってやりましたよね、あれでやはり数年掛かったんですよ。私も分野は違いますが入っていたのでやらせていただきました。ガイドライン作りをいつ頃から始めるか、それをどこが指導するかというのをこの会議で決めておく必要があるということだろうと思います。コアカリができてしまってこの会議がなくなったら、どこもその面倒を見なくなるということだけは避けたいということだと思います。だから文科省が、これについては来年こういう会議を立ち上げる予定であるとか、そういうはっきりしたものがあれば我々も安心できるし、もしないのであれば、これについてはいつ頃こういう形で決めましょうみたいな方向性だけを決めるというのが、今我々がやるべきことであって、細かいことをいつから始めるかというのは、数年先でも良いのではないかなという気がしています。
【市川座長】  はい。今提案したのは、奥先生がおっしゃったような意味です。これから検討すべき内容というのはたくさんあるわけだから、それをどこでやりましょうというのをモデル・コアカリキュラムに責任を持つこの委員会として何か決めておく必要があると。それで、その一つの方法として言ったのは、この中に一つ組織を作るということが一つと、それからもう一つは、前のときがそうなんだけれども、いわゆる2.5か月、2.5か月という期間を含めて全体像を認めたのは六者懇談会だったんですね。六者懇談会というのは薬剤師会、それから日本病院薬剤師会、それから文科省、厚労省、それから私立薬科大大学協会、国公立薬学部長会議と、この6個の組織が入っているわけです。そこで責任を持ってやっているんですが、そこの下に継続的な委員会を作ってもいいというなら作るということになると思います。この委員会の下にやる場合には、同じだけれども、両方の団体、それから厚労省、文科省も入ってもらってこの問題を考えることになります。この委員会は結構奥の深い問題を取り扱うことにあると思うんです。改訂版では、これまで別版だった薬局と病院それぞれの実習内容が、一緒の内容になっていますので、このSBOは先に病院でやったんだから薬局は要らないとか、薬局でやったSBOは病院の方では少し薄くしてとか、そういうようなことを含めて細かいある意味では方略的なところまで含めたガイドラインを作っておかないと、全国の施設で均一な実習というのはまず不可能に近い。先ほどあったとおり、現状を考えたらもうとても難しいことは明らかなんですね。でも、ステップアップ、だんだん6年前か7年前の現状を考えたときには到底今の実習ってあり得たかというぐらいの議論を実は思いながらモデル・コアを作ったわけです。だから、これから6年先になったらもっともっと今からだったらいろいろなものができるかと思うので、細かいことはこれから議論すればいいという。問題は、そのやる場所をどうしたらいいかということのお計らいをしたいと。
【井関委員】  私はむしろ、今までの現存の組織でいろいろ今持っている問題を引きずってやるよりは、この委員会の下に新たな組織としてやった方が、そういうしがらみを持ち寄らないで新しい形では議論ができるのかなという気がします。確かに調整機構だとか、あるいは六者懇とかいろいろなところでというのはあるんですけれども、結局解決できない問題をそのまま引きずってしまっているというところがあるので、それをまた持ち寄ってもまた同じことの繰り返しになるのかなという感じがしますから、せっかくコアカリがこういう形でかなりスリム化したというところも、コンセンサスを得てここまで来たわけですから、この勢いでこの委員会の中で具体的なガイドラインを策定するワーキンググループみたいなものをぶら下げる方が現実的には前に進むような気がします。
【市川座長】  それについて文部科学省の方から何か御意見、現状で結構ですけれども。
【村田課長】  これも今のお話のとおり、両方いろいろお考えがあって、私どもも今の時点ではどっちがいいというふうには決めかねているところがございます。ただ、これは最終的には、お話がございました、やはり実際に実務実習をお願いする病院薬剤師会、薬剤師会関係のバックアップを頂きながら進めていかなきゃいけない話ですので、どちらの方がいいのかなというと、そういう意味からすると、六者懇のひさしをお借りした方がいいかという考え方もあるでしょうし、いや、やっぱり違う体制でというのもあるでしょうし、結論から申しますと、我々としてはその後の御協力が得られやすいような体制を考える必要があるのかなというのが今の段階でのコメントでございます。
【市川座長】  そういったことも含めて、永田委員。
【永田委員】  やはり我々現場というのは厚生労働省の管轄の中で動いているというのがあって、その流れの中で地域社会に対しての地域保健医療計画の改訂が行われ、第5次地域医療計画改定によりこれからどんどん変わっていく。様々な変化が5年先には起こるというのが予測でき、確かに吉富先生が御心配されているというような内容が今現在はあっても、改定概要に従って対応していくという体制になるのですが、一方では、そういった教育という立場で見てみると、やはりそれなりに対応しようとしている薬局とそうでない薬局の温度差があることは確かでありまして、そういったものを適切なテーブル上にのせて同じ一定のラインの教育をさせるためにどのようにさせるかということを考えていくと、やはり脱落をしていくところが増えてくることも事実です。だから、そういった状況を踏まえ、教育と実施している業務の双方の問題から病院薬剤師会、薬剤師会が合同の形で、教育をされている先生方と実習施設や指導薬剤師へ均一の実習ができるように指導ができるというような、組織作りというのが必要だと思います。
【市川座長】  平井先生、何かありますか。
【平井委員】  永田先生がおっしゃったことは賛成です。その5年後、10年後を考えてというんだったら、今現状では薬剤師が全然足りなくて困っていますけれども、恐らく薬剤師が過剰になってくるという話もありますし、そうしますと、薬学部の定員等も含めたことも考えながら、実習先が足りなくなってくるというお話も今ちらっと出ましたし、そういうことも含めて検討する、きちんとしたそういう強力な検討会みたいなものを作った方がいいと思います。
【伊藤委員】  薬学の場合には、まだ薬剤指導がどんどん変化していくので、今、先ほどから5年先といいますけれども、実際には学生は7年先ぐらいに出ていくわけですから、全然彼らにとっては先のことではない薬剤師の実習になるわけですよね。だから、そういうことを考えると、変化を常にここしばらくの改訂では繰り返さなくてはいけないということになると、やはり文科省の改訂委員会の下にその組織がないと、また次にやるときにまたどうしようという話になってしまうので、何か組織として今この下に付けておく方がいいような気がしますけれども。
【市川座長】  この組織の下に少し大きな、あんまり範囲を限らないでいろいろな機関が入っていく、あるいは日薬、日本病院薬剤師会、それから薬学教育協議会も調整に関与しているわけで、そういうところが入ったり、それからその他、ほかのいろいろな実習に関しての関与が考えられる場所の人たちが入った組織を作るということで進めていくということはできるでしょうか。
【奥委員】  永田先生も言われたけれども、厚労省が結構キーだと思います。文科省が主導し、厚労省も入っているというのが可能かどうかということです。その辺は文科省と厚労省で詰めてもらった方が良いという気がします。この委員会と違う形でやるとしても、例えばそれを厚労省も入ったような形で、この委員会を拡大したようなものができればいいけれど、文科省の下の委員会が中心で行って、下の会議に厚労省も入ってくださいというのは、ちょっと難しいのかなという気がするので、ここら辺は我々で決めるというよりか、文科省と厚労省とで話し合って決めてもらった方がいいのかもしれないなと思います。きょうはそれ以上決められないという気がします。
【市川座長】  今のことで厚生労働省さんの立場で何か御意見は。
【田宮厚生労働省課長補佐】  そうですね、どういう形でやるかというところについては、もちろん文科省さんとも相談させていただければと思いますけれども、当然我々も入って、あと病薬とか日薬も入ってという場でないと決められない、全体で考える問題だとは思っておりますので、どういう形ができるかはちょっと議論したいと思います。
【市川座長】  ありがとうございます。赤池委員。
【赤池委員】  恐らく具体的にどういう組織にするかというのは今の議論のとおりで、ここでは決まらないと思うんです。ただ、このコアカリの改訂というのは、これからも続けていかなければいけない検討作業というのは恐らく入ってくると思いますので、このコアカリ委員会というのはまだずっと継続されるという理解でよろしいんですね。で、もしそうだとすれば、もうどういう形になるかということはさておいて、そういうものができるという前提で考えた場合に、このコアカリの委員会もそこに加われるように是非お考えいただいた方がよろしいんじゃないかと考えます。もちろん、このコアカリ委員会の下に作るのであれば、何も問題ないですけれども、そうでない場合でも、せめて座長ぐらいは必ず参加するとか、あるいは座長でなくてもどなたか代表の方が加わるというようなことは行っていかないと、逆に情報がこちらに来なくなるということが懸念されると思います。
【市川座長】  ありがとうございます。
 それでは、ただいま皆さんの御意見を大体集約した形で、もう一度文科省とも相談しながら、何らかの方法をもってかつ早めに立ち上げないといけないと思いますので、よろしくお願いします。
 それではあと、次の課題は、準備教育ガイドラインというのがありますけれども、これはいわゆる薬学教育のための専門科目に入るための準備教育という形ですけれども、そのガイドラインの取扱いというのは、このところにも書いてありますけれども、前のバージョンがそのまま載っかっているという格好であります。基本的には特に今これを検討して作るということはここでも議論はなされていないんですけれども、それでよろしいですか。まずはそれぞれ大学が責任を持って行うという立場であったかと思いますので、現行版をそのまま移行する、今度の改訂版を発表したときに準備教育ガイドラインというのを後ろに付けておくというときに現行版をそのまま付けるということで、特段、また検討しましょうというとこれは大変な話になるかと思うので、そうさせていただきたいと思うんですけれども、よろしいですか。あんまりちゃんと検討した内容ではないんですね、本当のことを言いますと。ですから、本当はどこかでやっていかなきゃいけないことは事実だけれども、なかなかそれぞれの大学の理念というか方法も違うので、なかなか難しいところもあるかと思います。
 今日お諮りしたいのは、この現行版を改訂版のときに載せるということにしたいと思うんですけれども。あるいはもう少し内容的に、今度の改訂版の趣旨である6年制の薬剤師教育という観点から、どこかポイントをもう少し入れた方がいいという多分御意見はあるかと思うんですけれども。その辺についてもうちょっと手を入れてもいいなという人がいたら御意見を。
 赤池先生。
【赤池委員】  やはり準備教育ガイドラインは入れた方がよろしいかと思います。入れる形で、今度パブコメを秋に多分求めると思いますけれども、そのときに提示して、まあ、変な言い方するとパブコメで聞いて何か意見があればそれを検討して、もし必要であれば回答を加えるというような形はいかがでしょう。ガイドラインですから、実際にこの中に書かれていることというのはかなり基本的な事項が書かれていますので、それほど今の時点でも、もしかしたら追加すべきことは幾つかあるかもしれませんけれども、その程度で、大幅な変更は私は必要ないと思いますので、そういった広くむしろパブコメで聞いて、それで検討するという方法がよろしいかと思いますけれども。
【市川座長】  ありがとうございます。
【吉富副座長】  今、準備教育ガイドラインのことは、私も赤池先生のお話でいいと思います。現行にはアドバンス教育ガイドラインも例示としてあったのですけれども、この取扱いは、コアカリが決まるまでは当然それは議論できないだろうと思いますが、これも将来は議論するのですね。
【市川座長】  アドバンストカリキュラムは作るという、既にかなりできているというように聞いておりますけれども、薬学会の方では。
【奥委員】  それは作りますけれども、まだ薬学会は全くできていません。
【市川座長】  そうですか、ごめんなさい。何かできているといううわさを聞いたから。
【松木氏】  議論の中ではありましたけれども、まだ具体的にはできていません。
【市川座長】  最初に議論したボリュームの問題とも少し絡むので、もしもそのボリュームを少し動かすときにアドバンスという考え方ももちろん出てくるわけなので、その辺のことを含めて薬学会の方で整理されるときに。今回ブラッシュアップされるときにアドバンスは出てくるわけですね、最後に。
【松木氏】  8月末という意味ですか。
【市川座長】  アドバンスカリキュラムは出ないんですか。
【松木氏】  アドバンストは先送りになっているんですけれども、いや、それも8月末という意味ですか。
【市川座長】  それは8月末じゃなくてもいけますね。
【奥委員】  8月末はちょっと無理です。
【松木氏】  無理ですよね。
【奥委員】  まずコアカリで、アドバンストをやるという気にまだなっていません。
【市川座長】  頂くことになっているわけだけれども、8月末は、モデル・コアの方の内容に関しての締切りにしておいて、もうちょっと後でもいいですね。でも、それとの関連もありますよね、アドバンスはね。
【奥委員】  いや、やらなければいけないのは分かっていますが、時間的にきついなと思います。
【市川座長】  そうしたら、9月頃まではどうですか。
【奥委員】  9月ですか。
【赤池委員】  よろしいでしょうか。最終的にアドバンスト教育ガイドラインを提示する必要があると思うんですけれども、ただ、実際にアドバンスト教育ガイドラインを各大学が参照するとしたら、アドバンスト教育ですから、多分1回生、2回生の頃というのは余り見ませんよね。そういう意味で、とりあえず今回パブコメでも提示するのは、例えばですけれども、準備教育ガイドラインのように、基本的に1年次から必要なものは提示するとして、アドバンスト教育ガイドラインは、例えばですけれども、1年遅れて提示しますとか、そういうような出し方で少しゆとりを持って検討すると。また更にパブコメのときにアドバンスト教育ガイドラインに入れるべき項目があれば意見を下さいというようなやり方はできないんでしょうか。もしそれができると、大分薬学会で具体的に作業する側も楽にはなりますのですけれども。
【市川座長】  アドバンスという位置づけがしっかりしていないのかなということを私は感じます。昔でいう△とは違うということですよね。△は国家試験の範囲に全部入る全体像の中の一部と。アドバンスというのは、全員がとらなくてもいい内容です。興味のある人は更に勉強するための例示というような捉え方ですので、もちろん全国薬学系大学で尋ねるというのは一つの方法ではありますけれども。私の理解は、作業をしている過程でこれはアドバンスだよねという格好でよけたものが既にあるんじゃないかというように思ったので、お尋ねをしたわけですけれども。
【入江委員】  薬学会の作業としては、今、市川先生がいわれたような作業をやっております。ただし、アドバンスの内容をある程度作成したもののブラッシュアップがまだ行われておりません。私としては、赤池先生が言われたように、8月末までに無理をして行うと、中途半端なものをお見せすることになると思います。
【市川座長】  そうですね。そうしたら、このアドバンストは文部科学省として大学に出すときには、このままの状態で後付けでもいいかもしれませんね。要するに、こういうものがあった方がいいよという理解を、もしそれでいいんだというならばそれでいいし、それが何かの全体が全部学ぶべきことだったら今のうちに出しておかないとカリキュラムが組めなくなっちゃうので、かなり本来のアドバンスというような理解をするということでよろしいですね、ここでは。
【井関委員】  アドバンスですから、これはコアカリじゃないですよね。ですから、7割の外の3割の方という理解だと思うんですあまり具体的にアドバンス教育の部分を書いてしまうと、またコアカリが更に膨らんだだけの話になっちゃうので、それこそ基本理念みたいなものをそこに例示する程度の方がいいんじゃないかなと思います。そうすると、それに基づいて各大学がいろいろな工夫をして特色のある教育をやればいいということになりますから。余りアドバンスト教育内容の例示をいっぱい増やしちゃうと、コアカリの第1部、第2部というふうになるだけの話のような気がするんですが。
【市川座長】  はい、ありがとうございます。赤池委員。
【赤池委員】  ただ、今の現行のコアカリから、かなりSBOが減ってスリム化したわけです。その中で、先ほど、例えば創薬とか医薬品開発の部分もそうですけれども、やはり全国でやるかどうかは別にして、薬学という学問体系で見たときに結構重要な項目があるねという話もございまして、そういう意味では、あくまでアドバンストというのは例示ですので、残りの3割の部分の中でいろいろ組まれるときに参考にしてくださいという、そういう前提の下に組まれるものですから、余り減らすよりは、むしろ広くたくさん入れて、ただしそのコアカリとは別建てであるということで、全国でやるべきものとは違うということをはっきりと趣旨を明示して、逆に入れられるものはどんどん入れていくということをした方が、恐らく各大学でいろいろカリキュラムを作られるときの、本当に参考という意味で役に立つものができるんじゃないでしょうか。
【市川座長】  そうですね。
【奥委員】  少し戻っていいですか。今、準備教育のガイドラインを見ていますが、これは薬学会で余裕があったら、物理のところは物理、化学のところは化学、生物は生物でざっと見てもらった方がいいかもしれない。特にITとかコンピューターとか結構時代遅れという感じがしないでもないところもあるので。このまま出しますか。
【市川座長】  やっていただければ非常にいいと。よろしくお願いします。
【伊藤委員】  私も少し時代遅れになっている部分が多いと思うのと、あと、今回スリム化したことによって、基礎的だから、例えば外したというものがあったらここに入るべきものなんですよね、基本的には。これは前に基本的過ぎるというのでコアカリから前へ出ていったといういきさつがあるので、そういう意味では各分野に一旦は見ていただくのはいいんじゃないかという気がいたします。
【奥委員】  最初の方のは、A、Bのところでやってもらえば良いと思います。後半の英語とITとかそこら辺のことを、薬学会で見てもらえる人がいれば、ちょっと変えた方が良いみたいな気がします。
【市川座長】  奥委員の御提案のように、松木先生、それでよろしいでしょうか。作業するときに、ブラッシュアップするときに準備教育までちょっと目を通していただいて、そこに何か必要なものを入れてもらうと。
【松木氏】  はい、わかりました。
【市川座長】  よろしくお願いします。準備教育はそういうことにいたします。
 それから、今までここで検討していろいろ決めて薬学会にお願いするということは、後で文科省で少し言葉としては整理していただいて、それをお渡しするということでよろしいですか。
【丸岡薬学教育専門官】  はい、また相談して整理させていただきます。
【市川座長】  それでは、残り少ない時間ですけれども、資料2と3の基本理念と利用上の留意点というところですけれども、これもいろいろ御意見を頂きました。それで、その御意見を頂いたところで、私と、それから副座長の先生に見ていただきまして少し文言を訂正したのが資料3であります。その資料3について簡単に触れますと、資料2がそれを反映した形のものですけれども、資料3が赤字の部分で追加した部分と対応させております。いろいろな意見で、変えたんですけれども、新たな言葉として入ったのは、この薬剤師の云々(うんぬん)というところ、真ん中あたりですね、「一方、」という言葉があって、「薬学や医学、生命科学等に関わる科学技術の進歩は著しく、」その後に「科学を基盤として医療に貢献する薬剤師の職責に求められる薬学の知識や技能は」というところで、これは前はちょっと6年制の薬剤師という意図がなくて書いておりましたので、違う文言が入っていたんですね。それで、そこを分かりやすく、薬剤師というところをほかの文言と重ならないために、科学を基盤としてというところを薬剤師の特徴付けに入れたというところです。その言葉が一つ入っているということです。
 それから2ページのところでは、かなりたくさんの意見があったのは、2の上のところで1の終わりの文章ですけれども、「今回の改定は、」云々(うんぬん)で、「6年制薬学教育の質の向上を目指すために行うものであり、各大学の教育カリキュラムが薬学共用試験や薬剤師国家試験に合格することのみを目標とする教育に過度に偏ることのないよう留意すべきである。」と、この文章が要るかどうかというのはかなりたくさんの御意見を頂きました。取ってもいいんじゃないかという御意見で、ちょっと品がないんじゃないかというところです、簡単に言うと。取っていいという意見はそれでして、ただ、どうしてもここの人材養成委員会でも、一つはモデル・コアの改訂でありますし、一つは見直しをやったわけですよね、いろいろな意味での薬学教育の質的な向上を目指す委員会というのが開かれた。で、その結果として出てきたことは、余りにも、今、質を上げるためには、そのあることだけをやったらいいんじゃないかという、そういう考え方がはびこっているので、私としてはこれを入れたということで、ちょっと大分悪評だったんです。それで、手段としては「のみ」をちょっと入れて手直ししてみたんですけれども。それからあとは、スパイラルに上がるとかそういう細かい文言が余り分かりにくいというような意見がありまして、それでちょっと直した部分もあります。
 それからもう一つは、5ページのところで薬学教育における実習というのがありまして、こんな実習をやっていますということであります。そのときに、1年次から2年次のところでこういうこととか、3年次から4年次でこういうこととかいうように書いたんですけれども、一番引っかかったのは、卒業実験というのを4年次からスタートするところがあって、こういう年限指定は困るというような意見がたくさん出ました。それで結局、年限を取ったために、上から5行目ぐらいのところですかね、丸2の前にカンマが入りますけれども、丸1、丸2、丸3と、こういうようなのがありますという漠とした言い方になっているということであります。こういうところは例示されていますから、これを一緒でやってくださいというような意味付けです。
 あと、御検討いただくことは、7ページのところで、下の方から4行目、5行目ぐらいのところですけれども、「具体的には、」といって丸1それから丸2、それから丸3というところがあります。それから丸4、こういうのがありますということですけれども、そのときに、1、2は同じですけれども、3番目のところで研究マインドの涵養(かんよう)ということだけだと分かりにくいということで、ここも前触れが長い文章なんですけれども、「医療における科学的根拠(エビデンス)を基盤として生涯にわたって研鑚(けんさん)し社会貢献する薬剤師になるための研究マインド」と。要するに研究マインドという言い方をすると、これは創薬研究者じゃないかという意見がすごくたくさん出てきまして、そういう意図で書いたんじゃなくて、薬剤師としての研究マインドなんだよということをこの6年制教育の中でもやっぱりうたい上げるべきだということで、この研究マインドは残っているわけです。それを説明するために少し長い文章に変えてみました。何か御意見いただければ。もし今、特段に御意見なければ、後で気付いたときに、文部科学省に言ってください。それで、なければこのような形で全国に回すという格好になります。
 【奥委員】  7ページですが、検討会だけで良いと思います。座長名は書かなくても良いと思います。
【市川座長】  これは普通入れていますよね。
【丸岡薬学教育専門官】  医学のコアカリで入っていますので、恐らくそちらを参考にして入れているというふうに考えられます。
【村田課長】  あえて入れなくても良いと思います。
【奥委員】  これは入れない方が良いと思います。
【市川座長】  はい、じゃあそれは取ります。
 それではもう1点だけは、4ページのところのアドバンストカリキュラムの設定というところで、ここの語尾が全部、望ましい、望まれるというような表現になっているんだけれども、これはいいのかということですけれども。この辺は何か。
【吉富副座長】  アドバンストカリキュラムが提示されていないんだから、望ましいかどうかも判断できない。
【井上委員】  この国家試験云々(うんぬん)のところをわざわざこう書き込んでありますよね。実態を評価や何かを見ていったときに、やっぱり国家試験というのはすごく重いもので、やっぱりこういうものは書かざるを得ないだろうと私も思うんですね。そのときに同時に考えるのは、このアドバンストカリキュラムの問題で、これは大学が独自にやれと言っているにもかかわらず、例示なんかしてくれる必要が何であるんだろうと思うんですよ。逆に、これが国家試験でも出かねない。だから、私はこのアドバンストはむしろ大学に任せちゃえば、だって創薬とかそんなものが重要だなんていうのは誰だって分かることであって、そんなことをわざわざアドバンストに何で書く必要があるのかなというふうに思います。
【長野委員】  私としては、まあせめてそこぐらいに残してもらわないと、これは何にもなくなってしまうというのが、ちょっと問題かなと。むしろ、先ほどちょっと話が出ましたが、私は、スリム化するというのがもう本当に非常に重要なんじゃないか、スリム化するときもそちらの方に移せばいいんじゃないかと思うんですね。それで、かなり私の印象は、もうこれは半分にしていいんじゃないかなと思うぐらいで、そうすると、どなたかおっしゃったけれども、自分の存在意義がなくなるようなことになるんですね。それで、井上先生おっしゃるようにそこからも外すということになったら、もう全くこの世から抹殺されるわけで、恐らく薬学の教師としてあり得ないんじゃないかと。まあせめてそこぐらいには書いてあげてもいいのではないかという気はいたしますけれどもね。そうでないと、減らすことはできないんじゃないかなとね。重要なんだと、その先生がやっていることは非常に重要で、ただ、重要過ぎてアドバンストだというぐらいで残したらいかがかと思いますけれども。
【井上委員】  それは厚労省の問題なのかもしれないですね。だから、アドバンストは絶対に国家試験には出しませんとか、そういうふうなことが明確にあるのであれば、長野さんがおっしゃるように、もっとスリム化しちゃって。
【長野委員】  医学部なんかと比べると、ものすごい字数も多いですよね。私、先ほどちょっと免疫のところを比べたんですけれども、免疫の例えばサイエンティストといえば、薬学の10倍は医学部はいると思うんですよ。免疫の項目は1ページないですよね、半ページですよ。薬学は1.5ページもあるんですよ。おかしくないかなと思うんですよ。まあ特に免疫だけを取り上げるんじゃないんですけどね。極めて細かいですよね。今回直したのでもようやく1.2ページかな。ちょっとこれはあり得ないんじゃないかなという。免疫だけじゃないですよ、たまたま免疫をちょっと見たんですけどね。免疫だったら恐らくは医学部の方がもっともっと熱心にやっていると思うんですよ。それでどうして薬学がこんなに多いのかというのは、ちょっと引っかかるなという気がするので、免疫は重要でありますから、それはアドバンストに是非残してということで、しかも国家試験には出さないという格好がいいんじゃないかと思いますけどね。
【奥委員】  いいですか。このアドバンストカリキュラムの設定の書き方はちょっと変えた方が良いのかもしれません。結局、本来だったらやった方がいいですよという書き方をしているから、厚労省がアドバンストからも出そうかというようなことを言うのかなみたいなところもあるので、明らかにここは国試に出ないみたいな形の書き方をした方がよいのかもしれません。
【市川座長】  全ての学生に一律に履修を求めるものではなくと書いてあるから、国家試験の範囲とは違うということは明らかだけれども。それから、さっきの望まれるという提案のときも、多分その出された意図としては、そこの本来そういう創薬研究とか何かは、やっぱりその独立の中に入っているものであるというような言い方だったら、望まれるというのはいかがなものかという、期待される範囲なのかというような言い方で多分出されたんじゃないかなというふうに思いますけれども、この辺少し何か。はい、どうぞ。
【赤池委員】  よろしいですか。まず、アドバンストカリキュラムはやはり残した方がいろいろな意味でいいだろうと。ただ、井上先生が御懸念のとおりで、やはり国家試験とのリンクはやはり避けていただきたいと思います。そこがはっきり分かるように、アドバンストカリキュラムの設定のところ、やはり少し書きかえた方がよろしいんじゃないかと思います。
 一つの案で今考えましたのですけれども、これがいいかどうか分かりませんが、1行目の「アドバンストカリキュラムのSBOは、」というところの後、「卒業時までに履修することが望ましい内容を示すが、」というフレーズが入っていますが、これを全部削除してしまうということを一ついたしまして、で、そうしますと、「SBOは、全ての学生に一律に履修を求めるのではなく」で「、」を入れまして、「大学の特色や学生の進路に応じて、」この後、「、」から「できる限り」をもう切りまして、「進路に応じて幅広く履修することが望ましい内容を示す。」というふうにしたらいかがでしょうか。これですと明らかにアドバンストの内容になりますし、意味もはっきりして、多分国家試験には入らなくなるだろうと思われますけれども。
【市川座長】  いいじゃないですか、すごくね。いかがですか。松木先生。
【松木氏】  この幅広くというのがわからない。このアドバンスで書いてあること全部という意味なのかどうかが。特色に応じたら、そこの中から選んでという方がいいと思うんですけどね。だから、幅広くという表現も要らないんじゃないかと。
【奥委員】  進路に応じて履修することが望まれる。
【市川座長】  応じて履修することが望まれる内容を示すと。いいんじゃないかな。あとの細かいところは文科省でよろしくお願いします。
 今のところは、「SBOは、すべての学生に一律に履修を求めるものではなく、大学の特色や学生の進路に応じて履修することが望まれる内容を示す。また、」でそのまま続くということですかね。はい、ありがとうございます。
 それではもうほとんど終わりで、あと、薬剤師として求められる基本的な資質というのは、アンケートもありましたけれども、私が読んだ限りでは、特段大きなコメントではなかったような気がするので、先生方のところでなければ、これはこれでいいということにします。いいですか、それでは、事務局から説明をお願いします。
【丸岡薬学教育専門官】  資料2の最後、あるいは資料3の最後も同じですけれども、薬剤師として求められる基本的な資質ということで、10個の資質を、以前この会議でも御検討いただきましたけれども、これにつきましてのアンケートが参考資料3でございます。参考資料3のところにこの資質に対する全体の意見と、それから個別の意見が2ページ目以降に記載されております。表現ぶりを修正した方がいいのではというような意見ですとか、あるいは、ちょっとこれはハードルが高いのではないかというような意見が幾つか出ております。
 説明は以上でございます。全体のところで御参考までに、7番として厚生労働省から意見を頂いておりますので、ごらんいただければと思います。参考資料3の1ページです。
【赤池委員】  よろしいですか。今の参考資料3の7番で厚生労働省から意見が出ていまして、私もこれはもしかしたらそうかなと思うんですけれども、「薬の専門家として」というのが幾つか出てきているということで、こちらの薬剤師として求められる基本的な資質(案)の方ですけれども、まず全体の取りまとめのところで、2行目に「薬の専門家としての責任を持ち、」ということで、これで全体がくくられているわけですね。そうしますと、薬剤師としての心構えのところにまた「薬の専門家として、豊かな人間性と生命の尊厳」云々(うんぬん)というふうに書かれていますけれども、ここはもしかしたらば、指摘のように医療の専門家の方が、見てスムーズかなというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。特に実際薬剤師として働いている先生方から御覧になって。
【永田委員】  そうですね、そのとおりです。
【長野委員】  余りほかのところは真面目に読まなかったので、ここの資質だけは一生懸命読んだのですね。で、いろんな対する意見が書かれていますが、ここに書かれていることは、基本的には、資質に対して根本的にこれは駄目だというわけではなくて、字句の訂正がほとんどで、私もそれは全部感じました。ここに書いてある意見はかなりのものが、最初の例えば薬剤師としての心構えのところの文面、1行目からちょっと何か違和感があるなと。これは確かに指摘されているので、だから、字句の訂正ですので、それはそれで議論して、この資質の10項目は、まあどの先生も悪くはないんじゃないかということだと思います。ただ、書き方、先ほど先生がおっしゃったような点も含めて、それを直せばいいということで、根本的に何かこの資質はいけない、項目を削れとか、あるいは追加しろとか、そういう意見ではなかったように私は思いますし、読んでみて確かにそうだなと。だから、修正ではないかなというふうに見ております。趣旨はいいことだと。
 この修正は薬学会がやるんですか。
【市川座長】  いや、ここでしょうね。
【長野委員】  ここでやるんですか。
【市川座長】  そうしたら、ここで少し議論させていただいて、それをメールで皆さん方に回して御確認を頂いて、追加あるいは御確認とか訂正とかをしていただいて、きょうはもう時間がちょっとないので、これで一つずつやっていくのは大変だと思うので、私と副座長の方でこれに基づいて少し案を作ってみます。先生方にとってはこれを参考にされて、もう少しこれもやるべきだというような意見も入れていただいて返していただくということでよろしいですか。そうしたら、私どもで直して、文科省とも相談します。
【長野委員】  この意見で網羅されるぐらい書いてありますよね。もう全部書いてありますね。
【市川座長】  私も内容はほとんどないなと思って、これでいいと思うんだけれども。
【長野委員】  内容はそんなに変更はない。
【市川座長】  それでは、厚労省の御意見もそのときに取り入れます。そうしたら、メールでできるだけ早く先生方にお回ししますので、よろしくお願いします。その部分を直したものをこの委員会の案といたします。それで、それらを全部含めて、きょう御議論いただいた内容を含めて7月22日に薬学系人材養成の委員会がございますので、そこにこの専門委員会からの案というか、アンケートに従ってこのように直しましたということを報告させていただくということを御了承いただければ、本日はこれにて終わりということなんですけれども。
 それからあと、併せて薬学会の方で。
【松木氏】  先ほどの薬学会への要望を文章でいただけるというのはいつ頃いただけますか。
【市川座長】  もう大体お聞きになった範囲だと思うんだけどな。
【松木氏】  いや、一応文章にしておかないとまた忘れちゃうものですから。
【丸岡薬学教育専門官】  正式なものにつきましては、その22日の検討会が終わりまして直ちにお送りしたいと思います。
【松木氏】  はい、分かりました。
【市川座長】  それでは、本当に薬学会の方には申し訳ないですけれども、8月末までの作業、ちょっと大変ですけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、この専門委員会としましては、その次回に関しては、その薬学会の作業状況を踏まえてということですけれども、そういうものが全部終わりましたら、必要に応じて文部科学省で考えていただくということでよろしいでしょうか。
 それから、参考資料6というのがございます。参考資料6というのは、これは特にCの項目、薬学基礎教育のところの範囲と、それからD、E、Fとそれぞれにおいて、ここにいらっしゃる専門委員の先生の何人かにあらかじめちょっと見ていただきまして、少し薬学会を視野に入れてというか、念頭に置きながらコメントをちょっと書いてくださいと。特に大きなポイント、大きなウエートを持つものを挙げてくださいという格好でお願いをいたしました。そのまとめでありまして、これは併せて何らかの格好で薬学会の方で参考にしていただければというように思いますので、これも付けてお渡しするということになると思います。よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに何か先生方の方で御意見なければ。
【赤池委員】  時間があるんでしたら、確認ですけれども、この大項目ですけれども、先ほどの議論で結論としては、CからFの「教育」は切るという理解でよろしいんでしょうか。これがまた結論が出ていない。どういう結論になったのか、確認をしたいんですけれども。
【市川座長】  切るという方向で御検討いただいたらという。
【奥委員】  CからEまでは切る。
【入江委員】  Fはどうするのですか。
【市川座長】  Fも切るということです。薬学臨床でとめる。
【奥委員】  薬学臨床です。
【市川座長】  それは薬学基礎とかそういうことに対応するという、基礎があって専門と。
【赤池委員】  いや、これは途中の議論で、例えばですけれども、薬学臨床学習とか実習とかいうような案も出ていましたけれども、それは入れないで薬学臨床でとどめるということなんでしょうか。
【市川座長】  そうですね、これ、どうでしょう。
【平井委員】  入れなくていいと思いますよ。
【市川座長】  じゃ、もうここで確認とります。入れなくていいですね。「教育」を取るということで。花井先生、何か御意見いただけたら。
【花井氏】  薬学臨床という言葉というのは一般的なのでしょうか。だから、上の方は結局、何とか薬学というのはディシプリンなんだけれども、薬学臨床というのはちょっとそういう意味ではないですね。薬学というのがあって、そこに臨床をくっつけているという。専門家のみなさんはわからないけど、僕からすると結構聞き慣れない感じはするんですけれども。まあ薬剤師の臨床だと思うんですけどね、含意としては。ちょっとそういう印象しかわかりませんが。
【市川座長】  ありがとうございます。
【奥委員】  教育を取るのなら薬学基礎までです。本当は基礎薬学の方が分かりやすい気がします。臨床薬学は駄目ですか。
【永田委員】  僕もそう思いますね。
【奥委員】  薬学基礎教育はすんなり入りますが、教育を取ると薬学基礎は少し違和感がします。普通は基礎薬学ですよね。
【長野委員】  薬学基礎と基礎薬学とはどっちがいいかわからないけど、臨床薬学と薬学臨床は違うでしょうね。
【奥委員】  基礎薬学、衛生薬学、医療薬学、臨床薬学ってすごくきれいだと思います。
【市川座長】  臨床薬学だとちょっと。どうぞ、赤池委員。
【赤池委員】  よろしいですか。私もCは基礎薬学の方が分かりやすいかなと思います。そういう意味で、Fだけは薬学臨床教育と残しちゃいけないんですか。むしろここは教育が残ってもいいのかなと思うんですけれども。そうすると、特に言葉で苦しむ必要ないですし、分かりやすさからいうと薬学臨床教育で非常に分かりやすいように思うんですが。
【市川座長】  臨床に向かうための教育をしている段階ですよという違いなのかな。
【奥委員】  少し具体的な感じですね。
【市川座長】  もうある程度完成していくと。松木先生、どうぞ。
【松木氏】  確かに、Fに教育って入っていた方がいいと思うんですね。Fは実践であって、余り教育でないような感覚を持たれている方も結構多いので。ですから、そういう意味ではFもやっぱり教育なんだという形で、実務実習も教育なんだという形で入っているのは悪くはないと思いますけれども。
【奥委員】  教育を抜いたので、薬学臨床実習はどうですか。
【市川座長】  何でそこだけ実習が入るのか。それはちょっと。
【赤池委員】  座学の部分もある程度入りますから、実習だけで固めてしまうというのは余りよくないと思います。するのであれば学習だろうと思いますけれども、学習よりは教育の方がいいかな。
【永田委員】  学習でいいと思いますけれども。
【赤池委員】  学習の方がいいですか。
【入江委員】  どちらかと言われたら、学習の方がよいと思います。
【奥委員】  松木先生が言われたように教育を入れたいけれども、教育でまとめたから教育を抜いたという意味で言うと、違う言葉にした方がいいかもしれません。学習かもしれません。
【入江委員】  元々コアカリの原則は、学習者が主体であるという表現を用いてきましたので、やはり教育よりも学習がよいと思います。
【奥委員】  Cは基礎薬学でいいですか。僕は基礎薬学の方が良いと思います。
【市川座長】  基礎薬学。一般薬学、基礎薬学みたいな基礎みたいに聞こえるけれども、いいのかな。専門基礎という言い方をした場合に。
【奥委員】  専門基礎というスタイルですね。薬学基礎というのは。
【市川座長】  どちらがいいんだろう。
【井関委員】  私は、薬学基礎とか薬学臨床と言われて余り実は違和感なかったんですよね。
【平井委員】  薬学臨床でいいんじゃないかなと思いますね。
【奥委員】  薬学臨床だったら薬学基礎です。
【平井委員】  薬学基礎です。
【奥委員】  では、このままで行った方が良い。
【平井委員】  基礎薬学より薬学基礎と言った方がいいと思う。
【奥委員】  薬学基礎で薬学臨床の方が分かりやすいかもしれない。
【入江委員】  そうであれば、そのままで結構です。
【奥委員】  そうしますか。
【市川座長】  学習はなくていいのですね。
【奥委員】  なしで良いです。
【市川座長】  そうしたら、全部教育を取るということで、この委員会としてはまとまったということでよろしいですか。
【井関委員】  時間が少しあるということなので確認したいことがあります。現場の方から時々聞かれて、僕もちょっと答えづらくて困っているんですが、この新しいコアカリキュラムがスタートするのが平成27年ですが、実務実習の方は前倒しでやるんですかということで、非常に現場の方が泡を食ってそれに合わせて体制を変えなきゃならないということを聞かれることがあるんですが、この委員会としては順番にいくということで動いているという解釈でよろしいんですよね。
【市川座長】  はい、そういう前提で議論がされています。
【井関委員】  そうですね、実習だけ前倒しでやるということは、一時期何かそんな話が少し議論されましたけれども、そうではなくて、あくまで27年度の入学者から変わるということですよね。
【市川座長】  はい。
【井関委員】  分かりました。ありがとうございます。
【吉富副座長】  追加でいいですか。私もそういう質問を受けたときに、目標が変わったことよりも、新しくどうやるんですかという方法のことばかり聞かれるんですね。ただ、Fのところについては、実はやり方について医学部みたいな臨床実習のガイドラインをどこかで作らないと、もし目標だけを提示して好きにやりなさいとなったら、ちょっとまずかろうかと思います。そしてガイドラインを作ると、今必要だと目標に書いたけれども現実にはほとんどやりにくいことについても、ガイドラインである程度クッションを置いてこういうふうに当面はやっていいというような提示ができるのでいいんじゃないかなと思うんですけれども。方略を作るというのは無駄だと思うんですけれども、ガイドラインは作るべきじゃないかなというのが一つ意見としてはあります。
【井関委員】  先ほど、この委員会の下にぶら下げようかどうかという議論がありました。そういう中でも、プロダクトの一つとしてガイドラインの策定みたいなものも入ってきてもいいのかなと思います。
【永田委員】  今、吉富先生がおっしゃった方略が無駄とは思っていません。やっぱり末端の指導薬剤師には、ある一定の何かというものを見せてあげないとやはり均一的な実習という考え方から難しい部分があるのかなと思っています。
【吉富副座長】  薬剤師会の方が作られている計画があるのを聞いているので、それはそれでいいなと思いますけれども、結局、病院の方の方略を絶対誰かが作らないと両方進まないですから、そっちがもし誰も作らないのであれば、作ったことにならないですよね。
【永田委員】  それはそうですね。
【入江委員】  一つよろしいですか。今、吉富先生が言われたガイドラインのことですけれども、昭和大学の中村先生が委員長をされて、ガイドラインが作成されていると思います。
【吉富副座長】  Fに関して。
【入江委員】  Fに関してです。
【吉富副座長】  そうですか。
【入江委員】  ですから、それを基にして今回の改訂に伴って新しいものにしていけばよいと思います。
【吉富副座長】  その委員会というのは、どこに所属したどんな委員会なんですか。
【入江委員】  冊子体としてしっかりしたものがあります。配付されていると思います。
【市川座長】  薬学協議会じゃないですか。
【入江委員】  明確ではありませんが、かなり分厚いガイドラインです。
【長野委員】  それは方略じゃないんですか。
【入江委員】  方略も含めたガイドラインです。
【奥委員】  ちょっと緑色がかったつるつるの表紙だったと思います。
【市川座長】  あれは薬学会ですよね。
【入江委員】  はい。
【市川座長】  そういうことも含めてこの下にぶら下げる委員会で幅広く検討したいということで。
 それからガイドラインというのは医学部の場合は絶対的にそれに従ってやっていくわけですか、全大学が。何かその辺の束縛というのは。
【奈良委員】  全大学でやっているわけじゃないんですけれども、参考にはしていますね。コアカリキュラムの後ろの方に入れていますので。
【市川座長】  なるほど。
【奈良委員】  107ページ以降ですね。
【市川座長】  はい。このようなものを参考にさせていただいて、またそのときにいろいろ御意見を頂ければと。よろしくお願いします。
 それでは、ちょうど13時になりまして、皆さん方の御協力、どうもありがとうございました。この委員会はこれで終了にしたいと思います。

 

―― 了 ――

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