薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会(第8回) 議事録

1.日時

平成25年2月7日(木曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 今後の薬学教育モデル・コアカリキュラムの在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

市川座長、太田副座長、吉富副座長、赤池委員、井関委員、入江委員、奥委員、永田委員、長野委員、中山委員、奈良委員、平井委員、松原委員

文部科学省

山野大臣官房審議官、村田医学教育課長、渡辺企画官、小野医学教育課課長補佐、伊東薬学教育専門官、日下部技術参与ほか関係官

オブザーバー

厚生労働省医薬食品局総務課 中井薬事企画官
 田宮課長補佐

5.議事録

【市川座長】  それでは、定刻よりちょっと早いですけれども、薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会第8回目を開催したいと思います。本日は学期末の、あるいはお仕事の上で大変お忙しいときに、皆さんほぼ全員お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 それでは、早速議事を進行させていただきます。最初に、委員の交代があったということを聞いておりますので、事務局より御紹介いただくとともに、委員の出席状況及び配付資料について確認をお願いいたします。
【伊東薬学教育専門官】  まず、新任の委員でございますが、日本薬剤師会の委員でございました森委員から辞任の申出がございまして、後任として永田委員が就任しております。
【永田委員】  永田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【市川座長】  よろしくお願いいたします。
【伊東薬学教育専門官】  事務局側の担当審議官の山野が新しく就任しております。
 委員の出席状況でございます。本日御欠席は伊藤委員と井上委員でございます。また、オブザーバーは薬学教育協議会の望月先生が御欠席でございます。
 それでは、資料を確認させていただきます。会議次第に続きまして、資料1が薬学会宛ての通知文、「薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂方針に関する決定事項について(通知)」。資料2は2種類ございます。薬学会からの資料で、資料2-1が「薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案」、資料2-2がA3判となっておりまして新旧対照表、資料3が「今後の想定される検討スケジュール(イメージ例)」、資料4が「薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について(案)」、それから、参考資料といたしまして、「薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第12回)での主な意見」ということになってございます。落丁等ございましたら、お申し出ください。
【市川座長】  ありがとうございます。特に資料の不足などはございませんでしょうか。
 それでは、早速議事を進めたいと思います。議事として、「今後の薬学教育モデル・コアカリキュラムの在り方について」というタイトルでありますけれども、この専門委員会は第7回目というのが前回ですが、昨年のちょうど夏頃でございまして、それ以来になりますけれども、その後に薬学会が作業されるということをお伺いしておりました。それで、一応第7回までのここで行われた議論をまとめて、まとめたものを薬学会の方に提案させていただいた。その資料がお手元の7月18日という日付になっていますが、資料1という形で出させていただきました。出させていただくことに関しては御記憶があると思いますけれども、メール会議の形で各委員の先生方にはお回しして、御了解を得たものでございます。改めてこの場で報告させていただくことにいたしました。大体真ん中あたりに、特に今回臨床教育ということに非常に重点を置いて、いろいろなことで是非検討をお願いしたいということをお書きして、お願いもしたところであります。その他、ここにある幾つかの事項であります。
 それに基づいて薬学会で改訂作業を開始いたしました。私もいろいろお聞きすると、大変御苦労が多くて、大変なお世話を頂いたということで、精力的な作業がずっと続いて、新年にまとまってきたということであります。本日この委員会が今年度の最後の委員会になるということから、作業チームより原案、今までお考えいただいた案についての御報告を頂くということが1点。
 それから、今後のこの委員会の作業スケジュールということと、もう一つ、この委員会でずっと扱っているコアカリの改訂の理念や留意点について、議論が止まったままになっていますので、それをもう一度ここでやるということを計画しております。時間が十分ありませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、最初に日本薬学会における検討状況ということで、日本薬学会での今までの改訂に係る体制、改訂に当たっての考え方、その進捗状況を含めて、日本薬学会の薬学教育委員長の松木先生から御報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【松木氏】  それでは、御報告させていただきます。前回この委員会で御報告いたしましたように、委託を受けた日本薬学会のモデル・コアカリキュラム及び実務実習モデル・コアカリキュラムの改訂に関する調査研究委員会、我々は薬学会のコアカリ委員会と呼んでいるんですが、そのメンバーを中心に、各大学から推薦された委員、日本薬剤師会及び日本病院薬剤師会から推薦された委員で構成されるメンバーで、改訂作業に入りました。
 昨年の9月3日にキックオフミーティングを開催いたしました。全体会議で説明して、市川先生にもおいでいただきましたけれども、そこから七つのグループに分かれて作業を開始いたしました。それ以降、それぞれのグループに分かれて作業をしましたが、委員が集まれる日が土日、あるいは休日しかないということで、ほとんど休日返上で、あと、集まれないときはメール会議ということで、非常に議論を重ねてまいりました。
 それで、本日お配りしてあります資料2-1というのが、具体的なSBOの内容まで書いたものです。ただ、表紙に書いてありますAからGまでの間の中で、Eの「医療薬学教育」とFの「薬学臨床教育」、実務実習に相当するところなのですが、残念ながらまだすり合わせが完全に終わっていなく、今日はまだお出しできる段階ではないということです。鋭意努力を重ねてまいりましたけれども、拙速に完成を急ぐよりも、みんなが納得できるものをということで議論を進めておりますので、御容赦いただきたいと思います。
 それから、資料2-1で示してある案につきましても、全体を通して表現の統一、重複するSBOの項目の扱い、全体的に見落としがないかどうか、日本薬局方の内容がカバーされているかどうかはまだです。また、アドバンストカリキュラムというものを設けたらどうかという意見がありますので、まだまだ完成版ではないというところを御承知おきください。ただ、大枠は変わらないだろうということと、先生方にはたたき台になるものが必要であろうということで、今回お示ししております。
 それから、表紙にありますように、ちょっと前回までの議論とは変わりまして、前はAが基本事項で、Bが導入教育、Dのところに社会薬学を入れるということで進めてきたと思います。しかし、導入教育は必ずしも最初に1、2年生とかで履修すべきことだけではなく、6年間通して履修すべきことがあるということで、導入教育という表現は余り適当ではないだろうということ、それから、その中に薬学と社会に関するものがあるということで、Aは基本事項、Bとして新しく「薬学と社会」という大項目を立てさせていただいております。この点は、後で御審議いただければと思います。それから、衛生薬学と一緒に検討しようと考えていた社会薬学については、Bのところに入れて新たな項目とするということです。
 全体に重複を防いで、各SBOの項目を見直すという作業を各グループが行いました。特に方略をそれほど考えなくてもいいということですので、どの科目をどういう順番で教えるかということは余り意識せず、学生の立場に立ってわかりやすく必要な項目ということで整理しました。今日お示ししてあるAからD、それからGに関しましては、別に数をそろえたわけではないですが、おおむねSBOの数としては7割ぐらいに減っております。
 それから、継続審議、あるいはここの会で御審議いただきたいのがアドバンストカリキュラムの扱いです。従来のコアカリのところでは△印がついて、それはCBTを受験するときまでに必ずしも履修しておかなくていい、卒業するまでにということでした。しかし、その意味ではなくて、6年間通して必ずしも履修しなくてもいいけれども、できるところは履修した方がいいと、この辺の表現は非常に難しくて、できれば履修した方がいいのか、履修しなくていいのかということで、ネガティブかポジティブかというところに各大学の評価が分かれてしまうところで、書くときは慎重でありますが、意見としましては、削ったけれどもできたら残した方がいいだろうというもの、あるいは入れた方がいいけれどももしかしたら全ての大学では実施できないかもしれないというものは、アドバンストカリキュラムにしたらいいのではないだろうかという意見があります。それもここで御判断いただければ。まだ現在はアドバンストカリキュラムとしては記入してございませんけれども、そういうものも是非設定していきたいと思います。
 それから、重複する項目はなるべく減らしたのですが、例えば前後の項目との関係でどうしてもそこに入れておいた方がいいというものがある場合には、重複は認めました。ただし、どちらかを主にしてどちらかを従にし、従の方に主の項目を参照と記入したらどうかとしております。
 それでは、具体的に全体がどのように変わったかという点は、資料2-2を用いて説明していきたいと思います。資料2-2の表は、左側に現行のコアカリの項目が並んでおりまして、右側に今回の改訂案が入っています。これにつきましては、EとFについても記載されております。それから、右側の欄にあります数字ですが、SBOの数です。順番に小項目、中項目、大項目で、右側がトータルになっています。全体的に見ますと7割くらいになっています。
 1ページ目は、先ほど申し上げましたようにBに「薬学と社会」というものを設けまして、これは新たに項目を設けたというよりも、他のものをここに移して整理をしたというところが主体であります。それから、現行のBの(2)にありました早期体験学習ですけれども、これはFに入れるというところで調整をしております。
 それから、めくっていただきまして2ページ目、基礎教育の中の左側の現行のC5、「ターゲット分子の合成」というところがありますけれども、この中項目は削除いたしました。ただし、「ターゲット分子の合成」は完全になくすのではなくて、必要なところに書き込んでC5としてはなくなったという形です。それから、C4の(3)、「医薬品の化学構造と性質、作用」は、C1なんかにもありますけれども、物理と化学的な両方から学習した方がよいだろうということで、C4は物理や原理に対してもうちょっと化学的な方面からの化学構造というものを入れております。
 それから、次の3ページ目に行ってもらいまして、左側の現行のC8の「生命体の成り立ち」の上にあります「現代医療の中の生薬・漢方薬」というところですが、Eの薬物療法に入れた方がいいだろうということで移しております。それから、右側が改訂案ですけれども、「生命現象の基礎」と「生命体の成り立ち」を、左側を御覧いただくとわかりますように、順番を入れ替えております。こういう方向で履修した方がわかりやすいだろうということで、入替えをいたしました。
 それから、前のページの現行のC8の「生命体の成り立ち」の中の(4)に、「小さな生き物たち」というところがありますが、これはC8の「生体防御と微生物」の方で合わせて記載するという形にしております。
 それから、改訂案のD2の「環境」ですけれども、(1)に「放射線の生体への影響」というものを入れております。
 それから、E1の「医療薬学教育」ですけれども、現行のカリキュラムではC13、C14などにおいて薬物治療と薬理学が同じような項目を掲げていたところがあるわけです。そこを整理いたしまして、疾患別に分け直しをしまして、一つにまとめたというのが改訂案のE2「薬理・病態・薬物治療」というところです。それから、今まではC13の中などに薬物動態などが入っていたのですけれども、それは全部後ろのE4「薬の生体内運命」、E5「製剤化のサイエンス」の方にまとめてあります。それから、先ほど申し上げました漢方薬が改訂案のE2の(10)に入っております。
 それから、最後から2ページ目のところ、改訂案の「薬学臨床教育」ですが、今までは実務実習、事前学習、病院実習、薬局実習と分かれておりましたものを一本化いたしまして、項目の数は見かけ上減っていますが、内容はかなり密になっていると思います。病院実習と薬局実習で重複していたものを減らして、かなりすっきりしたと思います。
 これが全体の大きな改訂したところでありますが、御指示いただきましたように、実務実習、薬学臨床教育を充実させるというところは非常に今議論が進んでおりまして、大幅に項目とかを整理し直して、かなりいろいろな意見を取り入れたと思います。ただ、事前実習と分けなくなったことによって、Eに入るべきところとFに入るべきところのすみ分けが必要になりましたが、まだできておりませんので、申し訳ありませんが、本日はお示しすることができないという事情です。
 あと、もう一つ最後に、この委員会、あるいはもうちょっと上の委員会かもしれないのですが、是非御検討いただきたいのが、薬学臨床教育をしっかり行うためには、現在行われているような実務実習体制では実施が難しい面があることです。と申しますのは、現在の実務実習ですと、指導薬剤師、あるいは施設によってかなりばらつきがあるということで、学生がどの実習先に行ったかによって、履修できる実務内容とか勉強する内容がかなり異なってきてしまっているというところです。これからFのところでかなり新しい項目を入れようとすると、もし現状の実務実習のシステムを維持したまま行うと、更にその格差が開いてしまう。
 それから、本来はアドバンスト的なものといいますか、10年後に医療の現場で実際に必要な実践能力ということを入れようとして、それを先取りして講義しているような先生もいるのですが、実務実習の現場に行くと、そういう理想と現実のギャップを非常にネガティブに感じてしまうような学生もいるということがありまして、今のカリキュラムにおいても是非とも実務実習のレベルを上げるということを、どの委員会で申し上げていいのか分かりませんが、少なくとも我々はコアカリの改訂で手いっぱいですので、是非どこかで検討していただきたいと思います。
 それから、そのときに強く言われている意見としましては、臨床教育のところでアドバンストな項目が入ってくるのは非常に歓迎すべきことではあるのですが、ただ、現行の実習費用も大学にとっては非常に苦しい状況でありますので、それが更に引き上がることはないようなことも考慮してほしい。これもこの委員会とか我々が検討すべきことではないのかもしれないですが、コアカリを考える上ではそのことも避けて通れない事実であるということなので、是非ともどこかで検討していくことをお願いしたいと思います。
 以上です。
【市川座長】  ありがとうございます。大変膨大な内容を短時間にお話しいただいたので、フォローが難しかったかと思いますけれども、作業は一応順調にされたわけですが、EとFのところで調整が不十分であるということで、今回資料が出てこなかったというのはちょっと残念ではありますけれども、その事情を十分理解した上で、これから議論を進めたいと思います。
 最初に私の方から御質問したいのは、薬剤師としての資質というのがございますね。資質の項目は一応モデル・コアカリキュラムの上に立つものですけれども、作業された中で資質について何か改訂を要するとかいう点が特になかったでしょうか。
【松木氏】  特に今のところは問題ないと思います。
【市川座長】  そうですか。資質の改訂はないということですね。
【松木氏】  Fの実務実習の内容が固まってくると、少し変わるかもしれませんが、まだ今の段階では特に問題はなくて、逆にそれに合わせてGIOなどを書こうとしております。
【市川座長】  資質については、どこかでもう一度検討が必要かと思いまして、特に前文の部分と、後ろに10項目ございますけれども、それとのバランスということも考えながら前文について、今のお話で、Fができ上がったところでもう一度皆さんに御検討いただくことになると思います。
 それで、ほかにいろいろな御意見を頂きたいと思いますけれども、大項目の変更、中項目の変更、△印の問題は今まで違っているわけですが、そういうことにある程度絞って議論をしていただければと思いますが、最初に、大項目の変更をしましたということで、特にBの部分ですが、今まで導入教育とされていた部分を「薬学と社会」とまとめてみたということですけれども、これについて何か。特に流れとしては一応わかりやすくなっているし、中項目を見ると、それはそれで理解しやすいかなと思いますので、大項目のBを「薬学と社会」でまとめたいと思います。
 次に、中項目の移動などがございましたけれども、そんなことを含めて自由に御意見をいただければと思います。
【吉富副座長】  質問していいですか。
【市川座長】  はい。
【吉富副座長】  最初に、Bのイントロダクションのところの「早期体験学習」をFに移す予定だとおっしゃいましたけれども、Fにはその項目はありませんが、例えばSBOレベルか何かで早期体験学習的なことが入るということなのですか。
【松木氏】  どういう形で入れるかというのは、まだこれからFを全部詰めてEとFをすり合わせないと決まらないのですけれども、入れるということで調整することはこの前の委員会で決めております。
【吉富副座長】  一応移動するけれども、内容的には消えないということですね。
【松木氏】  そうですね。
【吉富副座長】  わかりました。
【松木氏】  ついでに申し上げますと、早期体験学習というのは何となく方略的なイメージがありますので、そうではないような書き方をすると思います。
【吉富副座長】  ただ、第三者評価の評価基準に「早期体験学習をやっていること」という評価基準があるのですよね。だから、あの単語を安易に削ると、すり合わせが面倒になるのではないかなと思います。
【長野委員】  よろしいですか。
【市川座長】  長野委員。
【長野委員】  大変膨大な作業をかなり短い時間でされたことに敬服しております。非常に細かいところで、先生は特にコメントされなかったと思いますが、最後の「薬学研究」のところを見ていただいてよろしいでしょうか。
「薬学研究」の言葉ですが、G3に「研究のプロセス」と書いてあるのですが、それで、GIOに「研究のプロセスを通して、薬学で得た」云々(うんぬん)とあるのですが、言葉として恐らく「研究のプロセスを通して」より、「研究を通して、研究プロセスで得た知識や技能」という言葉の方がスムーズかなという感じが私はして、G3のタイトルとして「研究のプロセス」よりも「研究の実践」かなという感じがするのですが、「薬学臨床教育」でも実践という言葉がよく出てきますので、プロセスというのはなじまないかなという感じがしましたが、言葉だけの問題かもしれませんが、何かその辺はあえて選ばれた意味があったらお願いします。
【松木氏】  御指摘ありがとうございます。先ほどGとして新たに「薬学研究」の項目を設けたということを説明するのを忘れてしまいました。その内容につきましては、まだ全体の議論はしていないところですが、グループ内の意見で出てきたので、それぞれの大学の事情を鑑みて、こういう表現に落ちついたとは聞いております。確かに先生がおっしゃるように、実践という言葉を入れた方がわかりやすい気がいたしますので、少し検討させてください。
【入江委員】   先ほど吉富先生から御質問のありました早期体験学習のことですが、松木先生が言われたようにFの中に入れるという議論の中に、現状では、早期体験学習は通常1年生で実施され、4年生で実務実習事前学習、5年生で薬局・病院実習となります。その間のつながりが余りうまくいっていないのではないかという意見がありました。臨床薬学教育は、1年生から段階的に行っていくのが望ましく、早期体験学習も臨床薬学教育に入れ込むことによって、らせん階段を上っていくように臨床薬学を学んでいくのが望ましいという議論がございました。
【市川座長】  今のらせん型ということで、私が気になったというか個人的な意見かもしれないけれども、Bの「薬学と社会」という項目はC18という項目にあった内容ではないかと思うのですが、そういう意味で、位置的には非常にわかりやすいのですけれども、ここへ持ってくる間に「薬学と社会」を説明するSBOがないと、早期に学生がこれを見たときにすぐに理解しにくいところがあるかと思います。ここには導入的な何かSBO項目が最初にあるといいのかなという感じがするのですが、それはどうですか。
【松木氏】  導入教育の代わりにこれが入ったということではなくて、導入教育の内容が基本事項にも随分入るということでそちらの方に移って、あと、「薬学と社会」を一つにまとめた方がわかりやすいということでまとめたので、この順番で履修しなさいということでは決してないのです。
【市川座長】  大部なもので、またじっくり読んでいただくことにして、次に御議論いただきたいのは、△印とアドバンストということについて先ほど御説明がありましたけれども、現時点では△という概念とアドバンストという概念は必ずしもはっきりしたものではないという御説明だったと理解しましたが。
【松木氏】  CBTはどうするかというのは我々の守備範囲ですが、それと今の△印とは別の意味でアドバンストをつけたいということで、つけるとしたら△じゃなくて星印か丸印になるかわからないんですが、先ほど申し上げましたように、落ちてしまうけれども入れておきたいという意見もあるようなもの、あるいは入れたいけれどもまだすべての大学では履修できないかもしれないというものをアドバンストカリキュラムにして示して、次の改訂のときにそこを検討するようにしたらいかがかという意見なのですね。ですから、先ほども申し上げましたように、これをやらなくていいととるか、できたらやってほしいととるかというのは、どういう書き方をするかにもよって変わると思います。それぞれの大学で違ってくる。
【市川座長】  そうですね。そうすると、考え方としては、アドバンストというカリキュラムみたいなものが別個にできるという考えか、あるいは内容の中でここはアドバンストの内容ですということですか。
【松木氏】  現在の議論としては、後ろの方にアドバンストとしてまとめた方が、うまく書けるんじゃないかだろうかというところですね。
【吉富副座長】  質問ですけれども、資料2-1の分はアドバンストと称するものも入っているのですか、それとも外してあるのですか。
【松木氏】  基本的にはコアとなる部分だけですので、入っておりません。その議論の途中で、どうしても入れたかったのにというものがあった場合に。ですから、逆に今度アドバンストカリキュラムというものをつくっていいとなると、後ろの方にいろいろ入ってくるかもしれません。
【吉富副座長】  だから、議論の過程では、この中のものでもひょっとしたらアドバンストに移るのも出てくるかもしれないということはありますね。それはないですか。
【松木氏】  今一番大きな議論は、特にEとFなのですね。かなりボリュームが多いので、アドバンストということで対応できないかという議論をしているところです。
【吉富副座長】  ということは、特にEとFの場合には、コアの部分とアドバンストのことを一緒に最終的には提示してもらわないと、議論がかみ合わなくなるかもしれないですね。今は出ていないから、議論することではないですけれども。
【松木氏】  おっしゃるとおりですけれども、コアの部分をどう捉えるかで、10年後に全ての施設でできるレベルにすると、現状をただ延長していくだけだとそんなにできないんじゃないだろうかというところですね。でも、ここまで入れなきゃいけないというところで、我々も10年後に本当にどこまでいくのかわからないところがあって、ですから、ただ眺めているだけではなくて、もっと積極的に実務実習のレベルを向上していただきたいということですね。ですから、もし現状のシステムが変わらないとしたならば、かなりの部分をアドバンストにしないといけないのではないかという議論になっております。
【吉富副座長】  ありがとうございます。
【市川座長】  今のアドバンストの議論は、各項目に関してもう一回薬学会の方で検討していただけるわけですか。今現実に少しアドバンストや△にふさわしいSBOもこの中であるのかなと。
【松木氏】  アドバンストという項目を設けていいということであれば、もう一回見直すことにはなると思うのですが、現実的に一番議論が進んでいるのはEとFですので、もしそこをすり合わせてアドバンストが要らないというところに落ちつけば、もしかしたらそれはなくても済むのかもしれないですけれども。
【市川座長】  なるほど。
【吉富副座長】  もう一回だけ、前のカリキュラムで△がついたのとアドバンストというのは同義語じゃないですよね。
【松木氏】  全然違います。
【吉富副座長】  違いますよね。
【松木氏】  はい。
【市川座長】  △ということは、薬学会としては守備範囲ではないと理解はされているということですか。それとも、今後の話として△の議論、要するに実務実習へ行くまでにすることだという。
【松木氏】  それはコアと一体になっているものですから、当然我々のところで。特にコアを制定した経緯がありますので、そこからアドバンストカリキュラムがあるんだったら含めて議論するという意見もあります。
【市川座長】  奥委員、どうぞ。
【奥委員】  薬学共用試験センターの立場から、△については一応薬学共用試験センターでは出題しないということで、今までは三つあったと思います。一つは薬学共用試験までに習っていない項目、もう一つはアドバンスト項目、あとは技能等で項目としてCBTに合わないだろうというものは除いていたということです。今回の決め方として、アドバンストの△はなくして、後につけるのか別につけるのかは別としてアドバンストは残そうということです。
 それからもう一つ、技能やCBTに出ない項目についてどうするかということに関しては、共用試験センターとしては最終的にはこの会にお願いして、CBTに出ないものとしては△をつけていただきたい。それから、技能等についてはどうするかというのは、この会で方針を決めていただきたい。例えば技能についても△をつけないのであれば、その問題を場合によってはつくらなければいけない。例えば知識、技能と書かれたらつくるのかという問題がありますので、それは是非決めていただきたいというのが最終的なお願いですけれども、まだその段階ではないので、一応最終的にはそういうことをお願いすると思いますということで、今日は山元理事長の代理で話させていただきました。
【赤池委員】  よろしいですか。
【市川座長】  はい。
【赤池委員】  同じ議論をもう一回繰り返し申し上げるだけかもしれませんけれども、ただ、アドバンストの取扱いということですが、コアカリキュラム自体をこの委員会でもそうですし、薬学会の方での委員会でもそうですけれども、基本的には全国の大学、臨床の部分については全国の施設で実施可能なものを作成していくということでつくられていると理解しております。
 そういたしますと、いかにすばらしい内容であっても、もちろんそれぞれレベルはあると思いますが、全国でかなりの施設、あるいは大学では実施できないというものについては、コアカリキュラムとして残すことは難しいと考えます。ただ、そういったSBOsをそのまま削除してしまうということになりますと、せっかくの良い内容がなくなってしまいます。それから、改訂作業自体も今回で終わりではなくて、当然あと一定の年限後には行われるということで、そのときにはそういったものが可能になるということも十分考えられます。
 そういったことも含めて議論して、いろいろな事情によってコアカリキュラムには入れられない、ただしSBOの内容、薬学教育としては非常にいいものといいますか適切なものであるものについては、アドバンストカリキュラムという形で残してはどうか。私の理解では、そういったことが薬学会の委員会でも考えられましたし、この委員会でも一応そういった形で進められていったのではないかと考えております。
 そういった点では、アドバンストカリキュラムは実施しなくていいものというよりも、当然実施することが望ましいけれども、ただ、義務化は難しいという考え方になるのではないでしょうか。混乱を避けるためには、そういったものに単に印をつけるというよりは、コアカリキュラムとは別立てできちんと示す。大分内容が違いますので、誤解を招くかもしれませんけれども、現行のコアカリキュラムですと一番後ろに「薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示)」というものがありますが、構成は多分これとは大分違ってきますけれども、こういった形の別立てでアドバンストカリキュラムを示して、きちんと形として残しますし、是非それを実施できるところは実施していただく。ですから、もし全体としてそういう考え方になれば、単に示すだけではなくて、恐らく前文の中にもそういった内容をきちっと表現して進めていくことが必要にはなります。
【市川座長】  考え方としては、大学独自教育というか、そういう内容に近いものがアドバンストのガイドラインみたいな形になるという理解でよろしいですか。
【赤池委員】  コアカリキュラムは大学が実施する全カリキュラムの7割程度をめどに、残りの3割は大学が独自で組むということになりますから、それを組む場合に必ずしもアドバンストカリキュラムから全てとる必要はないと思いますけれども、非常に参考になる内容が含まれているという理解だろうと思います。
【市川座長】  全部できてからの話だけれども、△印に対してこだわるんだけれども、これは前のときには一度全部原案ができ上がった上で、全国の大学にアンケートを出して△印をつけてもらって、4年次に実務実習に行く前にやることとそうでないものを区別してもらったけれども、そういう手順みたいなことが必要かどうか、あるいはこちらで既に今までやってきたのだから、この内容においては△をつけるとかつけないというところをどこかでやった方が早いのか、その辺の御意見を。
【松木氏】  よろしいですか。当然各大学に投げると、相当な意見が返ってくると思います。ただ、そのときに、アドバンストというものがあるという形でやりますと、そこにかなりたくさん入ってくるのではないかと思いますので、基本的にコアを示して、どうしてもこの中に入り切らないものとしてかなり強い主張があったら、アドバンストにするという扱いでいいのではないかと思っておりますが、個人的な意見ですけれども。
【市川座長】  ほかの方は、大体そういう考え方でよろしいですか。
【吉富副座長】  よろしいですか。
【市川座長】  はい。
【吉富副座長】  アドバンストは今松木先生が言われたとおりで十分だと思うんですけれども、△印は薬学共用試験レベルで出すか出さないかというのは、議論の趣旨が違うような気がいたします。
【松木氏】  我々が議論しているのは全然薬学共用試験とは関係なくて、純粋にコアかアドバンストだけで、あと、それをCBTにどう出題するかというのは、CBTの委員会の方との兼ね合いということですよね。
【奥委員】  前は△はCBTに出ないということでしたが、教えていないもの以外にアドバンストにも△がついたという経緯があったので、今回はアドバンストになるものは外してコアだけをつくって、まさに先ほど赤池先生が言われたとおりの考え方でアドバンストをつくろうということです。だから、△をつけるのは教わっていないものと、CBTにふさわしくないかもしれない技能とかであるとした場合に、教わっていないところは多分オートマチックにできるのかもしれませんが、技能等に関してはどこかで決めていただいた方がいいと思います。方針をこの会で決めていただければ、例えば薬学会でやるとか全国に振るとかできると思いますが、方針はここで決めていただけると非常にいいと思います。
【吉富副座長】  今市川先生は、それをどこでやりましょうかと、簡単に言えば投げられたような話でしたけどね。
【奥委員】  だから、△をつけることはやるけれども、方針はここで決めた方がいいのではないのでしょうか。
【赤池委員】  よろしいですか。
【市川座長】  どうぞ。
【赤池委員】  私もこれは難しい議論だと思うのですけれども、ただ、実質的には松木先生もおっしゃっていましたが、コアカリキュラムの改訂作業は薬学会の教育委員会で行っていますので、この委員のメンバーが完全に外れてしまうと経緯がわからなくなるので難しいだろう、当然CBTを担当されている薬学共用試験センターの方たちにも出ていただかないと難しいということですので、どういう構成になるかは別にして、少なくともその2者は、全員とは言いませんけれども、ある一定の人数が加わる必要はあるのではないのでしょうか。
【市川座長】  そうですね。それでは、具体的な話ですけれども、AからDは大体ここである程度の大枠というのかしら、言葉とか体裁なんかは少しまだこれから直すにしても大方でき上がっていて、EとFに関してはこれから調整が必要であると理解していますが、EとFは今薬学会のプランとしてはいつごろに大体できることになるのでしょうか。
【松木氏】  目標としては、今月中に大枠が出て、それを全体で議論して、3月中には何とかというところですね。
【市川座長】  3月中。もうちょっと早くいただけませんか。全体を見るのに、やはりEとFがないと非常に難しいので、非常に言いにくいのだけれども。
【松木氏】  いや、本当に担当している人が休日返上でやっているので。EとFのすり合わせは、2月いっぱいでできるところということであれば、そういたします。
【市川座長】  いろいろとお忙しいことは十分に分かった上でのお願いですけれども、少し頑張っていただいて、できるだけ早くお願いしたいということでよろしくお願いいたします。
 そして、△に関しては先ほどまとめられたような形で、この委員会としての責任もありますから、薬学会と薬学共用試験センター、この委員会から何人かの方ということで、重なっている人もたくさんいらっしゃいますからそれを含めてですけれども、△を先に少し考えてしまうというやり方をしたい。既に今までのカリキュラムがありますから、大体それに基づいて、どの程度までは行ける、行けないというのはわかると思います。ただ、臨床教育科目のところで事前学習等実際の問題があるので、そういうことになると、果たしてどういう印をつけるかというところが出てくると思います。事前学習は今まで薬学共用試験の範囲の中にも入っているはずなので、その辺のすみ分けも必要なので、そういう委員会をどこかで設置したいというのをよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議論を次に進めて、時間がありましたらまた戻りたいと思います。検討のスケジュールについてですけれども、今後の検討スケジュールのイメージについて考えていただいたものがありますので、それについて事務局から御説明願います。
【伊東薬学教育専門官】  資料3を御覧ください。この資料につきましては、第4回の会議で配付したものに少し書き加えたものとなってございます。左側に改訂作業という欄がございます。 まず、23年度といたしましては、コアカリを改訂することを決定し、専門研究委員会を立ち上げ、更に薬学会に作業チームを設置いたしました。こちらには書いておりませんけれども、大学に対してのアンケート調査も行っております。24年度は、具体的な改訂作業に着手し、現状まで進んでいるというところでございます。24年度に大学へのアンケートと書いておりますが、これはできればということで一応入れてあるものでございます。また、25年度に入りまして、大学アンケートを踏まえた修正作業を終えて、パブリックコメントをかけ、新コアカリを決定するということを現在のところ想定してございます。また、新コアカリが決定しました後に、円滑な薬学実務実習に向けての検討を行う必要があるかと考えておりまして、それを実際に実習が始まるまでにかけて検討することになるのではないかということで想定したものでございます。
 右側の欄の案の1、案の2につきましては、基本的には変えてございませんが、案の1は新コアカリが25年度に決定した場合で、各大学で行われるシラバスやカリキュラムの準備が残りの期間、1年半ないしそれより少ない時期で、また、更に案の2になりますと、実質半年もない準備期間で進めていただかなければならないような状況となります。案の1は大学のカリキュラムの準備が1年ちょっとで27年度入学生から、案の2は準備する期間が半年もないという状況で26年度にスタートする場合のロードマップとなってございます。
 説明は以上でございます。
【市川座長】  これまでこの委員会も含めてですけれども、平成26年度、若しくは27年度の入学生からということで検討してきたわけですが、その原案を先ほどまでの議論を含めて考えると、私の考え、感じも、平成26年度の入学生からの適用は難しいのではないかなと。平成27年度入学生から適用するということにした方が、しっかりしたものができるし、これでも精いっぱいかなという感じがありますので、一応ここでは26年度はやめて、27年度からという形で運用していくことを決めさせていただきたいと思うのですけれども、この提案はいかがでございましょうか。奥先生。
【奥委員】  もちろん賛成ですけれども、薬学共用試験センターの立場から言うと、まず全てコアカリがそろった段階で、新旧対照表等をつくって入れ替えをやって、新しい問題をつくらなければいけなかったら、そこで各大学にお願いしてつくり、それを今度は夏の体験受験なんかで評価していくというのをずっと考えていきますと、26年からははっきり言って無理です。
【市川座長】  はっきり言って無理ということですと、27年度にするしかないですね。普通に考えても27年度が一番妥当な線だと思うので、27年度ということで、それに向けて頑張ろうと思いますので、よろしくお願いします。
 今奥先生もおっしゃったとおり、先ほどの議論に戻りますけれども、AからDとかE、Fもそうですが、どういうところが変更になったかもう少し明解にしないと、大学にアンケートを出してもわかりにくいですね。今日聞いていても、非常に明解に御説明いただいたんですけれども、言葉だけで聞いているとよくわからない。だから、旧カリキュラムの各SBOで消えたものがどれか、一部いじったものはどれか、どこの項に移動したのか、新たに入ったSBOはどれかということを一覧表みたいな形で全部のSBOに対してつけてもらう。
 それがないと、大学の先生方も検討する基盤ができないということもあるし、カリキュラム全体を組もうとしても、幾つの数がどうなっているかわかりにくいこともあります。そんなこともあって、薬学会の作業の中でできるだけ早くそれをまとめていただきたいと思うのですけれども、それはよろしいですか。宿題を投げかけました。
【松木氏】  どうしてこのSBOを選んだかという理由も必要だという議論はありますが、必要な作業量を考えたときに、みんな今までのことを考えてなかなかうんと言えないのが実情で、でも、説明するときには、ただ前のやつがこうなったというだけではなくて、どうしてそうなったというのも必要かなとは感じております。ただ、その作業は結構大変な作業になりますので、いつごろぐらいまでとお考えですか。
【市川座長】  できるだけ25年度に入った最初のころに、大学に原案を配って検討してもらわなきゃいけない。それを集めて整理してというステップを考えると、かなり早めにしないと27年度というのも難しくなりますね。ですから、できたら25年度の最初というか4月あたりでお願いしたい。
 ただ、余り細かいコメントは要らないかもしれないので、備考ぐらいのところで新しいアイデアであるとか書いていただければいいと思うのだけれども、問題はどこへ移動しているかというのと、書いているSBOの中であるところだけを削ったということになると、先ほどあった薬学共用試験センターの方の要望でもあると思うのです。ですから、少なくとも今の作業段階で移動したものとか削ったものというところを御提示いただくことではいかがでしょうか。赤池委員。
【赤池委員】  まず、どれがなくなったかということ、何か追加された場合に新しくなったというのは、作業として比較的やりやすいものですから、対応可能だろうと思います。あと、項目ごとで、SBOではなくて小項目とか中項目でどんと移っているものがあります。それについては、どこに移動したか示せると思います。ただ、SBOごとで新しいものですとかなり組みかえたり内容を変えたりして、もとのSBOの内容が分かれてしまったりとか、逆に合わさったりとかいろいろ起こっていますので、それについてはもしやるとなると非常に膨大な作業になりますし、恐らくそれを御覧になっても、結果として見た方が非常にフォローしづらくなるだけだろうと思いますので、SBOごとにどこに移動したかというのは、できましたらば割愛させていただくと有り難い。
【市川座長】  薬学共用試験センターの立場としては。
【奥委員】  薬学共用試験センターではSBOごとに問題をつくっていますので、それをつくっていただかなければ薬学共用試験はできません。それで、申し訳ないのですけれども、例えば旧の今のやつだったら、最初にA項目だったら1をつけて、110001とか110002とか全てのSBOに番号を振ってもらって、例えばB項目だったら120001から振ってもらって、新しい方は今度2から始めてもらうと、今度の次の改訂、何年後かの改訂のときに3で始められるのがちょうどいいと思いますが、それで、新しい方に関して、これは旧のこのSBOから来た、この項目とこの項目がなくなった、このSBOとこのSBOは一緒になったという一覧表があると、前のものと新しいのを入れかえて見直していくことができるんですね。そうしないと、無理だと思います。全体として、これとこれを組みかえましただけだったら、誰がそのSBOがどうなっているかとやるのか。薬学共用試験センターではとてもできません。すいません、よろしくお願いします。
【市川座長】  赤池委員。
【赤池委員】  議論が混乱していると思います。まず、先ほど最初にお話があったのは、私はパブコメ対応だろうと考えておりました。時間の問題がありますから、例えば共用試験に対応するためのものも全て含めて今年の4月とか3月までに終わらせろというと、我々委員は全て破綻いたします。ですから、そこはきっちりと分けていただきたい。
 ですから、まずパブコメに対応できるような、つまり、一般という言い方がいいかどうかわかりませんけれども、大学ですとか関係の団体の方が御覧になったときに、内容の変更がフォローできるような形でまずお示しできるようなものをお出しするという段階が一つありまして、その次のステップとしては、奥先生がおっしゃるように薬学共用試験への対応というものがありますけれども、それはまだ少し先のお話だろうと思います。それについては、別途議論する方がよろしいのではないのでしょうか。
【奥委員】  いいですか。
【市川座長】  はい。
【奥委員】  理解しました。だけど、少し先というのも、できる限り薬学共用試験センターとしては早くやっていただきたいということで、これが1年後とかになったらまた先が長くなるので、是非早めに出していただきたいということです。
【赤池委員】  御趣旨は十分わかりますけれども、我々下で働いている委員も非常に疲弊しております。その辺はバランスを是非お考えいただきたいと思います。
【市川座長】  大変御苦労が多いことだと思いますけれども、今の移動を別とすれば、大枠はかなり早くできそうな御意見だったので、できたら2月末ぐらいにいただけませんか。そうすると、4月に各大学にアンケートを出すときにそれもつけて出した方がよい、出さないとわからないと思います。3月いっぱいでこの委員会も整理したり見たりすることも必要なので。
【松木氏】  この席にも各グループの責任者がいて、多分各グループの責任者に投げると思いますので、その方がうんと言ったら2月末。いかがでしょうか。
【市川座長】  それじゃあ、説得をお願いいたしますということで。
【長野委員】  いいですか。
【市川座長】  長野委員、どうぞ。
【長野委員】  各大学に意見を求めるというのは非常にいいのかなと思うのですが、どういうことが予想されるかというと、恐らく実際に自分が専門としているところがこれから落ちたときに、その先生は自分の存在感がなくなるような感じになるのですね。これを最初につくったときに、なぜこれを落とすのかという細かな議論が当然コメントとしてどんどん来るような気がいたします。
 ですから、アンケートをとるときに、文言としてできるだけ大所高所からというか、個々の先生の御意見を全部取り上げていったりしたら、またもとのこれに戻って、そういう議論になってしまうと思うのです。容易にコメントを求めると、そういう議論が蒸し返されるような気がするので、その辺をどう考えるかというのをやっておいた方が。つまり、自分がやっているこれがなくなるのは、これは最も薬学にとっては重要なものだという強硬な意見が出てくる可能性は十分に考えられますので、いかがでしょうか。
【市川座長】  アンケートの仕様の問題かもしれませんけれども、確かに前回の経験によるとそういう意見が非常に多かったですが、今回は一度全部前にできているもので、新たに加わったものと削られたもの、問題が出るとしたら多分特に削られたものに対するコメントでしょうね。ですから、そういうものは場合によってはそのままどこかボックスに入れておいて、先ほどのアドバンストじゃないけれども、もう一度そういう目で見直せば、整理がつくのではないか。コアは全体の意見としてはこうなります、それに対してコアではないのですという意見が出てきたら、もう一度薬学会の方で検討してもらうというか、ここで検討するという格好で整理できるのかなという気もしないでもない。だから、アンケートもどうやって出すかということはおっしゃっているとおりですね。
【長野委員】  ある程度は大所高所からですね。一人の先生が、自分の専門だけを決めているわけじゃないので、えいやと決めてもいいのかなという気が私はいたします。余り細かな意見を全部採り上げたら、話にならないと思います。
【奥委員】  いいですか。
【市川座長】  どうぞ。
【奥委員】  あと、今回のコアカリの改訂の一番大きなところは、コアカリといってもそれでいっぱいになっていたのを7割にして、3割で各大学の教育をしてくださいということが一つの目玉だと思うので、そこで是非必要だと思う教育をやってくださいと、うまく持っていくということがいいのではないかなと思います。
【市川座長】  そうですね。
【赤池委員】  よろしいですか。
【市川座長】  赤池委員。
【赤池委員】  もともと薬学会の方で委託してこの作業に入る前に、この委員会で議論されまして、更に各大学にアンケートを行ったわけです。そのときの全体の大きな意見として、現行のコアカリをスリム化してほしいという意見が大勢を占めて、それを受けて作業に入って、この改訂案ができていますので、是非今回新しい改訂案についてアンケートをとる際は、そういった経緯もアンケートの中に書き込んで、そういう全体の意見を受けて行った作業であることを強調していただければ、今のような問題がかなり回避できるのではないかと思います。
【市川座長】  アンケートに関して、ほかに何かこういうことを注意した方がいいということがありましたら、お願いしたいのですが。先ほどのスケジュールにもありましたように、25年度のなるべく早い時期にアンケートを出したいと思っています。そういうことを考えると、EとFが2月末ぐらいまでにはいただけると思います。全部合わせると、3月には大体全体像がつかめるというロードマップになるかと思います。
 あと、これからの手順についてお諮りしたいのですけれども、そういう形で3月ごろに多分全体像がつかめる。特に今問題になっているのは、この委員会の中で言うならばEとFというのがないわけですけれども、EとFについてまとまったものができて、それに対してもう一度3月にこの委員会を開くというのは、時間的にも諸種の事情を考えると難しいと思います。そういうことから、AからDは既に先ほど検討もしていただいたので、この委員会で一応検討もしたということで、あと、EとFに関しては、この委員会で処理をするのですけれども、そのときに全員の委員会を開くということは時間調整を含めて大変難しいことがありまして、できたら何人かの人に集まっていただいて、座長と副座長で責任を持って見させていただいて、コメントをさせていただくという形をとりたいと思うのです。
 それで、御承知のとおり、ここにいらっしゃる薬学関係者の先生方の多くが実は薬学会の委員を兼ねていらっしゃいまして、兼ねていない人が何人かいるということで、その先生方はEとFができ上がったものを見るのは最初になるということもありますので、その先生方を主としてでき上がったものを見させていただく会を開くという取扱いにしたいと思うのですが、そのときに、具体的に薬学会のメンバーでない先生を申し上げると、井関先生、今日お休みの伊藤喬先生と井上先生、長野先生、奈良先生、中山先生ということになります。あと、私と吉富先生。太田先生は委員でいらっしゃるわけなので、そういうことで座長、副座長、今の薬学会の委員でない人と、本当に申し訳ないのですが奈良先生と中山先生にも是非加わっていただいて、医学部、あるいは看護の立場から御発言を頂きたいということで、特に薬学臨床教育が今度は中心になりますので、よろしくお願いしたいと思います。そんなことでよろしゅうございますか。特に御意見をいただければ。
【松原委員】  時間的には間に合いませんが、先ほど松木先生も最初の方でおっしゃったように、特にFの「薬学臨床教育」の場合、格差とかアドバンストの取扱いといったものを解消するためには、今後実習機関の受入れ体制をちゃんと考えていただきたいという御提案をなさったわけですが、この場がいいのかどうかわかりませんが、コアカリキュラムの案をつくるにはもう間に合わないわけですが、今後実習が始まるまでに責任を持ってこの会議、あるいは文科省が新しい受入れ体制について議論するということを前提にしなければできないのですよね。
 今のままの受入れ体制で今後やるというのであれば、それに合わせたコアカリ、SBOになるだろうし、今後受入れ機関の調整を含めたよりよい実習体制を、実際に27年度にスタートするまで、あるいはその後でもいいですが、ちゃんと決めるんだという御了承をしていただかないと、Fのところでのアドバンストの扱い方が非常に不透明になるので、こうするとどこかで決めるんだという御回答を是非この場でしていただかなければ、今週末にEとFですり合わせをするにしても、議論がなかなかできづらいところがあります。
【市川座長】  そうですね。私もそう思って、最後のところで議論が必要かなと考えていましたが、大変重みのあることで、振り返ると、今から10年前に最初につくったときもよく似た議論がありまして、その当時はまだ2週間とか1か月の実習がせいぜいのところで、ほとんど薬局でしか行ってこなかった。その時点でつくったときに、本当にこれはできるのかなという話がほとんどの議論だったわけですけれども、10年たって、今は何とかある程度できている。
 でも、その間にもちろん科学技術もどんどん進歩していって、更にこれから10年たったらどうなるんだというのはおっしゃるとおりなので、最初につくるときの委員会でも10年先を見たような形でやっていく方がいいという議論がずっとあったし、私も個人的に非常にそれは賛成であるわけで、それをどう判断するかというのは受入先の問題も含めて全員で考えなきゃいけない。
 だから、ここで今から出すアンケートはもちろん全部に出すわけです。ということは、大学関係者、受入れ施設、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、病院、薬局、そのほかの関係者に対して出して、アンケートをもらうわけですね。そのアンケートの中で、これはできる、できないという判断はそれぞれの施設において10年後を見据えてということは、委員も代表して出ていらっしゃっているわけだから、その立場で判断して答えを出していただければいいのかなと私は思います。
 それで、今日、明日できるのかと言われたら、できない内容も多分入ってくるのではないかなとは思いますけれども、実施されるのはこのままでいくと平成31年か32年。そこまでに何とか工夫して、できることがあったらやらなきゃいけないと私は個人的に思っています。ここでそれをやるという決定はもちろんできないし、ただ、必要だという決定はできると思うのです。答えになるかどうかわからないのですけれども。
【松原委員】  具体的な答えは無理なわけですから、今後文科省が主体になってそういう問題に対して討議をするという姿勢をとるのか、これまでと同様に各大学、あるいは各地区にある調整機構に任せるというとり方をするのか、どちらをするのかということですよね。
 ですから、きちっとしたものを話し合うということを決めていただければ、それなりの対処の仕方はあるのだろうけれども、現行のスタイルをそのまま踏襲した上でSBOを組み立てなさいと言われると、赤池先生もおっしゃったようにかなりの制限がかかってしまいますから、非常に限られた範囲内でしかできないし、ある一定限度まで広げることができるのであれば、それは実習体制そのものを見直さなければできないのですが、もう少し10年後を見据えたSBOも書けるかもしれない。
 その辺のことを決めるに当たって、今後ちゃんとこの会議、あるいは文部科学省が音頭をとって、新しいコアカリの実習が始まるまでにはきちっとしますということを言っていただけるのか言っていただけないのか。今までいつもうやむやにされていて、そのままで来た経緯があるわけですから、それをきちっとオーソライズされた会議で話し合っていただけるのかどうか聞きたいということです。
【市川座長】  平井委員。
【平井委員】  多分伊東さんも同じことを言おうと思っておられるのではないかと思うのですけれども、今の御議論は恐らく薬学系人材養成の在り方に関する検討会の責任事項じゃないかなと思いますので、そちらの方で検討会をしていったらいいのではないかなと思うのですが。
【松原委員】  あくまでもコアカリとリンクさせた形でやっていただけるというのであれば、いいわけですよね。
【平井委員】  もちろんそうですよね。
【伊東薬学教育専門官】  平井先生からお話がございましたけれども、本日参考資料で配らせていただいたように、薬学系人材養成の在り方に関する検討会の中では、医療人としての薬学教育はどうあるべきかということを議論いただいておりまして、来週検討会を行う予定ですが、その中でも引き続き御議論を頂くこととなってございます。
 また、資料3で先ほど御説明させていただきましたけれども、25年度にコアカリが決定した暁には、円滑な薬学実務実習に向けての検討をしなければならないということは、一応文科省としても認識しておりまして、六者懇(新薬剤師養成問題懇談会)なり薬学系人材養成の在り方に関する検討会なり、いろいろ形の検討の場があるかと思いますので、皆様方と調整させていただきながら、実習に向けての検討はしていく所存であります。
【松木氏】  よろしいですか。
【市川座長】  松木委員、どうぞ。
【松木氏】  実習に関しては、まだ先だという認識があるかもしれないんですが、実は指導薬剤師の方の更新のことがありまして、薬剤師のレベルのばらつきも非常に大きいという意見があります。ただ、どう更新するかを議論せず、従来どおりに機械的に更新してしまうとそこが直されないというところがあります。新たな研修をするとなると、その枠組みとか費用をどうするかということも考えなきゃいけないので、意外と動きを早くしていかないといけないという認識を持っております。
【市川座長】  ありがとうございます。
【松原委員】  その他で聞こうと思ったのですけれども、医学教育は参加型の臨床実習を推進するために、CBTの後に学生医という称号を与えて、より参加型の実習を行いやすいようにしようと動いているはずですが、この間の薬学会の会議のときにもお聞きしたんですが、薬学における実務実習は同じような形で学生薬剤師という仮的な身分を与えて、より参加型の実習をしやすくするのか。
 どういうことを言っているのかというと、例えば現在宙ぶらりんになっている抗がん剤とか麻薬の取扱いは、見学型にさせているところも多いでしょうし、施設によっては私のところなんかだと学生にさせますけれども、そういったものがより明確になって、ある程度学生であってもできるという意味では、非常にやりやすくはなるのですが、片方では、何が違うのと言われてしまうところもあるかもしれませんが、このままにするのか、あるいは医学教育のように名前もつけて実習を行うのかという方向性についてお聞きしたいと思います。
【平井委員】  医学教育はいろいろ参考になることは多いと思いますが、医学教育の実習が今度目指しているのは72週ですよね。しかも、指導者となる医師の数は非常に多い。だから、それと同じようにやるのはとても無理だと思います。だから、我々は医学教育の臨床実習の在り方にどこまで今の薬学が近づけ得るかということをまず考えるべきで、その中には、昔から私は申し上げておりますけれども、定員の問題とか、実務家教員と言われている人たちの扱いをどうするかということが入ってくると思うのです。
 だから、松原先生のおっしゃることは確かにもっともなのですけれども、称号をつけたらそれで済むという問題ではないと思うので、ただ、非常に重要な御指摘なので、そういうのも含めて議論する場所をきちんとつくっていかないといけないと思いますし、その中では、11週ずつ病院と薬局という今の在り方で果たしていいのかどうかという検討も含めてやるべきじゃないかなと思います。
【市川座長】  ありがとうございます。恐らくこの委員会の範囲をちょっと超えている事項なので、御意見は非常に重要な意味を持っているし、これから先のモデル・コアカリキュラムを考える場合にも非常に重要な影響を与える内容だと思うので、上の人材養成委員会で発言できる機会があったらそういうことを発言して、円滑な薬学実務実習に向けてという内容にも絡んでくるので、そこで議論をして、全体として今後の薬学の実務実習の在り方はちゃんと検討していく必要があるかと思うのです。
 ここでは飽くまで10年先ぐらいを見て、モデル・コアカリキュラムとしてはこういうことが必要であるということを決めればいいと私は思うので、それが今現場でできるかできないかは現場の人が考えていただいて、10年先を目指してというか、もう少し前かもしれないけれども、やっていただく前提でいくということしか今はないような気がするのだけれども、その辺はいかがでしょうか。
【吉富副座長】  松原先生が新しいコアカリの実習のときに新しい受入れ体制を議論しなさいと言われたときに考えたのですが、実は前のカリキュラムのときに指導者養成のワークショップをやったりとか方略案や評価案をつくったりというのは、実はどうやるかという受入れ体制をつくっていたと思います。今回は恐らく目標を決めたら方略まで誰も責任をとって議論していないと思いますが、目標が決まった後、実際にはどうやるんだという議論が必ず出てくるので、松原先生が言われたように方略等について、それから、平井先生が言われたどのくらいの期間やるかというのも方略ですから、そういう点もどこかで議論するのだということだけはコンセンサスをとっていないと、目標が決まったら終わりだというのではまずいだろうと思います。決める必要はないのですけれども、議論しないといけないと思います。実習はきっと全国的に同じになりませんから、そういう道筋は決めておいた方がいいのでないかと思います。
【市川座長】  そうですね。
【赤池委員】  もちろんこの委員会で全てを決めることは無理だと思いますけれども、最初に松原先生が指摘された部分は非常に大切なところで、具体的に医療薬学教育の部分と薬学臨床教育の部分のすり合わせをそれこそあと一、二週間と非常に短い期間で行わなければいけないわけです。そこでは、全国共通で実施可能かどうかというところで大激論を交わしておりまして、そこの部分がどのレベルという線引きが非常に難しいです。それが、極端な言い方をすると、委員一人一人でも変わってしまうというところがございます。
 もちろん、どこかでえいやという形で決めなきゃいけないというところはありますけれども、今ちょっと出ましたが、方略の部分をどこまで決めるかということは別にして、しっかり検討していただくと同時に、実務実習を実際に受け入れていただく施設の体制についても、もちろん文部科学省だけで行うものではないと思いますけれども、ただ、文部科学省もしっかりと加わっていただかないと、なかなか先に進まないところがあると思いますので、今後しっかりと実施できるような形で検討していただくということを是非お願いしたいと思います。
 実際に資料3の25年度というところの四つ目に、「円滑な薬学実務実習に向けての検討」と書かれておりまして、多分これはそういったことを含めて書かれているのかなと思いまして、是非それは考えていただきたいと思いますし、それを前提に今出ていないEとFのところを考えていきたいと思います。松原先生、そういうことでよろしいのですね。
【松原委員】  ちゃんとそういうことについて責任を持って今後行われるということであれば、我々も責任を持ってえいやができるのだろうと思いますが、それがなしであれば、誰が責任を持つのかということになるとえいやもできないということで、赤池先生とけんか別れして帰るだけになってしまうと思います。
【市川座長】  関連のことでほかにございませんか。それでは、なければ次にその他ということになりますけれども、資料4「薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について」は、第3回の資料として提出されたものをもとにして、少し訂正をしたというか、付加して文章を整えたものであります。この内容は、委員の先生方にはあらかじめメールで配付させていただいたものでございますけれども、お読みいただいて何か御意見をいただければと思います。
 まず、実際に読んでいただくとわかると思いますけれども、まだ少し考えなきゃいけない点が、先ほどあった共用試験の範囲、△の問題とか、量的な提示の問題とか、A~Gの訂正があった部分を直さなきゃいけない問題とか、薬学準備教育ガイドラインという言葉が入っていますが、そういうことについての議論とかが必要かと思いますが、お読みいただいて、最初に「基本理念」が入って、これは前とほとんど同じですが、「位置付け」というのも基本的には以前のものと同じです。
 あと、2ページの真ん中あたりにどのぐらいの時間でやるかという量的なものが入っています。ここはまだ議論が残っているということです。それから、「基本的資質」というところは大体でき上がって、改訂がないならこれででき上がるということになります。
 それから、次の3ページの「A~Gの項目立て」は、医学部のパターンに直しまして、今あるA、B、C、D、E、F、Gを文章体として書き直したものですが、各中項目の内容が変わっていきますと直す必要があるということであります。
 その辺はこれから直すとして、次の4ページへ行くと、「アドバンストカリキュラムの設定」ですけれども、この内容は先ほどの概念をもう少し詳しく入れる必要があるかもしれません。それから、アンダーラインの部分が薬学共用試験センターとの関係で、このころのアドバンストの概念はまだこういう概念だったのでそれが入っています。それから、次が薬学教育の実習全体のことに関してでありまして、それがここに入っているということです。あと、括弧がついているリスク云々(うんぬん)というところは要検討になっていまして、これは前から残っていた実習実験のところで、こういう文言があるとつながるのかなというところで入れてみたのですけれども、うまくつながっている文章かどうかわかりません。これは加えました。
 それから、御議論いただきたいのは、薬学準備教育ガイドラインということです。これは薬学教育モデル・コアカリキュラムを履修する前に学修する部分ですけれども、前の資料と全く同じ文章が入っています。それから、次は選択的な大学独自のカリキュラムの設定が必要で、それぞれの大学の特徴を表すカリキュラムにしてほしいということが記載されています。
 その次に、6ページの真ん中あたりの「一般目標と到達目標」も同じです。その下の「量的提示」は、今は文章化がちゃんとなされてなかったもので、入れるかどうかも含めてですけれども、量的提示は各大学の教育理念に基づく裁量に委ねるべきものであるが、改訂前の6年制薬学教育を教養教育及び薬学準備教育(ガイドライン)、現行の薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した薬学教育、薬学実務実習、薬学研究という大きな四つのバランスで見ると、実際は国公立と私立は少し違うということを提示した文章がそこに入っています。
 それで、7ページの2行目に「特徴的なことは」ということで、私立大学のモデル・コアカリキュラムには薬剤師国家試験準備教育に相当するものがかなり入っているということであります。これが今後スリム化され、教育の内容が一体化されるということでゆとりができるわけで、ゆとりのところで国家試験の勉強が主体になるとか、研究が主体になるとか、特徴があっていいのかもしれないけれども、いろいろな形が出てくる可能性も十分にあり得るわけなので、量的バランスをしっかり考えてカリキュラムをつくってほしいという意味で量的提示を書いたということなのですけれども、こんな表現が本当に妥当かどうかということであります。
 あとちょっとだけ時間がございますから、何か御意見をいただければと思います。
【平井委員】  奈良先生にお尋ねしたいのですけれども、医学教育の方ではユニットとか講義単位という考え方は使っておられるのでしょうか。
【奈良委員】  医学の場合かなり大学によって違うので、ユニットという言葉を使っているところもあれば使っていないところもあるかと思います。
【平井委員】  最初のモデル・コアカリキュラムができたときには、ユニットというのがすごく重視されていて、それに合わせた講義数をそろえなければいけないみたいな感じがあって、非常に講義の数が増えて、結局各大学の自由裁量の部分がすごく圧迫されたみたいな現象を呈している学校も結構あるみたいだったのですね。それは今回は是非とも避けないといけないと思うので、余りユニットとか、ユニットイコール科目数ということを、大学がしゃくし定規に守らないようにするような書き方をした方がいいのではないかなと思いました。
【市川座長】  なるほど。
【奥委員】  まさしく同じところを言おうと思ったのですけれども、今回はユニットを気にしないでつくり変えています。だから、ここは大幅に書きかえないといけないところで、こういう書き方はしないで、一般目標と到達目標を表したというような書き方に変えないといけないと思います。それ以外に、さっきのアドバンストのところも結構微妙な書き方をしていて、「履修することが望まれる」と言いながら、「学習すべき内容」みたいな言い方もしているところがあって、もうちょっとわかりやすくした方がいいと思います。
 これをどう変えていくかという問題なのですけれども、最終的にできれば各大学、日薬、日病薬にアンケートをとるときに、これもつけられたらつけた方がいいと思います。そういう意味では、どこかで直してブラッシュアップしないといけないと思います。
【入江委員】  確認ですが、先ほどの6ページの「一般目標と到達目標」の4行目に「実践的能力(competences)」という表現がございます。私もoutcome-based educationという概念を勉強し始めたばかりですが、competenceあるいはcompetencyは、もう少し広い意味合いのような気がします。到達目標(SBOs)の表現する、比較的限定的で具体的な目標をcompetencesと表現するのは、違和感があります。これについては何か御議論があって、このようになっているのか御説明いただければと思います。
【市川座長】  これは、実は医学教育の方の記述をそのまま頂いたものでありまして、お手元の黄色い医学の方の1ページ目の下から二つ目のパラグラフの言葉を頂いたということで、ここだけを抜いたから変な形になっているかもしれませんので、医学が云々(うんぬん)という話じゃないのですが。
【入江委員】  たしかに、医学教育ではcompetencyと書いてありますが、ここで言う到達目標は、私たちがイメージしている限定的なSBOではないような気がいたします。奈良先生のお考えをお聞かせください。
【奈良委員】  医学の分野でも、outcome based-educationを取り入れていこうという方向にあります。平成22年度の改訂で特に卒業時点での医学生が身につけておくべきcompetencyとして取り入れたのはGの臨床実習のところです。ほかの領域ではいわゆる到達目標を記載しており入江先生のおっしゃるとおり、competencyとは必ずしも一致しないかもしれません。Outcome based medicineの全面的な導入についてはまだまだ議論が必要かと思います。
【入江委員】  ありがとうございます。今回の改訂に、outcome-based educationの概念を導入したのは、良いことだと思います。これまでSBOsに気をとられすぎて、最終的な到達点が見えなくなっていたように思います。しっかりとした到達点(基本的な資質)をイメージして、個々のSBOsを確実に修得することが望ましく、従来のカリキュラムの一般目標(GIO)と行動目標(SBOs)の考え方とoutcome-based educationの概念の良いところをうまく組み合わせて考えて行えばよいと思います。そのような観点から、6ページのこの表現は少し違和感があります。
【市川座長】  わかりました。
【太田副座長】  competencyを外してしまえばいいのですよね。
【市川座長】  外せばいいのですね。competencyがいけないのかもしれません。
【入江委員】  この文脈にはそぐわないように思います。
【奥委員】  医学のコアカリはよく書けているんですけれども、薬学も直した方がいいのかなという気がしていて、「一般目標と到達目標」のところを見ると、以前からの積み上げ方式というイメージがあるのですよね。今outcome basedになってからそれが変わったわけなので、outcome basedでやっていくという形を前面に出してGIO、SBOはやっているのですけれども、それは飽くまで積み上げ方式でやるためにやっているのではないという意識をもうちょっと明確に出した方がいいのではないかなという気がします。
【市川座長】  大変有り難い御意見で、是非先生、手伝っていただけませんか。いずれにしても、いろいろなところを訂正しなきゃいけないので、それも各大学に配るときにやりたいと思うので、すいませんがよろしくお願いします。
【吉富副座長】  今度のコアカリを改訂するときの基本的な考え方に、outcome based educationの考え方でやったというのはうたえるのですか。
【松木氏】  卒業時に身につけておくべき薬剤師の基本的な資質というところに入って、それに合致しているかどうかということで一応全てのSBOを見直したというところですので、合致していると言えると思います。
【吉富副座長】  それならわかりやすくていいと思うのですけれども、6ページの上の方の大学が独自のカリキュラムをつくるというところの中に、わざわざまた別にoutcome based educationも望まれるという文章が出てくると、コアカリの思想と違うことを大学でしなさいになるから、ちょっと変わってくるかなと思っただけなのですね。
【奥委員】  これは全面的に書きかえないといけません。
【太田副座長】  これを「一般目標と到達目標」に入れればいいのではないですか。
【吉富副座長】  そっちに入れたらすっきりすると思います。
【松木氏】  別のことですけれども、「量的提示」で6ページから7ページについて国公立大学と私立大学で「なっている」という表現で、特徴的にはこうなっているということで、最後の方に国家試験に偏らないようにということが書いてあるのですが、ここに載せているのは、これでいいんだと、でも、偏らないようにということなのか、国公立と私立で変えるべきであるということなのか。この表現が現状はこうです、でも、何もそれ以上のことは言っていないわけですよね。逆に、これに合わせなきゃいけないのかというニュアンスもあると思うのですが。
【太田副座長】  そう読めますね。
【市川座長】  ない方がいいですね。
【奥委員】  国公立ではとか私学ではというのは、やめた方がいいのではないですかね。
【市川座長】  変ですね。今日のたたき台として、言いたいことは後ろの方の文言なのですけどね。
【永田委員】  さっきの6ページのoutcome based educationのところに話を戻してもよろしいですか。我々は実務実習をやるに当たって、大学側が基礎教育として行っている部分を、いかに現場で知識を結びつけて深いレベルになれるか。それを学生が来たときと実習が始まって2.5か月たった後に確認がとれるような方向で組みかえていこうという議論で、実習の中の我々の部分を見直していったと私は解釈しています。
 そう考えていくと、確かに指導薬剤師によって差があるかもわかりませんが、明らかにこういう姿という今あるようなcompetencyを示した形で学生を実習に向かわせるという方向にした方が、私たちにとってみれば非常に指導しやすいと思います。そういう面で見ますと、GIOとSBOを出して実習の中で組み込むということに実は違和感を持っているんです。全体像の最終の資質を示してあげて、それに到達するためにどうするかという、この後多分方略を考えていくことになるのであろうけれども、そういうことをちゃんと実習教育に関してはこの中で大きく示しておいていただいた方が、私どもとしてはやりやすいと思います。
【市川座長】  もうちょっと具体的によろしいですか。
【永田委員】  具体的に言うと、competency、outcome based educationでちゃんと進めていっていると理解して昨年からやっているわけですから、ここをうまく実習教育のところだけは残しておいていただきたいのです。
【市川座長】  それはそうですね。
【永田委員】  そこは絶対に残しておいていただきたい。
【市川座長】  それはわかります。
【入江委員】  私はFグループの会議に直接加わっていませんが、お聞きした範囲では、Fグループの組み立て方は「基本的な資質」を基本にして、
その内容を一つ一つ落とし込んでいくという形でF1からF5ができ上がっているように思います。まさに、outcome-based educationを学生にもわかりやすく伝える形になっていると思います。そうすると、大学の4年間の教育をどのように実務実習にスムーズにつなげていくかが重要に思います。
【永田委員】  そのとおりですが、実習をする人間というか指導薬剤師から見ますと、GIOとSBOの関係がずっと残っているということに対して、「一般目標と到達目標」でcompetencyが外れてしまいますと、ただ単に過去と変わらないように見えてしまうのです。だから、方略のつくり方によるのでしょうけれども、GIOの中で強くしっかりとそういった姿を見せるような形につくり上げておかないと、厳しいのかなと感じているのですよ。そういったところを踏まえると、「一般目標と到達目標」の中を書きかえて、きっちりとoutcome based educationに関する内容になっているとわかりやすいのかな、示しやすいのかなと思っているので、そういう意味で発言をさせていただきました。
【奥委員】  簡単に言うと、例えば今回のモデル・コアカリキュラム改訂案で、特に基本事項とか「薬学と社会」で全て細かい項目でまだGIOがついていないのですけれども、大きな項目としては、基本的資質をベースにしたGIOに書きかえているのですね。それで、薬学会の委員会でもその議論が出ていまして、基本的には基本的資質を基にしますが、例えば基本的に「薬剤師に必要な科学力を身につけるために」で全部書いたら、何のことかわからないということが一つと、先ほど言ったようにSBO、GIOというのはもともとは積み上げ方式の形であって、outcome based educationとは合わないのだけれども、全部切りかえて日本の薬学の教育制度を変えるかというととても無理なので、この中でSBO、GIOを残しながら、それをうまく使ってoutcome based な教育がどうできるかという方向性で今回切りかえているのかなと理解していますが、そういう理解でよろしいのですよね。
【市川座長】  それでいいのではないですか。
文言的にもそういうのが出るような形に直すということですね。
【奥委員】  そうですね。
【市川座長】  どこの項目でもよろしゅうございますが、ほかに何か。
【奥委員】  全然違うことなのですが。これは時期尚早かもしれないけれども、1点だけ確認したいのですが、薬学共用試験センターの山元理事長から聞いてきていただきたいということですが、今の薬学共用試験のCBTはゾーン3、分野10、全部で310問でやっていますが、この形式が変わりますか。この形式が変わると、早めにプログラミングから全部変えなければいけないことがあるので、これは基本的には全国薬科大学長・薬学部長会議で決めることだと思うのですけれども、あそこでゾーンを変えますか、変えませんかといってもしようがないと思うので、どこかで変えるのか変えないのか、変えるのでしたらどう変えるのかというのだけはやってほしいと思っています。それをどこに聞けばいいのかわからないので、今ここで聞きたいというだけです。議論するつもりはないので、教えていただければいいです。ここで決めるのですか。どこで決めるのですか。
【市川座長】  いや、ここでは決めることではないと思いますが。
【奥委員】  今ゾーン3とか分野とか化学45問とかありますよね。あれを変えるか変えないか、変えるのでしたらどう変えるかというのは、どこで決めていただけるのかなと。最終的には全国薬科大学長・薬学部長会議ですけれども、原案をどこでつくっていただけるのか。
【市川座長】  それは変えなければならないと想定されますか。
【奥委員】  これは余り言ってはいけないのですが、変えると各大学にかなりの負担を強いることになります。でも、だから変えるなと言っているわけじゃないですが。
【市川座長】  いや、内容的にそれほど大きく。今までの構築の仕方はどうですかね。ゾーン1、2、3のところで大項目の移動を。
【奥委員】  だから、そこら辺をどこかで。
【市川座長】  そうですね。
【奥委員】  読替えはいいのです。こういうタイトルがこうなりましたというのは構わないのだけれども、そうじゃなくて、大幅にもしゾーンが変わるとか、項目の点数が変わるとかだったら、早めにどこかでちゃんとオーソライズしていただかないと、なかなか厳しいことになるかなと。
【松木氏】  CBTの問題もそうなのですけれども、結局6年制がスタートするときに、日にちが決まったのでそれに合わせるということが重要な最大の目標になって、ボトムアップのシステムというよりは、できるところからやっていくという感じで、それはうまく成功はしたと思います。しかし、ある程度時間がたったときに、どこが責任を持って決めるのかとか、CBTも先ほどあったようにどういう方針で出題するのかとか、誰が評価してどう変えていくかというところをそれぞれの担当になった人に任せるのではなくて、全体としてはどこで責任を持つかということを明確にしていただきたい。
 それから、先ほどの実務実習はどこが責任を持って、どこが改訂していくのかというロードマップというか役割分担というのは、この委員会だけじゃなくて、薬学教育全体で言えることだと思うのですけれども、それを考えていかないと、今度また改訂するときに誰が責任を持つのでしょうか。先ほど申し上げましたが、指導薬剤師だって現場に投げられると、じゃあ従来どおりの更新方法でよいというふうになっちゃうかもしれないです。新たなワークショップが必要かもしれないし、それは誰が責任を持ってやるかというところも明確ではない点がある。それは文科省に言えばいいんですかね、是非つくっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【市川座長】  確かに私も別な意味で感じることはあるのですね。薬学共用試験センターを誰が評価して、その在り方をどうするのかという場所がないのですよね。共用試験センターは学長・学部長会議の下にあるのですね。だから、問題を上げるとしたらそこだけれども、どうあるべきかとか、今のやり方がいいのかということの評価みたいなのも含めて議論する場所がない。
 同じく薬学教育評価機構もそうだけれども、全大学の承諾の下でやっていて、今はスタートしたところですが、今後どう改善していくかという議論も必要になってくるだろうと思うのですが、そういうときの議論をする場所が現在なく、そこは抜けたままずっと動いていることは事実ですね。だから、今の御意見は大変貴重なもので、頭のどこかに残しておくべきことと思いますけれども、文科省の方もよろしくお願いいたします。これは、多分大学の関係者でちゃんと真剣に考えなきゃいけない問題だと思います。
 そうしたら、時間もそろそろ定刻に近づいてきました。特に今御指摘、発言がなければ、本日の御議論を簡単にまとめさせていただきます。最初に確認させていただきました資質のことについては、大筋今ある文章は変わらないということです。前文をどうするかというのは前から気になっている部分がありまして、それに関してとる、とらないはここでは議論できなかったということで、機会を見つけてやります。
 それから、大項目については、Bの導入教育を「薬学と社会」に変更する。それから、検討のスケジュールは、平成27年度入学の学生から適用するということ。それから、今年度の日本薬学会の作業チームの内容は、本日進捗状況その他をお聞きしまして、大体2月末か3月の初めには全部いただけるので、そこから最終的な整理をして、大学を含めて関係団体等への意見聴取という形にしたいと思っています。
 手順としては、AからDはほとんどでき上がっているので、E、Fがもしもおくれるという状況があったら別に取り扱っていきたいと思います。それで、AからDに関しては今日大体御議論いただいたので、体裁その他をもう少し整えてもらう必要があるかと存じますけれども、ともかくAからDに関してはこのままでよければ先へ進めていくということです。
 あと、E、Fに関しては、先ほど言いました作業チームとして座長、副座長、薬学会の委員でない先生、伊関先生、長野先生、伊藤喬先生、井上先生、奈良先生、中山先生で一度見させていただいて、それについて、もしもわからないところ、あるいは問題を感じたときには、直接薬学会の作業を担当している先生と交渉させていただくということで、時間として早めにさせていただくということにしたいと思います。臨床薬学教育と医療薬学教育を御担当されているのはどなたでしたか。
【太田副座長】  鈴木先生と望月先生です。
【市川座長】  委員長の松木先生にも最終的にお渡ししますけれども、作業の簡単なことでしたらその辺で済ませていただいてよろしゅうございますね。そんな形でE、Fも進めさせていただくということで、できるだけ早いうちにアンケートという格好へ行く。アンケートの作成に関しては、奥先生を中心として。
【奥委員】  今A、Bはオーケーと言いましたが、(1)、(2)に変えたのでGIOはついていないんです。私はつけた方がいいと思っているのですけれども、まだこれは薬学会で議論していないので、そこはこれで完成形だとしないでいただきたいと私自身は思っています。
【市川座長】  そうしたら、これは時間があるので、薬学会で集まったときに発言していただいて、つけていただいた方が確かによい。見ていると、アンバランスを感じることがあります。よろしゅうございますでしょうか。そうしたら、それは作業チームにお願いするということにさせていただきます。
 それから、もちろん内容が全部そろいましたら、委員の先生方には全部お配りするということにいたします。それから、留意点に関してですけれども、文言の整理が必要で、今の進捗状況を反映した内容にしなきゃいけないということで、これも作業させていただきます。
 そうしたら、大筋はあれですか、薬学会の方の進捗で行くと、AからDとE、Fを分けた方が動きやすいですね。
【松木氏】  なるべく間に合うようにしたいとは思います。ばらばらに見せられると、そっちはどうなっているんだという意見が必ず出てくると思いますので。
【市川座長】  そうしたら、それ以降は先生方も多分いろいろなことが重なって無理だと思うので、できたら2月末、3月最初ぐらいでよろしくお願いします。
 本日のまとめは以上ですけれども、特に文科省から何かありますか。
【伊東薬学教育専門官】  アンケート調査ですが、アンケート調査をどこにとるかというところが、まだ曖昧になっているのではないかと思っております。
【市川座長】  アンケート調査は、以前のときには大学、関係団体、日病薬、日薬、製薬協でしたかね。それだけだったかな。そこへお配りしました。それで意見をもらって、全部を集約して、その中で採用する意見と採用しない意見を決めたということです。どうしても大学からもらう意見は、それぞれの大学の教育理念とかいろいろなことがありますので、ここは欲しいとか欲しくないとかいろいろありますので、その辺は適当に数か何かでたしかやったような気がします。多数決で残す、残さないをやったような気がしたけれども、その辺は作業チームに一任してもらう。
【伊東薬学教育専門官】  改めて確認ですが、このアンケート先ですけれども、各大学と、関係団体というのは六者懇のオブザーバーを含めた団体ということでよろしいですか。
【市川座長】  そういうことです。
【伊東薬学教育専門官】  コアカリの意向調査アンケートをした先ということでよろしいですね。
【市川座長】  そうです。そのようにしてください。
【伊東薬学教育専門官】  わかりました。
【入江委員】  現実的な話として、パブリックコメントを求めるときにどういう形の資料を準備するかということについては、時間が余りないので、ある程度ここまでにするということを提示していただいたら、実際に作業する者はやりやすいと思います。是非御提示いただきたいと思います。
【吉富副座長】  今の議論に関連したことですけれども、例えば薬学臨床教育のように構造が全く変わっているやつは、何でこういう構造にしたかという議論の過程とか思想を一緒につけてもらわないと、コアカリだけをぽんと出されても、恐らくコメントできないんじゃないかと思うんですよね。だから、SBOが少々増えたり減ったりした分は別にどうでもいいんですけれども、全体の仕組みが変わったところはどういう議論でそうしたかという説明をつけていただくと、大学の方もアンケートが来たときに答えやすいと思います。
【入江委員】  そのときに、例えば今日議論したアドバンストの部分については、今回全く触れずにコアの部分についてパブリックコメントを求めるのか、それとも、アドバンストの部分を一緒に提示して全体として見ていただくのかによって、返ってくるコメントは違うと思います。ある程度方向性をどこかで決めないといけないと思います。
【市川座長】  あった方がいいですね。もし整理されるとね。アドバンストについて意見を聞くということで、分けて聞けばいいですね。
 もう一度確認しますけれども、松木先生、AからFまでまとめて出せますか。時期の問題はありますが、3月初旬ということで設定させていただいて。
【松木氏】  はい。そういうふうに努力いたします。
【市川座長】  先ほどの移動、細かい移動はいらないのですけれども、これは削れた、これが入ったというのは、色づけでもいいのですが、何か。
【松木氏】  ただ、今お話のあったアドバンストをAからDにつけるかどうかというのは、3月の頭までではなかなか厳しいところがあるのです。それと、アンケートは薬学会の委員会は関係ないということでよろしいですか。
【市川座長】  今のところこちらを窓口にいたします。もちろん作業そのものがありますから、整理した段階で相談してやっていただかなきゃいけないわけで、それに基づいてまたお願いするということ。
【松木氏】  今回はシラバス的、方略的なものは示さないということですけれども、必ずコアカリのときに、どの科目で誰が教えるのか、教え方によって全く理解が違うんだみたいなことを言われます。今回はそれを示してないので、逆にFのところでこんなことをどの順番でどうやるんだという意見が非常に出てくるような気がいたします。そのことをうまく説明する必要があると思います。
【市川座長】  そうしたら、アンケートはAからFまでをまとめてということと、資料としてはできたものの改訂案というものと、それぞれのSBOに関して新しくできたもの、なくなったもの、どこかへ移動したものというか、細かい移動はいいですけれども、大きく大項目とか中項目が移動したというのは何かの表示ができるその一覧表と、全体が何個というのは新旧対照表ですかね、これが整理されたものもあった方がいいですね。これは要らないか。
【太田副座長】  あった方がいいと思います。
【市川座長】  じゃあ、2-1、2-2というのがあって、日程表は要らないですね。それから、基本理念と留意点を直したもの。直しましたら、一応メールか何かで全委員に配ることにいたします。奥先生、よろしくお願いします。
【奥委員】  太田先生と一緒にやります。
【伊東薬学教育専門官】  薬学準備教育ガイドラインについての部分だけが、まだお話が出ていないのですけれども。
【市川座長】  ちょっとだけ、薬学準備教育ガイドラインは前回と全く同じ文章がそのまま載っていて、もちろんこういうのも検討はしていないし、だから、そういうものがありますという形の表示でいいのかなと。現段階においては相談も何もしていないし、当然そういうものが必要だろうなという概念はありますから。医学部の場合も改訂のときに、改訂前の内容をそのまま動かしたみたいですが。そのまま残しておいてよろしいですか。とると、そこの問題がまた出てくるのではないかと思うのです。基礎教育との関係でどうかはどこかで今後検討しなきゃいけないと思うので、それも薬学系人材養成の在り方に関する検討会での問題かもしれないし、導入のための教育は非常に重要な意味を持っていると思います。
 この辺でよろしゅうございますか。特に文科省の方は。あと、連絡事項その他をいただけますか。特になければ、山野審議官より御挨拶をお願いします。
【山野大臣官房審議官】  長時間の活発な議論をありがとうございました。私は若干素人的な立場で参加しまして、今日実は初めてこういうコアカリキュラムの内容を見たわけですが、私が昔薬学部ではない大学では全然体系立てた講義なんかやられたことがないので、薬学のように国民から信頼されるような薬剤師を育成していくという観点から、こういうものを作成して、横断的にきちんと体系立ててやっているんだな、すごいなというのが第一印象でございました。作業としましては、わかりませんけれども、8合目ぐらいまで来たのでしょうか。それで、そういう作業は一般的に言うと最後の2合が大変ですから、引き続きよろしくお願いします。
 もう一つ、内容的にはまさに最前線で教育に携わっておる人たちにつくってもらうということで、フル丸投げで対応しようとは当然思うわけですし、素人的感覚ですけれども、今後薬学をめぐる状況も変わってくるのではないかと思うのです。一番単純に言うと、薬の進歩が恐らく昔よりもものすごく速いのではないかなと思うのです。そうすると、当然薬の多様性が出てくる。新しいもの、古いものだけじゃなくて、もっと生々しいことを言えば、安い薬、高い薬があったり、そういうものの中でいかに最適化していくかとか、今後の医療を考えると、恐らくいわゆるオーダーメード的な対応が出てくるのではなかろうかと思います。
 そうなると、たくさんの薬の中からその個人に一番いい薬は何かということで、6年間勉強してそこでフルストップというだけじゃなくて、そういう状況にも将来的には対応できるような人とか、具体的にどうなるかまで私もわかりませんが、超高齢化社会になってくるということで、別に若い人と高齢者を分けて対応しろというやぼったいことを言うわけでもないのですけれども、恐らく薬の対応がいろいろ変わってくるのではなかろうかと思いますので、そういうことにも対応できる人をちゃんと養成できるようなことも念頭に置いて、そういうこともインボルブしたようなカリキュラムであってほしいという印象でございます。
 ということで、繰り返しになりますが、あと2合頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【市川座長】  よろしくお願いいたします。
 それでは、ただいま山野審議官から強い激励を受けまして、8合目近くで、まずは最初の山の頂上に向かって、これからちょっと大変ですけれども、是非御協力のほどお願いいたします。せっかく改訂いたしますので、改訂をやったんだということが見える姿にしたいということで、特に6年制のカリキュラムをつくるのは、ある意味では初めてという言い方をしていいと思うのですが、今までは薬学教育のカリキュラムがつくられていたという流れを受けると、本当に初めての大きな作業なので、これからよろしくお願いしたいと思います。
 本日はいろいろな御議論を頂きまして、大変ありがとうございました。これで終わりにしたいと思います。

―― 了 ――

 

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