学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第7回) 議事録

1.日時

令和5年11月21日(火曜日) 14時00分~17時00分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)16階 16F2会議室
※オンライン会議とハイブリッド形式

3.議題

  1. 会計基準の特例について
  2. 私学法監査の範囲について
  3. 助成法に基づく書類提出・監査の範囲について
  4. 注記事項について(子法人注記)
  5. セグメント情報の検討まとめ・配分基準の検討スケジュールについて
  6. 全体のまとめ
  7. その他

4.出席者

委員

稲垣委員、内野委員、奥村委員、黒川委員、嵯峨委員、佐野委員、志賀委員、徳田委員、南部委員、前鼻委員

文部科学省

村上参事官、篠原私学経営支援企画室長、畑参事官補佐、今井専門職

オブザーバー

小林日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長、藤井愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長

5.議事録

【畑参事官補佐】  開会前ですけれども,私から配付資料の確認と会議運営上の留意点について御案内させていただきます。
 配付資料ですけれども,本日の資料と参考資料は事前に送付させていただいております。対面で御出席の先生方には,印刷したものを机上に配付しております。議事次第に記載のとおり,資料は1から5でございます。また,対面で御出席の先生方には,参考資料を机上のiPadに格納しております。資料が足りない場合等,不備がございましたら事務局にお伝えください。
 なお,資料2につきましては,前回からの積み残しですけれども,議事2,3に対応しております。会計基準ではなく,私学法施行規則や助成法施行規則で定める予定の内容でございますが,決算作業に影響する部分のため取り上げております。
 それから,会議運営上の留意点ですが,まず,対面で御出席されている方への留意点でございますが,御発言の際は挙手をお願いします。御発言は,オンライン参加されている方のため,中央にあるスピーカーで音声を拾っております。そのため,ハウリング防止のために,iPadの音声のミュートは解除しないままでお願いいたします。オンラインで出席されている方への留意点でございますが,御発言の際は,画面の下にある挙手ボタンを押してください。座長が指名しましたら,ミュートを解除して御発言ください。ハウリング防止のため,音声のミュートは発言時以外は解除しないようお願いします。
 対面,オンラインにかかわらず,御発言の際は,気持ちゆっくりめで御発言をお願いします。
 本日は,南部委員,西岡委員,オブザーバーの私学事業団の小林センター長がオンラインで出席です。持丸委員は欠席でございます。
 本日は,前回までの積み残しを取り上げるため議題が多いということで,終了予定時刻は事前案内の16時を超えて延長となる可能性がございます。次の御予定がある委員におきましては,途中退出いただいて差し支えございません。参加できなかった議題に関して御意見がある場合は,後日事務局に御連絡ください。
 事前にメールで御案内のとおり,当省入退館ルールが変更となっており,退館の際は職員が2階のエントランスまで誘導いたします。職員数の関係上,複数人まとめて御案内させていただきます。途中退席される場合は,これもエントランスまで御案内いたしますので,事務局にお声がけいただければと思います。
 最後に,本日の会議は非公開ですが,会議資料と議事録につきましては,委員の皆様に確認の上,後日,文部科学省のウェブサイトで公開する予定です。
 私からは以上でございます。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 では,これより令和5年度第7回学校法人会計基準の在り方に関する検討会を開催いたします。本日はお忙しい中,本検討会に御出席いただき,誠にありがとうございます。
 本日の議事は,「(1)会計基準の特例について」,「(2)私立学校法監査の範囲について」,「(3)助成法に基づく書類提出・監査の範囲について」,「(4)注記事項について(子法人注記)」,「セグメント情報の検討まとめ」・「配分基準の検討スケジュールについて」が5番目,6番目が「全体のまとめ」,7番目,「その他」ございましたら取り上げたいと思います。
 それでは,たくさんありますので,議事の1つ目,「会計基準の特例について」,早速始めたいと思います。まず,事務局より説明をお願いいたします。
【篠原私学経営支援企画室長】  篠原より説明をさせていただきます。資料1,「準学校法人等の特例について」,2ページでございます。資料の1ですけれども,こちらは準学校法人等の特例について定めるというものになります。
 まず,現行の特例についてこちらの一覧表に記しています。知事所轄学校法人に関しては,高校を設置する場合と高校を設置しない場合と,それぞれ緩急つける形で特例が設けられていまして,高等学校を設置しない知事所轄法人というのは一番特例が広くて,活動区分収支計算書の作成,基本金明細表の作成,徴収不能引当金の計上というのを省略することができるほか,第4号基本金の全部または一部を組み入れないというような対応ができます。高等学校を設置する知事所轄法人については,一番上の活動区分収支計算書の作成省略という特例のみが適用されるという形になっています。
 こちらについて,前回,準学校法人の特例についてどうしましょうかというところを御相談させていただきました。こちらに関しては,一度,前鼻先生の方で持ち帰って検討くださっています。知事所轄法人に関する特例を同様に準学校法人にも適用するかどうかということに関しては,適用する,同様の特例を設けるという形での提案を改めてさせていただきたいと思います。こちらに関しては前鼻先生からも御発言あるかと思いますので,お願いできればと思います。
 もう1点,論点がございます。そちらが3ページの資料になります。会計監査人を任意設置する知事所轄学校法人に関しての特例の適用ということになります。3ページ目の資料です。こちらは,知事所轄学校法人に関しては特例が設けられていますという前提がある一方で,知事所轄学校法人でも会計監査人を設置するということを選べるようになりました。大臣所轄学校法人は会計監査人を必ず置かなければなりません。知事所轄学校法人は,寄附行為の定めにより任意で置けるということになります。この,任意で会計監査人を置いた知事所轄学校法人に対する特例の適用をするかしないかというのが,今回の論点になります。
 (2)の丸のところですけれども,会計監査人制度の目的と照らせば,会計監査人を設置する知事所轄学校法人が作成・公表する計算関係書類というのは,学校法人の説明責任の履行をしっかりするといった目的をお持ちのはずなので,こちらは,会計監査人を自ら置きますと選択して置いている知事所轄法人に関しては,この特例の適用対象としないという形が整合性の取れる形ではないかと思いますので,対応案のように提案をさせていただきたいと思います。
 対応関係を整理したのが4ページの図になります。大臣所轄学校法人は,会計監査人を置き,特例の適用はない。作成する計算書類・附属明細書がここに書かれている7点になりますけれども,知事所轄学校法人,その他の学校法人に関して,会計監査人を任意で設置するところは,特例の適用関係も、作成する計算関係書類も,大臣所轄学校法人等とそろうという形になります。会計監査人を置かない知事所轄学校法人は,特例の適用があるという形になりますので,括弧書きの書類の作成をしないということができることになります。説明は以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 それでは,議論に移りたいと思うんですけれども,前回,前鼻委員から意見を頂戴しておりまして,またお持ち帰りになって検討するということでしたので,前鼻委員,その後どうなりましたでしょうか。
【前鼻委員】  団体としまして協議をいたしました結果としましては,1,2とも,対応案に対しまして賛成をするというふうに考えております。
 理由は,現行で認められています学校法人の知事所轄法人に関する特例については,本改正においても現行どおりという判断から,同じく知事所管である準学校法人等も対応することに賛成したいということでございます。
 ただ,今回こういう検討会に参加しまして制度設計を進めてまいりまして,新たないろんな議論をする必要性があるのかなというところで,少し意見を言わせていただければ,私立専修学校各種学校の設置のみを目的とする準学校法人は,今回の私学法改正において,都道府県において取扱いをする実態として,学校法人と同様に扱われているということ。また,今回話題に上がりました特例措置ですとか,学校種別,規模別の区分け,会計処理制度において様々な物差しが存在しているという事実が,今回よく分かったことであります。
 今回,知事所轄法人につきましては,監査する・しない云々がございますが,既に私は幼稚園法人で幼稚園と専門学校をやっておりますが,上位の法人,つまり幼稚園法人の方に重きが置かれておりまして,専修学校であっても,準学校法人ではなく,幼稚園法人の区分けというんでしょうか,会計のやり方でもう既にやっております。ですので,準学校法人だからこうしなければならないとかという話ではないと,やれないことはないんだというふうに捉えております。
 こういった各学校種の実情等を考慮した制度になっていることは重々承知しておりますけれども,私立学校の会計の在り方について,社会に向けた健全性や公平性を発信できるよう,既存の物差し,趣旨,必要性について検討した上で,できるだけ分かりやすい制度設計を視野に入れた議論というのが今後もやはり必要ではないかというふうに考えておるところではございます。
 以上のことから,特例とそれから1番,2番につきましては,原案どおりでということでの考えを表明したいと思います。
【黒川座長】  詳細にありがとうございました。また,御検討いただきましてありがとうございました。それでは,ほかのウェブ参加あるいは対面参加の先生方,いかがでございましょうか。何か御意見ございますでしょうか。
 前回もこれは議論いたしましたので,それではこの辺で意見を整理したいと思います。ありがとうございました。では,畑さん,まとめてください。
【畑参事官補佐】  それでは,準学校法人特例については,現行の知事所轄法人に関する特例と同様の特例を設けるという形の対応案で,御了承いただいたというふうに考えております。
【黒川座長】  それでは,次に,会計監査人を任意設置する知事所轄法人の特例について,これについてはいかがでしょうか。稲垣委員,公認会計士協会の立場として何か御意見ございますか。
【稲垣委員】  稲垣です。前回,問題提起させていただきましたけれども,この結論で異論ございません。
【黒川座長】  ありがとうございます。
 ほかの委員の方々,いかがでございましょうか。これは,会計監査人非設置ではなくて,知事所轄法人の学校法人であっても任意に会計監査人を設置することを選んだならば,特例はないと。ですから,みんなちゃんと全て作成するんですよと。御意見ございませんでしょうか。それでは,ないようですので,畑さん,確認をしていただけますか。
【畑参事官補佐】  会計監査人を任意設置する知事所轄学校法人の特例適用につきましては,会計監査人を任意設置する知事所轄法人は,知事所轄法人に関する特例の適用対象としないということで,御了承いただいたと理解しております。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 それでは,次に,議事の2,「私学法監査の範囲について」,議論したいと思います。また,併せて,議事の3つ目,「助成法に基づく書類提出・監査の範囲について」も,関連する事項のため同時に進めたいと思います。では,事務局より説明をお願いします。篠原室長,お願いします。
【篠原私学経営支援企画室長】  資料2,説明をさせていただきます。
 私学法監査は,法と省令で定めます。私学助成法の監査は,私立学校振興助成法とここで書いていますけれども,そちらの法体系の中で定められる内容になります。なので,会計基準本体の議論とは一線を画すものなんですけれども,決算書類に関わる内容なので,併せて説明をさせていただきます。審議いただくべき論点は特にはないんですけれども,こちら全体を通して御質問があれば,お受けしたいと考えています。それでは説明に入らせていただきます。
 6ページ目です。こちらは,私立学校法における監事と会計監査人の役割の分担について整理をした表になります。一番上,「私学法上の所轄・機関設計」と書いてありますけれども,こちらは,この欄の右側を示しています。まず,「大臣所轄学校法人等」というのと,「その他学校法人」という,大きい分けがあります。「その他学校法人」の中には,会計監査人を置くという法人と,置かないという法人とができますというのが基本の前提になります。「大臣所轄学校法人等」と「会計監査人を置く学校法人」というのは,会計監査と監事監査というものが私学法上,手続として出てまいります。
 それが次の段になりますけれども,計算書類と附属明細書を最初,会計監査人が会計監査をし,それを監事の方が御覧になって,ちゃんと監査をされているかという,その方法と結果の相当性を見るというような形になります。一方で,会計監査人を置いていない法人は,監事の方が会計書類を一通り監査するという形になります。
 会計基準からはみ出る部分ですけれども,事業報告書及びその附属明細書というものも,会計監査ではないですけど,監事による監査の対象になります。財産目録は,会計監査を受けてから監事による監査を受ける。このような関係になっております。こちら,※印で注が出ていますけれども,どういう観点で監査をするのかということについては,法律レベルではなくて,一段下がっての省令,施行規則というものでこれから定めていくという予定になっています。
 次のスライドは,私学助成というものを対象にしている私学助成法における監査の範囲になります。前提となる法人の枠組みは一緒ですけれども,会計監査人を設置しているか設定していないかというところで変わってくる部分があるということを御理解いただければと思います。
 まず,計算書類とその附属明細書というのは,私学助成法で公認会計士または監査法人の監査を受けてくださいと求められることになります。「会計監査人非設置法人で私学助成をもらいたい場合は」という限定がつきます。資金収支内訳表と,人件費支出内訳表,事業活動収支内訳表という資料を学校法人で作っていただいていますけれども,これらは学校法人会計基準に定める計算関係書類には入りません。入らない書類も私学助成のためには提出していただくというような位置づけになります。これらの書類のうち,公認会計士または監査法人による監査を受けてくださいと明確に施行規則で定めようとしている対象は,人件費支出内訳表のみになります。今のところ,資金収支内訳表と事業活動収支内訳表は,監査は求めないけれども,私学助成の申請に出していただくという形になろうかと思っています。
 下に記してあるのは,改正私学法ではなくて,私立学校振興助成法。こちらも今回の改正私学法と共に一部改正されていますけれども,その改正後の条文になります。上の表と対応している関係にあるので,今日はこちらの読み上げや説明は割愛させていただきます。
 次のページは,「公認会計士による監査の対象書類整理表」というタイトルがついていますけれども,学校法人が大臣所轄とそうでない学校法人,そうでない知事所轄学校法人の中にも,会計監査人を置く置かないというのがありますけれども,その中でもさらに,私学助成を希望しない,もらわないという場合と,私学助成をもらいますという場合があります。プロセス,手続は,それぞれ場合分けをして見ていく必要があるので,その場合分けをして説明をさせていただきたいと思います。オレンジの四角は,ケース1,ケース2と書いていますけれども,こちらは会計監査人が置かれて会計監査,監事監査というプロセスを経るという意味では,対象書類とプロセスが共通するものになります。ケース3とケース4も,私学助成があるというところがケース1,2と違うんですけれども,対象書類とかプロセスが共通するので,まとめて説明をいたします。
 右上の,会計監査人を置かない非設置法人で私学助成ももらわないというところに関しては,会計監査人による私学法監査はありませんし,助成法も当然話には入ってこないということになります。ただし,こういう法人でも計算書類とか附属明細書は作っていただきますし,財産目録と併せて監事監査を受けるという形になります。
 ケース5というのは,会計監査人を置かないけれども私学助成をもらいますというところについて,ざっくり申し上げると,私学助成法を根拠に計算関係書類の監査なんかもやりますというような内容になります。
 一番下に※1と注記をしてありますが,私学法監査と助成法監査と略して説明をさせていただくんですけれども,私学法監査というのは,私学法に基づいて会計監査人という法人に置かれる機関が実施する会計監査と,あと監事が実施する監査になります。助成法監査というのは,助成法に基づいて公認会計士または監査法人が実施する監査になります。
 次のスライドは,右上にケース1,2と書いてありますけれども,前のページで御覧いただいた表のうち,ケース1,2に該当するものの監査対象書類と関係規程を整理した資料になります。見ていただくポイントとしては,上から順に,資金収支計算書と,2つ飛んで活動区分資金収支計算書,その下の事業活動収支計算書,あと,下の3つですね,貸借対照表,附属明細書,財産目録,こちらは,今先生方に御議論いただいている会計基準で計算書類等々を定めて,決算書類を作っていただくというものになります。なので,これらは作成根拠が私学法,条文までいうと103条の第2項と,財産目録は107条という形になっていて,会計監査人の私学法監査というものの対象になるので,白丸がついているという形になります。この私学法監査の根拠規程が右側に記されているという形になっています。
 それ以外の書類,資金収支内訳表と人件費支出内訳表と事業活動収支内訳表,この3つは計算関係書類から外れますので,私学助成法の施行規則で作成根拠として定める予定です。こちらは助成法根拠の書類なので,私学法監査の対象にはなりません。
 ケース1,2の場合は,私学助成に申請をしない法人なので,私学助成に基づく手続というのも出てこないということになります。なので,ケース1,2の法人の場合は,資金収支内訳表とか人件費支出内訳表とかを作る必要まではないという形になります。
  次は,私学法監査と私学助成の監査と共に行う場合の整理表になります。こちらは,一番左に出てくる書類の一覧は変わりません。作成根拠と,会計監査人の私学法監査という関係性も,前のケース1,2と同じになります。ただ,今度は,私学助成を申請しますというところになりますので,助成法監査を経た上で,所轄庁への書類提出が必要になってきます。
 資金収支計算書などの計算関係書類などは私学法で監査を受けているので,私学助成法は,私学法監査を受けていればこの書類でオーケーというふうになります。資金収支内訳表,人件費支出内訳表,事業活動収支内訳表という3つに関しては,助成法に基づいて作って,そのうち人件費支出内訳表というのは丸がついているんですけれども,助成法監査を受けて出していただくというような性質のものになります。
 ここで,※印も御紹介しておきますけれども,まず※印の1は,資金収支内訳表と財産目録のところについているんですが,私学振興助成法規則は会計基準と共に今後新設予定で,もう一つ,告示があるんですけれども,「文部科学大臣を所轄庁とする学校法人が文部科学大臣に届け出る財務計算に関する書類に添付する監査報告書に係る監査事項を指定する等の件」というものは,今後会計基準と共に改正していく予定で,最後,私学法施行規則というのは,先ほど御紹介したように,今後改正予定ということになります。
 もう一つ,※2の注記が,助成法監査という欄に3つほど出てくるんですけれども,資金収支内訳表と事業活動収支内訳表と財産目録,これらは監査の対象外なんですが,私学助成法に基づく監査報告書上は「その他の記載内容」として整理していくという予定になっています。ケース3とケース4は以上になります。
 ケース5の説明に移ります。ケース5は,助成法の監査のみ行うという形になります。なので,左から3つ目の青い欄なんですが,会計監査人による私学法監査というのは,関係する書類全て対象外なんですけれども,書類に関しては一式,助成法監査のテリトリーに入って処理をされるということになります。ここに出てくる※1の注記に関しては,前のケース3,4と同じような内容になります。※2の注記に関しては,資金収支内訳表と事業活動収支内訳表に関しては監査の対象外なんですけれども,会計監査人または監査法人による会計監査の報告書上は「その他の記載内容」として整理をする予定ですということになります。所轄庁への提出というところは,全部,丸印がついているというところになります。
 ここで,財産目録に関しては別途説明をさせていただこうと思うんですけれども,ケース5の財産目録は,「所轄庁への提出」というのはバーが入っていて,必要な書類としては今,位置づけてはいません。1つ戻っていただいて,ケース3,4の場合は,財産目録というのが括弧づきで丸というふうになっています。こちらの違いは,私学助成で書類を提出していただくときに,ケース3とケース4の場合は,会計監査を受けて監査報告書というものが作られています。その中には,財産目録まで含めてとじられている形になりますので,それを便宜上,一括で所轄庁へ提出していただくという形を想定していますので,私学助成の申請上必須の書類ではないんですけれども,事務の効率的な対応の方を優先してそのまま出していただくということで,ここは括弧づきの丸になっています。
 ケース5の方は,そもそも,財産目録に関して,監査報告書の中で出てくるというような関係性になっていないので,所轄庁への提出もされないと。そのような細かい違いが出てくるということになります。
 最後,まとめの資料になります。こちらは,私立学校振興助成法に基づく提出書類について整理をした表になります。なので,左側にケース3,4,右側にケース5だけが出てきているという資料になります。この資料の見方ですけれども,左側の方に読み方を書いています。オレンジ色の丸「私」は,私学法が作成根拠になっている書類です。ピンクの丸「助」は,助成法が作成根拠になっている書類に振ってあります。緑の星が,会計監査人による監査,私学法監査の対象で,青い星が,公認会計士または監査法人による監査,助成法によって求められる監査の対象になるというものになります。
 左側のケース3,4,「会計監査人設置法人で私学助成を受けている法人」というのは,丸1 から丸5 までの書類に加えて,「プラス」の下の,資金収支内訳表等が出てきまして,こういった書類を出していただくと。「会計監査人非設置で私学助成を受ける法人」に関しては,右側のような関係で,要は,出していただく書類は一緒なんですけれども,それぞれ根拠が違ってきますというところになります。
 このような形で,監査の対象や提出書類を整理して,規程の整備などを進めさせていただきたいと思っています。私からの説明は以上ですが,畑さんと今井さんの方から,不足や補足があればお願いします。
【畑参事官補佐】  特段ございません。
【今井専門職】  私も大丈夫です。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 それでは,事務局からの御説明に関し,委員の皆様,御意見があればお願いいたします。どうぞ,徳田委員。
【徳田委員】  確認ですけれども,まず,ケース1,2というのは,私学法監査のみ行うという,具体的なところですけれども,助成法の監査は不要ですということは,助成法における補助金の上限以下であるならば,上限って,最低,たしか1,000万でしたか。1,000万円以下の法人。そういうところは助成法の監査は要らないよということでの区分でよろしいでしょうか。具体的なイメージですね。5ついろんなケースがあるのですけれども。
 それから,私学法と助成法の監査を行うケースというのは,これは通常のパターンだろうと。特に大学法人においては,私学法と助成法を受けているから多分,ケース3,4に該当するだろうなというふうに思います。
 それから,最後のケース5というのは,助成法監査のみ行うケースというのは,要するに,学校法人の設置としては具体的にどういうものを想定しているのかということを,ちょっと教えていただければなと思います。
【黒川座長】  ありがとうございました。どなたか,事務局,回答をお願いします。まず,少額しか受けてないという場合に,私学助成なしの方の区分でよろしいのかということですね。これは初めての御意見ですね。そういう例外的な措置はいいのか。畑さん。
【畑参事官補佐】  1,000万円というところは,どちらに入るかというのは整理し切れてないので,これは次回までにちょっと整理をして,そこはどちらに当たるのかというのはお伝えします。
【徳田委員】  補助金の金額でという話ですか。または別の要件があるのですか。
【畑参事官補佐】  金額で分けるということは考えていませんでした。助成をもらっている,私学助成が出ているか出てないかでやっているわけですよね。そういうところは考えていなかったんですけれども,ちょっとその事実を確認して,どうなのかというのをもう一度説明させていただければと思います。
【徳田委員】  分かりました。
【黒川座長】  今のところ,ちょっと整理しますと,もし仮に1,000万円ですか,以上なのか未満なのかは,もし仮にそういうのが今回の私学法での範囲であれば,私学法で決める問題なのか,あるいは助成法で決める問題なのかというのがありますよね。要するに,このケース1,2に相当するのかどうかとおっしゃっているんですよね。
【徳田委員】  そうです。
【黒川座長】  で,もし仮にケース1と2に相当しないということになると,どういうことになるんですか。それは必ず相当するんでしょう,これ。もらっていてももらってなくても,ケース1と2であれば。そうすると,ケース3か,1と3,2か4かという,その違いを御質問されたということでいいんですかね。今の御質問をもう一回整理したいと思うんですよ。1,000万円ぐらいしかもらってないので,助成されているかどうかという範囲になるかどうかという御質問ですよね。
【徳田委員】  私学法の監査のみを行う法人というのは,具体的にはどういう法人なのかなということです。
【畑参事官補佐】  まず,ケース1というのは,大臣所轄学校法人等で,私学助成をもらっていないというところを想定します。そういうところが一応ありますので。というところです。
 その下に行きまして,ケース3というのは,大臣所轄学校法人等で,私学助成をもらっているというところなので,これは当然,私学法監査プラス助成法監査を受けないといけないという,そういう整理をしております。
 隣に行きまして,その他の学校法人,これは知事所轄法人を指しておりますけれども,それは2つに分かれています。まず,真ん中のところですけれども,これは,知事所轄法人なんですけれども,先ほどありましたように,会計監査人を任意で設置しているというところについて場合を分けています。ケース2とケース4に分けていまして,ケース2というのは,会計監査人を任意に設置しているんですけれども,私学助成はもらっていませんという法人が一応想定され得るので,その場合はケース2という整理をしています。
 それから,その下のケース4というのは,会計監査人を任意に設置している知事所轄法人で,私学助成をもらっているというところの場合は,大臣所轄と同じように,私学法監査と助成法監査を受けると。少し違うところもありますが,私学法監査と助成法監査を受けるというふうになっています。
 知事所轄で会計監査人を任意でも設置していませんという法人も当然あるので,その場合,これは私学法監査はないということになりますので,そうしますと,私学助成をもらっていないという欄には,私学法監査もなく,助成法監査もないという形で,空欄の形になっています。
 その下に,ケース5というので,会計監査人は設置していないけれども,私学助成をもらっているという法人,これは結構多くなるんじゃないかと思いますが,この場合は助成法監査だけだと。
 そういう6つのケースに分けてまとめたものだという,そういうイメージです。
【黒川座長】  ちょっと補足で,今井さんの方から。
【今井専門職】  今井でございます。資料は7ページの方に行っていただきますと,改正後の私学振興助成法の条文を載せておりますが,先ほど徳田委員から御指摘のあった,助成の額が少額の場合の取扱いというところですけれども,14条2項のところで,改正後も引き続き,「補助金の額が少額である場合において所轄庁の許可を受けたときは,この限りでない」ということで,助成法の監査の対象から外れる条文が残っていますので,ここを考慮しますと,8ページの資料に戻っていただくと,こちらの表では,状況としては,助成法監査が要らないということですから,ケース1,2に相当するかと思います。
【黒川座長】  今の徳田委員の趣旨をそういうふうに取れば,そういうことになります。要するに,私学法ではいじっていない,私学法の今回は。助成法の方もいじっていないから,今までどおり。
【徳田委員】  今までどおり。金額が少ない場合は所轄庁の許可を受けた場合はこの限りではないというのが,そのまま生きてくるということですね。
【黒川座長】  生きてる。 佐野委員,どうぞ。
【佐野委員】  今の事務局の御説明で,助成法監査の少額の規定以下1,000万がケース1,2に該当するという御説明でしたが,私学法監査もないという前提での御質問があったかと思いますので,そうなると,ここに書く必要がないケース6,書く必要がない,つまり,私学法監査も要らない,それから助成法における監査も要らないというケース,全く監査について検討する余地がないので書かれていないという学校。つまり,知事直轄で,例えば,助成の経常費補助金はもらっているけれども,例えば600万しかもらっていません,会計監査人ももちろん置いてないんですよというところは,私学法監査もございませんし,助成法監査もないので,この表には当てはまるものがないので,欄外。ケース1,ケース2はあくまでも私学法監査が前提になっているようですから,ちょっとそれは欄外と思っていただいた方がよろしいんじゃないんでしょうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  篠原ですけれども,会計監査人の監査はなくても,監事が監査をするという枠組みが私学法の中にあるので,会計監査人を置かなくても,そこの法人でも,少なくとも私学法の定める監事監査というのは発生します。
【佐野委員】  監事監査は必要ですが,このページは公認会計士による監査対象になっていますから,8ページは。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,そういう意味では,このタイトルとこの表の中身で一部不一致になっている部分があって,申し訳ありません。公認会計士による会計監査というのは,私学法の監査の中で一部ありますけれども,もう一つ,私学法の中では監事監査があって,その旨をここの※印で注記をしているということになります。
 なので,何の監査も出てこない法人というのは,私学法上想定されていない。
【黒川座長】  監事監査はあると,もちろんそれはそうなんだよね。佐野委員がおっしゃったのは,表のところに,もうちょっと親切に,丁寧に書いたらというようなことですか。
【佐野委員】  いや,「公認会計士による監査の対象書類」という表題の中に当てはめようがないので書いてないだけですよねという,確認です。要らないわけですから。
 私学法の中で学校法人が成立しているわけですから,監事監査があるのは当然のことです。だけど,公認会計士による監査,公認会計士または監査法人ということでしょうけど,監査が要るかという意味でのこのケース1,ケース2は,そもそもないだろうという,公認会計士というくくりで見たら。ですから,今室長がおっしゃった,表題と中身にちょっと整合性がなかったかもしれないというお話があれば,表題がちょっと。表題に引っ張られちゃうと,全くこの表に現れてこないということになってくるんだと思うんですね。
 徳田委員がおっしゃったのはその意味で,助成法監査が必要ない学校はどこに入るんですかという意味だと思ったので,そもそも監査がないので書いてないんじゃないですかと申し上げたんですけど。
【黒川座長】  その確認だけですか,今の御質問は。佐野委員のおっしゃっているのは,表題を取るという提案ですか,そうすると。
【佐野委員】  提案ではなくて,質問と回答がちょっとずれていたので,監事監査は承知していますけれども,今徳田委員が質問された公認会計士監査のお話と今井さんがおっしゃった回答がちょっと整合してなかったので,付け加えて補足をさせていただいたという意味合いでございます。
【黒川座長】  そうするとあれですか,まだ余裕があればいいんですけれども,今日はなるべく固めていきたいので,案を持ち帰る,事務局でまた検討ということが何回もかかっちゃうといけないので,「公認会計士による」というのを取れば問題ないですか,この表。いかがでしょう。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,徳田先生の御質問をもう一度お願いしてもいいですか。
【徳田委員】  幾つかのケースの具体的な事例なんです。例えばケース1というのはこういう法人です,ケース2はこういう法人ですという,具体的なものを例示するとイメージが湧くのです。こういう法人では1の場合に,それから2,3,4という場合,具体的なゾーンもそうですけれども,こういう法人が5に該当するということで,何かそのイメージだけが分かるようなものが解説としてあればいいかなというだけです。確認だけです。
【篠原私学経営支援企画室長】  それが,私学助成あるなしであったり,会計監査人がいるかいないかと,そういう軸だけだと分かりにくいという御指摘でしょうか。
【徳田委員】  それならそれでもいいです。私学振興助成法における,ここでは議論する話ではないだろうけれども,少額の場合というのは。当然,それぞれの学校法人において,私学振興助成法上においてはどうなるかという,疑問が必ず出てくるだろうと思います。私学法に基づく監査はどうなんだという。
【黒川座長】  一番初めに事務局の方の説明にあったように,会計監査人の監査と言った場合には,会計監査人は機関です。それで,そうではなくて,会計監査人を置かないというところでは,単に公認会計士または監査人という,監査法人ということになっているので,機関ではないと。この表がどちらをメインに説明しているのかどうかという,そこでまた議論が錯綜するという。多分,佐野先生もそういうことを念頭に置かれたのかよく分かりませんけれども,ともかく,機関と,それから単に公認会計士,監査法人によるというのは,監査でも違う。両方重なっているところは一緒にやるんですけれども。というのが1つ。
 それから,少額の場合の特例。これは,いずれにせよ監査を受けなくていいということになってしまう,どっちにしても。受けなくていいというのがもうごっちゃになっているので,もう少し細かく書いた方がいいのか。
 それから,表題も,「公認会計士による監査」と言ったらこれでいいのか。公認会計士による監査と言うとどうなのか。「会計監査人」なのか「公認会計士・監査法人」なのかという。それに連動しちゃうといけないんですね,この表題が。その辺を整理すればよろしいということですかね,先生方の御意見は。
【徳田委員】  いずれにしても,私学法に基づく監査と助成法に基づく監査というのは同一,会計監査人を設置する学校法人であれば一緒に受けてくださいよという話にはなるのが,自然の流れだろうと思います。会計監査人を設置してないところ,知事所轄法人であれば,私学助成を受けているかどうかは別として,そこは必ず公認会計士または監査法人の監査を受けなければいけない。
【黒川座長】  ちょっと案を。ここでは私学法と助成法と監事監査が一緒になった表なんですね,この8ページのものは。しかも,大事なのは対象書類整理表なんですよ。そっちの方に,このテーマになっているんですね,実を言うと。監査するかどうかというよりも,書類がどうなっているかという表なんですね,これは。とすると,1つの提案としては,「監査の対象書類表」と,「監査」と言ってしまえば3つ入ります。監事も入るし,公認会計士によるのもあるし,それから会計監査人も相当するわけです。それで1つ,対応がつくというのがあります。「監査の」というところからにしてしまえば。
 それから,あと,「会計監査人による私学法監査なし」というところの,ケースが書いてないところがありますよね,右上の。1から5まではあるんだけれども,ケース6とか書いていない,ただ真っ白になっているところ。ここは何なのかということになると,先ほどの,私学法の監査も受けてなくて,それから,公認会計士,監査法人の監査も受けてないけれども,監事による監査は受けている,監事監査はあると。そうすると,この表は対象書類表なので,そこで,この「計算書類及び附属明細書,財産目録は管理監査を受ける」ということで,ここの白いところをケース6か何かにして,ちょっと説明書きを入れればいいのか。そのぐらいで対応できますか。
【徳田委員】  うちの学校法人はどこに該当するのか,何か具体的なそういう質問が出るような気がしたものですから,定義としてもうちょっと分かりやすいものを解説として入れていただく方がいいかなと思ったので,質問させていただいたのですけど。
【黒川座長】  分かりました,趣旨は。どうぞ,稲垣委員。
【稲垣委員】  会計士協会の稲垣です。確認と意見ですけれども,会計監査人による私学法の監査は,私学助成の有無に関係なく全て今回対象になるという整理という意味では,ケース1からケース4まではここまでで,助成法監査の対象がまさに,私学助成の金額が少額か否かで対象になるかならないかが違うということなので,私学法監査の線引きと助成法監査の線引きを少し分かりやすくすると,理解が進むのかなと思います。一応,そうですよねという確認と意見です。
【徳田委員】  以前は私学振興助成法だけということで,割と分かりやすかった。今回は法律が2つまたがっていることなので,その辺がそれぞれの学校法人が理解しやすいように,両方連結したようなものを本来ならば解説としてお示しするのがいいのかなと感じたのです。
【黒川座長】  奥村委員。
【奥村委員】  フローチャート的に,助成法を受けている・受けてないで分岐して,この場合はケース1,ケース2と,そういうのが説明で1つあると,先ほど徳田委員のおっしゃっていた,対応できるかなと思うんですけれども,そういうふうには書けますよね。
【黒川座長】  そうすると,ここは,先ほども言いましたように,対象書類整理表なんですけれども,そうではなくて,どういう。3つ,監査という言葉の中に出てきているので,3つ全部あるのと,2つあるいは1つというのを,ちょっとケース分けをした表をまた別に,図でもいいですけれども,あるいは分岐の図でもいいですけれども,何かそれを作ってくださいという,そういう提案でよろしいですか。
 この表,ここはあくまでも書類の表なんですね。ここについては,「公認会計士による」というのはちょっと取った方がいいかもしれないというのは,今分かりましたので。
 それから,先ほどの,1,000万円の特例というのは,実を言うと,注記か何かで書いておけば,それは助成を受けていても助成なしの方に相当するんだよと,それは生きていますからと1行入れておけば,わざわざそこをまた1つ入れなくても。それ,特例なんですから,そういうような言い方をして,どっちの範囲に入るんだというふうに言っておけばそれで済むように思うんですね。
【徳田委員】  要は,皆さんが見て理解できれば,私はそれでいいと思います。
【黒川座長】  分かりました。先生,あと2つ,もう少し質問ございませんでしたっけ。
【畑参事官補佐】  それは先ほど私,全体を説明させていただいたので,その中で説明したというふうに理解しています。
【黒川座長】  ほかに何か質問,もうないですよね。
【徳田委員】  いや,ないです。今,座長の方でもう1つ何かと言われて,皆さんが分かるような。
【黒川座長】  該当法人が分かるような何かを作った上で,これはこれだと。はい。
 ほかに。どうぞ,奥村委員。
【奥村委員】  これは,例えば,今のケース1とかケース2の資料の6ページ目に該当するかな,ちょっとテクニカルな表現かなと思われたので。※2というか,注2のところの,「その他の記載内容」云々ということと関わるかなと思うんですけれども,これも確認なんですが,従来から内訳表は監査除外事項だったと。資金収支内訳表,事業活動収支内訳表は除外事項でしたけれども,それはそのままなんでしょうかということですね。
 そういう意味では,今回セグメントの議論をしておりますが,計算書類の注記につくセグメント情報は,監査を今回受けることになるということなんでしょうけれども,この助成法で挙げている内訳表,類似のこういう内訳表は,監査除外事項のままですよねということの確認ですね。
 ただし,この※2のところにありますように,「その他の記載内容」というような意味合いで監査報告書上は整理される予定というのは,それは参照しているよというような意味なんでしょうけれども,ちょっとそれをもう少し優しく教えてほしい。
【黒川座長】  いかがでしょうか。今井さん,どうぞ。
【今井専門職】  今井です。現行,人件費支出内訳表は監査対象かと思いますが,資金収支内訳表,事業活動収支内訳表は改正後も引き続き監査の対象外として,ただ,その提出書類として一つづりになるものですから,監査対象外だけどもワンセットになるというものについて「その他の記載内容」という,グルーピングの名前がつくものですから,そこの取扱いは現行と変わらないと御理解いただいてよろしいかと思います。
【黒川座長】  奥村委員,いかがですか。それでよろしいですか。
【奥村委員】  はい。
【黒川座長】  この10ページのケース3,4のところで,丸と三角のところ,ここをもう一回,今井さん,ちょっと説明してください。
【今井専門職】  三角の部分につきましては,こちらは,私学法監査の監査報告書をそのまま御提出いただいて,助成法監査の中で改めて監査を受けていただく必要はないと。私学法監査を受けていただいてその監査報告書を使っていただくという意味で,三角をつけております。
【奥村委員】  分かりました。
【黒川座長】  二重に監査することはないという意味ですね。それはそうだと思います。ほかに何か御質問。
【徳田委員】  よろしいですか。監査の内容です。今ここにある資金収支計算書,事業活動収支計算書,貸借対照表ということで,例えば資金収支計算書であるならば,監査人がどこまで内容を監査するのか。例えば,勘定科目というのは決算書に出てくるわけです。この間の整合性までも監査の対象とするのか,その辺の監査の内容です。我々受ける側と監査をする側が,それぞれの計算関係書類について帳簿から正確に記載されているだけなのか,そうじゃなく,科目の定義,そういうものを含めて監査するのか,私は実務やってきていますけれども,やはり疑問に思っているところがあります。
【黒川座長】  分かりました。稲垣委員,お願いします。
【稲垣委員】  稲垣です。監査であれば,従前の監査も今後の監査も基本的には同じだという理解です。
【徳田委員】  我々はどうしても,今まで私学助成法に基づく計算書類の作成ということを非常にメインにやってきたわけです。そうすると,経費に含めてはいけないような人件費があったり,教育研究経費に含めてはいけない管理経費があったり,それから,本来なら資本的支出に含めるべきものを経費に計上していたり,いろいろ勘定科目におけるそういうものについて,監査というのはどこまで実施可能なのかなと。
 というのは,我々は,今までは私学振興助成法という法律の中で,人件費と教育研究経費,それから教育研究経費と管理経費,資本的支出の施設関係支出と経費,ここには超えてはいけない決算の処理が存在することは事実なんです。今後は私学法に基づくものですけれども,やはり,今までは私学振興助成法というのは内訳表があります。内訳表の合計がそこで決算書で出るわけです。実際に監査というのはどこまで可能なのか。これからいろんな法人が監査を受けるということになれば,どこまで監査人または公認会計士,監査法人がチェックというか見てくれるのか,その辺がちょっと今,問題としています。
【黒川座長】  なるほど。稲垣委員。
【稲垣委員】  これは私の理解ですけれども,今おっしゃられたのは,監査する側にとっての重要性の判断というものがございますので,びた1円たりとも間違っていないということを監査で意見表明するものではありませんので,そういうことがあり得るのかなというのが理解です。それは,従前の助成法の監査も,今後の私学法に基づく監査も,基本的には同じだというふうに理解しています。
【徳田委員】  実務的に現在の経常費補助金の配分基準の問題があるわけです。分母に学生生徒等納付金収入に対して,分子に教育研究経費支出と設備関係支出の,この割合でもって補助金の増額減額というのが出てくるわけです。この割合がぎりぎりのところでこの割合になった場合、会計検査院とか,監査があったときに,これは教育研究経費支出じゃないですと言われたら,配分が下へ行く(補助金が減額となる)。そうするとそれはどうなるかというと,不当交付として国会に報告されます。そのような現実が,我々は日々,神経を尖らせながら処理しているのが現実なんです。
 私学法の監査になったときに,併せてどこまで本当に可能なのかどうか。私学振興助成法にもうものすごく引っ張られているのです。それでもって,部門の各科目,経費処理が法人としての決算になるわけです。その辺のところが,どの程度まで監査人の監査の範囲とされるか。私学法上によってはここまでですよということになれば。なかなか難しい話です。
【黒川座長】  稲垣委員。
【稲垣委員】  先ほどの,監査人による重要性の判断というのもありますし,場合によったら,本当はこういうことはあってはいけないんですけれども,監査の失敗というのもケースとしてはあり得たんだというふうに思います。
【徳田委員】  やはり重要性の判断というのは,各学校法人の財政の規模でもっていろいろ御判断されていると思うのですけれども,我々はもう本当にぎりぎりのところで,0.1%で上へ行くか、金額は幾らぐらいかといったら,数千円,数万円かもしれない。数万円が,これが教育研究経費支出ではない,または,これは人件費に計上すべきだというふうになると,配分が下へ行く(補助金が減額となる)。過去に頂いた経常費補助金が,不当交付を受けたという非常にきつい結果になる。
【稲垣委員】  そういう意味では,不当交付になるものが1円たりとも存在しないということを保証する監査意見ではないんじゃないかというのが,私の認識です。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  監査の中身についてはさておいて,今後,私学法の会計基準について詳細の問題点を来年以降検討するんでしょうから,そこでまた検討していただければいい話かと思うんですね。監査の手法が変わるわけではないので,それは置いておいて,ちょっと質問していいですか。
 6ページで,「事業報告書及びその附属明細書」が監事監査になっています。その附属明細書というのは,事業報告書に何か附属明細書を添付する前提でのことだとすれば,どんなものを予定しているのかはここでは検討があるんでしょうかという質問です。「計算書類及びその附属明細書」は会計監査人による会計監査があって監事報告するわけですが,「事業報告書及びその附属明細書」というのは今までなかったので,もし念頭にあるのであれば教えていただきたいと思います。
【黒川座長】  なるほど。いかがでしょうか,事務局。今井さん。
【今井専門職】  事業報告書の附属明細書の内容については,会計基準の中に定めるものではないので,この検討会での議論ということは予定しておりません。
【佐野委員】  今,何か想定しているのがあれば,教えていただきたい。今後の検討であればそれでいいんですけれども,ちょっとこれ,読み方を間違えると,計算書類の附属明細書,それから事業報告書の附属明細書と,附属明細書に限っては会計監査人と監事が両方見るように読んでしまう懸念もあるので,念のためにお伺いしました。もし今念頭になければ結構です。
【今井専門職】  前提としては,計算書類の附属明細書として3種類ございます。また事業報告書の附属明細書というのも別であると,そういった前提になっております。その具体的な部分というのは,事業報告書を補足するような内容というところでございます。
【佐野委員】  じゃ,今後示される。
【今井専門職】  そうですね。
【奥村委員】  別のところで議論しているんですか。
【畑参事官補佐】  これからです。
【奥村委員】  そうですか。
【佐野委員】  いや,事業報告書に附属明細書というイメージがちょっとなかったものですから,ちょっと確認をしました。今後,事業報告書についても検討されるんでしょうから,そのときに明示されれば結構でございます。
【今井専門職】  省令の中で,私学法施行規則案の中で出てくるようなところでございます。
【黒川座長】  その条を受けてそういう文言になっているんだそうです。ほかに何か御意見ございますか。奥村委員。
【奥村委員】  これも,どこを参照にということではないんですが,先ほどの図がありましたね,12ページかな,丸とか三角,星の図がございます。それで,計算書類ということでこういう整理をしていただいています。計算書類は,附属明細書の手前までを言う言い方になるんですかね。言葉の使い方なんですけれども,計算書類及び附属明細書,ここが我々は主に議論しているところなんですが,それら監査を受けて,監査報告書を作成して,さらに,それに財産目録を加えて,これは大臣提出ということになるんでしょうかね。
 で,我々,現行では,そういう意味で,計算書類としていろいろまとめて,これを事業団に出しているという格好になるんでしょうか。そういう形で,下の方の内訳表なんかも一緒にして出して,まとめて作成しているんですが,今後,作成するまとめの部分ですね,ここで,私学法に基づくものと,助成法に基づくものというふうにマーキングしていただいているんですが,それらをグルーピングして,それぞれ提出する場所はまた別のところに提出するという形になるんでしょうか。制度的にこれ。
【黒川座長】  畑さん。
【畑参事官補佐】  その点は,どういうふうに整理するかというのを今まだ整理しているところですので,またそれは公認会計士協会とも調整しながら,どういうふうな形の監査の書類でまとめるかというのを調整しているところです。
【奥村委員】  なるほど。そこはまだ。
【稲垣委員】  若干補足させていただくとすると,計算書類という定義は何が入るかというのはきちっと定義する必要があるということと,内訳表はもう計算書類ではないというのが現状の私の理解です。ただ,先ほどちょっと話が出ましたが,注記事項というのは,計算書類の注記ですから,当然それも計算書類の中に含まれて監査の対象になるんだということが明記された方が分かりやすいかなというふうには思いました。
 以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。ほかに何か御意見ございますでしょうか。稲垣委員。
【稲垣委員】  協会の稲垣です。2点ほどコメントがございます。
 1点目が,通し番号の6ページで,「監事による監査」のところですが,「会計監査人の監査の方法または」となっておりますが,これは「または」ではなく,「会計監査人の監査の方法と結果の相当性判断」だと思われますので,計算関係書類の部分と,財産目録の部分と,一応2か所出てきますので,orではなくandだと思いますので,そこは訂正が必要かと思います。
 それからもう1点,2点目ですが,通し番号の8ページ,「私学助成あり」のところで,ケース4それからケース5の下のところで,括弧書きですが「+α:都道府県の判断による」という記載が残っております。これ,自治体の地方自治の範疇ですから,自治体の判断というのは当然残るんだとは思いますが,監査する側からすると,助成法監査の対象が自治体によって範囲が異なるというのは非常に不都合な部分もありますので,会計士協会としては,各自治体に対してなるべく共通化,統一化してほしいという働きかけといいますか,お願いをしようというふうに考えております。最終的には自治体さんの判断ですけれども。というところをコメントさせていただきます。
【黒川座長】  ありがとうございました。事務局,よろしいでしょうか。
【畑参事官補佐】  はい。
【黒川座長】  文言の修正もありがとうございました。重要なところでした。ほかに何か御意見ございますか。ありがとうございました。
【畑参事官補佐】  本件は,今回の私学法改正と助成法が今あるわけですけれども,それをちょっと整理してお示しさせていただいておるもので,先ほども申し上げましたけれども,今回の本来の議題とはちょっと異なるものになりますが,関係するだろうというところでお示しさせていただいているものです。
 議事の2と3については,会計基準ではなくて,私学法施行規則それから助成法施行規則に定める予定の内容ということで,直接関係ないですが,決算作業に影響するということもあるということで,今までの整理をさせていただいてお示ししているものというところで,資料自体は作成して提示させていただければと思っていますけれども,この点については,内容については御了解いただいたという形にさせていただければと思っておりますが,いかがでしょうか。
【村上参事官】  いろいろ委員の皆さんからも少し捉え方とかが誤解がある部分もありますので,ちょっと微修正はさせていただいて,趣旨としては見方の問題だと思っていますので,若干,今いろいろ文言の修正部分もありましたので,修正をさせていただいて,それで,このもの自体を承認するかしないかということではなく,資料の体裁の部分はもう少し精査をさせていただきたいと思います。
【黒川座長】  分かりました。では,予備日がありますので,先生方覚悟してくださいと初めに言いましたけれども,1週間後ですか。
【畑参事官補佐】  それはまた後で説明させていただきます。
【黒川座長】  そうですか。では,もうちょっと事務局で整理していただいて,議事の2,3については,ここでは承認を得たとはしないことにいたしましょう。このままで行きます。どうぞ。
【藤井オブザーバー】  今,冷静に聞かせていただいて,ここにいる委員の方はこの資料については皆さん理解されている中で,ちょっとここの書き方が悪いですよとか,1,000万以下の分が表記がありませんよとか,表のことは皆さん全て理解されている上での御意見というふうに僕はお伺いしていたんですけれども。あと,ほかの学校法人の方が一目で見て分かるような表があったらいいねとか,フローチャートが追加であったらいいねというのは,これはまた,これが完成したときにそういうのがあった方がいいですねという御意見があったというふうに,僕はオブザーバーとしてずっと今聞いていましたので,このためにまた皆さん集まってこの表でいいでしょうかというものではちょっとないかなというふうに。
【村上参事官】  特段これのためにまた審議をするとかいうことではなくて,こういう形にしましたよということを,座長にも御了解いただいた上で,これが完成版という形にはならないので,そこはお示ししたいというだけです。
【黒川座長】  分かりました。そうすると,私に,あるいは次回あるとして,お示しすることを条件にこの内容については承認していただく,そういうことでもう,今の藤井オブザーバーの御意見は,それでもいいんじゃないかという御意見ですけれども,私,座長としてはどちらでも,中立的に,各委員の方々がそれでもよろしいというのであれば,今,承認を受けます。いや,もう一回ぐらい議論したいというのであれば,ここでは保留にしたいと思いますけれども,いかがでしょう。御意見ございますか。佐野委員。
【佐野委員】  私は理解しておりますので,今御案内があったように,もうちょっと工夫が凝らせるところがあればしていただければ結構で,内容については理解しているので,承認とか云々ではなくて,理解いたしましたというふうに。
【黒川座長】  分かりました。理解はしていただいたんですけれども,そこで,承認していただくかどうかというところが問題なんですけれども,今,私としては。どういたしましょうか。志賀委員。
【志賀委員】  普通,こういう理事会でもどんな会議でも,審議案件なのか報告案件なのか協議案件なのか,まずはっきりしていただきたいというのが1つと,今の話であると,報告案件に近いものであれば,微修正をした上で後日,書面でも会議でも報告するという形で,承認するかどうかということをこだわるものじゃないと思うんですが,ここは全て審議案件なんですか。これ,事務局にお伺いしたいんですけど。
【畑参事官補佐】  報告案件です。
【志賀委員】  であれば,そのようにはっきり申し上げて,いただいた意見については後日修正して,会議での場で言うわけではなくても,書面でメール等で報告しますで終われば終わるのに,それがどんどん時間だけ潰れていくので,そこはそういうふうに最初から言っていただきたかったです。以上です。
【畑参事官補佐】  申し訳ございませんでした。
【黒川座長】  そうすると,一番初めに戻りますけれども,今のはすごく重要なんですね。審議事項か報告事項かというのがはっきりしてなかったと。ですから,了解を得るかどうかというのは座長としては大事なんですけれども,そうすると,もう一回,事務局の方,本日の議事で1から5までありました,6はまとめですけれども,どれとどれが審議事項で,どれが報告事項か,ちょっと明らかにしていただけますか。
【畑参事官補佐】  説明いたします。議事次第を御覧ください。議事の1,飛んで4,5,6,これが審議事項です。報告事項は2と3です。
【黒川座長】  分かりました。それで明らかになった。志賀委員,ありがとうございました。それでは,2と3は報告事項ということでございますので,先ほど佐野先生がおっしゃったように,理解していただいたと,その程度でここは終わりにしたいと思います。
 それでは,後日もう少し分かりやすいものにしていただいて,この議事の2と3は終わりにしたいと思います。
 では,議事の4の,「注記事項について」,移りたいと思います。それでは,事務局,御説明をお願いします。
【篠原私学経営支援企画室長】  こちら,注記事項は,審議事項でお願いいたします。
 資料3-1,こちらは子法人の注記事項に関して御審議をお願いいたします。論点としては,丸1 ,丸2 ,丸3 ,丸4 と後ろに続いてございます。
 まず「(1)改正私学法における取り扱い」から説明をいたします。
 現行の学校法人会計基準と関連の通知では,「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」として「学校法人の出資による会社に係る事項」を注記することになっています。この注記は,具体的には「当学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社の状況」を説明せよというもので,学校法人と当該会社の関連を適切に把握できるように,出資状況とか,会社から学校法人への寄附額などについて,学校法人の計算書類に脚注として記載するというものになります。
 実際どういうものかというのを御覧いただくために,19ページに飛んでいただけますか。19ページは,現行における注記のうち,学校法人と他法人の取引について記載するものを抜粋しています。(3)が,今説明申し上げた「学校法人の出資による会社に係る事項」ということで,このような注記が入っています。今回,あと2つ,抜粋してありまして,(8)が「関連当事者との取引」ということで,表で書いてくださいというふうな注記がございます。もう一つは,「学校法人間の財務取引」ということで(10)ですね。こちらも注記の記載例として挙げているというような状況になります。これが今の状況です。
 資料を戻りまして13ページですけれども,このような注記がある中で,改正私学法に伴って,子法人が「学校法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるもの」という形で規定されました。私学法の施行規則に関しては,今,案をつくっております。この案というのを,子法人の定義というのも決めていくことになっています。なので,こちらを改めて皆様にお示しをして,御審議いただきたいと考えています。
 その下に四角がございまして,子法人の定義が書いてございます。私学法の施行規則案,子法人の部分を含め,省令というのは,これから手続としては,パブコメなんかもした後,決定していくという流れになりますけれども,こちら,諸事情があって,政令と省令と含めての手続が止まっているという状況になります。さはさりながら,もうこの案でいくという形で,近いうちに学校法人に対しても見せていくことが予定されていますので,この子法人の定義案を前提に御審議いただきたいと思っています。
 子法人の定義については,1号,2号と2つ予定していますけれども,1号は,「学校法人(改正私学法で準用する場合にあっては準学校法人。次号において同じ)またはその1もしくは2以上の子法人が意思決定機関における議決権の過半数を有する他の法人」というのと, 2号は,「意思決定機関の構成員の総数に対する次に掲げる者の数の割合が100分の50を超える他の法人」ということで,2号は4つ,イ,ロ,ハ,ニとございます。
 イは学校法人の役員,評議員または職員,ロが学校法人の1または2以上の子法人に係る子法人役員または子法人に使用される者,ハは学校法人またはその1もしくは2以上の子法人によって当該構成員に選任された者,ニは当該構成員に就任した日より前5年以内にイ,ロ,ハに掲げる者であった者ということになります。
 こういった子法人の定義ができています。
 もう一つ,御参考にお伝えすると,最後の丸ですけれども,私学法改正のポイントの1つとして,子法人の役職員の監事・評議員への就任制限が改正私学法で設けられています。これとともに,監事や会計監査人に子法人の業務等の調査権限が付与されているということで,子法人に対するガバナンスが強化されているというのも今回の改正私学法のポイントになっています。
 次からが,それぞれ御審議いただく際,論点になります。4つあるうちの1つ目は,「注記すべき内容」ということで,現行の「当該学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社の状況」という注記においては,出資割合に着目して定められています。今般の改正私学法施行規則における子法人の定義案では,議決権の割合や意思決定機関の構成員の総数に占める人数の割合というところで,その組織における人の割合で,経営の支配がある法人かどうかというのを判定するという考え方になっています。両者の概念がそれぞれ異なるというところなので,両者についての注記内容をどういうふうな形で入れ込むかというところについて御審議いただきたいと思います。
 対応案としては,案1,案2,案3とございます。
 案1というのは,「当該学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社の状況」という出資割合の観点に加えて,私学法施行規則で規定される子法人について記載をするというもの,2つとも記載をするという案になります。なので,具体の注記としては,右側に移りますけれども,出資割合に関する注記内容,現行の注記内容と,今回の子法人に対応する注記,いずれも記載するという形になります。
 案2というのは,現行どおりの出資割合の注記を記載すると。私学法施行規則に規定される子法人についての記載は求めないというものです。案2は,右に移りますと,現行の注記内容は記載,子法人の注記は記載しないという形になります。
 案3は,「当学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社の状況」という今までの出資割合の部分を,改正私学法施行規則に規定される子法人に置き換えて記載をするというものになります。なので,子法人の注記として書くというような形の対応案になります。
 それぞれの対応案の具体的なイメージについて申したいと思います。こちらは17ページです。こちらは,論点1の案1,両方書きますという場合の案になりますけれども,(3)で「子法人に係る事項」というのを入れて,その下に,出資割合の記載を(4)として,両方書くというような形になります。今御覧いただいている資料の中で,丸4 の「子法人の財務状況」について消してある部分とか,ちょっと上に戻っていただいて,丸1 「子法人の概要」のところの,役員の氏名,兼任とか書いてある部分に関しては,別の論点としてこの後御審議いただきますので,まず,記載事項の枠として,子法人に係る事項と出資割合に係る事項両方が併記されるという形として,こちらの資料を御覧いただければと思います。
 資料3-1の論点1の案2が,次のページの資料になります。こちらは,出資割合の注記だけそのまま残すというものになります。資料3-1の論点1の案3に対応する案というのは,出資に係る事項としていた部分を子法人に置き換えますというような提案になります。
 こちらに関して前回御議論いただいたときの提案というのは,この出資割合で今書いてある内容と,子法人の定義が,組織における人の割合に相当しているといったところを,あまり吟味せずに,単に置き換えましょうと,新しい定義ができたから置き換えたらどうかというような内容の提案になっていたんですけれども,一番下の対応案3では,出資割合が2分の1以上である会社の状況を記載するのか,私学法施行規則に規定されている子法人の定義に合わせるのかというような2択にしていたんですけれども,今回改めて事務局にて内容を吟味した結果としては,資料を今回のものに戻らせていただきますけれども,14ページの対応案のうちの案1,両方を併記するという形が,事務局としては,一番適切ではないかというふうに考えて御提案をさせていただきます。
 案1の場合に関しては,もう一つ,※印を一番下に書かせていただいております。子法人の定義と,あとは,総出資額の2分の1以上である会社の状況も注記の対象となる出資会社の定義と,両方に同じ例えば会社が該当するというようなケースが想定されます。その場合,両方に一々書くというところは手間がかかってしまうので,また,注記内容の重複を避けるため,当該法人に関する開示情報は子法人の注記にのみ記載をして,「当学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社の状況」注記へダブルで記載することは必要ないという形で決めさせていただきたいと思っています。
 1つ目,論点丸1 に関しての説明は以上になります。次が,2つ目の論点の説明に移らせていただきます。
 これは,「関係法人について,関連当事者の取引との関連性」というタイトルです。こちらは第4回で御議論いただいたときにいただいた意見を踏まえての提案です。関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人というのは,「一定の人的関係,資金関係等を有する法人をいい,具体的には以下の場合に該当する」というふうにされています。これは平成17年の通知で,ア,イ,ウという形で列挙されています。
 1つ目がア,「一方の法人の役員もしくは職員等が,他方の法人の意思決定に関する機関の構成員の過半数を占めていること」,イ,「法人の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る)の総額の過半について融資を行っていること」,ウ,「法人の意思決定に関する重要な契約等が存在すること」,これのいずれかに該当するものが,関連当事者として注記の対象になる関係法人ということになります。
 こちらの関係法人の定義のうち,アについては,意思決定機関の構成員の総数に占める人数の割合について定めていて,子法人の定義とかぶることになります。子法人の定義と,関連当事者の取引の注記の対象となる,両方に該当するケースがある場合に,どう注記しましょうかということに関しての御提案です。
 こちらは,関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人と,子法人と,両方該当する場合は注記内容の重複を避けましょうということで,先ほどと同じような考え方ですけれども,当該法人に関する情報は子法人の注記のみ記載して,関連当事者との取引の注記への記載は必要ないというふうに整理をさせていただきたいと思っています。論点2つ目の説明は以上です。
 次,論点3つ目の説明に移らせていただきます。こちらは,「子法人の財務状況の記載について」ということで,これも第4回でいただいた意見です。
 第4回検討会で示した案では,国立大学法人会計基準の「関連公益法人等の情報開示」を参考に,子法人の財務状況とか役員の氏名などについての記載案を提示しました。しかしながら,改正私学法においては,学校法人の会計監査人に子法人の業務等の調査権限が付与されるんですけれども,子法人の財務諸表等に対して会計監査を行うというような権限は会計監査人にはありません。子法人の財務状況が記載されることによって,学校法人の公認会計士がこの子法人の財務情報も保証しているように見えてしまうリスクについて,御指摘をいただきました。
 子法人に対するガバナンスの観点においては,子法人がどんなものか,あとは,どういう支配を受けているか,子法人との関係及び子法人との取引の状況を開示することはやはり重要であろうと考えられます。また,現行の学校法人会計基準に求められる「学校法人の出資による会社に係る事項」や「関連当事者との取引」の注記では,注記対象となる法人の概要とか,当該法人との取引の状況について注記が求められる一方で,財務状況の注記までは求められていないということがあります。
 これらについて検討し、対応案としましては,「子法人の概要」,「支配の状況」,「子法人との関係及び子法人との取引の状況」を開示することが重要なので,財務状況の記載まではしなくていいのではないかと,要しないこととするという提案にさせていただきたいと思います。具体的には,資料の17ページの丸4 の部分です。資料の16ページに戻ります。こちらは,「役員の氏名及び兼職等の状況」をどの程度公表するかということで,こちらも第4回で御意見をいただいたものです。
 役員の兼任状況はともかく,「氏名まで公表すると,属人的な議論がされる懸念がある」という御意見。あとは,元教授とか顧問とかまで含めて考えるのかという点を御指摘いただいていました。対応案としては,当該部分で重要なのは,役員の氏名というよりは,役員の兼任状況を示すことで,子法人の支配状況を把握することができれば,必ずしも氏名の記載までは必要なかろうというふうに考えますので,意思決定機関の構成員のうち,私学法施行規則の2号,イ,ロ,ハ,ニに該当する者を兼任する者としてカウントしていただいて,その総数を記載するという形に改めてはどうかというふうに考えております。
 なので,17ページの資料の,子法人係る事項のうち,一番右側,「役員の氏名及び兼職等の状況」となっていたのは「役員の兼任等」という形に変えまして,実際兼任している役員は何人いるのかというところを書くというふうにしていただければと思います。
 現在の子法人の定義の中に,構成員に就任した日より前5年以内にイ,ロ,ハに該当した者というような定義もありますので,ということは,5年間はここにカウントされ続けるということになるかと思います。4つ目の論点の説明は以上です。
 ほかは,皆様に御審議いただくというよりは,事務局としての考え方を説明させいただくものですけれども,「(6)その他第4回における主な意見と考え方及び対応」の部分です。
 主な御意見は2つございました。
 1つ目は,別の公益法人を学校法人が支配しているということはあり得るのかという御意見です。こちら,改めて確認をしました。まず,私学法の規定に関しては,子法人の定義の中で法人形態は限定をしておりません。あとは,公益法人に関しても,例えば,子法人に関係する方たちがつくる公益法人というのも理論上はあり得るということになりますので,公益法人であっても,子法人の定義に該当する法人であれば子法人として整理されるということになります。結論としては,公益法人についても子法人の注記対象となり得るということです。
 2つ目の御意見は,子法人を全部書くのか,重要な子法人というようにするのか,検討の余地があるという御指摘をいただきました。これに関しては,何をもって重要とするのかということについての基準は直ちにつくることは困難で,今回は全ての子法人について記載するという形で進めさせていただければと考えています。事務局からの説明は以上です。御審議をお願いいたします。
【黒川座長】  室長,ありがとうございました。それでは,4つありますけれども,どれでも結構でございます,御意見があれば伺います。
【奥村委員】  「私学法施行規則案における子法人の定義」の文面の質問なんですけれども,教えていただきたい。「学校法人またはその1もしくは2以上の子法人が意思決定機関における議決権の過半数を有する他の法人」ということで,この場合,当該学校法人あるいはその子法人も合わせてという意味で,そういう意味合いのことを指しているということでよろしいでしょうか,その1つもしくは2つ以上の法人がというのは。
【黒川座長】  まずそこから行きましょう。どちら? 今井さん。
【今井専門職】  御理解のとおりです。
【奥村委員】  なるほど。じゃ,いわゆる孫会社的なものというものも意味しているということですね。
【今井専門職】  はい,おっしゃるとおりです。
【黒川座長】  ほかにはいかがでしょうか。徳田委員。
【徳田委員】  これに関連して,2のところです,これが公益法人とか社会福祉法人。上の方は多分,株式会社を想定した規定なのかなというふうに想定しているのですけれども,下の方の2は,そのような法人というふうに定義されているということでよろしいでしょうか。
【黒川座長】  上というのは,2分の1の話ですか。
【徳田委員】  1の,議決権の過半数を有する。これは,会社を想定しているのかということですね。最終決議機関が株主総会ということならばそのように読み取れるし,下の方,2の方は,構成員の総数ということで,最終決議機関が株主じゃなくていろんな法人があって,そこの中の構成員が最終決議機関というふうになれば,想定される。私もよく分かりませんけれども,社会福祉法人とか公益法人,そういう,会社とは違う形態ということで,事務局の説明にも,公益法人等についても説明がありましたけれども,この施行規則の中の定義として我々が理解してよろしいかどうか。
【黒川座長】  意思決定機関ですから,どういうものがあるかですよね。社団もあるかもしれないし,財団もあるかもしれない。そうすると,財団の場合だと理事会とかですね。意思決定機関というだけですよね。
【今井専門職】  具体的な事例等については,確認して,後日御連絡するということでよろしいでしょうか。
【徳田委員】  はい。
【黒川座長】  奥村委員。
【奥村委員】  この,いわゆる従来の,学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社というのは,ここの子法人の定義のうちの1と重なるわけではないということなんでしょうかね。後の選択肢があるんですけれども,それを考える上で,重なって子法人が包含するといいますか,そういうことならば迷うことはないような気もするんですけれども。重ならないという判断ですか。
【黒川座長】  どうぞ,今井さん。
【今井専門職】  今井でございます。出資割合の方については,2分の1以上というところがございます。まずその出資額という金額に着目した記載の判断というところでございます。子法人の定義につきましては,議決権の過半数という書き方をしております。ですので,実際は,出資割合が2分の1以上で,例えばこれが2分の1ちょうどというときについては子法人に当たらないけど,2分の1以上の出資割合の方に当たるというようなケースもあろうかというところがございます。そういった可能性もありますので,併記でどうかというところが案1になっています。
【篠原私学経営支援企画室長】  篠原です。今の今井さんの説明に補足をさせていただきたいと思います。
 出資割合が高ければその法人における議決権の大きい割合を占めるだろうというところは,おおよそ言えると思うんですけれども,ただ,出資額は大きいけれども,持っている株の性質によっては議決権がそれに比例しないというような場合もありますので,議決権の過半数を有するから出資を半分以上入れている者が全部入るというような対応関係に必ずしもあるわけではないというところを,お答えとして補足させていただきます。
【黒川座長】  考え方が違うと。やっぱり,資金をどのぐらい出したのかということと,意思決定機関を支配するというのは,必ずしも一致しない場合があるだろう。でも,両方ともやっぱり重要だろうと。考え方は違うけれども,やはり両方とも,出した方,あるいは人を送っている方の学校法人については,そういう法人を持っているんであれば大事だろうということで,子法人の定義は,支配力基準でこれ言っているわけですけれども,それとは違う基準で今まであったということなので,両方とも,別々のものなんだから別々にちゃんと注記を出してもらいましょう。
 ただし,一致している場合が多いでしょうということなので,ここは丸1 じゃないんですが,一致していたならば子法人の方が,若干,注記の内容自体は包含しているような関係にあるので,両方に該当するんであれば子法人の注記のところでやってくださいと言って問題はないだろうというように整理した。このように黒川は理解しました。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
【黒川座長】  どうぞ,内野委員。
【内野委員】  全日本私立幼稚園連合会,内野でございます。この16ページの「別の公益法人を学校法人が支配しているということはあり得るのか」という御質問は,公益財団を例示されていたかと思うんですが,公益財団がどこかの学校法人の子法人であるということを言ってしまっていいのだろうかという趣旨の御質問をさせていただいたつもりだったんですが。
 ここでは,この考え方及び対応では,向こうの論理じゃなくてこっちの論理になっているような,学校側の論理になっているような感じがして,向こうとしてはいいんだろうかと,内閣府の方としてはいいんでしょうかという質問を,御確認していただいた方がいいんじゃないかという。これは内閣府としても問題ないということなんですかね。注記として私どもの学校法人の子法人に公益財団法人が入っているというような体は国としていいのかなという意味の御質問でございました。学校法人が設置をするかどうか,例えば出資をするかどうかは別として,出来上がったその公益法人が別の法人の,あるいは別の任意団体の支配権が及ぶということは,あってもいいということでございましょうか。
【篠原私学経営支援企画室長】  現時点では排除はされていないというふうに理解をしています。
【内野委員】  それは御確認済みですか。
【篠原私学経営支援企画室長】  すみません,公益財団法人を所掌している担当部署に明示的に確認まではしていないので,こちらは確認をさせていただきます。
【内野委員】  私があのときにお願い申し上げたのは,御確認をいただいた方がいいんじゃないでしょうかという。
【篠原私学経営支援企画室長】  はい。確認をさせていただくと,公益財団の主な設置主体として学校法人から来るというような事例が制度上認められるかどうかということですよね。
【内野委員】  いや,設置したのはどこでもいいんですが,公益法人として税制上の優遇を受けている団体がどこかのほかの団体の支配下にあるような書かれ方を,ほかの団体の決算報告書の中に書かれていいんでしょうかという,具体的な質問でございます。子法人と呼んでしまって,1つの任意の学校法人の子法人として書いてしまっていいんでしょうかという御質問でございます。
【篠原私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。そこは確認をさせていただいて,また報告いたします。
【内野委員】  お願いいたします。
【黒川座長】  前鼻委員。
【前鼻委員】  事例としてよくあるのは,創業家もしくは創業メンバーの者が,遺産を基にしながら財団法人として奨学金等々の子法人というような,学校法人のメンバーが財団法人にそのまま入るというのは,これは子法人に入るという認識でいいんでしょうか。
【内野委員】  多分,公益法人法というんですか,公益法人と一般法人が分かれる前は,その辺はルーズだったんです。
【前鼻委員】  いや,でも,公益法人が制度改革になっても,設立しているところはありますよ。
【内野委員】  いや,いいんですよ。その場合,子法人として入れちゃっていいんですかね。
【前鼻委員】  だから,そういうことなんです。子法人をそこで注記させるということはどういう意味があるのかなというふうにも思うんですけども。
【内野委員】  世間的一般に見たら,子法人というのはそこの法人の下にぶら下がっているというふうに見られてしまう可能性があるので。
【前鼻委員】  いいんだったらいいですし。
【内野委員】  それを確認してください。前鼻先生,それ,いいんだったらいいんですよ。それを確認してくださいという。
【前鼻委員】  だから,それで,こういう場合,ケースはあり得るんですねということですけど。
【黒川座長】  徳田委員。
【徳田委員】  内野委員のおっしゃっていることは分かります。要は,設置は別だけど,そこにおける理事会の構成メンバーが半分以上,学校法人から派遣されているということで,実質的に支配していると。そういうことが公益法人の運営としてよろしいですかということを一回確認してくださいよという,法律的な話です。それが確認されないと。オーケーですよというのであれば載せればいいし,そういうことですね。
【内野委員】  はい,そういうことです。載せると決まっちゃった以上は,載せなきゃならなくなっちゃうわけですよね。そのことによって,先方の公益法人に,公益財団とか公益社団とかに御迷惑をおかけすることがあってはいけないのかなという思いでございます。
【前鼻委員】  別な話をしてもいいですか。
【黒川座長】  前鼻委員,どうぞ。
【前鼻委員】  13ページにあります施行規則案は,まだ案であって,まだ成立はしてないという認識でよろしいんでしょうか。
【黒川座長】  事務局,そうですか。
【畑参事官補佐】  そのとおりです。
【前鼻委員】  15ページの(3)論点の関係法人というのは,関係法人としてもう定義がされているということですよね。
【畑参事官補佐】  関係法人の定義は,そうです。
【前鼻委員】  この関係法人の枠組みを子法人の方に持っていくというようなお話になるんでしょうか。そもそも関係法人というのが,ごめんなさい,ちょっと勉強不足で。
【畑参事官補佐】  関係法人というのは(3)のアからウですね。
【前鼻委員】  これは,計算書類作成の中に関係法人として列記するための関係法人ということなんでしょうか。
【畑参事官補佐】  はい。
【前鼻委員】  それを今回は子法人という形にして転記するということでしょうか。
【畑参事官補佐】  いえ,関係法人の定義のうち,アというのがありますが,意思決定機関の構成員の総数に占める人数の割合について定めているんです。そうしますと,子法人の定義と関連当事者,これ関係法人ですね,関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人の定義というのは,両方に該当するケースがあるということで,この場合どうするかというのが論点として挙げているものです。それぞれ別なので,本来,両方書きますが,重なるところが出てくるじゃないかと。それどうしますかというのが(3)論点2ということです。
【黒川座長】  どうぞ,徳田委員。
【徳田委員】  私が理解をしているのは,1と2というのは,1は多分株式会社が主体だろうなと。仮にですよ。2というのは,例えばさっき言った公益財団法人とか,そういう団体が2に該当するとしたならば,この関連法人の中に例えば役員の構成が2分の1以上でしたら,今までは関連当事者として位置づけされるだろうということで,関連当事者として位置づけされるけれども,今回の新しい施行令によれば,2にも該当すると。そうすると,1と2と2つあるから,関連当事者の関連のところには記載しなくて,子法人のところで記載してはどうかというのが,案だろうと私は理解しているのですけれども。
【前鼻委員】  案の1になるということですか。
【徳田委員】  いや,1は取りあえず,仮に定義として株主会社ということを想定したら分かりやすいと思うのです,議決権ということで。それ以外があるとおっしゃっていましたけれども,また調べていただけるということなので。仮に株式会社が1であるならば,2は例えば公益法人であったり,そういうところが該当する。今までの関連としては,多分,役員の過半数以上が仮に役員として過半数を占めているならば,関連当事者としての定義として多分なるのではないか。ということで,今回は,私学法と重複するから,関係法人としてのところは関連当事者としては記載しなくて,私学法に基づくということで記載してはどうかということの御提案ではないかなと,私はそういうふうに理解したのですけど。
【畑参事官補佐】  単純に,同じような団体について,関連当事者の方でも該当しますし,子法人の方でも該当するというケースのときに,じゃ両方書くのかというと,重複するので,今回は子法人の欄に書きましょうというふうな整理でどうでしょうかと。実際,重複するようなものは注記では外すケースもあると思うんですけど。
【内野委員】  全日本私立幼稚園連合会の内野でございます。先ほど申し上げたのは,公益法人の場合,関連当事者だったら問題ないと思うんですけれども,普通,子法人と見たら,子会社とか従属しているというイメージがありますから,子法人としてしまうと,やっぱり先方としてはまずいんじゃないですか,公益法人側としてはまずいんじゃないですか。関連があるということは当然たくさん,先ほど前鼻委員がおっしゃったようにあると思うんですが,今回,子法人と書いてしまうことに問題があるんじゃないですかということでございますので,そこを御確認いただければと思うんですけど。
【黒川座長】  稲垣委員。
【稲垣委員】  会計士協会の稲垣です。公益については,公益認定制度上の規則の取決めと運用を一応御確認いただければと思います。必ずしも,ここでいう会社以外のやつは,公益法人だけではなく,その他の非営利法人も制度的には考えられるので,そういうものが包含されるだろうと。
 もう一つは,実質支配力基準でいくと,株式会社だと,株式の議決権は過半数を持っていないけれども,例えば役員で過半を占めているというような場合は,実質支配力では子法人に該当しますから,そういうものもここに入ってくるのかなというふうに思います。
 あと,子法人の開示の目的と関連当事者の開示の目的は,若干,かぶる部分もありますけれども,違う部分もありますので,例えば関連当事者では,役員個人との取引,例えば理事長さんとの取引があれば,それは関連当事者取引になってくるんだろうということもありますので,開示の目的が違うから定義も違って,結果的に,重複する場合はなるべく重複開示を避けるという規定の整理を今されているんだというふうに,一応理解しております。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  意見をそれぞれ申し上げてよろしいですか。
 丸1 について,14ページの案1,2,3,ございますが,基本的に1に賛成します。そして,この1の※印のところでは,2分の1以上である会社,出資会社の注記への記載を要しないということに,ちょっと疑問を持っていまして,重複する部分について書かないというのは結構なんですが,やはり,出資会社を2分の1で切って書かせる意義というのは,2分の1以上出資して学校法人の活動に関連する事業を行っていいかどうか,これが2分の1の分かれ目ですね。関係ないのは2分の1未満にしなさいと。ですから,2分の1以上の会社の名前については,私は出資会社のところに載せるべき。そして,内容について重複する部分については,重複を避けるために,例えば子法人の方に書くというような,工夫が必要だと思いますね。
 また,書き方について,羅列するのではなくて,子法人のところに枠を作って,これは出資会社に該当していますとか,そういうふうに書かせる方法もあると思うので,出資会社について書かせるのが,2分の1の出資を書かせることに意義があるんじゃなくて,2分の1以上出資して学校に関連する事業をやっていると,やることが認められているのが2分の1以上ですよということを明示する必要があるので,ここは,ダブる必要はないけれども,表もしくは記載の仕方に工夫が必要だと思いますので,基本的に案1に賛成した上で,多少の工夫をしていただきたいと思います。 
 丸2 についても同様な感じを持っていまして,丸2 の15ページのアについては,子法人のところで書かれますのでこれは問題ないんですが,イとウについては,これは必要な事項になります。そうするとこれも,関係法人のところに社名を記載するのかどうか,何らかの形で,これは関係法人もしくは関連当事者に該当しているんですよということが明記された上での子法人注記の形を工夫すべきだと思うんですね。ですから,子法人だから全く書かないのではなくて,子法人であり,かつ,当時の関連当事者取引に該当しているんですよということが,分かるような工夫をしていただければいいのかなと思いつつ,この対応案におおむね原則として賛成します。
 それから,丸3 について,「子法人の財務状況」の記載については,御説明があったとおり,監査の対象になっておりませんので,これは財務状況について保証を与えるものではないということから,要らないとは思いますが,前提として,関連当事者取引の中の出資による会社に関しては,有価証券であれば有価証券の評価という面で,監査人,会計士が監査の対象になっている。これは,現行の会計基準ではいわゆる強制低価法が採用されていますから,その中で,当然に,学校法人が出資している会社の,有価証券であればですよ,有価証券が出資に対して2分の1を割っていないかとか,回復可能性はどうなのかという,その視点で財務状況は見ているはずと思います。なので,財務状況の注記は要らないけれども,監査で全く無視しているわけじゃないですねということを前提にという意味です。
 それから,丸4 の件につきましては,私は人数記載では不十分だと思います。これ,やっぱり,氏名まで書くかとなると,これは学校法人の事業報告書との関連があるので,この注記の例だけで氏名を書く方がいい悪いは,意見として申し上げられないんですが,少なくとも肩書,例えば代表取締役なのか取締役なのか,また,学校法人側の元職であれば,元理事なのか元監事なのか,そういった,個人名ではなくて役職名は必要。人数があるのは,子法人であるから過半数というのは大前提になるだろうし,議決権という問題もあります。でも,どんな人がその子法人を支配しているかということ,これが重要なので,人数だけの記載では不十分ではないかと思います。以上です。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますか。どうぞ,前鼻委員。
【前鼻委員】  ちょっとこの議論に水を差すようで申し訳ないんですけれども,出資2分の1につきましては,北海道では専門学校等,超えてはならんという指導になっております。ですので,2分の1未満の会社の方が多いのかなと。もちろん,先ほどのあれじゃないですけれども,役員の人数の過半のガバナンスの問題もあるとは思うんですが,それをうまく調整しながら支配を逃れているというケースもあるのかなというふうに思うところでありまして,2分の1云々だけでいいのかという疑問も若干あるということだけお伝えしておきます。以上です。
【黒川座長】  今のはすごく重要なんですけれども,逃れているというところで,子法人の方の話ですか,それとも出資金額の話の方ですか。
【前鼻委員】  子法人としてですね。
【黒川座長】  子法人としてですと,そうすると,先ほどの定義の,これ,支配力基準のときに一般的な定義なんですけれども,議決権でまだ見てねと。それからあと,それだけだとちょっと問題なので,人数で,2の方のイ,ロ,ハ,ニというのは非常にピュアな支配力を,あるいは,こういうことで逃れないように見る1つの手なんですけれども,イ,ロ,ハ,ニでも逃れるようなことをするという場合もあるんですか。
【前鼻委員】  要するに,学校法人に関係ない人であっても,近しい人間を送り込むことは可能なわけですから,学校法人の支配云々,それからガバナンスをどう学校法人で提示させるのかという観点からしたときに,2分の1だけでいいんですよというスタンスでやるのか,やっぱりそれ以外も必要なのかもしれない,出資会社に関しましては全部なのかというふうにするのかという観点も,一応結論づけた方がいいのではないかなと思ったところではあります。別にその議論は必要ないというんであれば,それはいいんですけれども。
【黒川座長】  稲垣先生,企業会計でもそういうことは何かあるかもしれませんけれども,実質,支配力基準を入れた段階で,どこまでそういう,悪意じゃないけれども,考えるかというのは,難しいですよね。
【稲垣委員】  そうですね。
【前鼻委員】  すごく難しいので,先ほど来,公益法人の話もあるんですけれども,そことの兼ね合いというのも出てくると思うので,どこかでライン引きは確実にはしなきゃいけないと思うので。2分の1以上を今回はしますという話の中で進めるなら,それで私はいいと思います。
【黒川座長】  2分の1,どこの。まず,議決権の,定義ですね。
【前鼻委員】  定義です。
【黒川座長】  これは施行規則案で,これからつくろうとしている定義に対して,今の御意見は,これで十分なのかと。悪意があれば大変だということの御意見ですか。
【稲垣委員】  これ,参考までに,この定義の1と2はorですよね。
【黒川座長】  orですよ。
【前鼻委員】  それで今のところは十分であるとは思うんですが,ただ,そういうところもあるというところでの話でいいと思います。すみません,ちょっと余計なことを言ってしまったので。多分,この辺は今後の議論のところで必要になってくるのかなと思っております。以上で,それ以上の深みはありませんので。
【黒川座長】  ほかに何か御意見ございますか。
 佐野先生の建設的な,1から4までの御意見なんですが,1番目について,佐野先生,原則賛成と言っていただいてありがとうございました。ただ,この2つのこれまでの出資金額の2分の1で該当するのか,ちょっと先生のおっしゃった趣旨を確認したいんですけれども,そういう場合は,あえて,それで該当して注記をしているんですよということを書いてほしいというような,そういう限定つきで賛成というふうに考えていいんですか。
【佐野委員】  これまでも,出資会社2分の1以上の法人については趣旨が違うわけですから,そのことが分かるように,例えば子法人の一番右に,出資会社に該当している,該当していないというのが分かればいいなということです。出資会社について,この会社が出資会社に該当するんだということを書かないでしまうと,単なる子法人に終わってしまうので,この会社は子法人でありかつ出資法人ですということも分かるようにしたらどうですかという意味です。
【黒川座長】  今井さん。
【今井専門職】  今井です。確認させていただきたいんですけれども,17ページの資料で記載例イメージを記載しております。「(3)子法人に係る事項」のところの1,「子法人の概要」のところに,今の案ですと,左から4つ目に,「学校法人の出資金額等及び当該会社の総株式等に占める割合並びに当該株式等の入手日」とあって,これ,株式会社の場合ですけれども,総出資金額に占める割合ということで,言うなれば,今の出資会社の注記の丸3 ,この17ページでいうと(4)の丸3 に,相当する部分を入れ込んではいるんですけれども,こういう書き方では少し分かりづらいというような,そういった御指摘でよろしいでしょうか。
【佐野委員】  出資会社として過半行っているんだよということが分かるようなことがあってはいかがかという意味です。「子法人の概要」はこれでいいんですけれども,そこに,この例で言えば,○○株式会社が出資会社に該当しているんですよということが,この計算を見なくてもマル・バツで分かるような形の表があってもいいんじゃないですか。もしくは,「出資会社」という項目を立てたところに,5社なら5社,ばっと並べて,そのうち3社が子法人に該当しているのであれば子法人のところを参照するようなことにすればいいのであって,出資会社の名称だけでも全て網羅できるようにしてほしいという意味です。
【黒川座長】  我々としては,17ページの4の丸3 のところで見れば分かるだろうという,同じものだから,子法人の中でと考えたんですけれども。一番初めに趣旨が違うというのは分かっているんですが,今佐野先生がおっしゃったように趣旨が違うんであれば,どういうふうに取ればいいんでしょうかね。要するに,逆に言うと,出資金額40%ぐらいなんだけれども子会社へ支配権持っているというような会社と,それから,出資金額が50%,50%と40%で支配権を持っている会社で読み手の方は変わるんですか,意思決定する上で。
【佐野委員】  出資会社で注記すべき出資会社が2分の1以上の会社ですから,今おっしゃった20%とか40%というのは,注記すべき出資会社には該当してないんです。ですから,子会社の方に記載されると思います。
【黒川座長】  子会社の方に記載されますよね。そのときに,この(4)は子会社の方に記載された場合で,僕も確認ですけれども,(4)の丸3 は,子会社の方のところで記載されるんですよね。だから,総出資金額に占める割合で,表になって。子会社の概要のところの一覧,子会社の名称があったときに,その会社が,先生のおっしゃるように50%にぴったりなっている会社があったときには,ここの表の中で見られる。それを超えてさらに何か項目を立てろというふうな御提案でよろしいですか。
【佐野委員】  すごくべたに申し上げると,17ページの(4)ですね,「学校法人の出資割合が総出資額の2分の1以上である会社は以下のとおりである。A,B,C」と書けばまずいいと思うんですね。それから,そのうちBについては,子法人に該当するので子法人の方に詳細が書かれる。(4)に書いてある出資の額だとか云々というのは,細かいことは子会社の方に書かれるので,Bについては書かれない。そういうイメージだったんですね。でも,それでは重複感がまだ残るので,子会社にA,B,CのBが該当するのであれば,子法人に書いたBのところに出資会社の欄を設けて丸をつけるのも,簡便的にありますねという意味です。
【黒川座長】  ちょっと僕も理解してないんですけれども,先生はずっとタッチされているので,先生の御意見は尊重したいと思います。子会社というようなことは,これから定義するわけで,始まるわけですけれども,しかし,私の理解するところだと,改正私学法が変わって,それによって,ディスクロージャーという点でやりましょうということになったので,助成法の話ではなくなったというのがメインになった。そうなると,子会社の定義というのをして,そちらの方の一般的なディスクロージャーの方からすると,支配力基準による子会社という方をメインに置きましょうということになったんですけれども,さて,そこで教えていただきたいのは,この50%以上という基準は,子会社の話とは違う,要するに,出資をしてたくさん出しているんだったらそれはやっぱり問題だから,だからそういうところについては取引関係を示してくださいよというのは,今まで決まっていたと思うんですけれども,そちらの方,先生の今の御意見だと,今口頭で伺った感じだと,何か,50%以上の方がまずあって,それから子会社の方の話があるんでしょうか。
 要するに,子会社の方の話がまずもう今回はあって,それから今までのものもありますから,趣旨は違っていたので一本化すべきではないと,そういうふうに黒川は受け取ったんですけれども,その違いがあるんですかね,先生との感覚の違い。
【佐野委員】  順番はあまり気にしていません。
【黒川座長】  そうすると,この表で,子会社の概要で出資比率は出てくるんだけれども,それ以外にもうちょっと何か書けということをおっしゃっているぐらいでよろしいんですか。
【佐野委員】  出資会社に該当する・しないの欄をつくってもいいんじゃないですかという程度にお考えいただければいいと思います。見れば分かるというのは,確かに,出資総額に占める割合のところで見えるんですが,これ以外に子会社に該当しない出資会社が。そうすると,出資会社の固まりで見た方がいいんじゃないですかというのもあって,先ほど,べたで会社名だけでも羅列したらどうですかというのを申し上げたんですが,それも重複感があるから,子会社の中で出資会社に該当しているんですよというのを明示的に,ビジュアルで一目して分かるように,例えばこれ,書き方の工夫ですけれども,子会社の上の方に出資会社をまとめなさいと,そこには,出資会社のandをつければいいんであって,書き方の工夫をしていただければいいと思うんですが。
 学校が2分の1以上出資している会社がどれだけあるかというのを一覧するのも必要じゃありませんかという意味で,出資会社の名前だけも書いたらどうですかと申し上げたんですが,いや,それも,今のこの社会的説明責任を果たす観点から子会社で十分という御意見が多ければ,それはそれで,私は個人的な意見を申し上げたので,全体のこの検討会の結論として,いや,そうじゃなくて,今の事務局案で行きましょうというなら,それはそれで,意見として聞いた上で皆さんがそう思えば,それでよろしいかと思っていますけど。
【黒川座長】  畑さん。
【畑参事官補佐】  今佐野先生がおっしゃっていただいたのは,例えば,資料3-2の(3)の「子法人の概要」のところに,この箱表がございますけれども,その一番右に,どこでもいいんでしょうけれども,「役員の兼任等」という欄がありますが,その横にでも「出資会社」という欄を設けて,仮に子法人が,今,株式会社○○となっておりますが,これが出資されていて,出資額が2分の1以上となるものもあるだろうから,それがあるんだったらそこに丸を入れて,分かるようにしたらどうかというふうな御提案をいただいたというふうに理解します。それでよろしいでしょうか。
【佐野委員】  はい。
【黒川座長】  稲垣さん。
【稲垣委員】  稲垣です。若干の補足なのか確認なんですけれども,出資法人の総出資額の2分の1以上の開示の基準というのは学校法人固有の開示基準で,従前からやっていたからそれはそれで残すべきだというのは,そのとおりだと思います。実際,出資法人だけども子法人にならない法人も,理論的には先ほどの説明であり得ると。例えば具体的には,無議決権株を発行していて,そういうのが実態的にあるのかどうかはともかくとして,議決権の過半は所有してないけれども総出資額の半分以上を出資しているというようなケースもあると思いますので,そうすると,子法人には該当しないから子法人のところには表に出てこないけれども,出資法人のところにはちゃんとそういう会社も従前の思想を受け継いだものをきちんと分かるように開示すべきだというふうに,私は理解しました。
【佐野委員】  そのとおりです。
【稲垣委員】  なので,本当は順番も理念的にはこだわるべきで,注記事項って非常に重要な事項ですから,どういう順番でというのはこだわるべき事項かもしれませんけれども,それをしだすとちょっとなかなか大変ですので,それは置いておいて,私は一応そういうふうに考えました。
【黒川座長】  そうすると,これは私の責任でありまして,事務局の方は,初めに,17ページの(4)「学校法人の出資による会社に係る事項」の方が先にあったんです,事務局案は。それを昨日,私は,さっきの50年前からの経緯を知らない私は,考え方が変わったんだから子会社の方を先にした方がいいということで,3番の方,子会社における報告事項を上に持ってきてもらったわけ。しかし,先生方,特に佐野先生のようにずっと見ていらっしゃる方はやっぱり,(4)の学校法人の出資による方がずっと今まであったんだから,だから先にやっぱりここが重要だというわけですね。これを上に持ってくると。そういうことなんですかね。
 私の責任。これは,順番は私が変えたんですよ。これからは子会社の方の話が先にあるんだということで変えたんですね。
【佐野委員】  子会社だと,変な話,何をつくってもいいわけですよね。でも,学校は,学校の活動に関係するものをつくるんなら2分の1以上でもいいよ,そうでなきゃ2分の1未満にしなさいというスタートがあったから,2分の1以上という出資会社が必要というか,そういう注記を入れたわけですよね。ですから,それはそれとして,やはりどんな会社を学校が出資して2分の1以上の出資会社としてつくっているかというのは重要なので,1つの項を設けた方がいいと思っています。ただ,その順番が下か上かというのはもう,それは実務の中で考えればいいのであまり気にしていませんということを申し上げました。
【黒川座長】  見出しの問題もあるんですよね。さっきの子会社のところの畑さんの意見のところに入れるということになると,稲垣先生がおっしゃったように,子会社に該当しないで出資額50%以上というのもあるので,それでは済まないんですよね。見出しが子会社に関わる事項,子会社の概要という見出しではなくなる。
【佐野委員】  ですから,それは別に,学校法人が2分の1以上出資する会社という一項目に。
【黒川座長】  そうすると順番が問題になってくるんですけれども,私としては,順番はこっちにしたという話なんですよね。で,ダブっているところはなるべくダブらないようにしましょうということにしてしまったわけですけれども。ダブっている情報は,佐野先生は要らないと,それはよろしいんですよね。名前だけ残すということですかね。
【佐野委員】  少なくとも,出資会社の子法人に該当して,子法人の欄に入る2分の1以上の出資会社も,名前ぐらいは,学校法人が2分の1以上出資する会社であるんですから,その項目に入れてはいかがですかということです。
【黒川座長】  それもそうなんだけど,稲垣先生の御意見もごもっともなので,子会社にならない出資50%以上という会社もあるだろうから,別項目にするか。子会社の中に入れるとすると,結局それだけでは済まない。
【佐野委員】  子会社にはなりませんので。
【黒川座長】  ならないものもあるから,見出しが子会社にしてはまずいと言っているんです,私は。子法人では駄目,見出しがね。別項目にしなくちゃ駄目でしょと言ってる。
【佐野委員】  駄目ですか。
【黒川座長】  いや,私は先生の意見を入れたいんですけれども,「子法人の概要」とか「子法人に係る事項」という見出しでは駄目。
【佐野委員】  駄目じゃないですよ。さっきも,15ページのところの(3)のアについては,これは重複しますねというお話が事務局から説明があったとおり,2分の1以上出資している会社のうち2分の1超のところは,子法人でもあるわけですから。
【黒川座長】  だから,重複している会社はいいんですよ。
【佐野委員】  もちろん重複します。
【黒川座長】  稲垣先生のおっしゃっているのは,重複しない会社もあるだろうって。
【佐野委員】  私もそのように言ってます。
【黒川座長】  先生も。だから,それはどうするんですかということをお聞きしているんですよ。
【佐野委員】  学校法人が2分の1以上出資している会社として,1つ項目を設けて,そこに名前だけでも書いてくださいということです。
【黒川座長】  そういうことですよね。私もそう思います。そうならざるを得ないだろうと。
【佐野委員】  かつ,稲垣委員がおっしゃったのは,そういう方法もあるけれども,項目を「学校法人が2分の1以上出資している会社」ではなくて「学校法人が2分の1出資している出資会社」とすれば,子法人とダブらないねという意味合いもあって……。2分の1超のところは,子法人に行っちゃうからいいでしょうと。でも,2分の1ジャストのところは,別の項目がないと入らないんですね。
【稲垣委員】  その問題もありますけど,ただ,議決権で見るのか,総出資額で見るのかというのは,判断基準が違うので,そこをきちっと区別がつくようにしないと。
【佐野委員】  ということは,やっぱり,学校法人が2分の1以上出資する会社の一項目が従前どおりあって,記載の方法については工夫しましょうという。
【稲垣委員】  そうですね,そこは一緒です。
【佐野委員】  同じですよね。
【稲垣委員】  で,順番にこだわると言ったのは,この開示をどういうことを主に置いてという意味では,本来こだわることも必要かなと思いましたけれども,現時点では,そこが充足されれば,私も必ずしも順番にはこだわりません。
【佐野委員】  最小限の,出資会社の会社名と,何の事業をやっているか,これが一番重要だと思うんですよ,出資会社のところは。だから,それが書いてあればいいんだと思いますね。で,詳細,子法人の方に入るのは,さっき畑さんがおっしゃったように,丸をつける欄を設ければいい。
【黒川座長】  座長はあまり議論しちゃいけないんですが,私は原則は同じだったんだろうと思うんですよ。ただ,2分の1以上というところをもうちょっと,記載の仕方だけ工夫しましょうという,これは確かに,委員の御意見としてやっぱり尊重すべきだと思うので,これは事務局としてもう一回,記載の仕方については工夫していただくということで。
 決めるのは,内容として,要するに,論点1の案の1については,結局,今の議論をしていれば,両方違うんだから,やっぱり両方必要でしょうと。これについてはよろしいですよね。ほかの意見,そうではないという意見はないと。
 それで,論点2についてはいかがですか。この事務局案について。どうぞ,前鼻委員。
【前鼻委員】  13ページの,子法人の定義2のイにあります「役員,評議員または職員」,15ページにあるアは「役員もしくは職員等が」となっていますね。これは統一はしないんですね。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  これ,当時の参事官通知になっていて,17年当時の通知のときは,職員等に関連する評議員とか,たしかそのときは顧問とかも考えられるので,「等」にしてはというような意見があったんだと思います。評議員というのを明示しなかったんだったと思います。
【黒川座長】  分かりました。ありがとうございます。どうぞ,内野委員。
【内野委員】  役員が,その子法人の役員の2分の1以上入っているというのは,それ,逆の場合は,学校法人が有限会社等の支配下にあるときは,親会社の重なっている可能性があるんです。
【畑参事官補佐】  有限会社の下に学校法人があるんですか。
【内野委員】  下にといいますか,例えば幼稚園でいえば,有限会社が個人立を,買い取ることは変ですけれども,個人立を学校法人化して,その会社の社長が理事長になって,役員が当初の役員として下りてくると。そうすると,当初立ち上げ時の役員が下りてきました,その人たちはまた元の会社の役員に戻る,そうすると前理事とか元理事というふうになりますので。M&Aとか結構今たくさん,幼稚園とか来ていて,売りませんかというような話が大変来ていまして。それで今どうなっているかは別ですが,私が申し上げているようなケースで,ある程度名の通った会社さんが学校法人を持つということは,幼稚園法人は簡単ですから,持つということは割合とレアケースでなくてあって,都道府県レベルでは把握していらっしゃると思います。
 それから,今,社会福祉法人ではもう当たり前のようにあって,例えば株式会社立の保育園を容認していないところは,子社会福祉法人をつくって,そこで,何とか会さんとかというのがたくさん入ってくるわけですね。そうすると,支配下にあるのは公益法人の方で,親会社は株式会社なんですね。
【畑参事官補佐】  すみません。それ,どうやって定義づけするんでしょうか。
【内野委員】  いや,だから,この定義づけだと子法人に入ってしまう。
【畑参事官補佐】  これは,学校法人がその子法人をという話の定義になっていますので。
【今井専門職】  よろしいですか。
【黒川座長】  今井さん。
【今井専門職】  今の御質問は,学校法人が他の法人に支配されているようなケースで,どのような注記のような形があり得るのかということでしょうか。
【内野委員】  そうです。そのときは,とてつもない大きく名前の通ったところがここに入ってくるのかなという。で,一方の有限会社さんと,株式会社はあまりないかもしれません,有限会社等の役員さんが,どれぐらい前までその法人の理事をやっていたかという規定がないので,先ほど,元理事とか元監事とかという,その「元」はどれぐらい前なのかということも定義がないと,永遠とそういうところは書かれ続けなきゃいけないのかなと。
【今井専門職】  そういう意味ですと,施行規則案になっているのは,子法人ということで学校法人が他の法人の議決権の過半数を有するとか,意思決定機関の総数に関するということで,学校法人が上のケースを対象にしています。
【内野委員】  それ,上下はどうやって考えるんですか。
【稲垣委員】  今の制度では,上は想定されてない。支配しているか,されているか。
【内野委員】  だって,それ,実質分からないじゃないですか,支配されているか,されているか。だって,同じ理事長なんだから。
【黒川座長】  それ,今聞いていて,普通は上も大事なんですよ。
【志賀委員】  よろしいですか。
【黒川座長】  志賀委員。
【志賀委員】  要は,事実上ホールディング会社のように,会社が,そこの会社の社長じゃなくても理事長として送り込むケースは多数あります。しかしながら,ここで議論しているのはあくまで学校法人会計ですので,そこで,学校法人間の理事の兼任とかいうふうな支配関係ということで関係なければ,あとは会社の方がどう注記するかの問題であって,ここで議論する話ではないのではないかなと思いますけれども。
【内野委員】  いや,志賀先生,書かなきゃいけないということになってしまうと,そういうところは書かれなきゃいけなくなっちゃう。書かなくても,その法人の判断で,ここは支配してないと思えば書かなくていいんですか。
【志賀委員】  いや,ですから,それは会社の方の話であって,学校法人の話ではなくないですか。つまり,たまたまホールディング会社的なところの取締役なり役員なりが,その学校法人の理事長となって送り込まれていたとしても,そこは,学校法人が支配関係なのか被支配関係なのかというのは独立して考えるべきであって。
【内野委員】  それ,どうやって証明とか,線引きをするんですか。同じ向こうのホールディングスの,有限会社の社長,代表取締役と理事長が一緒の場合は,どっちが従属関係にあるかというのはどう証明するんですか。
【志賀委員】  少なくともこちらでは,学校法人が出資しているか否かということを判断基準にしているのであって。
【内野委員】  さっき,orという話を確認していただいたかと思うんですけれども,andだったら,半分出資をしていた上で役員構成がこうであればというんであれば,全くよく分かるんですが,先ほど,orという話だったので,半分以上の出資をしているか,役員構成が2分の1以上重なっているかという,どちらかということだったので。
【志賀委員】  2分の1以上重なっているというケースが相当数あるという理解ですか。
【内野委員】  相当数というか,当初においてはあり得る。
【畑参事官補佐】  すみません,ここで議論しているのは,子法人について,学校法人が子法人を支配しているかどうかというところを議論しているのであって,学校法人が子法人になっているというところを議論しているわけではないんです。
それは注記するということについては,議論しないです。
【内野委員】  そのことはよく分かってますよ。そんなことよく分かっていますけど,この規定でいうと,同じ条件で,でも実は支配されている場合かもしれない,支配されているかどうか分からないですよ。だって,同じ理事長だったら,どっちがどっちか,どっちか上か分からないですから。それをどうやってこの区分けをするのか。
【黒川座長】  すみません。これ,非常に重要な問題で。やっぱり,上にある法人との関係,取引関係というのは企業会計でも非常に重要なんですよ。恐らく,内野委員がおっしゃっているのもそれであって,しかも,どういうようなところに学校自体がもしかして支配されているか,かなり特定のところから出資を受けているというのは,やはり,ディスクロージャーする上で利害関係者は知りたいだろうというのは,当然の議論になる。
 そこで,15ページの(3)の論点,関係法人とはという定義でア,イ,ウがあって,ここのアとかこういうところが,上の方というんですか,学校の上の方と読めるかもしれない。
【稲垣委員】  読めますね。
【黒川座長】  だから,もしそうだとすると,内野委員がおっしゃっているところはすごく重要で,下だけじゃないんです。だから,これはもう一回,重要な問題になっちゃって,今日の話どころの話じゃない,もうちょっと想定を広げなくちゃいけなくなる。だから,これはちょっと結論を出せなくて,もう一回議論をさせていただきたいところ。確認したいと思います。
 ですから,どうしましょうか。今日のところの,子法人と出資額2分の1というところも,先ほど,ここは,単なる記載上の問題かもしれないと言ったんですけれども,そうではない可能性が出てきたので,申し訳ないですけど,ここはもう一回検討させていただいて,提案をさせていただきたい。よろしいですか,事務局,それで。
【内野委員】  恐らくぴんと来ていらっしゃらないと思うんですが,私が申し上げているのは,13ページの「私学法施行規則案による子法人の定義」の2番で,「子法人役員または子法人に使用される者」というふうに言っているんですが,これ,子法人ということを定義するのに,さっき,子会社ということを前提に言っていて,子法人の定義を子法人でしているという。そうすると,先ほど申し上げたように,逆の場合に,例えば幼稚園なんかよくあるんですけれども,宗教法人さんと構成が重なっているとか,それ,逆の場合は,そうすると,早くに法人格を持った方が親で,後から持った方が子なのかとか,何か別の定義で補強しないと,ちょっとこれだと危なっかしいのかなと。一度つくってしまうと,全部公表しなきゃならなくなるって話になるので。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  事務局に伺います。これ,1項,2項の扱いだと思うんですが,条文本文は,お手元にあればちょっと御披露いただいていいですか。その本文につながって,1項,2項があるはずですよね。多分,条文本文に関係して読まないと,これは誤解するんじゃないかと。
(条文確認)
【黒川座長】  では,重要なことが判明,もう一回もうちょっと議論しなくちゃいけないことが分かったので,議事2と3については取りあえず,ここは審議事項だったんですけれども,了解を得ているというふうにはしません。いいですね,それで。
 ごめんなさい,今議論しているのは議事4ですね,注記事項の。議事の2と3は報告事項だったので,もうこれはそのままと。議事4については,4つぐらい説明を受けましたけれども,これについては,よろしいですねというような承認は今日は受けません。それでよろしいですね。
【畑参事官補佐】  はい。
【黒川座長】  ではそういうことで,では,あと,事務局としては議事5ですか。どこまで説明したいのか。どうぞ,畑さん。
【畑参事官補佐】  次の議事5の,セグメント情報の検討まとめというのは,ちょっと時間がありませんので,次回にさせていただきます。
 資料5についてだけ説明させてください。これは,「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」,本会の報告書として取りまとめようとしているたたき台になっております。事前にお送りしておりまして,この内容について御確認いただければと思っております。ただ,今回まだ残っておる議題もございますので,それについては反映されておりません。本日議題で取り上げて承認いただいた特例の件を反映させたものを後日お送りいたしますが,ひとまず,今お手元にある報告書案で確認いただきまして,今日は本当は御意見をいただこうと思っておりましたが,時間がありませんので,後日御意見を提出いただければというふうに考えております。
 それと,次回8回が30日ということで考えておりましたが,今日まだ議論できていない部分もありますので,今後時間をもう少しいただいて,この報告書案,それから,積み残しになっている議案もありますのでその審議,それから報告書案の作成というところで,先生方に確認いただく時間というのは非常にタイトになっておりますので,次回の日程も含めてどうするかというところがございますけれども,来月12月も含めて,再度改めて日程の調整をかけさせていただければと考えております。その上で,先生方の報告書案の確認ですとか,積み残しになっている議案についての審議の期間を十分確保したいというふうに考えておりますが,この点について御了解いただけるようであれば,この後改めて日程の調整をかけさせていただければというふうに考えておりますが,いかがでございましょうか。
(異議なし)
【畑参事官補佐】  ありがとうございます。それでは,この後,会議が終わりましたら,またメールをお送りしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【黒川座長】  確認ですが,8回目の日程はあるんですか,ないんですか。予備日だったのはもうなくして,12月に一遍にやるのか。
【村上参事官】  本来であれば,畑の方から説明したとおり,前回までの積み残しの部分は少なくとも今回の部分でほぼほぼ固めて,この報告書案の方に着手していたら,ちょっと日程的に8回目までの間がタイトになっているので,この状況で見てくださいと言っても,十分な御意見を反映したものができないので,ちょっと8回目のタイミングを後ろ倒しにせざるを得ないのかなとは思っていたんですが,今回ちょっと,今みたいな話があって。
 日程としてはもう確保されていますので,まとめの部分までは行けない形になるかもしれませんが,今日の積み残しの部分のような形のもので8回目をさせていただきつつ,そうすると9回目まで確実に行くしかないんですけれども,それで委員の先生方の御予定をちょっとまた改めての調整になってしまいますが,それでよろしければ,取りあえず8回目は8回目として,今の残っている部分の議論を少しやっていただきつつ,その後,最終的なまとめの部分を9回目で行うということで。
【黒川座長】  分かりました。ということでございます。では,お疲れさまでした。ではそういうことで,また来週,元気でお会いいたしましょう。どうもお疲れさまです。

―― 了 ――

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