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国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議(第5回) 議事録

1.日時

平成30年12月4日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

TKP新橋カンファレンスセンター3階 ホール3A

3.議題

  1. 国立大学の一法人複数大学制度等の導入にあたっての意見交換
  2. その他

4.出席者

委員

有川座長、奥野委員、黒田委員、酒井委員、永田委員、藤井(輝)委員、藤井(良)委員、古沢委員、村田委員、室伏委員、森迫委員、森田委員

文部科学省

義本高等教育局長、玉上大臣官房審議官(高等教育局担当)、淵上国立大学法人支援課長、北野国立大学戦略室長、佐藤国立大学法人支援課視学官(命)大学改革官、小倉国立大学法人支援課専門官

5.議事録

【有川座長】
それでは、委員の方々皆さんお揃いでございますし、それから傍聴登録いただいた方もお揃いのようでございますので、始めたいと思います。ただいまから「国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議」の第5回目を開催いたします。委員の皆様方に置かれましては、御多忙中にも関わらず本日も会議に御参画いただき、誠にありがとうございます。カメラ撮影を御希望の方がいらっしゃいましたら、この辺までとさせていただきたいと思いますが、よろしいでございますでしょうか。はい、それではカメラ撮影はここまでとさせていただきます。それでは、事務局から配布資料について御説明願います。

(事務局から資料の説明)

【有川座長】
ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。それでは本日の議題は一つでございます。国立大学の一法人複数大学制度等の導入にあたっての意見交換、そういったことになります。それでは本日の議題に入ります。本日は、前回の第4回に続きまして、一法人複数大学制度の具体的な制度設計について御議論いただきたいと思います。御案内のとおり、年内を目途としまして、本会議としての意見等をまとめました「中間まとめ」を作成する予定としております。本日は、前回の第4回までの会議において委員の先生方から頂戴いたしました御意見を踏まえまして、事務局において、資料1として、中間まとめの素案を用意しております。こちらの素案の中においても、まだこの会議において御議論いただいていない論点等もございますが、事務局において簡単に整理してございます。まずは、こちらの資料及び参考資料につきまして事務局から御説明をいただき、それを踏まえまして御議論いただきたいと思います。佐藤視学官。

(事務局より資料1及び参考資料1について説明)

【有川座長】
ありがとうございました。それでは、事務局からのただいまの説明も踏まえまして、資料に掲げられております論点ごとに時間を区切って、皆様から御意見をいただきたいと思います。資料1と参考資料1について説明していただいたわけでございますが、資料1の中に、論点が1、2、3とあったかと思います。そのうちの論点1について御議論いただきたいと思います。これまでのこの会議において、「法人の長と大学の長の役割分担」といった論点について御議論いただきましたが、法人の長と大学の長の役割を分担するにあたって、法人内でどのように意思決定のプロセスがなされるべきかについては、まだ御意見が出ておりませんでした。一法人複数大学制の目的や期待される効果等を踏まえまして、どのようにその導入にあたって法人において意思決定がなされるべきかについて、20分程度時間をとりまして御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。御意見ございませんでしょうか。はい。

【藤井(輝)委員】
論点の意味だけ確認をさせていただきたいのですが、この意思決定というのは法人が行おうとしていることに関する日常的な意思決定の話なのか、そもそも法人の長と大学の長を分担しましょうという決定をするという意味なのか、どちらなのでしょうか。

【有川座長】
その説明、ちょっと分かりにくいかもしれませんので、もう一回お願いします。

【事務局】
はい、まさにここに書かせていただいている通り、法人の長と大学の長を分担するという判断をどこでどう決めるかということをイメージしております。もちろん一法人複数大学の場合であっても、一人の方が大学の長と法人の長を兼ねるということも当然にして選択肢としてございますので、その分けるという判断をどういうプロセスでどこで決めるべきかという論点でございます。

【有川座長】
よろしいでしょうか。御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いします。はい。

【古沢委員】
ありがとうございます。私、前回欠席したので、ちょっと議論が遅れているかもしれませんけれども、最初の1のところの最後の丸のところですね、「安易な法人の統合や単に屋上屋を重ねるような運用とならないよう、大学連携や大学統合との違いに留意しつつ」とありまして、これが一番肝心な点と言いますか、ただ1の今の丸がある説明を拝見してもですね、それがやっぱり分かりにくいかなというふうに思いまして、違いに留意することが大切であればですね、もう少し明確に何が大学の連携統合と違うのかというのを、目的、メリットをもう少し具体的に書く必要が、最終の報告に向けてですね、あるのかなというふうに思いました。

【有川座長】
ここの論点1のところはその辺りも含めまして、どういうふうにやっていったらいいかというところをここで議論していただいて、方法を出していただければいいんだと思います。そういう点で大事な問題がこうして残っていますよということの指摘をしていただいているというふうに御理解いただければと思います。もうちょっと具体的に言いますと、一法人複数大学ということですので、例えば参考資料の右の方にありますようなこんな形、普通に考えて典型的な例というのが左上の図かなと思うんですけども、そこに法人の長それから大学の長というのがありますけども、ここのところで極端なことを言いますと、これどこかに書いてあるかもしれません、一番下ですね、こんな感じで法人の長は一人なんですけども、大学が二つあり、その二つの学長も兼ねるとなりますと、法人の長と学長は同じで、大学が二つになっていて、多少微妙なところはありますけども、これまでの国立大学法人での学長の決め方と整合するようなところがありますよね。そういうこともあるんですけど、そもそも法人の長、大学の長というのを任命のことはありましたけども、どういうふうにして決めていくかというようなことについてまだ議論がされていなかったのではないかと思いますが、その辺りについて議論していただければと思います。はい、どうぞ。

【村田委員】
複数大学が一法人になる際に、協議会のようなものを設けられて、うちはA大学とB大学でA大学の学長が理事長になりましょうとか別に法人の長を設けましょうとかいう話し合いをしていくんだと思うんですね。そういうところで具体的に決まっていくというところが一つだと思うんですが、むしろ一つお聞きしたいのは、決まった後も、一法人複数大学になった後も、当初はA大学の長が法人の長であるんだけども、その後それを変えるような大きな仕組みみたいなものをここで念頭にされているんだろうなと思うんですが、そうであるとすれば参考資料1の二つ目の経営協議会で考えていくしか、それ以外の何か会議体というものを設けることは難しいのではないかというふうには思います。それぐらいしか思いつかないのですが、今のような理解でよいかというところを教えていただければと思います。

【事務局】
まさに今お話しいただいたとおりで、最初のおそらく法人統合の立ち上げのときというのはおっしゃるように議会なり協議体のなかで実態上は色々な御議論がされていくと思うんです。ただ一旦、一法人複数大学という形で設置された後に、例えば数年経って任期が切れるときにこれはやっぱり分けた方がいいんじゃないかとか、やっぱり一緒にした方がいいんじゃないかという議論も、実際水面下では実態上色々出てくると思うんですけども、これを法人の意思としてどこでどうやって決定するべきなのか、その際に、最初の御説明でも少し申し上げましたが、まず大学を設置する法人になりますので、その教学という観点をどのように担保しながらやっていくべきかというところは、一つ論点として出てくるのかなというのは、気になっているところでございます。

【藤井(良)委員】
一点なんですけれど、法人の長と学長とが役割が全く違うということなので、各々別々に選ぶプロセスを持ち、その結果偶然というかある時は三つのポジションが一緒になることもあると。この三つのパターンが人材の適正とか色々なことを考えたときにこうなるというふうに考えていたんですけども、あらかじめある法人ではみんな一緒にするというような決定をするっていうことを想定されているのですか。

【有川座長】
現時点においてそういったことに関して言いますと何も想定していないです。

【藤井(良)委員】
そうすると法人の長と学長は各々違うプロセスで決まるわけだから、そのプロセスを決めればいいということではないのでしょうか。

【事務局】
おっしゃるとおりですね、それぞれで選んで結果一人の人になるということもあるかと思いますけれども、そもそもその学長選考会議で選ぶ際に、理事長としての人を選ぶのか学長を兼ねる人を選ぶかということでおそらく選考の方法等も変わってくるのではないかと思われますので、あらかじめどういった方を選ぶのかということを決めておいた方がいいのではないかというところでございます。結果的に一人になるということもあり得るかと思いますけれども、どういう職務を担う人を選考会議で選ぶのかというのをあらかじめ決めておいた方がいいのではないかということです。

【藤井(良)委員】
学長と法人長を兼ねるようなことを最初から決める、定義として決めておくということも可能ということですか。

【事務局】
まさにそういうことを決めていただくということを想定しております。

【有川座長】
多分ですね、うちの法人は法人の長と大学を二つとしますと、二つの学長をそれぞれ別な人にしましょうというようなことをどこかで決めなければいけません。決めた後、それぞれをどんなふうにして選考していくかということをやる。それで参考になるものとしては、今の国立大学の学長選考会議というものがあるわけですけれども、そこで言う学長というのは実は法人の長とここで今話題にしている学長と両方を指していまして、実は区別することなく両方を選んでいるわけですね。ですからそれが別の人であるならば、分けて選びましょうということになる。その選び方は法人の長を選ぶ場合と学長を選ぶ場合とちょっと違うといってもいいということもあるでしょう、というふうなことを議論しておかなければいけないと思います。はい。

【村田委員】
先ほど経営協議会と申し上げましたのは、今まさにおっしゃったことで、今、現行法では学長選考会議は学長を選ぶんだけれどもその学長は法人の長に自動的になると、おそらく分かれた場合にはB大学の学長が法人の長にならないようなケースが出てきます。その場合は、その学長選考会議で選ばれたB大学の学長は法人の長にはならないということになります。ある一定期間過ぎた後、入れ替わったり色々とその形態が変わってくる可能性も先ほどのお答えでは考慮してはどうかというお話だと思いますから、結局、学長選考会議は法人の長を決めるのかどうかというところだけを判断していく。決め方を決めるのはやっぱり経営協議会で、この6年間の中期の一定の期間の間の法人の長の経営責任が精査された上で、その上でやっぱりこの形態は悪いから戻しましょうとか変えましょうとかいうのをやるのは、やっぱり経営協議会しかないのかなというふうに思います。ただ私は私学の学長ですので、国立大学の先生方にお聞きした方がいいかもしれない。

【黒田委員】
すみません。今の法人の長の形態というのは、参考資料に書いてあるとおり三通りあるわけですね。どういう方法で選んでいくかという、学長選考会議という既存の名称を使っているわけですけども、普通なら法人の長を選ぶわけですから学長選考会議じゃないですよね。ですからこの名称も両方に通用する名称に変更しなきゃならないと。だから法人の長をどういう名称にするか決まった段階でですね、もし理事長なら理事長学長選考会議というふうにするとか両方やれるような体制を取らなきゃならない。初回の選考会議は既存の大学の経営協議会でメンバーを決めていくということをやらないといけないと思うんですね。そこで既存の経営協議会のなかでどういう人を選考会議のメンバーに決めるかというのを決めていただいて、そこで法人の長を選んでいくと。それを大臣に申請して任命してもらうと、そういうスタイルになるんだろうというふうに思うんですね。学長と法人の長、両方選考をやれるわけですから、併せて学長はどんな感じにするかということもこのなかでやっていくことになると思うんですね。法人の長と学長、分ける場合はどなたにするか、同一人物でいいのなら両方を兼ねるとか、そういうことをやっていただければいいと。最初の出発点としてはやっぱり既存の大学のなかの経営協議会、これは複数大学になるわけですからおそらく合同の会議になるんだろうと思うんですね。大学別々にやってもらっても困るわけですから、統合しようとする大学の経営協議会のなかから人選していただいてそういう議論をする会を作ってもらうという、そういうことまでやらないとこれはなかなか最初の出発点はうまくいかないだろうというふうに思いますので、まず選考会議の名称をどうするかということを決めていただくことが大事だろうと思います。

【有川座長】
大事な点を整理していただいたと思いますけれども、学長選考会議というのは国立大学法人法に則ってということですとそういった名前がリザーブされておりますので、それを使いながらやっていかざるを得ない面があるのではないかという気がいたしますが。はい、永田先生。

【永田委員】
色々なリソースを利活用して教育研究の質を上げていく、という制度趣旨を踏まえ、経営協議会の在り方を考えたときに、経営協議会は一つだろうと想定しています。だとすると、法人の長は、黒田委員が言われたとおり学長選考会議というよりは法人長選考会議という名称になるのかもしれませんが、ここで法人長を決めることになります。学長は法人の長が任命するという想定をしているのであれば、法人の長が自ら学長を兼ねるということは、学長が自ら学部長を兼ねることと同じであり考えられません。つまり、絶対的な経営の観点で物事を見ていく人が、理事会において、一人で法人の長と学長としての二票を持っている、といういびつな構造になります。シンプルに考えれば、法人長選考会議はもちろん現在の学長選考会議のように外部の方を入れて選考していただいて、そのあと各大学に学長選考会議がきちんと置かれて、学長を選考するという形になると思います。ただし、法人の長と各学長は別の人というのがまず基本だと思います。しかも、法人の長がいくつかある大学のうちのどこか一つの大学の学長を兼ねる、という原理がなぜ働くのでしょうか。法人の長とすべての学長を全部兼ねてしまうというなら話は別ですが。要するに、先ほどスタンフォード大学の例も御紹介がありましたけども、違う特性を持った教学のグループが二つあるわけですから、そこには利害が必ず生まれます。そのときに、法人の長がどちらか一つの大学長を兼ねているというのは、どのような選択をしてもどちらか一方から批判を受けることになります。そのような状況では、法人としてのガバナンスは全くうまく機能しないのではないかと思います。

【有川座長】
ありがとうございます。かなり明確にまとめていただいたのかなと思いますが、他に。はい、森迫先生。

【森迫委員】
永田先生がおっしゃったことはもっともだと思いますが、基本的に今、学長選考会議というのが、経営協議会と大学内の評議員と両側から半数ずつ出て相当議論していると思いますね。もちろん意向投票だったりそういうものもあるわけですが、それはこっちに置いておいて、学長選考会議で決めるということが基本なので、ここでも法人の、法人長選考会議だと思うのですが、法人長選考会議がしっかりとやる。それは経営協議会側から半数、そこも半数なのか決めなきゃいけないと思うんですが、それから大学の教育側からも出ていかないとちょっとまずいんだろうなと思います。その上でまず法人長が決まるというのは当然だろうなと思います。その先にもちろん二つはできないだろうという判断もできるでしょうし、場合によっては経営上どうしていくべきだという今後の方針というものも考えた場合に、法人長選考会議自身がですね、こういう人を選ぶんだという方を明確に選んだ後に述べるわけですよね、この人を選考したんです、なぜですか、というのは当然述べられているわけで、その結果としてですね、その次の学長をどう選ぶのかという話がつながっていくので、そこは法人長選考会議でしっかりと議論をしてですね、法人長選考会議でどういう人を選ぶのかということも含めて情報を出していただいて、その次の段階の各大学の学長を決める。そういう手続きをとれるようにしておくべきではないかと。もちろん違う人にすべきだという議論があって違う人を選んでくれという必要も法人長会議としては述べるべきだと思うんですね。法人長にどういう役割をしてもらいたいかというのを明確にするということが法人長選考会議の重要な役割だと思うんですね。そこを知ってもらったらいいんじゃないかというふうに思います。

【藤井(輝)委員】
私もほとんど森迫先生と同じ意見なんですけれども、やはり法人の長を選ぶのがファーストステップにあるんだけれども、その段階でどのパターンでいくかという方針が示されているわけです。これを法人長選考会議がきちっと見て、これは例えば複数大学が一法人になるときにそれぞれバックグラウンドがあって、仮に、永田先生はこれはあり得ないとおっしゃいますけれど、兼ねる場合の方がスムーズなことがあるかもしれないとか、おそらく色々な事情があるでしょうから、そこでそういう議論をしていただいて、それも込みでこの型を法人に選ぶという議論になるのではないかと思います。

【奥野委員】
先ほどの佐藤さんの説明では、法人の長を最初からこの人にするということがあるとのことでしたが、その場合は、イメージですが下から決めないといけないですね。でも、原理的に言えば、左一番上の図で、法人の長をまず決めて、その下に学長が二人選ばれるのだと思います。理事長選考会議のようなところできっちり決めればいいと思います。まずそれが決まってから、二つの大学の学長を選ぶことになると思います。そしてたまたま同じ人になってもいい。実は、公立大学で複数大学が一つの法人の理事長というのがすでにありますが、すぐ上に知事(市長)がいます。何度も言いますが。そうすると、その方の意向が強く出ることになります。もちろん理事長選考会議などで選ぶわけですが、場合によっては、知事自身が理事長をすると言われる場合もあります。国立大学の場合はそのようなことは考えられませんが、理事長選考会議をきっちりやって、まず理事長を決め、各大学では学長選考会議で学長を選ぶのだと思います。理事長と学長が同じ人になるのは、結果的にそうなることもあり得るという説明でいいのではないかと思います。

【森田委員】
今までの御議論を伺っておりまして、色々な形態があり得るという話と、それぞれ学長をどういう形で任命するかという話と、学長と理事長の間の役割分担について、それが若干混同しているのかな、関連はしているのですけどそういう気がしております。三形態ある絵につきましては、これまで議論した経過からしまして、永田先生がおっしゃったように一番上が原則であるというのはこれは言うまでもないと思います。ただし、2と3のケースもケースバイケースであり得るわけですから、それを排除するわけではないという趣旨だと思います。その意味で言いますと、3の形態と言うのは、日産とルノーと何とかの会長を全部兼ねるようなケースが望ましいかどうかというのは、これは議論があるところだと思いますが、余人をもって代え難い、そういうような方がいらっしゃるようなケースとか、緊急時で対応せざるを得ないケースとか、そういう時にどうしても不適格な方を選ばなければならないということはないという趣旨かなと思っています。それから役割分担とどの形態にするかということだと思いますけど、ここで議論していますのは基本的な制度ですから、ある意味で言いますとベーシックなことを決めておいて、そこからはそれぞれの大学がまた状況に応じて適宜一番合理的な選択をされればいいのではないかと思いまして、少なくともその時に選択肢として絶対にこれは外しておくべきということだけきちっと書いておくことかなと思っております。その意味で言いますと、法の建て付けといたしましてはやはり法人の長が一番上に立つわけですし、法人の長が学長を任命するとしますと学長の選考過程が理事長が、言うなれば恣意的に選ぶという事態は避けなければなりませんから、それなりの手続きは必要かと思いますけれども、最終的な責任は理事長が負う以上、学長がどういう役割を果たすか、また理事長との責任の関係はどうかということは、それはその時の大学の理事長の判断、制度上は経営協議会の議を経てということになっているかと思いますが、それで判断するということで割と幅がある形で運用するというのが今まで議論された結果出てきたことではないかなと思いますし、この文書でも解釈としてはそういうことかなと理解しています。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。室伏先生。

【室伏委員】
ありがとうございます。これまで議論されてきた結果と今日の皆さんの御意見から考えますと、法人の長を決めることがまず大事なことです。現在国立大学のなかにある学長選考会議をもう少し膨らませた形できちんとしたものを作るべきではないでしょうか。そういった組織を作った上で法人の長を、理事長と呼ぶかもしれませんが、決め、その後に大学の学長を決めていくという手続きに移るのが無理がないのではないでしょうか。本来の形は永田先生がおっしゃったようにA大学B大学の学長が異なるという方が多分やりやすいだろうと思うのですが、各大学で様々な事情があるでしょうし、大学規模や歴史的背景を考えると、この三つの形態どれも選択可能にしておいた方がよろしいのではないかと思っています。その時に法人の長は理事長として大学の経営全体に責任を持つわけで、さらには、大学のそれぞれの教育と研究にも責任を持たなければいけませんから、法人の長を選ぶときはかなり厳密に、また透明性を確保して学問の発展のために資することのできる方を選ぶべきだと思っています。ですからあまりこれまでのことに捕らわれることなく、新しいものを作るという観点から法人の長を選び、そして大学長をその後で選んでいくという手順で、それぞれの大学の状況などにお任せするのがいいのではないかと思っています。

【有川座長】
はい。大体御意見を伺えたと思います。この論点1について議論する時間が大体終わりつつあるんですけど、一番大事なことでございますので。北野室長、どうぞ。

【事務局】
今、室伏先生からの新しい機関を作るということを御提案いただきましたが、現状、例えば学長選考会議につきまして今の先生のお話にありましたとおり、経営協議会から半数、あと教育研究評議会、学部長等から半数という形で、教学と経営それぞれから同数入ることになっておりまして、これ以外の構成にした会議を作った方がよろしいということでしょうか。

【室伏委員】
複数の大学が結局一つの法人を作るわけですので、それぞれの大学で作っている学長選考会議をうまく統合させて、できれば少し新しい観点も入る方がいいかというふうに思うのです。現状のままの会議で進めるのは好ましくないのではないかという気がしています。

【有川座長】
ありがとうございました。はい。

【森田委員】
確認を。現在の学長選考会議もそうだと思いますし、合同にしてもそうだと思いますけども、半分が学内の方で残りの半分が経営協議会ということでして、経営協議会の委員も現時点では学長が委嘱するという形になっていると思いますので、その意味で言うと完全なる学外者が、外から任命された学外者が委員になるという構成ではないということは教学との関係においても頭に置いておくべきことではないかと思います。

【酒井委員】
民間企業、金融機関等であれば、経営協議会は多分株主的なファンクションとして機能すべき存在かと思います。今の話に絡むところでありますと。その株主側からBoard of DirectorsのDirectors、理事あるいは取締役を指名していくわけですよね。その中に法人長や学長の候補がいらっしゃると。At timingのような決め方に思えるんですけれど、だから法人長を決めて法人長が学長を決めていくとか形式的なプロセスとしてはあるかもしれないけれども、ただ経営協議会の場で全体像をとらえながら決めていくというのが多分現実的なリアリティのある話なのではないかなという気がしたものですから一言だけ申し上げたところです。

【森迫委員】
確かに学長が学長選考会議のメンバーを決めます。現在。ただその場合は現在の学長を選考するわけではなくて、その前の学長選考会議のメンバーが学長を選考するのであって学長選考会議のメンバーは選ばれた学長がちゃんと仕事をしているかというチェックをしているということで、これがまずかったらその次の学長の時はこのやり方ではなくてもっとこういう人を選ぶべきだという意見を述べることはできるわけでして、現実に自分が選んだ人が自分を選んでいるという、再任の時はあり得るとは思いますけど、それ以外は新しいときはないというふうに私は認識をしております。

【有川座長】
最初に選ばれる時はそういうことですね。はい。

【藤井(輝)委員】
追加でちょっと気になっていたことなんですけれども、今までは学長、理事長というか、法人の長と学長と同一だったのであまり気にしてなかったんですけれども、それぞれの任期の関係ですね、と言うのは一応きちっと考えておく必要があると思いますので、一言加えさせていただきます。

【有川座長】
ありがとうございました。任期の問題は議論していませんでしたね。これはどうなんでしょう。現行、今6年、大学によって4年とかですね。バラバラですね。再任可とか不可とか。色々ありますが。

【藤井(輝)委員】
法人の長と学長を完全にシンクロさせるのか、そうでないのか。その辺りを含めてですね。

【有川座長】
はい、どうぞ。

【事務局】
参考資料のですね、1の二枚目のところにですね、学長の法人運営への参画というふうに書かせていただいておりますが、今までの御議論にありましたとおり、大学の学長においても役員会に参画すべきということで自動的に法人の理事になると今想定をしておりますので、そうなりますと理事の任期は法人の長の任期の末日までという形になりますので、そういった意味ではリンクする形になります。ただ、一点、大学の学長ということを踏まえまして、理事の任期は下の期限がないわけですので、そこをどうするか。今、法人の長、学長であれば2年以上6年未満となっておりますけれども、その2年以上というのを例えばつけるのか、1年以上にするのか、という議論はちょっと、論点はあるかと思います。

【村田委員】
今のに関連しまして、学長が理事になるのはそうだと思うんですけれども、言ってしまえば一理事であるというよりもむしろ副理事長格と言いましょうか、ちょっとそういう重みを持たせておかなければならないと思います。当然学長ですから経営協議会等での発言は重いわけですけれども、形式的な役割あるいはガバナンスっていう意味でもそういうところは必要かなというふうに思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございます。先に進まなきゃいけないのですが、途中で何回かまとめをしようと思ったんですけれど、なかなかそういうチャンスを与えていただけなかったので、時間が経ってしまったんですけども、大事な議論ができたと思っておりまして、どういうことをしないといけないかなということは見えてきたのかなと思います。これを含めまして、ここでは、議論が紛糾するかもしれませんので事務局にお願いしましてですね、次回までに今日の議論をしっかり踏まえた案を示していただきまして、それをもとにしましてもう一回19日にございますので議論させていただこうというふうに思っております。大事な点が見えてきたかと思うんですけれどもいくつかのことはまだ残っているかなというふうに思います。それではとりあえず最後までいって、時間がありましたらまた返ってきたいと思います。続きまして、これまでの議論としては出てなかったことですが、資料1で言いますと4ページ以降の論点について御議論いただきたいと思います。まず(4)ですけれども中期目標・中期計画、評価についてです。こちらについても前回の会議において少し委員の方から意見があり、それを踏まえて事務局の方から案を用意しております。これにつきまして御議論いただければと思います。そうですね、10分程度で議論していただければと思います。はい、黒田先生。

【黒田委員】
論点2の件ですけれども、指定国立大学法人の場合の予算配分の問題なんですね。これは私学の場合ですといくつ大学を抱えていても大学ごとに査定されて金額がですね、だから運営費交付金も同じだろうと私思うんです、大学ごとに査定すべきだと。そうなってくると指定国立法人は指定国立法人としての予算がつくだろうし、そうでないところは普通の予算がついてくる。それを法人としてどう運用するか、それを運用するときの歯止めをどうかけるかなんですよ。指定国立大学法人に対して来たお金を統合した大学の方へ法人として融通していいのかどうかという、そういう問題が出てくると思うんですね。そのことをしっかりと決めていただくということが大事だろうと。ですからある程度融通が利くようにしたら運用が楽にはなるんですけれども、そうしますと指定国立大学として与えた予算というのが目的外に使われてしまうということになりますのでその辺の歯止めもどうかけていくかということだろうと思います。それが国立大学を統合した後のミッションとの関係になってくるわけですね。それをしっかりと予算を配分する段階で見極める。統合したから一法人として一つの予算で配分するということは、私はあり得ないと思います。それぞれの大学が予算を確立させていく必要がありますし、それぞれが採算が取れてこないとこの統合した法人が成り立たなくなってくる、そういうことだと思います。

【有川座長】
ありがとうございます。ちょっと前後しましたが、4ページの中期目標・中期計画、評価を先にと思っていたのですけど、論点2の話が出ましてかなり具体的なことを言っていただきましたので、こちらを先にやってしまいましょう。はい、北野室長からどうぞ。

【事務局】
参考資料2のですね、指定国立大学法人制度についてという紙を配らせていただいておりますので、ここの論点2の背景について少し簡単に説明をさせていただきます。指定国立大学法人制度につきましては、平成29年4月の国立大学法人法の改正により設けられたものでございますけれども、教育研究水準の著しい向上とイノベーション創出を図るため、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を指定する、という制度でございます。この点先ほど佐藤視学官から説明ありましたとおり、今回、名古屋大学と岐阜大学、統合を検討しているわけでございますけれども、この際に名古屋大学が今この3のところにありますとおり、既に指定国立大学法人として指定されております。これをどのようにしていくかというのが一つの論点かと思っております。現状、指定国立大学法人につきましては、国立大学法人法におきまして当該国立大学法人の教育研究上の実績、管理運営体制、及び財政基盤を総合的に勘案して評価委員会の意見を聞いた上で大臣が指定するというふうになっております。具体の運用でございますけれども、2の指定国立大学法人とはとのところに、波線で囲んでいるところがございますが、申請にあたりましてこれは主に先ほどの勘案するというところの教育研究にかかるかと思いますが、研究力でありますとか、社会との連携、国際協働の数値を確認させていただいて、この条件を満たすところが申請をできるという運用をさせていただいております。その上で指定国立大学法人になった場合の法令上の特例でございますけれども、三つございまして、一つ目がコンサルティング会社等への出資ができるということ。二つ目が職員の報酬・給与等について国際的に卓越した人材確保の必要性に基づきまして決めることができると。また、余裕金の運用、こちら本来であれば大臣認定が必要になりますけれども、大臣認定なしに運用ができるということがございます。現状は右にございますとおり、指定国立大学法人部会、酒井委員に御参画いただいておりますけれども、こちらの方で御審議をいただいて、現状その下にございます六大学、東北、東京、京都、東京工業、名古屋、大阪の六大学法人を指定させていただいているところでございます。このような制度の趣旨でございまして、現状、資料1の論点2のところにはですね、先ほど黒田委員から御発言がありましたとおり、それぞれの大学やはりミッションごとに予算がつくとかそういうことを考えるのであれば、指定国立大学法人として法人全体を指定するのではなくて、一法人複数大学の場合には大学ごとを指定するということも取り得るんではないかという形にさせていただいております。以上です。

【有川座長】
というようなことでございます。藤井(良)先生。

【藤井(良)委員】
前に実際の、今後どうしていくかというような話を大学からお聞きしたときに、共通の分野等はあるけれどもそういうところの統合というよりも、とがったところを出し合って大きなプロジェクトを作っていく、ミッションを作っていくという話があったと思うんですね。そうしますと二つの大学が非常に全般的なところを共同で作るということになりますので、指定国立大学としてのファンクション自体がそういうところでも使われることになるので、やはり完全に大学ことに分けるというのは、それは難しいんじゃないかという気がするんですけども、むしろその中でセグメントみたいにもし分けられるんであればしっかり分けて、この部分はやはり当初の目的の指定国立大学の中のコミットメントとして考えるんだということをはっきりさせれば、使ってもいいようにしないと、今回の場合だと運用が難しくなるんじゃないかと、そういうような気がします。

【有川座長】
統合して最初の段階ではいいけれども、あとで両方の良いところを使いながら新たな組織等を作ったときに、それを指定されていない方に置くんだったら問題はないだろうけど、指定されている方に置くんだったら話は違ってくるだろうと、そういったことも含めた話だったかと思います。大事な視点だと思います。そういったことに対してどうするかということも当然議論していただかないといけないかと思います。そうしないと今御紹介いただきました指定国立大学法人の満たすべき要件が変わってきてしまう可能性があります。はい、ありがとうございました。酒井先生。

【酒井委員】
資金の出所がですね、プロジェクトごとに例えば明確にするのか、分けて管理されているということが基本的なアプローチだと思うものですから、もちろん岐阜大学と名古屋大学それぞれのバジェットの下で共同したプロジェクトをやると思うんですけども、そこのセグメーション、分けた管理をですね、それを透明性を持たせた上で行っていけば特段問題ないのかなと思いますが。直接お話を私聞けなかったのですが、やはり地域連携とかそれに関わる色々なベンチャー業務等々においてですね、色々な関わることはあると思いますし、それは名古屋大学においても指定国立大学として指定されたプロジェクトの一つに入っていらっしゃるんじゃないかなと思います。

【永田委員】
国立大学の予算の仕組みから考えると、岐阜大学の教員が指定国立大学法人としての活動に携わる場合、給料は岐阜大学からもらいながら研究成果は名古屋大学として出すことになります。ですから、なるべく先鋭した良い研究活動を行うためには、相当の融通性を持たせるか、相当のヒト・モノ・カネに対する法人の長の権限を持たせなければなりません。つまり、そういう良い活動を行うとき、あなたはこちらの大学に移りなさい、当然、人件費も一緒に動きますよ、ということができれば何の問題もないわけです。ところが、現状の仕組みでは別々の大学ですから、指定国立大学としての業績は当該大学に雇用されている者のものなので、例え関与していたとしても、成果を出すときには別大学に雇用されている方は入れないということになります。そうすると、指定国立大学の業績については、分母を教員数にするとおかしなことになって、岐阜大学は人件費を負担するだけで、成果は名古屋大学に持っていかれるようになってしまう。ところが、法人の長が強い権限を持っていて、そういう新しい活動の拠点を名古屋に置く場合、人件費もそちらに移管したうえで、全部名古屋でやってください、とできれば良いのです。したがって、法人の長は両方に対しておもねるようなことをやっていたら絶対にできない、相当の権限というのはそういう意味です。ですから、なるべく先鋭化した教育研究を実施できるように、人事まで全部法人の長が動かせるといった権限を与える、これがないと指定国立大学をより指定国立大学らしく強くしていくことはなかなかできないと思います。

【森田委員】
今の永田先生のおっしゃったとおりだと思います。ただし、選択肢として、だから指定国立大学は法人統合を認めないということにはならないというわけでして、認めてあげながらどうするかということだと思います。法人を統合することのメリットは特に財源だと思いますけども、それ以外にも人的な面も含めて様々なリソースの共用と言いましょうか、その流動性を高めることが目的だと思いますし、その高めるためにどういう形でそれを動かすかという時にはおっしゃるように、法人の長、理事長とそれを支える執行部の権限というのが強くなると思います。逆にそれを各大学に対して説得できないようでは統合することの意味がなくなってくるかなと思います。ちょっとそこで気になると言いましょうか、問題は、古沢先生が最初に指摘されたことですけれども、所謂一法人複数大学と法人を統合して一大学になってしまうこととの違いみたいなところがあるかと思います。それでは、それぞれの大学のブランドを維持しながら、リソースを言わば上手にやりくりをして、それぞれのブランドの価値を高めるっていう形での一体化というのは可能かどうかということでして、伊勢丹と三越のような形でブランドを残しながらどうやって上手くやっていくかということだと思います。そうでなくて完全に統合した方がよければ一法人の中に一大学にしてしまった方が合理的ですし、その方が学長、理事長を一体化してなるだろうと。しかし、今みたいに多分岐阜大学の方は名古屋大学と一体化することによって非常に大きなメリットがあるし、名古屋の方も岐阜と一法人になることによって利益があるということでこういうお話が出てきたと思いますので、そこのところは今おっしゃったようにどういう形でその資源の流動化を行うか、それをきちっと担保すると言いましょうか、そこのところは押さえておく必要があるかと思います。

【有川座長】
はい。先ほど永田委員から出ましたのは、実際には二つの大学があるけれども、給与体系が違うことがありますよと、いったようなことを含んでいたと思います。そこで、同じ法人の中で全然給与体系違うんだけど、それでうまくいきますか。うまくいかせるためには、法人の長は相当しっかりしておかなきゃ駄目ですよ、というようなことをおっしゃったのかなと思っています。さっき酒井委員が資金、あるいはセグメンテーションとかおっしゃいましたけれども、そういったことは経営的な面で見えるわけですけども、それからもう一つは指定としての条件というのがありますのでその条件というのは参考資料2の左の真ん中にありますけれども、かなり客観的な指標でありますので、新しいものができたりした、あるいは作ろうとするときに、これを満たしているかどうかというところはちゃんとチェックをして、その上である種の申請、審査を経て、統合するというようなことになるんだろうと思います。はい、どうぞ。

【藤井(輝)委員】
予算は、多分、指定国立大学とそうでないところで予算が配分されたときに同一の法人内なので法人一体で何かを行うということが発生したときに、つまりミシン目がつかないような形でそれぞれの大学から例えば予算を拠出して共通した事業を行えるかというのはかなり大きいポイントになるんじゃないかと思うんですけども、その辺の制度上の担保がないとですね、なかなか一緒にやること、一緒にやりながら常に何かミシン目が入ったような状態でやらなきゃいけないということが発生するんではないかなと思います。この辺り、予算執行上ですが、制度上の担保が必要になるんじゃないかと察しますが。

【有川座長】
一法人複数大学ということでいかれるわけですから、さっきのことに関係あるんですけども、色々な点で複雑になり、A、B大学での扱われ方ですね、違うというのは当然だとも思います。

【森田委員】
ちょっとその点よろしいですか。今の場合、予算はそれぞれの大学と言いますけど、配分の積算根拠はそうなるかと思いますけれども、配分された予算を統合してどう使うかというのは法人の責任の話になるかと思います。運営費交付金とはそうなるかもしれませんけれども、指定国立大学の場合には資金運用がかなりできるわけですし、出資もできるわけですね。それで得られた収益については指定国立大学の方だけで使うのかというと、これは必ずしもそうは言えないと思いますし、裏返して言いますと、損失が仮に出たときに、出ないようになっていると思いますけれど、出たときに反対側の大学もそれは負担しなくていいのかというとそういう話ではないと思います。そこはまさに法人の内部のガバナンスの問題であって、大学間の関係をどう調整するかというところが理事長と学長さんの腕の見せどころではないかと思います。

【有川座長】
そういう意味では法人の長としての新しいリーダーシップが求められることになると思います。はい。

【室伏委員】
手短に申し上げます。これから法人評価がなされる時には、法人全体の評価が当然あるわけですよね。それぞれ個々の大学が個々に評価を受けるというだけでは済まないので、やはり法人としての在り方をしっかり考えないといけないと思います。ですから、例えば指定国立大学とそうでないところに別々に予算を配分して勝手にやりなさいというわけにはいかないと思うので、永田先生がおっしゃるように、二つの大学がどういうふうに協力し合い、予算をどんなふうに使うか、その上でそれぞれの大学で成果を上げて、法人全体としての成果も上げられるような方策を考えないといけませんので、指定大学法人の予算はこちら、別のところには配分しませんよということは、非現実的だと思います。

【永田委員】
プロジェクトの場合は問題が全くなくて、二つの大学でこういうプロジェクトに応募して採択されたので一緒にやります、というのは、おそらく一法人複数大学は非常に有利に働くと思います。ですから、プロジェクトはどんどんどんどん共同で取りにいくことが当たり前だと思いますし、法人としてそれが成果として残るだろうと思います。ところが、一つの法人の下に法律上違う扱いの大学がある場合に、一方の大学に配分された予算を他方の大学が使うことは、制度の趣旨に反しているのではないかと思います。

【有川座長】
どうですか、そこのところ。

【事務局】
指定国立大学に特化した予算というのは、特に今年度はございませんので、そういう意味では指定国立大学法人だからと言ってもらえる予算というのはございません。

【有川座長】
そういう点では、室伏先生から御指摘があったのですけれども、法人の裁量でもって、指定でない大学にもお金を配分するというようなことは法人がやることではないかというような趣旨のことをおっしゃったんじゃないかと思いますが、そういったことは当然あり得ますね。はい。

【古沢委員】
ありがとうございます。今論議されているのはどちらかというとすでに指定された法人を割と念頭に考えているのかなと思うんですけれど、素朴な疑問として今後新たに法人統合後指定された場合というのは一つの大学のみを指定するというのはあり得ないのかなというふうに思うんですけれども、その辺を確認したいのと、やはり今室伏先生もおっしゃったように長期的に見るとやはり法人統合した後に一つの大学をずっと指定するというのはちょっと難しいというか、デメリットも大きいというふうに思います。

【有川座長】
今後のことになりますので、事務局から。

【事務局】
すみません、論点2の書き方がよくなかったのかもしれませんけども、大学を指定することとしてはどうかと書いてありますが、当然法人として、一法人として両大学のミッションが世界に羽ばたく大学になるんだということであれば、法人として申請することもあり得るでしょうし、今回の名古屋・岐阜のようにそれぞれのミッションが違うということを踏まえれば、大学の判断で大学だけを指定するということができるというふうにしてはどうかという表現ぶりだったんですが、大学だけを指定するというふうに書いてしまっておりますが、我々の提案としてはそういうような中身でございます。なので、一法人複数大学になった後もですね、その法人の判断で大学だけを指定してもらう、もしくは法人全体として指定してもらうというような柔軟性があってもいいんではないかという御提案でございます。

【有川座長】
もう一つあります。今後指定される法人というのは。

【事務局】
指定国立大学法人につきましては、少なくとも三期中期目標期間中につきましては、現在、前回の公募で申請をできましたのは残りは一橋大学だけでございますので、三期中期目標期間中は指定される可能性があるのは一橋大学のみでございます。四期につきましては、これからまた指定国立大学法人部会の方で御議論させていただくという形になっております。

【森迫委員】
指定の条件そのものは、大学の活動だと思うんです。指定国立大学法人という法人側のメリットと言った方がいい、特例ができるのは法人側のメリットなんですね。だから、そこがずれているのですごく分かりにくいんです。今回は、仕方がないのかもしれないけれど、ちょっと考えないといけないと思います。国立大学としては本来上の、うちは指定の条件に入りませんけど、指定の条件を目指していくというのは当然頑張れば頑張るべきことであるので、大学としてはこれを頑張りましょうと。だからわざわざ言わなくても国立大学なんだから全体のメリットを享受できるようにみんな頑張りましょうっていうのなら僕は分かるし、当面ね、特例の側はこの中身そのものは法人としてでないとなかなか機能させにくいもののように思うんです。なので、今期の中期目標中はよく考えてこれでもいいけれど、次はちょっと考えた方がいいのではないかとちょっと思います。このままでは将来的にちょっと難しいんじゃないか。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。酒井委員。

【酒井委員】
ちょっと一言申し上げたいのは、やっぱり指定国立大学を導入した経緯はやはり世界との対比において国立大学の競争力をより卓越したものにしていくという考え方のもとにできているわけであって、国立大学法人としてもそういうふうにやってきたわけですけども、名古屋大学におかれてはやはり岐阜大学との連携をこういう格好でやっていってですね、やはり地方の企業さんたちとの色々なプロジェクトを発掘して競争力を高めるもの、価値創造していきたいというそういうビジネスモデルの自然な発展ですよね。そういうのをやっぱり支えてあげないと、もっとフレキシビリティのあるような枠組みとして議論しないと、ちょっとおかしな議論になりませんかというのが、ややあります。

【有川座長】
ありがとうございました。大事な御指摘だと思います。森迫委員のおっしゃったことと関係がございました。

【村田委員】
今、森迫委員からこれは法人の問題だからという話がありましたけれども、法人というよりも大学ごとに出ているわけですから、当然今のまま素直に解釈すれば、名古屋大学に出ている運営費交付金の余裕金の運用は特定してあげると考えればいいわけだと思うんですよね。どう考えるか、大学ごとの運営費交付金じゃなくて一法人になったんだから岐阜大学の方も一緒にやりましょうということを認めるか認めないかということだと思うんですが、逆にそうすると右側に書いている審査等々、かなり厳しい審査を通ってきているわけで、全くそういう厳しい審査を通っていない岐阜大学が今回一法人になることによって入っていくということに対して他の国立大学の方から異論はないのかという、私は私立大学の学長ですから何とも言えませんが、ということがあるのではないかと危惧をいたします。

【有川座長】
そういう点では名古屋大学でスタートしておいて、先ほど森迫委員からもございましたし、酒井委員からもございましたけども、そのプロセスにおいて何らかの注意と言いますか、してもいいのかもしれませんが、おそらく数年、あるいは10年くらい経ちますと、法人統合の効果が相当表れて法人としてもちゃんと指定国立大学法人の基準を満たすようになることも期待されますよね。そういう方向へのスタート、あるいは過渡期として今回はこのような統合を考えておられるのかもしれません。実際にメリットを受けるところというのは御指摘にございましたように、これは法人としてのことが多いわけですね。ですから元々そういう意味では矛盾していますけども、今申し上げましたようなことも含めまして、そういう方向で努力してもらうことを期待してスタート時点においては大学ということでその大学に関しては指定国立大学ということを認めて進めていくと、こんな感じでやっていければいいんではないかと思うんですが。どうでしょうか。はい。

【事務局】
今、先生方から御議論いただきましたとおり、やはり法人となった際、財務基盤、余財の面も含めてそういう問題があるかと思いますので、大学を指定できるとした場合に、財務の観点等どうやって見るかとかですね、そういったところも一度整理をさせていただいてまた次回御提示させていただきたいと思います。

【有川座長】
それでは、ちょっと前後しましたけれども、四番目の中期目標・中期計画、評価について、先ほど室伏委員から、少し話がございましたけれども、そちらについて御意見を承ればと思います。よろしくお願いいたします。この中期目標・中期計画、評価というのは、これは法人になされているわけですけど、一法人複数大学ということになったときにこれをどうするかというのを考えておかなければいけないと思います。法人としての部分ともちろん大学としての部分というのがありますので、ある意味で、評価に関しては結構クリアになってくると思うんですけども、中期目標・中期計画というのは法人としてやっているのだと思いますので、その辺をどうするかということだと思います。御意見いただきたいと思います。

【室伏委員】
先ほど私が申し上げたので責任があるかと思って続けさせていただきますが、中期目標・中期計画は法人が立てたわけですから、法人評価はなされるべきです。ただ心配していますのは、わざわざ一法人複数大学としているわけで、それぞれの大学の特色を大事にするという考えが皆さんおありになるわけですから、その法人評価だけで終わりにするとそれぞれの大学の特色とか強みというものがその中に隠れてしまうということがあるのではないかと思うのです。例えば認証評価の中で特色ある一部のものだけ評価を受けるというようなことができる形になっていますので、面倒だとは思うのですが、法人全体の評価と各大学の評価は半分独立してもいいのではないかという気はしています。一つにまとめようと思うとせっかくそれぞれの強みを生かすとおっしゃっている部分がほとんど強みでなくなる可能性もあるのではないかと心配しています。

【有川座長】
今のは評価の方ですかね。はい。

【藤井(輝)委員】
これもですから先ほどの予算配分と関係してそれぞれ大学で何をするのかという話と法人共通で何をするのかということをある程度明確に目標・計画を立てていただくという話になるのではないかと察しますが。

【有川座長】
そういう意味ではあまり難しく考えずに、法人としてはこういうことをやります、A大学はこうします、B大学はこうします、ということでやっていけば、もうそれで終わりじゃないかとも思いますが。これでは、簡単すぎますか、乱暴すぎますか。はい、どうぞ。

【村田委員】
今座長がおっしゃった形だろうと私も思っていまして、実は法人評価委員をやっていました。おそらくこれ、三つの大学が一遍に並んでやるんだろうなとかね、名古屋大学と岐阜大学が一緒にやるんだろうなということしか頭になかったものですから、一緒にやるんだろうなと。しかも法人評価というのは基本的には、今、一法人一大学の場合は、お金の問題も全部、財務と教育、両方やっていますから、それぞれ別の大学として一緒にやっていくだけの話なんだと思っていました。

【奥野委員】
私も国立大学の法人評価をずっとやってきましたが、現在の規程でいきますと法人評価委員会でやらないといけないのは、業務運営に関しての評価です。教育の状況を踏まえた上で、業務運営を評価することになっていますので、教育そのものに対しては評価しません。委員会としては運営のことを考えることになっています。ですから、法人だけの評価になると、二つの大学に関する問題は、形だけになる可能性が強まるかも知れません。ここはきっちり整理しないとよくないと思います。そうしないと、どのような評価をするか明確になっていないと、評価委員が困ると思います。

【有川座長】
実際にこれがスタートしますとその辺りは。

【奥野委員】
そうですね、それでいいんだと思いますけど。

【藤井(輝)委員】
ですので、おそらく法人として活動する部分を今の予算の枠組みだと大学に配分していますから、それをどういう形で分担して法人としての活動にあてていくか、そこを見るという話になるんじゃないかと思っています。

【有川座長】
法人としてのと言っても、大学の活動というのは法人の活動であるわけですので、当然反映されることだろうと思いますね。よろしいでしょうか。はい、黒田先生。

【黒田委員】
中期目標・中期計画、法人としての計画を立てるということですから、法人の長の最大の責任なんですね。ですからそれだけの責任を持って中期目標・中期計画を立てていくと。それには当然配下にある大学の計画が加わっていないと駄目なんですね。法人の運営だけを書いても意味がない。そういう意味で中期目標・中期計画というのは法人の長に与えられた最大の仕事だと思うんです。そういう意味でこれは非常に重要なことであるということだけ言っておきます。

【有川座長】
そういうことで、一法人としてはこれまでと変わりないかもしれないけども、違いはこれまでは、(自分の)一大学のことだけ意識していれば良かったんだけど、複数大学のことをちゃんと意識した目標であり計画になっているかということが法人の長に求められることであって、評価に関しましては、奥野先生の話ですと、経営関係しかやっていないということでしたけど、それを見るときには当然教育のことをどういうふうに、要するに教育機関ですからね、当然入ってくる。あまり気にしなくていいのかなと思いますが。はい、永田先生。

【永田委員】
やはり予算の取扱いが気になります。大学ごとに積算するのは当然だと思いますが、法人に差し上げて貰ったものは法人のなかできちんと考えて配分することを可能にできれば、法人の長の権限がすごく強くなるわけです。そういう仕組みが必要ではないかと思います。もちろん、積算をするときの基盤は大学それぞれの達成度とか成果に基づけばいいけれど、ある分野を強くしようというような法人内での配分方針は法人の長が考えるべきではないでしょうか。そういうふうにすると色々な問題が解決して、例えば予算はまとめてきたけれどこれは指定国立大学としてやってもらいたいこととして、こちらとこちらに100億円と10億円ずつ配分しますよ、というようにすれば明快です。そうすると大学に予算が直接配分されるということはあり得ないと思います。まず法人に予算が配分され、それを法人の長がよく各学長と話をして、今後の教育研究を考えてうまく配分する。その時に、いずれかが指定国立大学である場合は、指定国立大学として成り立つように配分を決めればいいのです。中期目標・中期計画も同様に、法人として全体像を業務運営や財務といった項目別に作っておいて、こちらの大学でこういうことをやる、あちらの大学でこういう特徴を出すからこうする、というようになるのではないかと思います。

【事務局】
これは指定国立大学法人に限らずですけども、現行の国立大学法人法の制度の中では、国立大学法人がまさに中期計画・中期目標というものを立てて、その計画が認可を受けて、それに対する運営費交付金として法人に対してお渡ししているものになりますので、先ほど森田委員の方からもお話があったように、積算根拠として、当然にして各大学の学生が何名いてとか、教員が何名いてとか、どういう活動をやっていてとかは間違いなくありますし、実態上そういう配分、見えないミシン目のようなものも一定程度あるのかもしれませんけれども、基本的には法人に対して予算が配分されるというふうなことになるかと理解をしております。実際にこれまでの今日の2ページのところにも法人の長の役割で書いておりますけれども、法人の長は法人経営の責任者として法人の人材、資源、予算を掌握し、というふうに明確に書かれておりますので、そのような理解をしております。

【有川座長】
この(4)のところですね。中期目標・中期計画、評価については、議論ができたかなと思っております。まとめみたいなこともできておりますので、あとは事務局の方で整理をしていただければというふうに思います。ありがとうございました。はい。

【黒田委員】
お金の話が出ましたので、是非事務局で検討していただかなきゃならないことは、法人のどなた宛の口座を作るかということなんです。国立は、学長宛の口座になっていると思うんです。それを踏襲したのが私立大学なんですね。私立大学は文部科学省から学長の口座を作れとよく言われます。研究費なんかでも学長の口座に入るんです。ところが学長の口座というのは個人の口座であって、法人としては理事長なんですね。理事長が口座を持って全体を管理しているわけです。だから、今度法人の長ができたときに学長の口座では駄目なんですよ。法人の長の口座で全部を取り仕切らないといけないということなので、この辺のことを十分考えておいていただきたいし、直すべきところは直さなきゃならないと。今は学長と法人の長が同一人物だから何も問題は起きていないんですけども、実際にはあくまでも法人の長として、学長の名義でお金が入っているとは思っていないですね。学長として入っていると思っているんです。法人の長として入っているという意識を持つことが大事なんです。その辺のことをしっかりとルール化していただきたいというふうに思います。

【有川座長】
今の御指摘は、私は今初めて知りました。私の経験では、法人の長として受け取っていたつもりでした。

【事務局】
御指摘を踏まえてですね、会計経理上の規則なり、運用上の必要があればしっかり検討したいと思います。

【有川座長】
はい、今の問題に付随したことも出てきましたけれども、国立で議論しているところでは、黒田委員の御指摘のところはあまり問題にならないのかなという気がいたしますけれども。ちょっと気になりますのは、学校教育法上の学長と、それから法人の長としての学長という問題があって、微妙なところがありますので、その辺りのことが関係しているのかもしれませんね。この辺りは事務局の方で少し整理をしていただいて、次回説明いただければと思います。ありがとうございます。それでは、もう一つ残っていまして5ページ目のところですが論点3でございます。今しています議論を一法人一大学へ応用するということに関しても考えておかなければいけないと思います。例えば、先ほどの資料の図が描いてあるもので左端の一番上にあるようなものの、A大学B大学がですね、しばらくしてやっぱり一緒になろうと一つになっちゃったとしますと、これは一法人一大学になってしまうわけですね。その時に、その前に法人の長と学長が別の人だった時に、これは一緒にしなければならないのかという問題が起こってきますし、せっかくこうして議論をしているんですけど、複数大学ではないけれどうちの大学は法人の長と教学の長を別にして運営したいんだと、そういったようなことを考えられるところもあると思うんですけれども、せっかく一法人複数大学、複数と言ったら二以上のことを言うわけですけども、一も含めて考えていく必要があるんじゃないかという意識で出しております。ここは参考までにというところもあろうかと思いますので、御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【黒田委員】
この問題は別に全然問題がないと思うんですね。複数大学だろうと一大学だろうと、法人の長と学長というものがちゃんとルールに基づいて分けられればいいわけですから、今のこのルールを適用しておかしいことは全くないと思います。

【有川座長】
こういう考え方がまず一つあるかと思います。色々なケースがあろうかと思いますし、それぞれに良い点、悪い点、問題点等があろうかと思いますけれど、いかがでしょうか。

【森迫委員】
私も特段まずいとは思わないですね。それをやるかどうかは、さっきの話各大学が選べばいいと思うので。今は学長選考会議はつまり法人の長を決めているわけで、さっきからあるように法人の長を決める選考会議がしっかりすればいいということ。その人が学長を兼ねるかどうかというのは選考会議を含めてロジックでちゃんと決めていただければできるようになるというのは別に構わないのではないか。そう簡単には多分しないとは思いますけど。

【藤井(良)委員】
今のように「できる規定」にしておくのがいいと思うんですけど、今の一大学一法人で、その兼ねることで問題点というのは顕著にあるんでしょうか。あまりないように思うんですけども、それがもし顕著にあるんであれば、そういうことも考えていいけれども。これ今回作る複数大学というのは、国立大学というのは非常に数が少ないわけですよね。ですからそちらのルールを全部他の方に反映するときには、かなりインパクトが大きくなるので、問題があるんだったらいいと思うんですけど、そうでないのにやるっていうのはあまり賢くないんじゃないかな、そういう気がします。

【永田委員】
「できる規定」がいいのかもしれませんけれど、日本のアカデミアで浸透していない概念の一つがプロボストであり、その概念の議論をしないうちに、一法人で法人長と大学長を別建てにする必要性が明らかになりません。今現在一法人一大学をやっていて問題があまりないのであれば、その前に本当にプロボストは必要か、プロボストとは何かという定義がなされていません。その議論が日本で十分に行われ正確に定義できれば、おそらくスムーズに一法人一大学であっても分ける分けないの議論ができると思います。ですから、制度上の問題以上に、我が国に定着していないプロボストの概念について、フィロソフィーとして大学の執行役の方の本当の役割を議論しておかないといけません。いくつかの大学ではプロボストを置いているけれど、欧米の大学のプロボストと同じ役割を担っているかというとそんなことはありません。プロボストが有する権限はほとんど学長です。教学においては、すべてはプロボストに権限があるので、一法人一大学において法人の長と学長を別建てすることは、そういう議論をしてからの方がいいかもしれません。もちろん「できる規定」としておいて、実質的に移行する際はその議論を経て何らかの手立てを講じる必要があるのかもしれません。

【村田委員】
今の永田先生の意見には賛成で、ただし私学の場合は、いわば理事長と学長が分かれているところと分かれていないところがあります。冒頭、佐藤視学官から、アメリカの大学の説明がありましたが、理事長とそれから学長、教育のトップというのは学長ですから、その時の教学と経営を分けるメリット、デメリットをちゃんと考えた上で議論をしないといけない。特に一大学一法人の場合の時の、今、森迫先生がおっしゃったような形で、いわゆる学長選考会議が選んでいるところ、これもしこういう形に、いわばプレジデントとプロボストに分けた場合、完全にプレジデントがプロボストを今度は指名する形になりますから、それが本当にいいのか、非常に大きな問題を提起するわけですから、慎重にやるべきだと私は思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。他に御意見ございませんか。はい、どうぞ。

【事務局】
参考までに、国立大学協会の、第1回か第2回の時に資料で配布させていただきましたが、まさに組織ガバナンスに関する論点整理という、まさに永田先生の大作ですけれども、そこのなかでガバナンスという項目の中に、教学及び経営力を強化する観点から各法人の判断で必要に応じて法人の長と学長をそれぞれ置くことを可能とするというような法改正をすべきだという御指摘というか、提案をいただいておりまして、先ほど藤井(良)委員の方からの、現行で何か問題があるのかというお話でしたけれども、問題があるという書きぶりというよりは、まさに教学のガバナンスと経営力を強化するという観点でこういうものがあってもいいのではないか、選択肢としてあってもいいのではないかというふうなことが御提案、御提言いただいております。あとプロボストの方に関しては、まさに今回の法改正の中の理事長的なもの、法人の長と要は教学の長に位置付けて考えるのか、それとも今現在の学校教育法上の長である学長の権限の一部を委譲するような形でプロボスト的な形で運用するのかによって、多分おそらく相当議論というのは変わってくると思います。いくつかの大学がすでにプロボストという名前で運用を始められていますけれども、実態上はどこまでそういった権限の委譲があるかというと、かなりそこは異なるかと思いますので、その辺は留意しながら御議論いただければ幸いです。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。プロボストという名前の理事を置いている大学がいくつか出てきていることは確かですね。

【黒田委員】
今、プロボストの話が出たんですけれども、法人の長の英語名をどうするか、それから学長の英語名をどうするか。Presidentが法人の長のPresidentになっていますけれども、日本の場合は、学長がPresidentなんですね。私学の場合は理事長というのがChairpersonなんです。Board of Trusteesがアメリカ式なんですが、日本はDirectorsなんです。Board of Directorsというのが日本の名称なんです。ハワイ大学のことを勉強したことがあるのですが、あそこは学長がPresidentを使っています。理事長というのはChairpersonというのを使っているという、全体の長ではあるけれども、治まっているんだということ。州立ですからそうなんですけどね、そういうことでありました。それから英語名から考えていって今の日本の国立大学の学長、私学の学長も全部Presidentを使っているんですね。それでいいのかどうか、その辺のことも併せて考えていかないと、これは国際的に不都合が出てくるんじゃないかというふうに思います。

【有川座長】
二回目ぐらいのときに、永田先生からその点御指摘がございました。永田先生何かございますか。

【永田委員】
英語名で考えると意外に分かりやすく整理できるかもしれません。国際通用性を考えると、名称の持つ重みがおそらく役職そのものに反映するので、そういう意味で英語名をきちんと考えないといい加減な役職になる可能性もあります。

【有川座長】
ありがとうございました。他に御意見よろしいでしょうか。

【森田委員】
まだ時間があるようでしたらちょっと発言させていただきますけれども、理事長と学長は兼務すると国立大学はそうなっておりますけれども、私も某大学の総長選考会議ですか、学長選考会議も関わっておりますけれども、そこでの意見で言いますと、今の学長に理事長の権限を持たせるというのはあまりにもオーバーワーク、オーバー労働であると。その意味で言いますときちっとした形で分業化を図る方が、研究教育にも良いし経営面にも良いだろうと。特に両方を持ったスーパーマンのような方、ここにはいらっしゃると思いますけど、なかなか人材が十分にいるのかどうかとか、そういう点も含めてそこのところの分離というのは考える必要があるのではないかという意見はあちこちで聞かれるところです。それと、そもそも国立大学の法人化の時、黒田先生の方がよくご存知かもしれませんけれども、かなり議論がありまして、私立の大学と公立大学と国立大学で、大学という研究教育の組織でありながら、そこが違う理由は何かということは随分問われました。私学の場合には経営の舞台が違うというところですけれども、かつての国立大学の時には国がいわばマネジメントをするという形でしたけれども、それをある意味で言いますと国の行政組織の固い仕組みから外して大学の自主性を発揮させるために外に出して法人化をするというときに、確かに設置者が違いますし、そのファンディングのもとは違うかもしれませんけれども、基本的に法人の形態を別にしなければいけないという論理的な根拠はあるのかという議論がかなりあったかと思います。その場合に私もちょっと分からなくて、同じ法人の形態でマネジメントをどうするかという形で制度を作った方がいいのではないかと言ったんですけども、なぜか国立大学だからという理由でこういう今のような形になったかと思います。今の法の作り方としますと、学校教育法上の教育のリーダーとしての学長がいて、その学長の方が経営の責任も兼ねるという立て付けになっているかと思います。これはそもそも今までの議論を含めて違うのかなということを思いますし、一法人複数大学ということを契機にその辺りももう一度きちっと整理をして議論を整理して制度を変えていくということも必要なのではないかと思います。私自身は、「できる規定」でうまくいくところはうまくおやりになればいいし、駄目なところはその代り法人の長を含めとして、法人の長がそれなりの責任と言いましょうか、ペナルティと言いましょうか、それを負うというのはやむを得ない。その代りに自由におやりくださいというのがこれからの在り方だと思いますし、特に日本以外の先進国の大学は、ごく一部しか知りませんけれど、先ほどのスタンフォード大学もそうですし、私自身ちょっと中を見たのはシンガポール国立大学です。やっぱり法人の長とその周辺の人たちは相当強い権限を持っておりまして、プロボストもいますけれど、それぞれのスクールに対して相当厳しい内部での査定評価をしています。そしてきちっとしたそこでの計画目標を達成できない場合には、予算の大幅な削減というようなことも起こりうるわけでして、みなさんそれを前提にして研究も教育も頑張っていらっしゃるというような気がいたします。その点ちょっと日本の現状の哲学というようなものがいまひとつよく分からないような気がいたしまして、国際化を考えるならばそういう層をなるべく取り入れると。しかし急には無理だとしますと少しずつそれが可能なような形で、できるという形で決めていくのがいいのではないかという気がいたします。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。他にございませんか。

【古沢委員】
ありがとうございます。ちょっと関連するかどうかわからないんですけども、ちょっと論点1に戻るかもしれませんが、気になっているところがあって、大学の長の任命のところなんですけども、ヒアリングの時に法人統合を検討している大学の中でかなり多く要望としてあったのは、学長も文部科学大臣に任命してほしいというのが非常にあってですね、それをそうではないということがこちらに書いてあると思うんですけれど、その中で任命にあたっての文部科学大臣の関りの検討が必要ということなんですけれど、どういうことが考えられるのかなということがちょっと疑問に思いまして、おそらく歯止め的なものを想定されているのかなと思うんですけれど、そうであったらいいのですが、やり方によってはやはり制度の根幹に関わるのかなと思います。

【有川座長】
ありがとうございます。論点3については、相当色々な御意見承りました。これはここでいきなりずばっと決めるわけには、つまり一法人二大学だから一法人一大学もあっていいだろうという、そういった単純なわけにはいかないということは議論から分かりました。ただそういったようなこともできるようにしておいたらどうかという意見もございました。大事な問題でございますので、御議論をいただきまして今後色々な形で検討していただければいいのかなと思います。その上で、全般的なことで少し時間がございますので、今古沢委員からございましたような点も含めまして、御議論いただければと思います。とりあえず古沢委員からの御指摘に関して。

【事務局】
先生御指摘のとおりですね、各大学からは学長も文部科学大臣任命でとのお話が多かったわけでございますが、この検討会議で議論いただくなかで、やはりそれでは法人の長が任命権を持たない、解任もできない、何ら経営責任を持たない、負えないということで、法人の長が学長を任命すると案に今なっているところでございますが、その際に各大学旧来国立大学の時代から文部科学大臣が任命をしてきたという経緯もございますので、何らかそこの関与、例えば他の独立行政法人で申しますと、大臣の承認を得るとかですね、何らかの手続きがございますので、ただここ一点議論がございますのは、大臣が関与をすればするほどですね、大学の自治との関係上この問題をどうするかという議論もありますので、どういう関与が考えられるかというのは我々も検討しているところでございます。

【有川座長】
それでは最初の論点1について、少し見切り発車したようなところがあったんですけれども、改めてこれだけはというようなことございましたらお願いします。よろしいでしょうか。それではですね、今日用意したことの議論はいただけたかなと思っております。今後の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

【事務局】
はい、活発な御議論いただき本当にありがとうございました。次回第6回ですけれども、12月19日水曜日午前10時から開催させていただきたいと思います。12月19日水曜日午前10時でございます。年内最後の会議ということになります。場所は文部科学省15階の会議室を抑えておりますので、今度はあちらに戻ってということになります。また引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【有川座長】
はい、それでは本日の会議はこれで終わりたいと思います。長時間ありがとうございました。

(以上)

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-- 登録:平成31年02月 --