国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議(第4回) 議事録

1.日時

平成30年11月14日(水曜日)13時30分~15時30分

2.場所

TKP新橋カンファレンスセンター5階 ホール5B

3.議題

  1. 国立大学の一法人複数大学制度等の導入にあたっての意見交換
  2. その他

4.出席者

委員

有川座長、奥野委員、黒田委員、土井委員、藤井(良)委員、村田委員、室伏委員、森迫委員、森田委員

文部科学省

玉上大臣官房審議官(高等教育局担当)、淵上国立大学法人支援課長、北野国立大学戦略室長、佐藤国立大学法人支援課視学官(命)大学改革官、小倉国立大学法人支援課専門官

5.議事録

【有川座長】
それでは、時間になりましたので、ただいまから「国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議」の第4回目を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいなか、本日も会議に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。まず本日初めて御出席いただいております委員の先生がいらっしゃいますので、御紹介させていただきます。室伏きみ子委員でございます。

【室伏委員】
室伏でございます。大学での仕事が忙しくてなかなか出席できず失礼申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。

【有川座長】
よろしくお願いいたします。カメラ撮影の御希望の方はいらっしゃいますでしょうか。はい。それでは、カメラ撮影はここまでとさせていただきたいのですが、もし、撮影されますならば、はい。それではカメラ撮影はここまでとさせていただきます。まず事務局から配布資料について説明をお願いいたします。

(事務局から資料の説明)

【有川座長】
はい、ありがとうございました。資料は1から4までです。全部揃っていますでしょうか。それでは本日の議題に入ります。本日は第4回目ということで、すでにかなり議論はしてきておりますので、もう少し具体的なところに入っていきたいというふうに思っております。したがいまして本日は主に、一法人複数大学制度の具体的な制度設計について御議論いただきたいと思います。具体的に申しますと、「法人の長と学長の権限と責任」「役割分担」「任命権者」、そして「役員や経営協議会・教育研究評議会の置き方」の論点について御議論いただければと思います。それに先立ちまして、前回第3回の議論の際にですね、委員の先生から、一法人複数大学制度の導入により見込まれる効果、意義・必要性等について、現在御検討されている各協議体、四協議体あるわけですけれども、そこにおけるお考えを、改めてみなさんに公表できる形でお伺いしたらどうかという提案がございました。これを受けまして、事務局より各協議体に質問票のような形でお伺いをいたしまして、それに対して各協議体から御回答を頂いております。それが資料の1ということになりますが、まずは、それらの御回答について事務局から簡単に御紹介いただきたいと思います。

(事務局より資料1について説明)

【有川座長】
はい、ありがとうございました。各協議体としましては、今事務局から説明があったようなお考えのもとに、既存の連携統合という手法ではなくて、現時点において、一法人複数大学制度の導入に向けて検討している。それにあたって、委員の皆様からもし何か御意見がございましたら、本日はこのあと具体的な制度設計についての議論を中心に御議論いただきたいということもございますので、できましたらこれらの議題については、10分程度のお時間で質問などしていただけたらと思います。何かございましたらお願いいたします。先ほど、最初の北海道と最後の奈良のところにも具体的に書いてあったかと思うんですけれども、一法人複数大学ということでもって、これまでほとんど触れられなかったと思いますが、これまでに培われてきた「大学」の伝統とかブランドとか、そういったものを維持しながら統合ができる。このことは、卒業生OBにとっては、自分たちの出身大学名が消滅せず、出身大学への誇りと愛着を持ち続けることができて、大きな意味があるように思います。このことは未来のことを考えるときに往々にして忘れがちだったんですけども、大事な視点を御指摘いただいたと思います。他に、何かございましたらどうぞ。よろしいでしょうか。しっかりお考えを出していただきまして、それで我々もそれを見させていただいて、改めて一法人複数大学ということでないと実現しにくい、そういったメリットがあるんだ、というようなことが実感できたように思います。それでは次に進みたいと思います。具体的に一法人複数大学制度の基本設計について御議論いただきたいと思っております。こちらにつきましては、お手元の資料2及び資料3としまして、特に資料2は、第3回までに委員の先生方から頂戴しました御意見を踏まえまして、一法人複数大学制度の導入にあたって議論しなければならない、「法人の長と学長の権限と責任」、この辺りは資料3の方に図が描いてございますが、「役割分担」あるいは「任命権者」、「役員会や経営協議会・教育研究評議会の置き方」といった論点について、事務局の方でまとめていただいております。これまでの議論では、特にコントロールはしなかったんですけれども、こうしてみますと、三回にわたって、かなり広範囲にわたって、しかも大事な点が議論されているというふうにも思います。それではまずこれらの資料につきまして、事務局から御説明いただきまして、それを踏まえて議論したいと思います。佐藤視学官、どうぞ。

(事務局より資料2及び資料3の説明)

【有川座長】
ありがとうございました。それでは今の説明を踏まえまして、それから資料に掲げられていました論点毎に時間を区切って皆様から御意見をいただきたいと思います。まずは資料3の一枚目の論点1、それから1とも関りますけども、二枚目の論点2の二つについて御議論いただきたいと思います。この論点はつまるところ法人の長を兼ねない大学の学長の任命を誰が行うのか、そしてその学長の任命に至るまでの選考のプロセスについてどう考えるのか、こういったものでございます。例えば任命権者につきましては、前回の会議においては法人の長とすべきとの意見もございました。その際、文部科学大臣が一定の関与をするかといったような点も議論になるかと思います。法人の長でない学長の任命の仕方、選び方につきましては、30分程度で御議論いただきまして、次の30分くらいで論点3、4、5あたりを議論していただければと思います。そういうことで、30分程度を目途に論点1、2について御議論いただければと思います。はい、村田先生。

【村田委員】
誰も発言されないので、資料3の一枚目の論点1、それから二枚目の論点2に関係してくると思うのですが、前にも言ったかと思いますが、ここをどうするかという大きな論点になるのかなと思うのは、法人の長と大学の長と、私立大学で言うと理事長と学長と分離するのか同じ人にするのかというのは極めて重要なところだというふうに思っております。先ほど公立大学の例でも理事長を兼ねる場合と兼ねない場合がありましたが、今、国立大学は私立大学で言う理事長と学長が兼務をしているという形で、ガバナンスが効いている形です。学長裁量経費なんていうのは、その学長がいわゆる理事長を兼ねているわけで、学長裁量経費を生み出すことができるし、あるいは学長がこういうことをするという教学研究上のポリシーを持ってそれに基づいてお金をつけることができるから、その裁量経費がうまくいっていてリーダーシップが発揮できるわけで。分かれた場合には、いくら学長がこれをしたいと言っても、理事長が、いやそこは違うよ、と意見が分かれてしまうとできないわけですから。大学改革を行っていく、ビジョンがあっても、ヒト・モノ・カネというのは必要で、そこをちゃんとグリップできる形におかないと結局意味がなくなってしまう。先ほども、意見のまとめとしてありましたけども、法人の長は経営の専門家である。では、本当に経営の専門家、いわゆる私企業の経営の専門家が大学の経営ができるのでしょうか。私はそうは思わないですね。大学と私企業とは違っていると思っていまして、私企業はトップダウンで社長が命令すればすべてお触れが通ります。大学の長は、個別の学部の教員に指示命令権は全くないわけで、いわゆるガバナンスの在り方としてはトップダウンだけではなくて、ボトムアップと両方が必要になってくるわけです。その点が全く違うと思っておりますので、その意味ではやはり大学の長と法人の長は一致しておかなければならない。そうするともう一つの大学、複数大学ですから、どうなるかといいますと、当然これは論点2と関係があり、あるいは論点4にも関係があるかと思いますが、当然、副理事長として経営に参画をして、経営協議会は一つとしてやっていく。そうしておかないとせっかく国立大学法人として改革が進もうとしているものが、法人の長と大学の長が分かれるということは極めて禍根を残すのではないかというふうには私は思っております。以上です。

【有川座長】
ありがとうございました。そこの1ページ目の図で言いますと、村田委員のお話ですと、1、2、3とありますけど、2の形態にしておいて、その場合にB大学の学長は副理事長という形で経営に入っていくと、こういう形がいいのではないかということでしょうか。大学の経営というのは教学にもちゃんと通じて理解しておいてもらわないといけないから、そのことをちゃんと押さえた上でやることが望ましい。そういった考えに基づいて、それでそうでない学長については、経営に副理事長というような格好で参画すると、そういった意見でございました。他に何かございませんでしょうか。これにつきましては他の御意見もあろうかと思いますが。森迫委員。

【森迫委員】
最初の時とあまり変わらないかなと思うのですが、三番はちょっと完全に統合型だと思うので少し違うかなと思うのですが、やっぱり一番と二番はケースによってこれはあり得ると思います。これはもともと学校法人というものが作られて、学校法人から大学を作るというケースであれば、当然村田先生のおっしゃる通りだと思うんですけど、今複数の大学がすでにあってですね、そのなかで経営統合といいますか、一法人化するというような話なので、私は最初の時に申し上げましたけども、京都府立大学の外部理事という形で参加をしていて、最後で言えば二番の状況だった、それぞれの学長が副理事長となられて、経営に参加されていると。法人の長は京都府が指名するという形をとっている。それはどういう形がいいのかというのはあれですけども、一番と二番の両方が考えられるのではないかと思うので、今の段階でどっちかでなければいけないというふうに決め打ちしなくてもいいのではないかというふうに思うところであります。それぞれの大学長はそれぞれ副理事長として当然参画すべきであって、そこのところはしっかり担保されればいいのではないかと思いますし、また法人の長は法人の長として裁量経費みたいなのを持っておられますので、京都府の場合ですね、そういう格好である施策をやるというようなことについては積極的に発言されていると思います。

【有川座長】
ありがとうございました。この1、2、3で言いますと、1、2というのは、どっちもケースとしてあり得るのではないか、ということでございました。

【藤井(良)委員】
今更この質問をするのはおかしいかもしれませんが、大学の経営というのはどの部分を指すのかということなのですが、先ほどおっしゃったようにヒト・モノ・カネというのをどう所掌するかということになると、経営協議会の権限にもよると思いますが、経営協議会がもし一つだとすると、そこの意見を重視してヒト・モノ・カネの施策が決まると思うのですね。そこまでもし行うとすると、その経営というのは実は教育に非常に大きな影響があり、ほとんどそこで決定することになって、それこそ先ほど言われたみたいに、もし大学が何かを行いたいといってもノーと言えば、または予算の配分を変えれば全部変わってしまうことになると思います。その部分はある程度弱めてあるのであれば、大学の裁量が非常に効く形になると思うのですが、その辺りの作り方によってかなり違うのではないかと思いました。それからもう一つ質問ですが、御説明によりますと、このBのケースの時に、Aの学長先生は法人長になるので国からの御指名とのことでしたが、一人の人が二つの役割を持つことになるので、法人の指名は文部大臣等であったとしても、同じ人に対する、学長に対する任命はご本人の法人の長がされると、そういう形になるのではないかと思うのですが。そうでなければA学長とB学長に差が出ますよね。ですから、先ほどの御説明はAの方は国の指名という話でしたが、おそらく少し変形的な形になりますが、自分が自分の指名をする形になるのではないかと思いました。ということで、最初の方はおそらく経営協議会等その辺りの権限も含めてかなり大学に裁量を持たせるボトムアップが効くような仕組みになっていない限り、おそらく経営協議会、この法人の方でほぼ決まってしまうということになるのではないかと思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。大学の経営というのをどう考えるかということでございました。それから最後のところでおっしゃいましたボトムアップ機能をどう整備しておくかというような、御指摘もございました。一方で、これまでボトムアップ中心にやってきた大学が、府立大学を含めていくつかあったと思うのですが、それではなかなかうまく機能していかないところもある。そういったようなことを考えますと、先ほど村田先生おっしゃいましたけど、トップダウンとボトムアップの両面を持っていないといけないと思いますね。大学にはそうした側面があり、重要だから、このような形態を考え始めたのだというふうに思っております。それから、自分が自分を発令するというようなことは世の中には結構ありますので、そのことはあまり気にしなくていいと思いますが。

【土井委員】
まず、法人の長については、すでに例が出ているわけですけれども、法人の長は必ずしも大学の長でなくなるということですので、狭義の学問、教育研究に従事されるわけではないのですが、しかし、大学の運営に関わられるということから、やはり自主独立性が必要だと思われますので、法人の申出に基づいて文部科学大臣が任命される形にすべきだろうと思います。また、その選考については学長選考会議に匹敵する選考機関が選考するという形式をとるのが適切だと思います。それから、資料3の図の1、2、3のどれかというところで、村田委員がおっしゃられたように、経営力を強化するためにはやはり法人の長と大学の長が同じ方が力が強いんだというのはそのとおりだと思うんです。ただそれはそうなんですけれど、今、法人の長が大学の長を自分自身で任命することが話題にもなりましたけれども、多くの場合、もしこれをやるとするとあて職のようなことになって、A大学の長は法人の長が兼ねるとかそういう話になります。ただこれをやりますと、A大学とB大学の格の問題が出てきて、法人の長が兼ねる学長を持つ大学とそうでない大学をルールとして決めるのはなかなか厳しい場合も出てくることになろうかと思いますので、1をとるという大学があってもそれはそれでいいと思いますが、2の形態をとりたいというところが出てくれば、それは容認する必要があるのかなという気がします。三つ目は学長の責任ですけれども、大学の長はやはり設置者である法人に対して責任を負うという体制を整えるべきだと思います。同時に、現在役員会がありますが、そこが予算の作成や執行あるいは当該国立大学の学部学科、その他自由な組織の設置または廃止について議決権を有している以上は、やはり学長は役員会の構成員たる理事であるべきだと思います。同一法人に属する大学の数によって理事数の問題が出てくると思いますが、しかしこれは大学の長は理事にすることができるという作りではなく、学長たる理事がいるというそういう組織にすべきであろうと思います。そうしますとやはり理事という面もありますし、同時に大学の長という面もあるわけですから、法的に任命権は法人の長が持つという構成にするのが適当だと思いますし、あまりあってはならないことですけれども、解任については法人法17条の適用があるという形で、一定の身分保障も与えるべきだと思います。問題は実質的選考をどうするかで、これは色々な考え方があると思うんです。法人の長の権限を強化するというのであれば、他の理事と同様、法人の長が単独で選考するというシステムにしてしまうのが非常に強い権限になりますが、しかし、やはり大学の長として人格高潔で学識があってということを要求するということになりますと、やはりその選考はある程度透明性がある方がいいだろうということになりますから、何らかの機関に関与させるのが適当だろうと思います。その際の考え方としては二つあって、一つは大学の長になられるわけだから、各大学から意見を徴するというような形で各大学が何らかの推薦等をするという手続きを踏むか、しかし同時に役員として大学の経営にも関わられるということになるわけだから、そこはやはり法人の方できちっとした選考の機関を作ることも十分考えられると思います。この違いは任命に際して法人の長がどの程度の裁量を持たれるかということにも影響すると思います。大学から意見を徴することになれば、やはり意見を徴するという形をとるしかない。その意味では別の人を選ぶ可能性がないわけではないでしょうし、法人の方に、例えば学長選考会議、すなわち法人の長の選考会議と同じようなところでやることになりますと、自分を選んでくれたところと同じところが選んでくるわけですので、それなりにそこからきた推薦に対して重きをおいて任命することになっていくだろうと思います。その辺り法でどちらかにすると決めるのか、それとも各法人の連携の在り方に合わせて裁量を認めるというのかは少し検討がいるかなという気がいたします。

【有川座長】
ありがとうございました。はい、室伏先生。

【室伏委員】
あまり時間がないようですので、簡潔に申し上げます。今、委員の方々のおっしゃったこととあまり変わらないですけども、やはり法人の長を選ぶのは今の学長選考会議のようなものが必要だと思いますし、文部科学大臣の任命になるものであろうと思います。その学長がどういう方がなられるかですが、これは法人の長と同じ場合であってもあるいは全く異なる場合、つまり、1の場合、2の場合どちらでも良いのではないかと思います。各大学の置かれた状況でいずれかの道を選択できるようにしておいた方が良いのではないでしょうか。例えば、法人の長と、二つないしは三つの学長が全く異なる場合にも、先ほど村田先生おっしゃったように、大学の経営というのは必ずしも私企業の経営とは違うもので、教育や研究に理解のない方がもし法人の長になられた時には、せっかく長い歴史のなかで各大学が築いてきたブランド力ですとか、様々な教育研究の資源が損なわれることになりかねません。例えば、違う方が選ばれる場合にも、その法人の長は研究や教育に一定の見識がおありになる、そういう方を選ぶべきであろうというふうに思っています。是非何らかの形で選ばれる時の透明性を担保していただければよいのではないかと思っています。それから、各大学から学長も文部科学大臣任命が良いという御希望があるということ伺っておりますけども、やはり法人の長は法人全体の最終的な責任を持つ立場ですので、学長と法人の長との任命権者が同じというのはおかしいのではないかと思います。学長の場合には法人の長が任命する、その学長の選考についてはそれぞれの大学の方式を重んじて、そこで選ばれてきた方について、その法人全体でこの方が適当であるかどうかということを検討した上で、法人の長が任命するという形にされるのが一番自然なのではないかと思いました。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。意見をまとめていただいたかと思います。では、黒田先生、森田先生の順でお願いします。

【黒田委員】
今、法人の長と学長の関係が話に出ているのですが、まず一番重要なのは法人の長の任務、これをどうするかということが詰まらないと法人の長の在り方が決まってこないわけですね。どういう選び方をするかということもそこからくるわけですね。学長の任務についても同じことですが。この資料3に書いているような内容だとすると、これは法人の長というのは法人全体のヒト・モノ・カネをひとえに調整していくという責任があるわけですから、最大の権限を持つということになる。そうなりますと法人の長というのがその下の学長というのを選んでいくということになると思うんです。その辺りでいくと、1、2、3と三つのパターンがありますけども、これは三つとも成り立つことなので、ここはあまりぎちぎちに決める必要はないんだろう。法人の長と一大学の学長を兼ねるとか、法人の長は全然別にするとか、それから複数大学の学長を兼ねるというこういうことがあってもおかしくはないわけで、この三つのパターンはどれも成り立つ内容だと思います。そういう意味で、学長を文部科学大臣が任命するというやり方、これは法人の長が完全に浮いてしまうわけですね。同格になるわけです。同じ大臣から任命をもらうと、法人の長がいなくてもいいということになるので、各大学が独断で動くということになります。そういう意味でその法人の長の元に経営協議会をおいて、経営協議会が全大学のことをやっていく。そこには各大学の責任者が入ってくるという調整をとるという。それからボトムアップというのは非常に大学の場合重要ですね。そのことをしっかりやれるような組織体を作っておくことが必要だと思います。それから公立でありますように、法人の長でない学長が法人長になる、こういうこともあっていいと思うんですね。経営の責任の一端を担うというのはあり得ることだと思いますので、そういうことをしっかり詰めていただければいいんではないかと。ただ法人の任務というのを限定的にするのか、大きく全体をしっかりと統率してもらう責任者とするのか、それによってシステムが変わってくると思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。

【森田委員】
ありがとうございます。時間が押しているかと思いますので、早めに話したいと思いますけども。私自身、前の前に出席させていただいたときにお話したかと思いますけども、そもそも法人というのはどういうものかということで、これは財産の帰属主体であると同時に、当然対外的な意思の主体です。社会的に言いますと、例えば不法行為を行った場合には、その責任を負うということになりますし、よくありますのは国立大学の学長は法人の長も兼ねておりますけども、大学のなかで労働基準関係の法律に違反した場合には、法人の長が場合によっては両罰規定、刑事罰を受ける可能性がある。したがいまして、そういう意味で言いますと法人の長といいますのは、法人全体について監督責任を負うということになると思います。その意味で言いますと、法人の形態をとる以上その法人の長の責任とその権限というのは相当重いものでなければならないですし、大臣の任命によって一番法人のトップに立つと。これは法人という形態をとる以上動かないのではないかと思います。そのなかでそれぞれの大学ないし研究所といいますか、部門に対してどの程度の権限を有するかというのは、これは内部の統治の話になるかと思います。内部に権限を下した方が法人としてのパフォーマンスが良くなれば、それはそれとして望ましいのではないかと思いますけども、そこが何か問題を起こした場合、責任というのも最終的には法人に帰属するということです。その意味で言いますと、内部の機関のトップの任命と監督というのも、これは法人の長に結びつかなければならないと思います。先ほどから誰が任命するかということで議論に出ていますけども、私も組織管理を研究しておりますけども、任命権は割と話はスムーズにいくんですけど、任命権の裏側で解任権も伴うんですね。何かあった場合に解任を誰がするのか、どういう手続きでするのか。もちろん恣意的にできるというわけではありませんけども、任命権者が解任できないようなポジションになりますと、ある意味で法人全体のガバナンスのなかでかなり異質な性質になってしまう。そうした法人の基本的な原理を考えたときに、私の結論としては色々な形態があり得ると思いますので、先ほどの話ではありませんけど、すべてできる規定でもいいのではないかと思います。それぞれの法人ないし大学が工夫をされて自分たちの仕組みを考えられるのは望ましいと思いますけども。最終的に今申し上げましたような、法人の責任と法人の長が最終的な形での対外的な責任を負う。経営に失敗した場合にはそれ相当の責任を負うと。従って内部で対立が起こる場合に、対立が起こること自体が組織の活動のパフォーマンスを下げるならば、それも法人の責任になるわけです。その意味で言いますと、ボトムアップの意をどういうふうに組み上げてうまく経営していくかと、そういう人物、そういう人をどのようにして配置していくかというのが、これが法人といいましょうか、この大学の形態になり得るのではないかと思います。従いまして、一番厳しい状況は、公立大学の理事長が県とか市に要求すると運営費交付金が増えるかどうか知りませんけども、当然減る場合もあり得るはずでございます。国立も同じだと思います。減ったときに、法人全体のどの部分を言うなればスクラップしていくのか。これがある意味で経営上一番厳しい決断になろうかと思いますけども、それをどういうルートで誰が行うか、それについて拒否権を認めるっていう組織になりますと、これはとんでもない経営上の問題を引き起こすのではないか。そうした経営の基本的な原理ということを踏まえた上で、私自身は色々な形態があってもいいのではないかと、もうちょっとそれがどこまでミニマムとして守らなければいけないかということはチェックする必要があるかと思いますが、基本的にそれでいいのではないかと思います。それと今回は次期国会に、三つ出ているケースについてですね、法律の改正が必要であるということなんですけども、今されている議論というのは、一法人一大学の場合でも当てはまる場合ですね、今の国立大学法人法ですと、学長と理事長はほぼ同じ条件で、しかも学長が先に書かれているということだと思います。今されている御議論を延長していきますと、理事長を先に書くという話にもなりかねないわけです。ただこれは多分今の既存の一法人一大学の大学の在り方にも関わることですので、すごく重要な議論ですので、これはここできちっと意見はまとめておく必要はあろうかと思います。今回の改正でどこまで議論するかというのは、少し別な制限と言いましょうか、それを考えなければいけないのではないかと思います。ちょっと長くなりました。

【有川座長】
ありがとうございました。非常に大事なご指摘をいただきました。

【村田委員】
あえて先ほど言わなかったんですが、今、森田委員が少し触れられたので。実は法人の長と学長を分離した場合、この場合先ほどから議論がありましたように、いわゆる文部科学大臣が法人の長を選び、法人の長と、学長を文部科学大臣が選ぶと同格になるのでおかしいという議論に当然なるわけで、そうすると法人の長が学長を任命する形になる。そのことは今の大学の一法人一大学の在り方にも大きな影響を及ぼすわけで、もっと言えばガバナンス全体を考えた場合、そこが一番大きな問題なのであえて言わなかったのですが、法人の長が文部科学大臣の任命になり、法人の長が大学の学長を選ぶということは、学長選考会議等、色々な形態があろうかと思いますが、最終的な一つの形態としては、理事長が学長を指名し任命するというようなこともあり得るわけなんですね。実は、学長と法人の長を分離するか一致するかということは大きな変更を孕んでいると、あえて黙っていたんですけど、あえてそこまで議論をしないといけないと。私はこの問題は非常に大きな問題だと思っています。本当に大学のガバナンスをどうするのか、むしろ法人の長をちゃんと決めて学長を任命していくんだ、そういうガバナンスでもいいんだ、というふうにするのかどうするかと非常に大きな問題を孕んでいるというふうにだけ御指摘させていただきます。

【有川座長】
今、最後のところは今日の議論のなかでも出ていたのではないかと思いますが。室伏先生。

【室伏委員】
現状を申し上げますと、今の国立大学の学長は理事長と学長を兼ねておりますので、理事長としての役割を期待されて選ばれている立場です。ですから、いわゆる研究、教育の代表者としてということよりも、大学を経営するという立場が重視されて選ばれてきています。当然のことながら学外からお呼びしている大学もあるわけですね。ですから、名前は学長ですが、理事長としての役割を任されているわけで、今、八十六の国立大学の学長も経営責任を持って非常に苦労をしているわけです。先ほどから1、2どちらでもよろしいのではないか、どちらでも大学の状況によって選んでいただいたらよろしいのではないかと申し上げていますのは、経営能力を持つ方でしたらもちろん学者、研究者でも十分だと思いますし、もしそれができないのでしたら、研究者や学者でなくても教育研究に深い理解のある方を選べばよいわけです。決して今の学長が経営力がない方ばかりではなく、責任をもってご自分たちの責任を果たす方々が選ばれていると思っています。

【村田委員】
ちょっと私が言っていることと違う。論点が違います。

【室伏委員】
先生の御意見に対する意見ということではなく、国立大学の経営と研究教育について、現状を申し上げたかったということです。

【有川座長】
ありがとうございました。そろそろ時間の問題がありますので、では最後に。

【森迫委員】
選び方のところに関係するんですけど、今、国立大学の学長は経営協議会と教育研究評議会から半数半数を選んで、学長選考会議を行っている。だからそれ自体が今度の法制度の時に結構問題になるかなと思うんですね。法人の長を選ぶときに、法人の側に経営協議会をおきましょうというのは、皆さんそうなんですけど、経営協議会の側だけでやっていいのか、さっき大学の教育研究はどういうふうに担保するかという問題があって、そこに教育研究評議会を入れるのかという問題があるのですが、それぞれの大学はそれぞれのミッションを持っていて、それぞれの大学の教育研究評議会というのは教員グループで構成されています。その大学がちゃんと機能するように教育研究評議会があるわけですが、そこのところで、例えば理事長の側は経営協議会から入れるんですけど、その時どうするのかという問題が一つあるでしょうと。それから大学側に経営協議会をおかないとすれば、どうやって外部の意見を聞くのかといった時に、法人側の経営協議会から参加してもらうというやり方が一つあるだろうなとは思うんですね。そういうことも一応考えておかないといけないということですね。それからもう一つ、一つの大学になってしまうんだったら、その一つの大学の理事長が全部教育の関係も統括できるでしょうし、スピード感もあってできるでしょう。文部科学省の関りもそれで済むんだと思うんですが、何らかの形でミッションの違う大学が連携するという話になったときに、どうやって文部科学省が関与できるのかなっていうところも若干なんか踏み込むというか、なんか考えとかないといけないのかなということだけお伝えしたいなと、気が付きました。

【有川座長】
ありがとうございました。論点の1と2と、それから3、4、5と分けてそれぞれ30分経ってしまいましたので、とりあえず今日予定しています議論は済ませてきまして、時間がありましたらまた続きをしていただけたらと思います。何かございますでしょうか。

【事務局】
ちょっと一点、すみません。これまでの議論のなかでの現行の法令の考え方の確認をちょっとさせていただきたいと思うんですけれども。現行の国立大学法人法は第一回でも御説明した通りです。まず基本は学長は学校教育法上に規定されている学長の職務を行うとともに法人を代表してその業務を総理するというふうになっていて、その任命も学長を文部科学大臣が任命するというふうになっています。なので、法人を代表して総理はしているわけですけども、学長というものが法人の長という性格を兼ねるというふうになっています。それで、先ほど森田委員ですとか村田委員からのお話があった根本的なところまで話を踏み込むかどうかということに関しては、今般は先ほど森田委員からも「できる規定」とすべきではないかという御意見をいただいているんですけれど、今回の範疇は、これも確か第一回で議論いただいたと思うんですけれども、基本的にはそういう「できる規定」なり、どこまでできる規定とするかというのはあるのですけれども、基本的には今の法律の考え方を大きく変えるのではなくて、そのなかでその一法人複数大学化を選ぶ大学法人においてどういうふうにすべきか、というところを論点として整理したいというのが基本的な考え方です。ただ村田委員がおっしゃるように、これは第三の大きな論点ですけれども、一法人一大学のメリットとしてどう波及させていくかというプラスの部分をどう波及させるかというのを考えていくときに、おそらく議論としてはおっしゃるようにこの検討会としては是非そういうところまで一定程度御議論はむしろ必要だと思いますし、それは法律に今般反映させる、させないは別にして、この検討会の御意見としてしっかりとまとめのなかには記録させていただくことで、またこの先の議論につなげていくということもあろうかというふうに考えている次第です。

【村田委員】
現行法でね、変えないという話であれば、必ずどの学長かは法人の長であるというふうな形でしかならないと私思っているものですから、ずっとそういうことを申し上げていたわけです。

【事務局】
はい。なので、実はその観点でいくと、すみません、藤井委員の方から先ほどちょっと一点、任命手続きに自分が自分を任命という考え方もあったんですけれども、それもありとは思いつつ、例えば、現行の今般選ばない一法人一大学に関しては基本的に法人の理事長は学長でありますので、その場合は自分が自分を任命ではなくて、法人の長を兼ねるA大学の学長は文部科学大臣の任命により、そうでない法人の長にならないB大学の学長は法人の長が任命するという形態もとり得るのではないかという考え方も一つあってもいいのかなとは、ちょっとこの議論のなかではちょっと参考までにお話させていただきました。

【森田委員】
すみません、一言だけ言っておきます。国立大学法人制度を作る時に、黒田先生はご存知かもしれませんけれど、この議論も一応ありました、分けるという話は。そして結果的には、やはりそれはふさわしくない。一番根拠になりましたのは、学長の選考の話でございまして、当時はいわば形式的には文部科学大臣任命でしたけども、実質的には今でいう意向投票がベースになっていた。それをどういう形で維持できるかということで議論がありました。財界関係の方々から言えば、従業員が社長を選ぶ会社で経営できるかっていうような議論もあったわけです。その結果、こうした形になって、学長の選考はあくまでも選考会議で選ぶと。しかし、意向投票は差し支えないという形で落ち着いたというところ。そういう意味ではこの問題は解決しないまま、法律上に書き込まれた。今それが一法人複数大学になって改めて根本的な問題が露呈したということだと思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。まさにそういうことだろうと思います。それでここでは、今日の議論で、逆行しますよ、というところまでは時間的にも難しいですが、大事なことは、色々な可能性、多様性を排除するようなことにはすべきではないということではないかと思います。それぐらいのことを共通の理解として、今日頂きました議論を、事務局の方で、まとめていただいたこれまでの三回分と合わせて、それを基にして次の議論を進めていこうと思います。それで、よろしいでしょうか。

【事務局】
ありがとうございます。ちょっとその意味ですみません。ちょっと事務局からのお願いで恐縮なんですけども、まさに法人の長とそのガバナンスとその大学の自立性のところが二つ話としてはあって、一つはその属人的なところでどういうふうに担保するのか。これはおそらく論点2の部分で、選考方法なんだと思うんです。もう一つは仕組みとして、どういうふうにまさにその論点に出ていますけど、役員会が教学に理解を示す組織となるような仕組みが必要であろう。ここの仕組みを具体的にどういうふうな形で考えるべきなのか、どこまで法制上位置付けるか独立に位置付けるか位置付けないかは別にして、少なくともそこは今後の検討会議の場で御議論いただけるとありがたいと思っています。まずは論点3、4、5とつながっていますので、論点3、4、5を先に御議論いただければと思います。

【有川座長】
そのあとでやろうと。議論のなかで割と自然に方向が見えてくることも期待したいと思います。それでは、かなり強引なところもございましたけれども、続きまして論点の3、4、5につきまして、新たな複数の大学を置く一つの法人というもとで、今議論いたしました法人の長を兼ねない大学の学長、あるいは既存の組織にあります経営協議会あるいは教育研究評議会といったものがどのように位置付けられるかについて、議論していただければと思います。このあたりの議論は前回までに様々な御意見をいただいたなかで教学と経営が分離をするにしても一定の方向性を共有しなければならないという御意見を頂戴したあたりと関わってくるかと思います。今日もそれは研究に理解があるか教学に理解があるのかみたいな形でお話があったかと思います。それにつきまして30分程度議論していただければと思います。もちろんそのなかで論点1、2に関わることがあったら、それももちろん触れていただいて構いません。土井先生。

【土井委員】
私の方からは、教育研究評議会の位置付けについて、意見を述べさせていただきます。教育研究評議会は教育研究に関する重要事項を審議する機関ですし、実際には教育研究を実施するのは大学ですので、各大学に置いて大学の長が主催するのが自然な制度なんだろうと思います。ただ、何のために一法人複数大学制度を活用するかという点について、単なる経費削減なのか、いや、やはり教育研究について所属する大学全体についてグランドデザインを描きながら連携を強めていくということを考えるのか、両者があり得ると思うんです。特に後者を考えるということになりますと、教育研究の在り方についても、所属大学間での意思疎通を十分に図って、そこで一つの仕組みを考えていくことがかなりでてくることになろうかと思います。その際に、教育研究について議論する機関が各大学にしかないということが適当かということが問題になってこようかと思います。また、教育研究に携わる側からしますと、各大学にしか教育研究評議会を置かないということになりますと、直接、教育研究評議会から法人の長や役員会に意見を具申するという道がないということになって、大学の長に言って、大学の長からお伝えいただくことになりますし、逆に先ほど来から出ています、教育研究に理解のある役員会をどう築くかということが問題になるわけです。この点、大学の方にしか教育研究評議会を置かないということになりますと、これに対して法人の長も役員会も何ら説明責任を直接負わないというシステムが出来上がってくるということになります。それが本当にいいのかという点も問題になろうかと思います。また、私自身は、こういう連携を強めていくということになると、やはり経営力が強化されなければいけないということはそのとおりだと思うんですけれど、その経営力を強化するためには、いわゆる経営一般について高い能力のある人材を確保すればいいかというと、必ずしもそうではなくて、やはり教育研究に精通した人の中から、所属大学全体のあり方について真摯に考えられる人材を養成するということが非常に重要になってくると思うんです。ではどういう場を使ってそれを育てていくかというときに、やはり、所属している大学ですね、複数大学あるわけですけれど、その大学全体の観点から教育研究について議論する場を設けて、そこで議論することについて、そういう意識を持つ人を育てていくことはやはり重要なことだと思います。具体的に制度におとす場合には、実際には教育研究評議会が扱う事項は各大学の事項が多いと思いますので、組み方としては、教育研究評議会を各大学においた上で、合同会議とか連携会議みたいなものをおいて全体につけるというやり方と、教育研究評議会を法人の方において、その下に各大学にあった、対応する分科会とか部会みたいなものをおいて、そちらの長は学長が担うとか、いずれかのやり方があると思いますので、いずれにしても連携する大学全体の教育研究を考える人材を養成していく、そういう議論の場をしっかり設ける必要があるんじゃないかと思います。以上です。

【有川座長】
はい。ありがとうございました。同じようなことを逆に考えますと、経営協議会的なものも大学にないとおかしいだろうという話につながっていきますが、それでもいいですか。

【土井委員】
私ばっかり話すとだめなので、もし他の意見をおありの方がおられれば。

【有川座長】
はい。他にございませんか。はい。

【森迫委員】
さっきちょっと触れたんですけども、学長選考という面で触れたんですけども、経営協議会はやはり法人、一法人の側で考えてもらった方が本当は良いんだと思います。そこの考え方が、さっき出てきた選考会議なのか大学での役員会なのかに反映されてくるというようなシステムがいいかなとは思います。教育研究評議会は、今の土井先生の御意見のような形しか、僕もあんまりイメージができないですね。二重に本当にやっていいのかとかですね、それから全体のことでそれぞれの大学からちゃんと出ていってやるというようなことがないと多分難しい。そうすると、さっきの学長選考どうするのっていう話がまた出てくる。だから二重にやるということは、結局最初の屋上屋の話がまたあるので、そこをどういうふうに整理すべきなのかなというふうには思いますね。だから、それぞれの、法人としての経営協議会と教育研究評議会のメンバーを、それぞれの大学から選ばれる人たちがいるか、経営協議会は別だと思いますが、そこから、分科会的なものを下にちゃんとおろして、そこでやるというふうなやり方の方が多分現実的なのかなというふうに思います。

【有川座長】
はい。教育研究評議会については、法人の方にあって、もちろん、それぞれの大学というのは、特徴をもっている大学でございますので、それは当然、教育研究に関するものはないといけない。それは当然だと思うのですが、全体を、法人として、二つあるいは、三つかもしれませんが、全体を法人として考えることが必要だろうというのが、土井先生のおっしゃっていることだろうと思います。一方でそういうことであるならば、それを経営協議会のなかにもそういう機能をもたせるということも、理屈としては考えられるわけですよね。法人の方にと言いますか。そうではなくて、教育研究評議会ということを表にきちんと出すことによって、これは大学で、教育研究を中心とした法人であるということを顕在化させるということにもなるのではないかという気がいたします。それから、今御指摘のように、屋上屋を重ねるということは絶対に避けなければ、何をやっているか分からなくなります。さっき、私の方でおかしなことをいったことに感じられたかもしれませんけど、それと対比的なことで、言っただけのことでございます。

【藤井(良)委員】
今の件ですが、大学共同利用機関法人で同じような形態になっています。それで、先ほどの、法人の役割に関わりますが、やはり法人として議論するべきことと、各大学で議論するべきことは違っていて、機構法人の場合は、教育研究評議会と経営協議会は一つしか、機構にしかないわけですが、同じような機能を持った委員会や、運営委員会などは研究所の方にもあって、そこは各々で実施するということで繋がっています。と言いますのも、大学の方を見てみますと、各々の独自性をしっかり持ちながら連携していくことになると、大学ごとに非常に違った側面があるので、必ずしも一つのところで議論するのがふさわしいかどうか、もう少し丁寧な議論をするためには、その各々の大学で行う組織もなければ議論しきれないのではないかと、そういう感じがいたします。

【有川座長】
機関法人の場合確かにそうなっていまして、非常にうまくいっているのかなと思います。かといって従来からある研究所のなかに何もないわけではなくて、そこはしっかり、もうちょっとファインなものがあるのだというふうに思います。

【森田委員】
私は先ほど申し上げた意見の延長になりますけども、それぞれの大学で、どういうものを置くのが一番合理的かというのをお決めになっていいのではないかと思います。「できる規定」で。これを、必置で置かなければいけないっていうのは、やはり本当に必要なものだけに限定すべきだと思います。先ほどの、土井先生のお話もそうですけども、確かに規模の大きな大学ですと全学的な意見の統一というのは非常に重要になります。そのために、そういう組織を置くということは必要かもしれませんけれども、規模の小さい大学の場合には、色々な声がそれなりに聞こえてくるというところもあろうかと思います。その方が合理的ならば、それでいいのではないかと。私の経験でいいますと、大学はとかく会議を作りたがって、その結果意思決定の遅延と非効率と無責任というのが多くなって、それが外部からかなり批判を受けているところだと思いますので、それは、一番良い形態というものを、それぞれの大学でお決めになるというのが重要ではないかと思います。そうした意思決定のスピードとか対外的に明確に意思決定を行うということは、特に法人を一本化した場合は、非常に重要なことになろうかと思います。先ほどからの御意見ですと、研究教育について知らない人が経営に入るということは非常に懸念されているところがあろうかと思いますけれども、私も大学の中におりましたけれども、若干その経営管理とかそっちの方をやっている人間から言いますと、経営のことを知らない大学の先生も、もっと多いような気がいたしまして、その辺りのバランスをどうとるかという話だと思いますが、それは、それぞれのところで責任を持つ形で決められるのでよろしいのではないかというのが、私の意見でございます。

【有川座長】
はい。ありがとうございました。大事な点としましては、それぞれの大学でやれるところを残しておいたらどうかということだと思います。はい。

【村田委員】
私は、土井委員の意見に賛成で、各大学で教育研究評議会を作ってしまいますと、先ほど土井委員がおっしゃいましたように、まさにそこだけがバラバラで経営に反映されなくなってしまう。教育研究評議会も経営協議会も一つにして、それぞれの大学から出してやっていくという方が、全体としての統一が出てくるのかなと。そういうなかで、今まさに森田委員がご指摘なさったように、経営の分かる教員をちゃんと養成をしていくということができてくるのかなと思います。逆に日本は、おそらくアメリカのように、大学経営の専門家のマーケットができるとはとても思えないので、むしろ各大学が、経営が分かる教員を作っていくというのは重要だと思います。それでは、個々の大学バラバラではなくて、全体をちゃんと分かる教学の教育研究評議会と経営協議会があって、そこでそれぞれの経験値を積んでいくということが重要かなというふうに思いました。

【森田委員】
私も反対しているわけではなく、それぞれの大学で最適なのを選んで、必ず置かなければいけないというのは、それはそれでやっておけばいいのかと。

【有川座長】
そうですね。はい。

【室伏委員】
私も、森田委員のおっしゃることに賛成です。各大学の状況によって違っていいと思いますし、極めて多様な大学がありますので、それぞれがもっとも良い成果をあげられるような形で選んでいけば良いのではないでしょうか。経営の分からない教員が多いということは、私も感じております。教授になったら企業等へインターンシップで行ってみるのも、経営を学ぶ上で有益なのではないかと思います。経営のわかる人を育てていくというのも、これからの大学の一つの大事な仕事なのではないかなと思っています。

【有川座長】
はい。経営の分かる教員をいかに育てるかという問題はあるのですけども、その問題は今はちょっとおいておきまして、大事なことが議論されているかと思うんですけれども、二人の主張をまとめることができるんじゃないかと思います。法人の方に経営協議会は当然ですが、教育研究評議会も置きますと。そして、あまり色々なことを細かく決めることは避けるという意味で、大学の方がそういったものが必要だと言ったら、それは、どうぞ勝手におやりなさいと、そういったまとめ方が確かにありますね。法人のことを今我々は主に議論しているのですが、全体の大学のこと、教育研究のことをちゃんとやるために、教育研究評議会っていうのも法人の方に置くという、そういった考え方もできますね。それから、もうちょっとそれぞれの大学に焦点のあったような教育研究評議会的な、分科会的なものでもいいのかもしれませんけれども、それを置く必要があるならばそれも置く。そういうことが考えられるのではないでしょうか。はい。

【森田委員】
今の座長の発言ですけども、教育研究評議会は法人の方に置くというのは前提にされたんですか。先ほどの話だとちょっと違う、大学の方に置いて、法人の方に置いてもいいという御意見もあったかと思うんですけども。私自身は割とその辺りはいろいろあっていいかなと思いますけども。

【奥野委員】
みなさんの議論の中で、一言発言したいと思います。新しい形としては、いわゆる「できる規定」でという、森田先生の発言に賛成です。せっかく新しくするんですから、各大学が今までの形にこだわらず、経営だけでなく教育もちゃんと新しく考えてくださいと言いたいと思います。最初からどっちでもいいと言うのは、まずいと思います。

【有川座長】
どっちでもいいよっていうのは、色々な考え方が実現できるということで。

【奥野委員】
それは理解しています。賛成ですよ。

【藤井(良)委員】
経協に関しては過半数が学外者というのは常識だと思いますが、大学では教育研究評議会は内部者であることが多いと思います。今回の場合も内部だけにするのか、それとも外部も入れるかによってかなり違っていて、内部だけであれば、各々知っている人達が議論するのでどこにおいても比較的スムーズにいくのではないかと思いますが、その辺りは外部の人も入れる可能性はあるのでしょうか。

【村田委員】
私の大学は合併を経験しておりますものですから、今ので言いますと、内部でやるときに、逆に内部だけでやるんだったら法人にしておかないと、結局別々の大学がそれぞれ決めて、うまく最後まとまっていかないということになるので、内部でやるんだったらまとめた方がいいと。外部の人を入れるのであれば考える必要があると思います。

【有川座長】
藤井委員からの質問はですね、教育研究評議会をどこに置くかということはあるんですけど、現行では委員は学内の方だけですよね。ここに外部の人を入れていいか。ただ、藤井先生のところ、つまり共同利用機関法人ですと、教育研究評議会にも「共同利用」という側面からでしょうが、外部の人はいますね。私も経験したことあるんですけど、まずいことは起こってない。同じような感覚で、だからやろうと思ったらやれんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【奥野委員】
公立大学では二つともそうですけど入れていません。入れているところもすでにありますが、入れなければいけないとは書いていないですね。

【事務局】
現行の中でも、学長が指名した者を入れることができる、となっておりますので、そこはあえて変えにいくというよりは、現行のままでも、はい。なので、各法人、大学のなかで考えるやり方というのがとれるようにはなっています。

【有川座長】
ですから、すでにそういったことを共同利用機関法人はやっているわけですから、やれる。それを推奨すると、ある種の緊張感は出てきますよね。そういったなかで、経営に長けた教員も出てくるかもしれませんね。

【藤井(良)委員】
おそらく大学側からしたときに、こういう制度が受け入れられるかどうかっていうところの一つは、やはり、教育研究評議会のなかが自分たちだけなのか、外部も入るのかっていうのはすごく大きくて、経営協議会に入っているので、教育の方は教員の方でやるというのは一つの今のやり方だと思うので、そこは大きなポイントじゃないかと思います。

【有川座長】
はい、どうぞ。

【森迫委員】
教育研究評議会は法人に置いた方がいいというのは、例えば、奈良のところにちょっと出ていますけど、新しい学部を作るとかっていうようなところをやろうと思うと、別々にやっていたら多分できないでしょうね。ただこのことだけのためにそうするのかって言われるとちょっと、僕はそっちの方がよさそうな気はするんだけれども、もう一つ、これちょっと違うんですけども、最近イタリアのベルガモ大学の学長が訪ねてきて、レクターっていう名詞だったんですけど、その学長が、その州のコンソーシアムだと思うんですけど、詳しく聞いてないので、コンソーシアムの大学の選ばれた長なんですよね。で、ある州のなかで新しい学部をつくるとか、新しい学科を作るとかというときは、そこでちゃんと調整をするって言っているんですね。それって最終的にこういう方法をとらなくても連携の大学でもできるっていうようなことになれば、一法人複数大学でなくても、もうひとつやろうとしている、緩やかな連携というような形のものとしても可能であれば、必ずそこに教育研究評議会がなければいけないともいえないなというふうにも思うので、今後どういう方向がいいのかってなったときに、国立大学というシーズといいますか、リソースをどう使うかっていう話なので、複数の大学が連携しながら新しいものを作っていくことが、時代に合わせてできるというようなことが書かれていると嬉しいなというのは思います。

【有川座長】
はい。ありがとうございました。かなり良い議論ができていると思います。法に関しましては、今の意見にもありましたように、両論併記しておいて、法規の問題もあるんでしょうから、その辺りも睨みながらやっていければいいということになるのでしょうか。どっちかになったとしても、それで大変なことになるということにならないようにして、それはそれで活かしていけるという気がしますので、両論併記というやり方に、今のところさせていただければと思います。それではもう少し時間が使えますので、他のところどうでしょうか。はい。

【土井委員】
経営協議会のことはいいのかと、先ほど座長から言われましたので、時間があるようですので、話させていただきます。教育研究評議会の方も、私自身は、仕組みとしては、両方あり得ると思います。結局、全体の運用として法人全体のことを考える人を育てないといけないので、各大学もしっかり考えてもらわないといけないということで、上に置いておいて分科会形式にするのもあれば、下に置いて上の方で合同会議形式にするというのもあり得るでしょう。あとは法制との関係でどうかということなので、最後は座長のまとめ方でよろしいんじゃないかと思います。経営協議会についても、各大学で、ある種戦略を立てていくことがあると思います。完全に統合するわけではありませんので、それぞれのブランド力を生かすということですと、それなりに経営に近いことを考えることになり、何らかの形で諮問的なものを置くことはあっていいと思います。ただこちらの方は法人の経営協議会と全く別の人を別に大学の長が集めてつくるのはさすがに統一性の観点から問題が出てくると思いますので、あり得るとすれば、経営協議会に直接合議体として相談されるのか、それともこの中にも分科会のようなものを作って、そちらの方と頻繁に相談されるという形をつくるのがよいと思います。法人の経営協議会と全く別につくるということは考えない方がいいんじゃないかという気はします。以上です。

【有川座長】
教育研究評議会と経営協議会では、これまでの経験でいいますと、教育研究評議会の方は、そのなかに分科会できたり、色々な事やったりとかそういうことですよね、あるいは各学部に帰ったら教授会もありますね、そういったことに慣れてまして、そこでしっかりした議論ができるのですけども、経営協議会の学内委員はともかくとしまして、学外委員は、やっぱり立派な方に御就任いただくものですから、なかなか時間の確保が難しい。立派な方を二時間以上拘束するってことが非常に大変ですね。しかし、経営協議会をちゃんと通さなきゃいけないものだから、非常に簡単で、要点だけの進行になっていしまいがちで、深い議論ができない。そういうのが現状じゃないでしょうか。これは簡単に改良のしようがないんですよね。本当に暇で退屈な人に委員をお願いすると別でしょうけど。したがって今、土井先生がおっしゃいましたように、経営協議会があって、下の方でも頑張ってくださいなんていっても、形は書けますけども、実質的には機能しないということになりはしないかという、そういう気もします。ちょっと言いすぎていますが、きっかけにして議論していただければと思います。

【森田委員】
よろしいですか。はい。立派でも暇でもないんですが、私も某国立大学の学外の経営協議会の委員をやっておりますけども、一言でいいますと、あまりにもルーティンが多すぎて、それを規定しているってことで、実質的な経営内容、例えばどういう分野に投資すべきであるとか、世界の研究動向に対してどういう人材を集めるべきかというような、そういう政策論をほとんど議論する時間がないのが現実だと思います。もしルーティンで人事規程の改定について新旧の表が出ていて、それに承認しろという、長い説明の後、そういうことを求められるんですけども、それは多分運営の仕方を変える話だと思います。そういうのはもう役員会の方にお任せしておいて、大所高所から経営をどうするかということを議論すると、これはそれぞれの大学で改革すべき話でないかと思いますし、学外の経営協議会の委員のなかからもっとそういう話がしたいという声がでてくるんですけれども、なかなか変わらないのは、文科省の規定かなにかあるのかなと思っているんですけども、そこはどうやって改めるかという話かと思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございます。そういう点では、運営と経営とか、そういったことで区別されることはありますけども、運営じゃなくて経営に特化した色んなことで、大事なことだけやるというようなことをすると、時間が確保できるかもしれませんね。これは、どの大学でもそういったことはやらなくはいけないことだと思います。はい、どうぞ。

【事務局】
非常に密度の濃い御議論をいただいて、ありがとうございます。最初の論点の「法人の長と学長の役割分担」のお話と、それから今御議論いただいておりました「経営協議会と教育研究評議会の置き方、あるいは役割」、この論点の根本となる仕掛けについて、先ほど視学官からも説明したんですけれども、少し補足をさせていただければと思います。今の国立大学法人法の法人の長の規定は、法人の長として学長を置くという規定になっています。この学長の任務は、先ほど説明しました学教法の学長の任務を行うとともに、法人の業務を総理すると、この二重の仕掛けになっていまして、したがって、ややこしいのはですね、学校教育法上の学長と、国立大学法人法上の学長は、同じ学長という名称なんですけども、任務が違うということでございます。ざっくりとしたイメージで申し上げれば、学教法上の学長の任務は、学校教育法に規定されていますので、教育や研究、こういうことについて、全体を総理しているということでございますけども、国立大学法人法の学長という概念は、それに加えて法人全体の経営管理をしている、こういう仕掛けになっているわけでございます。今後の、これもこの場で御議論いただければいいわけですけれども、法人の長と学長、新しい、大学の学長との任務といいますと、学校教育法上の学長の任務というのは言ってございますので、大学内の教育面については、学教法の学長の一定の権限があるというふうな仕掛けが、基本には考えられるかなと思います。一方、経営面については、法人の長として法人を総理する、その権限の肩書となりますので、したがいまして、その経営協議会は基本的には経営面というふうなことをみていく、というようなイメージになると思います。教育研究評議会は、大学の教学面というのをみていくというのが基本だと思いますけども、それも置き方は先ほどから御議論ありますように、実質的にはそこまでおりていくイメージはもちろん出てくると思いますけれども、学内のものを中核としてみるのか、それとも法人全体の教学のダイナミズムみたいなものをちゃんと意識しながらやっていく機関にするのか、こういうあたりで議論がわかれてくるのかなと。繰り返しですけど、現行の国立大学法人法上の学長と法人の長の規定がそうなっている、ここをうまく整理しながらやるということで、みえてくることもあるのかなと思いましたので、ひとこと申し上げました。

【有川座長】
ありがとうございました。整理をしていただいたというふうに思いますが、こんなふうに解釈してしまったらまずいですかね。つまり、現行でもですね、経営協議会等は、法人の長ができたからあるのであって、学教法のことから、教育研究評議会があるのだと。こんな考え方をしてよろしいですか。

【事務局】
厳密に言うともう少し、その法人の部分に関しても教育研究評議会っていうのは関わってくると思いますけども、ベーシックな部分としてそういうイメージというのはあり得るかなというふうに思います。

【有川座長】
ということを考えますとですね、そこに重きをおきますと、教育研究評議会というのは、大学の近くに置いておいた方がいい、上に置くんだったらばそれの代表者会議みたいな感じというふうなことになるんでしょうかね。

【事務局】
すみません、私の説明が十分でなかったかもしれませんけども、そういうイメージを一つ持つということは、十分ありえると思うんですけども、先ほどから御議論ございますように、大学全体の教育研究の仕掛けをどうするか、新しい法人になりますので、両方の大学、全体の教学面のダイナミズムみたいなものを考えていくという仕掛けも必要かもしれませんので、必ずしも現行がこれに着目している、あるいはここを中心に意識しているから、ここだけでないといけないということではなかろうと思います。

【森迫委員】
当然だと思うんですけど、法人があるから、法人の側に理事がいるんですよね。なので、今あるそれぞれの大学の理事は、法人の中にある大学には理事はいないというか、そこから指名された理事は出るかもしれないけど、そういう話なんですよね。だから、それぞれの大学に役員会というものは存在しないということになりますので、それぞれの大学の意思決定の在り方みたいなものをどういうふうに考えていくのかっていうのを、今日のあれではないんですけど、それぞれちょっとなんか記しておかないと、今までのやり方みたいになってしまうとちょっと。副学長は指名できるので、副学長での運営というのはあり得るとは思うんですけどね。

【有川座長】
今ご指摘のようなことがあったわけですけども、どこがどう選んでいくかとか、位置付けを考えることによって明らかになってくるのかなと思います。時間があまりなくなってきましたが、論点3についてあんまり議論していないように思います。

【事務局】
そうですね、すみません、その前に一点だけ訂正です。先ほど教育研究評議会の中で、構成員について学外者はありですというふうに申し上げましたけども、大学共同利用機関法人に関しては、ありなんですけども、国立大学に関しては学外者ではなくて、学長が指名できるのは職員なので、すみません、申し訳ありませんでした。学内者に限定されます。

【森迫委員】
今後は入れないとまずくなるかもしれない。さっきの、経営協議会もそうだけど。

【有川座長】
それは法人法で決まっているんですよね。ですから、ここを改正しようということですから、議論していって、そういったとこも変えることが場合によってはできるんだと思いますが。

【事務局】
すみません、よろしいですか。大学共同利用機関の方の学外者という考え方は、大学共同利用機関ですので、同一の研究をする研究分野で、他の大学なども当然そこで研究するので、その関係で学外者が入れることができるとなっていますので、そこは大学と大学共同利用機関と性質の違いに応じてなっているというふうにご理解いただければと。

【有川座長】
共同利用だから、共同利用の相手先みたいな人が入ってもいいよということですね。他に何かございませんか。今日は、法人の経営に、法人の長でない学長をいかに関わらせるかという点について、あまり議論していないように感じているんですが、していますかね。副理事長などそういったことはございましたですね。そうしますと、大体時間がきてしまいましたが、今日はとにかく、与えられた論点、とりあえず全部議論できました。前回よりも幅広く議論できたように思います。それではですね、これで事務局にお返しすればいいのですかね。次回のことなどについて。

【事務局】
資料4の説明をちょっとさせていただければと思います。

【有川座長】
失礼しました、資料4ですね。

【事務局】
すみません、資料4につきまして、私から説明させていただきますが、先日、一法人複数大学化するにあたって、プロセスがどうなるかという御議論がございましたので、一法人複数大学化と申しましても、法人統合ということでは、過去の統合と同じになりますので、その流れを図示させていただきましたものが資料4でございます。法人の統合の仕方につきましては、例えば平成17年の富山大学につきましては、富山、富山医科薬科、高岡短期すべて解散して新法人富山大学を作ったというケースもございますし、大阪大学の場合には、大阪大学を残したまま、大阪外国語大学を解散して吸収をしたというケースもございまして、いずれかになるかと思いますが、そのいずれどちらかをとるにいたしましても、まずは一法人複数大学化それぞれの関係大学で合意をしていただくと、で、新しく先ほどのような新法人もしくは新しく学部を作るというようなことであれば、設置審に意見伺いでございますとか、それにかかる必要な予算要求をさせていただくと。実はあの一法人複数大学の法人統合も同じなんですけども、国立大学法人法の別表に、すべての法人名と大学名を書いておりますので、すべて国会で法改正を審議いただくという流れがございますので、そういう意味ではここが、透明性をもってご審議いただくということでは、国会でご審議いただくという形になってまいります。その後、一法人複数大学成立に向けまして新法人の長の選考や指名が行われますし、その後、大阪大学や富山大学の場合では、新しく大学ができた新しく学部ができたということもございますので、6か月間の猶予を持ちまして、学生の受け入れを開始したというような流れになっておりまして、今回の一法人複数大学化につきましても同じような流れになるのではないかと想定されております。以上でございます。

【有川座長】
全体の流れを図示化していただきました。何か御質問ありますか。はい、ありがとうございました。それでは時間になりましたので、議論はこれで終わりたいと思います。次回のことなどにつきまして、佐藤視学官からお願いいたします。

【事務局】
本日は、大変活発な御議論をいただき、本当にありがとうございました。次回第5回ですけれども、12月4日火曜日の14時から開催させていただきます。会場は同じ建物の三階を予定しております。以上です。

【有川座長】
はい、ありがとうございました。長時間どうもありがとうございました。それではこれで終わります。

(以上)

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