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国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議(第1回) 議事録

1.日時

平成30年9月26日(水曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省中央合同庁舎第7号館東館15階  15F特別会議室

3.議題

  1. 会議の進行等について(非公開)
  2. 国立大学の一法人複数大学制度等の導入にあたっての意見交換
  3. その他

4.出席者

委員

有川座長、金子委員、黒田委員、酒井委員、土井委員、藤井(輝)委員、藤井(良)委員、古沢委員、村田委員、森迫委員

文部科学省

義本高等教育局長、瀧本大臣官房審議官(高等教育局担当)、淵上国立大学法人支援課長、佐野国立大学法人支援課企画官、北野国立大学戦略室長、佐藤国立大学法人支援課視学官(命)大学改革官

5.議事録

(議題1は非公開)

【有川座長】
それでは、傍聴の方お入りになったようですので、検討会議をはじめたいと思います。国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議の第1回目でございます。本日はお忙しいなかお集まりいただきましてありがとうございます。ご指名によりまして、私有川が、座長をさせていただきます。6月のことですが、私たちのこの会議に関係のある三つのことが閣議決定されております。一つ目は「経済財政運営と改革の基本方針2018 少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」でございます。このなかで、「大学の組織再編等を促進するため、国立大学においては、国立大学法人法を改正し、一法人の下で複数の大学を運営できる制度を導入する」とあります。また、「未来投資戦略2018 「Soxiety5.0」「データ駆動型社会」への変革」です。そのなかでも、同じように、「経営基盤の強化と効率的な経営の推進のため、国立大学の一法人複数大学制の導入、経営と教学の機能分担等にかかる国立大学法人法等の改正について次期通常国会への提出を念頭に作業を行う」とあります。それから三つ目は、「統合イノベーション戦略」です。そのなかで、「知の創造」というところがあり、「文部科学省は、2019年度中に国立大学法人法を改正し国立大学の一法人複数国立大学経営を可能化する」とあります。そういったことが閣議決定されております。一方で、それと連動した形で、中教審の大学分科会将来構想部会におきまして、6月18日にやはり同じように、「大学等の連携・統合の可能性」の中で、「国立大学の一法人複数大学制の導入」に言及されております。この中教審の方は、今朝も会議が開かれていると聞いております。そういった状況にあり、また、法人になりましてから10数年経っておるわけでございますけれども、その間、様々な経験を積んできました。それから国の財政が厳しいという状況下で、いわゆる運営費交付金が少なくなる、あるいは伸びない中で、各国立大学法人は相当な思いで改革等をスピード感を持って進めてこられたと思っております。そういったことも踏まえまして、しかし、大学でございますので、何より教育研究、そして社会貢献を効率的かつ効果的にやるためにどうしたらいいかということを第一義的に考えまして、先ほど閣議決定等の紹介をいたしましたけれども、そういった国の動きに応えるべく、しっかりした議論をしていくということが求められていると思っております。また、これも報道等であるいはご存じかもしれませんけれども、すでに四つの国立大学のグループが、こういった意味での組織の統合というようなことに関して検討をはじめているという状況にもございます。そういう意味では、スケジュール的にも待ったなしの状況にあるというふうに思っています。そこで、各方面の専門の方にお集まりいただきまして、非常に時間的には限られておりますけれども、集中的に御議論いただきまして、できましたら今年中に中間まとめを出して、そして3月中には最終的なまとめを出し、法律の改正等に資するようにしなければならないと思っております。そういうことでございますので、日程的に、非常に窮屈ではありますが、御協力くださいますようよろしくお願いいたしまして、簡単ではございますけれども、冒頭にご挨拶とさせていただきます。カメラの撮影はここまでとさせていただきます。それでは、事務局から配布資料の説明をお願いいたします。

(事務局から資料の説明)

【有川座長】
はい。ありがとうございました。それでは、本日の議題に移りたいと思います。本日は第1回でございますので、国立大学の一法人複数大学制度等の導入に関して、まずは委員の皆様にそれぞれのお考え、御意見等について、自由にお話しいただき、意見交換をさせていただきたいと思います。それでは、まず事務局から、国立大学の一法人複数大学制度等の導入の検討にあたり、基本的な制度等の現状と今回の検討が持ち上がった背景等につきまして、若干のことは冒頭の説明でも申し上げましたけれども、事務局からご説明いただきたいと思います。その上で、今後どのようなコンセプトのもとに、この問題について考えていったらいいか、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。まず、佐藤視学官から、20分程度でお願いします。

(事務局より資料3から資料9について説明)

【有川座長】
ありがとうございました。今日は最初ということでございますので、これから今日の残されている時間を使いながら、自由に討議をしていただきたいと思います。なお、本日ご欠席の委員から事前に意見の提出もいただいております。それについて事務局から紹介をお願いします。

【事務局】
はい、本日欠席されている四名の委員のうち、二名からは書面で、一名からは口頭でご意見をいただいております。ただ書面でいただいたものについては、委員の机上配布のみとさせていただいておりますが、私の方から簡単に論点についてご説明したいと思います。最初、室伏委員からのご意見でございます。論点1のその意義・必要性に関するご意見をいただいています。ご紹介します。少子化の進展や国の財政的基盤の脆弱化に伴い、スケールメリットを生かした資源の有効活用などの観点から一法人複数大学という方式が提案され検討されていることは十分に理解する。国立大学間のみならず、公立や私立大学との間、また研究機関、企業等との間で様々な形で連携体制を構築し強化することは今後増々必要になってくると考える。しかし、大学経営という観点からは、改善改革が図れるであろうが、全国の国立大学に対して一律にこの方式を適用することが最善の道であるか否かは十分に検討する必要がある。つまり一法人複数大学化することによって、各大学がこれまで培ってきた様々な教育と研究の資産やミッションに基づいて築いてきた社会的価値が失われることも十分に有り得る。また個々の構成大学ではなく、総体として評価される可能性が高いことからもそれぞれの構成大学の特色が失われる心配がある。将来を見据えて多様な在り方を許容するということが必要ではないか。また、一法人複数大学化のその先の議論として、少子化によって18歳人口が減少するのだから、国立大学の統廃合もやむなし、との意見も聞かれるが、留学生の増員、人生百年時代に向けた社会人のリカレント教育の推進、高等教育の国際展開、地方創生への貢献など、大学教育に課された責務は大きい。これらの需要については、18歳人口の減少とは別の観点から論じることが必要であって、この視点を今回の議論の主な柱にすることは得策ではないと思っている、というご意見でございます。続きまして、森田委員からの意見でございます。若干長いですけれどもご紹介させていただきます。国立大学法人の一法人複数大学制度を基本的に支持いたします。変化の速い国際経済及び研究環境に適応するとともに、厳しい財政状況及び人口減少という状況下で、イノベーションの促進と人材育成を図るには、大学が利用し得る限られた資源を、ミッションを果たすために有効と思われる分野に集中的・効率的に投入する必要がある。それには組織再編の弾力化等の大胆な改革が必要であり、それらを実現できる強力な経営能力が求められる。不透明な状況下でベストな組織形態は見出せず、それゆえに多様な形態を認め、多様な試みの中からより優れた組織形態が追究されるべきである。ただし、結果についての経営責任は厳しく問われる制度の導入が不可欠である。以上のような観点から、大学における経営と研究教育は分離し、教員はできる限り研究に専念できる、多くの研究時間と研究費を提供されるべきである。他方、経営者は外部環境に適応しつつ、組織全体として最大限の研究成果と人材育成を達成するために学内における資源配分と組織管理を行うことを任務とすべきであり、このような任務は当然、経営を専門とする管理者に委ねられるべきである。大学に限らず、経営とは収入の増加を図るととともに、予算を可能な限り効率的に支出し、組織目的を最大限達成することである。収入増に限界がある以上、スクラップアンドビルドによって保有する資源の効率的利用を図る必要がある。現在の国立大学の場合、収入増を図る方法はかなり制限されているが、組織編成を弾力化するとともに経営責任を明確にしつつ多様な資金調達の方法も許容すべき。大学組織の基本設計につきましては、法人の長が経営の責任者として上位に置かれるべき。法人の長は対外的に経営責任を負う立場であることから、その任命は経営手腕の評価に基づき外部機関によって行われるべき。大学の長に関しては、大学の理事会が行う。意思決定システムについては、法人の長、あるいは法人の理事会が最終的な決定を行うとともに、決定に関しては包括的・最終的な責任を負う。経営協議会・教育研究評議会は諮問機関として位置付け、そこでの承認を法人の意思決定の要件とはすべきではない。今大学に求められているのは迅速かつ明確な意思決定である。中期計画・中期目標に関しましては、その方法は法人としての活動のアウトプットに関するものにすべきであって、外部環境によって影響を受けるアウトカム指標は用いるべきではない。重要なのは財政的効率性等を目標とすべきであろう。最後にまとめとしまして一法人複数国立大学制度の利点は、何よりも限られた教育研究資源をより効率的効果的に利用できること、小規模な個々の大学の教員や研究組織を統廃合、再編することにより、より強力な研究体制を形成することができる。同様に外部環境に適応して新たな研究教育部門の弾力的な設置が可能となる。こういったご意見をいただいております。最後、永田委員からのコメントでございます。こちら口頭のみでございます。論点2の最後の部分で、大学以外の組織を法人が設置することについて、永田委員の方からは研究所など大学以外の組織を法人が設置できるようにすることについては賛成であるが、その際に特に留意すべき事項としては学位授与権の問題がある。うまく複合するようにしないと学位授与権という極めて重い、全く違った論点を踏むことになるため留意すべき、というご意見をいただいております。この点につきましては、学位授与権は法人ではなくて大学が有するものでありますので、今回の検討作業としてはあまり踏み込むことは事務的には想定はしていないということはご説明させていただいております。以上、欠席した委員からのご意見でございました。

【有川座長】
ありがとうございました。それではそのご意見も踏まえまして、自由にご議論いただきたいと思います。よろしくお願いします。例えば資料8に、この調査検討会議においてどのようなことを議論すべきか、概形的に、整理していただいています。中身に踏み込みますと色々なことがありますけれども、要点を形の上で見ますとこういったことになるのかというようなことをおまとめいただいたのではないかと思います。その辺りを巡ってご議論いただいても構わないかと思います。それに限らず全体的な考え方などについて、今日は最初ですのでどの観点からでも構いません。よろしくお願いいたします。では、村田委員、お願いします。

【村田委員】
ありがとうございます。今日、国立大学の話なのですが、私立大学のことが参考になるかどうか分かりませんけれども、おそらく大きな問題は法人上の長と大学上の長の役割分担をどうするか。つまり、理事長と学長を分けるのかが問題なのだと思います。あるいは今やられていますように大学の長が統括をしている国立大学となっている、おそらく国立大学法人になった一番の大きな要因としては経営と教学を包括的に一体化することが大きな目的の1つだったというふうに思います。例えば、多くの私立大学でガバナンスのことを考えるときにいくつかの課題があるのかと思いますが、そのなかで、おそらく理事長と学長とが別になっている大学っていうのはやっぱり経営と教学がバラバラになりがちです。どうしても教学を行っていく上では、いくらいい中期計画にしても、それがヒト・モノ・カネといった裏付けがなければ絵に描いた餅でありまして、そこのところで理事長と学長が一致していることが極めて重要でないかなと考えます。そういう意味では私立大学の場合には色々な様々な仕組みがあるかと思いますが、経営と教学の一致がどう行われているかというところが極めて重要。収入増のことも含めてやっぱり経営と教学が一致していないとダメなのかなというのが、一つのとっかかりとして述べさせていただきます。

【有川座長】
ありがとうございました。非常に大事なご意見でございました。終わりがけにありましたことについては、法人化して10数年経ち、若干変わってはきましたが。はい、どうぞ。

【森迫委員】
京都工芸繊維大学の森迫と申します。本日ちょっと秋の入学式がございましたので、遅刻してまいりましたけども。論点ということ、ちょっと本学の場合ではなくてですね、実は私、京都府立大学、京都府の公立大学法人の理事を6年間しておりました。京都の公立大学法人というのは、今公立大学法人のパターンで言いますと、Dの設立団体の京都府の知事が理事長を任命しまして、それぞれの大学の学長はそれぞれの学長選考会議で選ばれて、副理事長として参画されていて、私は外部理事として参画をしておりました。公立大学法人としてそれぞれ、京都府立大学というのは元々文系と農学系という大学であり、府立医科大学というのは医学系の大学ですので、全く違った教務を持っていて全く違った経営状態であると、そういう状況でありました。それはそれぞれの大学が先ほどありましたように、理事会、経営協議会、評議会というのを持っておりまして、それぞれが別々にやっている。ただ、理事長としての役割は全体の京都府との、理事会そのものは京都府との交渉のもとになる予算とか決算だとか規則等の制定改変等ということです。それからコンプライアンスの順守という意味で、それなりの役割を果たしていたというふうに思っておりましたし、両大学間の、例えば府立医科大は病院を持っておりますので、病院診療がありますので、その収入があがった分の配分でお互いちょっと助け合うところも若干見えると。ただ、公立大学法人ですので基本的には他の法人との競争はないという点が若干理事会としてずっと出ていた時に、国立大学が置かれている運営費交付金の、いかに予算をとるかという大変なところはあんまりないなという印象をずっと思っておりました。ですので、私は今、村田先生の理事長と学長が一緒であるという方が確かにいいんだろうとは思いますが、複数の大学がそれぞれ別々に目標を持っていてもある程度そういう形でコンプライアンス的なところとか、経営上の配分であるとか、というようなところと、中期目標・中期計画それぞれの大学でも立てますけども法人としても立てますので、そういうところでやっていける可能性はある、とは思います。国立大学法人の場合はやはり文科省との関係の中で評価をされて予算をつけていただくというところがありますので、それぞれ競争は残るだろうというふうには思います。その方が分かりやすいのかな、むしろどちらかの大学の学長が理事長を兼ねるということになる方がなかなか難しいのではないかと今のところはちょっと思っております。今の意見です。

【有川座長】
はい、現在国立にいらっしゃって、公立のことにも触れていただいたわけでございますが、公立の場合は、そこの都道府県あるいは市という単位ですので、同じ自治体の中での競争はそんなにないかもしれませんが、それを超えた公立同士ということからしますと、かなり大きな競争相手がいるということになるのかなというふうに思います。他に。はい。金子先生。

【金子委員】
議論をどういうふうにして進めていくのかというところが大変だと思いますけど、一番最初のところは、やるべきということですので。今の話を聞いていて、それからこのアジェンダを聞いていて、ちょっと違和感があるのはですね、大学のガバナンスに三つくらいレイヤーがあると思うんですね。ひとつは社会とのインターフェースです。おっしゃっていたように、政府ないし、県・府との関係、あるいはalumniとの関係、それとその経営の部分、かなり大きな支援を、人員の配置を含めたあるいはその長期的な経営方針等がある。それと、執行と言いますか、その教育研究の具体的な執行に関わる三つくらいレイヤーがある。これはですね、日本の理事会はこの分担があまり明確ではないですね。大学によっては、社会との関係、経営の方針を理事会でやるといっているところもあります。しかし多くの私立大学は、社会と経営と執行教学というのがまだ一体として処理されているんですが、特に経営と執行教学が理事会で決定されている。ところが公立というのはですね、社会の目から見た監督権が少し曖昧になってしまうというところがあります。なので、理事会と学長を明確に分離するという考え方ですけども、この場合、理事会の在り方はかなり問題で、この理事会で社会の目からの監督が十分にできるかというと必ずしもそれはそうではないというところが今問題になっているところ、私学に関しては問題になっているところではないかと思います。いずれにしても、この法人の長と大学の長というのはガバナンスの三つのレイヤーのどの部分を担当するか、誰が責任を持つかという問題にかかわるので、これはかなり私学国立を含めて整理が必要だというふうに思うんですね。それとですね、今回の件がややこしいのは、本来はそれとして整理すべき問題がまだ残っているところに、一法人複数大学とかっていう話が出てきてですね。一法人複数大学っていうのは、これとほとんど関係なくてですね、リアリティとしてなんかまとめちゃった方がいいんじゃないかというふうな論点もあるくらいの話として出てきているわけで、本来このメリットがあるかないかという話でいえば、私はメリットがないんじゃないかと実は思っています。その議論とですね、さっき申し上げたそのガバナンス上のレイヤーと言いますか、誰がどのように責任を持つかという一般的な議論とあって、遡っていけばそっちの方で議論していっているところを、見通しをつけなければいけないわけですが、それはたぶん現行の国立大学法人でもかなり問題がありますし、私学でも実はかなり色々なパターンがあるんですね。で、どれが正しいっていうのはなかなか言えない。そこでこれからどうやって議論を整理していくかが問題ではないのではないかなと思います。

【有川議長】
はい。それではこちらから藤井先生。

【藤井(輝)委員】
はい、すみません、藤井でございます。金子先生が今おっしゃったことともかなり関連するんですけれども、私もこの議論をお伺いしている範囲では、やはり法人って言っている部分とその大学とのその役割というか責任権限の線引きをきちっとある程度議論しておかないと制度に落とし込む時に非常に難しいことになるのではないかという気がいたします。特にいわゆる「運営から経営」と言われている中で、国立大学法人もまさに先ほどのお金の話が出ましたけれども、経営という観点である程度積極的に、例えば資金調達をしにいかねばならないというようなことが起こったときに、社会との、金子先生はインターフェースとおっしゃいましたけども、等の関係で、資金を呼び込むというようなファンクションを考えたときに、これはやはり法人の側だけというよりは、やはり教学の部分と、ある程度のいわゆる大学の研究ポテンシャルとかですね、多分かなり密接に関わりながらやっていく必要が出てくるというふうに思います。そうしたときに、そのあたりの個々の大学と、それから法人としてファンクションというところで、これがスムーズに運ぶようなことを考えなくてはいけないのではないかという点が一点ございます。それから、もう一つは先ほど学位授与の話が出ましたけれども、学位授与までは議論しないまでも、いわゆるそのアカデミックフリーダムという観点でどういうふうに、つまり大学ごとに独立性をどういうふうに担保するか、これは先ほどの欠席の方からのご意見もありましたけれども、いわゆる多様性をきちんと許容するということをどのように担保するか、このようなことも重要な観点かなというふうに考えます。それからもう一つは、スケールメリットを生かすとか、経営のリソースを効率的に使うというのは全くそのとおりで、こういうオプションを用意するということについて、この検討が進むということについては全く賛同いたすところなんですけれども、やはりこれ自身が目的化してですね、例えば屋上屋的にさらに手続き関係が複雑化するとか、そういったことは避けた方がいいのではないか、もう少し言えば、やはりやるならば積極的な理由というのでしょうか、例えばある法人で複数大学を持つとすれば、その持つことによる経営の効率化とかいわゆる一般的なこと以外にですね、積極的な理由っていうのがあった上でやっていただくのがよろしいのではないかというふうに考えます。以上あまり的を射ませんが、私からの意見ということで述べさせていただきました。

【有川座長】
ありがとうございました。黒田先生お願いします。

【黒田委員】
私は国立大学法人化の当時委員をやっていまして、特に人事組織の担当をやっていました。そのときに特に重要な一法人一大学で、法人の長は学長と書かれていますけども、そこで議論した最大の理由というのは、言っていいかどうかわからないですけれども、文部科学大臣、文部科学省の権限と法人との関係だったわけです。最終的には文部科学大臣が学長を任命するということになったわけですけども、それを外してしまった時にどうなるかということなんですね。だから、法人の長とそれぞれの学長、複数大学になれば学長がたくさん出てくるわけですけども、その関係をどうするかという問題が一番大きな問題だろうと思います。これ下手に文部科学大臣が任命しないようなことになると、その大学というのは文部科学省の指示を受ける必要がなくなってしまうことになる。そうすると国立大学ではなくなるわけですね。その辺のことをしっかりとおさえていかないとダメだと思うんです。国立大学である以上は国立大学としての使命というものがあるわけですから。そういう意味で文部科学省とその新しい法人をどう位置づけるかということが組織上の重要なことだろうと思います。法人化するときに遠山プランと言うのがでましたですね。遠山プランでスクラップアンドビルドというのが非常に強調されて、国立大学はスクラップアンドビルドをやっていくのだと、だからもう民営化するのを勘弁してくれということで、独立行政法人法を踏まえながら国立大学法人化をすることになり、役員会という組織を作って、理事会を置いていないですね。理事会組織がないですね。そういう意味で今度一法人複数大学になると、この法人の長と学長の立ち位置がより複雑になりますので、役割分担をしっかりしていかないとダメと思います。学長の経営能力があって兼ねるところがあってもいいと思うんです。私学でも多いです。学長と理事長を兼ねているところが多いです。また分離しているところもです。どっちがうまくいっているかと言ったら半々なんですね。兼務しているところがうまくいっているところもあれば、分離しているところがうまくいっている。それは何かと言いますと、理事会が教学にどれだけ理解を示しているかということなんです。この経営権というのは、法人の長に持たすことになると思いますが、法人の理事会組織で経営することにした場合、配下の大学の教育研究マネジメントについてしっかりした理解を示す組織がちゃんと機能するということなんですね。そういうことも併せて考えていかなきゃならない。それから複数大学を持った場合に、アンブレラ方式を安易にやりますと、組織が膨らんで、経費が膨らんでしまいます。それをどうするかということなんです。どこで縮小できるか。お金をかけずに複数大学を管理運営できるか。そういうことですね。それから、そこにおける施設設備というものをどこが管理するか一つの大学に独自に管理させるのか、それとも法人として管理するのかという問題も出てきます。そういうことで、どういう形式の複数大学にするかという組織配分、そういうことをしっかりとやっていかなきゃダメだろうと思うんですね。今日初回でなんでも思いのことを述べなさいということですから言いましたけれども、そういうことで、文部科学省と国立大学法人との関係をどう思っているかということが1つのポイントである。それから法人の長と大学の長との関係をどうするか、そういうことが重要な課題なのではないかと思います。

【有川座長】
ありがとうございました。次に。

【藤井(良)委員】
藤井でございます。私、大学共同利用機関法人で大学ではないので、ここで勉強させていただきたいなと思っているのですが、ちょっと気になったのは先ほどの資料のご説明で、法人化の時にはやはり教育と経営の一体的な運営が非常に重要であるということが強調された、そういう仕組みが必要であるということがあったと。一方でこの資料5の方で言いますと、経営と教学の分離ということが、一つの可能性として含まれているということで、当初の考え方から言うと、大学運営の自立性等でこういう仕組みが必要だと言われたわけですが、それがこういう形で変わっていくというふうに認識しております。経営というと、実際にいろんな資金を増やすという場合に外部から持っていくというような時には、例えばアメリカのように、その経営力が非常に重要であるというふうに考えるわけですけれども、一般的な運営費交付金等の運営のことも経営というふうに言いますと、教学と運営の分離が本当にできるのかという感じが非常に強くします。というのは、大学共同利用機関法人というのは、四つの研究所を持っているわけですけれども、私たち機構長としては、経営とともに研究の方も責任を持つということ、そういうシステムを一つ全部持ってやることになっています。一方で、研究所は当然自立性がございますので、研究のことに関して自分たちでまず決めるわけですが、近ごろの予算のいろいろな減少傾向の中で、やはり予算の枠組みというのは機構が作りますので、結局やりたい研究の枠組みを機構の方の経営が決めるということになります。ということで、経営と中で行われる教育とか研究というのは非常に連動を実はしているという形になっていっているということなので、先ほど理事長の方を兼ねられた方がいいというご指摘があったかと思うんですけども、やはり両方責任を持たないとなかなかうまくいかないんじゃないかなというそういう気がしております。あとはもう一つは、これは教学と切り離すということは、大学教育と一応切り離すということなのですが、改革自体が何のためにあるかというということを、必ずしもお金を増やすというだけではなくて、やはり学生に対する教育の向上等に結び付くことが最も重要、それが目的だと思います。教育とか研究の質保証というのが、複数大学になったときにどういう形で担保されていくのか、あくまで別々に担保すればいいというシステムなのか、それとも統合するメリットで双方が向上するようにどうしたらできるのか、それは例えば単位の問題だけでなくいろんな問題を含めて検討されるのだと思いますけども、まずは学生とかまたは教員第一という形で、どういう形がいいのかという検討ができればと思っています。

【有川座長】
藤井先生の立場は少し参考になるかと思うんですけれども、もともと法人化したときに、いくつかずつ研究所をまとめて、そこに機構というのを作った。その時点で言いますと、機構長が法人の長みたいな感じになっていまして、研究所の方が学長みたいな感じになっていたんですけれども、せっかく四つの研究所があるんだから四つでないとできないことをやろうということで、四つの研究所がみんな関係するような素晴らしい研究センターができたりしたわけですね。そういったことは、いま議論していることで言いますと、最初二つでスタートしたんだけど、新たにもう一つ大学が必要だっていうので作ったというようなことにも対応するというような側面があったと思います。そういう意味で、新たな可能性もあるということの例としてとらえることもできるように思います。それから、藤井先生のところの、情報システム機構の場合は、データの発生源と、それを処理する研究所が二つずつあるということで実にうまくいっているケースだと思っております。他に、ご意見がありましたら。はい、古沢委員。

【古沢委員】
ありがとうございます。国立大学の法人化後、どのように国立大学が変わったのかというのは、正直言って外部からだとなかなか見えづらいというのがある中で、今回の改革は実際に協議体が、動き出しているところを含めて、大きな変革につながるのかなと思います。目的は大学の経営の強化と効率化、質を高くすることであって、できるだけ魅力ある国立大学を作るための仕組みにすべきだと思います。先ほどから出ております法人の長と学長の役割分担ということは、確かに私学について考えてみると、学長・理事長を兼ねてリーダーシップを発揮されているケースもありますし、伝統的に企業から理事長を迎えて分離しているところもあるかと思うんです。国立大学も様々なケースがあり得るかな、それでいいのではないかと思います。ただ先ほどからご指摘があるように、やはり経営の論理だけで進むということは万一にもあってはならないと。国立大学のミッションという話は黒田先生からもありましたが、教学を重視する仕組みというのは何らかの形で必要かと思います。素朴な疑問として、今、大学間の連携統合というのが論議されているので、この一法人複数大学が、大学そのものの統合につながるケースがあれば、その場合どういう課題があってどういうことが想定されるのかということを整理しておかなくていいのかと。なかなかちょっと話題にしづらいと思うんですが、そういうことも必要ではないかと考えております。以上です。

【有川座長】
はい、非常に大事なご指摘だと思います。当然今後そういった話が出てくると思います。問題は、この時点でそこまで含めて議論しておくかどうかということだと思います。同じ法人になってその法人のもとで教育研究をしっかりやるためにいかに経営を効率化するかですね。その中でそういった選択肢が生まれ得ることは十分考えられますが、そこまでやってしまうと議論が大きくなりすぎて発散してしまうような気もいたします。同時に、そこに関してはそれぞれ法人にお任せするというようなことでうまくいきそうな気もいたします。金子先生どうぞ。

【金子委員】
私はもう、一つを除いてあとの三つのケースは統合しちゃえばいいと思ってるんです。なんで一法人しなきゃいけないのか。わざわざなんで二段階に変える仕組みにする必要があるのか。それぞれ比較的規模が小さいところですから、一定の業種担当をおいてというのは今までいくつもありましたし、いろんな資源を共有するのであれば、むしろ一つの大学にした方がやりやすいわけで、一法人にしたってたぶん資源なんか共有できないですよ。私はなぜ一法人一大学にしてはいけないのかっていうのも一つの論点なんだと思います。

【有川座長】
はい、ありがとうございます。これは、みなさん、ご記憶いただいていると思いますけれども、法人化直前直後の、平成15年あたりに、いろいろな大学が統合されました。その後も法人としての統合がありました。最初は筑波だったかと思います。それから九州大学はちょっと変わっていまして、芸術工科大学と統合しています。それ以外のところは主に医科大学と統合した。ということで、国立大学時代に100か101あった大学が、86大学になっています。ですから、金子先生ご指摘の一緒になっちゃったらどうかというのは、実際には経験済み。ただ2が1になったというような、どちらかというと医大との場合は予算面ではどんどん拮抗していたかと思うんですけど、そうでないところでは実質的に吸収されたような格好の合併というか、統合であったのかなというふうに思います。ですから実はそういうことに関しては経験済みで結構タフになっているのではないかという気がしております。他にございませんか。はい、どうぞ、酒井先生。

【酒井委員】
私一人がですね、教育の場にいない民間の金融機関の長でございます。なので、立場が違うんでございますけれども、何点かあると思いますのが、やはりマクロ的に見ると日本の人口減少と少子高齢化のスピードが、この先30年とか40年の長きというよりは、10年、15年、20年の間に急激に進むっていうのが明らかであって、地方創生のニーズと、それから学生数の減少と、その中でおそらくは競争の能力を高めながら海外からの留学生も呼び込める力をつけるとか、それから国立大学であったとしても、自らファンディングしていく力をつけないと、優秀な先生や生徒を呼べないかもしれない、プログラムを組めないかもしれないっていうのは明らかにあるんじゃないかと思ってお伺いしています。その意味でおそらく参考になるのは、日本の国内にもあるかもしれませんけれども、海外にもあるのかなという気もしていまして、指定国立大学のご議論とか有識者会議のご議論とかあったんでございますけれども、例えば米国の州立大学の80年代、90年代に、州の財政逼迫の中でですね、自ら力をどうつけていったらいいのかというので、非常に頑張っていかれて、それでエンダウメント、企業で言う純資本価値という部分をですね、どう高めていくのかという努力されてきているというのがあると思います。あるいは、シンガポール国立大学のようなところにお伺いいたしますと、企画のヘッドとお話をいたしますと、あちら様では全部ビジネスパーソンらしいんですね。アカデミックなスタッフがいらっしゃらないというのを聞きまして、これ2年位前だったと思いますが、はあと思いました。それで民間におりますと、あともう一つありますのは、冒頭の地方創生等々に関わるとこなんですが、今地方銀行さんが極めてシリアスな状況でして、ビジネスモデル的に破たんしているんではないかと思うんでございます。破たんというと失礼かもしれませんが。それで、地銀さん同士の合併っていうのがかなり頻繁に行われているのはご存じのとおりです。初めはホールディングを使いましてですね、お互いの名前を残しながらやるんでございますけれども、いずれは統合していくとかいうプロセスが結構あるんでないかなっていうふうに思います。あとは経営のところは、教育っていう場のところがやはり価値作りの根源的な部分だろうと思うので、そこは藤井先生がおっしゃられたように、経営っていうのは教育に通じた価値作りってことなので、一緒にやらないと別々にやっているとなんか変な感じですよね。企業で言えば、経営執行委員会executive committeeがあって、そこに色々な選ばれた理事なりボードメンバーがいらして、その中で誰かが選ばれて、全体のヘッドになる。その中にたとえば学長を入れて、どうやって価値作りに、経営にあたるというようなスタイルっていうのは普通の企業からすると普通かなというようにも思われます。すみません。ちょっと全体的な議論でございます。

【有川座長】
ありがとうございました。企業の立場からと、それからアメリカ等における州立大学等の10数年位前くらいの危機をいかに乗り切ったかというなことだと思いますけれども、そういったようなことも参考になるのでないかというようなところがございました。それから寄附、エンダウメントでしょうか、そういったことに言及していただいたんですけど、色々なところで聞かされていることであるかと思うんですけども、寄附関係について今までそういった文化が醸成されていないということがあって、比較的最近では相当頑張っているんですけど、桁というか単位が違うぐらいの開きが、つまり三桁くらい違うのが実情じゃないかと思います。なんとかしなければいけないんだと思います。それから地銀のケースなど、最初は長い名前になっていますけど、しばらくしてスッキリした名前になっていますね。いきなりではなく、プロセスを経ながらやっている。上手なやり方かなと多くの方が感じているのではないかと思います。実際にそのお立場の方にご指摘いただき、よく理解できたように思います。それからなにより人口減少のことっていうのがそもそもの日本のあらゆることを議論するときの元になっているように思います。そのことについても考えなきゃいけないし、それから外国人の学生のことも考えなきゃいけない。これに関しましては、10年ぐらい前と明らかな違いが出てきております。10年くらい前ですと留学生は経済的に大変だろうから授業料をうんと安くしてあげようというような感じだったんですけど、当時のイギリス並みとはいかないでしょうが、留学生の授業料を高くしたって構わないという意見がそろそろ出始めております。可能性としては一考に値すると思います。留学生の授業料を倍にすることができたとすると、日本人の学生の数は少なくなっても実際には大学の学生数が確保でき、法人の収入という面から効果的になるというようなことが日本でも起こり始めているのではないかと思い始めています。ちょっと余計なことを言ってしまいました。他に、ございましたら、どうぞ。

【土井委員】
京都大学の土井でございます。専門は憲法ですので、学問の自由や大学の自治等を踏まえて今後審議に参加させていただければと思っております。制度の一般的な設計というのはやはり難しいものです。というのは、制度は何らかの目的に応じるために設計しないといけないわけですけれども、しかしひとたび設計するとその制度に拘束されて運用されていくことになりますので、慎重に検討をすべき問題なんだろうと思うんです。その意味では、先ほど来何人かの委員がおっしゃっておられるように、今回の議論の範囲を一法人複数大学を認めるということを前提にして、そのためにどういう制度が適当なのかという問題設定をするのか、国立大学法人一般についてどう考えるのかという問題設定をするのかで全然違ってくると思いますし、それに係る審議に必要な事柄も違ってきます。そこのところはしっかり会議の目的を明確にしていく必要があるんだろうと思います。その点について言えば、この審議の期間といい、議論が出てきた経緯からしても一法人複数大学制度を実現したいというおっしゃる国立大学法人があってそれに応えるという形でミッションを明確にしていく方が私は適当かなと思います。あともう一つ国立大学法人の制度を考える上では、先ほど黒田委員がおっしゃられたと思うんですけれど、ここのところには、一応法人の制度になっていますので、法人の長、大学の長、法人内部の機関が書かれていますが、やはり国立大学ですのでその後ろに国がいるわけで、国と法人と大学の三角関係をどう考えるかというところが当然問題になってくるわけです。先ほど国立大学法人制度を導入した際に国との関係が重要であったということをおっしゃられました。どちらかというと国の任命権の問題をどうするかということをおっしゃられましたけれども、逆にですね、国との間で大学がどのようにして自立性を確保しながら運営していくのかということを考える上でも、法人の長と大学の長など、たくさんの長が出来始めますと力関係、権限関係の整理が非常にややこしくなってきます。現在の法人法には、この点を非常にシンプルに整理をすることで大学の自立性を明確にしていくという意義もあったところです。ただ今回は、一法人で複数の大学を認めることに一定の意義があると考えた上で、どういう制度にするのかということだろうと思いますので、その辺についても考えないといけないかと思います。最後に、法人が教学を行う組織と離れた場合に、法人の責任の所在を明確にする制度はなかなか難しいと思います。利益そのものをただただひたすら追求するというシステムではありませんので、法人の評価をどうするのかというのは非常に難しい問題を孕んでくると思います。法人に一定のイニシアティブを認めていくということであれば、当然それに対する責任の所在をはっきりさせていかなければなりません。この辺りをどう考えるのかというところが重要であろうと思います。

【有川座長】
ありがとうございました。特に最後のところ、あまり議論されていないと思うんですけれども、別になった時の法人としての責任、あるいは評価についてはしっかり議論して、詰めておかないといけないと思います。法人を別にしたら、経営ということが前面に出るからいいだろうというくらいで、つきつめられていないような気がいたします。大事な点をご指摘いただきました。それから、制度を目的のために作るわけですけど、今度はその制度に引きずられていくということはこれまで様々な改革、法律も含めまして、通じて経験してきたところでございまして、そのことを肝に銘じてやっていかないとと思います。それから、先ほど黒田先生からのご指摘についても言及していただきましたけれども、端的に言いますと大臣発令されているということ、これをどう考えるかということですけども、この辺につきましても法人の長と教学の長とを分けるとすると、それをどうするかという問題が出てくるように思います。国立大学法人としての改革をやっているということですので、そこまで手を付けるかどうかという問題があるかとも思います。法人の長につきましては、大臣に発令してもらうとしても、学長をどうするのか、学長までそうやった方がいいとか、学長は別だとか、ここでもいろいろな考え方があるのかなと思います。それは論点の整理をしていただいている資料8で言いますと、任命の手続きでとかそういったところに含まれるのかなと思います。大事な点をあげていただきました。他にございますか。はい、どうぞ。

【金子委員】
土井先生のお話を否定するわけではないですが、問題はですね、一法人複数大学化をきちんと法制化していくと、現在の国立大学法人制度自体の在り方を相当考え直さなければいけないことになる可能性が私はあるだろうと思いますね。それを一応覚悟して議論するのはどうかということは考えておかなければならないだろうと思います。

【有川座長】
ありがとうございます。それをいじると、そもそもの法人法というものをもう一回考え直さなければならない、そういう話でございます。一方で、簡単に言いますと、今は一法人一大学なんだけども、一に対して一も含めて複数あっても構わないという、そういった単なる一般化として考えれば、割とすんなりいくところがあるかとは思います。先ほど土井先生がおっしゃいましたように制度を総じていじるとそこから生まれる色々な問題もあるので、そこについてしっかり議論していかなきゃいけない。まあそういうことで考えられる問題提起というようなことをざっと事務局の方で整理していただいていると思います。それでどうでしょうか。今おっしゃったこと、非常に大事なんですけれども、そこまで考えますか。ここ調査検討会議のような議論を何段階か行った上で、時間をかけていまご指摘のような根本的問題を具体的に解決していく、というやり方も現実的ではないかとも思います。はい、藤井先生。

【藤井(良)委員】
少なくともこのシステムが動くと法人格を持つ大学と法人格を持たない大学が生まれることだけは確かなので。そのいわゆる大学自体に法人格、複数大学の場合には大学は持たないのですよね? それは持つのですか? ようするに、上の方の一つにしたところが法人格を持つのであって、一法人の中に二大学があると、そういった時に大学自体は法人格を持つのでしょうか。いや、あの実施しないところは少なくとも一大学が一法人になっているということ、現実そうなっていると思うのですが、それは変わらないのですか。

【事務局】
現行の法令上は、現在でも大学そのものは法人格は有していないというということに整理されています。

【藤井(良)委員】
そうですか。はい。そうするとその点では変わらなくて、有川先生おっしゃったみたいに、一法人一大学、一法人二大学というそういう形のことですね。

【黒田委員】
最後の話、私学の場合でも一緒ですね。法人格というのを法人が持っていて、大学をいくつ持っていようが法人格はない。

【金子委員】
ただこれは、日本に非常に、特に日本の私立大学に固有の制度でありまして、これを本当に国立まで延長するのかどうか私非常に大きな問題だと思います。一般的にはですね、法人と大学そのものが重なっているというのが一般的な姿ではないかと思います。もし分かれることが可能なのであれば、現行の国立大学法人についても、国立大学法人法が適用されている部分と、学校教育法が適用されていていると考えられている部分と、どのように関係しているかというのをはっきりしなければいけなくてですね。例えば、学長の地位なんて考えてみると、両方から規定されているんですが、これどっちの規定なのかっていうのもかなり大きな問題であって整理しなければならない。これかなりいろんな問題を引き起こすと思います。これあくまでも私立大学のイメージでですね、大学を設置するのは法人、設置されているのは大学っていうのは日本的な虚構でありまして、もともと歴史的な経緯がずーっとなってるんですが、これが本当に一般的だとは必ずしも言えないと私は思います。

【有川座長】
非常に大事な問題なんですけれども、この辺につきまして何かご意見ございましたら。はい。

【事務局】
ご議論いただいてありがとうございます。今後のアジェンダ設定につきましては、もちろん座長ともご相談の上ですね、事務局としてもしっかり整理しながら進めていっていただきたいと、思っていただけるようにしてまいりたいと思っております。その中で今いろいろご議論出ておりますけども、経営と教学を一致していた方がですね、理事長と学長が一致している方が全般的にはいい、その経営教学が推進されるのではないか、こういうご議論の前提として多くの先生方からあったかなと思います。その仕組みを今現在の国立大学法人法システムはとっているということですけども、逆に言いますと、今の国立大学法人法制度はそれ以外のシステムを認めていないとということでもあるわけでございます。今回ご用意をした、これまでの経緯の中でもですね、多様な経営の仕組みを認められるようにするというような観点での記述もあるわけでございまして、こういうことをどう考えるのかというような点からこの議論をスタートしていただいてもいいのかなと思っております。今回のアジェンダの基本的な設定は今後検討しますが、基本的にはですね、この会議自体は一法人複数大学制度そのものをどのように形作っていただくのかっていうことでの検討会議のミッションでございますので、それから議論していただくんだろうというふうに考えておりますけれども、ただ、そのこと自体をしっかりと議論していこうとすれば、金子先生がおっしゃるように経営と教学をどうするのかというふうなことに派生をする可能性はもちろんありますので、そこは私どもとしても整理しながら議論を進めていただくと。ただ前提としては複数大学制度をどうするのかということでご審議いただくのかなというふうに今は考えておりますが、また座長とご相談しながらいきたいと思います。その上で、先ほどお示しをしております論点の中で、1、2、3番とありますけれども、その3番のところでは、この複数大学制度を設けた場合に、この制度設計の中でいろんないい点があるんじゃないかということが出てまいれば、それは一法人一大学の中でも取り入れられるようなそんな仕組みも考えていっていただけたらなというふうに思っております。

【有川座長】
今、事務局からございましたけども、私たちは国立大学法人をどうしようかということを議論するわけではなくて、冒頭に申し上げましたように、6月に閣議決定されていること、今日の中教審の答申といったようなものを受けて、一法人複数大学の検討を始めているようなところがあるわけですけれども、それに応えていくためにどうしたらいいかということを議論する場所であると思います。そういう意味で制約がかかっていますが、議論をする中で、先ほどから金子先生や他の委員からご指摘があったような、今国立大学法人が抱えている問題をどう解決していくのかについても、考えてみたらどうかと思います。そういった議論を通じて、新たな課題が、ソリューションが見える形で浮かび上がってくるんではないでしょうか。それらについては、その時にまた議論していくということになるのではないかと思います。そういうことであまり大元に戻りすぎないように議論を先に進めたいと思います。はい、どうぞ。

【黒田委員】
一法人で複数大学を持つということが大前提で議論することになりますけども、大学の長が法人の長を兼ねるという、そういうことは私はいけないと思います。法人の長が学長を兼ねる。逆ですね。法人の長の方が組織としてはトップのはずなんですね。それが逆になって、学長の方が法人の長を兼ねる、そういう言い方をされたのではこの法人は成り立たないというふうに思います。ここで問題になるのは、法人の長の役割、責任分担がどうなっていくか、それからそれぞれの大学の学長の役割というのはどうやって決まるか、法人の長と学長との関係はどう作るんだというのが最大の論点になると思うんです。私学ももうすでに複数大学を持っている法人がたくさんあるわけですね。そういう中で、我々いろんな大学を調査しているんですが、うまくいっているところといっていないところはやっぱりこの理事長と学長との関係、この辺りがしっかり機能しているところはうまくいってるんですが、バラバラになっているところは全然機能していない。片方は大変な赤字の大学、片方は黒字の大学というところもあります。それから法人として全体をしっかりコントロールすればそういうことにならないですね。だから、そういうことをちゃんとやれるような仕組みにすべき、そういうことが私は大事だろうと、そういう意味での一法人複数大学を作るときの一つの物差しになるだろうというふうに思っています。

【有川座長】
ありがとうございました。他にございませんでしょうか。もうあと10分程度ございます。

【酒井委員】
では、民間企業の観点で申し訳ないんですけども、ホールディング組織を作るときの経営のモチベーションなんですが、一般的には経営の自由度を高めるという言葉はよく使われるかと思います。例えば、いい例かわかりませんけれども、相互保険会社っていうのが日本にあって、mutual company、第一生命さんなんかが相互会社から上場して、さらにその上でホールディング化していって、海外でも何店もやりながら全体的な企業価値を高めてきたとかそういう事例は結構あるわけで、ホールディングを作った後もまたその先の広い意味での教育としてのビジネスモデルのご展開というのもおありでしょうから、そういう意味での観点は大事だと思いますし、それからあとは、フレキシビリティとか自由度っていうのですか、あんまりこうじゃなきゃダメっていうよりはこういう時代だからこそですね、国から見たガバナンスはおさえながらも、いい意味でのガバナンスがきいた自由度っていうのは持った方がいいんじゃないのかなという感じはします。

【有川座長】
ありがとうございました。ホールディングスの例をとって、自由度を確保することが大事だということをご指摘いただきました。今回の一法人複数大学においても、そういったことが可能になる。これまでのやり方が自分たちのところはベストだというところはそれでもいいだろう。そういった自由度のことだろうと思います。そうした可能性は当然残しながら、議論していく。新たにあの大学と一つの法人として一緒になりたいというようなところには、その道が開けるようにしておきたい。それをやるとどういった問題が起こってくるか、その問題を解消するにはどうしたらいいか、というような種類のことをこの場で議論していただくということになろうかと思います。酒井先生ありがとうございました。他にございますか。金子先生よろしいですか。

【金子委員】
私が異論を持つと言われているような感じがいたしますが。ただ私は、自由化、国立大学の多様化を進めるべきだと思います。例えば、今授業料が話題になっていますが、授業料について一律という体制自体はこれはもう考え直さざるを得ないという段階に来ていると思います。そういった意味でですね、個々の国立大学の自由化はこれに増して非常に必要になっていることは事実です。ただ一法人複数大学がそれの一つかというのは私は違うと思います。むしろ一法人に閉じ込めることによって、むしろそういう自由度がなくなる可能性もある。それから多様性についてもですね、一つ例に上がっている名古屋大学と岐阜大学はかなり違った大学ですが、この一つの法人に閉じ込めることによってどういうメリットがあるのか私はちょっと理解できません。これは個別の大学はそのままにして、部分的に協力できるところを協力してということがむしろ非常に重要なのではないかなと思います。そういう意味でですね、自由化については全く賛成ですけども、その話が一法人複数大学の話に結び付くかということはちょっと微妙です。

【有川座長】
多様性という言葉はおっしゃいましたけど、そういった意味では選択肢を増やす。国立大学法人としては、これまで10数年にわたって相当な勢いで改革をしてきたつもりなんですね。それぞれの大学はそう思っている。それでもまだダメと社会的には言われている。それから先ほどご指摘ございましたように、外的な要因としまして人口減ということなどもあって、それに対してしっかり対応するためには、こういったことがあるではないかということを様々なところから指摘されて、今日に至っているんだと思います。その中の一つとして一法人複数大学というのがあるだろうということで、こういった格好になっていったと思います。そういった可能性を用意しておいて、そしてそこに入っていく。入っていって、たぶんそこにじっと止まることはないし、しばらくしたらまた違うところに進もうという場合だってある。そういう意味では多様性と自由度を残しておくことは非常に大事だと思います。それでも議論の中でしっかりおさえながら、どっちかに押し込めるというようなことに決してならないような議論をした方がいいのかなと思います。ありがとうございます。はい、どうぞ。

【森迫委員】
統合の話がさっきからこうずっと出てまして、もともと今も金子先生おっしゃって、私も、もともと連携という話があったんですね。だから連携・統合の可能性というのがあって、連携のプラットフォームとか、どういう可能性があるのかという議論を頭に置きながらこの話ができたらいいのではないかと思っています。それが多様性の話でもあるし、その辺がちょっと忘れてしまうと、どこか変なところに行っちゃうかなと思ったりします。よろしくお願いします。

【有川座長】
法人としての統合、それから法人同士の統合とかですね、そういったようなことはあったわけですけども、連携につきましても様々な形態があると思います。特にネット社会ですので、コンピュータ、AIとか、そういったようなことも使いながらやっていきますと、教育が効果的かつ効率的にできる、技術的には、そういった時代であります。したがって、これからは連携も非常に具体的な形になっていくのではないかなという気がします。それも排除せずに同じように考えて、この中である程度議論できたらと思います。はい。

【村田委員】
先ほど黒田先生が、私立大学では、それぞれ学長と理事長の関係でうまくいっているところとうまくいっていないところがあると言われましたが、あくまでもそれも人に依存しているんですね。この学長、この理事長だからうまくいってるというわけで、あるいはうまくいっていないわけで、あるいはこのAさんとBさんの学長と理事長の関係だからうまくいっていないと、そういうふうに人に依存してしまうというようなところが多々あります。そういうことが起こらないように、基本的に制度としてうまくいくような制度設計がすごく重要なんだろうなと思います。冒頭、私が教学と経営が一体化ということを言いましたが、必ずしも学長と理事長が一致という意味ではなくて、例えば学長が、本学もそうですが、副理事長ということはあり得るだろうし、とくかく経営と教学が一体化していくていくことを考えないといけない。しかしながら、その制度を考えていく、一法人複数大学を考えていくなかに、先ほど金子先生も何回かおっしゃっているように、これを決めたことによって、あるいは一般化するときにいろんな道を閉ざしてしまっている、そういう制約をしてしまってはならない。ある意味ではこの個別の事象として考えるんだけど、より一般化して普遍化したときにどういう影響を与えるかっていうこともある程度考えていかないといけないと思います。たぶんそういうことを金子先生はおっしゃっていると思います。その意見には賛成です。そこは広くある意味念頭に置きながら考えることも必要だろうなと思います。

【有川座長】
大事な点でございます。こうして集まって議論するっていうのはまさにそういったことだろうと思います。なにか制度を作ることによって生じる不都合をですね、あらかじめ予想できるようなことはしっかり配慮しておかなければいけないだろうと思います。それからいずれにしたって人に依存する。これは大学だけではなくて企業でも同じだと思うんですけれども、そう言ってしまわないように制度としてはしっかり作っておく。もちろん、制度がしっかりしていたって今おっしゃったようなことが当然起こるわけですね。実際に政治の世界なんかでも明らかに起こっているわけでございますが、そういったことがあんまり起こらないようないい制度設計をしなきゃいけないということだろうと思います。他にございますでしょうか。一応、3時25分まで議論をするようにと進行メモには書いてありますが、ちょうど時間になりました。今日は議題を特に定めずに、全体の我々は何をしなければならないか、現状についてどうか、背景その他、大体考えられるような資料については用意していただいた上で、自由に議論をしていただきました。その中には、ここだけではなくて、もうちょっと上位の委員会などでしっかり議論しなきゃいけないというようなことも入っていると思いますが、そういったことを排除するのではなくて、議論はしっかりして、それをまとめて顕在化させていくということも我々のこの調査検討会の務めではないかと思っております。これから短期間でございますけれども、皆様方の総意をいただきながらいい形の議論ができればと思っています。本日はありがとうございました。次回は、本日いただきました議論を踏まえまして、より詳細な議論をしていくということになるわけでございますが、今日冒頭でございましたように次回はプレゼンをしていただくということで、先ほどから話題になっております四つの大学のグループから構想などをお伺いして、議論していくことになります。そういうことで次回は非公開とさしていただくということになっております。それでは私の方からは以上でございまして、本日はどうもありがとうございました。次回等につきまして事務局の方から説明がございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】
はい。本日は大変活発なご議論をいただきましてありがとうございました。次回、資料10のとおり、今座長の方からご案内いただきましたとおり、10月16日火曜日でございます。統合を検討している国立大学法人をお呼びしてヒアリングをする予定としておりまして、ここに関しては非公開とさせていただきたいと思います。第3回につきましては、またできるだけ早めに日時の方をご案内してまいりたいと思います。また、今日の話で出た中からですね、例えば海外事例等についてのご意見も出ましたので、実は今資料をいろいろ集めております。ですので第3回の時にはそういった資料もお入れしたいと思っておりますし、先ほど森迫委員の方からあった連携の話に関していうと、例えば今、現在中央教育審議会の中で連携統合に関する連携推進法人のようなものですとか、プラットフォームのような話も出ていますので、その辺の資料を適宜準備させていただきたいと思います。またなにか別途ニーズ等がございましたら、事務局の方に言っていただれば、鋭意準備してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【有川座長】
ありがとうございました。

(以上)


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-- 登録:平成30年11月 --