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大学における工学系教育の在り方に関する検討委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成29年4月27日(木曜日) 9時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 講堂

3.議題

  1. 工学教育改革(中間とりまとめ)について

4.出席者

委員

浅見委員、天羽委員、石川委員、大西委員、小野寺委員、川田委員、黒田委員、幸田委員、関委員、永里委員、中村委員、名和委員、沼上委員、三島委員、利穂委員

文部科学省

常盤高等教育局長、松尾大臣官房審議官(高等教育担当)、浅野専門教育課長、福島専門教育課企画官、辻専門教育課長補佐

5.議事録

【浅野専門教育課長】  おはようございます。所定の時刻となりましたので,第3回の委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては,御多忙にもかかわらず,本会議に御参加いただきまして,誠にありがとうございます。
 本日は,江村委員,土井委員,西尾委員が所用により御欠席となっております。三島副座長もちょっと今,遅れておられます。
 本日の議事進行は,小野寺座長にお願いをさせていただきます。


【小野寺座長】  おはようございます。それでは,まず,事務局から配付資料の確認をお願いします。


【福島専門教育課企画官】  配付資料でございますが,お手元の議事次第にあるとおりでございます。資料1が取りまとめのイメージ,資料2として,今後のスケジュール,資料3として,第2回の議事録をお付けしております。それから,参考資料1として,報告書,2,3で経済同友会の報告書,4として,グローバル人材の資料をしています。その他のメイン席の方には,フラットファイルで前回までの配付資料をお配りしております。不足等ございましたら,事務局にお申し付けください。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 それでは,本日はマスコミは入ってないですよね。
 それでは,議事に早速入りたいと思います。
 まず,議題1でございます。「工学教育改革(中間とりまとめ)に向けて」でございます。
 これまでのワーキンググループで議論いただいた内容,及び,実地調査の結果について,名和委員はじめ,ワーキンググループの方々から御報告をお願いします。よろしくお願いします。


【名和委員】  それでは,ワーキンググループの主査の名和の方から,ワーキングでの検討状況について,資料1に基づいてお話をさせていただきたいと思います。
 まず,資料1の一番最初のページにございますように,前回も御報告しましたが,1月26日に第1回,2月23日に第2回のワーキングの方を開かせていただいております。
 第1回の方では,現在の工学教育の課題について,これを抽出し,議論するということをさせていただいておりまして,議論をどのように整理して,どのように活動していくかということを決めさせていただいております。
 この内容につきまして,参考資料1を用いて,少し振り返りたいと思いますが,よろしいでしょうか。
 参考資料の方の1にございますように,工学系分野における理工系人材育成の在り方に関する調査報告について,3月末に取りまとめたものでございます。
 ちょっと厚いものでございますが,そちらの方を見ていただきまして,まず,34ページの方を見ていただきますと,少し飛びまして,その次のページに参考資料というところが出てまいります。
 副座長にちょっと説明しておりますので,34ページを開いていただきますと,参考資料というのが出てまいりまして,そこの4ページの方を見ていただきたいと思います。そこに参考資料のワーキングでの主な意見が出ておりますので,そこを見ていきながら,少し振り返りたいと思っております。
 まず,検討すべき基本的な考え方ということで検討させていただきまして,そこにありますように,教育人材育成のシステム確立には,長期的な視点が必要である,グランドデザインが必要であろうと。目標とする将来社会の姿をデザインして,その達成に向けて教育改革を検討するということを考えさせていただきました。
 あと,「理学」と「工学」ということが議論になりまして,「理学」と「工学」は学術として類似するものの,「技術」に対する距離感にかなり相違があり,理学と工学を切り分けて議論する方がよいというふうにさせていただきました。すみません,資料,大丈夫でしょうか。


【常盤高等教育局長】  34ページまでめくっていただいて,そうすると,参考資料が出てきますので,そこの4ページ。


【名和委員】  すみません,解説が悪くて,局長,ありがとうございます。一応分かりやすく言ったつもりでしたが。


【小野寺座長】  34ページがたくさんある。


【常盤高等教育局長】  そうなんです。


【名和委員】  そうなんですか。最初のやつの34ページをめくっていただいて,参考資料が出てまいりましたので,そちらの4ページと。すみません。分けて編集すればよかったんですが,申し訳ございません。
 そこのところで,今,考え方でございまして,グランドデザインが必要ということと,「理学」と「工学」を分けて議論すべきだということをお話しさせていただきました。
 あと,次に,人材というものについて考える必要があるだろう。どういった人材を育てるかということがございまして,トップ人材を育てる教育と,それを支えるフォロワー人材を育てる教育とではかなり性質が異なっている。さらには,総合大学,中堅の大学等での教育で求められているものは異なっているために,各々を分けて体系化することが必要であろうというようなことを基本方針とさせていただきまして,議論を続けさせていただきました。
 その際に,次のページにございましたが,大学と企業でやはり教育しているわけで,そこのところで切り分ける必要があって,大学でどこまでできるのかということも議論する必要があろうということが提案されて,それを考えさせていただいております。
 次に,具体的な論点としてどういったことにするかということでございましたが,育成を目指すべき人材像ということで,いわゆるそこに,最初の段落にございますように,こういった非常に変化が激しい社会で,どういった課題があるかということを発見して設定し,そして,解決できるような,しかも,多様性があるような人材を培うことが必要であろうということになりました。一番下の方の段落にございますように,国の方針でございますSociety 5.0において必要とされる人材,これの育成も非常に大切であろうと。
 次に,育成すべき人材像ができましたので,どういった人材を育成するのかということになりまして,やはり一言で,工学系教育というもので目指すものはあるわけですが,これを全て工学系人材に要求するというのは難しいというのが,その2の一番,二つ下からの段落に書いてございます。やはりある程度の工学教育において,ダイバーシティが認められる必要があるだろうというふうにさせていただきました。
 次に,学部・大学院の教育に対して,どう充実させるかということで,これは大きい項目だけ言わせていただきますが,企業の求める工学の基盤教育というのがあり,それは何であるかということについて議論をさせていただきまして,専門基礎というのが非常に大切であるという議論をさせていただいております。
 次のページを見ていただきたいと思いますが,次にありますのは,今までの工学教育というのは,その1にございます,下の方にございますが,学科や専攻というのが決まると,そこで教育プログラムが決まり,専門性が決まるということになっておりましたが,もっと融合的なものを作るという必要で,従来から言われている学位プログラムをこれを積極的に移行させる必要がある,こちらの方に積極的に移行させる必要があるだろうということになりました。そのために,次のページにございますように,社会のニーズに対応した柔軟な学位プログラムの構築と他分野の融合を推進するといった学位プログラムを作っていく必要があるだろうということが検討課題として出されたわけでございます。
 次のページを見ていただきますと,先ほどのSociety 5.0を支えるような人材を作るためには,9ページにございますように,情報科学技術の共通的な基盤,横串的な教育を充実させる必要があるだろうということになっております。議論の方については,詳細はそこに出てございます。
 それでは,それを実現するためにはどういった教育をする,特に年数制をどうするべきかということが議論になりまして,いつこれを,どういったこういった教育科目を,どの専攻でいつ教えるかということは非常に大切であるということになりまして,それがその全体像のところで書いておりますが,学年制の問題としては,これを大学で分ける必要があるのか,さらには,大学内でコースで分けるのか,大学の中でも,4年制,6年制,9年制があってもいいんではないか,もっとダイバーシティがあるような形にする必要があるんではないかということが議論されまして,4年制,6年制,9年制について活発な議論をさせていただいてというところでございました。
 次に,かなり飛びますが,14ページを見ていただきたいと思います。産学連携ということが非常に大きいことになるわけですが,産学連携のような学位プログラムを作っていく必要があるだろう。そのためには,産業界と大学の間で教員人事の交流も推進しなければいけない。
 次のページを見ていただくと,大事なところでございますが,産学連携による協働プログラムの開発・提供ということで,インターンシップということが言われておりますが,最近の報道では,一日インターンシップというのも出てきておりまして,インターンシップにかなり幅広になっている。こういったインターンシップの在り方についても議論をさせていただいているというところでございます。
 次に,産学共同研究を通じた博士課程へ社会人学生の受入れを推進する必要がある。学び直しについてもこれを検討しなければいけないというふうにさせていただいて考えようと。
 その次は,余り議論,ワーキングの方でその後で議論はできなかったわけではございますが,高大連携というのが非常に大切である。要するに,接続が大切であるということは言われておりまして,特に高校で工学というのが十分に教えられてない。その工学が何であるかということが分かるような関心を醸成するような教育が必要であろうということがそこで議論されました。
 次に,従来から言われておりますような国際化というのが大切でございまして,議論した項目だけ申し上げますと,次のページにございますような多様な諸外国の考え方を学ぶ機会をいかに提供するか。さらには,海外大学とのネットワークをどうやって強化するか。次に,海外インターンシップの在り方について,どの程度のスキルまでを持たせるのを考えるか。さらには,それを推進するためには,教員の国際化ということが必要でございまして,こういったものについて議論させていただきました。
 資料1に戻っていただきますと,次に,この資料の第2回の方では,今,基本的に抽出されました課題,さらには,それをどういった形でストラテジー,戦略としてまとめるかということについて議論を続けさせていただきまして,四つの柱にこれをまとめようということでさせていただきました。
 一つの,第1番目の柱が,育成する人物像や分野の特性に合った学年構成をしていく必要があるだろうということで,これは学年構成を,先ほど言ったように,より柔軟化する必要があると。


【浅野専門教育課長】  資料1ですね。また先ほどのこの横のこの資料に戻っていただいて,先ほどの資料から。


【名和委員】  すみません,フォローしていただきまして。よろしいでしょうか。
 それでは,第2回のところにあります,そこに括弧の中で閉じているものでございまして,第1の柱でございますが,育成する人物像やその分野の特性に合った学年構成を実現するためには,先ほどあったように,学年構成が4年,6年,9年という意味で,いかにこれを柔軟化させるかということが必要であろうということで,一つの柱とさせていただきました。
 第2の柱は,学科・専攻の構成をいかに柔軟化,柔軟に運用するかと。先ほどありましたように,学位プログラムという形にするためには,ここら辺の柔軟な運用が必要であり,そのためには,教員の雇用形態が多様化する必要があるということで,第2の柱とさせていただいております。
 次に,第3の柱は,そこに書いてございますように,工学基礎力・展開力というものをいかに強化するか。基礎教育というもの,ございますが,その上に乗ってきます専門基礎,さらには,それを発展させた専門教育というものを強化し,広範な分野と工学を融合化する必要があるということで,第3の柱とさせていただいております。
 第4の柱が,情報関係教育,Society 5.0を支えるそこの強化をするということでございます。分野に応じた情報関連スキルの向上をそこで果たすということで,四つの柱を作らせていただきまして,前回のこちらの委員会,3月10日開催の委員会について,これを検討していただいたわけでございます。
 次のページを見ていただきますと,そこで親委員会の方からの検討事項についてということで,下の方の丸が書いてございます。そこの議論の内容を集約させていただきますと,PBL教育の目的・内容,PBL教育というのは非常に大切であるけれども,その目的とか内容について議論する必要があるだろう。さらには,そういった意味で,卒論,かなり修士課程に進学する学生がいた場合について,それが修論がある場合については,その卒論が必要であるかということについても議論する必要があるだろうということでございましたので,これについて検討するということにさせていただいております。
 2番目には,産学連携教育の推進という意味で,先ほども申し上げましたが,インターンシップの目的・時期・内容というのが非常に大切であり,例えば学年の初期で気付きの教育という意味では非常に大切ではないかという御指摘がございましたので,これについても検討させていただきました。
 先ほどの第4の柱までに国際化の推進というのが十分盛り込まれていないという御指摘がございまして,これについても検討するというふうにさせていただいております。
 そういった意味で,この第3回のワーキングでの検討をさせていただきまして,特に2番目と3番目については,もう一つの柱を作る必要があるだろうということで,そこにございますように,第3の柱というものを作りまして,社会とつながる工学教育,産学界・海外との積極的な連携・交流というもう一つの柱を作らせていただいて,1から5の柱というふうにさせていただいております。
 若干の文言は違っておりますが,ほかの柱についてはほぼ同じ内容でございまして,ただ,順序が違っているのは,どのものをやはり重点的にするかということで順番を変えさせていただいているというところでございます。
 これに基づきまして,第4回,もう一度議論させていただいております。その結果としまして,そこでは,具体的なこういった戦略は決まったけれども,これをいかに幅広に工学教育に反映するかという実際のアクションプランはどうあるべきかということで,具体的な方策についてこれを考えるということをさせていただいております。きょう今回,この後に,石川委員の方からこの詳細については御説明していただくとい形になってございます。
 あと,もう一つ付け加えますと,そこの大学ヒアリングというのをやっておりまして,具体的にかなり各大学では特徴的な工学教育をやっているということについて報告もしておりまして,当初14校というのをそこに書いてございましたが,実際には1月から3月というかなり短い期間でございましたので,12校でこのヒアリングを実施しております。
 以上がワーキングでの検討状況でございます。ありがとうございます。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 それでは,この後,実地調査の所見について,お願いしたいと思いますけれども。


【名和委員】  私が最後で,天羽先生が,委員の方が資料的には早いと思いますので,どうしましょうか。私からしますか。


【天羽委員】  そうですね。石川さんは。


【名和委員】  すみません,譲り合いの精神で,申し訳ございません。
 それでは,主査の方から少し御説明をさせていただきたいと思いますが。
 実は,これにつきましても,ヒアリングにつきましても,先ほどの参考資料の方で,これが取りまとめられているというところがございます。
 まず,どの学校でしたかということにつきまして,参考資料の方を見ていただきまして,ページでいきますと,3ページ,最初めくりまして,3ページを見ていただきますと,ヒアリングが実施されました学校名がそこにございます。岐阜大学が2月21日でございまして,最後が電気通信大学で3月15日,各ワーキングの委員の方々に精力的にここでヒアリングをしていただいたというものでございます。
 ヒアリングの内容につきましては,そこのヒアリング調査概要ということで,目次の方を見ていただきますと分かりますように,21ページというところになりますので,21ページの方を見ていただきたいと思います。これもどこの21ページかと言われると。
 一応そこに,調査結果ということで,ヒアリングの内容が出てございまして,大体ヒアリングの共通事項としまして,教育体制・教育課題の在り方ということで,学部・研究科の構成の統合を進めるケースが多く見られております。そこにありますように,学科を統合しまして,1学科複数コースへ変更するというようなこともされておりまして,その理由としては,時代の要請に応じてフレキシブルに教育プログラムを変更しやすくするということを狙っているものがあるということが書かれております。さらには,6年制一貫教育にすべくカリキュラムの改訂を行った大学も多いということがございました。
 そういった意味で,じゃあ,こういった非常に特徴的なことをやられているわけですが,問題や特徴や課題もないかということでいきますと,課題もかなりあるということがございます。特徴としましては,基礎教育を重視する大学が多いと。かなり,見てみますと,基礎教育というのを課題として基礎教育を重視しているということが分かります。次に,分野の融合化を進める大学も見られるというのが22ページでございまして,かなり,見てみますと,分野が融合してきているというようなことがございます。次に,アクティブラーニングやPBL,プロジェクト・ベースド・ラーニングに力を入れている大学も結構ございました。
 メジャー,ダブル・メジャー,メジャー・マイナーと言ったり,いろんなことを言われておりますが,副専攻をこれを取り入れている大学も結構あるということがございました。
 次に,目指す工学教育の在り方についてということでございまして,そこに書いてあるような多種多様な意見が出ているというようなことがございまして,急速な,2番目にありますが,急速な産業構造の変革に対応できる教育,実学主義で産学連携に力を入れると,こういった辺りはかなり各大学,力点が入っているなというところも見えます。
 これからの時代や社会に向けて,どのような工学系人材を育成すべきかということでは,問題としてもあるわけですが,博士課程の学生は半数が留学生であると,日本人学生が非常に少ない。その他,次のような,学士はジェネラリスト,博士はスペシャリスト,修士は中間のようにしていく必要があるんではないか。かなりそこのところで,学士,4年制と9年制では違う人物像を作っているというような意見も出ていたということがございます。
 次に,研究と教育に関する教職員の評価方法,この教職員,どういった評価をするかということが非常に問題となっておりまして,研究面ではかなりこれが評価できるわけですが,教育面でどういったような評価をするかといった辺りがかなり難しいというような感じでのことがございました。
 あと,卒業研究はどういうふうに位置付けられているかということでございまして,先ほど,卒業研究は必要か,不必要かということでございますが,これはアクティブラーニングの一環であるというふうに位置付けている大学もございました。卒業研究の効果を測定する取組も結構ございまして,ルーブリックを導入したりしているという大学もあるということがございました。
 あと,産学連携としましては,アントレプレナーシップ教育というのがされているという大学が結構あったというのがございました。
 あと,大きくいきますと,インターンシップ等についてですが,これは後で議論していただくということで,国際化の推進ということがございまして,結構,各大学とも,国際化には非常に積極的でございまして,日本人学生をいかに留学させようということを推進しているというところがございます。
 ほかについては,大体見ていただければというところでございます。
 あとは,具体的な大学での状況というのを少しヒアリングをした先生たちの意見を言っていただくのが一番いいと思いますので,最初に,天羽委員の方から御説明をよろしくお願いいたします。


【天羽委員】  そういうふうにおっしゃっていただければ,私も用意はできていなんですけど,最初振られてしまうと,ちょっと私もびっくりしましたけど。
 私は,きょう隣にいらっしゃる関先生と,長崎大学と,それと,福岡工業大学へ行ったんですけれども,私のほうからは,福岡工業大学に関して,少しキーのポイントを話をしたいなと思うんですけど。
 非常に私的に思ったことは,学生の二極化がものすごく進んできているというのがあります。先生からも実は指摘があったんですけれども,学生さんとのヒアリングの中で,そういう言葉があり,学生さん自身がそういうことで非常に心配をしているというようなことがありました。
 福岡工業大学は,これは私大ですので,国立ではありません。ですから,少し国立とは違った面があるのかもしれません。だから,私大の先生からは,是非,文科省さんからいろんな財政面でのサポートが欲しいという,そういう言葉しかでなかったんですけれども,ただ,学生さんの意見を聞いてみますと,その二極化の件がありました。
 あと,女性の方は,ここの福岡工業大学というのは1学年が確か約1,000名ぐらいなんですね。それで,大学院に行くのが120名ぐらいなんですけれども,その中で,女性の方も2割近くいらっしゃるんですけれども,でも,女性の方はもうほぼ大学院には行きません。もうほとんどの人は大学院に行かずに学部を卒業して就職をすると。
 その中で,ちょっと女性の学生さんが言っていたんですけれども,どうして工学部に来たんですかというのを質問の中でしたんですけれども,高校のときに,何となく先生に言われて入りましたと。もうその方も就職がほぼ決まったのかな。自分の中でも,やっぱり学部4年生で何をやりたいのかということを見付けることができなかったと。女性の方は,ほぼ,ほぼそのまま学部を取って大学院に行かないんですけど,やはりなかなか学部の4年生のときで何をしたいかというのはなかなか見付けられなかったということが私には非常に印象に残っていたなと。
 それから,高大接続とは言わないですけれども,高校のときにいろんな位置付け,要するに,高校からそのまま大学に入ってきて工学部に行くとなると,どういうふうに自分が次に行きたいかということを,あまり考えていない,こういう方がどんどん増えていくのかなというのが少し印象的な面でした。
 あと,ここで学生さん,これ,大学院の学生さん,あと,ドクターに行っている学生さんだと思うんですけど,やはり学部のときには心理学をやりたいとか,本当に自分が取ってきた専門だけではなくて,もうちょっと違う分野のこともやりたかったと。でも,現実的にはなかなかそういうことが,必修ではないので,できなかったというコメントが非常に多くありました。
 あとは,インターンシップにも積極的に参加したかったと。でも,今のシステムではとても難しいので,できるのであれば,クォーター制,もう既にクォーター制を取っていらっしゃる大学というのはもう日本はあるんでしょうけど,ここはやってなかったんですけれども,そういうのがあると,積極的に外の接点をつくるためのインターンシップができるんじゃないかなと。だから,そういうようなシステムを取ってもらえればよかったというような話もありました。
 私的には,私立だったんですけれども,PBLにしろ,いろんないいプログラムをやっているんですけれども,ただ,非常に変な見方かもしれませんけれども,長崎とか,福岡なんていうのは,江戸時代から一番,出島を含め,外国に近いのに,国際化という面からいけば,非常に遅れているなと。確かTOEICでも400点程度の英語力を目指しているようです。
 ただ目をつぶっても250点は,4択ですから取れるんですから,もうちょっと高い点数を目指してもらってもよかったかなというふうに思います。だから,そういう国際化の面では,工学系の学生というのは英語に関していけば,余り積極的ではないかなというふうに私なりに印象を受けました。
 それで,その理由を聞いたら,企業さんに就職するときに,英語はそんなになくてもいいですよ,企業に入ってきたら,英語は十分勉強できますからということで我々は余り力を入れていませんという非常にびっくりした回答でしたけれども,そういうような回答も得られました。これも後は永里委員からいろいろとお聞きしたいなとは思うんですけれども。
 雑駁ですが,私が気付いた点を話させていただきました。失礼しました。


【名和委員】  ある例でございますので,一つは,一つの例でございます。
 じゃあ,次,関委員,よろしくお願いします。


【関委員】  今,天羽委員と御一緒に行った例で,例ですので,これは全て語るのは難しいんですけれども,私,長崎大学についてちょっと御紹介します。
 ただ,例ですが,長崎大学はこの工学教育に対しては非常に熱心な方の大学で,非常に早い時期に1学科制というのを導入されています。
 それで,方向としては,例えば6年一貫的な教育ということもやられていますし,産学連携でPBLで創成プロジェクトというんですけど,そういうプロジェクト研究みたいなのも導入されていますし,資料でいうと,この東京大学でまとめた方の55ページのところにございますので,ちょっと見ていただければいいですが。
 あと,融合分野を新たにプログラムとして教育を始めるというようなこともやられていて,医工連携的な教育もやられていますし,国際化では,水環境に関するコースというのを新たに作られたりとか,積極的な新しいことに取り組まれていることはもう見てとれるんです。
 そのとおりなんですけれども,ちょっとそこの57ページ辺りに実際にヒアリングしたのがその後に出ているんですけれども,実際にあった学生さんのコメント,59ページのところにありますが,いろいろプログラムを入れているんですけれども,例えば工学部の4年生に聞くと,選択科目を取りたかったが,取る余裕がなかったというのが二つ目にございます。それから,博士の前期課程の学生の二つ目のところにも,せっかく作ったこの創造性プロジェクト,これ,創成プログラムなんでしょうけれども,多忙で取れなかったとか,インターンシップは,学会があり,参加できなかったとか。
 それから,博士後期課程の学生も,他分野をもっと取れるようになるとよいというのは,やっぱり余裕がなくて,結局取れていないんですね。選択としていろんなメニューは一生懸命,先生方は用意されているんですけれども,実際は一部の人だけがそれを享受しているという面があるのと,その一つちょっと上にありますが,助成金が終わると継続できなくなるというプログラムもありまして,医療系の人材養成などでは,その助成金がある時期だけそういうプログラムが走って,それが終わってしまうと事実上やめてしまうというようなことが起こっているというようなことを述べられていました。
 それから,国際化については,先ほど天羽委員がおっしゃられたように,長崎では,57ページぐらいにありますが,昨年まで,二次試験に英語を課していないというぐらいで,最近,英語を課すようになったので,まだこれから,これからですというような言い方をされていて,どの大学様でも,英語はすごく熱心にということでも必ずしもないというようなことが,この長崎大学さんでもそうなので,見てとれるかなと思います。
 以上でございます。


【名和委員】  それでは,最後で,60ページになるんですが,京都工芸繊維大学というのについて,少し名和の方から説明をさせていただきたいと思います。
 この大学は,もともと工芸学部というと繊維学部,非常に特異な学部を持っていまして,それが再編成してこれができたという非常にユニークな大学でございまして,そこで行われている工学教育というのもかなりユニークなものでございました。
 平成26年度からもうされている教育なんですが,その60ページにありますように,スリー・バイ・スリーという教育をしておりまして,これは学部の3年次までに習得すべき教育力を身に付けたかということについて試験をしておりまして,その試験で,その身に付けているかを判定するということをしております。
 上位の合格者については,もう3年生でございますが,大学院への推薦入試による進学を確約するということをしております。それによりまして,学部4年次においては,本当に多様な授業が受けられまして,特にクオーター制になっておりますので,海外への長期的な留学,国内外のインターンシップ,PBL授業を受けるというようなことができるというふうな形になってございました。
 その際に,3年生までに全ての授業を受けて達成できるかということについてお話をさせていただいたところ,3の目指すべき工学教育のところにもございますが,61ページでございます。学部はコア的科目を重視して,むやみに科目を増やさないと。特に3にありますように,「教えたい科目」ではなく,「教えるべき科目」をリストアップしてナンバリング制度を活用してカリキュラムを作っていると。非常に明確な答えが頂けました。
 これから,どういったPBLをやっているんですかということについてお話をしたところ,京都の南の方の中小企業でしょうか,そちらの方とグループを作っていて,ものづくりを上流から下流まで一気に通貫で教えるというものをやっているということで,62ページの産学連携というところにありますような川下り方式のインターンシップをやっていると。こうしますと,かなりしっかりしたグループで集まりまして,リーダーも作ってきちっとしたものづくりというのを体験するというようなことをやっておりました。
 学生にヒアリングをしまして,63ページを見ていただきたいと思いますが,学部学生にヒアリングをした際に,そこに学部学生のところの下からのところがございますが,川下り,三つ目のところに,川下り式の,方式のインターンシップというのはグループ学習であり,自ら希望してグループを務めて,企業から設計課題を与えられたものをやったと。非常に貴重な経験であったというようなことを彼は言っておりました。
 じゃあ,みんなそういう意味では,工学をしたい人が来ているのかといいますと,6割程度は工学を学ぶ意欲を持って来ているという方がいるんですが,4割程度はそうではないと。ちょっとこれは驚いたというところでございます。さらに,かなり厳しめな意見がございまして,「高度に発達した科学技術を工学は使いきれていないのではないか」といったことが学部学生から指摘されるというようなことがございました。
 もう一人の方は,大学院生で,この方は修士で一度就職を決めていたんですが,修士論文で非常に研究が面白いということで,ドクターコースまで進学したという方でございました。彼の御意見としましては,そこの次のページの方の上から三つ目にあった意見が非常に大切かなと思いましたが,座学であっても,教員1人に対して学生が5人から6人程度,ゼミ程度のものでディスカッション形式の授業がいい,PBLに近いような座学をする必要があるんじゃないかというような御指摘がございました。
 次に,一番最後ですが,学部の1回生の段階では,工学を意識している学生は余りいなかった。先ほどもありましたが,4割程度という意味では,かなり少ない。しかしながら,体験型な授業というものを受けることによって工学を意識して,工学をしたいというふうに感じたということで,PBLといのはいかに大切かなということが実感できたというところでございます。
 以上で,ワーキングの方のヒアリングの結果の報告とさせていただきます。
 以上です。


【小野寺座長】  ありがとうございます。大変詳細に検討していただきました。本当にありがとうございます。
 それでは,ここから,委員の皆様から御意見を頂きたいと思います。
 ここまで,ワーキンググループの方でかなり議論していただいていますので,次回の会議では,中間取りまとめまで。


【名和委員】  ちょっともう一つ資料がございます。


【石川委員】  お手元の資料の中の資料1なんですが,これで,第3回のワーキンググループが終わった後に,中間取りまとめに向けて,施策につながるように,立て替えをやっております。それで,お手元の資料1がございますが,1の7ページから後ろ,7,8,9,10と小さな字でああだ,こうだ書いてあるのが,お手元の参考資料1の議論をかなり端的にまとめたものになっております。
 色が違うのも,第1回目のワーキンググループで出たもの,第2回のワーキングで出たもの,第3回のワーキングで出たものを色分けして,出てきたもののタイトルだけを集めてきたものでございます。これでワーキンググループで議論されたものの大体のアブストラクトになっているというふうにお考えいただける。5本柱というのも,この時点で5本柱になっております。
 それですと,精神論も入っていたり,こういうべき論も入っていたりしますので,それは政策になかなか直接的につながるものではございませんので,政策につながるような形での中間まとめということで,ここの7ページ以降のこと,書かれていることの精神論と,それから,具体的な施策につながるものを,3ページ,4ページ,5ページ,6ページまでですね,その4枚にまとめたということになります。
 精神論的なところ,7ページ以降にある精神論的なことを,背景と工学教育の基本と輩出すべき人物像というところにまとめ,それから,5本柱だったんですけど,5本柱のうちの三つは全体で議論した方がよかろうということで,三つをまとめて,学部・大学院の教育体制の改革という形にして,残り二つ,情報教育と,それから,産学連携,国際化等は一つの柱を残したという形でまとめさせていただきました。
 まず,3ページをごらんいただきたいんですけれども,ワーキンググループの議論の中でも,こういった人物像を輩出したい,工学教育はこうあるべきだというべき論や理想論が大分議論されました。
 それをかなり,かなり短めにまとめていますので,全部を言い尽くしているとはとても思えないんですが,大きなポイントとしては,背景にございますように,これからいろいろな工学を取り巻く環境が変わってきて,情報も入って,情報に対する基盤技術も必要だ,それから,産業分野は急激に変化する。こういったものに対して,工学教育はどうあるべきかを今後議論しなきゃいけないというそもそも論がまず背景に書いてある。
 その中で,工学教育は,AI,Big Data等を含め,産業基盤強化とともに,新たな産業の創出,これは新しい分野を創出するというのが工学教育の中では重要視すべきであるし,そこの時点で,欧米というか,特にアメリカに負けているということもあるので,そこいらを強化したい。それを「再認識」と書いてあるのは何かといいますと,工学部が発足した明治時代にはそれはやっていたので,再度,再認識ということになると。その急激に変化が進むというものに対して,教育というものがついていけないということもございますので,それをどういった構図を持って対応するかということが基本的な問題となります。
 もう一つ,輩出すべき人物像も,先ほどの大学のヒアリングのあれにもありましたように,大学によっても違いますし,分野によっても違いますので,それらをかなり大ざっぱにまとめますと,短期的な人物像,中期的な人物像,長期的な人物像とある。
 これ,短期的な人物像で一人のイメージではなくて,一人の中に短期的なイメージ,中期的なイメージ,長期的なイメージが混じっているという考え方も取れますが,それを,まず,ある程度分類した上で議論しないといけないということで。
 短期的人材としては,今の技術を先導する力を持ってほしいと。それは例えばAIが出てきたときに,AIをちゃっと先導し,牽引する力を持っている人材が必要であるということ。
 それから,それだけやっちゃいますと,次の技術が出てきたときにまた同じことになりますので,中期的人材としては,次の技術を生み出す力を持ってほしいということで,真ん中になります。5年から10年という時定数。
 それから,それでも次を狙っているというある程度目標があるんですが,その先までは見通しができない。見通せないということなので,まだ見ぬ技術革新に的確に対応できる力ということで,技術革新に適応する力,これ,どんな分野が出てくるか分からないわけですから,分野を変える力というのを育成していきたいということでございます。
 それをベース,三つの分野としてベースとして,スペシャリストとしての専門の深い知識と同時に,ジェネラリストとしての幅広い知識,これ,俗に言われるT型の人材という形。それから,分野がこれから多様性,多様化が進むのは明白でございますので,多様性を理解して,異分野との融合を積極的に取り入れられる人材。それから,この自律的に学ぶ姿勢を具備し,原理・原則を理解する力,構想力,アイデア創出能力,問題発見能力,課題設定能力,モデル化能力,課題解決・遂行能力を持つ人材,これはワーキンググループで出てきた人物像を全部並べただけなんですが,これ,全部を持っている人はまずいないと思いますが,こういった特徴が今後要求されるということは明確だということです。それから,情報の進化もあるので,リアルの空間とバーチャルの空間を俯瞰的に把握できる人材。
 これだけで言い尽くしてはないんですけれども,こういったあるべき論,あるいは,こういった人材を輩出すべきものというのをこのページにまとめました。
 その上で,政策・施策につながるような形でまとめたのが4ページ,5ページ,6ページということになります。
 まずは,6ページの図をごらんいただきたいんですが,この図を大分凝っていまして,凝ったわけじゃないんですけど,図がある,私どものまとめ方の心が通じているかどうか分かりませんが,右側に何かサツマイモのようなものがいっぱいあるというのは何かというと,横軸は時間でありまして,教育モデルとして,過去の工学系の教育モデルは一つの分野を究めたら,それを40年間,ある分野でそれを産業界で生かしなさいという教育モデルを持っていたわけですが,それはこのサツマイモのあれで,そんなことはあり得ないんだと。何年かたつと,違う分野がまた隆盛を究めるわけで,そういったものに対応する,できる人物を輩出する教育モデルが必要であるということで,この分野が時代によって変わっていくのに,この矢印をもって分野の転換をできるような人材をどうやって輩出すべきかということになる。これ,学士人材,修士人材,博士人材,それぞれにこういったことが求められているものであろうということが基本にあります。
 それをどうやってやるかというのが,4ページに戻っていただくと,この順番は制度各課,あるいは,体制の改革案,先に来ますが,学部・大学院の教育体制の改革ということで,ワーキンググループで出た意見の中から,こういった施策に通じるものをまとめたものです。これ以外にも意見は出たんですが,施策とは無関係に精神論でどうにかなるもの,あるいは,現状でどうにかなるものというのがありますので,それを割と外してあります。
 最初の1),2)が教育体制の改革ということで,学科・専攻定員制度の廃止ということでフレキシブルに運用して,これ,各大学のヒアリングでも,専攻,学科専攻の定員を維持することは大変難しいということもありましたので,それを緩くするということと,それから,分野がどんどん,どんどん変わっていくのに対して,大学がフレキシブルに対応できるような体制を取ろうと。1学科,1工学部で1学制を取っている,例えば関先生のところとか,あと,阪大なんかでも,かなり大きな学科制を取っている,小さな学科ではなくて,大きな学科制を取っているというところは運用でどうにかやっているのを,これは施策としてやるもんですから,施策としてオーソライズしていこうということでございます。
 それから,学位プログラム制の積極的導入ということで,学位プログラムとしてきちんと整理すれば,研究組織とは分離することができるであろうということで,教員組織と教育組織の分離をきちんとやるには,こういったことをオーソライズしておかなきゃいけないだろうと。
 それから,3)番,4)番は学部段階における基礎教育の強化ということで,将来分野が変わるであろうということを推定される時代において,学部で何か専門的なものだけを学んでしまうと,将来変わるであろう分野が簡単に変われなくなるということを避けるために,基礎教育を強化しよう,専門基礎教育とも言うんですが,強化しようということで,これはコア・カリキュラムを,どの程度になるかは別問題として,コア・カリキュラムを設定し,それをもって広い工学基礎を学んでもらいたという。
 それから,工学基礎の分野は座学が多いということであれば,座学に関してはe-learningの導入とかも積極的にやればいいだろうということで,その科目に関しては,これ,いろいろと御意見もあるでしょうが,ここではサンプルとして,数学,物理,バイオ,化学,情報,データサイエンス等を挙げましたし,推奨科目としては,倫理・安全,マネジメント,アントレプレナーシップ,技術英語等とありますと。
 それから,卒論というものの位置付けをどうするか。後で出てくるんですが,6年制一貫教育というものがあった場合に,卒論がちょうど真ん中で中心でできますので,これをどういう位置付けに持っていくかということで,PBLの導入というものとどう位置付けを対応させていくか。一部の大学では,卒論はすばらしいPBLのサンプルであるという言い方もあれば,専門教育の入り口であるという言い方もある。いろんな考え方があるんですが,そこを少しきれいに整理する必要があるだろうと。
 それから,5)番,6)番が学部・修士課程段階における融合教育の推進ということで,5)番にあるのが,学部・修士の6年制の導入という。これはなぜ,修士・博士の一貫教育とかあったんですが,修士・博士の一貫教育は実は今の制度できる話でありまして,制度上認められているもの。学部と修士は運用でいろいろな大学がやり始めているんですが,これは運用でやっていることなので,制度上はまだ認められてないということで,これ,制度としてきちんと認めるようにしましょうということになります。
 その中で,6年制を導入したときに,いろんなサイドエフェクトが出てくるので,それをうまくやりましょう。それから,広さというものからすると,ダブル・メジャー,実はダブル・メジャーとメジャー・マイナーとか,いろんな考え方がある,言い方,考え方があるんですが,副専攻をどうやって入れていくかということが,6年制という観点ではできます。
 それから,9年制という考え方もあるんですが,9年制も,実は制度としてやれないことではないので,その9年制をオーソライズするかというのはもう一つこの中に後でまた出てきますが。
 それから,6)番が今申し上げたメジャー・マイナー制の導入ということで,先ほど,大学の報告にもありましたけど,いろんな制度を入れますと,学生が,1人の学生が学ぶべき総量を超えてしまという総量規制問題がございます。ですので,メジャー・マイナーを入れるというのはいいんですけど,制度としてきちんと導入しないと,全ての科目を学ばないと,両制度が,両方の出組みが取れないという話になりますと,まず,1人の学生の24時間生きている時間の中で収まらなくなるという制度上の欠陥が出てきてしまいますので,それも含めてどうするかということを考える必要がある。それから,実は今,キャップ制といいまして,ある単位以上は取ってはいけないということがあるので,それも含めて,これから先,どうやって考えるか。
 それから,7)番,8)番は学部・博士課程教育のリーダーの育成ということで,9年制,先ほど申し上げた4年と5年を足して9年なんですが,これをどうするか。それを量的に拡大するということは考えなきゃいけない。特に博士課程の学生に対してどういう教育をし,社会との連携を取るかということになると思います。
 それから,8)番が博士課程におけるダブル・メジャー・システム,議論の中では,博士課程はダブル・メジャーで大丈夫だろうという,学生,学部や修士はダブル・メジャーというと二つになっちゃうので,それは無理で,片方はマイナーにならざるを得ないんではないかという議論があったところでございます。
 それから,9)番,10)番,11)番は教育組織,教育手法の多様化ということで,外部人材を教育に入れる場合の制度上の緩和という問題がございます。それから,分野が変更しますと,分野が割と弱い分野になったときの教員の行き先をどうするかという問題。それと,今度は学生から見たときに,いろんなカリキュラムが出るんですけど,それを順番に取っていけばいいかというと,広く取りなさいと言われたときに,順番を学生自身がカスタムメードするということが推奨されるわけですが,それは推奨されるんですが,それをきちんとやるためには,サポートのツールがないといけないので,そういったものを,支援ツールを含めてどうするかという。
 これ,何言っているか分からないかもしれないですけど,例えばデータサイエンスを学ぼうといったときに,線形代数はちゃんと分かっていますねということでデータサイエンスの講義が設定された場合,線形代数を学ばない人が入ってきちゃった瞬間に,データサイエンスの入り口で線形代数をもう一度やり直さなきゃいけないという無駄があるわけですね。それをきちんとやるために,支援ツールで,この講義はこういうところを取った人ができますよ,それに加えて,e-learningを入れて,それには足らない知識があれば,自分でe-learningである程度のスキルを学んだ上で来てくださいというのを支援ツールがやろうという。それで,ついでに,自分のキャリア設計から,どういう講義を取ればいいかというのがうまくレコメンデーションがあれば,もっとうまくいくだろうと。
 それから,余りにも,11)番は,余りにもメジャーなところばっかり光を当てるのではなくて,マイナーな分野でも,残すべき分野があると。あるロボット会社の社長さんが言うには,潤滑とか切削とかというのを残していただかないと,ロボットという最先端の技術は維持できないということで,ロボットというのが増えたとしても,潤滑や切削という基本的なものを削ってもらっては困る。これは実は1大学ではなかなかやれない,やりにくいところもあるので,全国の大学の中で,あの大学はこれを残す,あの大学はこれを残すということもあり得る問題として,こういうふうになると。
 これが施策につながる学部・大学院の教育体制の改革ということでまとめてみました。
 ページをめくっていただいて,5番目が,これで3本,三つの柱をまとめたもので,もう一つ,柱が二つありまして,一つは情報科学の工学基礎教育としての強化ということで,工学にはいろいろな分野があるんですが,それらの中で,非情報関連分野の人材にも情報教育をきちんとスキル向上として入れましょう。それから,情報系人材自体もスキルアップをする必要があるので,情報系人材の専門性の高い人材の強化と,それから,非情報系人材のスキルの,情報系スキルの強化ということが柱になる。
 それから,その下が産学共同教育体制の構築ということで,先ほどの教育体制とも関係するんですが,外部の産業界からの人材を学内で積極的に採用しようという話。それから,インターンシップを,教育効果の高いインターンシップの推進。これ,重きは「教育効果の高い」というところが重いのでありまして,この教育効果の高いインターンシップというのは何かということをきちんと産と学で一緒に考えていきましょということになります。
 それから,博士課程をだんだん,だんだん博士課程の人数が少なくなるという危惧もございますので,この人材をどういった形で社会で活用していくかということに関しても,産学一体となってやりましょう。
 あとは,産学がどうやって教育体制を協働してやるかということで,マッチングファンド等,革新的なプロジェクトを推進することはいかがなものかと。
 その下は,国や産業界による工学教育改革への投資ということで,いろんな税制優遇の問題,企業と大学の知的財産の問題の整理,それから,組織的な大学への支援,そういったものを産業界も一緒になって考えていただけないかということが最後に書いてある。
 次のページはその図でございまして,6ページの図は,大分これ,図が大変,コンセプチャルなものを図にするって,なかなか難しいことが分かったんですが,情報教育がいろんなところに入って,分野がこれ,実はもうちょっとこの丸のところの境界がぼわっとするのが正しい概念なんですが,分野がもっと広がりを持って,中心は残しつつも,広がりを持っていること。それから,下の方に工学基礎教育というのが幾つかございますので,専門基礎教育,工学基礎教育を共通の部分を強化していくというのがある。
 それから,右側にインターンシップや教員の派遣,そういったものがあって,博士人材に関しては,ここでは主たる専門と副専門になっていますが,ダブル・メジャーでもいいんですが,ダブル・メジャー,メジャー・マイナーという形で幅広い知識を持った博士人材を社会に投入していきたいと。そういったものをまとめた絵でございます。
 ちょっと絵の稚拙なところはお許し願いまして,コンセプトとしてはそういうものを打ち出していきたいというのを,工学教育改革の具体的方策としてのイメージとしてまとめてみました。
 以上でございます。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 今御説明がありましたように,中間取りまとめに向けて,具体的な施策に落とし込んでいかないといかんという作業を大変精力的にやっていただきました。正直言って,産業界の方は,その制度上のことをほとんど知らないので,何が今,制度上のネックになっていて,それをどう改革するかということを,今回かなりきめ細かく書き込んでいただいたということで,産業界の方も少し分かりやすくなったんではないかなというふうに思っています。
 それで,ここから皆さんから御意見いただきたいと思うんですが,今申し上げましたように,中間取りまとめに向かって,具体的な方策をここに大分書き込んでいただいています。
 そういう意味で,コンセプチャルなところでいろいろな御意見,まだまだあるかと思うんですが,コンセプチャルなところも重要なところはおっしゃっていただいて一向に構いませんけれども,最終的にはやはり具体的な方向性をまとめていく上で,ここのところはこうしてほしい,若しくは,ここのところはどうなんでしょうという御意見を是非,皆さんから頂きたいと思いますので,よろしくお願いします。
 それでは,どなたからでも結構ですので。


【永里委員】  それでは,ようございますか。


【小野寺座長】  どうぞ。先ほど,永里委員のお名前も,現地調査チームからも出ていましたんで,是非よろしくお願いします。


【永里委員】  「国や産業界による工学教育改革への投資」というのが資料1のページ5にありますけれど,その一環として,実は,ここにいろいろ博士課程に関しましても書いてございますけれど,この全体を通じて。企業が博士人材を積極的に採用するというようなことの重要性について,書いてあるんでしょうか,これは。要するに,企業も,この流れの中で,積極的に博士人材を採用すべきであるというようなことを私は思うんですけれど,そのことについての記述はございますでしょうか。


【石川委員】  一番詳細なものにはちょっとだけ書いてあるんですが,まとめたものにはちょっと書いてないので,もうそこが重要であれば,まとめた方に書くべきだというふうに思います。


【永里委員】  そのことについて,私は産業界の人間としてそう言うんですが,そうあるべきだと思うんですが,ほかの産業界の方の御意見もちょっと,そういうことを入れていいのかどうかも含めて,お願いします。


【小野寺座長】  じゃあ,浅見さん。


【浅見委員】  全く同感です。海外の企業と付き合うと,例えば日産の場合,ダイムラーと会うことが多いんですが,先方は,CEOからEVPからVPまで,部長まで,全部Ph.D.ですね。日産の方は全員,Non Ph.D.で,これは何を言っているかというと,やっぱり医師とか弁護士とか,国家資格みたいなものをベースに職業を形成している産業と,それから,工学みたく,かなりその学問を修めた人は多いんだけれども,それほど,それだけで飯を食っていけるという資格までなってないと。
 そうすると,やっぱり博士号ぐらい取っておかないと,学問が分かっているとか頭がいいという証明ができないですよねというのが大体日本以外がそうなっているというふうに思っていまして,アメリカもそうですし,中国もそうだということで。
 弊社の場合は,最近やっと,遅まきながら,もっと頭のいい人を採ろうと,要するに,博士号を持っている人を採ろうということで,始めています。ただ,そういうスピリットだけが上がっていて,薬学出身の人が何か車体設計をやっていたりだとか,多少ちょっともったいない使い方もしている面があるんですけれども,多少無理にでも進めていくべきではないかなというふうに感じます。


【小野寺座長】  ほかにございませんか。どうぞ。


【利穂委員】  建設業界におりますが,基本的に同じような気がします。
レポートの中に,博士はスペシャリストとして修士までとは異なるカテゴリーで整理すべきというような見方が出ていたように思いますが,少し違うような気がします。
 これだけいろんなものが変わっている中で,社会に出て長く活躍するためには,いろんなものを吸収していく必要があるわけです。採用する側からすると,博士課程でやった専門知識の高さで採用するというよりは,基本的にポテンシャルが高そうでいろんなところで活躍できそうだということに惹かれるわけです。


【名和委員】  それは私の方でちょっと先ほど委員から出ていた意見で言ったわけですが,その後,それについては議論されていまして,スペシャリスト,専門的なものを作って,タコつぼ的な人材育成はいけないということで,やはり博士課程でも,リベラルアーツといのはずっと続いていく必要があるだろうということが1点。
 もう一点は,博士課程の人材というのはなぜ大切かというと,問題を見付けてきて問題を設定して課題を設定してそれを解決するということを1回やっている人間なので,そういった意味での過程が分かっている人間が博士課程で,多分,会社に行ったとき,専門性のところで知っているがゆえに,会社もちょっと使いづらいところがあるんですが,よくよく使ってみると,非常に課題を見付けて設定してそれを解くというところがあるので,大分博士課程に対する企業側の見方が変わっているというふうに聞いております。


【利穂委員】  まさしくそうでして,我々のところでも,例えば博士として採って,その分野で研究所で一生懸命やってもらっていた人が,後に大きなプロジェクトのプロジェクトマネジャーとして活躍するような人もおります。博士課程においてもご指摘いただいたような人材を出していこうとしているということをうまく産業側にも伝えてもらえればという気がいたします。どうしても,タコつぼじゃないですけれども,特定分野のスペシャリストという人もいますので,博士課程に対してそういう印象が強いような気がします。
 そういう意味では,博士課程の在り方に関連して先ほど御指摘いただいたことというのは本当に大事なことじゃないかという印象を持ちます。【名和委員】  是非,そういったドクターコースを採用している企業の方が,ドクターコースの人間というのが,卒業した人間,Ph.D.を持っている人間がどういった能力を持っているかということを是非産業界の方でも広報していただいて,御理解いただければというふうに思います。


【浅見委員】  先生,一言追加でよろしいでしょうか。


【小野寺座長】  どうぞ。


【浅見委員】  博士号を持っている人も2種類いまして,1種類は,学部から修士へ行って博士号を取って産業に来るという方。もう一つは,研究所に多いんですけれども,修士までしか持ってないんですが,研究の仕事をしながら,大学の先生と研究室といろいろ仕事をさせてもらっている中で,博士号を取ることにしましたという人は結構多くて,弊社の場合は,その場合は,全額,その博士号取得に必要な費用は会社が出すことにもうしていますので,毎年数名ですかね,そういうケースで博士号を取る人が出てきます。
 その場合は,仕事と密着した形になるので,技術的レベルが上がれば上がるだけ,その分,本人のモチベーションにもなるし,仕事にも生きるという形になるんですが,前者の場合は,やはりどういう分野でどういう能力を活用させてもらうかというのを入社のときに相当よく考えないと,専門的過ぎて使いづらいみたいなところがやっぱり割合としては多少残ってしまうように思います。


【小野寺座長】  中村委員,いかがですか。


【中村委員】  どうもありがとうございます。弊社の場合は,大学,博士課程の人間,かなり採ってはいますけれども,タイプがいろいろあって,今,名和さんが言われたように,タコつぼ型の人と,いろいろなことを理解する能力を持っている人と。
 だから,これは大学院に入って,修士で終わる人,それから,博士課程へ進みたいという人との中で余り区切ると,そうすると,やはり先ほどの議論のように,修士課程だとジェネラリストで,博士課程は専門に注力するんですねというような感じになってしまう。
 もうちょっと,何というか,基礎教育もしっかりしていて,いろいろな分野にも興味を持てて,そのときに,博士課程に行く人は専門を二つ持つとかいうような形にしないと,当社の場合も結構,電力をやっていたところからスタートして,今,情報系に移っていますので,その情報系もこのITだけを理解していると,では,産業界で活用できるかというと,やっぱりオペレーションのところが要るとかいうことになるので,この両方のところに興味が持てる人というのがたくさん集まってくると,新しいイノベーションが生まれるような気がするんですね。
 やはりちょっと以前ですと,やはり使いにくいというのはありました,ほかのことをやりたがらないとか。ですので,ただ,やはり当社の中でも随分変わってきて,それはトップがどういうふうに会社は進んでいるんだということを相当に,なおかつ,研究所に入っても,顧客と一緒に新しいものを興していくんだということをやることによって,前線へ,フロントへ出ることが必要になってきていまして,それはそれですごくお客様には評価いただくんですけど,合わない人がいて,その合わない人の方がちょっと多いかなという気はするんですけど。
 そのそこのところをもうちょっと若い間に,だから,大学にいる間に,もっと多様性を理解するとか,ほかのところの分野が将来いろいろ,今分野がいろいろ変わるよというお話がありましたけれども,学生にどんどん実は変わっていくんだということを理解させないといけないと思うんです。
 そのためには,やっぱりリベラルアーツが大事で,やっぱり歴史を学ぶと,一つの技術で10年だよなんていうのは分かると思うんですね。ですから,そういうところは非常に大事で,その観点も入れなきゃいけない。
 それと,もう一つは,やはり余りにも大学院,じゃないな,大学院,それから,博士課程を修了して入社をしても,基礎技術,基礎学力というんですかね,ひどいときには,分数とかもあったりして,余りにも専門的なところばっかりをやり過ぎてしまって,昔,高校のときに学んだことを忘れちゃっているとかいうことがあるのかなと。
 これは技術的にかなり広がったものが会社から提供するというか,ところが増えてきているので,基礎のところがしっかりできてないと,実はお客様と議論ができない。お客様が全部日本人だと,この状況を,そうかなと理解いただくのかもしれませんけど,海外のお客様と議論をするときに,相手の方が確かに,Ph.D.が出てきますから,大体出てきます。そのときに,余りにも知らないと,実は発言ができない。
 したがって,うちも問題だなと思っているのは,そういうところにたくさん行くんです,人が。昔は1人でやっていましたけど,今はもう10人出ていくとか,これは相手との議論のときに結論が出せないことになりますので,やはりもうちょっと広いところが理解できて,基礎も強くて,自分もこの分野から次へ,新しい技術を理解するように出ていくというふうになると,何ていうんですかね,リストラクチャリングがやりやすいですね。工場の奥の方にいて,それでいいとか,研究所の奥にして,それで一生を終わりたいと思われても困るので,そういう大学の中でそういうチャレンジングな人間を育てていただくような学校がいい,有り難いなと。
 特に論文を作るのが苦手な人が多いです。これはちょっと何とかしなきゃいけないなと。だがら,研究活動とか教育の先生に指導を受けて,君の卒論,これねとか,去年卒業した先輩がこれをやっていたんで,君は今度これをやってくれるとかいって始めて,だから,それが,それ,卒論じゃなくて,先生の研究論文の一環じゃないかという感じがして,会社へ入ってきた後,自分で課題設定ができない人がいるので,それをもうちょっとやっぱり,卒論は不要とかいうんじゃなくて,先ほどの大学院に行く人とか,修士に行く人についてはやっぱり論文を作らせるとかいう,その能力ですね,これは必要なので。
 その一環として,卒論がいいのかどうか分かりませんけど,やっぱり一つのことをまとめる,それで,それを人に説得をして次へ進むという,この能力が必要だと思いますので,それをどういうふうに作り込むかというのはちょっと私も卒論がいいんじゃないかなという気がしますけど,それはもうちょっと御議論いただければと思うんですけど。
 以上です。


【名和委員】  非常に大切なところを言われたかと思いますが,私たちの方でも,4ページ目の方にも書いているんですが,やはりそこら辺の工学の基礎教育というのはきちっとしていなければ困る,原理,原則が分からなければいけないということで,コア・カリキュラムというふうに書いているのは実はそこにあるところでして。
 それで,先ほどもちょっと京都工芸繊維大学でもあったように,教えたいことを教えるんではなくて,教えるべきことを教える。そういった方の原理,原則的なことをしっかり理解して,それが身に付いていれば,応用が利いていくだろうと。そういったことがまず1点目でありまして,そういったコア・カリキュラムをしっかりする必要があるだろう。
 2点目は,多様性ということですが,それもメジャー・マイナーというのはすごく議論したのがそこでございまして,ダブル・メジャーと言ったのは私はかなり強く言ったんですが,やはりそういったダブル・メジャー的な感覚で修士課程,博士課程を経験していますと,ほかのものに対して興味を持って入っていける。何ていうんですか,敷居がすごく低いというふうになりますと,分かってくる。
 実は,先ほど,土木というのがあったんですが,土木だと,構造ばっかりやっているかというと,実は環境ということになってくると,生物までやらなきゃいけない。非常に多様な分野を実際にもうやっているんですが,いや,もう,何ていうんですか,建築とか土木工事しかしないと。これがほんと,タコつぼ的になるわけでして,もっと幅広のものに対して,敷居が低くなるようなダブル・メジャーが必要になってくる。
 これは一番大切なのは,そこを詳細に知る必要はなくて,ある程度導入されていればいいわけでして,具体的になっきた際には,導入があるので,どんどん入っていけるだろうといった意味で,ダブル・メジャー,若しくは,メジャー・マイナーを入れていきたい。この二つは是非実現したいというふうに考えているところです。
 ちょっと補足があったら,石川先生,よろしくお願いします。


【石川委員】  ちょっと全体像はそうなんですけど,分野によってもちょっと違うところもありまして,分野によっては,スペシャリスト的な人が欲しいというのもありますね。だんだん少数派にはなってきていると思うんですが,外資系の会社にドクターの人が引き抜かれるときは,大体スペシャリストの方が引き抜かれるのであって,ジェネラリストは引き抜かれないという現状があって,そこを残しつつ,ダブル・メジャーでメジャー・マイナーをどうするかという問題でもありますね。
 制度として何かやろうとしたときに,全部をこうしましょうという制度は,多分,この多様性の時代の中では無理だと思うので,こういう人材とこういう人材をうまく組み合わせましょうという話になると私も思いますね。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 まず,永里委員から。


【永里委員】  私がこの問題提起をしたのは,実は鶏と卵の理論で,ちゃんといい博士課程の人が来たら,企業は採用しますよというような言い方をして,大学に責任を押し付けて,企業は,それで,実際に今,皆さんがおっしゃったように,非常に専門ばかで使い物にならない,ちょっと違う専門をさせたら,もうできないというような人もいると。そういうことなので,問題提起をしたんですけど。
 そうではなくて,もうこれは工学改革,工学教育の改革なんですから,ここに書いてあるとおり,博士課程に行ったら,リベラルアーツはもう当然勉強していると。かつ,きょう,三島学長がいらっしゃいますけど,東工大では,9年制のところの最後の方でもリベラルアーツを学ぶようにさせているんですね。そういうふうに改革が行われてきているんです。
 それから,基礎教育も重要だということを含めて,そういう博士教育にするから,大学はそうしてほしいと産業界は望み,そうするから,産業界としてはもう積極的に採ろうと。こういうふうにしないと,博士の方に行かないんですよ。だって,就職に有利は修士の方なんですから。
 ということを,そのメッセージを,この中の工学教育の中で入れてほしかったために,こういう問題提起をしました。
 以上です。


【小野寺座長】  浅見委員から手が挙がっています。よろしいですか。


【浅見委員】  いいですか,すみません。リベラルアーツという言葉が出てきましたので,多少コメントさせていただきたいと思いまして。
 弊社の中で,外国人の人がすごく多いんですね。困っているのは,日本人の中で,なかなかビジネスリーダーが出てこないと。何言っているかというと,技術的な面,あるいは,ものづくりの面はすごく真面目だし,実効力も高いのでいいですけれども,結局,入社して管理職になって役員になってみたいなコースをやっぱり皆さん,来るので,そうすると,どうしても,ビジネスというか,多文化の中で交渉したり,説得したりとか,そういう面が非常に重要になっていきます。
 それで,はたと気が付くと,やっぱり工学部を出た人で足りてないのがリベラルアーツと思っていまして,実は毎月,役員勉強会というのを開いていて,各界のいろんな有識者に来てもらって講義を受けたりしているんですが,どういうのを受けているかというと,宇宙物理だったり,医学だったり,創薬だったり,それは何となく理系なんですけれども,哲学だったり,歴史だったり,この前も何かマキャベリだとかパスカルだとか,そういうところまでもう聞かないと,外と話できないと,もしかしたら,中とも話できないという危機感がありまして。
 その辺はやっぱり,この工学,基礎教育の一部ということで推奨科目に多少,マネジメントとか書いてありますけれども,もっともっと強化してもいいのではないかなというふうに感じます。
 特に,今回,大学の話なんですけれども,フランス人と付き合っていると,もう小学校からみんなで集まってディベートしたりとか,プレゼンテーションしたりと,そこから来ているので,いくら日本人の主張が正しくても,言い方がロジカルじゃないとか,データが足りないとか,議論が下手なので負けちゃうという,そういうモードがすごく散見されるんですね。
 ですから,ちょっと高校までの教育を大学でフォローアップするのは難しいかもしれませんけれども,やっぱりPh.D.に必要なリベラルアーツというだけではなくて,本当にこの出発点のところで若いうちにマネジメントだとか議論だとか歴史だとか哲学とか,少しやっておかないと,後で我々のように後悔して,毎月勉強会をやってもなかなか歯が立たないというはめになるので,投資効果はすごく大きいのではないかなというふうに思います。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 大西委員。


【大西委員】  少し話題が変わりますが,いいですかね。


【小野寺座長】  どうぞ。


【大西委員】  4ページを拝見してですが,工学教育改革ということで,自分の大学でも教員の皆さんに,こういうことで意見を出してもらうような機会を何回か設けたんですが,結構みんな,工学教育改革というと,戸惑いがあるんですね。私の期待としては,もっと現場で教育について,いろいろ問題意識を持ってディスカッションが活発化するかと思っていたら,そうでもないわけです。
 どういうことかなと思ったら,工学教育に関わる外的条件というのが結構あると。例えば私の大学では,ほぼ全ての学科が,系と呼んでいますけれども,機械から土木,建築まであるんですけれども,JABEEを取っているわけですね。JABEEをやっていて,化学だけがちょっと休みがあって,これからまた再開するということです。そうすると,全部そろうわけですが,そうすると,JABEEで,昔ほどではないということですが,初期の頃ではないということですけれども,一定のもちろん条件が設定されていると。
 それから,学科によっては,国家資格に対応しているんですね。例えば電気系は電気主任技術者というのを全員がその何か大学レベルのやつを修了すると。そうすると,国家試験の中で免除されて,通常で受けると合格率が3%ぐらいなのが,一定のカリキュラムをこなせば,合格率はぐっとアップして,ほぼ全員受かるぐらいになるということのようなんですけれども,全員,卒業生がこの電気主任技術者を取れるような状態にするというのが学科の方針になっているんですね。そうすると,そこではJABEEに対応しつつ,電気主任技術者の必要な科目というのを全部修得するという条件を課していると。
 ほかに,大きな柱としてそういうのがたくさんあるというのは,建築が建築士を取るという,そういうところぐらいかなと思いますけれども,いずれにしても,そういう国際標準なり,国内の国家資格の中で,教育がある程度,制約という表現はよくないかもしれないですが,それに対応するために,満たさなければいけないものというのは出てきているというのがあるんだろうと思うんですね。
 これは専門技術者を養成するとか,あるいは,国際的に通用性の高い教育を行うということで,国際社会で活躍できる人材を育てるとか,あるいは,留学生が来やすい大学にするとかいう観点から,それなりに必要なことであって,かつ,JABEEの側も,大学の,ここで4ページに書いてあるようなPBLとか,幅広い議論を受け止めて,JABEE自身も変わってきているということなので,いわば対話が成立するわけですね。
 国家資格がリベラルアーツだとかPBLだとか,そういうことについて関心があるかどうかというのはちょっと分かりませんけれども,いずれにしても,大学を取り巻く教育に関わる諸制度とのやり取りというのも入れておかないと,大学の工学部だけが独善的にこういうふうにしたいと言っても,なかなか周りの制約とうまくマッチしないということがあるのかなというふうに思いますので,是非そういうことについてもこの中に入れていくべきなのかなというふうに思います。
 それから,もう一つ,もう一個だけですが,9年制とか6年制,修士までとか,いろんな議論がありましたけど,今,大学では,博士が少ないということにも関連して対応して,修士と博士を一貫して,博士前期課程,後期課程という呼び方をしているわけですね。それは大学院というのは博士まで行くというのが標準型であって,何となく修士というのは途中下車だという感じも出てきていると思うんですが,6年ということになると,4年プラス2年というのが工学の教育をマスターするのに必要な年限であって,さらに研究をしたい人は,3年,博士課程に進むというふうになると,仕切りが少し変わってくると思うんですよね。そういう議論も整理しておかないと,朝令暮改的なイメージを与えると混乱すると思うので,そこの整理というのも必要なのかなというふうに思います。
 私見では,やっぱり博士課程に進む人が変わってきているんじゃないかと思うんですね。これ,日本だけではないんですが,博士は必ずしも3年ではなくて,普通は3年以上掛かるんだというのが,日本でも文化系に残っていますし,海外の大学では結構長く博士課程にいないと,博士号は取れないという大学もあるんですね。
 だから,そういう意味でも,博士課程に進んだら,普通の人生は諦めて,博士号を取得して,研究的な人生を歩むと。そういう仕事がたくさんあれば,そういう人もちゃんとその後,生きていけるということだと思うんですが,日本の企業も必ずしもそういうふうになっていないので,今のお話でも,普通の要員として優秀な博士卒業生を使おうというふうに考えていると,工学系はある程度そうなっているとは思うんですが,普通で優秀な人が博士課程にちゃんと残っているかどうかですね。普通で優秀な人は修士で就職していて,やや特殊な人が博士課程に残っているというと,そこを一生懸命あさっても,なかなかマッチしないという問題があるので。
 やっぱり博士課程のイメージというのを変えていくと。それは非常に,一つの考えは,博士というのはもう就職というか社会人の第一歩なんだから,きちんと給料が払えるような,そういう制度にするというのが一つなんだと思うんですね。そうすると,6年の修士までは学生なんだけど,そこから先というのは学生ではないと。ただ,まず,3年間,みっちりある道を究める勉強をしてもらって,社会に役に立つというので,社会人の第一歩として3年間勉強している,そういう社会人がいるというようなのに変えていくというのも一つの考え方だと思うんですが,その制度の切り替えというところがうまく整理していく必要があるのかなというふうに思います。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 今,大西先生からお話のあった件について,2点あったんですが,ちょっと分科会の方から。


【石川委員】  ちょっとだけ,制度上の話とこのまとめの考え方なんですが,実は,6ページの左側にあるんですが,この工学教育改革は,今までに制度上できなかったことを書いてあるので,今まで制度上できていることは割と書いてないんですね。
 今まで制度上できることは,左側にあるように,学部4年と修士2年と博士3年ということと,学部4年と修了・博士5年というのは制度上できる話なんですね。これは改めてこれをやりましょうというのが書いてないだけであって,これをやめるという話では決してないわけ。これに加えて,一部の大学が,学部と修士6年制というのをやっているのも含め,それ以外にも,この考え方を入れるということで,新たな制度として付け加えるということであって,これにどれ,全面的に移行するという話では決してないと。
 大西先生がおっしゃるように,ここの制度に,それぞれの制度にそれぞれのコンセプトがあって,そのコンセプトと,それから,制度上の仕切りをきちんと整備していかなきゃいけないというのは確かにそういうことでありますが,全面的にこれに移すということや,これをメジャーにするということではなくて,社会の要請に従って,大学の制度をきちんと整備しましょうというのが趣旨でございます。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 実は,私の方からもちょっとお願いしていたのは,大学がいろいろなタイプのものを自分らで選択できるようにした方がいいだろうと。これ一つしかありませんはやめましょうよということをずっと申し上げてきていて。
 そういう意味で,今まで制度的にできなかった,例えば三島先生のところなんかは,もういろいろ工夫されてやっているということであって,制度上は認められてないという言い方はいいのかどうか分かりませんけど,そういうものを制度上も認めるようにしましょうと。それによって,大学側がいろんな制度をうまく使って,大学独自のやり方を適用できるようにしましょうというのが今回基本的な考え方だと私は思っているんです。


【大西委員】  それは分かりました。
 ただ,その場合に,例えば学部・修士6年一貫制というと,4年では出れないという,そういうプログラムができるという可能性もあるわけですよね。学部卒という概念がなくなってしまうと。だから,そういうことでいいのかどうかですね。
 博士課程の方も,多くのプログラムは5年一貫と言いながら,途中下車も可能なようにしている。いわば,本当に博士の3年目に入るのかどうかということについて,本人も大学側,指導側もチェックをして,そこでもう修士で卒業するというんならば,修士号が取れる道というのも用意していると思うんですね。
 そうなると,一定のカリキュラムを4年間で満たすというふうにしておかないと,そこからまた授業を取り直すというのは事実上できないわけですから,何かそういう仕掛けをちゃんと作っていけないと,いろんな多様性を残すということは学生にとってもフレキシブルでなきゃいけないので,多様性がありながら,あるコースに乗っかった人はこの道しかないというんでは,多様性のないコースが大学の中に存在しているだけになるので,そこの注意も要るのかなと。何か制度節制はそれなりに難しいと思いますけれども。


【浅野専門教育課長】  すみません,ワーキンググループで議論を頂いたこの6ページの絵ですけれども,基本的にはこれ,6年制は学部を,例えば医学部とか薬学部みたいに,6年制にするわけじゃありませんので,基本的に学部・修士の一貫のところから,例えば4年制で卒業する方,それから,隣のこの修士・博士,5年一貫制に乗り換える方,そういう学生が出入りが自由なような制度設計にするべきじゃないかという議論があったというふうに承知しております。


【三島副座長】  私もそれを確認したかったことと。
 それから,東工大の学部・修士6年というのは,当然,今おっしゃったられたように,学士課程が終わったところで出る人もいるということになりますけれども,もう一つは,カリキュラムが連結して作ってあるので,早期に学部に必要な要件を達してしまうと,もう大学院の科目を取れるようにするとか,そういうフレキシビリティも出てくるので,学部を3年とか3年半で修了,学部の学士課程を3年とか3年半で終わらせたら,先へそのまま進んでいって,短縮で修士・博士号を取るということも可能ですし,1年ぐらい海外にスタディアブロードに行って戻ってきて,また修士の大学院を続けるということもできるような,そんな今は運用に,運用上そういうことができているという,そういう意味のことです。


【大西委員】  ちょっと一言だけ。前回申し上げた,私たちの大学は,結構,学部と修士が切れているんですね。学部生は卒論も書いて,2か月のインターンシップをやって終わって,卒業して,修士に入ると。私が最初に務めた長岡の技術科学大学は,実は5か月,6か月ぐらいのインターンシップがあるんですが,それに行けるのは修士に行く学生だけで,学部で終わりたいという学生は,その代わり,卒論を書くということになっていますね。だから,そういう意味では,途中下車組と修士まで行く人ではやることが違うというふうにしています。それはもう40年前からやっているので,それは事実上,6年一貫制というのを取り入れているということだろうと思います。


【小野寺座長】  今,大西先生からお話があったように,各大学でいろんな工夫をされていて,それで,その工夫したものを制度的に認めてあげないと,非常に自由度がないんじゃないかということで,今回,このこういう制度も作ったらいかがですかということであって,むしろ,多様化を図るために,自由度を増すために,大学の自由度を増すためにこういうことを考えているというふうに私は思っているんですけど。


【名和委員】  まさにそのとおりでございまして,制度設計上でいきますと,まだ学部4年,修士2年,その上の博士3年という形にきちっとなっている。ちょっとリーディング大学院等がありまして5年制になっていますが,基本的にそれになっていまして,これをやはり変えようとしました場合に,設置基準そのもの,考え方を変えなきゃいけないので,今回そういった提案をさせていただいて,是非ここの委員会で強力に推進していただきたいというところでございます。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 幸田委員,どうぞ。


【幸田委員】  前回,この場で,産学連携について柱に含めることで,御検討いただくことになり,今回,五つの柱に仕立て直してその中の第3の柱ということで盛り込んでいただいております。その中で,5ページの工学教育改革の具体的方策のイメージの真ん中に,御提示いただいていると思います。
 それで,いわゆるこの産業との接点ということで言ったときに,例えばですけれども,この中の最後に書いてあるプロジェクトの創出支援みたいな話について言うと,プロジェクトであるとか,あるいは,事業化とかイノベーションとか起業とか,こういうキーワード的なことに,工学教育改革が産学共同教育体制を通じてよりつながっていくのかどうかということが,どれだけ具体的に進められるかということが非常に重要だと思います。それは,やっぱりある種のベンチャーエコシステムみたいなものを作るための一つの土台がこの人材教育を通じてできるかどうかということです。
 そのときに,インターンシップ,あるいは,協働プログラムみたいなことを通じて行なうこと,企業からの教員派遣とか,幾つか各論の話があるんですが,これをどうやって推進するかといったときに,やっぱり課題というか,ボトルネックはかなり大きいと思います。現実的に言うと,壁は結構高いという気はすごくしています。
 具体的に動かしていくためには,一つの例で言えば,大学の中にそういったことの機能を担える人をどれだけ有せるかどうかということで,連携コーディネーターみたいな人がどのぐらいいて,実際に大学と産業界をつなげていくのかとか,あるいは,大学を通じて学び直しみたいなことをする人たちをある程度大学の中に入れることによって,大学からのそういうプロジェクトの発信のアイデアみたいなものを一緒に考えるということを,システム的な形でプラットフォームとして設けていくことが大事だと思います。
 大学というそのプラットフォームの幅を広げて,かつ,柔軟でダイバーシティ的に活用できるような,そういう多様性ということを念頭に,具体的に構築していけるようにした方が,今回のこういう工学教育のあり方と具体的方策がリンクすることとなり重要だと思います。
 企業サイドからすると,多分,40代半ば以降ぐらいの人材の社内ベースでのミスマッチングみたいな話はそれなりにニーズとしてあります。それは,学び直しなのか,実務家教員的なことなども含めて,例えば連携コーディネーターみたいな方々を,それなりに受け入れるとか人材の流動性を持たせることによって,さっき申し上げたプラットフォーム的なエコシステム的なイノベーションとか事業化とかを通じて,社会的課題を解決するための一つの仕掛けとしてうまく使っていくようなことにつながっていくと思っています。
 そういう意味では,ここに記載いただいているものを具体的に後押しするためのやっぱり何らかの施策,それは財政的なこともあれば,あるいは,教員派遣の例えばハードルを低くするとか,幾つか考えておくべき項目があるなという感じはすごくしています。その辺りを,どこまでこの中間取りまとめの中で少し各論的に落とすかということはあるとは思いますけれども,そこがつながっていかないと,やっぱり緩やかな形でしか進んでいかないというような部分がかなりあるという感じは持っています。その辺りを中間取りまとめに向けて御検討いただきたいなということであります。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 産学共同については,ここに項目として上がっていますけれども,これは実は産学共同はいろいろな部門で今やっています。経団連としてもやっていますし,大学側もやっていますし,それから,大学の方にはファンドを作ることももう既に認められて,いろんな形が進んでいるんで,今回の工学教育改革という観点からの産学共同ということにちょっと絞りたいなと思っているんです。じゃないと,ほかでやっていることとみんな取り込むみたいな格好になって,ここまでちょっと,ここでやるあれではないんじゃないかなと思っていますので。
 ただ,御指摘の点は非常に重要な点なんで,それはテイクノートはしますけれども,そういう方向でちょっと考えさせていただきたいなというふうに,中間取りまとめはですね,というふうに思っていますので。
 どうぞ。


【浅野専門教育課長】  今御指摘いただいた点,4ページ目のところに,実は,この企業の産学連携とはちょっと違うところに,9)で,教員組織構成・雇用形態の多様化のところで,矢印の三つ目で,企業からの教員派遣というのがございます。
 この中で,まさに御指摘いただいた実務家教員制度の導入でありますとか,特にやはり大学によっては,論文が書いてないことが教員としては採用できないとか,博士がないと駄目だとかというところもあるようですので,そういったところはやはりもっと柔軟に,企業から教員を受け入れる必要があるんじゃないかという議論の中で,こういったことが入っておりますし,恐らく,ほかのワーキンググループ以外の工学部長さんたちの中でも,教員だけじゃなくて,まさに今御指摘いただいたミスマッチのところで,企業側からそういうコーディネーターとか,いわゆる支援的な人材を送っていただくようなことも一つアイデアとしてはあるんじゃないかという御指摘もありました。
 ちょっとこの部分と含めて,再度整理をさせていただくということになると思います。


【小野寺座長】  よろしいですか。


【永里委員】  今のそのことについて,おっしゃるとおりなんですが,実は,例えば,工学と実学というのはもともと昔から,明治の頃からそうでして,理学とは違うということで,工学とビジネスというのは産学表裏一体ですよね。結局は,産学連携のそのアントレプレナー育成をどうするかという問題を御指摘なさって,それは一部では,多くの中の一部ではありますけれど,そのことについては,実は,EDGE-NEXTというまた新しい文科省のスキームがありまして,そういうことでちゃんとサポートされているようになっています。
 ですから,先ほどの課長のお話の中に,そういうプログラムもあるということでちょっと補足させてもらいますね。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 どうぞ,川田委員。


【川田委員】  先ほど御説明いただきました6ページの具体的方策のイメージ図,随分分かりやすく理解しました。
 この中で,学部・修士6年一貫制というものが書かれているとしますと,実は,この学位がバチュラー,マスター,ドクターという学位を出すということと,その学位がどういう根拠の下で出たかという,いわゆるディプロマ・サプリメントのようなものですね。
 これは教育の質保証的に,やはり柔軟な制度を取り入れる,それをするとすれば,むしろ,そういうものについてのちゃんとした説明資料というものが学位記にちゃんと附属して出されるという仕組みが補完的にあれば,これは国際的な質保証につながるのかと。だから,そういったものが書かれてあるといいかなというのが一つ,この絵を見て思ったことが一つございます。
 それから,あと,全体的な科目のスキームの中で,先ほど来,こういった工学教育の刷新と,それから,企業側のニーズということとか,いろんなお話がありましたけれども,学生の視点に立てば,キャリア教育を,ここで例えばインターンシップもある種のキャリア教育の中にあるんだろうと思うんですけれども,初等中等教育で言われる進路指導とは違うキャリア教育を,やはり工学系教育の中でかなり職業に近いところが,サイエンスとは違う分野でありますので,そういった指導の仕組み,例えばメンター制を入れるとか,本当にちゃんとしたキャリア教育がなされていて。
 要は,先ほど来のお話ですと,確かに日本を代表する大学から日本を代表する企業に学生が行く場合は,ある意味,ひょっとすると,レールに乗った移動になるんですけれども,学生が自分で自分のキャリアを決定する力をやはりこういったカリキュラムの中に入れていくということをされると,もう本来はイノベーションを起こすイノベーション人材とか,大企業に行かなくとも,自分で創業する,起業する人たちが出てくるとか,やはり日本の活力を上げていくような人材も,こういった仕組みの中から出てくると思うんですね。そういったことが描かれると,非常にいいのかなというふうに思います。
 それから,もう最後に1点,リベラルアーツについて,先ほど大西先生の方から,JABEEなどではどう考えているんだというお話がありましたが,我々専門職大学院では,私はJABEEの基準,設計する委員会と,それから,評価委員会の委員をしておりますけれども,一つのリベラルアーツの切り口として,技術者倫理などが必修に近い形になることが基準の中に書かれてあります。
 この理由は,エシックスというのが実はかなり哲学の背景がないと,意思決定ができないんですね。リベラルアーツの一つの効果としては,多様ないろんな知識の背景に基づいて,自分なりに納得ができる間違いのない意思決定ができる。そういう教育の側面がかなり強いと思うんですね。
 そうしますと,工学系の教育の中で,当然,単なる倫理だけではないかもしれませんけれども,意思決定のトレーニングというのが,それはもう非常にエンジニアとしても重要ですし,そういったものも取り入れられると,かなりリッチな内容になるかなというコメントでございます。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 沼上さん,どうぞ。


【沼上委員】  ありがとうございます。リベラルアーツ関係の話が出ましたので,少しお話を私の方からしたいと思います。
 大学及び大学院の制度に必ずしも結び付く話ではないと思いますけれども,今回の4ページ目に出てくる様々なメジャー・マイナー制の話とか,あるいは,人文・社会科学分野の学習も必須というような文言も入れていただいておりますので,その点について,若干,私の方から意見を申し上げたいと思います。
 基本的には,教育というのはやっぱり学校の教育で完成して終わるわけではないというところがまず初めの一歩だと思うんですね。うちの大学で一番勉強して本読む方の学生でも,年間150冊ぐらいじゃないかと思うんですね。ということは,4年間で600冊読んでいたら,よく本読みますねというような方だと思うんです。
 それを考えると,4年間で,じゃあ,リベラルアーツが身に付いたかと,古今東西の全ての英知を身に付けたかといったら,それは身に付いてない,まだ物すごいいっぱい読まなきゃいけないし,物すごくいっぱい考えなきゃいけないということなんだろうと思うので,むしろ,リベラルアーツ的な能力をキャリアを通じて深められる一番初めの重要な種をどう仕込むかということを考えないといけないということなんだろうと私は理解をしております。
 どうやったらそれができるのかというのはいろんな議論があり得るとは思うんですが,基本的には,リベラルアーツ的な能力,最終的に何に結実するのかというのは,今,川田委員もおっしゃっていましたけど,基本的には,意思決定をするときに,自分の信念を疑いつつ,しかし,決める,その能力だと思います。信じ込んで疑わないというのはこれは暴走になると。しかし,疑い続けて決定できないというのはこれはまた問題があると。しかし,人間のウイズダムというのは,まさに信じつつ,しかし,疑うと,その両方の共存ができる能力,そこにリベラルアーツの能力の一番重要な部分があるんだろうというふうに私は理解していますが。
 これを達成するのに,ある分野で突き抜けないとこれに到達しないのかどうか,実は深みがあることがかえってそれの能力につながるという可能性もあり得るので,井の中の蛙,空の青さを知るとか,空の深さを知るとか,いろんな言い方をするときもありますので,大海は知らなくても,実は深みを持つことによって,その能力が身に付くという可能性もあり得るだろうと。
 あるいは,一部のスーパースターのような人たちというのは,うちもキャップ制を敷いているんですけど,上の方の5%ぐらいはキャップ制を全く無視して取っても,全部身に付けられる能力のやつがいたりするわけですね。その意味では,ダブル・メジャー,できちゃう人って多分いるんだと思うんです。平均像だとできないけど,上の5%ぐらいは,とてつもない能力の学習力の子がいるので,その子たちをどう伸ばすかという問題というのはもう一つ,深刻に考えなきゃならない問題だというふうに思っています。
 そのときに,ある意味では,柔軟性とか発展性のある人材をどう育てるかというときに,学部時代に広く学ばせるというのも一つの考え方だろうと思います。しかし,先ほど申し上げましたけど,広く学ばせても,たかだか600冊ぐらいまでしか読めないと。多分1,000冊は読めないだろうと思うんですね,まともには。それを考えると,実は,他分野を深く学ばせるということが実はすごく重要なポイントとして出てくるんではないかというふうに思っています。幾つもの分野ではなくて,もう一つの分野を深く学ばせると。
 そのときに,幾つか可能性があると思うんですけど,私は前にも申し上げましたけど,科学の歴史,科学史とか科学方法論とかというのを丁寧に学ぶというのも,一歩引いて次のジャンプをするという,進化をする上では極めて重要な基礎を提供するんではないかと思いますし,あるいは,ある分野における技術のイノベーションがどういう技術がどういう社会への受入れられ方をしたのかというのを丁寧にビジネスの専門家と技術の専門家が対話するような場面で学んでいくというような場面も,物すごく身に付くものがあるんではないかというふうに思います。
 もっと簡単に言うと,単位数少なくてもいいから,文化系のゼミに入れちゃうとかというのも物すごく意味のあることじゃないかと思っています。実は東工大と私のところでは,技術と経営という,5人だけ東工大の学生を受け入れて,その5人については,うちの大学のゼミに入れているんですね。人によっては,卒論まで書いて出ていく極めて両方卒論書けちゃうような能力の高い子も東工大にはいるので,そういうような教育をするというのは実は極めて意味のあるところだと。
 これは実は,リベラルアーツの,先ほど申し上げましたけど,教育というのは,一生掛けて深めていくものの能力の一つなので,それは,友達関係とかネットワークの中で育まれる部分がある。それを考えると,工学系の実験室,研究室で育っていくネットワークの中で生きていくだけでなく,文化系のゼミのネットワークの中でも,OB会に出てきたりしますから,その中でも育っていく二つのキャリアを持っているというのは,二つのネットワークの中で,常識を身に付けていく人,学んでいく人,それを作るということになりますので,その意味では,単位は少なくてもいいから,一生学び続けるコミュニティにどう入れ込んでいくのかというようなことも教育上すごく重要なんではないかというふうに私は考えております。
 もう一つ,先ほど,卒論についてちょっとお話がありましたので,卒論というのは,これは私も実はこれは研究の一歩だという捉え方をするのか,それとも,長いものを文章を書かせることで,構想力を身に付けていくためのトレーニングだというふうに考えるのかによって,随分位置付けが変わってくると思うんですね。
 修士論文で書くんだから,卒業論文は書かなくていいというのは,ある種,専門の論文の入り口だという位置付けなんだろうと思うんですが,そうではなくて,400字詰め原稿用紙で100枚から150枚,場合によっては200枚のものを大学4年のときに格闘して書くという。このプロセスこそ,まさにある意味ではリベラルアーツのよいトレーニングになる可能性があるので,専門分野をどこで捉えるか分からないですけど,その種の長いものを書かせるというのは,トップスチューデントについては実は極めて重要なトレーニングになる可能性がありますので,その点は是非,もう一度,全部なくすんではなくて,トップスチューデントについては,実は重要なトレーニングになり得るということを御指摘させていただきたいと思います。
 すみません,ちょっと長くなりました。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 黒田委員,どうぞ。


【黒田委員】  ありがとうございます。この中間まとめ,よく私はまとまっているというふうに感じておりますが,教育体制の改善の中で,私,一番重要なことは,学位プログラムをしっかり作るということなんです。学部段階の学士,大学院段階の修士,博士の一貫したプログラムですね。これがなかったら,幾らこの制度を変えても,意味がないと。先生方が今,自分の教える科目だけを並べて,それで,学位を出しているという状態ですから,それで,日本の学位プログラムになるのかということなんですね。
 だから,先ほどから話がありますように,教えられることを教えるということじゃなしに,今教えなきゃならないことは何かということを限定して教えていくということが必要。そのためには,学位プログラムをしっかり作っていく。これは今の設置基準の制度からいったら,非常に難しいことなんですね。先生方というのは,学部,学科に張り付いているわけですから,今の学科制度をなくすということ,これはもう先生方の居場所がなくなるわけですね。だから,設置基準を改正しないと,これはできない話なんです。
 だから,そういうことも含めて,日本がしっかりこの学位プログラムの体制を作り上げていくという,これが一番重要だと思うんです。
 それから,もう一つは,どの分野にも情報が必要だと。情報と書いてあるんですが,ここでいう情報とは何かということを少しはっきりさせなきゃならないと思います。情報,情報といって,今,企業の方は,情報だけ学んだ人なんて要らないよという話ですね。私の大学にも情報工学科はありますけれども,そこだけを卒業したんでは要らないというんです。ほかの何かを身に付けて,情報も学んできてくれということですから,大変世の中もそういうふうに変わってきているわけですね。
 だから,その辺のことを含めて,情報,ここでいう情報というのはどういう分野にどういう情報が必要なのかということも少し書き加えていただければというふうに思います。もう既に議論されているんだろうと思いますけれども。
 それから,先ほどからいろいろ話がありますけれども,工科系というのは,MITそのものも今,反省をして,CDIOという一つの教育,工学教育のプログラムを作っていますですね。だから,研究者用じゃなくして,企業で役立つ人材を作るということで,CDIOイニシアチブというのをやっています。これが今,世界に広がりつつあるんですね。各大学もそれを取り入れてやってきているという,そういう状態になっています。
 日本ではJABEEというのがあって,このJABEEの改革,私はもうすぐやってもらわないと駄目だということを言っているんですが,余りにも学協会にとらわれていて,私の科目がないとか,私の教科書を使ってないとかといって審査に来られる方が言われる,そういう人がまだいらっしゃるんですよね。だから,それでは,時代の変化に付いていけないんです。せっかく改革したものが元のプログラムに戻ってしまうといことになりますから,そういうことのないように,JABEEの方も改革していくと。
 JABEEというのはワシントンアコードに加盟していますから,東南アジアでは,JABEEを受けている大学院なら留学させてもいいという話まで出てきているわけですね。そういう意味で,JABEEというのは非常に重要な,日本にとってはシステムなんです。
 それと同時に,工科系では,技術士の資格を取る,多分,第1段階なんですね。JABEEを受けている学科を卒業しているかどうかによって,技術士の試験免除があるわけです。
 そういうことで,日本の国家試験というのは,学校卒業とは全く関係ないんですね。学歴関係なしにして受けれるわけでから,ゼロから始めていけるわけです。その辺がほかの国とは違うところなんですね。
 ほかの国は,みんなNQFがあって,教育をどういう段階で受けたら,どういうプログラムにつながるという,国家資格のどこにつながるって,みんな出来上がっているんですが,日本のはそれがないわけです。だから,このNQFも日本としては作る必要がある。そうしないと,世界と互角に競争できないという状態になってきていると思うんですね。
 これは大学が研究の大学であったものが,今,社会に役立つ教育の大学に大方の大学は変更せざるを得なくなってきている,そういう改革の時期でありますので,是非とも,研究を中心とした大学の在り方と,それから,社会人を養成する,企業で働く人材を養成する大学院と,おのずと僕は内容が違ってくると思うんですね。だから,そういうことを加味した改革の方向性というのを出していただきたい。
 それから,今のいろんな段階で,4プラス2とか,いろいろ段階がありますけれども,今では大学院へ行くときに,学部3年で大学院に入るということができますね。昔は,そこで学部の学士という学位はもらえなかったんですが,今は出せることになった。3年でちゃんと学部の学位を出して,修士課程へ進めるということになっているわけですから,そのことも加味しながら,そうすると,できる学生は短期で修士,博士まで行けるわけですから,そういう制度もちゃんと頭に置きながら議論をしていただきたいなというふうに思っています。
 こういう改革は非常に今,重要なことなんですね。日本の産業界の遅れを取っているというのもこういうところの改革が遅れているからだろうと思うんですね。そういう意味において,是非ともこの御提案はしっかりまとめていただきたいというふうに思っています。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 今,3点ありましたけれども,何か皆さんの方から,例えば情報の定義というようなお話があったんですけれども。


【名和委員】  情報の定義はプロがいますので。


【石川委員】  情報の定義ということに関して言いますと,この図にもあるんですが,各分野での情報は各分野で醸成すべきというのが基本指導として,一つの柱としてあります。もう一つの柱は,情報プロパーの人もちゃんとそれは育てましょうと,2本柱になっています。おっしゃっていることは,多分前者の方で,各分野での情報は各分野の中で醸成すべき情報があって,その分野で定義すべきであると。
 共通部分もないわけではないんですけれども,共通部分よりは,各分野の情報であろうと。例えば化学でいう情報と,それから,建築でいう情報とが,それほど一致はしてないだろうと。その中で,どれだけ情報を武器に,建築や土木や化学という分野を切り込んでいくかという力を付けさせるには,統一した情報を余り押し出さない。基本的なところはあるんですが,それの先の分野に応じた情報というのは分野の中で考えていくことだと。
 ここ,そこ,こと細かに定義を書くわけにもいきませんでしたので,そのレベルで記述してあるということになります。


【小野寺座長】  それから,最初に黒田委員からお話があった学位プログラムの問題ですね。今,委員の方からは,今の制度上の問題があるというふうにおっしゃったんですが,そこは文科省としてはどんなふうに見ておられるのか,教えていただけますか。


【浅野専門教育課長】  現在,中教審の大学分科会で,黒田委員も入っておられて議論されているところでございまして,高等教育の将来構想について議論がなされている中で,工学分野だけではなくて,大学全体の分野について,この学位プログラム制の導入がしやすい仕組みを作る。そのためには,設置審査のやり方であるとか,設置基準の在り方であるとか,そういったことを総合的に検討する必要が出てくるわけでございます。
 我々としては,工学教育でまずこの方向性を頂いたら,ほかの分野の動きもありますが,工学分野で先導的に検討を進めていきたいというふうに思ってございます。


【名和委員】  学位プログラムをいろんなのを作りまして,かなり融合した新しい領域を作りたいというのはもう非常に各大学で思っているところなんですが,一番大きい問題点は,この定員が決まりますと,それに対する教員数とか,これを新しく作るのに,教員が必ず必要だという制度になっております。
 そうしますと,どんどん,どんどん作っていきますと,教員が足りない。そういった際に,私たちの方で提案させていただいているのは,学内クロスアポイントというか,兼業ということをきちっとしようと。
 その際に,一番大きい問題になるのは,じゃあ,本当に教育しているのかということで,教員がちゃんとエフォート管理されてないといけないということで,そういった仕組み作りを入れようということで,実はそちらの方は書いてございまして,エフォート管理をすると。余り誰がするんだというところは非常に厳しいところで,学長がやれというと非常に厳しいところでございますが,第三者評価を入れてきちっと評価をしていくということをして,新しい領域をきちっと担保してきちっとやっていくと。
 ここら辺の仕組み作りが,まだ実をいいますと,設置基準の方にない。そこら辺をどう具体化していくというのが一番大きいところでございまして,踏み込みたいというふうに考えておりますので,よろしいでしょうか。


【黒田委員】  是非とも,この工学の分野から声を上げていただきたいと思うんですね。これ,やらないと,本当に日本は遅れちゃうよということをやっぱり中教審の方にも問題提起をしていただきたいというふうに思っていますが。
 それから,もう一つ,この学科の定員ですね。これだけ大きく変化を起きるときに,学科の定員まで縛られていたんでは,改革できないんですよ。だから,せめて学部定員ぐらいにしておいてもらって,学科におる人材というのは,どこへどう動いてもいいんだという,そういうぐらいのことをやらないと,改革できませんですね。


【名和委員】  まさにそれはもう本当にワーキングの方でかなり議論しているところでございまして,さらには,文部科学省がいるところで厳しいことを言いますが,学部に入れている定員も上限を,キャップ制じゃないですが,キャップ制がとありまして,かつ,標準年数で何%出ているという際には,日本はかなり緩めではないかということを言っている。質の担保ができているということを言われていますが,そこら辺は非常に大きい問題でして,ある規制があって,違う規制が来ている。
 そういう意味では,むしろ,質を保証するというところに力点を置いていって,定員と,そういった卒業させるパーセンテージの比率を考えていく必要があるだろうと。一体感のあるようなものをやっていく必要があると思いまして,これも中教審に,できれば,打ち出していきたいと思っています。


【黒田委員】  よろしくお願いします。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 一通り,一応皆さんから御意見を伺いましたけれども,この中間取りまとめをまとめるに当たって,この3ページ以降が具体的方策のイメージになっていますけれども,背景,工学教育の基本,輩出すべき人物像,ここが一応こういう形でまとめていただいているんですが,こういう点だけは是非書き込んでいただきたい,若しくは,こういう点はいいんじゃないかというような御意見があれば,少し具体的にお話しいただくと,次の分科会の方でワーキングの方で取りまとめるときに,非常にやりやすいんじゃないかと思うんで,そういう伺い方をしてよろしいですか。


【名和委員】  結構でございます。


【小野寺座長】  それでは,皆さんの方から,まず,3ページ目のところ,背景,工学教育の基本,輩出すべき人物像で,是非こういうことだけは書き込んでいただきたいということがあれば,若しくは,この点はどうなんでしょうということがあれば。どうぞ。


【浅見委員】  よろしいですか。この背景と基本と人物像,そのとおりだと思いますと。
 1点,多少強化した方がいいように思いましたのは,国際化といいますか,この改革の成果をどうやってモニタリングしていくかということなんですけれども,人材育成なので,10年,20年,もしかしたら,100年たたないと,成果は正確には測定できないとしても,よく言う,ちまたでは大学ランキングだとか留学生の数だとか,いろんなKPIがあって,それに対してどれだけ改革が,世界のトップレベルに向かって肉薄していっているかというのはよく見えない感じがしますので,やっぱり何らかしらのこの指標とその進捗みたいなのを置きたいように思いますと。これは一つで。
 あと,もう一つは国際化なんですけれども,きょうの議論では余り出てないんですが,例えば,英語ができればいいというものでもないんですけれども,英語だけ勉強してもしようがないので,英語の講座にするとか,アメリカの大学なんかは世界の留学生を集めていますし,ヨーロッパも中国も何かそういうふうになってきていて,もうちょっと撃って出て,留学生がかなり博士課程の多いのは知っていますけれども,もうちょっと世界から,やっぱり日本の工学系の教育がベストだと,産業へ行っても,研究所へ行っても,先生になるのも,みんなここが一番いいのであるという前提に立てば,どんどん世界からも学生が来るでしょうし,逆に先生も外の大学に武者修行に行くとか。
 何か国際化をもう一歩推進するような,制度上問題がないのかもしれないんですけれども,提携校と,いろいろ一,二年,留学とかいう制度もいろんな大学でやられているので,もしかしたら,制度上問題ないのか,ちょっと私,それは分からないんですけれども,もし制度を変えることで,もっと国際化を加速するようなことがあったら,それも取りまとめの趣旨の一つとして,もうちょっと強化してもいいのではないかなというふうに感じます。
 以上です。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 浅野課長。


【浅野専門教育課長】  小野寺座長の方から,資料を用意するように承りましたので,参考資料4というものを机上の方に配付をさせていただいております。「未来へ飛躍するグローバル人材の育成」ということで,横の資料がございます。
 文部科学省では,工学教育に限らず,かなりこのグローバル人材の育成について,今現在,様々な施策を展開をしております。一つは,グローバル展開力の強化ということで,大学の国際化を進めるための体制強化の支援を行っておりますし,その下の世界展開力強化事業では,そういったロシア,インドだけではなくて,いろんな国との大学交流を進めて,グローバル化を進めていくということも支援をさせていただいております。
 それから,右側の方では,留学生の交流の支援ということで,こちらから,日本から日本人学生が行くようなもの,「トビタテ!留学JAPAN」という名称が付いていますけれども,そういった支援を,企業の協賛金を頂きながら強化している一方で,外国人の留学生の受入れについても進めているところでございます。
 3番目のところは,それぞれ国立大学,それから,私立大学に対して,こういったグローバルな環境を進めるための予算措置をして,かなりの予算的な施策を展開しております。
 ちょっとおめくりをいただいて,次のページでございますが,今,浅見委員から御指摘いただいたような外国人の専任教員の割合を高めるとか,それから,外国語による授業科目を高めるとか,シラバスを英語化するとか,様々なそういった学内の国際化についても,このスーパーグローバル大学創成支援事業の対象として進んでおります。特にTOEFLの試験の活用でありますとか,そういった試験,英語の能力の,学生の英語の能力を高めるような取組に対しても支援を行っているところでございます。
 座長の方から資料を用意するように言われましたので,御説明させていただきました。


【小野寺座長】  今回,工学系の教育に絞っているものですから,国際化については一応,文科省さんの方でいろんなところでこういう取組をされているということで御理解いただければと思います。


【浅見委員】  分かりました。


【小野寺座長】  どうぞ。


【名和委員】  浅見委員が多分言われていたのは,その英語による会話能力ではなくて,英語で学んで自分で考え方を構成して,ちゃんと相手を理解させる,しかも,共同でやれるという,企業で海外で努力された場合に非常に困るところでして,その際に一番困るのは,向こうはリベラルアーツ型で本当に歴史とか詳しくて,それがないと相手にされないと,多分そこですよね。
 多分,今のここの国際化で一番問題になっているのは,英語での教育ということは,英語でしゃへって教育している。うちの大学もそうですが,一方的に英語を日本人は聞いて,一方的に理解しているか分からない。そこら辺のところが非常に大きいところでして,国際化のところの大きいところは,どうやってそれを判定するかというところですし。
 先ほどもう一点あったKPI的にどう評価するかというところなんですが,教育の。非常に世界ランキングと先ほど話に出ましたが,ランキングのところで一番大きいのは,研究論文のサイテーションとかレピュテーションでありまして,教育についての評価が軸がない。そこのところが非常に大きいところでして,ワーキングでもまだ十分検討できてないんですが,大きい課題だというふうには認識しております。
 以上です。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんか。どうぞ。


【大西委員】  3ページの輩出すべき人物像のポツの三つ目に,「自律的に学ぶ姿勢を具備し」というのがあります。これはかなり重要な点で,私たちの大学に,欧米系の留学生が来ると特に指摘するんですけど,日本人の学生は勉強しないというんですね。特にヨーロッパは余分に取って,だんだんふるいに掛けて落としていくので,試験に対する備えというか,勉強しなきゃいけないという,そういうことがあると思うんですけれども,いろんな日本人の学生の生活データなんかを見ても,勉強時間が大学生でもどんどん減っているということを指摘されていると思うんですけどね。
 例えば,授業のやり方でPBLとかいろいろ,アクティブラーニングというのも,授業そのものの仕方について工夫をするということなのか,それ,授業内容の工夫というのにかなり重点があるかと思うんですけれども,当然,派生的に自分で学習するということが必要になってくると思うんですが,それをもうちょっといろんな科目の中にどう浸透させていくのか,そこはかなり強調した方がいいのかなという気がします。
 ただ,一方で,何に書いてあるのか,授業を1回出ると,予習と復習で同じ,倍の時間を費やすというのが標準的なんですかね。たしかそういうのがあったと思うんですよね。それ,全部計算していくと,寝る時間がなくなっちゃうというカリキュラムになっているとか,そういう話もあるので,そうなると,キャップ制をきちんと定めて,望ましい学生の生活の仕方というのを教員の側もイメージしながら,カリキュラムを作る必要があるというふうに思うんですけどね。
 そういうことをやって,正味,自律的に学ぶ姿勢というのを具備すると同時に,実行させる,あるいは,それをどう測るのか。測るということは,日本の場合には,入学試験が厳しいので,試験受かったやつは基本的には卒業させるというのが大学としての役割だというふうに思っているところがあるわけですけれども,それは入学試験がかなり厳しい以上,そうするということかもしれないと思うんですが,しかし,品質をアップさせていくという,付加価値を付けるということが大学の役割なので,そこをきちんとどう測っていくのか,そういうことも,教育の成果の測定という話も出ましたけど,併せてやらないといけないと思うんですが,ここについてはかなり強調していいのかなというふうに思います。


【小野寺座長】  ありがとうございます。


【永里委員】  3ページに,輩出すべき人物像というのが書いてありますけれど,ここで,実はこういう人物像を作るための教育する人がいるわけですよね。だから,工学教育を担う人物像というか先生たち教員像ということについて,ある程度触れておいた方がいいんじゃないかと。それは教員を産業界からスカウトするとか,人物の流動性ですね。そういうことも含めてだと思います。
 例えばの話が,産業界からどんどん金を集めてくるような先生たちっているんですが,そういう人たちも評価するようなこととか,そういう人物がいると思うんですね。これは例えの話なんですが。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 どうぞ。


【三島副座長】  いや,恐らく今のところが一番大事なところで,学生たちが,入ってきた学生たちが1年後ぐらいに,かなりやる気をなくす雰囲気があるのは,講義がつまらないからだということがあって,この学位プログラムをしっかり作るという中に,教え方の問題も含めて,それから,講義の組み方のシステマチックにどうやるかなとかいうことをしっかり複数の先生方で考えてというようなところ,それから,教え方のうまい人こそ,初学年の,新入生の講義をなるべく持って,彼らの魂に火をつけるようなことを考えると。
 そこが物すごく重要なので,私,確かに具備すべき教員像というのを入れてもいいのかもしれないと思います。


【名和委員】  それ,書くんですか。


【三島副座長】  いやいや,そのとおりだと思いますということですね。書かなくてもいいと。ただ,教育の質というのはやっぱりそういうもんで,教え方であり,カリキュラムであり,だから,そういう教育の質の確保って物すごくやっぱり重要だと思います。


【小野寺座長】  どうぞ。


【利穂委員】  人物像に関連して,少し意見を述べさせてもらいます。社会にでて様々な課題に取り組む際には,いかに人をうまく巻き込んで解決していくかとか,チームの一員としていかにうまく協調して課題を解決していくかとかという能力が非常に大事です。そのようなチームワークは日本人の強みともいえる要素で,そういうことは大事にしないといけないという気がしております。
  工学教育の輩出すべき人物像の中に,個人としてこういう能力を持ったらいいというのがいろいろ書かれていますが,協力してやっていくというか,チームとしてやっていく能力,そういう面が少し加味された方がいいんじゃないかと思います。
 それと,もう一つ,工学教育の在り方を考える上で,教える側の人と教えるカリキュラムのレベルをどうやって上げていくかということは本質的に大事なことだと思います。次のページの教育組織とか教育の多様化とかというところに関するものかと思いますが,いろいろと工学教育に関連して記述されている内容がまさしくそうだなと思うがゆえに,どのようにして実現していくのだろうかということが気になります。
 最後の方に書かれたところまで行ってしまうかもしれませんが,国や産業界による工学教育への投資というのが,工学教育を担う教える側のことを考える上でも重要な要素となると思います。今の大学の中だけではやりにくいことを,産業界の方から資金や人がもっと入りやすくなり,そういうものが使いやすくなっていけば,教える側の改革推進にもつながっていく契機になるような気がします。
記述されているような工学教育の改革をどのように実現していくのか,その辺の記述が現在の案からどの程度書き込まれるのかというのが関心の強いところであります。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 今,御意見ありましたけれども,後ろの方に書き込まれているところもあると思いますので,その辺でまた皆さんに御議論いただければというふうに思います。
 それでは,4ページの学部・大学院の教育体制の改革,ここはもう皆さんからいろいろ既に御意見,出ています。そういうものも書き込む,どこまで書き込めるかは,これ,御検討いただかなきゃいかんと思いますけれども,大枠として,ここに書かれていること以外に,やはりこれがどうしても必須ではないかというようなことがあれば,おっしゃっていただければと思うんですが,いかがでしょうか。


【名和委員】  おおよそは出ていると思います。


【小野寺座長】  皆さんから御意見いただいたこと,大体ここの中に網羅,項目としては網羅されているんではないかというふうに思うんですが。例えば今お話にあった学位プログラム制の積極的導入の中で,教員組織と教育組織の分離であるとか……。


【名和委員】  全部入っています。


【小野寺座長】  こういうところは入っているんじゃないかと思いますし,先ほど,黒田委員からお話のあった学科専攻定員制度の廃止,これも一番最初に掲げていますので……。


【名和委員】  入っています。


【小野寺座長】  もうほぼ,皆さん方からおっしゃっていただいた御意見は入っているような気がします。
 卒論の在り方についてはまだいろいろ御意見はあるようですけれども,この辺をどう見直すかというのはなかなか難しいところかもしれませんけど。
 ほかに皆さんの方から。どうぞ。川田委員から。


【川田委員】  すみません,この4ページのところで言いますと,工学基礎教育の必修科目の設定のところなんですが,恐らく6ページにも関わるんですけれども,ここにいらっしゃる先生方は御存じのように,日本の工学部の発祥は東京大学で,世界で初めてユニバーシティの中に工学部が設けられたと。その設計をしたのが,私,経営工学なんで,ランキンサイクルのランキン先生のお弟子さんのダイアーという若い24歳の方を日本に連れてきて設計した。そうすると,そのとき,イギリスの制度ではなくて,ETHZですよね。当時のチューリッヒ工科大学が世界最先端だったので,その仕組みだと。
 そうすると,それは6ページにもありますけれども,要はメカニカル・エンジニアリング,力学工学としての機械工学と,それから,電磁気学工学としての電気工学と,いわゆる古典力学とか古典物理学を背景にした工学分野で体系を作ってきているわけですね。今も実はここに,その当時のものが書かれてある。
 その中で,基礎教育で,恐らく,最近になって情報と言われていますけれども,特に数理ですよね。例えば,シャノンのサンプリング定理なんていうものは,物理学ではないですよね。あれは数理的なんだけれども,あれを誰も,あれに反して,デジタル機器は設計できないわけですね。
 そういうのが完全な工学の基礎理論ですから,そういったものはやはり工学部であるからこそ,そういったものを基礎として学生に教えることで,工学というものは一体何であるかということが理解できるんではないかと。
 ですから,そういうものを入れていくというふうな,何ていうんですかね,考え方の中で,この修得すべき基礎というものを,いや,多分そういうふうに考えておられると思うんですが,そういう視点が見えると,より工学関係の人間には分かりやすいというふうに思いました。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 大西委員,どうぞ。


【大西委員】  さっき申し上げた,それから,黒田委員からも出ましたけれども,JABEEだとか国家資格との関係というのは,これ,どこで書かれるんでしょうか。この工学教育改革があって,自己完結し得ないところもあると思うので,ここで改革することを,他の制度の改革を促すために,どう働き掛けるかとか,そういう視点もないといけないのかなと思いますので。


【名和委員】  はっきり言いますと,JABEEについての整合性についての議論はほぼないというところで,ワーキングの方はさせていただいております。
 また,個人的には,うちの大学はJABEEをやっていますので,北海道大学は,びっくりするのは,建築のJABEEというのは本来ないはずで,デザインですので,それがシビルエンジニアリングのJABEEを適用しているというふうに,世界的なJABEEと日本のJABEEでちょっと整合性もなかったりしているので,少し今のところ,JABEEはどうなっているんだろうというふうには見ているというところがございます。
 すみません,個人的な意見もちょっと付け加えさせて。


【大西委員】  JABEEに対する評価はいろいろあると思うんですけど,先ほども出ましたけど,特に東南アジアというか海外でかなりこれは適用して,例えばマレーシアはJABEEに入ってないところには留学させないというふうになっているんですね。だから,結構現実的な影響も出ていて,たまたま我々のところはJABEEを全部やっているので,急にマレーシアの学生が増えたりしているんですよね。どういう事情かと思ったら,そういう事情があると。これは基本的には単位互換性のための国際標準化なので,それは無視するということもできないんだろうというふうに思うんですね。
 ですから,そこは少し掘り下げていただいて,日本発のスタンダードを作るという,そういうことになれば,それはそれで一つのやり方ですが,それはかなり時間も手間も掛かると思うんですね。


【永里委員】  大西先生,そうすると,マレーシアの人は東大には行けないんですね。JABEE,入ってないんです,東大は。


【大西委員】  今年,異変が起こっているんですよ。だから,ちょっと今,東大にどういうふうになったのかは知りませんけど,かなりドラスティックに。マレーシアの国費留学生ですね。マレーシアの人は行けないということはないと思うんです。国費留学生に適用されると思います。ちょっと不確かな面もあるかと思いますけれども,我々のところにはそういう意味で,急に異変が起こったと。


【松尾大臣官房審議官】  今のJABEEの関係ですけれども,いろいろ我々の中でも検討はしています。
 大西先生が言われたマレーシアのところは,確かにマレーシア,例えばJABEEを取ってない大学に行って,マレーシアにまた戻ったときに,それがちゃんとした学位として認められるかどうかというのは,これはマレーシア側の政府の人事院の中で認めるかどうかというのを交渉しなきゃいけなくて,それはやっぱりマレーシアの政府の相当運用上の問題もあって,認められるときと認められない時期があって,そこで少しフリクションがあったというのは事実でありまして,完全に認められないかというと,そうではなくて,その向こう側の政府の判断によりますので,それを自動的にやろうとすると,やっぱりJABEEのようなワシントンアコードを取ったところに行くということはすごく適合性があるということです。
 したがって,取ってないところに留学行けないということではなくて,戻ってからの不具合が多少生じるというのはどうもあるようでありまして,したがって,いろいろJABEEとの整合性であるとか,あるいは,技術士との整合性,社会的な制度との整合性はあるわけですけど,なかなか今,まだ日本の大学でJABEEを取ってないところ,取っているところというのはありまして,そこを一概で全部網羅すると,なかなか難しいかなというのが多分この分科会の議論なんだと思います。
 それを,多分そことの整合性をうまくするためにはどうするかというのは,引き続きちょっと検討していかないといけないことなんだと思います。


【永里委員】  中国は後から参加しましたので,もう極めてそこを国家的にやっていますよね。


【松尾大臣官房審議官】  はい。


【永里委員】  その中で,日本がどうするかというのはちょっと問題ですね。


【松尾大臣官房審議官】  はい。


【名和委員】  結構,そのJABEEというのは大きい問題だと思いまして,この工学部系の在り方のときにそれを入れると,国際化のところでは非常に大きい問題だと思っています。
 あと,ジョイントディグリーとかダブルディグリーというのもなかなか本当にやらなきゃいけないところで,実を言いますと,ジョイントディグリーにしますと,完璧にプログラムは一貫になりますので,そこの単位認定が完璧にできるわけです。
 そちらを推進すべきか,こういった学部のところを推進すべきかというところも含めまて,結構大学,両方やるのはかなり厳しいというところがありまして,工学系で今,ドクターコースのことを議論している際には,実はダブルディグリー,ジョイントディグリーというのは結構力点を置きたいというところがありまして,ちょっとJABEEの方はまだ行ってないというところでございます。大変申し訳ございません。


【小野寺座長】  よろしゅうございますか。
 それでは,次の5ページの方で,ここは情報科学技術の工学共通基礎教育の強化と先端人材教育の強化,それから,産学共同の教育体制の構築,国や産業界による工学教育改革への投資ということで,ここの部分について,皆さんの方からいろんな御意見はあろうかと思うんですが,何かこういうことだけは書き込んでいただきたい,若しくは,ここはこう考えてほしいということがあれば,皆様からどうぞ御意見,お出しいただきたいと思います。
 今までに既に出ている意見については,反映できるものは反映させていただきたいと思います。よろしくお願いします。


【浅見委員】  よろしいでしょうか。


【小野寺座長】  どうぞ。


【浅見委員】  工学教育だけには限らないと思うんですけれども,この教育改革をやった場合に,工学系のエコシステムが変質してくると思うんですね。それは大学の中だけで閉じていれば,それほどこういう話で出てこないかもしれませんが,ちょっと気になるのは,投資とか予算だとか,先生の時間,学生の時間というか,リソースに対する影響がどういうところでどう出てくるかという視点です。
 ダブルディグリーでもリーダーシップ教育でも,とにかく教育の質と量を上げていくと,多分それなりのリソースが掛かるわけで,どこかで減らすということなのか,アメリカの大学みたく,学費を物すごく上げるとか,賄い切れない人は,奨学金が出るというふうにするのか,何か話がだんだん大きくなってきて,工学教育だけではないと思うんですが,この施策がどういう投資だとか予算に影響を与えるのかというのが,このページだけじゃないと思うんですけど,特に最後,国や産業界による投資というのがあるんですけど,学費だとか,そういうのを含めて,リソースがどうなるのかなというのは多少疑問に感じましたので,ちょっとこのページに関することじゃないかもしれませんけど,あえてコメントさせていただきました。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんか。どうぞ。


【中村委員】  今,浅見さんが言われたような点はやっぱり大事だと思うんですね。やはり優秀な大学に入るには,まず,それまでに塾へ通わなきゃいけないとか,まず,高校までに大体決まってしまって,裕福な家庭の子供たちが優秀な大学へ入るという,こういうことのケースがちょっと増えてきていると思いますので,そこのところの6年にする,9年にするといったときに,結局は家庭にリソースがない人は入れないという,そこで遮断してしまわないような,そういう仕掛けがやはりちょっと要るかなと思います。
 それと,もう一つは,この産業界による工学教育改革への投資というのがあるんですけれども,ここに書いてあるこの投資が,知的財産だとか,この税制上の優遇措置というのがあるんですけれども,今の産学で連携して例えば共同研究をやるというときの支障になっているのは,昔と比べ,昔は最新鋭の設備が大学にないというところだったんですけど,これは今,私どもの研究開発部門の調査でいくと,大体遜色ないといいますか,欧米にとって,に比べると遜色はないんですけど。
 ただ,それを使おうとするときに,実際にやっている人たちは教員,ポスドクの研究員だったりということで,実際にその機械をオペレーションする,予約をするとかいう実務のところでいうと,専門的なスタッフが余りにも欧米に比べていない。したがって,共同研究が進まないという実務のところがありますので,ここの投資のところの書きぶりを,ちょっと,何ていいますか,箱ものの投資はされるんですけど,やっぱりオペレーションのところの部分が何か読み取れないので,何かその辺を入れられたらよろしいんじゃないかと思います。


【小野寺座長】  非常に重要な御指摘だと思います。これは別の会議ですけれども,やはりそこが本当に問題になっているようでして,某国立大学法人,研究開発法人の有名なコンピュータがもう稼働時間がこれくらいしかない。なぜですかというと,そのオペレーションのための費用が出ないんだそうですね。
 投資に対しては,設備投資に対しては最初,国がちゃんとお金付けてやってくれるんだけど,それをオペレーションするための費用というものがなかなか出ないそうですね。


【名和委員】  正直言って,ハードなんですよ。一番大切なのはソフトなんですね。ソフトに対する費用というのはこれはなかなか計算できないので,それをどうやって入れるかというところがないんですが,実際にはハードが動いてないので,計算してみれば,簡単にソフトが足りないということが出てくるんですが,それが一番大きいということ。
 そういった意味では,その人たちを,先ほど,教員のあるべき姿がありましたが,そういうテクニカルスタッフのあるべき姿というのがありまして,ただ手伝うだけじゃなくて,彼らが論文も書いて発表できるぐらいまで高いレベルを持っていないと,高い学生ができてこないということがありまして,そこら辺の在り方も必要で,そこに対しての投資をしていただきたいと。
 そうすると,これは研究投資なんですが,実際には表には教育投資になってしまうので,それに対して優遇は,研究投資に対しては税的な優遇はあるんですが,企業がたとえ1億,2億円で研究に出した場合についての税制的な優遇はどう見ても余りないというところで,そういう意味で書かせていただいております。


【小野寺座長】  ほかに御意見ございませんか。どうぞ。


【黒田委員】  産学共同の教育のところに書かれているんですけれども,今,博士を出すのには課程博士と論文博士とあるんですけれども,国全体としては,論文博士はどんどん減らそうと,なくしていこうという方針のようでありますけれども,これは今後,維持されていくのかどうかですね。
 だから,産業界、企業内で研究したものを論文として出される,研究指導は時間的にやるわけですけれども,博士課程に入らなくても,ちゃんと博士が出せるようにするのかどうかですね。これは何か日本と東南アジアとの協定で,日本で論文博士を出すという何か取決めがあるみたいで,すぐには廃止できないということは聞いているんですけれども,日本の制度として,そういう論文博士ですね。これを実行できるようになると,この産学共同による学生が企業の研究室へ行って研究したり,また,企業の人が大学へ来て研究したりと,こういう交流が非常に盛んになると思うんですが,その辺はいかがですか。


【浅野専門教育課長】  その点については,ここの記載については,論文博士を推進するというよりは,課程博士のプログラムの中で,こういった共同研究を通じて,そのプログラムを修了したという形でのプログラム設計を進めることはできないかという御指摘だったと思います。


【永里委員】  いいでしょうか。


【小野寺座長】  どうぞ。


【永里委員】  今の件に関しまして,ベルギーのIMECとか,あるいは,フランホーファー辺りでは,大学の教授の指導のもとで,企業からの研究者が一緒に研究して,それで,そこで博士を作っていくというようなことがありますので,そういうことも御考慮なさったらどうでしょうか。


【三島副座長】  産学連携の中で,学生あるいは社会人の博士を出すときに一つネックになるかもしれないのが,現状の1年以内に全てデータを公開,内容を公開するという知財の問題があります。それを例えば2年とか2年半は公表しなくていいと,アブストラクトは出さなきゃいけないですけど,アブストラクトは書きようですので,全体のデータ,あるいは,その内容についての公表時期を延ばすというようなことがないと,うまくいかないのかなという議論は東工大ではしております。


【小野寺座長】  ほかにございませんか。
 これ,私の持論なんですけど,産学共同のときに,特に人材交流のときに,今,国立大学とか国立研究開発法人はかなりルールをいろいろ変えていただいて動くようになっているんですが,実は産と学の間の人の交流というのは,文科省さんのデータを見ると,逆に減っているんですよね。これはある意味でいうと,産の側にもかなり責任があるんじゃないかなというふうに私は思っていまして,ここをどうやったら,皆さんと人の移動がしやすいようになるのか。これ,ちょっと産業界側も本当に考えないと,まずいんじゃないかなというふうに思っているんですが,いかがでしょうか。


【浅見委員】  いいですか。御参考までですけれども,弊社の場合,特別研究員制度でやっていて,大学の先生が兼務で来ていただいて,企業側の研究をして,もちろん,給料とか,それから,約束を達成した暁には,多少多めのインセンティブを出すというようなこともやっていますので,辞めて来ていただくとなると,さすがにリスクが高過ぎて,なじめるかも分からないし,その研究分野が続くかも分からないというのがあるので,何というか,大学に籍を置いたまま,企業の方で少し活躍していただいて,そのときはまたいろんなオプションは出ると思うんですけれども,そういうのも,試行錯誤的ではありますが,始めております。


【永里委員】  今の件に関して質問ですけど,年金の制度とか,その辺はどうなっているんですか。


【浅見委員】  それは基本的には大学側にまだ籍があるので,大学の方が基本になっています,このケースについては。


【小野寺座長】  中村委員のところで何かいろいろされているようですけど,いかがですか。


【中村委員】  そうですね。大学の先生に,私どもの研究所に社員として入っていただくというようなのを積極的にはやってないと思いますけど,いろいろと,例えば東京大学とか京都大学,北海道大学等の共同ラボというものをテーマを決めてやっていくというような形で,そこに私どもでいうと,各拠点,大体20人ぐらいだと思いますけど,行って一緒にやるという,こういうようなことで,何というんですかね,人,それから,ある程度お金も,国会の審議を得なくて出せるお金というのが,研究開発室の,企業の場合はありますので,目的を定めて,それの得意な特色のあるところと一緒にやるということでやらせていただいております。


【小野寺座長】  各社とも,そういう形は結構いろいろやっていると思うんですが,人材交流といったときに,例えば企業側から学の方に,それこそ身分ごと移すと,その逆も含めて,そこまで考える必要があるのか,ないのか,そこだと思うんですね。


【中村委員】  私どもの場合は,私どもから大学へ教授として出ていくというケースは結構多いです。


【小野寺座長】  それはありますよね。


【中村委員】  はい。その逆は余り記憶が,何名かおりましたけど。


【名和委員】  そこら辺は,給与とか年金ですとか,そういったものについての制度が企業に行った際と変わりますので,一度切れちゃったりするので,そこのやっぱり法的なところら辺をうまく緩和していただいて,できるようにしていただかなきゃいけないと。前もワーキングでは結構そこが問題になっていまして,企業とのクロスアポイントはかなりそこが難しいというところがあります。


【天羽委員】  静かに聞いていたんですけど,例えば私が以前代表を務めていたデュポンという化学メーカーの本社は世界じゅうから毎年50人ぐらい,1年間やっていますね。その中で,私も日本人を何人かレコメンドしていましたけど,全て落ちました。やはり世界中から集めてくるといいですね。いろんな形のクライテリアがあって,ある大学の知っている先生なんかを随分レコメンドはしたのですけど,今まで,そうですね,五,六回やりましたけど,全部落っこちましたね。
 だから,今の話でも,企業との交流をするにしても,やはり日本の大学の先生だけかもしれませんけれども,世界じゅうからもっと,先ほど言った国際化ということも含めて,どんどん集めてくるとか,そういったこともやってもいいのかななんて,ふっと,さっきからずっと聞いていたんですけどね。
 少しステップが違うのかもしれませんけれども,何かそういうプログラムがあってもいいのかなと。日本の企業でも,日本の先生以外にも世界じゅうから集めてくるようなのはもっと積極的にやってもいいのかなとちょっと思ったりはしたんですけどね。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 一応,皆さんの方からいろいろな御意見が出ました。
 この具体的方策のイメージの3まで,お話,皆さんの方から伺いましたので,この後,またワーキングの方で取りまとめていただきたいというふうに思います。
 ワーキングの次回の話に行く前に,三島委員の方から,全体として何か御意見を。


【三島副座長】  大変よくまとめていただいていると思いますので,きょう頂いた御意見の中で,文章として残せるものを選択していただいて,書かせていただければいいかなと,十分かなというふうに思いますが。


【名和委員】  ありがとうございます。


【小野寺座長】  時間の方はもうちょっとあるんですけれども,もう。どうぞ。


【中村委員】  すみません,1件だけ,ちょっと私,言い漏れたやつが。3ページなんですけど,ここの全体の文章からいくと,今の世の中で日本が求めている用語で言っていると,Society 5.0だとか,ビッグデータだとか,デジタライゼーションの話も出ているんですけど,ここの中で一番,背景のところで触れるべきところは,やっぱりそういった世界がデジタライゼーションの進展でグローバル化が進んで,その結果で科学技術の細分化とか短命化とかが進んで,産業分野も急速に変化をしているという,そのところでいくと,やっぱりグローバル化という言葉がないと,やはりいろんなところであるんだけど,背景にはやっぱりこのグローバル化が相当進んでいるという,それによって,国が国境がなくなってきているんだということを伝えるには,グローバル化の進展とか,何かそのキーワードはちょっとこの背景にあった方がよろしいんじゃないでしょうかということであります。
 以上です。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 よろしゅうございますか。
 それでは,次回の日程等について,事務局の方からお願いできますか。


【福島専門教育課企画官】  今後の日程でございますが,資料2として,今後のスケジュールでお配りをしておりますし,また,御連絡もさせていただいておりますが,次回は5月24日水曜日の10時からということで予定しております。開催案内につきましては,また改めてお送りをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


【小野寺座長】  ありがとうございます。
 きょうは9時からということで,非常に長時間にわたって皆さんに御議論いただきまして,ありがとうございます。ワーキンググループの方,大変だと思いますけれども,是非よろしくお願い申し上げます。
 きょうの会議はこれで終了というふうにさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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