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法科大学院教育におけるICT(情報通信技術)の活用に関する調査研究協力者会議(第3回) 議事録

1.日時

平成28年10月7日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15F特別会議室

3.議題

  1. ICTを活用した教育の本格的普及について
  2. その他

4.出席者

委員

朝田良作,石井徹哉,宇加治恭子,大石和彦,樫見由美子,土田伸也,恒川隆生,中川丈久,藤本亮,吉崎敦憲,米田憲市の各委員

文部科学省

塩田専門職大学院室長,川﨑専門職大学院室室長補佐,真保専門教育課専門官

5.議事録

【樫見主査】
 第3回法科大学院教育におけるICTの活用に関する調査研究協力者会議を開催いたします。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず,事務局の方から配付資料の確認をお願いいたします。

【真保専門教育課専門官】
 配付資料については,お手元の議事次第の4,配付資料にございますとおり,資料1から資料3及び参考資料の4種類の資料をお手元に御用意させていただいてございます。過不足等ございましたら,事務局の方にお知らせください。以上でございます。

【樫見主査】
 ありがとうございます。
 それでは,議事に入りたいと思います。まず1番目,ICTを活用した教育の本格的普及についてということで,まず今後の法科大学院におけるICTを活用した教育の本格的普及に向けた論点につきまして,前回の議論を踏まえ,事務局に整理をしていただいておりますので,まずは事務局より説明をお願いいたします。
【真保専門教育課専門官】
 お手元にございます資料1及び資料2がメーンとして使用させていただきたい資料でございますが,資料1を用いて先生の皆様方に御議論いただきたいと考えています。
 まず,資料1の説明をさせていただきますので,御覧いただければと思います。資料1につきましては,前回までの御議論を踏まえまして,形式的には報告書の骨子に近い形でまとめさせていただいた資料でございます。構成としては,目的がございまして,その後にメディアを活用した授業に関する法令解釈,そして3でその他という構成になってございます。
 まず,目的から説明をさせていただきます。目的については,前回の会議におきまして,先生方に御議論いただいたところです。それを今回我々の方でまとめさせていただきまして,こちらに記載をさせていただきました。最初の白丸の2つの部分については,いわばこの検討が始まった背景,経緯の部分を記載させていただいたものでございます。いくつかの大学において,現在遠隔授業を実施されている大学,または構想し始めている大学がございますが,法令面,あとは認証評価などの適合性を考慮する余り,遠隔授業等の実施に二の足を踏んでいるというような指摘が一部にあるということがございました。
 そこで,以下の3を目的として挙げさせていただきましたので,こちらは読ませていただきます。1つ目の目的といたしまして,法科大学院が立地しない地域に居住する法曹志望者や,時間的制約の多い有識社会人が,地方大学や自宅・職場等において直接の対面授業に近い形で法科大学院の講義を受講することで,法曹資格取得のための途を確保することが可能となること。2つ目の目的といたしまして,遠隔地に立地する法科大学院との地理的・時間的制約を乗り越えた連携が促進されることで,複数の法科大学院がそれぞれの強みを活かし合いながら,教育の質を向上することができるようになること。各法科大学院の限られた資源を有効活用することで,それぞれの法科大学院の教育力がさらに向上していくということの意味を込めさせていただいた部分でございます。3つ目の目的といたしまして,現職の法曹や企業の法務部や役所などで法律実務を扱う社会人が,科目等履修制度等の活用により法科大学院の講義を受講することで,キャリアアップに活かすことができるようになること。
 以上の3つを目的として,法科大学院において遠隔授業を実施する場合の要件を明確化することで,遠隔授業の普及促進を図ることとしてはどうかという形で,目的を整理させていただいたものでございます。前回までの議論を踏まえまして,この目的を整理させていただきましたので,本日はこの目的を前提に,(2)以降を皆様方に御議論いただきたいと考えています。
 (2)につきましては,法令解釈の部分でございます。前回までの議論で,例えば授業の科目,授業形態,学位取得につながる条件,こういったものについて類型的な考察を深めていく必要があるのではないかといった御意見を頂いています。そうした観点から,法令上の要件という部分とリンクをする形で論点をまとめさせていただいたものでございます。
 専門職大学院設置基準,1,「教育効果要件」の適合性というところがございますが,「現状」にございますように,専門職大学院設置基準では,十分な効果が認められる授業についてメディア授業の実施が可能ということとされておりますが,条件が十分に判然としていないという部分があるかと思います。こちらにつきましては,1の枠囲いの中で書かせていただいているように,ゼミ形式の授業や実務基礎科目の,より実務に傾斜した部分について,教育効果要件に適合するための配慮事項を明確化してはどうかということで記載させていただいています。
 3ページでございますけれども,検討事項にございますように,講義形式による一斉授業,こういったものは九州4大学の事例などを中心に蓄積もございまして,遠隔授業においても十分な質を保ちながら授業ができるという部分は,ある意味想像に難くない部分があるかと思います。しかしながら,先ほど申し上げたようなゼミ形式の授業や実務基礎科目の一部,こういったところについては,そういった蓄積がまだ浅い部分もございまして,配慮事項をしっかりと検討していく必要があるのではないかということで問題提起をさせていただいたものでございます。中には一部これまでの議論で御指摘がございましたように,直接の対面授業と遠隔授業を組み合わせる,こういった形態の活用も考えられるのではないかということも目出しをさせていただいています。
 次に,メディア告示の関係でございます。2で遠隔授業の実施形態という部分がございます。こちらについては,現状にございますように,メディア告示では1号類型,2号類型ということで通常呼ばれておりますけれども,1号類型として,同時かつ双方向に行われるもの,かつ授業を行う場所以外の教室,研究室,またはこれらに準ずる場所で履修させるもの。2号類型として,同時双方向を要件としないものの,指導補助者が教室等以外の場所で学生等と対面するか,または授業の終了後速やかにインターネットなどの方法で十分な指導を併せ行い,かつ当該授業に関する学生等の意見交換の機会が確保されるもの,こういった条件がかかっております。
 次の4ページでございますが,ただ,今,筑波大学が実施され始めているようなタブレット端末を用いて授業に参加する形態,こういった形態については,告示が,当初平成10年に制定されたものであることもあって,想定されていなかったのではないかと考えられます。検討事項といたしまして,こうしたタブレット端末等を活用した授業形態をどのように取り扱うかということがございます。ここに書かせていただいたように,筑波大学の事例を参考にいたしますと,教室等で履修するというよりは,外出先から授業に参加するということが主に想定されていると思います。そうした観点で,いわゆる場所要件に当てはまらないために,現状では2号要件への適合が求められているということがございます。ただ,法科大学院の授業ということでは,同時双方向ということ以外に,学生同士が交流・議論を行う,こういったことについても質の確保の観点から重要ではないか,そういった議論,御指摘もこれまでございました。そうした意味で,特に学生同士が切磋琢磨する環境の確保など,教育効果の観点から,サテライト形態と同様に取り扱うこと,つまり1号形態と同様に取り扱うことが望ましいものとなるための配慮事項とはどのようなものか,こういった部分が1つの検討事項になると思います。
 もう一つは,これまで多少議論がありましたオンデマンド配信,この問題でございます。ビデオ・オン・デマンドシステムの活用など,こうした同時双方向配信以外のシステムを活用した形態,これについては,各法科大学院を対象とした調査の結果として,現在まで正規の授業として採用された事例がございません。こうしたことを踏まえますと,教育の質の確保の観点からの課題も多いものと考えられます。やはり法科大学院が同時双方向といったものを主として授業が実施されてきた,こういったことも踏まえますと,ニーズがあるとしても,この会議で早急な結論を出すということは難しいのではないかと考えています。学習サポートといった授業をフォローする機会として有効に活用するということは十分に検討に値するものだとは思いますけれども,事後的に授業を聴講して,それを出席扱いと認めるといった運用については,慎重な検討が必要ではないかという観点も含めまして,引き続きその在り方を検討するということで記載させていただいているものでございます。
 次に3の,面接授業に相当する教育効果の点でございます。こちらにつきまして,現状でございますけれども,メディア告示で要件とされている「面接授業に相当する教育効果」,こちらについては,告示を制定した際の通知において配慮事項として,以下の黒ぽつ5点が挙げられているところでございます。しかしながら,この通知については,時期の問題として,マルチメディア教育が成長し始めた頃に通知をされていること。あとは,恐らくこちらは一般の大学の学部に焦点を当ててできた通知であると,そういったことを勘案いたしますと,特に教育の質に関して保障が求められる法科大学院において遠隔授業を実施する観点から,他に配慮すべき事項があるかどうか,こういったことも検討事項にあるのではないかと思っています。
 2つ目として,学位の取得のための条件といったような御議論も,前回までにございました。こういった観点から,遠隔授業を主体として「法務博士」を取得するに当たり,授業単位での配慮事項のほか,先ほど申し上げたように,学生同士の交流・議論,こういったことがあり,かつ教員からの指導・助言,これは授業時間外も含めて必要になる部分があるだろうということで,授業時間外における指導・助言といったもの,こちらはラーニング・マネジメント・システムを例示として出させていただいておりますが,こういったものがどう担保できるかといったことですとか,ちょっと前後が逆になりましたけれども,遠隔授業による取得可能な単位数の上限というものもございますが,こちらは全ての科目を遠隔授業で取得することが可能なのか。科目によっては,これはスクーリングでやった方がいいだろうというような科目も中にはあるかもしれませんし,そういった観点も含めて目出しをさせていただいたというものでございます。これに限るものではないと思いますが,法科大学院に対して何らかの配慮を求める必要があるということも,検討事項だろうと思ってございます。
 次に,(3)の「その他」でございますが,こちらに関しましては,次回以降の議論の課題ということで目出しをさせていただいているものでございます。今申し上げたような法令事項に関する論点がある程度定まってまいりますと,遠隔授業としてこういったことに配慮すればいいといったものがある程度見えてくると思いますので,その後,遠隔授業の円滑な実施に最低限必要とされるようなシステム環境というものがどのようなものか,または遠隔授業を実施するに当たって特有の,教えていただく先生方が身に付けておくべきもの,こういったものがどういうもので,どのようにそのスキルを身に付けていくべきか,向上させていくべきか,こういった点についても今後検討が必要ではないか。さらにその先には,法科大学院認証評価との関係,こういったことが論点として挙げられると思いますので,こちらについては,次回以降御議論いただければというように思います。
 次に,参考までに御紹介させていただきますが,資料2について,これまでの会議における主な御意見ということでまとめさせていただいてございます。こちらにつきましては,赤字の方が前回の会議の御議論で頂いた御意見ということで,追記をさせていただいているものでございます。適宜御参考いただきながら,御議論をいただきたいと考えています。
 資料3と参考資料でございますが,こちらについては前回事務局より御報告をさせていただいた,各法科大学院を対象に実施いたしました調査の結果がございますけれども,文書ベースで報告させていただいたために非常に分かりにくかったと思います。こちらは私どもの準備不足ということもございましたので,ICTを活用した教育をこれまでやられている大学の事例及び活用状況調査の結果概要ということで,パワーポイントで分かりやすい形でまとめさせていただいたものが資料3と参考資料でございます。こちらも適宜御参照いただきながら御議論をいただければというように思います。事務局からの説明は以上になります。よろしく御審議お願いします。

【樫見主査】
 ありがとうございます。先ほどお話がありましたように,この会議では最終的には本件の問題につきまして,会議としての報告書を作成するということになります。その内容につきまして,今御紹介いただきました資料の1,ほぼこの内容で報告書を作っていきたいということで,論点の整理とともに報告書の内容についても御説明をいただいたということになろうかと思います。
 まずは最初の目的のところでございます。この目的については,今後の議論を展開する上で,なぜICTを活用した教育というものをここで議論しなければいけないかということを考える上で,ある程度共通認識として目的をきちんと認識した上で議論を集約したいということで,この点につきましては前回までにかなりいろいろな御意見頂きました。それらをまとめていただいて,資料1の1ページの1から3という形で書かせていただいたところでございます。
 今後,報告書を書く段階で,恐らく字句,あるいはどの辺りを強調するかということは,今後の議論の中で少し変わっていくかとは思いますが,おおむね頂いた議論を集約したところがこのような形になるのではないかなと思います。この点はいかがでしょうか。まずは大まかなところで,この目的について皆様に御了解いただいた上で,次の議論に移りたいと思いますが。ほかに,いや,この点も付け加えるべき点があるということであれば,御意見をまずここで頂きたいと思います。

【藤本委員】
 2つあります。1つは,やはり去年6月の文書,法曹養成制度改革推進会議決定の中ではどういう位置付けなのかということをやはり明記しておかないと,単にICTを利用するだけということになってしまうので,文脈をはっきりさせるところを最初に入れておくのがよろしいのかなと思いました。
 もう一つは,1の目的のところですけれども,ちょっと具体的に今思いつくわけではないので大変申し訳ないですが,遠隔地の法科大学院の講義を受講するということで広く書いてあるとは思いますが,どういう身分でそれを受講するのかということが曖昧になっていますので,読み手にとってみると,例えば分校があるとか,あるいは科目等履修生なのかというイメージが少し拡散してしまうかなと思いますので,それは今後の議論の中で,リモートで受講する人たち,学生がどういう身分,立場なのか,学籍なども含めて参加することがイメージされるのかということは,少し留意しておいたらいいかなというように思いました。以上です。基本的には,この3つの整理でいいというのが前提でございます。

【樫見主査】
 ありがとうございます。御指摘いただいたように,今回の会議の目的を掲げる前に,まずなぜこの議論が行われるに至ったかという問題の所在といいますか,出発点のところですね。ここが恐らく報告書を書くときに,目的にいく前のところでこの点は書き入れた方がいい。貴重な御意見ありがとうございます。
 それから,これの受け手である受講者の身分ですか。この点は,教育効果のところであるとかほかの箇所,あるいは項を改めて,どのような相手方を対象としてこの活用を考えていくのかというのは,当然項目として設ける必要があろうかと思いますので,そのような形でよろしいでしょうか。

【中川委員】 
 今の点でよろしいですか。以下の1,2,3を拝見しますと,1はLSを想定しているのかなと思って読んでいたんですけれども、さっきおっしゃった分校的なものが1で,科目等履修が3で,2はそうではなくて,むしろ法科大学院が募集停止になったということと多分調整だと思いますが,質を上げていくという,法科大学院に向けたものというので,1と3と2では,対象が違う。対象はそういう意味では明確かなとは思ったんですけれども,いかがでしょうか。

【樫見主査】
 この点のところは,まず事務局の方で,どの受講者をお考えだったのか,まずその点についてお伺いさせていただいてよろしいですか。

【真保専門教育課専門官】
 目的の1から3というところで,何を意図したのかという部分については,概ね中川先生が今おっしゃっていただいたとおりでございまして,1については,まさにこの議論の発端となった,募集停止をした法科大学院が地方により増えていること。それを復活するどうこうという話ではなく,法科大学院が身近な場所にない志望者が,どのようにすれば質を落とさない形で授業を受けていくことが可能になるのか。そのような人たちに法曹資格の取得のための途を確保するということで,1つの事例として考えられるのは,今おっしゃっていただいたようなサテライト校ですとか,そういったことが挙げられるということだと思います。
 2については,今様々な大学で事例が出始めているような大学間連携。特に地理的に離れているような大学については,ICTを活用しながら連携していくことが有効であるとも思いますし,こういったツールがしっかり使えるということであれば,連携もさらに促進されるだろうと思います。それによって大学間の限られた資源を生かし合いながら,教育の質をより高めていくことができるだろう,こういった目的を意図して書かせていただいているものでございます。
 3については,今,中央大学と島根大学の方で,28年度の前期にやられていたと聞いていますが,中央大学の科目等履修生として,島根大学の方でサテライト配信の受け手側になって授業を受講していただくといったような事例があると聞いています。主に受講者は社会人だと聞いていますので,こういった事例としてあるように,社会人のスキルアップにも使えるだろうというようなことを意図して書かせていただいています。実態として,行われる授業とか対象者がそれぞれ1から3で被ってくる部分はあろうかと思いますが,目的という観点で割ったときに,この3つが挙げられるのではないかということで記載をさせていただきました。以上です。

【樫見主査】
 ありがとうございます。今のところは大体私どもが考えている受講者層といいますか,それを網羅したような形。ただ,1,2,3が完全に分離しているとは思えませんので,この点は,最終的にはまとめの段階で再度見直していくこととしてはどうでしょうか。

【朝田委員】
 基本的にはこの内容でいいとは思いますが,先ほどこの目的のところで,特に目的の最初の丸のところの,「地方に立地する法科大学院の募集停止」となっていますね。これは対社会的にも募集停止後,それぞれの法科大学院がなくなった地方,地域で法曹養成の教育,学習機会をどう確保するかというのが社会的にも関心事になっていると私は思います。よく島根大学の地元の方やら,地元紙の取材を受けるときに,募集停止後どうなりますかという話をされるわけですね。このICTを活用した法科大学院教育,それをその後の募集停止後のそれぞれの地域,地方でどうなるのかということで,この報告書がまとめられて,それで公表されるとき,そういう観点から,社会の人々が見られると思います。したがって,資料2に前回までの主な意見というところで,最初のところに書いてあります「地方在住者や有職社会人の学習機会の確保」ということを,この会議の場で言われたと思います。ここの文言を,この報告書の目的のところに何らかの形で出されて,そういう形で検討しているということを明確にしておくべきかなとも思います。これは,私の個人的な意見ですが,御検討ください。

【樫見主査】
 ありがとうございます。目的の最初の2つの丸,これについては先ほど御指摘がありました,まずこの会議の発足の契機になった法曹養成制度改革推進会議の議論,いわば現状の課題みたいなところですよね,出発点と。そこのところで,今朝田委員がおっしゃったのは最初の丸のところで,もう少しきちんと現状認識を書いてほしいという御趣旨であろうかと思います。今後,今いただいた意見につきましては,報告書をまとめるときに,また再度当然皆様方に御覧いただいて詰めさせていただくので,文言等,そういった現状認識なり目的のところにどのように入れ込むかということについては,きちんとそれを踏まえた形で報告書の作成に取り組むというような形でいかがでしょうか。

【朝田委員】
 よろしくお願いします。

【樫見主査】
 またそのときに。ただ,どのような形で取り組むかというのは,これは私の個人的な見解ですけれども,やはりICTを活用した教育という面で考えますと,そういう地理的・空間的なところを超えた方々の教育,人材養成の拠点を確保するということだけではなくて,やはりICTを活用した教育の可能性,特にそれぞれの法科大学院の持っている知的資源を幅広く活用するというようなことも入ってくると思いますので,いくつか目的はそれだけに限定されないというように私自身も理解していますので,報告書のところで少し。まだこの文面は,最初に前回の議論を踏まえて出させていただいた中間的なものでありますが、今後の議論をする上では,ここをまず前提問題として皆さん認識していただかないと,やはり議論が散漫になってしまうというあたりで押さえて,今のところはこのような目的で今後議論を進めるということで御了解いただいてよろしいでしょうか。

【宇加治委員】 
 2点だけ。まず1点目は,朝田委員がおっしゃった件は,前回私が,弁護士会がこの制度をどう支えるかということに関連するというお話をしたと思いますけれども,極めて重要なことだと思います。最終まとめのところでいいかもしれませんけれども,弁護士会が全国組織として法科大学院制度自体を支えていくという姿勢を,今後もきちんと示していくためには,やはり全国各地に居住している人たちに法曹への途が開かれているんだということがメッセージとして発せられないとしぼんでしまうと思います。特に東京,大阪などの大都市以外の地域の方が意欲を失ってしまいかねないので,その点は是非さらなる議論のところで検討していただきたいということが1点目。
 もう一つは,2ページ目の目的の最後に,「(設置基準上の考え方)を明確化することで,法科大学院における遠隔授業の普及促進を図ることとする」と書かれていますが,もともと昨年の6月の法曹養成制度改革推進会議決定では,法科大学院におけるICT活用の本格的な普及を促進するということが目的の最後に入っていたかと思うんですね。基準の明確化は必要ですが,基準を明確化すれば普及促進が図られるわけでは必ずしもないと思います。設置基準は明確化しましたから,はい,どうぞ行ってくださいでは,恐らく現状の,特に地方の法科大学院では,本格普及に取り組むだけの余力と気力がないのではないかと懸念をしています。
 そうすると,単に要件を明確化するだけではなくて,このように行っていけば各地で取り組めますよと。それについては,文科省としてもちゃんとバックアップをしますよとエンパワーするような,そういう姿勢が必要だと思います。この会議でどこまで対応できるかということはあると思いますけれども,設置基準を明確化しますということだけで終わるのではなく,ICTを使うことによって法科大学院をエンパワーするんだという観点につながるようなまとめにしていただきたいというのが私の希望です。この点は,また皆様と議論させていただければと思います。

【石井委員】
 今の点ですけれども,事務局の説明ありましたように,今回は法令の話をすると。その他事項で今後の部分が全部あるんだということですから,そこの検討を具体化した後で,もう1回戻って書き直すと,そういう方向でいいんではないですかね。そういうのがあったということだけとめといて。今,ここでそれをどう決めようとすると,ちょっと議論が曖昧になってしまいますので,その他事項を次回以降きちっと検討して,そこが決まったところでもう1回ここに戻ってきちっと書き直すと,そのようにしたらいかがでしょうか。

【樫見主査】
 ありがとうございます。議論の方はここら辺で一旦まとめたいと思うのですが,今,宇加治委員からちょっと伺った点で,最後のところは,2ページの今言われたところですよね。ここのところは確かに読んでみますと,恐らく逆にすればいいのではないかなと。法科大学院の遠隔授業の普及促進を図るためには,要件を明確化しなければいけないと。目的とその有り様が,ちょっとした書き方1つで,何が本当に大事なことなのかということが分からなくなるので,この点はちょっと工夫をさせていただきます。
 それから,先ほど目的,1,2,3どれが一番重要であるとか,どれがというよりは,ICTという新しい機器を用いてやるということについて,やはり皆さんの専門的な知見を深めていろいろな活用,そして目的を考えたい。ただ,背景にはしっかりとここの地方に立脚する法科大学院の募集停止があって,地方の人材養成の根が失われようとしているというところの現状認識はきちんと掲げるというあたりでまとめさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは,目的のところは,今頂いた議論,報告書の段階できちんと踏まえて,また再度議論をさせていただきたいと思います。
 続きまして,早速ですが,ここからはメディアを活用した授業に関する法令解釈,ここのところが私たちの議論の中で非常に大事なところになってくるかと思います。先ほど事務局からも御説明があったかと思いますけれども,メディアを活用した授業の実施に関する法令基準が3つございますので,順番に従って,まず(2)のメディアを活用した授業に関する法令解釈ということで,先ほど事務局から御説明のあったこの点について,まずは皆様の方から自由に,こういった点を考慮すべきだといったような点を御議論いただいて,次につなげていきたいと思います。どうぞ,御自由に御発言をお願いいたします。

【石井委員】
 確認ですけれども,前回のメディア告示の件とも関係しますけれども,今,こういう法令の話をするときに,想定されているような機器といいますか,手段といいますか,システムだとか,それは現状のものを想定しながらやるのか,あるいはもう少し先を見越して広めに,例えばあるかどうか分かりませんけれども,放送大学みたいな感じのものを踏まえたような形で考えていくのか,それはどちらでしょうか。

【樫見主査】
 難しいところですね。事務局の方,どういうふうにお考えでしょうか。

【真保専門教育課専門官】
 もともと最初に御説明申し上げたように,次回でハード面の議論があるとは思いますが,現状の想定といたしましては,やはり普及促進が目的ですので,余りハード面のスペックで高いものを求め過ぎるのも,普及にはつながらないのではないかというような懸念はございます。そうした観点からすれば,答えにならないかもしれないんですが,そういった意味を含めて妥当な線がどういったところにあるのか,そういったところを法令上の基準を考えた後に御議論いただく必要があるのではないかというように思っているところでございます。済みません,非常に曖昧な答えになって申し訳ないんですが。

【米田委員】
 今,石井委員がおっしゃった部分については,例えばある種の授業の形態であれば,この程度のコミュニケーションが成立する条件が整わなければならないということが最終的に規則で書き込まれることになると思うので,システムの要件はその後からついてくるのではないかと思います。ですから、そのときにまた将来的なものを含めて議論になるかどうかということは,改めて出てくるかもしれないというぐらいでいいではないですかね。

【石井委員】
 申し訳ないです,細かくて。そういうことなんですけれども,要するにタブレットを使った,こうなるとかというのを,例えば皆さん,今ちょっと分かるんですね,イメージとしては。でも,もしかしてもっといい機械が出てくるかも分からないと。そういうものもこの射程の中に入ってもいいような形で,ちょっと広めに緩くといいますか,法令を考えるのかということをちょっとお伺いしたわけです。

【樫見主査】
 このメディア告示ですとか設置基準も,例えば平成何年にできたその段階を想定して今回の基準ができたというようなところで,じゃあ今はそこから10年とか大分たった段階で機械の進歩があって。そこら辺を恐らく石井先生は言われていて。そうすると,適合性なり,あるいは配慮事項についても,恐らく石井先生のお話では,余りきつきつなものにすると,少し後で使い勝手が悪くなるのではないかといったような御趣旨なのではないかなと思うのですが。そこら辺は私自身も余りこれからどう進歩していくのかというところは分からないんですが,配慮事項として,かなり抽象化はできるのではないかと思いますので,その抽象化が余りに機械の性能と連動するような形にはならないような配慮の仕方というのも,私ども言葉を使ってやっている人間でございますので,少しそこら辺は工夫の仕方があろうかと思います。
 ほか,いかがでしょうか。
 それでは,ちょっと私からお聞きしたいのですが,適合性につきましては,これまで参考資料の方,あるいは資料3,それから参考資料で皆さんも御覧になったかと思いますけれども,やはり講義形式のものについては,少なくともライブでやられて,ほとんどいわゆる面接授業とそれほどの差異は,現在用いているシステムでは,それほど不具合はない。たしか学生のアンケートの中でも,発信する側はともかく,受け手の学生には,それほど悪い評価はなくて,むしろよかったというか,得な授業を聞けたといったような,どちらかというと好意的なものがあったわけです。
 恐らく問題なのは,やはりゼミで,通常の授業もソクラテスメソッドが推奨されているわけですけれども,とりわけそれが議論をする中で深めていくようなゼミでありますとか,それから実務,基礎科目,実地にその方が,例えば弁護士役であるとか,あるいは裁判官役であるとかというような,こういった科目についてそもそも適合するのかどうか。あるいは,もし適合させるとするならば,どんな配慮をしたらよろしいのか。この辺,何か御意見あればお聞きしたいなと。
 これは当然ここで決めてまいりますと,認証評価上の教育効果が上がっているかどうかと,そこら辺のところに関わってくるかと思いますので,御意見あれば。むしろそういうのはそぐわないのではないかという御意見もあるかと思いますけれども。いかがでしょうか。どうぞ。

【中川委員】 
 質問なんですけれども,直感的には,ゼミ形式の方がむしろICTはやりやすく、どちらかといえば講義の方が難しいというような気がします。法科大学院ではない、私たちの博士課程の大学院での経験ですけれども,ゼミ形式でICT遠隔授業をやっておりまして,これは全く問題なくできます。少人数だから簡単なんですね。これが本当にある程度の人数がいる講義でできるかなというので,やっと今年、法科大学院のひとつの授業でICT配信を試行を始めようとしているところなんです。1回しかまだ行っていませんが,補助者は必要だけけど何とかできるかなということが分かってきたところです。というわけで、問題の立て方として,ゼミ形式がそもそもICTに合わないんではないかということが,どういう事情をお考えでそういう指摘があるのかというのをお伺いしたい。
 同じようなことは,弁護実務,ローヤリングなども,ゼミ形式だったり講義形式だったり,学生の人数ややり方によりますけれども,どちらかだと思います。模擬裁判もゼミ形式に近いというふうに考えると,今の私の質問がそこにも妥当すると思うんです。なぜゼミだとやりにくいということになるのかというのを,御教示いただきたいという質問であります。

【樫見主査】
 それに関しましては,私自身知見があるわけではございません。今伺った,逆にというか,別に反論するつもりはないのですが,そういうふうに実際におやりになられて,逆にこちらの方がやりやすいというのであれば,今出ました人数的な面ですよね。少人数であれば逆にやりやすくて,講義のように多人数だとどうなんだというところが出てまいりましたので,人数のところなんかも,やはり配慮事項の1つに入ってくるのではないかなと思うんですが,その点いかがでしょうか。

【米田委員】
 人数の問題は,恐らく音の問題だけで、結局,きちんと学生が発言したものが全体に伝わるような設備があるかどうかだけに依存すると思うんですね。問題になるのは、マイクを運ぶ時間とかで取られて,大教室ではうまくいかないという認識に至ることが多い。。あるいは、声を大きく,相当大きな声でないと集音マイクに入らないということもあります。そういう難しさが多分あるのですが、画像的にある程度伝わっていて,音が伝われば,人数は実は余り関係ない。そうすると設備に依存してくるので,その部分が担保されているということが条件になって,オーケーになるという書きぶりに変わるんではないかなというような気がします。
 今言われたようなそれぞれの授業形態などについては,やはりそれぞれ特色があるので,やっぱり一覧表みたいなものを作って穴埋めをしてみて,検討する必要があるかもしれないなと思ったりするところです。

【藤本委員】 
 今の意見を伺って思ったのですけれども,1つは教育効果要件というときに,当然授業,いわゆる90分の授業時間以外の指導であるだとか,自習課題の管理であるとかいったようなことまで含めて考えなければいけないと思います。,そういう要素も入れていきますと,やはり授業形態ですね,講義主体なのか,演習形式なのか,あるいはローヤリングとか模擬裁判のパフォーマンス中心であるのかということで,多少色の濃淡が違ってくるかなと思いました。それは当然90分の授業時間外の部分まで含めて,それぞれの扱いが変わってくると思いますので,やはりそれは何らかの形で整理しないと,一般的に授業で使いますよといっても,やはり普及という点からいうと,使う側が理解しにくいかなというようには思いました。
 ですから,そういうふうに整理すると,例えば模擬裁判,ローヤリングとかパフォーマンスがかなりのウエートを占める授業であっても,あるいはエクスターンシップであっても,例えば事前学習が必ずあるわけですよね。そういうところはレクチャーなわけですから,少しきめの細かい議論や提案が可能になるかなという趣旨から,そういうことを思いました。

【樫見主査】
 ほか,いかがでしょうか。
【宇加治委員】 
 ローヤリングとか模擬裁判の話が出ましたが,私はそういう科目も教えていますし,他大学に授業見学に行った経験もありますので申し上げますが,例えばローヤリング科目とか模擬裁判を遠隔ではない形で行っているところでも,実際上ICTを使って行っている例はあります。例えば,ローヤリング科目であれば,役割ごとに学生がグループを作っていて,その中で議論をする。それから,模擬相談者を設定しているところですと,模擬相談者の方が学生に呼ばれてすぐ大学に来るわけではないので,模擬相談者とはメールやLMSでやりとりをしていたりするんですよね。そのシステムがきちんと整備されている法科大学院,例えば関西学院大学などでは,LMSで議論をしている様子を教員が見ているそうです。学生の議論を教員が見ていて,必要があればサポートしたり助言をしたりすることができるような形で運用されていると聞いていますので,その意味ではロールプレイ以外に何かやるというときには,かなりICTは役に立っているだろうと思います。
 模擬裁判も,授業時間外などにチームで相談をしますけれども,その結果,教員の話を聞きたいというときに,教員が大学にいるかというと必ずしもそうではありません。実務家教員は大学よりも事務所などにいることが多いので,実際には学生からメールが来たり電話がかかってきたりします。そのあたりはICTできちんと議論の状況が見られるのであれば,むしろ充実した準備が可能になります。準備が充実していれば,ロールプレイでいいパフォーマンスが展開できるわけです。必ずしも遠隔授業に限らず,ICTは既に使われていますので,それがきちっと認識されれば,遠隔授業で展開するときにも非常に役に立つのではないかなと,お聞きしていて思いました。

【石井委員】
 これ,授業と書いていますよね。授業外は授業ではないですよね。だから,そこをきちっと区分けしなきゃいけないと思います。模擬裁判の授業は,恐らく模擬裁判の実務を行っているところはパフォーマンスのところが授業であって,その準備は授業外学習の部分ですよね。ですから,そういう部分をきちっと区別しながらやらなきゃいけないので,この講義のここで使えるのではなくて,この部分,授業としての部分はこうだから使える,使えない,授業外はこうだという感じの区分けをしないといけないんではないでしょうか。

【樫見主査】
 ありがとうございます。今の皆さんの意見お聞きしていますと,いわゆる定められた1限ですとか2限ですとかという授業時間それだけを考えるのではなくて,当然授業の場合には,学生自身の予習・復習の時間を確保し,それ以外のところでいろいろな教員によるケアも入ってまいりますので,恐らくこの教育的効果について考える際には,授業,それから授業を取り巻く様々な事前・事後に関係する指導なり,あるいは予習・復習,こういったものを総合的に配慮要件の中にきちんと落とし込んで,そこの中である程度こういう必要性なりこういう効果があるということが検証できた場合には,どのような形で授業が行われるにしろ,今ここではこの枠囲いに書いてありますように,あえてゼミであるとか,あるいは実務,基礎科目を特別に取り立てて区別する必要はないと。それぞれの授業なりの特性に応じてICTを使って,そして受け手の学生に,逆に対面よりはいいというようなお話も伺いましたので,両方相まって一定の教育的な効果が出れば,それはそれで全く問題はないというようなことで,恐らくここで皆様のお話を聞いていますと,科目によって分ける必要はないだろうと。ただ,その科目の実施対応によって,それぞれ何をすべきか,学生に対する指導であるとか,学生自身がすること,教員側がすること,そういったことについて配慮事項をきちんと整理をすればよろしいのではないかというようなお話のように聞いておりましたけれども。
 本日のところは,そのようにまとめさせていただいて,さっき米田委員でしたかしらね,科目ごとに,科目群みたいなもので表なりを作っていただいて,どのようなことを考えていけばいいのか。そのあたり,具体的なところは次回,もう少し詰めるというあたりで。本日は,時間からしますとあとまだ2つほど取り上げていただかなければいけないので,ここら辺で一旦は閉めさせていただいて,次回,今私がまとめさせていただいたようなところを具体化したものを次回出していただいて,具体的にこの要件はこういうふうにしましょうといったような展開でよろしいでしょうか。
 それでは,非常にいろいろ御意見いただいてありがとうございました。それでは,教育効果要件の適合性のところは,まずはここら辺にさせていただきまして,次はメディア告示の遠隔授業の実施形態についてでございますが,この点については何かお考え,配慮事項とかについてはいかがでしょうか。

【米田委員】
 前提で伺いたいんですけれども,ここで議論するときに,メディア告示を前提にして議論するのか,メディア告示を書き換えるということを踏まえて議論するのかということについて確認をさせていただきたいんですが。

【真保専門教育課専門官】
 初めからメディア告示を全く変えないんだという前提で議論に入ったわけではないと理解をしています。ただし,議論の順番としては,現行のメディア告示の弾力性がどの程度あるのか,それに対する配慮を示すことによって目下の課題が解決できるのか,そういったところを議論することが第一なんだろうというように思います。さらに申し上げますと,メディア告示,これについては法科大学院だけの問題ではございません。これは大学全体の問題になってきますので,ここの場でメディア告示が現状にそぐわないので,これを変えないと問題を解決できないということがあるのであれば,より問題が大きくなってきますので,即効性という意味では時間がかかってくる問題にもなりかねないと。そういう意味では,メディア告示に対する配慮事項みたいなものを解釈としてお示しすることで問題が解決するのであれば,それが一番リーズナブルな解決策ではないかというふうに考えているところでございます。

【樫見主査】
 まずは現行法のもとでお考えをいただいて,しかしながら法科大学院の現状においては,どうしてもこの文言,あるいはこの告示ではというときになりましたら,その段階で考えると。まずは現行法で考えていただくということで。何か先生の方で,この点が特に問題ではないかというところがおありでしょうか。

【米田委員】
 ストレートに言うと,やはり場所基準が厳しいかなと。これらに準ずる場所というのが,それこそ従来的にはどういう場所を想定されていたのかという解釈上というか,運用について伺いたいんですけれども。

【真保専門教育課専門官】
 これらに準ずる場所というところが,ダイレクトにどういった場所が具体的に挙げられていたのかというところを推察するのは少し難しいんですけれども,やはり趣旨を申し上げれば,直接の対面授業に近い形で遠隔授業が行われないといけないというようなことは,当時の大学審議会の報告書を見返してみても記載をされていたことだと思っています。この趣旨というのは,直接の対面授業において,当該教室における学生らの交流・議論,授業終了前後における教員の個別指導,これらを通じた人格形成,こういった教育上の効果が挙げられるので,そういったことを担保できるような遠隔授業だということから場所の要件が入ってきたものと思います。遠隔授業であったとしても,サテライトの受け手の方に複数人が集まって一斉に授業を受けるということであれば,教室における学生間の交流・議論,あとは指導補助者が入れば,指導補助者との質疑応答,そういったものも担保できると思いますので,こういった観点から場所の要件が定められたものではないかというふうに,過去の報告書を振り返って推察はしているところでございます。ただ,その他それに準ずる場所といったところまで,具体的に把握はできていない状況ではあります。

【樫見主査】
 この場所に関しましても,先ほどの目的とも十分に絡んでくるところでございますけれども,ほかに御意見いかがでしょうか。

【石井委員】
 場所の問題は解釈で柔軟にできるという気がするんですけれども,私がちょっと気になっているのは,一方的になる傾向が強いために,設置基準じゃなくて認証評価上の基準の方が,むしろ障害になっているんではないかと。やはり認証評価では双方向,多数の相互の意見交換をしなきゃいけないというのが,必ず授業方法としては入っていまして,それがタブレットの場合とかオンデマンドの場合は全くなくなってしまう可能性が高い。そうすると,そこでやっぱり認証評価の障害がかなり出てきて,認証評価では不適合な教育内容という設定がされてしまう可能性があるだろうと。ですから,タブレットやオンデマンドの場合は,認証評価との関係をどうするかという方を,まずきちっと整理した方がいいんではないかという気はいたします。

【樫見主査】
 認証評価そのものは,法科大学院特有の評価項目でありますから,もしこれがある程度一般化されて使われるようになればというか,促進のために認証評価はやはりこういう遠隔授業なり,これが普及されるということであれば,基準の勘案なり,別の視点というのが,緩和というような言葉としては適切ではないと思うのですが,認証評価基準がまさにむしろ普及を阻害するというのであれば,むしろそちらはある程度考慮の余地はあろうかと思います。石井先生からお話ありましたように,認証評価のどれがネックになっていて,じゃあそれをどう変えればいいのかということももし提言できるのであればこちらの方でしていただければ,それはありがたいかなと思います。
 ほか,いかがでしょうか。

【米田委員】
 少し話を具体的に進めるためにも,さっきから話題になっている,これらに準ずる場所の解釈を,やっぱりどの程度の幅を許容するのかを明確にした方がいいのではないかと思います。というのは放送大学の場合,自宅で受けられる部分もあって、それはメディア告示の2号要件の方でサポートされるんだと思うんです。けれども,学習センターのような場所で受けるようなものもあったりするわけですよね。それは多分,これらに準ずる場所だと思うんですね,研究室ではないし。例えば,鹿児島の場合,学習センターが県の施設の中にあった時期があって,大学ではない,公共施設の中に入っていたりするわけですね。そういった場合を想定しているのだろうというふうに,通常の解釈では思われる。でも,恐らくタブレットを使った場合には,多分自宅とか,また職場とか,そういった様々な場所が想定されるけれども,その場所で何が担保されていなければならないかということについて考える必要がある。こういう状況がそろえば,これらに準ずる場所として解釈可能であるということははっきりとさせた方がいいのではないかというふうに思います。
【樫見主査】
 ありがとうございます。大石委員,筑波大学では,タブレット端末で授業を補充なさっているかと思うのですが,要件的にはどのように設けていらっしゃるんでしょうか。
【大石委員】 
科目履修者がモバイル方式で参加できる回数を限定することによって,余り冒険を当面しないというか,そういうことでちょっととどめるところで妥協しているところです。

【米田委員】
 現在,筑波大学が行われているタブレットを使って受講する場合には,双方向性,つまり音声のやりとりについては確立している状態ですか。今,石井委員が,タブレットの場合には見るだけで終わってしまうのではないか。オンデマンドに近づくのではないかという御発言があったので,現状を伺いたいんですけれども。

【大石委員】 
 筑波ではモバイル方式と呼いますけれども,タブレット方式ですね。これは実際にはタブレットよりはノートパソコンで見た方がつながりはいいケースが多いので,現在では学校からノートパソコンをできるだけ使えというふうに指導していますし,場合によってはスマホですね,アンドロイドで入ってきて,それで接続が確保される場合もあります。結局,いわゆるここのペーパーでいうタブレット方式というのは,つながるかつながらないかで成否が決するところが大きい。
 つながれば,つまり接続が確立すれば,それは双方向の通信ができますね。必ず接続確認をやります。つながっているかどうかの確認は、やっぱりやらなくちゃいけないので,何でもいいですから,つながっている者に対して質問します。つながらないときは全然つながらないので,それは全く通信もできないことになりますし,それは欠席認定すると。申し訳ないんですけれどもね,学生には。ということで,逆に言うと,つながっちゃうと我々の感覚からいうと,むしろサテライト校に教室に何人もいるというのではなくて,要するに外部1地点あたり1人しか入ってきませんから,教員としてもそんなに負担ではないんですね。なので,教員の感覚からいうと,教室にいる者とやりとりするのとそんなに遜色はないですね。だから,つながるかつながらないか,そこだと思います。つながらなければ,そこで全部だめになるので,そういう意味ではつながった場合には障害がないというのが,今のところの我々の結論です。【米田委員】  要するに,オンデマンドと,今のタブレットというのは完全に切り離して考えて,タブレットでつながっている場合であれば,普通の授業に近いものとして類型化して議論するという方向でいいということですね。

【大石委員】
 そうです。

【米田委員】
 分かりました。

【塩田専門職大学院室長】
 メディア告示の本文を見ていただきたいんですが,第1回の配付資料です。資料8の2ページにメディア告示が書いてあって,1号の「これらに準ずる場所」の次に括弧で記載されていて,大学設置基準第31条1項,これは科目等履修なんです。科目等履修により単位を授与する場合においては,こういうのも含みますというのが書かれているので,逆に言うと,科目等履修でなければこういうのは含まないんだという反対解釈も多分成り立つんだろうと思います。

【樫見主査】
 ただ,科目等履修といいましても,これは単位化されるわけですよね。科目等履修した科目を全部集めて学位授与機構ですか,あそこへ申請すると,どこそこ大学卒業はないけれども,大学卒業資格は得られるわけですから,これは本当に反対解釈しかできないんでしょうか。そこが問題ですよね。科目等履修であっても,最終的には寄せ集めればきちんと大学卒業資格を得られるというのが現状ですから。
 ここのところは結構解釈大事なところですので,関係のところに解釈のところを確認していただくとありがたいです。

【真保専門教育課専門官】
 少し預からせていただければと思います。

【中川委員】 
 よろしいですか。この書きぶりを見ると,恐らく準ずる場所という文言が入ったのは,授業とはおよそ学校でやるものであるという,それだけの理屈ではないか。会議室は学校ではないけれど,これはいいよと言って,それで入ったわけですね。なので,それを維持する以上はちょっと無理ということに。つまり,自宅ないしは何人かで集まってやるというのは困難となるのではないか。立法趣旨を維持する限りはですね。
 それを超えようと思うと,先ほどちらっとおっしゃったような気がするんですが,なぜ準ずる場所なのかといったときに,お互いに議論するとか,先生によるフォローアップというか,プラスアルファが必要なんだよというふうに実質で読みかえてしまうということにすればよいのではないか。例えば授業終わった後まだしばらく画面をつけておいて,学生と議論ができるような状況,先生に質問ができるような,ICTを使ってですよ,その場に先生がいなくても。というふうなことで準ずるんだというふうに,立法時と意味を変えて解釈してしまうということをしないといけないのではないか。科目等履修も会議室等というのは,これはまあ科目等履修なんだから,付け加えて書いているんだとなりますか。
 括弧の中では,授業は学校でやるものという通念は別にもういいですよということを,特に科目等履修の関係で確認的に書いたんだと。授業とは学校でなければいけないという通念自体を,このメディア告示は否定しているんだというね。ただ,それは余り一般的ではないから,一応各項で念のために書いただけであって,反対解釈の対象ではないという。屁理屈かもしれませんけれども,そういうことを言わないと,結局告示を変えなきゃいけないことになってしまいますので,準ずる場所というのが,なぜこういう場所要件があるのかをちょっと解釈で変えてしまうということはできないか思っています。

【樫見主査】
 いずれにしましても,法令の解釈におきましては,立法趣旨が今通ずるかどうかということもございます。まずは事務局の方におかれましては,この規定の趣旨ですね,これをまず御確認いただいて,その上で解釈の範囲で,何とかできるのかどうか。ここで議論いたしましても,肝心の資料的なところが足りないことがございますので,この点の場所の問題につきましては,次回に持ち越させていただくということでよろしいでしょうか。ここでは決着がつかないかと思いますが。

【真保専門教育課専門官】
 今の議論の発端として,今後の我々が作業を進めていくためにも1点教えていただきたい点がございます。要は教室以外の場所,いわゆる例えば会議室とか職場に近いような場所,こういうところで具体的に受講する正規の受講生として,正規の大学の学生として受講するニーズというところが,今どういったところで現在出てきているのか。そういったところが1つのいわゆる何かをやるとすれば,立法技術的なものになるでしょうから,そういった部分を御教授いただきたいと思います。
 いわばこれまで議論の発端として出てきたようなサテライトというような話であれば,地方大学という受け手となる大きな受け皿があると思いますので,それ以外に場所をどんどん開いていくんだということであれば,その根拠をしっかり整備する必要があるのかなと思っていますので,分かる限り御教授いただければありがたいなと思っています。

【米田委員】
 地方大学としては,例えば鹿児島でいけば,離島もあり,それなりの人口も抱えていたりしますので,自宅というニーズはあり得る可能性はあります。もちろん数の問題であれば,それはそんなに多くはないかもしれないという部分はありますけれども,ニーズという点では,学生側からすれば自宅が楽というのはもちろんありますね。それから,社会人であれば,出張先のホテル等も想定されるということは十分に考えられるだろうと思います。

【樫見主査】
 ほか,いかがでしょうか。

【石井委員】
 次回の課題になってますけれども,もし場所要件がちょっと変えなければいけなくなってしまった場合となりますと,基本的にはタブレットの場合はどこかの大学の場所でやらなければいけなくなってしまうという感じになるという制約がくるわけですね。そうすると,それでは不便だという事情がもしあれば,今度は法科大学院ですから,専門職大学設置基準の方でやるしかなくなってくる可能性もあり得ると,こういう理解でよろしいですか。

【米田委員】
 今,メディア告示があってこの中でできるのもありますけれども,要するに専門職大学院のためのメディア告示みたいな特例を作るという方法もあるのではないかと思います。やぱり普通の大学教育とは違うことをしているのははっきりしているので,特別法というか特例的規則を作るという方向があってもよい。特別法を優先でてきようさせればスムーズにいく可能性もあるかなと。そもそもメディア告示ができた時期からすると技術が進歩してしまっているので,それを先導する形で,告示という言葉で表現するかどうかにしても,「○○についての扱いについて」というような解釈指針を示すとかいうので突破する方法。それは法令の操作の問題なので,具体的に落としどころがどこがいいのかはちょっと我々には分からない部分があるので,事務局の方でもんでいただいて,次回そういったことを踏まえて戦略を立てていただければと思います。

【真保専門教育課専門官】
 1点だけ申し上げさせてください。今,米田委員から場所の話を教えていただきまして,やはり事務局側として1点気を付けなければいけないのは,教育の質の確保との両立,これは必ず気を付けなければいけないだろうというふうに思っています。当時の告示の制定時の議論としてあったものが,やはり最初に申し上げたような学生間の議論・交流といったこととか,教員の個別指導,授業の前後を含めてといったようなものがありますので,そうしたところとの両立が,場所の要件を外して図れるのかどうか,こういったところもしっかり議論を進めていく必要があると思いますので,そうした点も含めながら,今後問題として議論を進めていくということが大事かなと受け取らせていただきました。

【塩田専門職大学院室長】
 さっき私がお伝えした資料8の4ページを見ていただきたいんですけれども,平成10年の点々と囲っているところに施行通知が載っていて,例えば4とかを見ていただくと,配慮することが望ましいということなんですけれども,ティーチングアシスタントを配するのも有効とか,一応こんなような配慮事項が書かれているんですけれども,自宅とかそういうところは,恐らくこんな配慮は行き届かないだろうということになるんだろうと思います。だから,こういった配慮事項もどこまで考えるのかということも併せて検討しながらの議論かなと思います。

【藤本委員】 
 このメディア告示,やっぱり21世紀になる頃ですので,例えばここにあるもので,6ページの一番下にあるものがありますね。今見ている資料の6ページの下に,「ウェブページとかホームページで意見交換をするような」というのがありますけれども,この後にラーニング・マネジメント・システムは当時から,例えば合衆国ではかなり普及していますが,日本ではまだ導入期ですね。これは今,多くの法科大学院では,少なくてもシステムは保有しているのです,活用しているかどうかは別として。ですから,環境が全然違うんですよね。
 それは例えば,教室の要件であるとか,通信の要件であるだとか,教室に準ずる場所というもの,アイデアとして授業は教室というのはもちろん一方であるのですけれども,一方でそういう施設でないとリアルタイムでディレイもなく,画像も音声もきちんとコミュニケーションできなかった時代なのです。今はだから,逆に言うと2号要件で,ここにあるような要件を満たすことは比較的容易になっている。これは今日の会議の一番最初に御指摘ありましたけれども,やっぱりこの時代の格差は,単に前提となっている技術的な要件が全然違いますので,それを踏まえてきちんと解釈なり例外適用なりをしていかないと,例えばアシスタントを置きなさいというのは,通信が途切れたりするからなので,はっきり言って。それは今でも必要なのですけれども。じゃあこれが家庭でやるときには,筑波大学のように,それは自己責任ですよという形でやらざるを得ない部分はあると思うのです。通信を確保するというのは誰がどこまでやるかということです。
 あとは運用上の問題であって,つまり15回全部をオンデマンドでやるかというのは全く別の話であって,やはり授業のレクチャーの部分だとか,やりとりだとかをライブでやりとりするということに関しては,技術的にはかなり可能になっている。だから,逆に言えばメディア告示を満たすのは,そんなに追加費用も要らない。それはまた授業の形態にもよって異なってきます。さっきの話に戻るのですけれども、少人数であればもっと簡単だし,大講義でサテライトを行っていると,今度は教員の方の負担が逆にでかくなるし,ちょっとこまめに細かく考えていかないと,授業類型ごとで考えてはどうかなと思いました。

【米田委員】
 やはり最も重要なことは,教育の質を担保するということだと思います。ここでは、教育の質を担保した上で,かつ技術が発展したことによって多様な形態が可能になりましたというのが議論の流れになっていると思うんですね。ですから,当時この範囲でしか認められていませんから,この範囲でやりましょうというとそもそも出発点がずれてしまう。ここでは、当然のことながら教育の質を担保する。それを十分担保するためには,これだけの技術的なものがそろっていればいいですよという流れで議論していって,解釈をしていくと。そうすると,その範囲の中で,さっきの場所要件なんかの解釈の幅も広げていく可能性というものが生まれてくるんだろうと思うのです。その定め方は,さっき言った法令上の技術の問題もあるので,解釈で全部済ますのか,または別な例示を示してガイドラインを示すのか,いろいろあると思うんですが,その辺あたりの方針をある程度事務局にもんでいただくという流れでいいのではないかなと思います。
 ティーチングアシスタントなどについても,接続されてしまえば普通の授業のサポートについても,今,接続のためにとおっしゃいましたけれども,それ以外の授業の支援者というのを若手の弁護士に行ってもらったりしている法科大学院もあるわけで,それこそICTを使っていろいろな事務所と自宅とかでできるような環境も整っていますから,そういったことも踏まえると,かなり多様な形態を想定しなければならない。それによっていい授業,教育の質を担保できる環境が整ってきているということなので,やっぱり時代の格差というものを踏まえて,もともとのメディア告示を基準にしながら,生かしながら,今の基準でどうするかという流れで考えていかないと,実のあるものが生まれないんではないかというふうに思います。過去の技術的なものに足を引っ張られて,せっかく今可能になっていて,今我々の中で,普通の授業とICTと比べて,ICTが劣後するという議論はおかしいよねという議論は,既にほぼ合意があると思うんです。さらにICTを使って教育の質をあげる可能性さえあるという議論をしている。そのなかで、普通の授業と比べて、ICTが劣後するという議論に戻ってしまうような気がしてですね。やはり教育の質を担保する方法はいろいろあると。教育の方法もいろいろあると。そこを出発点にしてメディア告示を考える,教育の形態を考えるというふうに議論を展開しないといけないかなと思います。

【樫見主査】
 ありがとうございます。出発点のところで,やはりタブレット端末であれ,メディア告示制定の時代に比べると通信回線が発達していてつながる確率が高い,しかも映像,それから音声といった点も確実になされて,さらに恐らくこのメディア告示制定の時代というのは,必ずしも各人がパソコンを持っているとか,そういう環境すら確保されていなかったわけです。今はスマホであれ,あるいはタブレット端末,あるいは持ち運びのできるパソコン,学生と名のつく者であれば大体必然的に持っていて,その点は機器が逆にこの条件を満たす方向になっているということが見てとれるようですね。
 そうしますと,場所的要件というのは,恐らく1つの教室で提供できたことを,機械だけでは双方向,遠隔授業では充足できないんではないかという不安感にかられて,かなり厳しい基準を設けたというところもあるかもしれません。そうはいいましても,告示を満たすだけではなくて,要するに法科大学院教育そのものが対面で行われている授業と受け手である学生において教育効果が本当に達成できるような場所,あるいは通信状況,それから授業の事前・事後において,そういったいわば補充というか配慮ができれば,それほど難はないのではないかというあたりの配慮事項をまとめていけば,思ったほど困難ではないと。
 そうはいいましても,ちょっと最初の問題に戻りますが,この告示の解釈のところですね,どこら辺まで解釈の幅が許されるのか。ここは少し次回,事務局の方にお願いをして説明していただくとともに,もし許されるのであれば,ではこれにかなうように準ずる場所,あるいは単位化の問題ですよね。ここら辺のところをもう少し具体的に議論させていただきたいと思います。
 ほか,もし御意見ないようでしたら……。どうぞ。

【土田委員】 
 オンデマンド授業について余りここまで議論になっていないので,一言申し上げたいと思います。先ほど大石委員から,タブレット端末を使うときに,つながるかつながらないかということなんだという御指摘がありましたが,私ども中央大学において昨年度の委託事業でタブレット端末を使って調査研究をやったときも,やはり全く同じような状況でした。つながるときはつながって,サテライトキャンパスで行っているのとほぼ同じような感覚で授業ができましたけれども,つながらないときは,これは全く授業にならない。このときに,事後的にオンデマンドで見せることによって,授業を受けたというふうにできないかと考えています。補助的にオンデマンドの授業を使うということを許容するような制度設計をしていかないと,大学側としては,タブレット端末でやるんだということになかなかいかないんではないかなと思います。
 タブレット端末で授業は提供するんだけれども,電波の状況とかでつながらなかったときに,それは学生の側の不利益に全てなるんだということだと,やや学生にとって酷ではないかと思います。ほんのわずか,例えば1回とかその程度だったら余り影響ないかもしれませんが,タブレット端末の授業にはちょっとまだ不安定な部分が実証研究をやってみてあるように思ったので,補助的にオンデマンドを使うという手段を検討してもよいのではないかと思います。
 先ほど少し出ましたけれども,15回全部オンデマンドでやるというようなことは,やはりちょっと難しい。双方向,多方向を中心として授業をやるんだという制度の中では難しいとは思いますが,補助的にやるというところで何か許容できるような制度設計をしていただけないかなと思います。以上です。

【樫見主査】
 ありがとうございます。そろそろ議論のなかったオンデマンド形式による授業,これについては,今土田委員からありましたけれども,やはりオンデマンド形式でやった授業を15回2単位として完全に認めることができるのか。4単位でもあれなんですが,ここがまず1つの大きな問題で。仮にそうであるとすると,それにプラスすることによってオンデマンドでもできるのかというのが,まず1つ大きな問題であろうかと思います。
 それから,完全な単位化はできないにしても,今土田委員がおっしゃったような,いわゆるタブレット端末を用いた双方向の授業の補助的な手段として,限られた範囲で有効性を認めるということはできるのかどうかという,大きく分けると2つの考え方,ほかにあればまた御意見いただきたいと思うんですが,その点いかがでしょうか。

【米田委員】
 まず,15回オンデマンドは,表現は悪いけれども論外だと思いますね。やはり補助的に認めるかどうかというところも,これは大学側がどこまでケアするかという話になると思うんですね。それでいけば,オンデマンドで受講するかどうかというのは,法科大学院に進学して,たまたま遠隔地にいるので,その時間、その場所では双方向多方向の授業に参加できないから必要であるということになる。。しかし、環境的には、時間を確保できて、通常の通信回線をきちんと確保して双方向多方向が可能な形で受講できれば問題ない。これができないのは、通信環境が確保できなかった場合をどうケアするかと言うことになると思います。例えば現在の通信事情から言えば、自宅であれば自己で環境を確保できるわけです。,しかし、外で喫茶店とかの公衆無線LANを使えば自己で環境を管理できませんから、双方向多方向で受講できない。大学もそういう場合があるのですが、大きな施設の中の無線LANなんかを使うと輻輳が生じて,多くの人がアクセスして回線に支障が生じて,うまく行かない場合がある。それよりも自宅の方が見やすかったりするという環境もあったりします。では、その通信環境の問題に対して、大学が責任を負うべきかというと、それはいきすぎだと思います。そういった事情もあるので,具体的に授業を受けるための通信環境についての責任は,やはり学生の側が負うべきものだと私は思います。
 ですから,基本的にはオンデマンドは,出席にかえるということはかなり厳しいんではないかなと。大学としては,遠隔地で授業を受けるということで,基本的に本来大学に来る者については一歩外に出て,施設的にもその部分をケアをしてサポートするわけですから,さらにもう一歩進めて、それに障害がある場合の事情をオンデマンドでケアするというのは、やっぱり二重の手当になると思います。
 そういう意味では,今回の議論のレベルでいけば,多少通信上の問題があって受講できなかったのをケアしてやるかどうかということはありますけれども,ライブでやったとき,ライブというか,同時双方向でやったときに比べると,疑念は多少残るかもしれませんけれども,恐らく今,離島に行ってもすごくいい通信環境で,無線LANでLTEでも十分な回線を確保できる環境にありますので,それでいけばオンデマンドについては,通常の授業を受けた上で使う支援ツールとしては推奨するということがあってもいいと思うんですけれども,やはり出席にかえるのはかなり厳しいかなというふうに思います。でないと,双方向多方向の授業の前提を確保したり、受講状態を管理できなくなります。
 本当に通信が確立しないのかどうかというのは,こちらで実は管理できなくて。それは管理上の問題は,どうしても発生する。ぎりぎりまでそれをずっと,オンデマンドを学生の側が使い続けるというのに対して,大学側がどこまでそれを,何回までって回数決めるのかとか,細かいことをどんどん大学側の負担が増えていくというような形でケアすることが正しいかどうかというと,決してそうとは言えない思います。大学側もオンデマンドで発信するという部分のケアについても,やっぱり同時双方向の部分は一生懸命確立するところは努力するけれども,それがだめな場合にオンデマンドでというのは,さらにケアを必要としてしまって。費用的にはそっちの方が金かかるんじゃいかという気もするので,その辺は線を引いちゃった方がいいんではないかなと思うのです。

【樫見主査】
 いかがでしょうか。

【石井委員】
 私も米田委員の意見に賛成でして,やはりオンデマンドは,それを各大学で任意にやるとしても,それは欠席したときの授業の補習として受講できるというサービスとしては認めても,やはり正規の授業というのは厳しいんだろうと思います。やはり双方向性がないというところが一番ネックですし。あと,救済策としては,例えば通信事情でできなかった場合は,欠席だけれども公欠に準じて,欠席回数に一部は算入しないとかという運用上の問題はありかもしれませんけれども,そのまま出席扱いだと多分厳しいと思います。
 それから,これはさっきのシステムの関係で,結局通信回線ときちっとしたハードを用意するということがそもそも前提ですから,そこも含めてきちっと普及を図っていかなきゃいけないということを書いておけばいいんではないかと私は思います。

【藤本委員】 
 法科大学院の教育の質の観点からオンデマンドをそのままイコール,フル15回ではなくてというご提案には私も賛成です。ただ,やっぱり出席にかえることはできないと切ってしまうと,例えば今,世界的には全ての大学の授業をオンデマンドで公開しているような大学も出てきているものですから,法科大学院の現在の課題としてということで少し留保は要るかなと。余りこれを大学教育,法科大学院に限らない大学教育全体の前例にはならないような形でという意見です。

【石井委員】
 やっぱりそこはちょっと違うかなという気が。さっきの設置基準の話もありまして,双方向,多方向の授業をするということが崩れてしまうわけですね。それをあきらめるというならば,まあ,いいかというのもありますし,あと譲歩する余地があるとすれば,認証評価基準の場合は,未修時の1年生の教育に関しては,多少緩和は図って構わない形になっていますので,そういう部分で一部の可能性はありとするぐらいがせいぜいではないかという気がしますが。
【藤本委員】
 法科大学院について緩めるという趣旨ではないです。ここでそういうメッセージを発することで,例えば大学全体の前例となる基準ということにならないようにという趣旨です。
【中川委員】
 一言いいですか。要するにつながらなかったのは自己責任というのは,面接授業でも,交通機関が動かなかったら欠席,それは当然欠席というのと同じことだということですよね。そう理解すれば非常に分かりやすい話だと思いました。

【樫見主査】
 ありがとうございます。この場の議論をお聞きしていますと,やはりオンデマンド形式による授業の実施ということ,さらにはそれを単位化するということについては,やはり法科大学院における双方向,多方向の授業にはなじまない。ただ,オンデマンドの授業そのものの利用については,まだ柔軟な対応が可能であるというあたりで,今のところはちょっと締めさせていただいてよろしいでしょうか。完全に否定するのではなくて,やはり現実に学生の復習ですとかいろいろな形で,場合によっては大学の判断によって公欠なり何らかのちょっと手当という可能性は残しつつも,なじまないというあたりで積極的な導入は図らないと。今回はそこら辺で意見をとどめさせていただきます。どうぞ。

【吉﨑委員】
 今の議論に全く異論はありません。今のお話は,恐らく法科大学院に在籍している者の講義の在り方としてどうかという点では全く同感ですし,今のいろいろな基準,設置基準等含めてそうならざるを得ないのかなと思います。ただ,今回の当初あった目的の1番で,私の言葉で簡単に申し上げますと,法科大学院を目指す者とか,法曹資格を取得したいと思う者,あるいはこれから,今,かつて2万5,000人いた司法試験を目指す者が,ロースクールを3,000人しか目指していないという時代になってしまって,これはどうするのかというようなことから考えますと,そういった人たちにロースクールの教育に興味を持ってもらったり,あるいは科目等履修という制度になるのか,それはよく分かりませんけれども,いろいろな形式を幅広く認めて,法曹になる途があるよということを示していくのも,ICTを使うということの意味かなと。
 最初にこの会議に参加させていただいたときの私の理解は,今の時代,全世界であらゆるトップの企業も含めて,テレビ会議やら何やらで重要なことを全部こなしているんだと思います。裁判の実務でも,証人尋問等,かつては考えられなかったことがテレビ会議でなされている。もちろんそのために,それをやるという前提で何が必要かということは,かなりいろいろ議論しないといけないとは思うんですけれども。先ほどの主査の取りまとめそれ自体は,全然私は異存ございませんが,より大きな視点で,オンデマンドを使って法曹養成という大きな枠で,何か別の機会でも構わないですし,あるいはこの会議の延長線でも,あるいは付録部分でも構わないんですけれども,現代の世の中で可能な限り,法曹を養成する方法というのを広く考えるということは絶対的に必要な視点かなと思います。以上です。

【樫見主査】
 ありがとうございます。恐らくこの会議の席上では,いわゆる法科大学院教育を受けるという1点で言えば,オンデマンドの授業は基本的にはなじまないけれども,現実には授業を録画して,それを他大学に送受信といいますか,発信をしたり,いろいろ利用するということは現実に行われていますので,その点の展開は決して妨げるものではないと思います。どうぞ。

【朝田委員】
 今のお話に関連してですけれども,多様なバックグラウンドを持った方を法曹に育てていく,これは本当に当初からの理念で大事なことですよね。それで障害者の差別解消法等々できましたよね。重度の障害者等で移動等が,私,この間まで足を折っていたもので実感しているんですけれども,なかなか大学等々行けない,授業も受けられないというときに,オンデマンドということで,これは例外的に扱っていいとは思うんですけれども,合理的配慮事項とかいってですね。ですから,のっけから全面的にこれはだめだということじゃなくて,そういう余地をも含み得るような書きぶりというんでしょうかね。基本的には取りまとめは先ほど言ったようなまとめ方でいいと思うんですけれども,ちょっとそういうこともあるかなと思って,発言させていただきました。

【樫見主査】
 ありがとうございます。恐らく皆さんは,一方でやはりICTを使った教育の発信というか推進,これは大いに進めるべきだとお考えだと思うんですけれども,法科大学院では。なので,二兎を追うことはできないんですが,やはり原則的な立場は保持しつも,こういった授業の活用については,少し含みといいますか,さらなる活用の可能性は,きちんと我々も認めているというような肯定的な表現は,報告書ではちょっと工夫を,私はというよりは事務局に工夫をしていただければと思います。

【恒川委員】
 いいですか。私も今,朝田委員のおっしゃったことに基本的に賛成なんですけれども,経験的に言うとこういう使い方はまずいだろうというのももちろんあると思うんですが,各法科大学院の工夫の仕方で,オンデマンドなんかを授業でどう使うかということは,まだ開発の余地もあるんだろうと思うんですね。例えば,予習なんかに使うという手もあって,今,静岡大では反転授業を行っていて,それをどこまでやれるかというのは,細かいハードルはいっぱいあると思うんですけれども,各大学で,もちろんオンデマンドだけでなくICTの使い方でこういう工夫をしていると。最後は結局,成績判定と進級と,それから修了と,最終合格率ですよね,司法試験の合格率でその教育効果というのは測られるわけですから,一回一回の授業でICT使っているから,これは対面でやるより最初から劣っているというような評価は,多分誰もできないと思うんですね。
 ですから,告示なんかで枠をはめるよりも,それぞれの法科大学院で実施,運用マニュアルをどこまできちんと作って,足りないところは改善しているかというようなところを評価機構でも支援機構でも見てもらうというのが筋だと思うんで,最初のところでは明らかにだめでしょう。認めないということは書いてもいいと思うんですが,それ以外のところはオープンにするか,むしろ逆にこういう使い方も考えられるというような,促進といいますかね,そういう書き方をしてもいいんではないかとは思うんですけれども。これはいろいろな議論を踏まえてのことだと思いますが,個人的にはそういう感覚は持っています。

【樫見主査】
 ありがとうございます。恐らく皆さん意見は大体同じようなところに落ち着いて,あとは法科大学院教育だからといって,完全に否定するわけではないと。柔軟な使い方については,恐らく最後は各大学においてオンデマンドの,まさに有効利用といいますか,運用のところが残されるような基準化といいますか,それは可能であろうかと思います。
 それでは,あと残りはそんなに時間ございませんが,4ページにあります面接授業に相当する教育効果。これについては,実は先ほどから1と2でお話いただいた中で,かなり議論も出ているところはございますが,この点について特に御発言あれば伺わせてください。
 皆さんの御発言が出るまで。特に2番目の黒ぽつのところで,遠隔授業を主体として学位を取得するに当たっての配慮事項なんですが,オンデマンドに関しましては,まずもってここのところは外れていくのかなということになろうかと思います。なので,どちらかといいますと,前にも出ましたけれども,双方向,それから多方向でライブで授業を受ける際に,やはり面接授業とは違っているところもあるわけですから,その点について何か配慮すべき事項はないか。特に先ほどお話いただいた中川委員は,全然ライブでも劣るところはないというような。

【中川委員】 
 ゼミと講義で何が違うかというと,人数が違います。私が今想定しているのは,ICTの配信先も大学という場面です。お互の様子が映ります。大学というのは,向こうもきちんとしたテレビ会議システムを持っているので,お互いにそれぞれの様子が映るという前提でお話をしているんです。ゼミは,3か所で同時にやっています。ゼミだから参加者の数が少ないので,みんなに発言機会が回せるわけですよね。教師も普通にそれは配慮できるんですけれども,講義で自分の目の前にたくさん学生がいる場合は,どうしてもそっちの方の顔を,なかなか講義しながらあちこちというのは見れないものです。ICTの先にいる学生に目を向けようとすると、ちょっとした工夫が必要でしょう。
 ゼミというのは,学生もしゃべってますから,教師の方にも余裕があるんですけれども,講義の場合はやはり教師がほとんどしゃべっていることが多いので,どうしてもICTの先にいる人を忘れてしまったなということがある。また、講義しているところで学生が質問すると,それも映すのか、そうすると講師とは別の方向にカメラを向ける必要があるのですが、そんなことまではとても講師だけではできない,そこまで頭が回らないので補助が要るというような意味で,講義の方がいろいろ大変ではないか、講師のほうも習熟しなきゃいけないものがある。みんなを見渡すということを常に意識しなきゃいけない。ゼミの場合は,ごく自然にみんなを見渡してしまうので,全く楽だと思うのです。つまり,ゼミは非常に違和感がないと,ICTとの間に。だから,少人数の場合は,そういう意味でICTが非常に適合していて,講義の方が難しい,そういう趣旨で申し上げました。

【樫見主査】
 講義を実施なさっている方から,ほか,何かございますでしょうか。

【米田委員】
 今,中川委員がおっしゃったとおりで,というか,実際にはどれだけ教員が相手方をきちんと意識できるかという,さっきのFDの問題に絡んでいくことだと思うんですね。やっぱりシステムを使う場合に配慮しなきゃいけないこと,配慮すべきことというのは明らかにあって,それはどんなことかということを明らかにしていくということは,今後重要な課題だし,その条件をちゃんと満たすように,教員にFDでちゃんと伝えているかどうかというのは,もしかしたら認証評価基準ぐらいには書き込める可能性があるかなとは思います。
 ただ,この項目自体の立て方として,直接の対面授業に相当するというのがこれまでの認識に立った議論の立て方になっていて,恐らくここのメンバーの多くは,そもそももう差はないと。同じ教育効果を生み出すことができるんではないかという認識を持って,むしろ,ほぼできると思って議論しているので,この2の前の部分で,授業をどういう形で展開すれば教育効果が生まれるかという中に,もうほとんど吸収されるんではないかというふうに思うんですね。そのあたり,皆様の認識はいかがかなと思いますが。

【樫見主査】
 ありがとうございます。5ページのところに,制定時の通知では配慮事項として5つの黒ぽつございます。強いて費用対効果とかという感じで言えば,4番目の補助員の配置ですとか,有効と書いてあって,これが必須要件かどうかは別問題だと思います。それから,受講者が過度に多くならないようにすること。これは例えば,講義ですと50人ですよね。ゼミは設置基準はないですよね。ですから,受講者数の問題というのは,結構ICTに限らず,普通の場合にもちょっと問題になろうかとは思います。あとの点は,学生の教員に対する質問の機会の確保,これに関しましては,様々なシステムで質問,あるいは資料のやりとり,全部大体LMSで確保されているかと思うのですが。ほかに何か配慮すべきというような点はございますかね。

【真保専門教育課専門官】
 1点お話させていただいてよろしいでしょうか。ここの点で問題意識としてございましたのは,やはりこれまで先生方にお話を聞かせていただいている中で,法科大学院においてはいわゆる学部教育にも増して,授業前後における教員との質疑応答,あとは学生同士の交流・議論,こういったものが学習効果を高めていく観点から重要だというような御指摘も,先生方とお話をする中で頂いてきたところでございます。
 こういったことを踏まえると,特に今御議論をいただいている,遠隔授業の対象となる学生は,大学に常にいない可能性があるということが言えると思いますので,先ほどの場所要件の話でも,授業においてはリアルライブコミュニケーションが従前にも増してとりやすくなっている,それは事実だと思いますが,授業単位時間における90分の授業以外の取扱いですとか,あとは1つの単位だけということではなくて複数の単位,要は学年としてどう進級要件につなげていくのかですとか,そういったより大きな枠で,そういった教育効果を高めるという観点から,議論とか交流,教員の指導,そういったものをどう担保していけるのか。それが教育の質の確保という点だと思いますので,そういった点も念頭に置きながら御検討いただければ幸いです。

【樫見主査】
 今ありました点,いかがでしょうか。御意見あれば。

【中川委員】
 5ページに平成10年通知の配慮事項とあるのは,これは授業本体についての配慮事項ですよね。今おっしゃったのは授業外の,授業の前後のものということですよね。

【真保専門教育課専門官】
 教育の質の確保という観点では,それも含めた検討が必要になるのではないかというふうに,ペーパーをまとめさせていただいたときには考えておったところでございます。

【中川委員】
 授業外のいろいろな意見の交流の確保というのは,面接授業の場合は何かありましたっけ,こうしなさいというのは。

【真保専門教育課専門官】
 具体的に,実際に十分に設置基準ですとか,告示ですとか,様々な通知で行われているかというと,必ずしもそうではないとは思うんですが,ただ,通常,大学に行く,そこに学生がいるキャンパスがあるということであれば,オフィスアワーの時間もしっかり確保されており,そこに先生がおりますし,図書館があり,自習室があり,議論ができるラウンジがあるということで,しっかりと環境が整っていると思います。同様の環境をしっかり作っていけるのかといった部分については,しっかりと議論をしていただく必要があると,このように思っているところでございます。

【中川委員】 
 今のことであれば,同じことでいいのではないかと思います。環境を作れば,使っていると推定するというのは,多分面接授業の場合だと思います。学校があるんだから,当然議論しているだろうというので終わりにしているわけですから,それと同じようなことです。ここに例えば誰かが質問を書き込めば,誰かが答えるというような掲示板がありますよとか,あるいは先生と,オフィスアワーとか,Eメールで質問,いつでもいいですよとか,そういうちゃんとチャンネルがあるというふうにしておけば,授業外のお互いの交流,生徒間,それから先生と生徒の交流はされるものであろうと。それで十分なんではないかなと思うんですけれどもね。

【米田委員】
 結局,今,中川委員と真保専門官がおっしゃったようなことをきちんと文言に書くということが必要になってくるのかなと思います。ここで書かれていることだけでは,質の議論に本当に入り切るかというと入ってなくて。今,お二人がおっしゃったような事柄をきちんと言葉にしていくということで変えていく,補充していくということが求められるのかなというふうに思います。

【樫見主査】
 もともと恐らく,我々は余り差はないだろうという前提に立って話をしているんですが,恐らく,いや,そんなことはないだろうと思う人に対して,いや,ひょっとしたらこういう点を御心配かもしれないので,この点についてはしっかり配慮してますよというのを出したらいいですよねという話ですよね。例えば,教員と学生,特に2番目のの学生の教員に対する質問の機会の確保,さっき恐らくアドバイスの時間,この時間は対面というか,現実に学生がキャンパスにいれば,その時間帯ならいつでも来てもいいですよというときに,教員側が逆にパソコンを開いておいて,パソコンでアクセスしたら,ちゃんとそれを受けられるように教員側は待機しましょうねと,人だけじゃなくと,そういう環境を整えるとか。
 あるいは,ここには書いてないんですが,当然のことながら,受け手の学生の方が,本当に面接と,それからICTを使った授業において差を感じているかどうか。十分にICTを使ってもらって,教育効果が自分自身が上がっているということを日々検証していくというシステムも,面接でも行っているんですけれども,ICTの場合は,普段にそれにも増して行っていくということを法科大学院側に求めていかなければ,恐らく外部の方からは納得というか,担保はしてもらえないだろうと。
 そういう配慮事項というのを逆に文章化していくということが,恐らく大事なことなのではないかと思うんですが,もしほかにそういった配慮事項ありましたら挙げていただければと思いますが,いかがでしょうか。朝田委員のところは,結構ICT使われていると思うんですけれども,大学側として,何か工夫されているようなことがありますか。。

【朝田委員】
 取り立てて,今おっしゃったようなことをだけなんですが,さらに中央大学のロースクールと試行的に行っているときには,我々法科大学院の教員,島根大学の方のですね,授業は行っているわけではないんですが,中央大学の授業を受講した学生に対して,質問があれば我々がそれをサポートするというやり方をしていました,実験的にやったときには。結構それがよかったようで。だから,例えば補助教員,補助員という言い方をしていますが,これはシステムの事実的な補助員というだけじゃなくて,それを支えてあげる教員という,私たちは補助教員と呼んでいるんですけれども,そういう相談窓口を置いてサポートしてあげると,結構教育効果が上がるんではないかということが分かってきました。

【樫見主査】
 ありがとうございます。ほか,いかがでしょうか。

【石井委員】
 今のと関係しますけれども,いろいろな方式があると思いまして,分校方式だと,そういう補助教員が確保できますけれども,先ほどみたいな離島とか,自宅とかまで想定しますと,それは置けない。そうすると,ネットワークを通じたオフィスアワーみたいなものもきちんと,そう厳密じゃなくていいんですけど,そんなものをきちんと配慮事項としては置いといてあげるとよいんではないかと思います。LMSの利用も,どういう形であればいいのか,きちんと書いていくと。そういう形でやるのがいいんではないかと思います。
 やはり質問というのは,口頭でやるやりとりが結構大事ですので,そういう機会の確保ということはどこかにあっていいかなとは思います。

【樫見主査】
 ありがとうございます。ほか,いかがでしょうか。そろそろ時間も来てまいりまして。最後のところは,システムのことにつきましては,次回に向けての検討ということで,今日も少しこれに関連したことが出てまいりましたけれども。大体所定のところまではいろいろ御意見いただけたかと思いますので,ここら辺で1回締めさせていただいて,あとは事務局の方にお願いした宿題と申しますか,それから次回の議論では,少し講義の種類といいますか,そういうことに合わせて必要な事項ですとか,それから3番目のところで,面接と,それからICTについては黒ぽつで5ページで挙げてある事項だけではなくて,より積極的にこういう配慮をすればきちんと確保できるんですよというのを,我々の方から積極的に出していくというようなところでまとめさせていただきたいと思いますが,ほかに何か付け加えることがございましたら。どうぞ。

【恒川委員】
 次回の課題ということになっていますけれども,先ほどのメディア告示の場所の解釈の話なんですが,可能性ですけれども,教室類似のものを例示したり類型化するのは確かにメリットはあると思うんですよね。こういうところならいいとかだめだとかいう判断ができるんですけど,しかし,それをかなり機能的に広げてしまって,今は場所がここならいいのか,ここならだめなのかという議論ではなくて,つまり周囲の環境からある程度独立してというか隔絶して教育効果が上がるような,教育に支障がないような環境が確保されるような場所というような,機能だけでも解釈してしまえば,私は青空教室でもいいと思うんですけれどもね。そういう解釈が可能かどうかを一応御検討いただいて,次回お考えをお教えいただければというふうに思います。お願いですけれども。

【樫見主査】
 ありがとうございます。
 それでは,時間もまいりましたので,活発な御議論,本当にありがとうございました。本日頂いた御意見を踏まえまして,事務局において再度整理をしていただくようにお願いをしたいと思います。どうぞ。

【宇加治委員】 
 今後のスケジュールの件でお願いが2点あります。1つは,この会議は今年度末まで設置と聞いていますが,年度末まである程度スケジュールを立てて,会議の日程を入れていただきたいです。私,大学で教えてもおりますけれども,通常は弁護士業をしておりまして,会議の日程が決まらないと裁判の期日などが入れられないんですね。
 それからもう一つは,第1回会議で頂いた資料によりますと,年度末ぐらいにワーキンググループの設置が想定されているようですが,先ほど申し上げましたけれども,ICTの普及を促進することによって,法科大学院をエンパワーするような形でバックアップをしていく必要があると思います。そういう観点も踏まえて,ワーキンググループなどの設置を考えていただきたいですし,先々,この場でお話しできるのであればしていただきたいと希望しています。

【樫見主査】
 ありがとうございます。日程の方につきましては,事務局の方に,もし先々の予定が立つのであればお願いしたいと思います。

【真保専門教育課専門官】
 日程の方は,対応させていただきます。第1回の会議でお示しをさせていただいたスケジュールのイメージというものは,当時の時点において最大限の対応が必要になる可能性を想定して,当時の時点のイメージをお示しさせていただいたという理解でいます。今,告示の内容の議論をしていただいていますが,本当に法令改正が必要なのかどうか,どういった宿題が残るのか,そういったことによってワーキンググループをさらに設置していくのかどうか,こういったこともあるなしを含めての議論があるんだろうと思います。そういったところも今後相談をさせていただければというふうに思います。以上です。

【樫見主査】
 ありがとうございます。ちょうど時間となりましたので,それでは,これで本日の会議を終了いたします。
 次回の日程につきましては,早めに御連絡を頂ければありがたく存じます。どうもありがとうございました。



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(高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係)

-- 登録:平成29年03月 --