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障害のある学生の修学支援に関する検討会(平成28年度)(第8回) 議事録

1.日時

平成28年11月30日(水曜日)15時~18時

2.場所

文部科学省5F3会議室

3.議題

  1. 第二次まとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

障害のある学生の修学支援に関する検討会(第8回)

平成28年11月30日

【竹田座長】 11月28日(月曜日)に、障害学生支援の現場視察のため、文部科学省の義家副大臣が筑波大学と筑波技術大学を御訪問なさいました。その概要を簡単に白澤委員と私から御報告させていただきます。

【白澤委員】 一昨日、文部科学副大臣の義家副大臣が本学(筑波技術大学)にお越しくださり、高等教育機関における特別支援ということで、大学における障害学生支援の様子について説明を差し上げるとともに、本学における障害学生への教育の様子を視察していただきました。私の方からは、PEPNet-Japanを初めとする本学の他大学支援の状況について報告をさせていただき、大変熱心にお話を聞いていただきました。報告の後、こうした取り組みには十分な予算配分をしなければいけないのか、予算配分の難しい部分については、連携している大学から会費を取るようなことは考えないのかということを御質問いただきました。それに対しては、いえ、連携いただいている大学こそが地域の拠点として今後機能していかなければいけないので、そのためにはそこの大学への人員の配置や予算配分が必要で、だからこそ今ここで話をしているようなセンター化機能のようなことが重要だと思うということをお伝えさせていただきました。これについては、非常に御理解をいただけたと思っております。また、最近本学への相談で、障害学生から大学に合理的配慮を提供してほしい旨を伝えたところ、「本学ではそういった配慮はしておりません」と言われるケースが結構出ていまして、「我々が一緒に相談に行きましょうか」とお伝えをしても、「他大学機関を伴っての相談は受け付けていません」といったような、けんもほろろの対応をされる例が幾つか連続して起こっています。このため、こういった点ですごく困っているんだというお話もさせていただいたら、「そういう相談は、是非すぐに文科省の方に御連絡ください」といった御発言も頂きました。これらを含め、全体的に非常に熱心かつ積極的にお話を伺っていただけたと思っております。

【竹田座長】 筑波大学では、筑波技術大学に続きまして総合大学、インクルーシブに障害がある学生の皆さんが勉強している姿というものを実際に御覧いただきました。特に、キャンパスのハード面でのバリアフリー改修の状況ですとか、あるいはモデル的にあるバリアフリー講義室での配慮、それから実際そこにおいて障害のある学生が支援を受けながら講義を受講している様子などをモデル的にですけれども御覧いただきまして、その上で、実際に障害のある学生とも意見交換をする場を設けることができました。大変熱心にいろいろな御質問も頂き、意義ある意見交換をしていただくことができました。
また、最後に発達障害学生の支援プロジェクトの実施状況や成果等について意見交換をさせていただきました。発達障害の学生の支援ということに関しても関心を持っていただいて、大変有意義な意見交換ができたと思っております。
それでは、本日は、前回に続きまして、第二次まとめの取りまとめに向けた議論を行っていただきたいと思います。
まず、事務局より配付資料の確認及び資料1、「第二次まとめ(案)」の御説明をお願いいたします。

【小代課長補佐】 配付資料について確認をさせていただきます。
資料1と、それから先生方にお配りしています見え消し版、これを横に並べて、見ていただければと思います。
資料1は第7回検討会での資料に委員の皆さまから頂いた御意見を事務局にて反映したものです。頂いた意見につきましては、何らかの形で反映をしようということで作業いたしましたが、一部修正の意図が不明確であるものですとか、あるいは内容について確認が間に合わなかったものなどにつきましては、現段階では反映していない部分もございます。従いまして、中身を確認していただきまして、  御議論いただきたいと思います。
また、前回の検討会でお伝えをしたとおり、委員の皆さまに決定いただきました論点整理、ここで示した教育とは直接に関与しない学生の活動や生活面での配慮についての進んだ取り組みや支援の配慮事例、更にAHEAD JAPANですとかPEPNet-Japan、DO-IT Japan、KSSK、それから全国障害学生支援センター、こういったものについて御紹介いただく資料としてパワーポイント資料を配付しております。これらは第二次まとめの別紙として添付する予定でございます。個人情報の取扱い等について調整中の内容も含まれておりますので、本日は委員のみへの配付とさせていただいています。
それでは、資料1について説明させていただきます。
変更点についての説明になりますので、委員の皆さまは見え消し版を御参照ください。
資料1の「はじめに」のところです。基本的にここは前回から大きく変更しておりません。法令等の整備状況、障害学生が急増した状況の中で現場での混乱が続いていること、そのことに対応するために、「我々」としていたところを「障害学生支援に関わる全ての関係者」とし、理解が必要だということを明示する形で文言の修正をしています。また、この第二次まとめのみではなく、第一次まとめ、それから文部科学省の対応指針などを併せて利用するということを追記しております。それがまず、「1.はじめに」ということです。
次に「2.大学等における障害学生の現状」というところです。データに関してはほとんど修正はないですが、3ページを読みやすいように書き方を整理しております。
4ページ「(6)諸外国の状況」につきましても、文言の整理と情報の追加を少し行いました。
次の主な修正点としましては、6ページの「3.第一次まとめで取り組むべきとされた事項の進捗状況」です。「中長期的課題」として挙げた事項の対応状況の「【3】通学上の困難の改善」につきましては、そのデータとしてこれまで自動車通学の許可ですとか、専用駐車場の確保といったデータを示しておりましたが、就学支援の話であるということで、このデータは別のデータがよいと述べられていますので、これは何か適切なデータ等あれば御協力いただきたいと思っております。
同じく6ページの「【7】専門的人材の養成」です。これは養成という観点でしたが、研修と啓発活動、こういったものによる養成ということも1つのデータとなるのではないかということで、そのデータの差し替えをしております。
7ページ「【8】調査研究、情報提供、研究、研修等の充実」では、関係機関の部分を整理しております。
「4.本検討会における検討の対象範囲」では、第一次まとめとの継続性といったところは考慮しますが、第一次まとめにおいて十分に議論できなかった、教育と直接に関与しない事項についてです。その実情として「直ちに全ての大学等において実施するのは難しいと思われるが」ということを明記した上で、これも検討の対象としたことを明示する形で修正をしております。
8ページの「5.障害者差別解消法を踏まえた『不当な差別的取扱い」や『合理的配慮」に関する考え方と対処」について、基本的な考え方のところに追記いただいております。障害学生支援が、例えば全てが合理的配慮の観点から行われるということではなく、本来その大学として学生に行ういろいろな支援があるということを明記をしています。
9ページの【1】、具体的に、「不当な差別的取扱い」のところで、これは10行目の授業内容を明記し、こういった取扱いがハラスメントの側面を持つということを追記しております。
10ページ「(2)大学等における実施体制」では、【1】「事前的改善措置」で、文言の入替えをいたしました。また、積極的な推進が望まれる一方で中長期的な計画・取組が重要であるという記載を追加しております。
【2】「学内規程」ですが、これについては私立大学においても同じような取扱いが望まれるということを明記しております。
その次、【3】「組織」についてです。<1>は「委員会」となっております。<2>の「障害学生支援室等の専門部署・相談窓口」については、実は元々、この後ろに「専任の教職員」という独立した項目がございましたが、専任の職員はやはり窓口などに配置をされる者ということですので、組織としては、専門部署や窓口ということになりますということでした。以上を踏まえて、組織として、委員会、相談窓口、それから第三者組織という3つに整理をしております。
次のページ(3)の「合理的配慮の内容の決定の手順」です。最初の前段として、そのなお書き以下のところですね。組織として示すその合理的配慮の手順を示したということですが、それ以外にもそういうところに至らない、合理的配慮の提供というものも当然ありますということを追記をしております。
具体の「障害学生からの申出」の2番目ですね、障害学生自らが自分の権利を主張して意思決定ができるような機会の提供といったことを追記しております。
その次の3番目、根拠資料の話です。根拠資料については原則必要なんですが、いろんなものを複合的に勘案して、その学生の障害の状況を適切に把握する必要があるというということを追記しております。
次のページ、12ページです。【2】「障害学生と大学等による建設的対話」の3番目の項目では、障害学生本人が自ら求める支援内容の説明、意思決定といったことが困難がある場合には、基本的には本人との話だが、本人以外からも意見を聴取することができ、その上で、学生本人との建設的対話を進めるということを明示しております。
あとは文言の若干修正で、次の(4)「紛争解決のための第三者組織」の【2】のところで、学内の第三者組織が整備されていない場合には、外部の窓口といったところの中に障害者差別に関する条例を制定する地方公共団体を、といったことを明記しております。
その次13ページになります。(5)「研修・理解促進」のところですが、少しお題目的に【1】のところに、障害者差別の解消に向けた意識の向上というのを明記しました。これは意図をより明記しているといったところです。それから、あとは文言等を少し整理をしております。
その次、(6)「情報公開」のところです。全体としての受入れの方針や姿勢といったものもちゃんと明示した方がいいんじゃないかということで追記をしております。
【2】これらのことを含む大学等に関するあらゆる情報という文言、つまり情報といったものが多岐にわたるようになっている話を明示しております。
その次、13ページの下、6.「各大学等が取り組むべき主要課題とその内容」についてです。ここは、14ページの方になりますが、教育の目的・内容・評価の維持といったところです。これはこちらに明示をするとして一応整理をしました。当該カリキュラムで習得を求めている能力や授業の受講、それから入学等に必要とされる本質的な要件が満たされているかどうかの視点から、個別かつ客観的に判断されます。そのために、卒業後の資格取得や就職に関するものなど、付随的な要件を課すことが原因で、障害学生が不利になる状況に置かれることは避けるべきだということを明記、追記しました。
【1】から3つの方針ということで、シラバス等を明確化、公開といったところを明記しています。それから、【2】では情報の提供の必要性について記載しています。
【4】学外実習についても文言を整理をして、参加要件を設定する場合の書き方の整理をしています。
15ページ【6】番では、も少し文言の追記をし、内容を明確にしています。障害学生の能力・適正、学習の成果等を適切に評価することは前提として、障害の特性に応じた対応を行っていくことを記載しています。
(2)は、初等中等教育段階から大学等への移行(進学)に関してです。ここは文言をかなり修正して整理いただいています。文言の整理ということになりますが、【1】特別支援学校高等部等での個別の教育支援計画等の活用といったことを明示しているということです。
【2】では、障害学生支援の連続性の観点から、外部と共有する場合、個別の支援情報を求められますが、個人情報の保護も必要だということです。
(3)大学等から就労への移行(就労)でも文言の整理をしていただいています。【3】の<2>から<3>のところでは、学外のとしてハローワークや地域の定着、地域の労働・福祉機関等、就職・定着支援を行う機関との連携、インターンの実施等を含む就職先となる企業・団体との連携といったところの文言を修正しています。
【4】障害学生支援の連続性の観点からということを明記し、強調しています。
(4)では、大学間連携を含む関係機関との連携についてです。【1】はほとんど変更がありませんが、【2】のに追記をしています。通学時や学内での身辺介助、生活介助にかかわるところにつきまして、合理的配慮の提供範囲を超える場合には、福祉行政とか事業者等との連携により、地域のボランティア、公的サービスも含めた幅広い支援の推進が望まれるということを記載しています。
(5)では障害学生支援人材の育成・配置では、支援人材の必要性について詳しく記載いただきました。これは障害学生が自らの正当な権利を主張して、意思決定や必要な申出ができる、これを促す最も身近な存在ということを明示し、非常に重要であることを記載いただきました。
また、観点ということで、【3】で各大学等における支援担当者の専門的なバックアップが可能となるので、その専門人材の配置ができないところの共有についてです。
7番の社会で活躍する障害学生支援センターの形成でもも少し文言を修正しています。19ページに移りまして、(1)センターを中心とした体制のイメージでは、今までのブロックの考え方とセンターにより得られたさまざまな成果といったこと、これを機構に集約し、ホームページやセンターと学校の住み分け、センターによる取組例の整理、障害学生支援スタンダードの構築といったことについて記載しています。
「おわりに」のところは、項目だけ挙げておりますが、障害のある教職員の問題について提起もありましたので、その課題の一つとしてこちらに記載しています。

【竹田座長】 ただいまのご説明を踏まえて、この案をもとにさらにつけ加えるべき内容等について御意見を委員の皆様方からいただきたいと思います。まずはじめに、1のはじめにから4の本検討会における対象範囲といった部分について、ただいま事務局から修正案の御説明がございましたが、さらにつけ加えるべき点等御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。

【殿岡委員】 まず、2.大学等における障害学生の現状の中の、(4)特別支援学校高等部からの進学状況のところがあります。ここに書いてある人数以外の人数というのは、まず、ほとんどは高等学校から、それ以外のものも若干あると思いますが、ほとんどが高等学校から進学しております。ただし、そのことの記述がないことが1つ。それから、それに伴う公式の統計がそもそも存在していないことについて、何もないことです。数の上ではおおよそ8割ぐらいが、高等学校から進学をしているわけですが、そのことに関してやはり記述をしておくべきだろうと思っています。(4)については以上です。
続きまして、3.の進捗状況の(1)の丸4 のところ、拠点校及び大学間のネットワークの形成の部分なんですけれども、これは最後の形成事業との関係もあるんですが、JASSO障害学生就学支援ネットワーク事業で、この事業というのは、障害学生そのものを支援するのではなく、障害学生を支援する大学を支援しています。大学支援ですね。ですから、大学に対して支援事業がJASSOであって、形成事業の方は学生支援センターですから、学生本人を支援できるわけですよね。ここはやはり住み分けというか、明確化のためにも、ここでJASSOが実施しているのは大学支援だということを明確にしていく必要があると思っています。
また、(2)中長期的課題の通学のところですが、私どもの全国障害学生支援センターは二つの調査をやっております。1つは1つは『大学における障害学生の受け入れに関する調査』 各大学の通学支援の状況を調査しています。
それからもう一つは、これは共同募金さんと一緒にやりましたが、地域生活支援事業における通学に関する支援で、厚労省の方ですが、これに関する調査をやりました。この2つの調査をやっています。もし必要な情報がなく、かつ私どものデータを使ってもいいということであれば、この辺の伸びているところについて情報提供ができると思います。いずれにしても、自動車通学等に関しては、通学上の困難の改善というところが大事なところで、見ていただければわかりますが、ここには駐車場の問題は一言も入っていないので、やはり地元が抱えている問題に対応した記述が必要だろうと思っております。
それから、4.のリード文のところですね。対象範囲のところです。直ちに全ての大学において実施するのは難しいと思われるがというくだりがあるんですが、これですと対象範囲に入っているのか、あるいは半分だけ入っているのか、ちょっとニュアンスとしてわかりにくい。今回対象の範囲を広くした、ということが重要なので、対象範囲にした上で、先進的な事例として参考になる取り組みをまとめたということです。難しいかどうかということは大学が判断することで、今でも聴覚障害学生のノートテイクすら、というと言葉は悪いですが、それすらできない学校がある中で、これだけのことはやはり難しいと挙げる必要はないのではないかと思っております。

【白澤委員】 見え消し版の6ページ、3番の(2)、丸7 専門的人材の養成について、ここは、養成が立ちおくれているということを書くことは難しいのでしょうか。今、挙げていただいたデータについても、養成と言えば養成ではあるのですが、第一次まとめの際に話をしていた専門的人材の養成というのは、コーディネーターであったり、手話通訳者や文字通訳者等の支援技術を持った専門家をいかに養成し、大学の中に配置していくかといったようなことだったと思います。今回挙げていただいたデータは、一般教職員への研修であって、内容的にそぐわないかと思います。このため、まだまだ実態が進んでいないということを書いてもかまわないのであれば、もともとあった文章につなげて、「これらの人材に対する養成については立ちおくれているのが現状であり、養成の実態についても十分把握されていない」といった文言をつけ加えるのが実情に沿っていると思います。
また、養成の実態について、一度PEPNet-Japanで障害学生支援担当者、いわゆるコーディネーターに対する全国調査を実施したことがあります。部分的なデータではありますが、もし使えるデータがあれば御提示はできると思います。

【竹田座長】 殿岡委員からは、まず高等学校からの進学の実態データやJASSOのネットワークの対象とこの障害学生支援センター事業では対象が違うというあたりを明記した方がよいのでは、という御指摘でした。また、通学上の困難のデータについて、もう少し集めるということでヒントを頂きました。
白澤委員からは、専門的人材の養成が思うように進んでいないという警鐘的な書きぶりにした方がいいのではないかということです。それから、対象範囲のところで、生活支援について、就学上の合理的配慮と生活支援との関係ということを事例という形でどのように出すのか、要するにデフォルトでそれが必要なことであって、それでプラスアルファ、こういう例もあるというふうに出すのか。障害のある学生からのニーズに対し、最初に断った後に、その上でこういう所もありますよ、というような出し方はちょっと違うのではないか、最初から難しいというように言ってしまうと、こういうことはやはり難しいんだ、というふうに読まれてしまう、というとても重要なポイントで、おっしゃるとおり留意した文言が必要だと思います。

【大島委員】 3の(2)、丸9 財政支援のところです。白澤委員からも詳細に記載できないかという御意見がありましたが、こういった財政的支援があることを知らない大学関係者の方もいると思いますので、現在の財政支援について、ここを見ればわかるという情報があるといいと思いました。
また、最後のところについて、「財政支援の充実を図っている」と書いてあると大変充実しているように読めてしまう。「財政支援を行っている」とか、それぐらいでよろしいのではないかと思いました。

【神藤委員】 財政支援のところですが、障害学生に対して財政支援されている分については障害学生支援に使わないと駄目だという表記をしていただけると、現場では助かると思います。大学には入ってきていても現場に回ってきている感覚がない大学もあるようです。

【広瀬委員】 この部分はちょっと文章が長いので、2つに分けてはどうでしょうか。長過ぎて、読みにくいと思います。

【鈴木委員】 6の各大学がというところでは、障害学生支援人材の育成・配置について、配置まで踏み込んで書いてある一方で、今検討している3の(2)の丸7 専門的人材の養成のところは、やはり育成と養成が言葉がずれてしまってているというのもあるのですが、配置についても書いておいた方がシンクロしていいのではないかなと思いました。

【竹田座長】  それは多分、一次まとめ進捗状況ということですので、それに対応した表現だと思うのですが、6番のところでも、また配置と育成の両方にリンクした記載は非常に重要だと思います。
財政支援のところでは、現状をきちんと書くことが大事ということ。また、誰に対するメッセージかということもある程度意識して、ということでした。

【村田委員】 財政支援のところですが、国立大学法人と私立に関しての言及がある一方で、公立大学に関する言及がありません。見方によっては、公立大学は財政支援がされていないのでという理由により支援が実施されないという恐れがあると思います。当然、公立大学の場合、自治体がそのバックアップをするのだと思いますが。であるとすれば、ここで、公立大学の財政面を担っている自治体に対するメッセージを盛り込めるとよいのではないかと思います。

【矢澤委員】 4.本検討会における検討の対象範囲で、先月の会議で、具体的に課外活動とか学生寮は含まれるかどうかよく見えないという話をしました。あのときの議論では、第一次まとめに記載があるので入っていますということで収束したのですが、やっぱり忘れられてしまう気がしています。第一次まとめの同じ項目を確認すると、第二次まとめでの検討対象とする学生の活動の範囲の上の2行、入学から教育に関する全ての事項、これは第一次まとめと同じなのですが、その第一次まとめの方だと、一方、教育とは直接に関与しない学生の活動や生活面への配慮については、一般的な合理的配慮として本検討会における検討の対象外としたとなっています。さらに、ただ、特に通学支援は非常に重要であり今後検討の必要があると書いてあります。それを受けて、下の2行、上記とは直接に関係しない学生の活動やという記載が今回新しく入ったというふうに読み取れます。見え消し版ですと殿岡委員の方から部活動やサークル活動は入るのかというコメントもありましたので、直接に関係しない学生の活動(課外活動等)とか、生活面への配慮のところに、学生寮を持つ大学等の場合には、通学とか学内介助と同じように、学生寮というのは日常生活の場なので、この通学、学内介助、食事、トイレ等のところに学生寮というのも入れてもらえるとわかりやすくなると思います。

【竹田座長】 第一次まとめと違う部分をどのように表現するか、工夫が必要なところもありますので、引き続き全体の中で、御意見を聞きたいと思います。

【殿岡委員】 公立大学の話が出ましたので、ちょっと補足をさせていただきたいのです。やはり、今一番お金が厳しいのがやはり公立大学で、基本的には総務省管轄の地方財政措置に関連して大学の予算を取ってくるというところが多いわけですが、圧倒的にどこからお金を持ってきたらいいかわからない、あるいは地方公共団体の部局との折衝でかなり切られるということが続いています。そうした認識をもったことが1つ。それと、座長が誰に対して書くかという話をしましたが、特に私立の補助金に関しては形式的に人を否定できないとか、形式論はもちろんわかっているのですが、わかった上で、この2次まとめを読んだら私立大学の中で、現場が経営当局に対してきちっと話を持っていけるような、現場サイドが「こういう助成金があるならうちにも使わせてください」と言えるような記述にした方がいいと思います。もちろん形式論はわかってるんですが、形式論を補足する意味ではこういった記述が望ましいと思っています。

【竹田座長】 少しでも前に進むためのバックアップになればいいという御意見を頂いています。
不当な差別的取扱いと合理的配慮に関する考え方のところ、5番の方に議論を一旦進めさせていただきます。

【白澤委員】 まず1点目は、5番の(1)、見え消し版の8ページの一番下のところに教育的支援について書いていただいている部分があります。ここは「合理的配慮だけではなく、さまざまな教育的支援が不可欠である」という内容で、非常に重要な部分だと思うのですが、ここに書かれているとおり「障害の有無にかかわらず必要な教育的支援」というものがあるのと同時に、「障害があるからこそ必要な教育的支援」もあるかと思います。例えば、障害学生のエンパワーメントや障害ゆえに生じてくるさまざまな困難性に対応して生活スキルを身につけるための支援などです。これについて、どこかに盛り込むことを提案させてください。
2点目は、大学等における実施体制の部分についてです。(2)大学等における実施体制の中で、【1】事前的改善措置、【2】学内規程、【3】組織というふうにあるんですが、そこに例えば丸4 として、予算措置や人材・資源の配置といったような内容を入れることはできないでしょうか。例えば、支援に当たって予算措置や人的資源が必要な場合にどのような形で確保していくのかは大きな問題だと思います。このため、その手段を検討しておくことが望まれるとか、あるいはもう少し踏み込んで、学長等が積極的に関与して予算確保を進めることが必要であるとか、何か提示ができないかと思っています。
3点目は、見え消し版の13ページの(6)情報公開の部分です。「大学等全体としての受け入れ方針や取組を積極的に公開することが望ましい」という部分がありますが、「受け入れ方針」と言うと、どうしても受け入れないこともあり得る方針というふうに聞こえてしまう点が気になっています。「大学等全体としての支援に関する姿勢や方針」といった形で、前向きな記載にした方が読み手にとって誤解がないと感じました。

【竹田座長】 1番目のところは前回もちょっと議論がありましたが、この表現全体は全体を通して余り抽象的でない方がいいということがあります。合理的配慮以外の部分は具体的に書いていくといいかなという。例えば、当然行うべきということと、それが不可欠ということが、二重に当たり前のことを言っているような印象になってしまうので、これがわかりにくいという印象が個人的にはあります。合理的配慮として当然なことをやらなくてはいけないというような、そういうプリミティブなところで齟齬が生じるといけないという御意見だったと思います。ただ、余り漠然としていて、それをどういう方が読むかということですね。具体的なことは具体的に表現した方がいいという、これは1番目の部分だと思います。
あとは、文言の表現の仕方について、確かに最後の情報公開では、受け入れ姿勢は自由に決めていいというものではないと思いますので、これはコンプライアンスとして受け入れるという意味で、そこに合理的配慮をいかにきちんと担保するかというのが趣旨です。何か自由に決めて、受け入れないのだったら受け入れなくていいという、そういう趣旨ではないと思います。そういう誤解を招かないような、なおかつ余り抽象的にならないような表現が必要だと思いました。

【鈴木委員】 基本的な考え方の【1】不当な差別的取扱いで指摘はあったと思います。これらの取扱いが障害を理由としたハラスメントとしての側面を有していることも留意すべきであるということが、どう読み解けばいいのか、ちょっとわからなかったので、教えていただきたいと個人的に思いました。

【殿岡委員】 ハラスメントについてですが、私自身はもともと別の箇所にこれを書いたんですけれども、不当な差別的取扱いを免れる方法として、ハラスメントによって辞退に追い込むという方法、つまり、あなたはうちの学校に来てもらったら困る、受験してもらったら困ると言ったら、これは差別であり違法です。でも、あなたはうちの学校に来ない方がいいじゃないと言って、やっぱりやめますというところに追い込む、これは後から大学に問い合わせると、拒否したことはありませんと答えるわけです。これを許してしまうと、基本的に不当な差別的取扱いが意味のないものになってしまう。つまり本人を辞退に追い込めればいいんだという。本当にあった例ですけれども、部屋に3時間ぐらい入れて、辞退するまで話していく、こういう例があるわけです。これを防止するために、私は別のところに書いたんですけれども、事務局の方で修文がされているので、はっきりさせるとしたら、そうした差別的取り扱いを免れる方法としてのハラスメント・嫌がらせも、やはり同様になくしていくべきであるということが、やはり書かれていく必要があると思っています。

【白澤委員】 私自身もどういうふうに書けばいいのかはっきりと提案できないのですけれども、やはり不当な差別的取扱いとハラスメントというのは表裏一体の部分があると思います。差別解消法は、個人の言動は対象にしていないので、今、殿岡委員がおっしゃったような「障害があるのにそんなことできるの」といった発言などは、法律的には不当な差別的取扱いに当たるかどうかはグレーゾーンになってくると思います。大学の管理責任を問うという意味では、何かしら落ち度があるというふうに言えるのかもしれないですが、法律によって直接的にこうした発言を制することは難しいのですよね。であれば、やはりどこかにこういったハラスメントが起こり得る危険性を指摘した上で、防止の取組が必要だということを入れたらいいと感じ、提案をさせていただきました。
私が提案した文章は、「このような取扱いは、障害を理由としたハラスメントにも発展する可能性があり、関係者の意識向上と防止に向けた取組が求められる」としております。ただ、これをそのままこの部分に入れると、啓発の箇所との関係性があやふやになるというので、文章を修正してくださったのだと思いますので、よい書き方があれば、是非御提案いただけると有り難いと思います。

【高橋委員】 今のところについて、確かにハラスメントに結びつくという点が不当な差別的取扱いの部分の下位項目のような感じで入っていると、その不当な差別的取扱いに関連してハラスメントの問題になり得るということに限定される可能性もあると思いました。もう少し広く教職員の対応の仕方がというニュアンスにとっていただくためには、ここではない方がいいと感じました。1つの提案なのですが、もう一段上、つまり5の(1)基本的な考え方の最後のところにそれを持ってくるといいのではないかと思います。今、基本的な考え方の最後の部分が、その教育的配慮の教育的支援についての文言で終わっているのですけれども、言ってみれば、このハラスメントになり得る対応というのは好ましい教育的支援の反対の対応であるわけですから、それを対比させる形でここに持ってくる。かつ、確かに竹田座長が言われるように、もう少し具体的に書かないと、教育的支援とは何か、何がハラスメントなのか、と思われると思いました。

【広瀬委員】 今の御意見に賛成です。それから、文言のことなのですが、もう少し具体的にイメージができるようにしないと、今の文章のままだと、取扱いがハラスメントの側面で留意すべきといっても何のことかわからない。取扱いという言葉はここでは適切だとは思えないです。

【竹田座長】 やはり、合理的配慮という言葉自体もしっかりと認識されていない中で、今度は障害を理由としたハラスメントという言葉が一人歩きしてくると、かなり現場は混乱してくる。そういうことをいかに防止するかというのは、高橋委員がおっしゃるように理念のところに書く必要があると思います。その言葉がわかるように定義づけというか、項目として定義まで書く必要はないのかもしれませんけれども、ハラスメントは横文字ですので、わかったようでわからないような部分もありますし、その辺も工夫しながら、当然行うべき教育的配慮というのもすごく当たり前の部分、人として当たり前の部分をどのように書くかというあたりは工夫して、高橋委員がおっしゃるように高い次元の話なのかもしれないと思っております。

【殿岡委員】 先ほどのハラスメントのところで一つだけ言っておくと、セクシャルハラスメントとかほかのハラスメントであれば即刻委員会にかかって処分が行われるような事案が、障害に基づくハラスメントだとそうならないという事案が結構あります。ですから少なくとも障害以外のハラスメントと同様で、行われたことに対して問題があるよということがわかるような記述が必要なのかなと思っています。
それから、全く別の話で、(2)大学等における実施体制の【2】学内規程のところですね。「私立大学においても国立大学と同等に教育機関という位置づけを鑑みると」というように「位置づけ」という言葉になっているんですが、これは法律というか、基本方針があるので、位置づけという言葉ではなくて、教育機関という事業の類似性という言葉ですね。類似性に鑑み同様の対応が求められる、という言葉にしておくと、恐らく基本法で同質の事業を行うというくだりがありますので、そことの照合ができるのかなと思っています。
それから、私も抽象的に書いてしまったのですが、(3)の【1】障害学生からの申出のⅳの最後のところ、見え消し版では消されている内容なのですけれども、根拠資料のところの中で、本人がある程度客観的に分析、明示した資料をやはり、医学的根拠と同等という言葉がいいかどうかは議論なんですが、やはり1つの根拠資料として認めていただく方向をちょっと上げておきたい。というのは、一方で医師の診断の妥当性ということについてはこれまでも議論はあったのですが、逆に本人が、本人の見え方だったり聞こえ方だったり認識の仕方だったりというところを、事細かく正確に書いたものというのはかなりの根拠資料として妥当性を持つ場合があって、それを初見で見た別の医師が同じ判定をできるかというと、困難な場合があるんですね。もう一回同じように代理に清書するということはある程度必要だと思うのですが、やっぱり1つの資料として、セルフで構築した資料というものも、やはり入れていただければなと思っています。
最後の(5)研修・理解促進のところで、やはりちょっと心のバリアフリーという言葉がやっぱり気になってしまって、入れないといけないから入れるというのであればしようがないと思うんですが、ちょっとこの全体の文章の流れからすると、意識の向上の推進が重要であると、心のバリアフリーを落としてもいいんじゃないかなという気がしています。

【竹田座長】 根拠資料の話が出たので、その上の段(3)、【1】の<3>のところで、やはり高橋委員と白澤委員、それから近藤委員からも現況をまとめた書面を頂いていたと思います。何か補足的な御意見がありましたら、お願いします。見え消し版ではない方では出ていないと思いますけれども、今、殿岡委員のⅳでは、御本人が障害の状況を把握して、分析して第三者に向けて説明したものが根拠として入れるようにしたらどうかという御提案です。

【高橋委員】 御本人からの訴えというのは非常に重要な情報ではあると思いますが、その位置づけは手帳とか診断と同列というとちょっと違うようには思います。ただ、それが合理的配慮の決定が客観的資料のみに依存して行われるということではなく、こういった根拠資料と、例えば本人からの聞き取りの結果等を総合的に勘案してとか、その決定における必要な資料ではあるけれども、医学的なものと並列するものではないんじゃないと思います。ですので、そういった要素を加えるということは、可能なのではないかなとは思います。

【近藤委員】 こういった根拠資料としては、基本的に適切な診断書や手帳、それから適切な説明等に基づいた所見、それから支援の状況、過去の段階での支援の状況、この3つを私の方から提案したところに、柏倉先生からそれに加えて、やはりそういったものは存在しないけれども、専門性を持った支援担当者がそこで明らかに本人の訴えを聞いて、合理的配慮の必要性が現認できるという場合には、そういったものによらずとも支援をすればよいということであったと理解しています。そうすると殿岡委員のおっしゃっていた、いわゆる本人からの状況の説明と申立てというのを包摂できるのがその4番目の定義であるというふうに私は考えていたんですけれども、それとは少し違うという議論だったのでしょうか。今の議論、ちょっと私が議論についていけていなかったのか。

【竹田座長】 合理的配慮の内容の決定というところで、現場では何かの根拠に基づいて合理的配慮の内容が決まっていくというのが決定プロセスとしてある。当然、前回、柏倉委員がおっしゃったように、ベテランの様々なケースを御覧になっている支援担当者の方の判断は非常に質が高い根拠にはなり得ると思いますけれども、ただ、それを一般論として出すというのは不可能です。つまり、その御本人の訴えとその合理性というものも、全国的に全く同等のものかというあたりで非常に不安定であることが事務局の危惧しているところだと思います。

【殿岡委員】 前回の段階では、4番の中でいいかなというふうに最初思っていたのですが、ただ、全体を読んだときに、やはり医学あるいは診断という医学モデルベースの決定が余りにも記述が多くて、差別解消法やあるいは権利条約の趣旨と考えるとちょっと違和感があります。
そこでひとつ確認なのですが、障害の確認、このために診断をとるというのはあると思います。だけど、合理的配慮の提供に関しては、障害による社会的障壁を考慮して決定しますので、合理的配慮の根拠が診断あるいは医師の所見といった医学モデルなのはまずおかしいんですね。多分くくりとしては、【1】障害学生からの申出という【1】の中の項目ですから、障害学生が申し出るときにどうしましょうという話なんです。合理的配慮の実施に診断書がいるような錯覚を受けるんですね。でも障害の確認で診断がいるんですよね。そこの区別をきちっとすること。それともう一つ、配慮の決定においては、さっき言った、例えば高次脳機能障害とか視覚障害とかが特徴で、見え方とか聞こえ方とか、何が過敏であってとか、そういったことというのは本人しかわからないものがあって、本人のそういった、ある程度客観的に説明したものが非常に高い価値を持つ場合があるので、その高い価値という意味を込めて、文言としては私は医学的根拠と同等という表現をしたんですがやはりそれに近いものとして扱っていかないといけないと思います。いずれにしても、障害を確認したいための根拠資料であって、合理的配慮を決定するための根拠資料ではないということを確認をさせていただければと思っております。

【竹田座長】 建設的対話もかなり重要で、その中での根拠資料ということなのかなと思いながら伺っておりました。多分この(3)全体にはすごくいいことが全部書いてあるんですけれども、その辺のこと組み直すことでいい形になるのだと思います。
また、心のバリアフリーについては、政策的なものもあるのかもしれませんが、取りまとめの中でのキーワードとしての役割があると思います。障害学生へのハラスメントとか障害を理由としたハラスメントは、人権侵害とどう違うのかという点も気になります。LGBTや、様々な状況におけるハラスメントが最近は言われていますが、要するにそれらは障害に限らずやってはいけないことの中の1つだと思います。繰り返し出てくる単語については少し慎重に記載した方がいいと思います。障害を理由としたハラスメントというと、障害を理由とした差別的取扱い中で、いかにも下位項目のような、差別ではないけれども余り望ましくないことのような、漠然としたイメージを持った言葉として一人歩きすると、どこまでが障害を理由としたハラスメントで、逆にここまではやってもいいことなのかなど、曖昧になってしまい、望ましくないと思います。

【西村委員】 本人が自分の障害について理解し、こういう支援があるといいというような状況を分析した文言みたいなものがあるというのは、やはりこれから出てくるような気がします。現に、今年入学した学生は、いろんな根拠資料も総合して、自分として語ることができている方で、支援をする際に非常に役に立ったと思いました。先ほどの(3)の【1】の申出のところの<3>で、原則として、申出の際にはのところの最後の方に、高等学校等の大学入学前の支援状況に関する資料の次に、本人が自らの障害の状況を把握した文書がここに並列に並ぶのはいかがかなというふうに思いました。その後に、利用できる根拠資料を複合的に勘案してと書いてあるので、ここに並列で書いて入れ込むというのがいいと思いました。

【近藤委員】 まずは西村先生がおっしゃったことに賛成です。実際、求める支援内容について説明された資料を学生本人がつくって他の根拠資料とともに提出するというのは基本的な流れになっていますので、並列的に本人の資料が付記されることに賛成です。
それと、この<3>のところで、原則として、申出に際してはのところというのは、その後の建設対話の後に出てくるべきではないかという御指摘や、ここに書かれていることというのは学生の申出のことではなくて、障害の説明のことであるという御指摘がありましたが、確かに文書がないと申出すらできないというふうに読まれてしまう可能性が非常に高いというのを私も危惧しました。ここで書かれていることというのは、その支援の的確性をどのように考えていくかということなので、本来的にはこれは【3】の内容の決定の際の留意事項のところにあるべき項目なのではないかと思います。原則として、申出に関しては個々の学生の障害状況を適切に把握するため根拠資料が必要であるというふうに書いてはいるんですけれども、必要であるとすると、ないとだめということになってしまいます。例えば、これはアメリカの話なので制度的に少し違いますけれども、ADLの2008年の改正とそれを受けてのアメリカのアヘッドの取扱いの改正においては、ドキュメンテーションというのが必ずないとだめというのをやめたという流れを既に行っています。つまり社会モデルをまず第一義にするということを非常に強く打ち出しているという国際的な流れがあります。日本でこれからやろうというのに、わざわざドキュメンテーションが不可欠みたいになってしまうのはちょっと違うなと思います。例えばこの<3>を、<3>、<4>として、内容の決定の際の留意事項というところに持っていくというのではどうでしょうか。

【竹田座長】 何の根拠かというと適切な合理的配慮の内容の根拠だと思います。ですので、支援をするかしないかの根拠というよりは、より適切な合理的配慮の根拠というべきだと思います。

【高橋委員】 根拠が必要な場面というのは2つあって、1つは英語言うエリジビリティについてで、そもそも配慮を受ける資格があるかという点で根拠が必要ということ、あとは合理的配慮のその内容が適切かという判断の材料となる根拠資料ということだと思います。そのあたりが曖昧なので、エリジビリティ、その配慮を受けられるかどうか根拠というふうになってしまうと、それがないと合理的配慮は受けられないということになると思います。
その際には、何らかの証明が必要だと思っております。海外の例でも、詳しい検査結果を繰り返し提出必要とするということはなくなったと思いますが、エリジビリティの判断ということでは、ドキュメンテーションがないと認められない。また、合理的配慮の判断という部分に関しては、どこまで科学的な根拠を求めるかというのが、イギリスやアメリカであっても、丼勘定の部分はあるという印象です。そういう点で、今回ここで申出という中に根拠資料を詳しく入れるのが適切かどうかということが議論になっているので、場合によっては、最終的に合理的配慮の決定において、その根拠資料をそこで羅列するのか、若しくはそのエリジビリティに相当する、受けられるかどうかということに関する項目を新たに立てるのか、そのあたりは少し検討が必要だと思います。

【竹田座長】 <3>の最初の2行のところが、個々の学生の障害の状況を適切に把握するため必要だということがある。より適切な合理的配慮を決定するためなど、根拠資料を求める理由をもう少しここに書いてから、こういう文章を出す必要があると感じました。

【殿岡委員】 まず私の認識では、議論を踏まえると、ここで言う根拠資料は、障害の確認、いわゆる機能障害があるかどうかの確認という意味ではないと思っています。例えば、全盲である場合、医学的診断は例えば未熟児網膜症で全盲である、これは医学的診断です。だけど、その人が点字による教育を受けたか、音声による教育を受けたか、あるいはその他の方法によって教育を受けたかによって必要な合理的配慮は全く違います。このいずれかわ医学的診断から何も導かれない。その上で、政府の合理的配慮の基本方針に立ち返ると、個々の部分において障害者が現に社会的障壁の除去を必要とする者の意思の表明があった場合というのは、これは日本の合理的配慮の大原則です。だから、日本の差別解消法の合理的配慮の原則には、障害の確認とかいうことではない。基本は社会的障壁の除去を求めて申出をするわけです。その申出には医学的根拠は関係がないというのは基本方針からも導かれるし、これはもともと法律本文から引いても、この社会的障壁の除去という言葉になります。そこは診断とくっつけるのは、やはり法の趣旨からして、ちょっと筋道が変わってくるのかなと思う。ただ、障害の確認においては、文部科学省は、厚生労働省のように、もともと障害判定を教育の中でする仕組み自体を持っていませんので、そこは根拠資料があってもいいのかなと思います。

【高橋委員】 今の社会的障壁に関してなんですけれども、社会的障壁というのは、そもそもマジョリティの方々にとっては何の困りごともないけれども、機能障害のある人にとって、そのマジョリティ向けのやり方等が非常に使いにくい状態になって制限を生じさせるということだと思います。
そう考えたときに、今困っているという状況にある方が、私はこの機能障害があるからこの大学のやり方は私にとっての社会的障壁となっているんだという訴えになっていくと思いますが、その社会的障壁となるということの前提となる機能障害がなければ、そのやり方は社会的障壁とは言えないのではないかと思います。なので結果としてこれが社会的障壁ですと主張するためには、機能障害があるということをセットで伝えないといけないのではないか思います。

【殿岡委員】 社会的障壁の除去というのは、障害の確認として根拠を求めることに何の議論もないんです。だけど、講義で手話通訳を求めるか要約筆記を求めるかという違いというのは、聞こえないことの診断によって導かれるわけではないんです。だから、どういう合理的配慮を検討していくかということは、その人の学習環境だとか、そこで例えばマジョリティーとして音声言語による授業があるというのは、もちろん前提でありますが、そこで具体的に手話通訳を求めるか、文字通訳を求めるか、または別の通訳方法を求めるかということは医学的なものだけではない。そこはしっかりと区別しているのが、この差別解消法における障害の社会モデルと呼ばれる考え方であり、それを踏襲していくという必要があると感じています。

【村田委員】 今議論されていることというのは、支援担当者の立場からすれば建設的対話の範疇に入っていると感じます。日本語の使い方なのかもしれないですが、(3)の【1】のところが障害学生からの申出という記載になっていますが、申出という言葉は非常に公的な印象を感じます。例えば、本人が障害の証明をするとか、症状の証明をするとか、そういうことがないと支援がスタートしないというように解釈される可能性もあります。ただ、議論を伺っていると、申出というよりも、その時点から既に建設的対話が始まっているのでは、という印象をもちました。本人が明確に何か根拠を示して社会的障壁を証明していなかったとしても、何となく単位が取れませんとか、レポートがうまく書けませんということも意思の表明、つまり合理的配慮を検討する出発点となり得るし、仮に本人が言ってきていなかったとしても、客観的に見て明らかに困っていると判断できるときには建設的対話に導けるような働きかけをしなければいけないと思います。申出という言葉にすごく公的な印象をもってしまうので、誤解を生みやすいのではないかと思いました。

【竹田座長】 村田委員がおっしゃったように、実際、合理的配慮は現場ではリアルタイムで動くというか、内容も変化しています。なので、建設的対話が一番重要であって、その中で根拠資料を見せてもらったり、いろんな資料を見せてもらったりして、よりよいものを目指していくという共同作業ということをもう少し議論したいと思います。

(休憩)

【竹田座長】 6番、各大学が取り組むべき主要課題と求められる取り組みについていかがでしょうか。

【大島委員】 見え消し版の16ページ、(2)の【4】について、「必要な支援を適切に提供することによって、その才能を開花させたモデルケース」と書かれていますが、才能が開花されるまでならなくてもいいかと思いますので、「必要な支援を適切に提供することによって、学生がその才能を開花させたり、目標を達成したモデルケース」のような言い方ではどうかと思いました。
また、15ページ、(2)の冒頭で、「特別支援学校高等部や高等学校等に在籍する障害のある生徒」と、「障害のある生徒の大学等への進学を促進するため」となっていて、これだけ読んでしまうと、みんな大学等に行かなければいけないと言いますか、みんなが大学等に進学することが前提になっていて、その促進というふうに読めてしまって変更した方がいいと思っていました。今回の修正で、「大学等に進学するに当たって」と変わっていて、この方がいいと思うのでこの修正案を支持したいと思いますが、言葉としては弱くなってしまっていると思います。修正案は支持したいのですが、変更の提案をされた市川委員に、変更の理由をお伺いできればと思いました。

【市川委員】 私の意見は、「進学を促進」という言葉が、これをすればどんどん大学に入ってくれる、という印象を受けたので、それを削って、当たりさわりのない言葉に変えてはどうかという意見で、確かに弱くなった気もします。

【竹田座長】 積極的に障害のある方が社会に進んでいくステップとしての高等教育という、そういう趣旨を入れた方がいいのではないかという御意でした。

【殿岡委員】 順にいきたいのですが、まず6の(1)のところで、教育目的・内容・評価の中に社会的障壁がないことを前提にして決めると、やはりおかしなことになってしまう。社会的障壁というのは繰り返しですが、日常生活・社会生活を送る上で障壁となるような事物、制度、慣行、慣例、その他一切のものを言うということで、法律や制度もここには入ります。ですから、教育の目的及び評価に一定のポリシーがかか書かれてますが、これが社会的障壁から除外されるということは、制度上あり得ない。そのことをきちんと明記しておく必要がある。ここに社会的障壁がないかどうか、あればそれは当然解消法にのっとって見直されていくであろーということですね。例は何回も上げているので、繰り返しは避けようと思っています。
2の小中段階から大学への進学というところなのですが、私は、合理的配慮の実施、記録という言葉を入れました。少し解説をしておくと、最も多い例は、大学入試センター試験に状況報告書を出すに当たって、自分たちがやった合理的配慮をまとめました。それまでに移行の支援計画とかは何もなくても、そこで初めてまとめるということは、多分、数としては一番多いんだと思うんですね。ですから、合理的配慮の実施記録というような形で、メモでもいいから、そのやってきたことを、まとめるということをきちんと書いておく必要がある。個別の支援計画、個別の指導計画というと、これも前の繰り返しになってしまいいますが、学習指導要領との差異を問うというので、合理的配慮そのものを問うてはいないんですね。ですから合理的配慮の実施記録という言葉は、非常に大事かなと思っています。
関連で、「特別支援学校高等部や高等学校」と、高等学校が後になっていますが、圧倒的多数が高等学校から進学していますので、他のところもそうですが、「高等学校や特別支援学校」という表現の方が望ましい。さも障害者は特別支援学校からだけ来るような、ちょっと錯覚を受けてしまいますので、実数に合わせた方がいいと思っています。
また、(3)の今度は就労移行の方です。ここの【2】のところですが、「一般の学生と異なる多様な就業・就労形態がある」と書かれています。今現在は、一般の学生も多様な就業・就労形態があるのであって、障害者だけが特別に何か多様性があるとか、障害者を分けていくんではなくて、やっぱりインクルーシブな視点を考えると、ちょっと「異なる」というのは違和感がある。つまり異物と取り扱われるようなニュアンスがあるとまずいなと思っております。
また、(4)大学間連携の中の【2】のところです。まず、「過重な負担が発生すること等により」というところと、「合理的配慮の提供範囲を超える場合がある」と、この2つですけれども、まず、具体的なことを明示せずに、専門的な身辺介助等において、過重な負担が発生するおそれがあるというのは、抽象的な概念に基づく過剰負担ですから、そもそも違法なので、こういった表現はできない。それから、「合理的配慮の提供範囲を超える」と書いていますが、これは正に今回初めて合理的配慮の提供範囲になった項目ですから、誤解を与えてしまう。地域の福祉行政との連携ということ自体はもちろん否定されるものではないし、今後のいろんな制度の改正を制限するものではないんですが、新たに大学において合理的配慮の範囲になったことがはっきりとわかる記述に直すべきではないかと思っています。

【竹田座長】 殿岡殿岡委員がおっしゃるように、余り言い訳のような表現が最初にくるというのは、よくない印象があるかもしれません。過重な負担の考え方に関しては、ほかの委員の皆様方からも御意見をいただきたいと思います。
ただ、この後、各大学がこの第二次まとめをどのように生かしていくかということに直接的に結びつきますので、慎重な議論が必要だと思います。
ここで書かれていることはとても重要で、特に地域連携というところで、福祉、行政、業者との連携、あるいはボランティア、公的サービスとの連携の推進に関しては、異論はないと思いますが、各大学において、大学の責任で、どの範囲の活動に対し、どのように合理的配慮を実現していくかということに関しては、まだ十分なコンセンサスはないように感じます。
また、1番目の環境の調整について、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーとの関係性ということで、そのポリシーが差別に直接つながるということは、もちろんあってはならないことです。一方で、専門性の高い実践的なプロフェッショナル養成のような分野での、現状の混乱にどういった提言ができるかというあたりを、もう少し御議論いただく必要がある思います。
初等中等教育段階からの情報の引継ぎということでは、合理的配慮の実施した記録や大学への配慮の要求は、その先でもさらに生きていくということあるのかもしれませんし、とても重要な御指摘を頂いたと思います。
細かい表現でやはり(3)就労のところで、障害学生を一般学生と異なるという、区別するような表現は直していった方がいいと感じました。

【高橋委員】 (4)大学間連携を含む関係機関との連携、【2】通学や身辺介助の件のところに関してのポイントです。
机上資料として配布されている「進んだ取組や支援・配慮事例」で挙がっている事例に、ここに関連したものが複数挙がっているという印象を受けました。具体的に申しますと、地域の福祉サービスと連携して支援を提供したという報告や、大学で費用を負担して支援を行ったという例です。
現在の論点は、第二次まとめとして、費用は大学が負担することが理想だけれども、現実的には厳しいので、地域の福祉サービスも利用していけるとよい、という話なのか、それとも、大学としてここまでは最低限やっていただきたいが、足りない部分はそれ以外のサービスも使っていこう、という話なのか。それとも、大学でもっと支援を実施できるようになるため、国からの予算配分等を何とかしてくれというメッセージなのか。どこを理想とするのか、その方向性が見えない気がしていますので、意見を伺いたいと思います。

【近藤委員】 今の点に関して前回の会議で申し上げたことというのは、第一義的には地域の福祉、行政による支援を用意する。ただそれは、障害者総合支援法自体が、いわゆるヘルパー等の提供が可能かどうかという判断が地方自治体によって大きくかわりますので、それによって、障害のある学生が大学で学ぶことができないということが生じた場合は、当然、大学がそこは合理的配慮として提供しなければならないということしか書けないと思っています。例えば、過重な負担が発生することと、大学等における合理的配慮の提供範囲を超える場合があるということは書くことができない、と思っています。地域からの支援は難しいけれども、学生のニーズが明らかに存在している場合は、大学の支援を考えるということしか書けないのではないかと考えています。

【殿岡委員】 今回発言するに当たって、第1回の議事録を確認しました。議論の中で、基本的に通学や学内介助が合理的配慮の範囲に入るということは、明確に答弁があるんですね。それが前提で今回対象範囲に入っているんです。
ですから、当然、通学や学内の介助は、専門的という言葉で書くかどうかはありますが、そもそも大学による合理的配慮の範囲なんです。それは第1回の検討会で議論が終わっている話だと認識します。2回、3回と確認して、そうです、と言ったので間違いないんです。その上で、第一次まとめにはなかったけれども、第二次まとめでは入ったと。だから、支援の提供に当たっては、地域との連携なども加味していく必要があるので、実際には、合理的配慮の範囲に入ったことはもう間違いがないことなので、問題はないのかなと私は思っています。制度全体をどうするべきかというのは、第1次まとめのときはちょうど総合支援法の改正の時期と絡んでいましたし、障害者制度改革推進会議の動きなども踏まえながら私もコメントしておりましたが、第2次まとめにおいては、今の話は第1回の検討会で決着がついていると私は思っています。

【竹田座長】 通学や学内の介助が障害のある学生にとっての合理的配慮であるということに関しては、皆さん御理解いただいていると思います。ただ、第二次まとめにどのように提言としてまとめるか、その表現の仕方は、今後各大学の業務に大きな影響がありますので、そのあたりを十分に考えて、提言ができればいいと思います。

【殿岡委員】 その工夫は、先進例の提供という形でまとめていくというのがポイントで、今回、部活動やサークル活動とか、生活面全般がここに入っていますので、通学も学内介助も、食事も全部入っていますから、大学が通学まで認めて入るかどうかとかいう議論は、通学まで入る、部活動も入る、ということで僕は確認できていると思っています。それは大変な部分もある、そうはいってもできないところもあると思うので、それは先進事例を見ながらということでいいのではないかと思っています。

【広瀬委員】 「合理的配慮の提供範囲を超える」というと、これは例えば全ての建物にエレベーターをつけてくれ、それは幾ら何でもお金が足りないから無理だ、というイメージがあります。例えばこの身辺介護ということを考えると、おむつを誰がかえるのかということなのではないかと思います。では、おむつをかえることは合理的配慮の提供範囲なのでしょうか。あるいは、提供範囲でないのでしょうか。これは経済的な問題というよりも、提供範囲内とか外とかという概念で語ってよろしいでしょうか。ちょっとそのあたり御議論いただければと思います。

【竹田座長】 「大学等における」という2行目の部分を「大学の責任をもって」というふうに書けるかどうかということだと思います。もちろん、現状のように誰もやらないということになると、それこそ人権侵害ということになってしまいますので。
それから、先ほど近藤委員がおっしゃったように、そもそもその学生を入学させたということは、その学生に意欲と能力があって、それぞれの大学の選考を通って入学する人材であるわけです。大学は、その学生を入学させて、育てるという責任を持たなければいけないという部分があるわけです。けれども、今、広瀬委員おっしゃったような、例えば医療的なケアや摂食、排せつという生活、ケアに関しては、財政的、人的なものが不可欠ですが、現状、制度の問題もあり、対応が難しい部分があるのも事実です。そういった中で、うまく取り組めている大学では、そういうケースに対してどういうふうな取り組みをしているのかが、第二次まとめの一番大きなポイントになると思います。

【殿岡委員】 それは違います。常時、介護が必要な人間は、支援を受けることができなければ、その段階で退学をするのです。あるいは、合格しても入学を辞退するのです。そういう事例は、特に障害者自立支援法制定以降、常に起こってきているんです。総合福祉法の法改正がなされてもなお、それは続いていて、ごくわずか、恵まれたという表現でいいかどうかは置いておいて、先進的なケースによって救われたわずかな人がこうやって例に挙がっているにすぎないのです。だから、入学しておむつをかえるのどうするのではなく、そもそもそういう人は能力がありながら、大学というところにいられないのが現実なのです。それを今回、第二次まとめで、私は第1回の検討会のときに、これは合理的配慮の範囲に入れましょうと言って、入ったのです。だから、全国のこれを待ち望んでいる人は、これで私も来年から大学に行けると思うわけです。それがこの第二次まとめの重要な点で、その変更を踏まえるということは、合理的配慮の中身なんです。いざ、ここで大学ということが主語になった瞬間に、何かびっくりされたりとか、委縮されても、議論としては困る。そうではなくて、もう第一次まとめのときから、もっというと自立支援法のころから、合格しても介助がないことで大学入学を辞退していた人たちが、この第二次まとめを見て、来年からは行けるんだと思うことが重要なのです。差別解消法で言えば、大学が合理的配慮の提供主体ですから、僕は通学等を含めて入ってくることは当然のことだと思っています。

【竹田座長】 非常にまれなケースというよりは、これらの非常に貴重なケースを、ひろく日本の大学にどうやって普遍化させていくのか、という御議論をいただきたいと思いますが……。

【殿岡委員】 まれなケースというのは、第一次まとめにおいて、これを除外したのでまれなケースとなっている。第二次まとめでできれば、できるだけ早く合理的配慮の範囲に入ったはずのものなんです。まれなケースになっているのは第1次まとめです。

【竹田座長】 第一次まとめのときから、殿岡委員に意見を頂いていますので、よく存じあげています。ですが、このような好事例が出てきたということは、すごく重要な資料ではないかなと思います。

【白澤委員】 殿岡委員がおっしゃっている、この部分の重要性については非常によく理解できます。私自身も聞こえない学生のサポートをしていて、能力があるにもかかわらず、大学からの支援がないがために、諦めていく学生をたくさん見てきましたので、お気持ちはとてもよくわかるつもりです。ただ、第1回の議論の中で決定したことは、今回の検討会の「検討の範囲に入れる」ということだったと思います。すなわち、大学が行うべき合理的配慮とするかどうかということも含めて、議論のテーマとして扱う範囲に入れたということです。
加えて、本件についてどこかが担わなければいけない合理的配慮であるという点は、ここにいる皆さんの一致した見解だと思います。でも、どこが担うのか、どういう形の役割分担が一番いいのかという点については、今現在、いろんなところが悩んでいる最中だと思うのです。そして、第一次まとめの議論の中でも話があったと思いますが、現時点でこの配慮を大学が担うとなった場合、地域のサービスが停滞してしまうかもしれないという問題もはらんでいるわけです。なので、本件についてはもう少し大きな議論が必要なのではないかと思います。もちろん、今の書き方だとネガティブな方向に引っ張ってしまう懸念があるということなので、その点については表現を少し改めた方がいいとは思います。ただ、現時点においては、大学がこの合理的配慮の実施を担っていくという方向を提示することは、時期尚早ではないかと思います。
ただし、このテーマが検討の範囲に入ったことが示しているとおり、大学が考えていかなければいけない内容であるということは事実です。そのため、大学が責任を放棄するのではなくて、考えていく責任はあるかと思います。障害学生と一緒に模索して、地域のサービスとも連携しながら、何かしら実現の道を探らなければいけないものだという点は事実だと思いますので、そういう方向性を含めて文章をつくってはどうでしょうか。

【市川委員】 この問題は、すごく大切で重要なことだと思います。特に、これは大学に限らず、全ての学校における特別支援教育の中で、議論しなくてはいけない部分だと思います。
合理的配慮でやれるかやれないかというのは、うちの学校でも正直言って、特別支援学校だから何でもやれるわけではありません。
ただ私は、この文言の中の大切なのは、後半からと思っています。前半の部分には限度を超えた場合と書いてあるのですが、大学だけでできない部分については、行政や地域との連携、ボランティアや公的サービスも含めたいろいろなものを探っていくことを大学がやってはどうですかという提言だと思うんですね。
これは学校全部で、うちの学校でできないことは、地域の資源や連携によってできないかということを、校長としては探っていくと。障害のあるお子さんが学校に通うために、という姿勢を持つべきなんだというところは、すごく意義があることだと読みました。

【竹田座長】 大学がイニシアチブをとるという、後段の重要性を強調した方がポジティブではないかということです。

【殿岡委員】 今の市川委員の話は、すごくよくわかります。その上で、先ほどの白澤委員の話について補足したいのですが、第1回で検討の対象に入っただけだという言い方をしたんですが、第一次まとめを見てください。検討対象とする学生の活動範囲とか、ここで言う検討対象というのは、合理的配慮の提供対象を指しているのです。第一次まとめの3、本検討会における検討の対象範囲の部分について、白澤委員がおっしゃることは、これは検討の範囲だから、合理的配慮の対象範囲じゃないと言われているのですが、でも、違うのです。私は、その言葉の使い方もわかった上で、第1回検討会で確認をとっています。

【近藤委員】 まずそもそも通学や学内での例えば食事介助、トイレ介助については、合理的配慮の対象だと私も理解しています。すなわち、その大学やさまざまな理由において、それが過重な負担であると考えられた場合というのは、当然ながらそれは提供ができないという対象になるのが合理的配慮ですので、何ら問題なく、これは合理的配慮の対象に含めて全く問題がないと理解しています。
ただ、私が誤解があってほしくないと思うことは、合理的配慮で行うことが本筋であって、それ以外はやるべきではないという誤解が入ってしまうと、これは彼らには日々の生活がありますので、むしろその可能性を制限してしまうという、先ほど白澤先生が言われた誤解というのが、むしろ強く出てしまう可能性があるのではないかということを強く危惧します。
そこで、第一義的には、地域福祉や行政等との連携ということを、必ず付記するべきであるということを論じたということです。

【厚生労働省】 今もめている一番大きな理由というのは、合理的配慮というのが、言いかえると、マナーであり、モラルであり、その権利保障であるということと、
福祉サービスという事業であるということが混ざってしまっているということだと思います。それは結局、オールジャパンで見れば、合理的配慮として大学がヘルパー事業所と契約をして、ヘルパーを派遣するという行為と、障害福祉サービスとして自治体が報奨を支払い、利用する学生さんが事業所と契約をしてヘルパーを学内に連れてくる。学生にとってそれらは全く同じことです。それを合理的配慮と呼ぶか呼ばないかというだけのことであって、そこで別にもめる必要は全くない。

【近藤委員】 私もそう思います。

【厚生労働省】 この部分は私が書きましたが、合理的配慮を超えるというところは、行為と費用と2つの側面があると思い修正をしました。
行為の面というのは、食事介助や排せつ介助では、それを支援する学生さんと支援を受ける学生さんの友人関係が、状況によっては崩壊する可能性すらあると思っています。ですから、こういったところについては、大学や行政が用意した専門のスタッフに任せるべきという面です。その行為の面と費用の面という2つの側面があるので、ここの「過重な負担が発生すること等」というのは2つあるということです。

【近藤委員】 学生のボランティアがトイレ介助などに入ることが、いわゆる専門性の面から見てもかなり問題があるということは、重度の障害のある学生の支援をしている人間からしてみれば、ほぼ共通理解となっていることです。そういった部分を誤解なく理解してもらうためには、この「過重な負担が発生すること等による」というところから、「合理的配慮の提供範囲を超える」といった文章のところまで、かなり理解が難しい可能性がありますので、ここの部分の記述を、例えば今の議論の流れに沿ってボリュームを増やす形で入れるということは対立していないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【殿岡委員】 第二次まとめ以降に、新たにこれが大学における合理的配慮に入ったということ、先進事例も存在しているということ、それがはっきりと明確になればいいと思っています。

【竹田座長】 大学におけるというは、大学という場の表現ということでしょうか。それとも、大学の責任で、ということでしょうか。

【殿岡委員】 それはほかの合理的配慮と同等です。だから例えば実習とかインターンについていちいち、場かどうかなんて書いてないですよね。それと同等なんです。つまり完全に他の合理的配慮と同等に、大学においても合理的配慮であるということです。

【竹田座長】 わかりました。この部分に関しては文章を練り直さなければいけないことははっきりしましたので、次回に向けて、少し慎重に検討させていただきたいと思います。
そのほか、6番全体を通していかがでしょうか。アドミッションポリシー、カリキュラムポリシーという問題も含めて。特に看護系や医学系など、プロフェッショナルを目指す分野で、実習等の話になったときに、間接差別、直接差別になりやすいという御意見も頂きました。ただ現場では、実習といったような、患者さんや児童・生徒を対象とするため、その適正というものに、非常に苦慮する場合もあるという声も多々ありますが。
殿岡委員の先ほどの御意見で、こういうポリシーそのものが、社会的障壁になることはあり得ないという形ではいけないということですよね。

【殿岡委員】 そうですね。

【白澤委員】 (1)教育環境の調整の中で、見え消し版で赤字になっている部分があるかと思います。「教育の目的・内容・評価の維持とは」といったところから、5行ぐらいにわたって書いている部分ですが、これは私から文言を提案させていただいて、事務局の方で多少修文を頂いています。
この部分について、この内容でよいかどうか、是非とも皆さんに御検討をいただければと思います。ここには、本質から離れる付随的な要件をもって判断してはいけないということを記載していますが、同時に【1】目的・内容・評価の観点自体が、妥当である必要があるということ、そして、それを判断する際にも合理的配慮が必要であるということの2点について注釈を加えています。
これはアメリカのADA法を参考にしたもので、本質的要件を満たしているかどうかを判断する際には、【1】その要件が、本当に本質的と言えるかどうか、妥当な基準になっているかどうかを判断しなければいけないということと、【2】それを判断する際にも合理的配慮の提供が必要であるということが記載されています。
私の提案した文章の中では、「本質的な」ということを繰り返し説明することで、何とか【2】のこの基準が妥当であるという点について包含しようと思ったのですが、それだけでは十分に説明しきれていないように思っていました。なので、殿岡委員がおっしゃっているような形で、目的・内容・評価自体に社会的障壁を包含している可能性があるという点については、記載する必要があると思いました。

【竹田座長】 この箇所は、本質的要件を満たさなかったときにどうするのか、あるいは満たす満たさないを誰が判断するのかという問題について、すぐにいろいろな質問が出てくると思いますが、いかがでしょうか。
これについては現在、現場ではかなり問題が大きくなってきていると思います。実習、あるいは将来のキャリアまで考えたときに、本当に現場の先生方は、学生に対して情報提供や進路に対する相談という形で、どのようにすればいいかということで、悩まれているそうです。その本質的な要件という概念自体が、日本の場合はすごく抽象的に感じます。

【殿岡委員】 ここに書いてあるのは、医師や看護師を例に挙げるまでもないのですが、障害がない人を前提につくられてきた目標や内容、評価というのは、確実に社会的障壁になり得るということです。どんなに地域の医学に貢献しようと、日本の医学に貢献しようと、障害のない人を前提につくられてきた制度、内容、評価であれば、確実に社会的障壁になり得るということです。そこをしっかりと読みとれるような表現にしていく必要があると思います。
特定の分野において、この分野は解消法が適用されないという分野は存在しません。そういった事物、制度、慣行、観念の中に、そういうポリシーがあれば、当然それは容赦なく変えていくと思っています。

【竹田座長】 それに関連した具体的な記述が、その下の【1】の部分だと思いますが、これに関しては、特に皆さん御異論ないでしょうか。障害のある学生だけではなく、全ての学生が選択する判断材料としての情報をより具体的に出すこと、それぞれの意見、それから進路選択に資するような情報提供が必要だということだと思います。社会的障壁に結びつくような、そういう捉え方をされないように注意して文言を修正し、修正した文言について御意見いただければと思います。
最後に7番の社会で活躍する障害学生支援センター(仮称)のところにつきまして、御意見をいただきたいと思います。

【高橋委員】 取り組み例のところに、機能障害を評価する役割を追加していただきたいと思います。アセスメントと言ってもいいのかもしれませんが、わかりやすい表現でいいかと思いますけれども、先ほど議論になった根拠資料の部分とも関係するところになります。仮に診断がなかったとしても、機能障害があれば、きちんと配慮が受けられる。ただ、診断はいらないけれども、機能障害を評価してくれと言っても、評価してもらえる場所は、現在は存在しないので、そういった機能があるといいと思います。

【殿岡委員】 重複になりますが、障害学生支援センターということは、学生を支援する部分をやはり少し入れていった方がいいと思っています。それによって、JASSOと重複するのではなくて、大学支援の方はJASSOに任せて、学生支援は、学生が自分で障害をしっかりと理解したりとか、そういう学生支援に関する部分をできるように入れていくことで、2つがしっかりと役割分担ができると思います。

【竹田座長】 先ほど議論になった地域との連携や福祉、行政との仲介的な役割というのは、ここに求められるのではないかと思います。ここでは、蓄積されたノウハウと一言で言ってしまっていますけれども、全ての大学がということが難しい現実の中で、こういうセンターが核となるという、それこそ目的の一番重要なところだと思いますので、取り組み例でそういうものが表現できたらいいと思います。

【広瀬委員】 その地域と言ったときの、例えばキャンパスが幾つかの県にある場合です。放送大学の事例ですけれども、長野の諏訪学習センターに所属している学生が、ある授業をとりたいと思って、渋谷の学習センターに行ったのですが、長野と同じサービスが受けられないことがある。長野では、いろいろな介助や学習センターまで連れて行ってもらえるというサービスを受けている方なのですが。同じ大学でも地域が違う場合はどうなるのか。課外活動、フィールドワーク、実習などに関してもとても大切なところではないかと思いました。単に自治体といった場合だと、自分が住んでいる自治体だとか、登録している自治体だけになってしまうので、そのあたりも配慮いただきたいと思います。

【西村委員】 (2)のセンターにおける取り組み例で、先ほど高橋委員からアセスメント機能を持たせるという話でしたが、例えばこの【1】にあるように考えると、アセスメントに関する専門的な助言ではなく、センター自体がアセスメントを全部するという意味でしょうか。

【高橋委員】 そうなるのが理想だと思っています。といいますか、そういった評価をしてもらえる場所がないので、そうしないといけないと思います。

【西村委員】 センターが全ての学生のアセスメントを行うのでしょうか。

【高橋委員】 例えば、近くにそういったサービスを提供している医療機関があって、成人でも認知機能を多面的に評価してくれる医療機関があるところはいいのですが、そういったところばかりとは限らない。また、学内にそういった人材がいればいいですけれども、規模の小さい大学でそういった人材を抱えることはできない。そういったときに、地域ごとの拠点に、そういった能力のある人が配置されていて、地域の中でそこを利用できるということであれば、学生にとっては非常に助かるのではないかと思いました。
仮に医療機関があったとしても、半年待ちとか1年待ちということがあり、それを待っているわけにはいかない。社会といいますか、医療機関が急に変わるとは思えないので、教育機関の中でそういったサービスが提供できれば理想だと思っての提案です。

【西村委員】 わかりました。それぞれの大学が学生に対して、どのように支援していくべきか、どのように合理的配慮について決定していくのか、それぞれの大学が主体性を持つことが大事だと思います。ですから、大学等の要請に基づいてセンターの専門家が出向いて、それぞれの大学に助言したり、あるいは検査が支援において必要と認められた場合にアセスメントをおこなったりするのでしたら、意味があると思いますが、すべてをセンターに依存するようなやり方では、大学という場が成長しない気がします。

【竹田座長】 学習スキルのような、そういう教育的アセスメントという観点が、今現状では、いろんな説明と議論がないので、地域にそういうものがコンサルテーションできるような機能があったらいいという御意見だと思いますので引き続き検討させていただければと思います。

【大島委員】 (2)番の取り組み例について、2ページ前の大学間連携の項目で、教材の共有ですとか、利用方法の検証というものがありますけれども、センターの機能としても、教材や機器の貸出しというものが入るといいのではないかと思いました。
ただ、今の議論にもありましたように、大学がセンターに頼ってしまっていいのかというお話にはなるかもしれないですが、少なくともこういった「支援技術のノウハウの提供」については、センターの取り組み例として入れていただけるといいと思いました。
また、【2】発達障害のある学生を主な対象にした長期インターンシップについてですけれども、発達障害に限る必要はあったのでしょうか。期間も特に区切る必要がないかなと思いましたので、「障害のある学生を主な対象にしたインターンシッププログラム開発提供」のような形ではどうかと思いました。

【竹田座長】 これについては、例示ということだと思いますけれども、現状で一番難しそうなこととして書かれたのかなと思いました。
それでは、最後に「おわりに」のところについて、御意見はございますでしょうか。

【殿岡委員】 初中局が出しているインクルーシブ教育報告の中に、障害のある教員という項目があって、育成とか、それから配置とか、あとは大学における教員養成に関する記述などがあるわけですが、最低2012年に出したインクルーシブ報告のレベルは下回らないような記述が必要だと思います。
さらにその上で、初中局は主に小中学校の教員になっていくことを前提に書かれていますので、内容的には違うのですが、就労移行との関係で、大学教職員になるという道が出てきていますので、最低その内容をクリアした上で、就労移行との関係において、大学において研究するとか、大学において働くということを書き込んでいけばいいと思っています。

【竹田座長】 障害のある教職員のことについては、課題として、特に大学の場合には、学生がそのまま教職員の道につくとか、あるいは交流支援の人材という観点からも、非常に重要な役割を果たしていくことになるのだと思いますので、何らかの形でそこに盛り込めるといいと思います。
時間となりましたので、ここで一旦、本日の議論を区切らせていただきます。御意見は、事務局の方で修正作業が終わり次第、委員の皆様方にまた送付させていただきますので、随時、御意見をいただきたいと思います。
最後に当面の検討会のスケジュールについて、事務局から御説明をよろしくお願いします。

【小代課長補佐】 資料の2をごらんください。本日は、第8回でございます。第9回は来年1月ということで、今、17日の火曜日、あるいは30日の月曜日で調整をしているところでございます。
次回の第9回をもちまして、第二次まとめの取りまとめを行うという予定でございますので、これまで以上にメール等でのやりとりが相当に発生すると思っておりますので、御協力をお願いいたします。

【竹田座長】 本日の議事は以上です。以上で障害のある学生の修学支援に関する検討会第8回を終了いたします。
どうもありがとうございました。

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文部科学省高等教育局学生・留学生課

-- 登録:平成29年02月 --