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高等専門学校の充実に関する調査研究協力者会議(第5回) 議事要旨

1.日時

平成27年10月27日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

旧文部省2階 第1会議室

3.議題

  1. ヒアリングの実施について
  2. 「高等専門学校における教育改善状況等に関する調査」の結果について
  3. これまでの議論の概要について

4.出席者

委員

三島座長,天羽副座長,内田委員,大川委員,鎌土委員,萱島委員,谷口委員,田原委員,馬場委員,棟方委員

文部科学省

佐野審議官,北山専門教育課長,関専門教育課企画官,土生木視学官,山路専門教育課課長補佐

オブザーバー

浅野敬一 東京工業高等専門学校教授

5.議事要旨

(委員:○,事務局:△)

議題に先立って,事務局の人事異動について紹介があった。

議題(1)鎌土委員,浅野氏から,それぞれ資料1,資料2に基づき,発表があった。委員からの意見・質問は以下の通り

 [1]長岡・豊橋技術科学大学から見た高専
○:技科大からみて,一年生から入学する2割の学生と3年次に編入学してくる高専生との違いはあるか。高専の専攻科についてどういうふうに思っているか。
鎌土委員:高専生と同じレベルに持っていきたいということで教育システムが通常の大学とは異なり,専門科目を1年・2年に配置しており,高専の教育に近い形でやっている。ただし,高専生は15歳から実際に体を動かし,ものづくりをやっているので,動きがはやい,展開力も早いなどの違いがある。研究室に配属される段階でお互いに協力しながら総合力を補いながらすすめている。
○:最終的には,4年・5年の段階では余り変わらないということか。
鎌土委員:そのように変わらないようにやっている。最初のマインドが違うということであるが,研究室に長い時間一緒にいるところで,近づいてきていると思っている。
鎌土委員:専攻科の場合,本科5年と専攻科2年で学位を取得する。技科大3年次に進学している学生は,ほとんどが大学院の修士課程まで進学しているので,本科5年と技科大,技科大大学院で9年間。多様な人材になっていると考える。ただし,専攻科から進学してくる学生もいるのでそこからの学生に対応できるようにしている。両技科大とも実務訓練を重要視しているので,豊橋の場合は学部から大学院まで6か月,長岡では学部で5か月しかしていないので修士課程でも専攻攻科生に対応できるようプログラムを組む予定にしている。
○:専攻科とは競合しないと考えてよいか。
鎌土委員:専攻科と競合はしない。ただし専攻科には共同教育や海外インターンシップ等を通した教育支援はしている。
○:二つの技科大ですべての高専からの進学者を網羅することはできないということでよいか。
鎌土委員:約4,000人の進学者を両技科大で受け入れることはできない。GIネットを使用することで,コンテンツの配信をできるような体制にはしており,企業や海外とのネットワークを組んで協力していく体制はできている。
○:海外での実務訓練の内容について伺いたいが,相手先は海外にある企業だけか。
鎌土委員:大学もある。交換留学生ということではなくて,6か月くらい学生を預ける
○:海外にも日系企業が多くある。大学とそういう企業がタイアップして,実務訓練は企業で行う方が良い。
鎌土委員:すすめているところ。特にメキシコでは,グアナファトの大学と連携して高専のようなコースを作り,教育の一環の中で日系企業と一緒に教育をするということをしている。
○:アメリカに行っている学生が少ないが,やはりハードルが高いのか。
鎌土委員:ハードルが高い。メキシコでは今,大手企業の進出もあり,そうすると傘下の企業も集中的に入ってくる。そのようなところを狙って展開している。
○:日系企業ならそれほどでもないのだが,アメリカの企業は会話力,技術力等含めてインターン受入れのハードルが高い。海外の企業になるべく学生をインターンに行かせようといろいろ努力するのだが,最終的にはほとんど大学や高校に行っている。
○:アメリカの企業はインターンを多く受け入れるのだが,受入れには競争があり,日本人はほとんど落とされてしまう。それが実情。
鎌土委員:日系企業があるところは日系企業を使っている。海外に派遣するときは,5か月の派遣期間に1か月を追加して,大学内で語学等の講習を用意して,日常生活ができる程度の語学を身に付けさせている。
○:報酬は出しているのか。
鎌土委員:少なくとも生活が赤字にならない程度に出す。日系企業であれば一日千円など。宿泊に会社の寮を使わせてもらったりといった工夫もある。
○:学生には準備等をさせていくのか。また,学生の一人一人の専門と派遣先は連動しているのか。
鎌土委員:派遣の前年度の3月に,次年度の派遣先企業の選出を行う。新たな派遣先として検討する企業も含め,生活環境,学習環境等,かなり細かい項目を含めて精査する。
           その後,5~6月に受入先企業を決めて,7月には最終的に全員の行き先が決まる。派遣後もメールでの定期連絡とレポートを課しており,2月には報告会を行う。

 [2]KOSEN発“イノベーティブ・ジャパン”プロジェクト について
  ○:資料2-2はとても興味深いデータ。高専の全体像をよく表しているのではないか。「進路変更をしようと考えた」という問いに全く当てはまらないという回答がかなり多いように思う。
  浅野教授:この調査は同窓会を経由して卒業生に送付している。同窓会の名簿に登録している卒業生なので,ある程度高専に対して好意的な回答が返ってくることは想定できるが,ある程度の回答数があるので,数値は信頼できると考えている。順応して学校を楽しんでいる学生が多い,ということもあるのではないか。成績が悪くても学校が好き,という回答もある。このような学生も含めてチャンスを与えるような仕組みが必要ということではないかと思う。
  ○:「よい友人に恵まれた」に当てはまるとの回答が多い。
  浅野教授:「よい友人」が多い方が年収には有利になっている。処遇にも表れている。単に成績のみではなくて,学生生活全般を追っていく必要があるということだと思う。
  ○:年齢層はどうなっているのか。1期生からとっているのか。
  浅野教授:1期生は入っていない。年収を併せて聞いたので59歳までにした。
  ○:59歳ということは,技科大ができる直前の学生ということになる。それからあとでは少し傾向が違うかもしれない。高専を卒業して後があるかないかは大きいかもしれない。
  浅野教授:進学の行き止まり問題はそれなりに解消してきているのではないかと思う。成績が上位でなくても進学している状況にある。進学は増えてきているので,年代によってかなり評価しづらい部分はある。
  ○:地域的なものもあろうかと思うが,地域ごとの特徴を示すような結果はあったのか。
  浅野教授:例えば,地域による進学率については,比較的大企業・大学のある地域と,それ以外の地方,という形に分けた。進学・就職に影響を与えるのは,大学へのアクセス,地域に企業があるか,家庭の経済状況はどうなのか,様々な要因がある。いくつかの地域ごとのパターンわけをすれば見えてくるものもあると思う。くまなく解析していくことも可能ではあるが,一定の観点がないと,分析にすぐに2~3年かかってしまう。
  ○:地域によって違う。例えば北海道と九州では状況も違う。大都市圏と地方という区分けでは少し大まか過ぎるかもしれない。


議題(2)「高等専門学校における教育改善状況等に関する調査」の結果について事務局より説明ののち,意見交換。委員からの発言は以下のとおり。

  ○:今後この委員会でやらないといけないのは「Ⅰ.今後の高専教育のあり方と充実方策」の部分と思う。この会議で,意見を収束させて何らかの方向性を示すのか,それともある程度両論併記のような形にしていくのかわからない部分もある。
      ただ,個人的には,入口と出口が複数ある,複数のオプションがあることはとてもいいことだろうと思う。高専自らのアンケートの中でも書いてあるが,5年と7年の並列ができるような制度設計ができればいいのではないかと思う。
      また,海外展開・国際化の議論について,留学生の話と海外展開の話が並列して整理してあるが,もう少し両者を絡めていく必要はないか。高専関係者が国際貢献の形で海外展開を進めていくにしても,そのことが教育・研究にどのように返っていくのか,という観点がないと続かないと思う。教育機関として何が重要か,効率的で適切かということも出てきてしまう。語弊はあるかもしれないが,日本の子供たちのグローバルな教育のためにその効果も練りこんで海外展開・国際協力をやっている,というのが,今の大学の実態としてあると思う。国際協力による教育効果ということが,もっと全体に強く出ていてもいいのではと思う。
  ○:鎌土委員の発表にもあったように,国際展開には大変な努力が必要な中で,その目的を明確にすべき,ということ。
      今後どのように会議の意見をまとめていくのか,という点について。方向性について,事務局から補足等はあるか。
  △:今回はあくまでこれまでの意見をまとめたところ。これまでの御自身の御意見について過不足あれば追加をお願いしたい。また,会議でどのような方向性を出していくかについては,今後「新たな高等教育機関」に係る議論の動向など,様々な視野が必要になる。また,高専議連からも,提言を議論に反映させてほしいとの要望を頂いている。これらの要素を取り入れた上で,意見をまとめていくことになる。
  ○:学位については余り触れられていないが,今後この会議でもまとめていくということか。
  △:授与機構から学位を出していただいている状況,自ら学位を出していくということが制度的に可能なのか,高専教育の在り方とどう関係するかを御議論いただいた上で,御意見をまとめていくということになる。
  ○:高専の特徴を最大限に表現しないといけない。多様性があるのも大事だが,高専だからという特徴が重要。高専だけが多様性があるのではない。7年一貫にするとそれがメインのコースになってしまう。それが高専の特徴ということでいいのか,しっかり議論しなければならない。
      また,国際展開については今の時代の流れもありいろんな形で出ていかなければならないが,どのようにやっていけばうまくいくのか,ある程度議論して示していった方がいい。問題提起して終わっているのでは話にならない。
      高専はこれまで社会の期待に応え,高く評価されている部分がある。それをどのようにしてより一層期待に応え,評価してもらえるようにするのか,そういう方向性を出していかないと,折角の高専の値打ちがなくなってしまう。

お問合せ先

高等教育局専門教育課

高等専門学校係
電話番号:03-5253-4111(内線3347)

(高等教育局専門教育課高等専門学校係)

-- 登録:平成28年01月 --