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高等専門学校の充実に関する調査研究協力者会議(第2回) 議事要旨

1.日時

平成27年6月25日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省5階5F2会議室

3.議題

  1. 高専制度の海外展開について
  2. 調査の実施について
  3. その他

4.出席者

委員

三島座長,天羽副座長,石鍋委員,内田委員,大川委員,萱島委員,輿委員,小島委員,斉藤委員,谷口委員,田原委員,馬場委員,棟方委員

文部科学省

吉田高等教育局長,北山専門教育課長,関専門教育課企画官,山路専門教育課課長補佐

5.議事要旨

 議題に先立って,前回の会議で指摘のあった件について,事務局から資料1に基づき説明があった。この件に関して委員からの意見は以下の通り。。(○:委員,△:事務局)

 ○:OECDのレビューにある「社会のニーズに迅速に対応している」というのは,ガバナンスを含めて高専機構がシステムとして迅速に対応できているということか,それとも,迅速に対応している現実があるということなのか。
 △:資料の通り,OECD政策レビューは国立を中心に言及があり,高専機構が機能していると記載される一方,高専は産業界等のニーズを踏まえた教育とOECDにより分析されているため,全体の記述にもつながっていると推測する。
 ○:高専の強みを明確にしておくことが大事だと思う。対応を間違えると本来の良さが発揮できないので,その評価がどこからきているかをしっかり押さえておくことが大切である。
 ○:OECDが具体的にどの点を指しているか正確にはわからないが,高専は地域の企業と密接に連携している。たとえば,100程度の企業と産学連携振興会を組織し,毎年何回か懇談会をして会の事業計画を練ったり,企業からのアンケートを吸い上げてそれを反映するように努力している。

議題1.高専制度の海外展開について

事務局から資料2に基づき,国立高等専門学校機構におけるJICAを通じた国際協力について説明があった。委員からの意見・質問は以下の通り。

 ○:モンゴルへの支援は,全てJICAの事業として行っているのか。
 △:JICAの事業を活用しながら,高専機構がリソースを用いて行っている。
 ○:事業費が削減されている中でそれでもやっていこうというのは,いろいろな外部資金を得ながらさらに発展していく考えなのかどうなのか。高度化という意味では一つのキーワードになると思う。現時点の予算を正確に把握して,今後どうしていこうとするのか。
 ○:モンゴルのJICA事業は円借款事業である。JICAの予算を使って高専に留学生を受け入れていただいている。
 ○:モンゴルへの支援について,高専でどの部分を支援するのか,どの部分を一般の大学が支援するのか,すみ分けをすることが必要だと思う。モンゴルのニーズに対応できるようにしておかないといけない。
 また他の国への支援の計画もあるのか。相手国によって大学と高専の役割を分けて支援をしていくのか,また,JICAと一体となって支援をしていくのか。
 △:ニーズに基づいてやる必要がある。今までやってきた事業の展開の中でJICAと役割分担をしていく。法人の目的に基づいた役割分担の中で支援する。今後についても海外のニーズを把握したうえで海外展開をしていきたいと考えている。一方で戦略的な海外展開も考えられるので,高専機構と相談していきたいと考えている。
 ○:大学も高専も途上国を支援する余裕が十分には無い。予算についてはJICA等の支援を活用できるが,活動についてはかなりボランティアに近い形での支援となっている。しかし,高専は出費が多いけれどもできる限りやっていこうとしている。give-and-takeのバランスが大事。高専として直接何が得られるかは非常に難しいが,日本との共通基盤ができれば将来は工業的にも文化的にも強い絆ができる。また,同じ文化を共有できて日本のことを理解していただけば,将来,貿易にもつながってくる。単純な計算はできないが。そういうことも全体の調整をしていく必要がある。
 ○:相手国によって分けるとか,産業の発展レベルとか,ニーズに対応するとか,いろいろあろうかと思う。それにしても2国3国だけではなく多くの国がある。先程の話からすれば高専は対応する余裕があるかという話になる。そういう理解で間違いないのか。
 ○:数か国からお話をいただいているが,それぞれスピードが違う。モンゴルは,大臣が日本の高専出身でもあり,非常に熱心でスピードが早い。
 ○:海外での技術者育成支援については,海外からの要望に単に応じるというのではなく,全体像の中で高専がどのようにサポートしていくか,何を輸出し,JICAはどのような形でサポートするのかが重要である。現状は点で動いているように思える。何が問題点なのかをクリアにしながら,大きな枠組みを作っていく必要があるのではないか。
 ○:開発途上国から,また国内の関係者からも,高専による開発支援のニーズの高さが言われており,高専が対応できるのであれば対応してほしい。高専の良さは何かを考えながら,どこまで協力するのかは,開発途上国のニーズに合わせることが必要である。
 開発途上国に合っているという点で,また,高専の良い点として,1早い段階からの技術者教育,2実践的な教育,3少人数で基礎から実践までの丁寧な教育があげられる。この3つが,開発途上国のニーズと合っている。また,即戦力になる人材を20歳で得られるというニーズがある。
 課題として,2つあると思う。1語学力(英語)が課題である。大学院以上では英語での受け入れが一般的となりつつあるが,高専留学は日本語の教育課程に受け入れている。スーパーグローバル大学創生等事業においては,学部でも英語による課程に留学生を受け入れる大学が多い。英語でどれだけ教育ができるか,英語でコミュニケーションできる専門家をどれだけ出せるかが問題となってくる。2高専による開発協力では,短大卒レベル,大学4年レベルの,どちらの人材を育てるのか。資格社会である途上国ではエンジニアの資格が重要となるので,高専による途上国支援では,柔軟に対応すべきであり,中卒者対象の5年教育という枠組みに拘泥する必要はないと思う。
 最後に,海外展開と日本の高等教育機関をどうするかは,一緒に検討すべき。相乗効果を図っていくことが望ましい。
 ○:研究と教育は分けないほうがいい。対応する国に合わせてやるべき。何が求められているのか,何ができるのかについて,充分に時間をかけて話したほうがいい。また,海外では短大という認識はない。高専の位置づけを明確にする必要がある。 

議題2.調査の実施について

事務局から資料3に基づき,調査項目の案について説明があった。委員からの意見・質問は以下の通り。

 ○:高専は寮があることが一つの特徴であるので,寮生の状況を調査してはどうだろうか。また,留年生と退学者数のデータもしっかりと把握しておくべき。
 ○:先ほど,高専は語学力(英語)が弱いと言われたが,数年前までは確かにそうであった。しかし,最近はいろいろな仕組みを作って相当改善し始めている。国際化への対応についても特定の調査項目だけに限定せず,自由に記述できる欄も設けて頂きたい。
 ○:一般教育については英語がどのように一貫的に指導されているのか。また,学生の活動状況としてプロコン,ロボコン等,課外活動の活動状況を聞いてみるのがよいと思う。
 ○:中学校では,高専の情報を生徒に伝えきれていない。高校の進路指導の際に熱心な生徒が高専を志望し,教員が情報を集めている状況である。教育委員会との連携では,どのような内容で,どのような効果があったのか。また,中学校訪問の内容や,小中学校向けの理科教室の実態など。
 ○:資格取得の実績やコンテストの受賞歴などの状況を含めたらどうか。
 ○:卒業生がどれだけ活躍しているかを調査してはどうか。
 ○:個人情報の問題があり,なかなか事例をとることができない状況である。また,大学に編入した学生については確認するのが難しい。
 ○:高専はつぶれないと安心しているのではないか。地域の中学校やコミュニティ,地場企業に対して,高専側からもっと積極的にプロモーションすべき。広報活動の内容がわかるといいと思う。また,経済的に厳しい学生に対する支援の在り方,高専の強みである実習期間の長さ等知りたい。海外インターンシップも含め,期間を調査してはどうだろうか。
 ○:本科卒業生の進路希望と進路先が,希望通り満たされているか。例えば,専攻科を希望している学生が定員が少ないことで専攻科に進めていない状態があるのか。志望している学生が多いのであれば定員を増やすべきである。また,地方と都市の立地で違うのかなども把握するべきだと思う。
 ○:卒業生に確認するのは難しい。印象としては,ほとんどは希望先の進路になっていると思う。どういう聞き方をすべきかは難しい。
 ○:(18歳人口が減少していく中でも)進学率がある程度高い状況がつづいており,大学,専攻科への進学は一定程度満たされていると思う。就職についてはどのように調査するべきかだが,個人情報の問題があるのであれば,どの分野に就職したかぐらいの調査しかできないと思う。
 ○:高専の素晴らしさは,入学後にいろいろな進路があること,自由に選択できることである。高専は,16歳で入学して,理系に向いていないと気づいた時に他の大学などに進路変更したり,理系を追及したいときも大学に進学可能である。こうした高専の素晴らしさをアピールできるとよいのではないか。志望理由は統計として数字で表してもわかりにくいのではないかと思う。
 ○:学生に高専を志望した理由を聞くことはできると思う。
 ○:どうして高専を選んだかを調べてはどうか。高専で提供される進路のバリエーションを中学生の段階で知っているのか生徒個々の統計で調査するというのは難しいかもしれないが,先生が言っているというレベルでも調べてほしい
 ○:とりあえず理科系で行って,入学後にどの分野に進もうかなと考えるならよいが。
 ○:一般の中学生は,逆に,とりあえず普通高校に入学しようと考えているようである。
 ○:とりあえず高専に入学して色々な進路があるということを,打ち出していくのも一つのやり方ではある。
 ○:一般には,残念ながらなかなか高専を選んでくれない。入学生は親兄弟が高専出身という場合が多い。実態をほんとに知っている人が高専に入学するという状態である。
 ○:このように伺っていると,(制度設計中の)「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」とはずいぶん違うというのがわかる。高専に強い魅力があることがわかる。こういうところをしっかりと打ち出していきたい。
 △:文科省の補助金事業の中で行われた「高専キャリア調査」というのがあり,専攻科・大学への進学理由を抽出調査しているので,後日お配りしたい。また,今回の調査項目案が非常に多いので,他に同様の調査を行っていないか精査をする。
 ○:在学中に資格を取得したかどうかについて。
 ○:卒業してから取れる資格が多い。在学中に取得した資格は分かるが,卒業後にも建築士等の資格を取得しており,それを把握するには本人に聞かないといけないので,難しい。各高専が資格取得を目的としたカリキュラムを揃えているかどうかを把握することはできる。
 ○:教育したことの成果がわかることなので,しっかりと機能していることが見えるのでそのような調査もいいと思う。
 ○:在学中に資格を取っている者も少なからずいるのか。
 ○:意識の高い学生が高い資格をとっている事例がいくつかある。
 ○:高専によっては資格を単位化しているところもあるのか。
 ○:電気工事の技術士とかは低学年で取ることができる。本来は主任技術者とか,卒業した後何年か経験を積んで取得する資格が大事。
 ○:たとえば卒業してから5年たったところの学生に調査すると,これだけの資格を取得したことなどがわかる。教育の成果としてこうだったとフォローアップができるのではと思う。
 ○:企業側の評価を聞いてみてもいいかと思う。高専を卒業した人がどうかとか,高専を卒業した大学生をどう思っているかなど。
 ○:高専生は,大学卒と比べ自律しているという点で,企業からの評価は高い。自分で考えて実践できる。ただし,将来も57の高専が必要なのかは疑問がある。まずは高専機構から現状認識の発表をしてほしい。
 ○:企業で採用している側からすると,(弊社では)高専から大学に編入学した学生は採用する。なぜならば,高専で5年間,さらに大学まで行っている人は同じことを続けているという点で間違いなく資質があるため,高く評価している。    高専卒は進学を勧める。本気で何をしようか,まだ固まっていないかもしれないので。本人の就職意識が強ければ採用する。専攻科卒や,7年間同じ高専で同じ専攻科に行くことは本人のためにもおすすめしない。その環境にだけ閉じこもることは,マイナスに働かざるをえない。専攻科卒でも本科と違う高専の専攻科を修了していれば採用している。
 ○:大学院の面接のときに,専攻科生は学部から進学してくる学生と全然違う。自立していると思う。
 ○:高専生は自立している者が多い。ものづくりを続ける場合もあるが,マネジメントを含めて昇進している人も多い。企業は実践力に対する期待もしているが,その後ののびしろや企業に貢献する力も兼ね備えていて,ある分野に限定した活躍にとどまらないと体感している。経団連の中の企業にも高専の強みを調べていく必要があると思う。
 ○:専攻科についてであるが,大学の場合も,昔,企業は学部4年卒を中心に採用していた。しかし,大学院重点化によって優秀な学生の多くが修士に進学するようになった。その後しばらくして企業側も修士卒に優秀な学生がいることがわかって,修士卒を中心に採用することが当たり前になってきている。専攻科も同様に,優秀な学生が行くようになってきたために企業の採用も変わり始めている。
 ○:高大接続でも,入試を変えればという理論が出てきているが大学が変わってないといけないとも思う。入学してからどのように身に着けたのか能力を測られるようになっていなくて,この大学を出たら採用するという形ではグローバルな社会では生きていけない。高専の独特のキャリアの幅の広さ,実習を通じて自立していくというやり方。ほんとの意味の高大接続があるのかなと思う。

議題(3)その他

三島座長から,会議の中で関係者からヒアリングを行うことの説明があった。今後の議題に応じて委員の中から発表・事例の紹介をいただく他,本会議の検討事項に関わりの深い方を外部有識者として呼ぶことも提案された。主に,「高等教育の海外展開」「高等専門学校の現状」「企業における技術者需要と高専の評価」「地方自治体が期待する役割」等のテーマでヒアリングを行いたい旨であった。委員からの意見は以下の通り。

 ○:地域との連携,中小企業などからもヒアリングをしてみたらどうか。
 ○:高専は,少子化の中で今後も57校必要なのか。将来10年後20年後に,どのようなコンセプトでやっていくのがいいのか聞きたい。
 ○:大学との役割分担の中で考えないといけない。技科大との関係は,一般の他大学との関係と比べて濃いのかどうかなどと一緒に考えるべき。
 ○:公立3高専はそれぞれ立ち位置が違う。国立も同様にそれぞれ違うのではないだろうか。地方では知られているだろうが,東京では全くと言っていいほど知られていない。進路についても大学は山ほどあるが。画一的なのか,多様化していくべきか。学位の問題もある。海外でようやく認められてきているが,学位授与権をもたない高等教育機関が国際的に通用するだろうか。
 ○:私立は3校あるが,足並みをそろえるのは非常に難しい。経営,工学をやるうえで必要な費用,こういうところも考えていかないといけない。

お問合せ先

高等教育局専門教育課高等専門学校係

電話番号:03-5253-4111(内線3347)

(高等教育局専門教育課高等専門学校係)

-- 登録:平成27年08月 --