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第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第1回) 議事録

1.日時

平成26年11月5日(水曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 国立大学法人運営費交付金の現状・課題等について
  2. 関係者からのヒアリング
  3. その他

4.出席者

委員

須藤座長、有川座長代理、上山委員、海部委員、小林委員、鈴木委員、橋本委員、日比谷委員、山本廣基委員、山本眞樹夫委員

文部科学省

丹羽文部科学副大臣、吉田高等教育局長、常盤研究振興局長、豊岡国立大学法人支援課長、木村学術機関課長、合田学術研究助成課長、佐藤視学官、吉田国立大学法人支援課企画官、瀬戸学術機関課学術研究調整官、三浦国立大学戦略室長、手島大学病院支援室長

オブザーバー

濵口国立大学協会会長代理、里見国立大学協会副会長、谷口国立大学協会副会長、羽入国立大学協会副会長

5.議事録

【須藤座長】  それでは第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会を開催いたします。
 御案内のように、我が国は急速な少子高齢化、地方の衰退と東京への一極集中、グローバル化による新興国との競争激化など、社会の急激な変化が見られております。国立大学におきましては、急激な社会の変化に対応し、世界水準の研究・教育の実施、全国的な高等教育の機会均等等の確保、あるいは地域活性化への貢献など、これまで以上に様々な役割が期待されていると思います。
 このたび国立大学法人の第3期中期目標期間が平成28年度から開始されますのに当たりまして、これまでの取組を更に進めて、国立大学が今後、より一層競争力を持ち続け社会に貢献できるよう、運営費交付金の配分方法及び評価の方法等を中心にこの場で検討できればと考えております。国立大学関係者の方はもちろん、産業界、自治体、それから有識者の皆様、幅広くお集まりいただきまして、皆様の御協力を得ながら検討を進めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議題に入りたいと思います。
 まず、国立大学法人運営費交付金の現状・課題等につきまして、事務局より、資料3-1、3-2、それから資料4の説明をお願いいたします。

(事務局より資料3-1、資料3-2、資料4について説明)

【須藤座長】  ただいま説明のありました資料4につきましては、今後検討する上で、このようなところが課題ではないかというものを事務局として提案しているものでありますので、これから議論を進める上で、是非頭に入れておいていただきたいと思います。もちろん、これ以外の課題の御提案についても受け付けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ただいまの資料についての御質問はあるかと思いますけれども、後ほど十分時間をとってありますので、引き続き、本日の主題でありますヒアリングに移りたいと思います。
 本日は国立大学協会にお越しいただいております。お忙しいところ、ありがとうございます。
 それでは、早速ですが、御発表をよろしくお願いいたします。
【濵口国立大学協会会長代理】  本日はこのような機会を頂きまして、ありがとうございます。現在、国立大学協会会長代理を務めております濵口でございます。
 国立大学は社会のリーダーたる人材の育成、世界トップレベルの研究推進などの実績を残しておりますが、現在、更に国民の負託を受けてスピード感を持って大学改革を進めております。国立大学協会としても、本年4月より、理事会の下にワーキンググループを立ち上げ、第3期中期目標計画に向けた検討を進めてきておりまして、本日は、用意させていただいた資料に基づき、ワーキンググル―プの座長であります里見国立大学協会副会長より、国立大学法人の現状等について説明をさせていただきたいと思います。それでは、里見先生、お願いします。
【里見国立大学協会副会長】  東北大学の里見です。国立大学協会の副会長で、なおかつワーキンググループ座長を務めましたので、今日は私の方から国立大学法人の現状と今後の運営費交付金の在り方についてということで説明させていただきたいと思います。
 資料5をごらんいただきたいと思います。
 1枚めくっていただきますと、目次がございます。国立大学の意義・役割・実績、国立大学法人の財務状況、今後の国立大学法人運営費交付金等の在り方について、3点説明させていただきますけれども、1番と2番は文科省の資料と重複する部分がありますので、その部分については少し飛ばしてやります。
 まず、国立大学の意義・役割・実績であります。
 1枚めくっていただきまして3ページをごらんいただきますと、まず教育についてです。
 高度な高等教育の全国的提供を行っております。確かに、ごらんいただきますように、学士課程におきましては私立の大学の学生数が非常に多いわけですけれども、修士課程、それから博士課程になりますと、約7割は国立大学が占めております。高等教育に関しては、国立大学がかなり大きな役割を果たしております。
 また、学部学生の地域別の状況を見ますと、私立大学は3大都市圏、東京、中京、近畿に集中的に約80%がありますけれども、国立大学の場合にはそこは40%ということで、60%ぐらいは地方の都市にあるということで、地方の人材育成に非常に寄与していることが分かると思います。
 次に、4ページ目の世界レベルの研究推進に関してでございます。
 左側に日本人のノーベル賞の受賞状況、今回の名古屋大学の先生方を含めて、これまで22名になっておりますけれども、その全てが国立大学の卒業生ということで、いかに国立大学が高いレベルの研究を推進しているかが分かると思います。
 また、右の方にはランキングを書いております。確かに、少しずつ日本の地位が低下しているという指摘がありますけれども、「Times Higher Education」におきましても、東京大学を始めとしまして、いくつかの大学がこのような形でランキングされています。また、別な指標が、QS世界大学ランキングとか世界大学学術ランキングをとりますと、世界大学学術ランキングなどですとノーベル賞を非常に大事にしますので、名古屋大学などはもっといい地位に来るのではないかと思っております。
 研究費に関しては、厳正な専門的審査を受けるという意味では科研費というものは非常に平等な審査を受けていると思いますけれども、その中では配分率や採択率でも国立大学がかなり多くの部分を占めているところでございます。
 次のページ、地域の社会経済への貢献ですけれども、民間企業との共同研究の実績や研究費受入額、また中小企業との共同研究、それから特許権実施等の件数等を含めまして、国立大学は都市部だけでなく地域の方でもたくさんの契約等を結んでおりまして、いかに地域の経済等にも寄与しているか、全国的に寄与していることが分かると思います。
 次の6ページですけれども、これは一つの例として、熊本大学について検討したものです。熊本大学が地域へ及ぼす経済効果としては、直接効果として、大学全体で625億円ぐらいのお金を使っています。しかし、その波及効果を含めますと1,000億円を超える。なおかつ、雇用に関しましても、県の2%近い雇用をここから生み出していることが分かると思います。
 続きまして、7ページは国際協力です。留学生の数、確かに学士課程のレベルでは国立大学は15%程度ですけれども、大学院レベルになりますと60数%ということで、かなりの部分を国立大学で受け入れている。また、研究者レベルですと、日本から派遣する若しくは受け入れる数、すべて国立大学が大きな部分を占めていることがお分かりだと思います。
 次の8ページに行きますと、国際協力・貢献でございますけれども、国際的な共同研究や国際協力活動に積極的に取り組んでいる。今回はここに出席の4名の大学について話をいたしますけれども、東北大学においては、スピントロニクスを始めとして7つのコースの国際共同大学院を設置することが進んでおりますし、お茶の水女子大学では、世界で活躍できるリーダーの育成をするようなグローバル女性リーダー育成研究機構の設置が、また名古屋大学におきましては、長期に職場を離れることなく博士の学位をとれるようなアジア諸国の国家中枢人材を養成するプログラム、また、熊本大学におきましては、感染領域や造血領域での国際的に卓越した研究を推進する国際先端医学研究機構の設置等が進んでおります。
 更に、次のページに行きます。
 国立大学の機構改革が進んでいないのではないかという指摘がありますけれども、そうではなくて、この一部を見ましても、全学的な組織改編の推進ということで、具体的には教育学とかそういうものを重視するような形で、国際標準モデルの大学教育システムということで京都大学の国際高等教育院の設置や、九州大学においては、多様な学びの基礎的な力及び幹となるような知を育む教育ということで基幹教育院の設置等、他の大学におきましても、同じように教養教育とか全人教育をかなり進めるような改革が進んでおります。また、学部等の組織改編においても、グローバルな資源スペシャリストを育成する秋田大学の国際資源学部、それから科学技術に関する知識を持ち、コミュニケーション能力と課題解決能力を有する人材を育成する山口大学の国際総合科学部の設置、また国際的に活躍できる人文社会系のグローバル人材を育成する多文化社会学部の設置等、理系から文系に至るすべての改革がいろいろな大学で行われております。
 そのような大学ですけれども、現在、国立大学法人の財務状況がどうなっているかということを見ていきますと、11ページにありますように国立大学法人の運営費交付金は年々減少しております。平成16年に法人化が始まって平成26年まで、一般の運営費交付金レベルで約655億円の減になっております。
 次のページに行きます。
 運営費交付金と競争的資金の推移、これは運営費交付金を減らした分だけ競争的資金に回してくれているのではないかということで調査をしたものです。ごらんになりますように、運営費交付金は全体として1,300億円ぐらい減少しています。確かに、競争的資金は540億円ぐらい増えておりますけれども、全体として、この両者を足してみますと、750億円の減額になっているということでございます。しかも、競争的資金は国立大学に限定されずに、ほかの私立大学と一緒に競争して取る資金になっている。
 次に、更に財務状況を見ていきますと、平成24年度で収益の部分で運営費交付金の収益は36%弱です。費用の方を見ますと、人件費が38%を超えております。こうして見ますと、運営費交付金で人件費すらもう賄えない状況になっていることがよくお分かりだと思います。
 次に、14ページは各大学を個別に見たものでございます。東京大学のように旧帝大といわれる大学から、福岡教育大学の教育系の大学まで並べてあります。その中で見ていきますと、運営費交付金の割合は20%から60%、浜松医科大学が運営費交付金は20%で、60%を占めているのは教育系の大学であります。また、外部資金の割合も1%から30%、大きな開きがあります。1%になっているのは教育系の大学で、30%になっているのが東京大学です。また、費用で見ますと、人件費の割合が40%から70%にわたっております。特に、右側の方にあります文系の小樽商科大学や福岡教育大学においては、人件費の割合が非常に高くなっています。
 様々な努力をして外部資金等の獲得に悩んでおりますけれども、大学によってものすごい差がある。東京大学は、確かに平成16年から平成25年まで390億円ぐらい増やしていますけれども、小樽商科大学は逆に寄附金等を含めて減っている。したがって、各大学の努力によっては、人件費をなかなか賄えない状況になっていて、人件費等を削減して、人員を削減しなければならないような状況に陥りつつあるということであります。
 同じように、次のページで経常収益を見ていきますと、ここでも分かりますように、運営費交付金はどんどん減っていっている。それと反比例しますが、全体として増えているのは附属病院の収益が増えているから全体が増えているように見えるが、運営費交付金そのものは減っている。また、費用におきましても、人件費、紫で書いてある部分は減っております。これは464億円減っているという計算になっています。その分だけ病院の診療経費が増えている。したがって、予算規模が大きく膨らんでいるように見えますけれども、実際に膨らましているのは病院の経営の収支が膨らませている。中身に関しては、運営費交付金の及ぼす影響は非常に小さくなっている。
 次に、自己収入の獲得の状況です。上から共同研究の実施件数、受託研究の実施件数、そして寄附金等が出ておりますけれども、共同研究は確実に伸びております。受託研究は少し停滞気味、寄附金収入に関しては、これはばらつきがありますけれども、少しずつ、みんな努力をして増やしている状況がお分かりいただけると思います。
 次に、更に大きな要因というのが、大学に及ぼす影響として消費税の動き等がございます。約1%引き上げられると、国立大学全体として約120億円の費用負担増になります。したがって、今回3%上がって8%になりましたので、大体360億円の費用負担が増える。将来10%になりますと、約600億円の費用負担が増えるだろうと。また、電気料金の値上げ、これは値上げの時期によって違いますけれども、平均して約13.18%が増加している。東京大学53億円、熊本大学6億円、千葉大学6億円出ています。これで考えますと、東京大学では数億円の負担が増えるだろうし、熊本大学、千葉大学では恐らく数千万円単位での負担増になると思います。さらに、電子ジャーナル等に係る購入費の増加ということで、平成16年度の30億円から、現在、平成24年度で92億円になりまして、約3倍の費用負担が増えております。このように高騰する諸経費も大学の経営を圧迫しています。
 その結果として、常勤の若手教員数の減少が起きております。左側で教員人件費の推移を見ておりますけれども、人件費がどんどん減っていって、特に常勤の方を雇う費用が減ってきている。右側で若手教員の減少の割合を見ておりますけれども、平均年齢が46歳から47歳に上がっている。ここはまあまあとして、35歳未満の割合が13.4%から10.8%に減っています。人数にしますと、平成16年度は8,267名の若手がおりました。しかし、平成22年度で6,670名ということで、約1,600人の若手教員が減っている。将来的な展望がなくなると、研究に精を出すような若者が減るのではないかと危惧されます。
 次に、研究時間等を見たものですけれども、2002年と2008年、これはまだ法人化をして4年目で状況がそれほど悪くなっていないときでも、50.9%の研究活動から約40%まで減少している。
 また、国立大学教授の給与水準は高いのではないかと疑われておりますけれども、決して高くはありません。特に、欧米との比較をしますと、アメリカのハーバード大学ですと、教授の平均年収は2,000万円を超えていますし、州立でありますUCLAでも2,700万円ぐらい、教授の給料が低いと言われているイギリスでも1,280万円ぐらいです。それに引きかえ、我が国立大学は944万円と。これで海外から有名な教授を招へいするというのはかなり無理があるのではないかということです。
 次に、施設状況についてです。20ページをごらんいただきたいと思います。
 直接運営費交付金と関係ありませんけれども、施設に関しても少し触れておきます。施設を整備する当初予算の基本的な部分というのは、一番下にあります青色の部分ですけれども、大体400から500億円ぐらいに推移している。その上の茶色の部分は、病院が借金する財政投融資であります。こうして見ますと、施設整備等に関しては補正予算絡みだということがよくお分かりになるかと思います。
 その結果として、次の21ページですけれども、国立大学の法人で持っております施設が約2,692万平方メートルあります。25年以上たっているものが1,584万平方メートルある。そのうち約5分の2の631万平方メートルぐらいは改修が済んでいますけれども、残念ながら5分の3ぐらいの953万平方メートルは、一部改修済みの部分、それから未改修の部分も含めて、これだけあるということで、今後非常に大きな問題になろうかと思います。
 次のページにありますように、それを国立大学法人として手をこまねいて見ているわけではなくて、約2割に関しては国立大学独自の財源を使って何とか改修していく。財源の一つとしては寄附がありますし、それからPFI(Private Finance Initiative)の事業をやる、それから目的積立金ということで経営努力をして貯めていったお金をこのような設備等の改修に充てているということであります。
 次に、これはもう何回も皆さんごらんになったと思いますけれども、国の比較でございます。我が国は高等教育機関への公的財政支出がOECDの中では著しく低い状態になっていますし、更に先進国において公的財政支出がどんどん高等教育に対して伸びている中で、我が国だけは残念ながら伸びていない状況があります。
 次に、3番目に、今後の国立大学法人の運営費交付金等の在り方について考えを述べさせていただきます。
 現在の問題点等を25ページに書いてございます。
 高等教育予算全体として、基盤的経費と競争的資金を合わせた総額も減少傾向で、約750億円も減少しています。OECDの中では低い高等教育の予算です。
 また、先進国のみならず、今後は中国や東南アジア等の著しい発展をしている地域の競争力がどんどん強くなりますので、相対的な低下が危惧されます。
 現状の問題として、運営費交付金から見てみますと、国立大学等の法人化以降10年間で約1,300億円、約10%も減少している。
 また、業務の効率化等で努力をしても、諸経費等の高騰によっても限界に来ております。
 さらに、教育研究を支える最も基本的な一般運営費交付金も減少しております。その結果として、常勤の教職員や若手教員も減少して、また研究費、研究時間等の減少につながっております。
 競争的資金類似の特別運営費交付金は増加しております。しかしながら、これは期間や使途が制約されていますし、長期的な見通しの立てにくさがあります。また、この資金援助が途絶えたときの事業の継続が困難をきわめている。その意味では、大変困難な状況を迎えております。
 また、学長のリーダーシップを支える学長の裁量経費を各大学で措置していますけれども、だんだんその確保が難しくなっている。学長がリーダーシップをとることが難しい状況になっている。
 さらに、続きまして、現状の問題点、三つ目の競争的資金についてですけれども、これはいろいろ時期をたがえて導入と見直しによりまして、長期的な戦略を立てて応募することが非常に困難になっている。
 また、大学の規模や分野等の特性への配慮が十分でなくて、一律の方向性が求められるきらいがありまして、大学の特性や自律性が生かされないようなことが起きています。
 また、各種事業間の関連付けとか整合性が十分に整理されていないので、大学全体として経営理念に基づいて、どういう方向に改革をしていくかということとなかなか結びつきにくいことが起きています。
 また、間接経費の措置が不十分なため、かえって大学の自主財源等からの持ち出しが出るという非常に苦しい状況を招いているということです。
 したがって、今後変えていただくとすれば、未来への先行投資として、高等教育予算の確保・充実は非常に大事だと考えています。
 現在やっておられますデュアル・サポート体制、つまり基盤的経費と競争的資金をバランスよく保って支援いただく、この体制は是非保っていただきたいと考えています。
 できましたら、基盤的経費なり運営費交付金等に関しては、競争的資金と合わせた総額を是非拡充してほしいと思っています。
 また、基盤的経費である運営費交付金を確保するという意味では、現在の大学改革促進係数は是非廃止をしてもらいたい。また、消費者物価等の値上がりに対して措置することになっております教育研究政策係数を活用して、是非増額に転じてほしいと考えております。
 次のページに移りますけれども、安定的な運営費交付金の算定・配分ルールを確立してほしいということです。運営費交付金制度の本来の在り方としては、中期目標期間中の渡し切りにして一定額の交付金を安定的に確保してほしいと思いますし、それを使って、大学は学長のリーダーシップの下に、特性や規模、ミッション等に応じた主体的な経営戦略に基づいて大学を改革するということをしていきたい。そして、6年間の実績を厳正に評価した上で、次の期間中の交付金に反映するような仕組みにしてほしいと思います。
 したがって、中期目標期間中は全体を見通して経営戦略を立てられるように、渡し切りの一般運営費交付金を中心に確保するような安定的なルールを確立してほしいということです。
 次に、重点配分においても、大学から申請させるのではなくて、主体的な改革を促進するように多様な指標に基づく実績に応じた配分を行ってほしい。
 また、各大学が情報分析やベンチマーキングに基づく戦略策定に役立てることができるように算定ルールの一層の明確化と配分実績の透明性の確保を行ってほしい。
 それから、各大学が努力をした経営努力によって資金を確保したことに関しては、それらが教育研究環境整備に計画的に投入できる仕組みになるように、それは目的積立金の基本的な運用などに関しては、かなり融通性を持たせてほしいものだと思います。
 3番目で競争的資金の在り方ですけれども、全学的な戦略的位置付けが対応できるようにするために、各種事業との関連性や住み分けを明確化してほしい。
 また、長期的な見通しを持って対応できるように、制度の安定性・継続性を確保してほしい。
 それから、ミッションや規模、分野、立地等の大学の多様性に配慮して、多様性に応じた競争的配分の制度を導入してほしい。
 また、十分に戦略・計画を練って応募できるようにするために、審査基準等の明確化や透明化と早期の提示をしてほしい。
 さらには、事業実施に伴って必要な教育研究環境を十分に整備するために、間接経費30%を確保して、また直接経費等の使途の弾力化の措置。
 このように、大学がイノベーションする力をなくすと、国の将来は非常に危ういものになると思います。是非未来への投資ということで、高等教育への予算措置を十分にしていただけますようにお願いして、私の説明を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。
【須藤座長】  どうもありがとうございました。
 それでは、事務局、それから国立大学協会の方から説明がありましたけれども、ただいまから皆様から御意見を頂きたいと思います。
 最初に、私の方から口火を切らせていただきます。里見総長のお話の中で、少し入っていたのですけれども、国立大学改革プランの中で機能強化がうたわれておりまして、この方向性に応じた配分、評価あるいはメリハリというようないろいろな議論があります。このような仕組みにつきまして、国立大学協会としてはどのようにお考えになっているかお聞かせ願いたいと思います。
【里見国立大学協会副会長】  ある種の機能強化ということで、例えばミッションとか規模とか、それから立地とか、いろいろなものを含めて、ある種の機能強化をしながら、それによって配分していくという方向性は、国立大学の中でも多分必要だろうとは思っております。ただ、そのときにどのような分類の仕方をして機能を見るかということに関しては、もっときめ細かい見方をしてほしい。
 それと、例えば研究中心の大学とか地域をけん引する大学とか各部門においてけん引する大学、そういう分け方もあると思いますけれども、これをまるごと大学全体がどちらかに入っていくような仕方で本当にいいのだろうかという議論はしております。つまり、ある大学には、ある分野に関しては世界と戦っていくような分野があるし、あるところでは地域を重視する、そのようなきめ細かい評価をしてくださる方向性でやっていただけると、機能に応じてということは非常にアグリーできるのではないかと考えています。
 それと、配分に関しては、デュアル・サポート・システムということで、安定した運営費交付金と競争的資金の両方でやるというのは是非維持してほしいと思うのですけれども、非常に大事なのは、運営費交付金のような安定的な資金を確保しないと大学の運営はできないということです。したがって、この部分に関しては、是非きっちりと守ってほしいと思っております。その意味では、先ほど財務省のということで話がありましたけれども、運営費交付金の30%程度を競争的資金に回すというのは国立大学にとっては非常に乱暴な意見ではないかと考えます。そういうことです。
【須藤座長】  どうもありがとうございました。
【濵口国立大学協会会長代理】  追加でいいですか。
【須藤座長】  はい。
【濵口国立大学協会会長代理】  今回のノーベル賞を見ていただくと分かるのですが、地方の大学であるから研究能力がないという判断をしていたのは大きな間違いだと思います。徳島から青色発光ダイオードが出ているわけです。地方であるからトップレベルの研究はできないであるとかグローバル化はできないというのではなくて、多様な機能を持っているから、そこから破壊的イノベーションのできる人材が育ってくるということを是非御理解いただきたいと思うのです。
 それから、もう一つは、国立大学改革を、財政論をベースにして議論していただきたくない。これは未来への投資ですので、あくまでも機能強化の原則から議論していただきたいとお願いしたいと思います。
【須藤座長】  ありがとうございました。
 それでは、各委員の皆さんから意見を募集したいと思います。いかがでしょうか。
【海部委員】  今の続きということでよろしゅうございますか。
【須藤座長】  はい。よろしくお願いします。
【海部委員】  今の話に関連してお聞きしたいと思っていたことがありまして、それは国立大学協会から頂いたレポート29ページに、6年間の実績を厳正に評価し、次期中期目標期間の交付金に反映と。こういうことはいいんだ、大学としても、そういうことは考えなければいけないということであると思うのですが、今、座長の言われた質問と関係するのですが、ここで実績を厳正に評価とありますが、どういう評価が交付金の反映にとって大事なのだと大学としてはお考えなのか。私も、さっきのお答えのように、大学をまるごと先端的研究等に特化といった考えは極めて乱暴だと思います。おっしゃるように、分野によってもいろいろ違う。そういう特性まで十分考えた評価が必要だと思いますけれども、そういうことも含めて、どういう面で評価ということをお考えなのか。ここが一番重要なところの一つではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
【濵口国立大学協会会長代理】  今、この評価が非常に混乱しているのは、マネジメントの評価と研究教育能力の評価が一緒くたになっているためです。国立大学の機能として、両方が重複している機能を持っていることは確かですけれども、中期といっても、我々は6年は短期だと思います。例えば、青色発光ダイオード、赤崎先生の仕事は29年かかっておりますので、結果が出るのに20年、30年というのはざらにあるのです。野依先生のお仕事も19年かかっております。これを5年で評価したら、出ません。特に、初期の段階は20世紀には不可能だと言われていた研究ですので、中期目標期間だけで判断すると、こういう破壊的イノベーションを生み出すような機能を持つことは恐らくできなくなります。
 あくまでも運営の評価を基本にしていただきたい。機能強化を図るようなシステム改革ができているのか、ガバナンスが貫徹しているのか、リスク管理はできているのか、知財管理はできているのか、こういうことはその瞬間瞬間にはっきり分かるわけです。ただ、研究の評価を6年でやるというのは大きな間違いであると思います。
【須藤座長】  よろしいですか。
【海部委員】  はい。ありがとうございました。
【須藤座長】  ありがとうございました。ほかにございますか。
 できましたら、橋本委員の方から、産業競争力会議の方でも議論していると思いますので、お願いいたします。
【橋本委員】  東京大学の橋本でございます。今御紹介いただきましたように、私、昨年から産業競争力会議の議員として成長戦略策定のための議論に加わってきておりますので、その状況等々を含めて御紹介させていただきたいと思います。先ほど既に文部科学省から御説明いただきましたけれども、机上資料の5番目の資料1-1を御覧ください。
 御案内のことと思いますけれども、昨年、政府に産業競争力会議が発足いたしました。産業競争力会議の我々のミッションは成長戦略を作るということであります。いろいろな事項に関して議論をしてきておりますが、その中には大学改革もあります。大学改革に関しては、本年6月までは産業競争力会議の雇用・人材分科会において議論されてきました。雇用・人材問題というのは、労働シフトの問題とか雇用契約の問題とかが主たる課題として議論され、大学改革はある意味、それらのつけ足し的に議論されていたように思います。しかし、我が国の成長戦略の中において大学改革というのは極めて重要な課題であるという認識がなされ、本年10月の産業競争力会議の改組の中で、新たに作られた、新陳代謝・イノベーションワーキンググループの中で大学改革、イノベーションを主たる課題として取り上げることになり、私がその主査を仰せつかりました。
 10月の改組以降、総理御出席のもと行われた初めての産業競争力会議本会議において甘利経済再生担当大臣が、今後の産業競争力会議の最も重要なイシューが大学改革であると、述べられました。このことからも政府がいかに大学改革に対して極めて期待をしているということを御理解いただけるかと思います。これは私の想像をはるかに超えたものでありました。
 ただ、今日のこれまでのお話でも繰り返し出てきているように、大学にはいろいろなファンクションがあるわけです。私も大学人の一人としてそのことは十分理解しておりますし、政府部内においても理解されていると思います。それらを理解した上で、一方で、産業競争力会議は成長戦略を作ることがミッションでありますので、大学改革といっても、これから私が主査として行う新陳代謝・イノベーションワーキンググループのメーンイシューは、イノベーションの観点からの大学改革になるわけです。それだけを単純に切り出した議論はできないということも十分理解した上で、イノベーションの視点からの大学改革を議論していきたいと考えております。
 資料1-1は先ほど御説明いただきましたので、私の方から特に詳しくは説明いたしませんが、2ページ目をごらんください。昨年の1月に産業競争力会議が発足して以降、これまで1年半にわたって議論してきた内容を踏まえ、私なりに論点整理をしてみました。
 2ページ目の上から7 、8行目のところに、今議論になっておりました大学の機能分化の方向性として、1グローバル競争、2地域拠点、3特定分野の国内拠点の3つの分類があります。これは昨年の11月に文部科学省から出された3分類と同じであります。この方向性をしっかりと進めていくことが必要だろうと私は思っています。
 今、濵口先生や里見先生からお話がありましたように、地方の大学にももちろん大変優れた研究者がいらっしゃいます。そのことを理解した上で、すなわちそのような研究者が活躍できる場を担保した上で、一方で、すべての国立大学が同じ方向を目指すのではなく、大学の機能分化を進めていかなくてはならないだろうとおもいます。論点1、グローバルな競争、論点2、地域イノベーションの拠点、そして次の3ページの、これを進めるためのポイントとして、論点3、類型ごとの評価指標の確立ということが極めて重要だと思います。これも繰り返しですけれども、一つの指標で見るということではなく、いろいろな指標を出し、大学のミッションに合わせてそれらの組合せにより評価するということが重要と考えます。
 どのような指標が重要で、どのように組み合わせて、どのようにやっていくのが必要かということを是非とも議論していただきたいと思います。この紙には事例として、世界水準だったら、例えばこうではないか、地域活性化だったら、こうではないかということが書いてあります。ここで重要なのは、世界水準で行う研究大学がトップで、それ以外が2番目、3番目ということではない、ということです。これは大変重要な点です。今、我が国においてイノベーションの観点、成長戦略の観点から見たときに、地域の活性化というのが最も重要な課題となっているのは御案内のとおりです。ですから、イノベーションや、成長戦略の観点から見ると、1世界水準の研究大学よりは2地域活性化の中核となる大学の方が重要となるのかもしれません。すなわち機能別3分類は松竹梅ではないということであります。
 当然、これまでも御議論ありましたように、大学改革は評価方法との一体的な改革をしないといけないだろうし、更に次のページに記載されているように、また里見先生からもお話がありましたように、運営費交付金の話と競争的資金の話を併せて議論しないといけないのではないかと思います。そこで論点5では競争的資金の改革ということを書かせていただきました。
 さらに、大学共同利用機関の話、それから地域オープン・イノベーションの話というものをいろいろ論点として挙げさせていただきました。
 最後の5ページに、私のところでやる新陳代謝・イノベーションワーキンググループの今後のスケジュールを書いてあります。大変せかして申し訳ないのですけれども、12月中旬に第3回のワーキンググループを行うのですが、ここで、文部科学省から、こういう論点について検討した内容をお話ししてほしいというリクエストを出してあります。御案内のように安倍政権は実行内閣だということで、新陳代謝・イノベーションワーキンググループも、具体的に時期を切って進めるよう強い指示を受けております。そこで、次期成長戦略に向け、メルクマールを出していく必要があり、このような日程となっております。 
最後に、私も現役の大学の教員として、現場で研究室を持ってやっております。ですので、今日の里見国立大学協会副会長のお話にあった大学の大変な状況というのは、本日のこの会議の参加者の中では実は私が一番、東京大学だから多少ほかよりは楽だろうと言われるかも分かりませんが、実感しているのではないかと思います。実際、里見先生のお話は、一教員としてはきわめて納得しながら伺っておりました。一方で、政府の会議にいろいろ出ておりますと、我が国の置かれた状況の厳しさもひしひしと感じております。すなわちそういう厳しい状況というのは、申し上げるまでもなく、大学だけではなくて我が国全体で起きていることでありまして、年金の問題とか社会保障費の問題とか、大学以外も全てにおいて起きている状況であります。こういった境界条件において、本日の参考資料にあるような財務省からかなり厳しい議論が出てきており、大学を取り巻く環境は厳しさを増しております。
しかし、被害者意識を持つことは必ずしも正しくないと思います。先ほど強調したように政府は大学にものすごく期待しているのです。この厳しい状況の中で、大学が是非とも変わって、我が国を引っ張っていくエンジンになってほしいという期待感がある中で議論がされていると思います。先ほど里見先生からお話のあった三つの要望は、方向性は私たちが考えているものと極めて同じだと大変安心して私は伺っていました。
 あとは、これを実行に移すための方法論、順番とか、いろいろあると思うのです。基盤的経費と競争的資金のトータルを増やすことを目指すというのは、私も同じ考えです。しかし、それを最初に言って、それで社会から納得してもらえるのか、ということに関しては、私はきわめて懐疑的です。そういう意味では、最終的な目標は同じだと思うのですけれども、それを具体的なプロセスに落とすに当たっては、必ずしも同じではないかもしれません。是非とも知恵を出し合い、良い方向性を探していきたいと念願しております。何とぞよろしくお願いします。
 以上です。
【須藤座長】  ありがとうございました。何か国立大学協会の先生方からありますか。
【濵口国立大学協会会長代理】  今、地方創生という言葉が語られておりますが、私は地方の創生は国立大学が核になって展開できるものだと思います。その理由は、一つは、まず18歳人口を地方に定着させる一番大きな機能を担っている。地方の国立大学がへたったら、恐らく日本の地方に若手はいなくなる、そういうデータを我々は持っています。地域によっては、市の18歳人口の5割が大学生です。まず、そういう現実をよく見ていただくということと、その学生を集めるためには大学が魅力的でなくてはならないと思います。これは我々が必死で、今、覚悟を決めて改革を進めているところであります。
 何回もお願いしたいことは、財政論の大枠を当てはめられて、資金不足の中で悪あがきをしろと言っても、これは不可能であります。ですから、まず財政論を前提とした議論を外していただかないと国立大学の真の改革は起こらない。それは、ひいては地方からの若者の消失になりますし、その地方の中小企業の衰退を招くことになると思います。ここを是非御理解いただきたいとお願いしたいと思います。
【橋本委員】  よろしいでしょうか。
【須藤座長】  はい。
【橋本委員】  地域の活性化において大学が核になるであろうということは、実は私も全くもってそう認識しております。産業競争力会議の新陳代謝・イノベーションワーキンググループにおいてもそういう議論をしております。すなわち地域の大学の活性化というのが今度の私たちの議論の中の非常に重要な課題になっております。
【須藤座長】  谷口国立大学協会副会長、お願いします。
【谷口国立大学協会副会長】  地方というのは言葉として嫌いなので、地域と言わせていただきますけれども、地域も名古屋という地域もありますし、熊本という地域もある。熊本の場合に、いつも私は申し上げますけれども、東京大学の濱田総長に申し上げるのは、東京地域における東京大学の役割より熊本における熊本大学の役割の方がとても大きいと。知事さんも市長さんも産業界も商工会も一緒に議論をして、いろいろなことを決められるような体制も作らせていただいています。それだけ期待も非常に大きいです。少子化になっていくことに関して、若者がいなくなっていくことに対して、地域の危機感は物すごく大きいです。その中で大学の役割は非常に大きいというのは、今、濵口先生のお話があったように、まさにそのとおりだというのは、皆さんがひしひしと感じ、認識をしてやっていただいている。
 大学は、一つは、橋本先生がいろいろ言われるイノベーションということに関して、我々の創出したものでもって産業をどうやって起こすかというようなことも一生懸命やらせていただいていますし、地域に若い方をどれだけ定着させて、地域で働けるようにしようということも一生懸命やらせていただいています。その役割の中で、地域においては国立大学の役割は大変大きいということを改めて御理解を頂ければと思います。
 どんな小さな地域の大学においても、世界で競争できるような、十分戦えるようなものは二つ、三つ必ずあります。私どもも持っておりますし、必ずどんな小さいところでもあります。そういうことも一方では大事にしていただいて、あまり研究大学何とかかんとかというだけではなく、橋本先生はそれは松竹梅ではないとちゃんとおっしゃっていただいていますけれども、その機能のほかに、やはり地域は地域でそれぞれの大学が持っている特徴、機能というものがありますから、そういうところをしっかりと評価していただくという観点において、多様な角度からの評価が非常に大事になると思っていますので、一言付け加えさせていただきます。
【須藤座長】  ありがとうございました。では、羽入国立大学協会副会長お願いします。
【羽入国立大学協会副会長】  橋本先生のお話を直接伺えて、とても心強く思いました。私も様々な場面で大学に対する期待が非常に強いことを認識しております。
 それから、もう一つ、財政的な基盤が厳しい状況も国立大学全体として非常に強く認識しているということは是非申し上げておきたいのですが、一つお考えを伺わせていただきたいと思いますのは、イノベーションの創出というのは非常に重要なことであり、そして、それは教育の場面でも担うべきものである。往々にして、効率的な、すぐに役立つものを作り出すことがイノベーションであるかのような風潮といいますか、傾向がありますが、大学としてやはり心に据えておくべきことは、教育機関であるということがあると思います。
 教育をする内容が広く、かつ豊かであればあるほどイノベーションの創出というものが可能になるのではないかという考え方もあり得ると思います。イノベーションはイノベーションをしろと言ってできるものではなくて、それまでのプロセスが非常に重要だと私は考えておりますけれども、ただいま議論なさっていらっしゃる中ではイノベーションというものをどう考えられているのか教えていただけたら大変有り難く存じます。
【須藤座長】  橋本委員、お願いします。
【橋本委員】  委員会としてということではなかなか難しいので、私個人としてお話しさせていただきます。イノベーションに関しては、私も研究者としての自分なりの考えを持っております。すなわち研究成果と併せて人材が同じぐらい、あるいはより重要ではないかと思っております。そういう意味において大学のイノベーションに果たす役割は、イノベーションのための人材育成と、それからイノベーションの種となる研究成果を出すことであると思っております。
一方で、人材にしても、研究成果に関しても、イノベーションに向けて政府は非常に短期的なものばかり追い掛けているのではないかと批判されることが多いのではないかと思います。私は総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の議員もしておりますが、このCSTIの目標設定も以前に比べて短期的になっているのではないかという御批判を受けていることはよく存じ上げています。私はCSTIの議論がそのようになっているとは思っておりませんが、しかし、今の政府の方針の中で一定の発言がなされると、短期的に経済発展に関係のありそうな方がより強調して報道されたり、取り上げられたりすることが多いように思います。それが原因ではないでしょうか。
すなわち、私たちは、大学のミッションは研究に関しても長期的視点でも判断すべきものだと思っております。しかし、重要なのは、必ずしも長期的なものだけではないということでもあります。その部分が強調されて取り上げられているのではないでしょうか。
 ですので、先生がおっしゃったような観点においては、私は基本的には全く同じ考えであります。繰り返し申し上げますけれども、そういう認識は同じですけれども、それを今の我が国の置かれている状況の中で、どう達成するのか、その方法論については同じではないかもしれない。是非知恵を出し合おうというのが私の申し上げたいところであります。
 以上です。
【羽入国立大学協会副会長】  ありがとうございます。
【須藤座長】  地方の大学の在り方とか、あるいは少し長期的な研究開発、イノベーションという議論になっていると思うのですけれども、最初に地方の話をもう少ししたいと思います。鈴木委員、せっかくいらしていますので、その辺をお願いします。
【鈴木委員】  発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。また、このような機会で委員をやらせていただいて、光栄に思います。三重県知事の鈴木英敬でございます。
 先ほど谷口学長からありましたとおり、我が三重県におきましても、三重大学が果たす役割は極めて大きいです。例えば、明日から私は台湾ミッションに行くわけですが、そこにも三重大学の副学長が付いてきてくれて、官官連携、学学連携、産産連携の学学連携の部分についてコーディネートをしていただくということで、非常に様々な面で役割を担っていただいているということで、地方において地方の国立大学法人がきわめて重要な役割を果たすということは論をまたないと思っています。
 私は、その中で、当然、地方の国立大学法人、先ほど橋本先生の話があった地域の拠点大学を、大事にしていきたいという方向で是非議論していただきたいと思います。とはいえ、私はその方法論が詳しくないので分からないのですけれども、私は少子化の委員もやっていまして、そのときに社会保障の財源を高齢者か子供かみたいな感じになったように、限られたパイの中でトップ校か地域大学かみたいな二者択一みたいにならないような、先ほどあったようなきめ細かな配分というんですか、特に私が聞き及んでいるところでは、例えばアメリカなどはもう少しトップ校とか地方校と配分が緩やかであると聞いています。そういうきめ細かな、さっき濵口学長がおっしゃったように、各地域が安心してしっかり研究や人材育成に取り組めるようにしていただきたいと思います。
 それから、配分とか評価に当たって、これは少し総論的な意見ですけれども、地(知)の拠点整備事業(COC)とかであったように、今、国立大学法人が評価をされたり配分を受けたりするとき、地方公共団体の長は制度上全く蚊帳の外です。COCの場合は意見を付したり、何か一緒にコミットしていくようなことがあったのですけれども、運営費交付金などの話においても、地域の貢献度を議論するのであれば、もし可能なら地方公共団体の長が何らか意見を付したり述べたりするようなことができる機会とか、あるいは制度上の仕組みがあるといいと思っています。また、これから皆さんと方法論を詰めていきたいと思います。
【須藤座長】  どうもありがとうございました。山本委員に小樽商科大学の話も含めて、何かございますか。
【山本(眞)委員】  今までいろいろ話して、大体、東京大学から小樽商科大学までという話になってきておりまして、その小樽商科大学で6年間学長をやらせていただき、お金の面では本当に苦労しました。
 一つは、今は東京大学も小樽商科大学も全く同じルールで運営費交付金が配分されますので、私は三重苦と言っているのですけれども、地方で小規模で文科系の大学ですので、それと大きな総合大学で医学部も抱えた総合大学、同じ国立大学法人法一本、あるいは会計制度にしても同じ国立大学法人会計基準一本でいいのかどうか、たかだか14億円の運営費交付金の大学に公認会計士の監査が要るのだろうかとか、いろいろ考えがあります。
 それともう一つ、ミッションの再定義のときに、私はなぜ小樽商科大学が小樽に設置されたのだろうということを随分いろいろ考えました。やはり国は、教育の機会均衡も含めて、地域の発展も含めて、各地域に国立大学を配置したのだろうと思っております。地方の現状を申しますと、地方大学といっても、一くくりに言いますが、私立大学は惨敗です。一部の私立大学のトップ校だけが生き残って、あとの中小の私立大学はどこも定員割れで、もはや高等教育を私立大学が担うところにはなっていない。そういったところこそ地方の国立大学の意義があるのだと思います。
 それと、イノベーションの関係でいえば、私はずっと商学の人間でしたが、この4月から帯広畜産大学にお世話になったのですが、初めて行ってびっくりしたことは、畜産ですから畜産、農学、いろいろな研究がされている、それを全然大学人同士が分からない。我々の商学の目から見れば、宝、これを上手にマーケティングして世界に売り出せばいくらでも稼げるのではないかみたいなところがあります。ですから、もう少し大学間、文系も融合も含めて、いろいろなネットワークづくりが地域の大学に必要なのかという気はします。それがイノベーションを起こす、イノベーションというのは、やはり基本的には組合せの妙だと思うのです。組合せの妙を引き出すような役割というのは、地方の場合は文系大学が担えるのかなという気がしました。
 以上でございます。
【須藤座長】  ありがとうございました。あと10分ほどありますので、そのほかのテーマにつきましても、御意見ある方、よろしくお願いします。
【上山委員】  慶應義塾大学の上山でございます。貴重な話を頂きまして、ありがとうございました。
 私のように欧米を始めとして大学のことをずっと調べている人間の目から見ると、例えばアメリカ一つとってみても、アメリカの大学の数は日本よりもはるかに多いですけれども、いわゆる日本の感覚でいう地域大学、州立大学も含めたところとトップ校との差は日本ほど大きくない。確かに、鈴木委員がおっしゃいましたけれども、予算の配分でいうと、エリート大学と地域大学との公的資金の投入の差は、実は日本ほど際立って大きくない。また、研究から出てくるアウトプットの数も、実は州立大学を含めた地域の大学の役割はとても大きいということもよく分かっている。また、州立大学は、地域の経済の活性化をとても担っているという意味で重要な役割をしているということもよく分かっております。また、かねてからずっと思っていることは、日本の高等教育に対する公的資金の削減といいますか、負担額というのはやはりどこか問題があると基本的には思っているわけです。
 そういうことを全部認めた上で申し上げますけれども、日本の大学とアメリカを始めとした欧米の大学との大きな違いは、各大学の独自性が非常に低いことです。つまり、各大学がどのような形で自らの大学のリソースを守っていくのか、それをどのようなビジョンに結び付けていくのかという絵を描く力が日本の大学は弱い。そのことが、例えば外部からの資金を呼び込む力の差の原因になっていると思います。アメリカの大学、アメリカというところはとても競争的なところなので、ちょっとでも怠ると激しく削減される。したがって、そのことを考えると、どのような論拠で、私の大学ではどういう分野が必要なのかということの論拠をきちんと作っていかなければいけないし、アメリカでは、そのように努力している訳です。
 その意味で、明らかに日本の大学の「大学本部」の果たしている役割は小さ過ぎる。小さ過ぎるというのは、それを果たすような予算が与えられていないということだと常に思っています。例えば、アメリカですと、主立った大学、大きなところでいうと、年間の予算は大体3分の1は恐らく大学の本部、すなわち学長がほぼ完全に把握している。それ以外のところの競争的資金も含めて、3分の2ぐらいは十全に理解できなかったのですが、それ1990年代に入ってきますと、大学の学長は、すべてのうちの大学の予算の隅々まで把握するようなバジェットシステムに変えるべきだという動きが起こってきました。その動きの震源地はシカゴ大学だったですけれども、やがてスタンフォード大学に移っていき、多くの大学が予算の中央管理を進めるようになっていきます。
 その予算の管理は大学の学長を中心とした組織の大学運営の根本です。それによって学内の様々な分野のことを「経営」することができる。つまり、たとえトップが理系の先生であろうと、社会科学の分野でも自分の大学が何を行っているのか、それが一体うちの大学に必要なのか、その予算はどれぐらい充てるべきなのかということの完全な内部の財務のデータを大学本部が持つようになってきているわけです。そのようなきちんとしたデータに基づいた資料を手にして大学のビジョンを作っている。したがって、うちのところではこれだけの予算が必要だというような論拠を作っていくということができているわけです。日本の大学は、その力が非常に弱い。したがって、外部に発信するアカウンタビリティーに力がないわけですよね。
 それができないうちは、財務省一つとってみてもそうですけれども、国立大学への資金の投入を握っている人たちを説得できないのではないですか。恐らくそのような大学の内部のガバナンスのマネジメントを達成できるシステムを早く国立大学の中に作ってあげなければいけない。それは渡し切りの予算の中で何%か分かりませんけれども、IR(インスティテューショナル・リサーチ)といいますか、内部のインスティテューションのリサーチをやって、うちの大学にはどういう人材がいて、どこがイノベーションに行き、それはそうではないところにも必要なものがあるかという絵を描けるようにしていけないと思います。
 もう1点だけ。先ほど橋本先生がおっしゃいましたけれども、イノベーションは短期的だというお話が議論になったと思いますが、実は近年のイノベーションというのは極めて基礎的なところから出てくるのですよね。長期的なところから出てくるので、したがって、イノベーションということを付けたからといって、必ずしも短期的なところで視点を持って運営していくということではない。思いがけないような基礎の基礎のところからイノベーションが出てくる。総合科学技術会議に科学技術・イノベーションという言葉をつけた意図の中には、恐らくそういうことが含まれている。
 さらには、アメリカの中でイノベーションがどんどん議論されるようになったときに、実は教養教育が重要だということをみんな言い始めたのですよね。総合して人材の育成ということが長期的なイノベーションに関わっているという意識が大学の中に強くなってきたという意味では、大学の中をもっと知らなければ、力強い言葉がなかなか大学は出てこないのではないかと常に思っております。
【須藤座長】  ありがとうございました。海部委員、お願いします。
【海部委員】  少し違う視点からお話ししたいのですが、2つのことがあるんです。
 一つは、現在、国立大学等の法人化が進んでおりますけれども、私は、実は日本学術会議や文部科学省で大型計画、それから共同利用ということに取り組んできているわけです。それは、1つには、共同利用の重要さは先ほど説明がありましたけれども、国立大学等の法人化によって各大学の個々の競争が非常に強調されるようになりました。その結果として、見落とされているものがあるのではないか。つまり、日本全体として、例えばある分野でこういうことが必要であるというときに、それを協力してやらなければ進められないわけです。大型計画、それに共同利用というのは、まさにそういう役割を担っております。
 ある分野の国民的に重要な課題をどこかが担って、それを実現し、かつそれを全大学の分野研究者が享受する。これが共同利用という、日本が作ってきた非常に独自の優れたシステムだと私は思っております。もちろん、例えば大型計画によって最先端の装置を実現し、各大学がそれを使うことによって日本全体がレベルアップする、最先端に取り付いていく、それによって国際的な若い人材が育つという、非常に多くの効果を生み出しているものであると思います。ですから、そういう視点をどうやって今後入れていくのかということは、私は、国立大学等の法人化後の一つの課題であると思っているのです。
 例えば、共同利用拠点になることによって、日本の全体のある分野の水準のアップに資するということは、その大学の一つの大きな成果であり、大きな特徴になるのではないでしょうか。私は、そういう評価の視点を今後是非入れていかないと、お互いに競争、競争ということで、本当に大事な、つまり日本全体の視点というものが欠けてしまう。日本は実際、そういう部分で諸外国に後れを非常にとっていると思います。全国的な、あるいはナショナルな視点、あるいはもっと国際的な視点で新しい計画を生み出したり共同して進めたりしていくという考え方を、是非今後とも進めていただきたいと思いますし、こういう議論の際にもそういう新しい評価基準ということを明確に打ち出していくべきではないかと思っているのが、一つであります。
 それからもう一つは、個人的な意見として申し上げたいのですが、大学院学生の流動化ということをもっと真剣に考えなければいけないと思います。先ほど国立大学は大部分の修士課程、博士課程を輩出しているという話で、それはそのとおり非常に重要なことですが、その学生さんたち、特に修士課程、博士課程の大学院生たちが非常に固定した場所でしか研究できないというのは、日本のイノベーションを考える上でも大問題です。広い視野、広い経験を持った学生を育てていない。こう言うと失礼ですが、教授が学生を囲い込んで、自分の分野の中に閉じ込めてしまっている。広い視野を持つ学生は育ちようがありません。
 ですから、企業でどういう学生が欲しいのかという話もいろいろありますが、企業の方でもすぐ役に立つ人とかいうのではなくて、そういう広い視野を持った人を企業も採用し育てていく。大学も、思い切って大学院学生の流動化を図るべきだと。これなしには、私は日本の研究水準の向上、国際的な向上もイノベーションも難しいのではないかと思っております。
 以上です。
【橋本委員】  いいですか。
【須藤座長】  時間が残り少ないので手短にお願いします。
【橋本委員】  先ほど申し上げたことですけれども、今、政府の中で極めて大学改革が重要なイシューとして上がっております。それは政府が大学に期待しているということでもあります。政府のたくさんあるイシューの中で大学改革を重要課題として前向きに捉えてくれているということです。ですので、私たち大学人はこの機会を有効に利用しよう。そういった前向きな観点で、皆でいい知恵を出し合っていくべきなのではないでしょうか。たくさんいろいろあるイシューの中で、政府が大学改革をそれだけ真剣に考えてくれる期間というのはそんなにないのではないかと思うのです。ですので、今、是非とも良い知恵を出して、前向きな検討をしていっていただきたいと思います。
【須藤座長】  ありがとうございました。では、日比谷委員、お願いします。
【日比谷委員】  ありがとうございます。本日の出席者の中で、私は唯一の私立大学の学長でございますので、一言発言させていただきます。
 通常、私立大学連盟というようなところに参りまして、今日、大変参考になるお話を伺いました。ありがとうございました。
 ここでお使いになった資料の中で、あちらでも必ず出てくるのは、公財政支出がいかに少ないかという、あのグラフ、あれを見て、これはひどいねということは共通しているのでございますが、それ以外は、例えばグラフでお示しいただきましたけれども、学士課程については75%以上を私立大学が責任を持って教育をしていると。しかるにとその後は続きまして、私どもの置かれている立場から見ますと、大変に苦しいお立場であることはよく分かっておりますけれども、運営費交付金があってうらやましいねという議論すらあるわけでございます。
 その中にあって、本日、心強く思いましたことは、29ページ、要望2の一番下のところで、経営努力により資金を確保し、教育研究環境整備に計画的に投資できる仕組みを拡充すべきというところがございまして、その前段として、自己収入の獲得とか経費節減・合理化などの努力が必要と書いていらっしゃる。私にとりましても、365日毎日がこれでございますので、是非ともこういう視点を併せて持って、大変失礼な言い方ですけれども、国立大学法人の方々はお金に対する意識が甘いとか言っていませんが、我々から比べると、ちょっと殿様商売といいますか、何か上手に言うことはできないのですけれども、時々意見交換をさせていただいて、是非そのあたりについての御認識を私どもと共有していただく機会があればよいかと思っております。
【須藤座長】  ありがとうございました。
 まだ2、3の委員の方から御意見を伺おうと思いますが、時間の関係もありますので、文部科学副大臣は後ろが詰まっていると思いますので、申し訳ありませんが、ここでお言葉を頂きたいと思います。
【丹羽文部科学副大臣】  それでは、改めまして、皆様、こんにちは。今日は、この検討会議に須藤座長を始め、多くの皆様方が委員におつきいただきまして、心から感謝申し上げます。今日は、この御議論の中で国立大学協会の濵口会長代理、また里見副会長、羽入副会長、谷口副会長におかれましては、ヒアリングの方にもお越しいただきまして、本当にありがとうございます。
 今、いろいろと御意見を御拝聴させていただいた中で、大学というのは本当に様々な種類があると思います。それぞれ特色のある大学が、我が日本の国はそれがまた強みだと考えておりますが、その特色にあった運営費交付金をどのようにしていくかということを我々は今日、この会議をもって考えなければいけないと思いますし、逆に、ここで考えなければ、先ほどの日比谷先生のお話のとおり、これは我々も危機感を持たなければいけないのですが、この運営費交付金はあくまでも税金です。この税金に対しても、どう使うかということを国民の皆様にしっかりとアピールしていくこともあると思います。
 私も今国会の中で地方創生特別委員会の中で2、3度呼ばれて答弁に立たせていただいたのですが、そこの中で、地方の創生には大学というのは非常に重要なキーワード、学びの場所でございますので、重要なキーワードだということを多くの先生方が共通認識で持っておられる考えだと思います。そういったところを生かしながら、また委員の先生方の御意見を聞かせていただきまして、これからの本検討会がより実りの多い会議になることを心からお願い申し上げまして御挨拶と代えさせていただきます。今日は本当にありがとうございます。
【須藤座長】  どうもありがとうございました。
 それでは、時間をオーバーしてしまいますけれども、せっかく来られていますので、全員の委員の先生から一言お願いしたいと思います。では、山本委員の方からお願いします。
【山本(廣)委員】  もう時間だから、今日は発言しなくてもいいかなと思っておりましたが、御指名ありがとうございます。
 既に先ほど国立大学協会の方から里見先生に説明いただいて、また濵口先生からも時折鋭い御指摘があったと。私は現在、大学入試センターにおりますが、以前は島根大学の学長をしておりましたので地方の中規模総合大学に長らくいたという経験がございます。
 その話はいいのですが、先ほど橋本先生の方から、産業競争力会議の方でのお話をお伺いしまして、先生も随分いろいろと大学の立場から御発言いただいていると思うのですが、先ほどの資料に、三つぐらいの大学に色分けしていこうと、文章だけを見ると見えてしまうのです。研究大学、それから地域けん引型、それからもう一つは今のCOCみたいな、地域型というのでしょうか、地域大学というのでしょうか、それはまさに先ほど国立大学協会の方から御発言がありましたように、それぞれの中に分野によっては、そういう三つのようなものに分けられると思うんですが、大学にそういったキャッチフレーズを付けてしまって大学を三つに分けていって、より効率的にという感じが何となく読めてしまう。恐らくそういったいろいろな議論があって、こういう名前がついているのかと思います。
 それから、もう一つは、政府を含めて、非常に大学を大事に思っている、期待しているという御発言があって、これも大学関係者としては大変有り難い話ですが、どういう期待なのだろうかと私は思うわけです。もちろん、高等教育に対する大きな意味での期待はあるのでしょうが、ただ、期待といっても、先ほど出ていたようなイノベーションという言葉で、これは時間のかかるものも含めての話なのでしょうが、何となく現在のいろいろ経済政策、その他もろもろと関連して出てくるようなところから、非常にうがった見方かもしれませんが、経済発展とか、それから産業競争力、産業創生、こういったことに関係する研究をどんどん進めてもらいたい、それが大学の役割なのだと1つは聞こえるし、それから事業活動を担える人材の養成をなぜもっとしないのかと、ちょっとうがった見方かもしれませんが、見えてしまうという部分があります。
 先ほど青色発光ダイオードの話が出ましたが、長崎大学御出身ですけれども、6年前に下村先生がノーベル賞をとられた。御承知のように、クラゲの発光体のことです。ああいう研究は、後の世になって非常にまさにイノベーションに結び付くようなことがあるわけです。今そんな研究をやって何になるのと言われる研究も、国立大学は恐らくいっぱい全国でお持ちだと思うのですけれども、そんな研究をやって何になるのと言われるようなことの中にすばらしいものも当然含まれている。もちろん、どうにもならないものもあるかもしれません。そういうものも含めて全部抱え込むというのが国の力ではないかと私は考えています。
 だから、もちろん考古学もしかり、それから文化とかはそういうものではないかと思っていて、もう少し経済とかそういうところから離れた、さっき財政と離してくれと濵口先生がおっしゃっていましたけれども、そういうところから離れて、とにかく高等教育・研究にはこのものが基本的に必要なんだというスタンスからスタートしていくべきではないかという感じがしております。
 この会議で、この後、運営費交付金の配分を第3期どうするか、先ほど3,000億円ほどうんぬんという財務省の現在のお考え方も出ましたけれども、それはそれで私はいいと思うのですが、濵口先生がおっしゃいました研究の中身とか、それから教育の仕方とか、そういうことでなくて、良い教育をするために、あるいは面白い研究を育てるために、どう大学がマネジメントしていっているかという部分の評価が非常に大事なのではないかと思います。
 ちょっとまとまりがつかずに失礼しました。
【須藤座長】  ありがとうございました。では、小林委員からお願いします。
【小林委員】  東京大学の小林です。
 私もいろいろ申し上げたいことは、10点ほどありますけれども、時間が押していますので、今日は黙っていようと思ったのですが、御指名ですので、重複するところは言わないつもりですが、最後の議論だけ、どうしても一言言っておきたいのは、機能別分化というのは、これまでいろいろな形で種別化とか多様化とか、いろいろな形で言われましたけれども、これまでの議論と機能別分化が一番違うのは、やはり大学が選択するということを非常に強調している点であります。大学によって強いところも弱いところもあるし、もう少し言えば、学部あるいはもう少し小さい単位でそれぞれが選択していくということでありまして、その結果として分化していくというのが基本的な考え方です。そこは今までと相当違うということは中央教育審議会では何回も言われているのですけれども、なかなか御理解いただけていないので、そこは是非確認しておきたいと思います。
 その上で、運営費交付金についてですけれども、今日はできるだけ土俵を広げてということで、運営費交付金だけではなくて、その周辺的なこともかなり入ってきたと思うのですが、その点に関していくつか述べさせていただきたいと思います。
 一つは、外部資金のことです。特に寄附のことについて余り今日は触れられなかったと思うのですけれども、寄附税制の在り方とか、そういったところも非常に問題でありまして、国公立大学については、私立大学と寄附税制が相当違っております。これは、実は私立大学が税額控除で有利にできていますので、その辺は国公立大学の方をもう少し改善する必要があるのではないかというのが1点目です。
 それに関連しまして、もう少し運営費交付金自体を増やすというのはなかなか難しい話ですので、マッチングファンドとか、外部資金と運営費交付金を合わせるような仕組みをもう少し考えていく必要があるのではないかというのが2点目です。
 それから、もう一点は、ここで議論として出てこなかったのは授業料についてです。授業料については、国立大学の判断で20%まで上乗せできるわけですけれども、現実の問題としては、そういうことはやっていない。運営費交付金と併せて、授業料の在り方についてどう考えるのかということをもう少しここで議論する必要があるのではないかというのが3点目であります。
 それから、最後になりますが、私は大学評価とランキングの研究もしています。ランキングには様々な問題点があるのですが、このように国立大学改革プランでランキングに入れるというようなことまで出てまいりました。使われているのは「Times Higher Education」ランキングですが、実は、アメリカの「US News and World Report」もワールドランキングを出しています。大学のランキングとしてはどちらも問題があるのですが、その中では「Times Higher Education」よりも「US News World Report」の方がはるかに歴史も伝統もあって、きちんとしたランキングをやっておりますので、そういった別のランキングを見ることも必要ではないか。あるいは、最近、欧州委員会の委託を受けまして、オランダのトゥウェンテ大学が新しいランキングを発表しております。こういったことも見ていく必要があるのではないかと思っております。
 すみません。時間の関係で、以上にしておきたいと思います。
【須藤座長】  ありがとうございました。それでは、最後に、座長代理をお願いしております有川先生の方から、よろしくお願いします。
【有川座長代理】  私は、座長代理ということで、これは座長に事故があったときに代行するのが任務と思い、本日は座長がいらっしゃいますので、じいっとしていました。今日は、国立大学協会の方からとてもいい報告を頂いたと思っております。国立大学協会の方で、第3期中期目標期間の運営交付金について大変な作業をしていらっしゃるということは知っていたのですけれども、ちゃんと論点が分かるようになっていたと思います。
 いろいろ言いたいことはあるのですが、3点ほど述べさせていただきます。まず、これは国私を問わずすべての大学に求められていることですが、近年、様々な報告やまとめ、提言、政策等で、各大学の「強みを生かす」、「強みを伸ばす」という言い方がされますが、大学にはもう一つ大事な機能があると思います。それは「長期的な視点」でということにもつながるのですが、そうした「生かす」べきあるいは「伸ばす」べき「強みを創る」ということです。この機能がなかったら、先端研究やイノベーションの源泉が枯渇してしまします。絶えず新しい強みを創るということをエンカレッジし続けなければいけないと思います。
 次に、大学改革や大学のあるべき姿を論じるとき、一度徹底して国の財政状況と切り離して考え、その上で、財政状況を考慮して、それをどう実現していくのか考えて見るべきではないかと思います。そうしないと発想が萎縮し、能力の高い大学の研究者・教育者に閉塞感を与え、抜本的な改革へつながらないのではないかと危惧しています。日本が明治維新後急速に発展した時期に、財政状況が良かったわけではありません。そういう状況でも教育研究に関して卓越した判断でもって今日の日本が築かれたわけでありまして、先人たちのそういった見識に、時には思いをはせる必要があるのではないかと思います。
 三つ目は最初の強みを創るということにも関係があるのですが、地方創成というのは非常に大事で、これは、急速に進行する少子高齢化の問題とも深く関係し、この問題・課題では日本が最先端を走っているわけであります。この問題には、各国が早晩直面することになると思います。日本は、その際のお手本になるような解決策をちゃんと探しておくべきです。これは、実は、大学に課せられた極めて大事な使命だと思います。
 乱暴な言い方で恐縮ですが、これまでの価値観あるいは人生観、哲学、倫理観、そして、社会学もそうだと思うのですけが、人間が他の動物たちと同じように、ある程度年をとったら消えていく。それが消えていくことに対して大した負担も負荷も掛からないような中での哲学であったり人生観であったりするのではないかと思うのです。高齢化社会ではそこを根底から考え直さなければいけない。新しい価値観、新しい哲学、新しい倫理観さえも創っていかなければいけない。その辺まで思い出して初めて日本が強くなる、地方が創成するのだと思います。
 最近ひっ迫した状況下で、悠長なことを言っているように感じられるかも知れませんが、私もこの9月末まで、6年間、総長として可能な限りの努力をして参りました。やろうと思ったら大胆な改革はできるのではないかと思っております。今申し上げたようなところまで踏み込んだようなことを頭の中に入れながら、当面の運営費交付金をどうしていくかということを議論していかなければいけないと思いますし、今日のヒアリングで非常に良いお話をお伺いできましたし、これから何回かの検討会を通じて、他の組織や団体の方々からの御意見もお聞きしながら、希望の持てる方向性が出せればいいかと思っております。
【須藤座長】  どうもありがとうございました。
 これで議論を終わりたいと思います。本日は本当にお忙しい中、国立大学協会の4人の先生、本当にありがとうございました。
それでは、本日は終わりにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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