大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議(第1回) 議事録

1.日時

平成26年7月25日(金曜日) 10時~11時

2.場所

文部科学省15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議の運営について
  2. 改正法の趣旨及び内容の周知について
  3. その他

4.出席者

委員

(座長)小林栄三座長
(副座長)松本紘副座長
(委員)安西祐一郎、北城恪太郞、黒田壽二、庄山悦彦、白井克彦、關昭太郎、西川知雄、山森利平 の各委員

文部科学省

吉田高等教育局長、里見大学振興課長、豊岡国立大学法人支援課長、氷見谷私学部参事官、平野国立大学法人支援課長補佐、白井大学振興課長補佐

5.議事録

【里見大学振興課長】  所定の時刻になりましたので,第1回大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議を開催させていただきます。
 本日は,御多忙中,御出席を頂きまして,誠にありがとうございます。
 冒頭の進行を務めさせていただきます,私,大学振興課長の里見と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに,本会議の委員でございます。資料2を御確認いただきたいと存じます。本検討会議につきましては,大臣裁定の下に作らせていただいておりまして,検討会議の座長につきましては小林委員に,それから座長代理につきましては松本委員にお願いさせていただいておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 また,委員といたしましては,本日,安西委員,北城委員,黒田委員,庄山委員,白井委員,關委員,西川委員,山森委員に御出席を頂いておりまして,濵口委員は本日御欠席ということでございますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 また,役所側の出席者でございますけれども,後ほど御挨拶させていただきます局長の吉田をはじめ,関係の者が座らせていただいております。座席表に示させていただいておりますので,御確認いただければと存じます。
 引き続きまして,会議の公開でございます。本検討会議の公開につきまして決定をしていただく必要がありますので,公開規則の案につきまして,御説明させていただきます。それでは,座って失礼させていただきます。資料3によりまして,御説明をさせていただきます。
 大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議の公開につきましては,原則公開ということでございまして,座長の選任その他人事案件,その他,座長が,審議に著しく支障を及ぼすおそれがあると認める場合,その他正当な理由があると認める場合は,非公開という扱いでございます。傍聴につきましても,一定の登録をしていただいた方につきましては傍聴が可能ということで,お願いしたいと考えております。また,2ページ目でございますが,会議資料につきましては,同じく特別な理由がある場合以外は公開ということでございます。また,議事録につきましても,作成をいたしまして,原則公開というルールでお願いしたいと考えておりますが,よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
【里見大学振興課長】  では,お認めいただきましたので,傍聴者に御入室いただきますが,本日,御希望者が大変多く,90名程度が御登録いただいている状況でございます。また,カメラも入りたいという御希望があるやに聞いておりますので,小林座長の御挨拶,吉田局長の御挨拶までの間は,カメラが入らせていただくことを御了解いただきたいと思います。それ以降は,カメラは退室の後,記者は残るという形になります。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,公開いたします。
(傍聴者入室)

【里見大学振興課長】  それでは,改めまして,大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議を開始させていただきます。
 まず初めに,小林座長から御挨拶を頂きたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【小林座長】  皆さん,おはようございます。大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議の開催に当たりまして,一言,座長として御挨拶を申し上げます。
 大学には,学生の教育や学術の研究に加えて,イノベーションの創出,社会人の学び直しを通じた社会貢献など,これまで以上に様々な役割が期待されております。特に,社会がグローバル化し,国際競争が激化する中で,大学に求められる役割もますます高度化・多様化しており,大学もスピード感を持って変化に対応していくことが求められております。
 こうした中で,先般,学長のリーダーシップの確立をはじめとする大学のガバナンス改革を促進するため,学校教育法,国立大学法人法が改正されたものと理解をしております。ガバナンスの在り方につきましては,国立,公立,私立という設置形態の違いはもとより,それぞれの歴史や伝統,各大学が直面しております課題,あるいは重視する役割や機能によっても,多様な在り方が考えられるところでございます。
 本検討会議では,改正法の趣旨を踏まえて,各大学において主体的なガバナンス改革の取組が円滑に行われるようにするため,法改正の趣旨や内容の周知方策等について,委員の皆様の御協力を得ながら検討を進めて,発信をしていきたいと考えておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,続きまして,文部科学省より一言頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【吉田高等教育局長】  高等教育局長の吉田でございます。委員の皆様には,お暑い中,この大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議に御出席いただきまして,ありがとうございます。また,委員の御就任も,感謝を申し上げます。
 この検討会議は,6月20日に「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律」が成立したことを踏まえまして,後ほど資料1のところで触れさせていただきますけれども,3つの任務を頂いております。1つは,改正法の趣旨及び内容の周知に関すること。2つ目が,国立大学法人における学長選考会議の構成その他国立大学法人の組織及び運営に関する制度に関すること。それから3番目は,その他大学のガバナンス改革の推進方策に関すること。これらの事項について,この検討会議で御議論を頂くということになっております。
 先ほど申し上げました改正法の趣旨及び内容の周知という点でございますけれども,今後,各大学におかれましては,今回の法律改正を踏まえまして,この法律の施行日でございます来年4月までに,内部規則等の総点検・見直しを行っていく必要がございます。そのため,法律改正の趣旨が各大学に適切に伝わり,改正の趣旨を踏まえた総点検・見直しを促していく,こういう必要があるわけでございます。委員の皆様におかれましては,まずはこの改正法の趣旨及び内容の周知に関する事柄につきまして,集中的に御議論を頂きたいと存じます。それについて一定のめどが付きましたら,その次の課題というところに進んでいくというふうな形を考えております。
 本検討会議の検討が実り多いものになりますように,委員の皆様の活発な御議論をお願いいたしまして,御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【小林座長】  どうもありがとうございました。
 それでは,事務局から,配付資料につきまして,説明をお願いいたします。
【里見大学振興課長】  それでは,配付資料につきまして,御説明させていただきます。
 まず,資料1でございます。本検討会議の趣旨でございますが,「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律」が平成27年4月1日から施行されることに伴いまして,各大学において,改正法の趣旨を踏まえたガバナンス体制の総点検と必要な見直しが円滑に行われるようにするため,大学のガバナンス改革の推進方策について検討を行っていただくということが,目的となっているところでございます。
 また,検討事項につきましては,大きく3つに分けてございます。まず1点目が,改正法の趣旨及び内容の周知に関すること。2点目が,国立大学法人における学長選考会議の構成その他国立大学法人の組織及び運営に関する制度に関すること。そして3点目が,その他,大学のガバナンス改革の推進方策に関することでございます。
 それから,資料でございますが,資料2から資料7までお配りさせていただいております。また,参考資料につきましては,番号を振ってございます参考資料1の関係法令,そして,番号はございませんが,参考資料2といたしまして,冊子になっております「大学のガバナンス改革の推進について」が配付されております。また,委員のお手元にのみ,机上配付資料といたしまして各大学における内部規則の例を配付させていただいておりますので,もし不足がございましたら,事務職にお申し付けください。
 以上でございます。
【小林座長】  ありがとうございます。皆さん,資料はよろしゅうございますか。大丈夫ですか。
 それでは,事務局からの説明のとおり,本日は法改正の趣旨及び内容の周知に関することについて,検討を進めたいと思います。本日の検討資料につきまして,委員の皆様には事前に配付あるいは送付させていただいておりますけれども,改めまして事務局より簡単に説明をお願いいたします。
【里見大学振興課長】  本日は,資料4,5,6で御議論をいただきたいと考えております。資料4は,学校教育法及び国立大学法人法の今回の改正の内容でございます。1枚お開きいただきまして,今回改正した内容の部分でございます。概要というところをごらんいただきますと,学校教育法におきましては,副学長の職務について,それから教授会の役割について,この2つの条文について改正がございます。また,国立大学法人法におきましては,学長選考の基準・結果等の公表について,経営協議会,教育研究評議会,この3つの条文の改正がございますと同時に,附則が付されております。施行期日は,27年4月1日を予定しているということでございます。実際の条文につきましては,お手元の資料をごらんいただきながら,本日御議論いただきたい資料5と資料6を御説明させていただきます。
 まず,資料5でございます。本日,中心的に御議論いただきたい内容でございますが,施行通知でございます。この法律の改正を受けまして,大学に対しまして,こういった内容の趣旨で改正がされているということを周知するための文書でございます。
 まず,冒頭,改正の趣旨でございますが,これは国会でこの法律の提案の理由説明ということで御説明をしている内容でございます。「大学が,人材育成・イノベーションの拠点として,教育研究機能を最大限に発揮していくためには,学長のリーダーシップの下で,戦略的に大学を運営できるガバナンス体制を構築することが重要である。今回の改正は,大学の組織及び運営体制を整備するため,副学長の職務内容を改めるとともに,教授会の役割を明確化するほか,国立大学法人の学長の選考に係る規定の整備を行う等の所用の改正を行ったものである」ということでございます。
 改正の概要といたしまして,まず学校教育法の改正につきましては,全ての国立,公立,私立,構造改革特別区域法に基づいて設置されている株式会社立の大学,そして短期大学に適用されるものでございます。まず,副学長の職務でございますが,これまでは「学長の職務を助ける」と規定されておりましたけれども,これからは副学長が自らの権限で校務を処理することを可能にするという趣旨から,「学長を助け,命を受けて校務をつかさどる」に改めたものでございます。また,教授会の役割の明確化につきましては,これまで「重要な事項を審議する」と規定されてきたものにつきまして,決定権者である学長等に対して意見を述べる関係にあるということを明確化するため,「教授会は,学生の入学,卒業及び課程の修了,学位の授与その他教育研究に関する重要な事項で教授会の意見を聴くことが必要であると学長が定めるものについて,学長が決定を行うに当たり意見を述べる」ということ。そして,「教授会は,学長等がつかさどる教育研究に関する事項について審議し,及び学長等の求めに応じ,意見を述べることができること」としたものでございます。
 2点目の国立大学法人法の改正でございますが,これは全ての国立大学法人及び大学共同利用機関法人に適用されるものでございます。1枚繰っていただきまして,学長選考の透明化でございます。国立大学法人等の学長又は機構長の選考につきましては,学長選考会議又は機構長選考会議が定める基準により行わなければならないこと。そして,学長等の選考が行われたときは,当該選考の結果その他文部科学省令で定める事項を,学長選考会議が定める基準とともに,それぞれ遅滞なく公表しなければならないというものでございます。2点目は経営協議会でございますが,経営協議会の現行の委員は2分の1以上が学外者となっておりますが,これを過半数と改めるものでございます。教育研究評議会につきましては,副学長が校務を分掌する者に当たる場合には,これを評議会に加えるというものでございます。その他でございますが,これは省令の規定を予定しているものでございますが,国立大学法人の職員は,法律上,学長等が任命するものとされておりますけれども,学部,研究科,大学付置の研究所,その他の重要な組織の長の任命は,学長又は機構長の定めるところにより行うものとすることを定める予定でございます。
 施行期日につきましては,いずれも27年4月1日からの施行でございます。
 以下,留意事項でございます。副学長の職務につきましては,2ページから6点お示ししております。また,教授会の役割の明確化につきましては,3ページのマル1から5ページのマル15まで,お示しさせていただいております。2につきましては,国立大学法人法でございますが,学長選考の透明化につきまして,マル1から,次ページに参りまして6ページのマル7まで,それから,経営協議会,教育研究評議会につきましても,個別の留意点につきましてお示しさせていただいております。
 また,6ページでございます。今回の改正の基本的な考え方ということでございまして,直接的な条文の改正に加えまして,どのような理由で改正をしたのかということを明らかにさせていただいております。
 まず,1点目でございますが,大学の自治の尊重。基本的には今回の改正によっても大学の自治の考え方を変更するものではないということを明記してございます。
 2点目といたしまして,権限と責任の一致ということでございまして,学校教育法は「学長は,校務をつかさどり,所属職員を統督する」と規定しておりまして,学長は全ての校務の責任者であるということ,それから教職員の指揮監督者であるということを明らかにしておりますが,この規定に変更はなく,学長が責任を負うという前提で全体の構成を作るべきであるということを権限と責任の一致と表しておりまして,7ページに参りますが,一方で教授会は審議機関ということを引き続き明確化しておりますけれども,教授会が仮にその判断を行うことによって学長の判断が拘束されるような仕組みとなっている場合には権限と責任の不一致が生じるということがございますので,責任を負う者が最終決定権を持つ仕組みに見直すべきであるということを示しております。また,学長が教育研究に関する判断を行うに当たって一部の判断を委任することは法律上禁止されるものではありませんけれども,学長が異なる判断を行う余地がないような形で権限を委譲することは法律の趣旨に反するということでございます。
 また,3点目といたしまして,内部規則の総点検・見直しをこの法律改正の機会に行っていただきたいということでございます。
 4点目は,学長の業績評価でございまして,学長が権限を持つということは,その業務の執行が適切に行われているかを学長選考会議あるいは監事その他評価等において適切に業績を評価するということを行う必要があるということでございます。
 5点目といたしまして,学長と理事会の関係でございますが,私立大学におきましては,設置者である学校法人がその運営について責任を負い,最終的な意思決定機関と位置付けられておりますが,8ページに参りますけれども,この点につきましては変更がございません。
 6点目でございます。公立大学における,学長,学部長,その他の人事につきましては,従来どおりの法律の定めによって行われるということで取扱いに変更はございませんが,学長の選考におきましては,国立大学法人が透明性を高めた選考を行うということに改まるということを踏まえて,自ら透明性の高い選考が行われるよう見直しをしていくということが重要であることを示しております。
 7点目といたしまして,私立大学におきましても,基本的には理事会が最終決定を行うという人事上の取扱いに変更はございませんが,国立大学の例に倣いまして主体的な見直しが必要であるということを示しております。
 また,8点目といたしまして,大学に多様なステークホルダーが参加するということが重要であり,適切な情報提供を行うことが重要であることを示しております。
 以上,概要を御説明いたしましたが,施行通知に盛り込む内容をきょう御審議いただきたいと同時に,資料6でございますが,このことを大学がそれぞれチェックをするための内部規則と運用の見直しのためのチェックリストというものを設けております。1枚目が,学校教育法に関するチェックリストでございます。2枚目が,国立大学法人法の改正に関するチェックリストでございます。大学自らがこのチェックリストを用いまして確認を行っていただき,内部規則の見直しに役立てていただくという趣旨で用意しているものでございます。
 以上,駆け足でございますが,資料を御説明いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

【小林座長】  説明,ありがとうございました。
 それでは,資料5,資料6,今,説明あった資料でございますけれども,今回の法改正の趣旨や留意事項が各大学に適切に伝わるか,また,各大学において法改正の趣旨を踏まえた内部規則の見直しが行われるかという観点から,留意すべき点,あるいは,いろんな意味での御質問,御意見,何でも結構ですので,お願いしたいと思います。
【西川委員】  委員の西川知雄でございますが,私は東北大学の監事を約7年半務めさせていただきました。それで,今回の法改正に関する国会での審議の議事録,それから配布資料5と6は,あらかじめ我々の手元に届いておりましたので,詳細に見させていただきました。詳細はよくできているのですが, 2つ,大きな点で欠けていると思いました。
 1つ目は,本会議は大学のガバナンスの検討会議です。ガバナンスというのはいろんな意味があると思うのですけれど,基本は権限と責任の一致ということに大体まとまるのではないかと思います。しかし、資料5の案で書かれているのは大半が学長の権限の拡大ということが主眼になっていて,最後の方に少し書かれてはいるのですけれども,学長の責任というものが何かということがほとんど書かれていない。経営の責任とか,学務の責任とか論じられていますけれど,一体,具体的にどんな責任で,誰に対する責任かという観点が欠けていると思います。
 2番目は,ガバナンスということを今議論しているのですが,国立大学の立場からなのですけれども(私学も若干関係あると思うのですが)ガバナンスというのは基本的には国民のためのガバナンスでないといけないと思います。例えば東北大学でも,約1,700億円ぐらいの総事業収入があって,その内運営費交付金は500億円弱です。この数字から大学の経営は,そんなに国費に依存してないのではないかとも思えるのですが,科研費とか,補助金とかを全部入れると大半は国費を使っています。ガバナンスは国民のために強化すべきだという意識を特に国立大学においては徹底すべきであって,学長と教授会だけの(それだけではないと思うのですけれど)問題に矮小化すべきではないと思います。
 最後に,最終的には内規とかそういうものが策定されるのでしょうけれども,国会の議論とか法の趣旨等を検討しても,学長にも事務局もよく分からないところがたくさんあり過ぎると,一々,文科省にお伺いを立てて,これはどうかとか,どうですかとか,聞かざるを得なくて,目が文科省にずっと向く。これは,昔,苦い経験があって,金融庁を設立したときに,(事後検査のためにということで金融庁の検査ができたのですが)結局は,曖昧なところがたくさんあったために,一々,金融機関が金融庁にお伺いを立て,事後検査が逆に事前の金融庁コントロールになってしまったという経験があります。そこで将来,一々,文科省にお伺いを立てなくてもいいような内規の作り方というのを周知徹底するということが,重要だと思います。
 あと,いろいろと個別の内容についてコメントはあるのですが,主要な点だけ述べさせていただきました。
【小林座長】  西川委員,ありがとうございます。
 時間の都合もありますので,皆さんの御意見を承った後で,省の方からいろいろコメントをお願いしたいと思います。是非,皆さん,せっかくの機会ですので。
 よろしくお願いします。
【庄山委員】  委員の庄山でございます。資料5と6を見させていただいて,学長の権限とか,学長選考会議の在り方だとか,これは非常に明快に書かれていると思います。この主旨でやっていただくのが良いと思います。問題は,各大学がもっと自主性に目覚めなければならない問題じゃないかというふうに,常々思っています。したがって,これを徹底させるためには今の学長が音頭をとって必死にやらないといかんと思います。大学によっては学長の交代期が来年4月までの間になっていたり,何かいろんな問題があるのに対して,例えば,学長選考会議で決めてもらうことかもしれませんが,暫定的に今の学長の任期を延ばすとかして,学長が先頭を切って学内をまとめ,各大学の特徴を見直し定める必要があります。そのために,今回暫定的にそういうルールを作るとかして,現学長が中心になって学内のルールの見直しをする必要があると思います。学長の任期を少し延ばすとか,幾つかそういう大学があるようにも聞いておりますので,そうしたらどうかなというふうに思っております。
 それから,それぞれ各大学の内部規則に先生方も参加して,その大学をどういうふうにしていくのだということを、きちっと希望を込めて書き込むということが非常に重要だと思います。
【小林座長】  ありがとうございます。
 ほか,いかがでしょうか。どうぞ,どなたからでも。
 北城委員,よろしくどうぞ。
【北城委員】  委員の北城です。基本的には,今回の法律改正に対して各大学がどのような学則ないし内規を設定すべきなのかということについてかなり詳細に書いていただいているので,多くの大学にとっては,これだけのことがあれば,決めることができるのではないかと思いました。
 その上で,大きなこととしては,学則等を見直すようにという指示は出るのですけれども,内規とか学則の見直しが行われて本来の法律の趣旨にのっとった学則ができたということをどう保証するかということです。これは,国立大学等に関しては例えば学長が,全ての内規あるいは学則の見直しが行われ,法律に反する点はないというふうなことを文科省に報告していただいた方がいいのではないか。その際,監事の監査を受けた上で報告をしていただく。当然,私学に関しても,私学助成金等を受けている学校に関しては,やはり文科省に提出をしていただく。私学の場合には理事長かもしれませんけれども。公立大学については設置責任者へそうした報告を出すということで,ともかく見直しを全て行って問題ないということを学長が保証する。そしてそれは、監事が見た上で保証するということを行ってもらった方がいいのではないかということです。
 それから,今日の議論は法律の改正に関することで,国立大学法人の運営等については今後審議をするということなので,今後の課題かもしれませんが,今回、公立大学と私立大学における学長,学部長その他の人事というのは8ページの(6)とか(7)に書いてあるのですが,公立大学の学部長の選任とか研究科長の選任についてはどこにも触れていない。この点に関して,実は大学運営にとって非常に重要な学部長とか学科長,研究科長の選任というのも学長が定めるべきだと思いますし,本来,学長が全ての責任を持っているということであればそれはできるのだと思うのです。しかし,多くの大学では,国立大学も私学もそうですけれども,学部長等の選任はその学部の教授会の意向を受けて選任するような例が多いのです。少なくとも国立大学に関して,今回の法律改正では学部長の選任のことは法律に書いていません。学部長とか研究科長の選任方法について,ここで議論をするのか,あるいは今後の国立大学の運営についての審議の中でも構わないのですが,これを取り上げないと重要なところが抜けてしまうのではないかということです。
 あとは文書の中の細かいことを少しお話ししたいと思うのですが,まず,資料5の1ページ目の副学長の職務のところです。多分,「学長を助け,命を受けて校務をつかさどる」という,「つかさどる」の中に入っているのだと思うのですが,学長に権限もあるし責任もあるということなので,当然,副学長も権限を与えられているからには責任もあるという理解をするような形がいいのではないかというふうに思います。
 それから,3ページ目の下の方で,教育研究に関する重要な事項に関して,教授会の意見を聞いて定めることとあります。何に関して教授会の意見を聴くことが必要であるかということで,教授会の意見を聴いて定めると書くと、教授会の方針と違うことを定められないように見える。学長が基本的には定めるのだと思うのですが,この辺の書き方はちょっと考えていただいた方がいいのではないかと思います。
 それから,5ページ目の国立大学法人法の一部改正の中で,マル5でしょうか,学長の任期について,「現学長等について」というようなことが書いてあるのですが,多くの国立大学で学長の任期については,例えば,4年,2年とかいうようなことを決めている大学が多いのですけれども,例えば,4年,2年,あるいは1期6年の任期が終わったときに再任を認めないような内規を作っている大学がたくさんあると思います。本来,法律では再任が認められるにもかかわらず,再任を認めない内規ができている。これも,学長選考会議でそういう内規を改正すればいいのかもしれないのですけれども,学長の任期についてもう一度再任するというようなことの改正は誰が行う権限を持つのか。学長に最終責任があるのだったら学長が変えられるのか,それとも学長ではなくて学長選考会議がこれを作らなければならないのかについても検討する必要があります。学長選考会議の構成については,今後,国立大学に関して見直しを行う際に、この法律改正の施行に関する検討の後に審議する時間があるので,そこでお話ししてもいいのかもしれません。
 それから,今回の改正で規則の見直し等が行われて、法律に違反しないということを学長が誓約した上で,実際の内規等について何らかの理由で改正が行われなかった場合にどうするか。特に,現在は教授会が内規を規定するような規定を持っている大学は,現行の法制度あるいは学校の内規においては教授会が賛成しないと内規の改正もできないようなところがあるので,それに対してどういう対応をするのかというのは,考えておかなければならないのではないかということです。
 あと,資料6の方ですけれども,1ページ目のマル2のところで,最終的な決定権が学長にあることが担保されているかということですけれども,学長が異なる判断をした場合の対応として、括弧書きで差し戻しや拒否権の行使と書いてあるのですが,差し戻しや拒否権の行使だけだと、学長は違う判断ができないように聞こえると思います。差し戻しだけではなくて、別なことを決められるというような形の方がいいと思います。
 それから,マル5の中の教員人事に関してですが,ここにはポストだけを書いてあるのですが,教員の任命だとか,場合によっては退任というようなことに関しても学長が権限を持っていると書いた方がいい。配置だけではないと思うんですね。教員の人事権については学長が持っている。私学の場合には、多分理事会が持っているので,ここでは国立大学を想定して文書ができているのかもしれませんけれども,多少,私学に関しては理事会があるということを全体の文書の中で見直しておいた方がいいのかもしれないということです。
 以上です。
【小林座長】  どうもありがとうございます。
 ほか,いかがでしょうか。お願いします。
【黒田委員】  黒田でございます。私は私学の立場からちょっと発言させていただきたいと思いますが,まず,この法改正について大変御尽力いただきまして,ありがとうございます。
 私学の立場で言いますと,資料5の(3)の内部規則の総点検・見直しの中のマル2に「学長が最終決定権を行使できるように担保されているかという観点から行うことが必要である」ということが書いてありますけれども,私学の場合は学校法人の理事長が最終決定権者であるわけでありますので,ちょっと誤解が生まれる可能性があると思います。といいますのは,私学の場合は学校法人が人格を持った法人であって,大学は人格がないわけです。学生が事故を起こした場合でも,理事長がその責任をとることになって,理事長が罰せられるということになる。学長は何のおとがめもないというのが,私立大学なんですね。そういうことがありますので,学生が褒められることは学長が前面に出てやっていただくのですが,事故があったときは全て理事長に責任があると,今の法体系ではそういうことになっています。ですから,学長が最終決定権を持つという範囲,これを少し限定しないといけないと思いますし,また,私立学校法と学校教育法の間の取り合いというのはいまだに不明確なままで来ているわけですが,学校法人の理事会の最高意思決定と学校教育法で言う学長の最高意思決定,この間の取り合いですね。私学の場合は理事長が学長を任命することになっていますから,任命した段階で学校教育法上の学長の権限が付与されるということになると思うのですが,私学によってはその中で理事長が学長に権限を委譲するに当たって限定的に委任しているところもあるわけですね。そういうところをどういうふうに解釈するのか,その辺が非常に難しい。私学はいろんな経営形態を持っていますので,難しいことがあるというふうに思います。
 それから,8ページの(7)の私立大学における学長,学部長その他の人事というところで,マル1はこれでいいと思うのですが,マル2のところのただし書きがちょっと気になるところであります。「学長の選考については,私立大学においても,建学の精神を踏まえ,求めるべき学長像を明確に示し」ということになっているわけでありますが,学校法人というのは建学の精神で学校法人全体の教育目的というのは定められているわけですね。それにのっとって選考される学長というのは任期中に何をしていただくかということが理事会側から示されて初めてその学長が職に就くということになるわけでありますので,当然にして新しく選ばれる学長というのは何をするかということのミッションステートメントをちゃんと発表するということになるわけです。そういうことをやりながら私学というのは運営されているということでありますので,「学校法人の主体的な判断により見直していく」ということですが,それが確実にされていないところは見直してほしいのですけれども,「学長像を明確にし」という,この言葉がちょっとひっかかるのです。学長像とは何ぞやということになるのですね。これは一般的に言いますと,法的にこれを整備しますと,どの私立大学も同じような学長像になってしまう。そうすると私学の特色がなくなってくる可能性があります。そういう意味で,この辺は私立大学の理事会が自由に決められるようにしていただきたいなあというふうに思っております。
 それから,(8)の多様なステークホルダーの参画でありますけれども,もともと私立学校法上では評議員会というのが置かれているわけですね。これは諮問機関です。一部,決定機関になっているところもありますけれども,評議員会というのは理事の総数の2倍以上を置くことになっています。その中で,その大学,学園の職員の中から選ぶ者,それから,卒業生で25歳以上になった中から選ぶ,学外の学識経験者から選ぶということになっていますので,この評議員会というのが一種のステークホルダーに対する説明。ここでは,予算の事前の審議をしていただいて,理事長があらかじめ評議会の意見を聞くことになっていますので,そこで議論をしていただく。決算については,決算報告をして,その意見を求めるということになっています。ですから,法的には大きく社会に向けてそこで発信をしているということになるわけですが,それ以外に,今は情報公開の時代ですから,各大学,情報公開をホームページなんかでやっているということでありますので,この辺のことは,あえて私学に対してステークホルダーの大学運営への参画ということを言わなくても,学校法人の評議員会の機能をしっかりしていただくということで足りるのではないかというふうに思っております。
 それから,細かいことですが,資料5の中に,例えば3ページの(1)のマル5のところですが,これはところどころで出てくるのですが,何々することが望ましいこと,ということが書かれているのですね。望ましいということは,やらなくていいということになるわけでして,望ましいと書いておれば,やらなくていいと言われてしまえばそれまでで,この改正は本学ではできないのだということであれば,やらなくていいということになりますので,この辺の表現は少し変えていただいた方がいいのではないかというふうに思っております。これが4か所か5か所出てきますので,その辺よろしくお願いをしたいと思います。
 以上です。
【小林座長】  ありがとうございます。
 じゃあ,安西さん。
【安西委員】  安西でございます。大学のガバナンス全般に関する大きなことについてはこの会合でまたの機会があると思いますので,きょうのところは資料5と資料6について多少申し上げたいと思います。むしろ質問でございますけれども,資料5の施行通知はどういうステータスになるのか。これを大学側が受け取って,それで実行するということが求められると思うのですけれども,実行したということはどのようにして大学側が責任をとるのかという,施行通知ということのステータスを教えていただけると有り難いです。
 それと,今,黒田委員が言われたように,その中でやらなければいけないこととそうでないことというのはどういうふうに分かれているのかということが,多少,この文章を読ませていただくと,課題なのではないかと思います。
 それから,資料6につきましては,細かいですけれども,マル3の具体的な確認事項のところに「「必要なものとして学長が定めるもの」が,あらかじめ定められているか」とありますが,この「あらかじめ」というのは,どういう時点をもってあらかじめと言うのかということが分からない。定めるものが何かということを定める方法があらかじめ定められているということなのか。つまり,学長の就任時に全て,意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるものを定めるということなのかということが,少し不明確だと思います。
 あと,資料6で「広く周知されているか」「周知されているか」というところが幾つかあるのですけれども,これも,何をもって周知したというふうにみなすのかということは,どういうふうに受け取るのか。私も答えが分かりませんけれども,大きな課題というのは,学長,執行部が分かっていても,大学の教員あるいは教職員全体に,一人一人になかなか伝わらないということがありまして,例えば何かの通知でもって学内の通知1枚でそれを周知したということにされると,ほとんどの教員の側はそのままになってしまう可能性が大きいのではないかというふうに思います。
 あと1点,各大学の内規を拝見しておりますと相当複雑になっておりまして,それをこの機会に整理していただくことができるかどうかということです。資料6を拝見していると,これをチェックすればいいのだというふうに受け取れるのですけれども,内規が各大学によって非常に入り組んでおりまして,それについての整理というのはいつの時点でどういうふうに行われるのかということも,伺えればと思います。
【小林座長】  ありがとうございます。
 結構時間が押していますので,済みません,1人2分ぐらいでお願いしたいと思いますので,まず御質問だけ頂きまして,最後にお願いいたしますね。
 どうぞ。
【山森委員】  委員の山森です。昨年まで9年半,富山大学の常勤監事をしておりましたので,その経験から申し上げます。
 資料5の2ページ目,経営協議会,ここでは経営協議会委員を任命するということでありますが,ただ,経営協議会委員を任命した後も,なかなか出席されない方が相当いらっしゃるということがありました。特に自治体の長を任命されますと,大体,予算の時期と重なるものですから余り出席率がよくないということでありますので,できれば経営協議会には半分以上は出てきていただきたいというようなことも,盛り込んではどうかと思います。
 それともう1つ,経営協議会の委員がほぼ学長選考会議の委員になられます。その場合も同様で,最後の学長選考をする会には出るけれど,その前の準備段階,例えば,規則を作るとか,あるいは求められる学長像を策定するとか,そういったことには出られないこともありますので,学長選考会議の委員につきましても,なるべく出ていただく方を選ばれるようにお願いしたいと思っております。
 以上です。
【小林座長】  ありがとうございます。
 あと,いかがでしょうか。
【白井委員】  白井ですが,一言だけ。この説明,どういうふうな位置付け,安西さんと同じように私もよく分からないところがあるのです。これに沿って作業を皆さんやるのだと思うんだけど,この法律改正と余り関係のないようなこともたくさん書いてありますね。それは気分としては非常に分かるのですが,さっき西川委員がおっしゃったように,もうちょっと大きく問題を捉えるべきだというようなこと,私も非常に賛成ではあります。しかし,法律改正をやって,それに沿ってこれを実行しなさいというときには,もうちょっと絞って分かりやすくした方がいいのではないかなという気もしないではない。
 それから,黒田委員の言われたようなこともあって,要するに法律関係で矛盾すると言ったら何だけれども,特に私学に関して言いますと,教育基本法,学校教育法,全体にトーンが私立に初めのところから合わないんだよね。そんなことがありますから,余り厳密なことを言うと非常にややこしいことになるという意味で,余りそういうところに触れたくないという気がするんですよ。今回の法律改正でこういうことを狙っているのだから,ここはちゃんとやろうというようなことだけしっかり伝達していただけるような,分かりやすい形がいいのではないかなというふうに思う。この答申に沿ってできるだけのことを盛ったことは分かるのですが,ちょっとそういう印象を持つ。特に,教授会がやるべきことを定めると,書いてありますね。学長の方からそれを言うのだというんだけれども,この言うところのプロセスが多分,内規とか何かで非常に細かく入り組んで各大学は実際上決まっているわけですね。ですから,ここを整備するのは結構大変なことじゃないかなという気もします。そこは少し理解してあげないと,定めているのだから定めりゃいいじゃないかというふうには簡単にはいかないというふうに,ちょっと思います。
【小林座長】  ありがとうございます。
 關委員。
【關委員】  關と申します。今,それぞれの委員の方々からいろいろとお話が出まして,全く私も同感であります。資料5あるいは6にうたっている問題についても,受け側の大学としてはどのような形でこれを受けていくのかという問題があるわけでありますけれども,私はスタートの段階でまず一つ申し上げておきたいことは,1つ法律が出来上がりますと全く変えることが出来ないというのが今までの日本の社会システムの状況でありました。今度,文科省が大変頑張っていただきまして,国立あるいは私立が求めるような,いわゆる大学改革の方向付けをしていただいたということは,大変ありがたく感じている者の一人です。
 ところが,法律ができましたということで,じゃあ今までのように,大学の組織というものは御承知のとおり安全パイを最も好む社会であるわけでありますから,このガバナンス改革を徹底しろといっても,どうやってやるのというのが,現実の姿じゃないかと思うんですね。そういうことでガバナンス改革をこの際徹底的に加速させるということが必要であるわけでありまして,それじゃあどういう人をトップにたてるか,あるいは,先ほどお話がありましたように,トップに立っている人がいると。立っている人もガバナンス改革というものをどのようにやったらいいのですかということについての能力を発揮できるような体制であるのですかということを考えてみないといけないと思うんですね。そういう意味で,能力が発揮できるようないわゆるガバナンス体制ということをとるには,今,誠に失礼なことを申し上げるようでありますけれど,学長さんが我が大学におけるガバナンス改革をやっていく上においてどのようなことをマネジメント体制としてやっていけばいいのですかということを聞いても,恐らく,分からないと,あるいはできないと言う方が多いのではないかなと,こう思うわけでありまして,そういう意味では,まず学長さんに,マネジメントとはどういうことなのかという,マネジメントをまず教えなければ,あるいは,こういう方法でやるんですよということを言わなければ,恐らく,この文面を受けて,分かりましたと,マネジメントはこういうふうにやりますということができる体制ではないと思うんですね。
 したがって,私は,この体制を受け入れるためには相当の時間が掛かるのではないかと思うんです。しかし,時間を掛けておったのでは,来年4月からスタートするわけでありますから,これはできるはずがないですね。恐らく,私は相当,これは時間を掛けなければ。ということは,受け取る側でもって,分かりましたと,じゃあその方向でやりましょうという体制の学校が一体どのくらいあるのかということを,私も長年,国公私立大学に関わりを持ってやってまいりました経験から見て,恐らくそう簡単には答えが出てこないだろうと。既に,こういう問題が出されておっても,うちの大学は独自に今までの方法でやっていけばいいのだというような学校もあるやに聞いております。ここで問題提起をすると申し訳ないのであえて言いませんけれども,この様な学校もあります。
 しかし,またもう一つの例で,大学改革,いい方向ができました、学長改選期に当たりまして手を挙げました、大学改革を徹底的にやりましょうと。この学長は,選挙の結果どうなりましたか。文字どおり,ご想像のように落選でした。そういう環境下に置かれた学校のマネジメントを行うわけでありますから,これは組織的にまず徹底的に組織の機能強化を行わなければならないということになるわけでありまして,それをいわゆる,何と言ったらいいのか,文科省から一方的に言えば,文科省の独断でまたやるのかというようなことになるのではないかと思うのですけれども,そうじゃなくて,いい意味での解釈を行うことによって,文科省から相当の指示を出すことによって徹底改革の道筋を付けていくようにしなければ,私はできないのではないかと思います。そういう意味での組織の点から,それぞれの大学,大中小がありますから,それぞれありますけれども,どういう内容の規則を我が大学ではとって,大学改革の,そして学長のガバナンスが十分発揮できるような組織体制を作ります、ということを至急提出させる必要があるのではないかと思うので,それをやらなければ,恐らく,文科省としてはせっかくこれだけのすばらしい改革の内容を作り上げて,これが望む期内には出来上がらないのではないかと思います。私はあえて嫌なことを発信いたしましたけれども,そのようにやっていただくことが大事だなと,このように思っておりますので,よろしくお願いをいたします。
 資料5,6の内容に関わる問題でどういうことが今抜けているのかということで,組織上の問題としては,こういうものを入れていただきたいと,あるいは入れるべきだというものがありますけれども,これは次回の会合のときに改めて発信させていただきたいと思っています。
 時間の都合もありますので,これで失礼をさせていただきたいと思います。
【小林座長】  ありがとうございます。
 済みません,時間が来ていますので,最後に是非,松本委員にちょっと一言と思っておるのですけれども,きょうの皆さんのいろんな御質問に関しては次回の冒頭にまとめて御返事するということでよろしゅうございますか。済みません,ちょっとお時間がありませんもので。
 じゃあ,先生。
【松本座長代理】  ありがとうございます。委員の松本です。
 今回,法律が改正されまして,施行通知を出していただくということで議論をさせていただいているのですけど,各委員がおっしゃったように,国立大学の場合,大中小,規模はいろいろありまして,大きな大学は,長い100年以上の歴史があって,学部自治という名前でそれぞれの学部がそれに適したような運営をしてこられました。私も学長をほぼ6年やらせていただきましたけれども,十分な議論をすれば,大学ですから,大体いい方向に行くんですね。ただし,時間が掛かるというのは,否めない事実であります。これは,大きな大学であれば,組織が大きいというだけではなくて,プロセスがそれぞれ違いますので,マッチングに時間が掛かるということがあります。そういった意味で,今回,もう少しスムーズに意思決定ができるようなシステムが必要ということで内規の改正ということも通知に含まれることは,歓迎すべきことではないかと思います。
 ただ,内規の改正も,御指摘ありましたように,即座にできるかどうかについては,これは非常に難しいという気がしております。十分に議論をして,まず,学校教育法,国立大学法人法の趣旨というものを構成員が理解する。それすら理解してない人がまだまだおられますので,それを十分踏まえた上で今回の改正をよく理解していただく。その上で,こういう点が問題だと,資料6にありますようなものが来ますと,ようやくその内容についての議論がスタートするのだと思うんですね。月1回ぐらいのペースで,教育研究評議会をやりますから,4回やりましても4か月掛かるわけですね。ですから,3月までに迅速にやったらどうかという御意見がありましたけれども,迅速性については最大限の努力はすると思いますが,きちっとしたものができるという事も重要ではないかというふうに受け止めております。
【小林座長】  ありがとうございます。
 済みません,当初から本当に不手際で時間が延びまして,申し訳ございません。くどいようですけれども,きょうのいろんな御質問あるいは御意見等につきましては,それをまとめていただきまして次回の冒頭にお話しいただくということを是非お願いいたします。
 きょう,皆さんの話を承っていて感じますのは,やはり権限と責任ということで,いわゆる権限委譲をするのであれば,きちっとした責任規定というのを作っておく必要がある。それは副学長をどう活用するかということになります。
 それと,いろんな会議が,大体,大人数になるというのは何も決まらないことを意味しますので,是非厳選したメンバーでということで,きょうのこういうのが非常にいいのではないかと思いますが,これが20人,30人になりますと会社でも全く決まらないので,今,どんどん少なくして10人前後という会議が圧倒的に多いので,是非,いろんな大学での会合もそんな方向でというのはいいと思います。
 済みません,これでとりあえずきょうは終わりますけれども,もし御意見等あれば,事務局の方に別途御連絡いただきたいと思います。それで,8月の次回の会合の冒頭に,ちょっと10分ほど時間を頂いて,きちっとコメントを省の方から頂ければと思います。
 じゃあ,事務局にお戻しします。

【里見大学振興課長】  ありがとうございます。
 それでは,お時間の都合もございますので,資料7でございますが,次回の会議は,8月11日,金融庁におきまして予定をしております。
 また,きょう御議論いただきました個別の文言につきましては,事務局でもお預かりしておりますが,改めまして,特にこの点がというのがございましたらば,メール等によりまして事務局にお寄せいただきましたら,修正につきまして御対応させていただき,座長と御相談させていただきたいと存じます。
 また,周知の方法につきまして,特に周知とフォローアップの方法につきまして,きょう御意見が出ているかと思いますので,改めまして役所の方から御説明させていただきますが,9月2日に説明会を予定しているということをあらかじめお伝えさせていただきたいと存じます。
 以上でございます。
【小林座長】  それでは,これをもちまして閉会といたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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