学校法人会計基準の在り方に関する検討会(平成24年度)(第7回) 議事録

1.日時

平成24年12月20日(木曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 学校法人会計基準の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

大橋委員、片山委員、工藤委員、桑田委員、佐野委員、鈴木委員、高橋委員、徳田委員、村山委員、森本委員、渡辺委員

文部科学省

小松私学部長、牛尾参事官、西山学校法人経営指導室長、岸本私学経営支援企画室長、田辺専門官 

5.議事録

【大橋座長】 
 それでは,第7回の学校法人会計基準の在り方に関する検討会を始めさせていただきます。
  初めに,事務局から資料の確認をお願いいたします。
【田辺専門官】 
 それでは,資料の確認をさせていただきます。
 最初に今日の座席表が入っておって,1枚めくると議事次第でございます。本日は配付資料,全部で2種類ございます。資料1でございますけれども,検討会の議事録,前回と前々回の分。日付がちょっと詰まってまいりましたので,2回まとめて今回は議事録を配付させていただいております。それぞれが1束になっているかと思います。その下に今日の議事のテーマである「学校法人会計基準の在り方について報告書(素案)」というものが,左上の角に黒いクリップで全体をとめるような形で,資料と別々に分けて見られるような状態でとじ込んであるかと思いますので,御確認ください。
 以上でございます。
【大橋座長】 
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは,議事の「基準の在り方について」に入りたいと思います。
 今日は準備していただきました素案について議論したいと思いますので,まずこの黒いクリップでとじてあります素案について,説明をお願いいたします。
【田辺専門官】 
 それでは,素案についての内容を説明させていただきます。
 大きい黒いクリップを外していただいて,最初に本文の束から見ていただければと思っております。
 最初にタイトルがあって,目次があります。1ページ目を開けていただきますと,見直しの背景及び方向性ということで,総論部分が書かれてございます。
 (1)見直しの背景ですが,学校法人会計基準,まず趣旨から振り返り,一番大切な部分が3段落目ぐらいのところ,会計基準は制定以来40年経過してございます。ただ,学校法人会計基準は基本金制度など学校の財政基盤の安定に資するものとして,また補助金上の配分の基礎となるものとして,広く我が国の会計実務に定着しているというところがまず一つあるということ。
 ただ,次の環境の変化というところで,40年の間に社会・経済状況が大きく変化したり,急激な少子化で私学の経営状態が厳しくなったり,ほかの会計基準がグローバル化で変化してきたりなどの背景があり,今回見直そうという方向が出てきたと。
 それに当たって,一番下のパラグラフですが,このことから,20年3月から24年3月まで論点整理の検討会が終わり,その論点整理を受けて,この検討会が8月に立ち上がり,今日まで7回議論を重ね,報告書の素案ができてきたというところでございます。この辺が経緯です。
 1ページおめくりいただいて,見直しの方向性,どんな方向で見直していくのか,基本的な考え方の部分を整理したものです。主に括弧で囲んだ部分を中心に御説明させていただきます。
 私学の特性を踏まえて,財政基盤の安定を図り,私学助成を受ける学校法人が適切な会計処理を行うための統一的な基準としての学校法人会計基準の仕組みは引き続き維持していくということです。助成法に基づき,できた基準ですけれども,この目的は今後も維持すべきであるというところを一つ目に挙げて,次のところが今後どう変えていくかという視点で,学校法人が作成する計算種類の内容をより一般にわかりやすく,かつ経営者の判断に資するようなものにしていきたいということが今回の目的でございます。そういう趣旨にのっとって,これから個別に改正の内容を見ていこうということが書かれております。
 続いて,具体的な内容に入ろうと思うんですが,それが4ページ,Ⅱ,改正内容,改正を検討するという内容でございますけれども,Ⅱ-1から始まって,まず基本金についてということで,4点テーマを掲げさせていただいております。
 一番上,基本金制度は維持しますと。一つ目のパラグラフにありますが,やはり基本金制度というのは,学校の継続的な運営を可能にする観点から,必要な校地・校舎などの基本財産を自己資金で維持していく制度ということで,一番大事な制度である。この基本的な考え方については維持していきたいということで,基本金制度の初めに挙げさせていただいたところであります。
 基本金に対して動かすのは次の3点であるということで書かせていただいています。
 まず第2号基本金に関しては,対応する特定資産を明確にしましょうということを書かせていただきました。というのは,4ページの下段の方にもありますけれども,2号基本金に組み入れないで,同じ施設設備引当特定資産を置いているケースもありますので,それとの差をつけるという観点から2号基本金に対応する資産を明確にする。これが二つ目でございます。
 次,3号についてでございますけれども,3号については2号と違って既に対応する資産自体は明確なんだけれども,それを運用した果実が幾らあるのかということが計算書類上ではわからなかったということがありますので,3号基本金を運用して得た収入,運用収入を明確にする。どれだけ運用収入があったのかということを計算書類上,明確にしようというのが今回の3号の変更点でございます。
 それから,第4号基本金についても対応する特定資産を計上しようという部分でございます。もしこの対応する資産が積み立てられないという事態が生じましたならば,その旨と対応策の注記を求めたらいかがかというのがここでの大きな変更点でございます。
 詳細については4ページから5ページにわたって書かれているところでございますので,その内容を御参照いただければというところでございますが,5ページのあたり,第4号基本金に対応する特定資産の計上の中段あたりで,やはりこの第4号基本金についてはほかの基本金と性格としては異質ではないかという意見もこの会議の中ではあったところでございますけれども,今の私学を取り巻く経営環境を考えると,不測の事態に備えて学校法人が一定の支払資金を持っておくという考え方は,学校法人会計基準においても維持していくことが重要だというふうに考え,第4号基本金制度を維持し,それに対応する資産を特定資産で持っておくべきだという考え方が出てきたということでございます。ここまでが基本金です。
 ページ,飛びまして,Ⅱ-2,資金収支計算書でございます。
 一番上のところ,現行の資金収支計算書を今後も維持するとともに,新たに付表として活動区分別資金収支表を作成することとするというふうになっております。
 本文の方の2行目あたりですが,特にこの資金収支計算書というのは補助金の配分の資料として使われているということもあり,また学校法人の予算管理上,非常に有用な資料として現在でも使われているということなので,これは基本的に維持すべきであるということにしながら,次の活動区分別の表示という括弧の中で,ほかの会計基準等ではキャッシュ・フロー計算書等の流れが進んでいるということ。学校法人についても近年は施設整備が高度化し,資金調達や運用が多様化してきているなど,本業以外の活動も増加してきているということを考えると,一定の活動区分ごとに資金の流れを把握することの有用性はあるのではないかということで,活動区分別の資金収支を作成したいという案を出したところでございます。これが資金収支計算書の変更点です。
 続いて9ページ,Ⅱ-3,消費収支計算書でございます。こちらは4点ほど変更点があります。
 一番上,毎期の収支バランスが把握できるように,現行の基本金組入れ後の収支差額に加えて,基本金組入れ前,いわゆる帰属収支差額の段階でも収支差額を表示できるようにしようということでございます。
 それから,二つ目,いわゆる区分経理の話ですが,収支バランスについて,経常的な部分での収支バランスと臨時的な部分を区分して把握できるようにしたらどうかということを書かせていただいたところでございます。
 次に,消費支出準備金は廃止する,この部分はちょっと後で解説いたします。
 その次に,消費収支計算書を事業活動計算書に名称変更する。これも帰属収入,消費収入,消費支出という言葉が既になくなってしまうということと,資金収支計算書との名前上の重複感等を考えて,新たな名前を提案したところでございます。
 消費支出準備金についてですが,10ページを開けていただいて,若干関連しますので,その前の経常的・臨時的収支バランスの区分という括弧の中から説明させていただきます。
 これが区分経費の話で,経常と臨時を分けるんだよというお話を提案させていただいたときに,特に臨時の部分の支出が非常に仕分を複雑に,区分を複雑にしないように,特定の勘定科目に限定して特別収支の部に持っていくよというふうに整理したときに,例えばということで,「その際」ということで少し書かせていただいたんですけれども,周年記念式典というようなもの,具体的な勘定科目だと教育研究経費とか管理経費とかになる部分に関しては,そこから抜き出して,特別収支の部に持っていくということになると結構煩雑だということもあるので,現状の経常と臨時の区分の中では経常の中に残ってしまうということになります。そうすると,前年度に比べて支出が多くなったときに,その事実がわからないと,利害関係者が見たときに誤解しないかということがあるので,その際,周年記念式典等,特定の年度に特に多額な収入や支出がある場合,この金額の基準等についてはこれから実務指針等で詰めなければいけないかと思いますが,そういったことがあった場合に関しては,その事実と内容について注記すべきであるという考え方を提案させていただこうかと今思っているところでございます。
 それを踏まえて,次に消費支出準備金というところなんですが,消費支出準備金というのは当初会計基準をつくったときの目的としては,特定の会計年度の消費支出にあてるために留保する準備金であり,将来における消費収支の計画的な均衡を図るためのものであるということでできてきた制度ですけれども,今述べたように多額の収入支出が経費等で出た場合は注記することとしたことと,消費支出準備金,実際にはどれぐらい学校法人で使われているかというふうに調べてみましたら,ごくわずか,数法人しかなかったという実態があるということ。それから,今回の改正で計算書の内容をできるだけわかりやすくしたいという観点もあったので,この消費支出準備金というのは廃止したらいかがかという提案にしたところでございます。これが消費収支全体の説明になります。
 続いて11ページ,Ⅱ-4,貸借対照表。
 貸借対照表,ここで直した点は2個,上から二つ目まででございます。現行の貸借対照表については,その構造はほかの計算書と違って基本的に維持しよう,ただ財政状態をよりわかりやすくするという観点から,表示区分とか科目については一部変更したらいかがなものかという提案をさせていただいています。
 二つあって,一つ目が一番上,固定資産の中区分として新たに特定資産を設けると。学校は結構目的を持った引当特定資産が多いので,この分を設けてということ。それから,今基本金の部と消費収支差額の部ということで分かれている部分を一体化して純資産で,総負債に対応する形で自己資金部分と外部資金部分をはっきり分けようというのを貸借対照表については入れようということです。あとは基本金関係とか消費収支関係で,先ほど言ったところの再掲という形になってございます。これが貸借対照表です。
 続いて13ページに行きまして,それ以外,財務3表以外の論点でございます。
 減損会計についてということですが,まず減損会計について先に触れますと,企業に導入されているものと同じような考え方での減損会計は基本的に入れないと。学校法人がそもそも有形固定資産を持っている目的は,売買目的等ではないというところから,基本的には入れないということにしたいと。ただし,最近震災や放射能関係の汚染等の問題でいろいろ出てきたところ,実際に使えなくなっているんだけれども,除却しないとそれが償却できない等,いろいろな問題がありましたので,災害等で使えなくなった施設等については,企業等で使われておる有姿除却といった考え方を導入してはいかがかということもこの減損会計のところにつけ加えさせていただいたところでございます。
 次,2番,金融商品会計基準ですけれども,基本的には取得原価主義を維持していこうという考え方でいくと。ゆえに,著しく評価が下がった場合に評価替えという意味では現状どおりですが,この部分がまだあいまいな部分がある等の意見もありましたので,そこを更に付記させて頂くということと,ただ,評価替えはしないんだけれども,情報だけはきちんと出そうという視点から,金融商品の時価情報を周知しますということ,商品別,固有目的別にはっきり出していくべきじゃないかということを金融商品会計については書かせていただいたところでございます。
 ページをおめくりいただいて,若干時価情報の注記のところで不明確,固有目的別というのは何なのかというのが不明確だったので,時価情報の注記のうち最後の行,金融商品の時価情報を種類別,例えばこんなふうに,公共債,社債,株式,仕組債等,かつ貸借対照表の表示科目別に注記で表示すべきであるという具体的なイメージを少し書かせていただいたところでございます。
 次,3番,退職給付会計のことでございます。主に一時金のことをここで書かせていただいておりますけれども,退職一時金に関しては23年度の時点で会計基準の統一という観点から,期末要支給額の100%に統一したばかりでございます。かつ,金額的にも対象給付会計でやったものと比べて遜色もなく,十分に保守性が担保されているという観点で,現行の取扱いを維持していこう。また,年金の部分に関しては別途検討が必要かなと,ルールが必要かなということを書かせていただいております。
 続いて,15ページ,連結会計の考え方です。
 基本的には学校法人というのは創業者の寄付からできておるというところから考えると,株式会社のような持分の考え方は要らないから,連結は必要ないだろうということなんですけれども,法人の今の経営状態とか財政状態をより透明性を高めるという観点からは,学校法人間取引については広く注記を求めたらいかがかというところを書かせていただきました。
 次,5番,法人の継続性の担保に仕組みについて,いわゆる継続企業の原則,継続法人の前提のことを書かせていただきましたが,ポイントとしては三つ挙げさせていただきました。現状の学校法人の特性を踏まえた継続性を担保するための仕組み,設置基準であるとか,基本金であるとか,今回の改正で入れた4号の積立てであるとか,区分経理であるとか,そういった担保する仕組みの維持又は充実を図っていくということが一つあると。
 あと,二つ目,4号基本金の強化,つまり4号基本金に対応する資産区分をちゃんと持たせるということで,法人の継続性を担保する仕組みを充実していこうということ。
 企業等がやっている継続法人の前提をそのまま入れるということはしないということを書かせていただきました。
 ここまでが内容でございます。
 最後に3番,今後の進め方について書かせていただきました。
 今後の進め方ですが,文科省において,今後本検討会のまとめを踏まえ,速やかに学校法人会計基準,これは文部科学省令に当たりますけれども,これを改正し,施行に向けた取り組みを進めることが望ましいということで,改正を行った後,一番上ですが,2年程度の準備期間をおいて,27年4月から施行したらどうかという書き方にしました。この施行時期というところ,中段あたりでコメントさせていただきましたが,今回提案している改正の内容が大きく学校法人の計算書類の様式を変更するということもありますので,システム対応等を含めますと,なかなか短い期間では対応が難しいのではないかということで,2年間等の準備期間を置くという案を出させていただいております。
 ただ,その場合であっても,二つ目ですが,知事所管法人に関しては,更にもう1年準備期間をおいて28年4月からとし,活動区分別資金収支表,ここに関しては,知事所管法人に関しては本業以外の取引,施設整備とか財務活動は大規模法人に比べるとそれほど大きくないし,頻度もないということで,この部分については作成を義務づけないという整理をさせていただきたいなという御提案になってございます。以上,ここまでがまず本文でございます。
 本文の最後のページに,18ページ,5として参考資料の目次が入ってございます。以上のような5種類の参考資料をおつけしようと思っておりまして,一つ目,財務3表の対比表というやつです。A3の横長カラーで,傍聴席の皆さんは多分A4の形になっているかもしれませんが,もう見慣れた資料かと思います。資金収支,消費収支,貸借で3枚イメージ図が入ってございます。
 前回,6回目まで提案したものと変更になっている部分についてのみ説明させていただきます。資金収支計算書のイメージとして,一番左に資金収支計算書の現行の様式があって,右端に活動区分別資金収支表,組みかえたものが入っておるという様式まで前回提案しておったんですけれども,真ん中に1個新しいものが入っているかと思います。これは資金収支計算書自体,構造は変えないんだけれども,幾つか勘定科目が変わる部分がある。そこをわかりやすくするためにということでつくった資料でございます。科目修正後,資金収支計算書,これを組み替えるんだよというイメージで思っていただければいいんじゃないかなと思います。
 具体的にどこが違っているかというと,資産運用収入の一番左,現行の収支計算書の資産運用収入というところが真ん中に行くと受取利息・配当金収入というところに移っておって,旧資産運用収入の中にあった施設設備利用料収入というのは雑収入の中に移動しておるというところが違うということです。現行の資産運用収入の中の奨学基金運用収入と言っていたものも,先ほどの3号基本金の運用利益部分の明確化という観点から,第3号基本金運用収入というところに1本にさせていただいておったと。その他については,その他の受取利息・配当金収入という形にさせていただいています。
 そういう意味では,すみません,この受取利息・配当金収入の下の小科目,第3号とその他,赤にしておいた方が多分表示としては正しいのかもしれません。これについても変更という意味では変更になります。
 第3号基本金運用収入という形にしてしまいますと,前が奨学基金運用収入だったので,少し奨学基金の運用益がわからなくなってしまうんじゃないかということもあろうかと思います。その場合に関しては,今度新しい基本金明細,特に第2号,第3号の基本金明細の部分で,集計表をつくって,それぞれ基金の目的ごとにどれだけ残高があって,どれだけ運用益が出ているのかということを総括表の中に入れれば,むしろそちらの方が明確になるのではないかと。計算書類上は合計額を出しておいて,付表の方でそれぞれ第3号基本金の種類ごとの運用益,残高などを出していくということで明解性を高めようかなということを考えてございます。
 このページで若干誤植がありまして,申し訳ありません。真ん中の部分で,その他の収入のところで退職給与引当資産からの,これは以前,繰入収入と表現しておったところを今回取崩しという形で御提案いただいて,変えている部分なんですけれども,それに応じて右側も当然変えなければいけなかったんですけれども,右側のところがまだ繰入れのままに残っておりますので,同じようの取崩しに変えていくという提案で,皆さんの御意見をいただきというふうに思っております。資金収支についてはその辺が変更点です。
 1枚おめくりいただいて,消費収支計算書です。消費収支計算書には基本的な構造の部分で変更点はないところなんですけれども,若干細かいところで言うと,特別収支の部のところの現物寄付金だったものを,「寄付金」の形で「金」をつけるとお金の寄付のように見えてしまうということが前回の会でありましたので,「金」をとったというところの変更になります。
 それから,通し番号に両括弧で番号がついておりますけれども,12番と14番です。基本金繰入前当年度収支差額,これは新しく表示するようになったものでございます。その後,基本金繰入があって,14番,当年度収支差額になっております。前回までの御提案では,この当年度収支差額,14番のところが基本金組入「後」となっていたものを,こちら「前」と「後」を入れ替えたということです。飽くまで大事なのは今までどおり収支差額です。収支差額の概念というのは,飽くまで基本金を入れた後,収支が均衡するかが大事でございますので,収支差額という表現にし,基本金繰入前というところに直したということです。左上に注釈がありますが,前期の収支バランスを表示,基本金組入前,帰属収支差額分ということと合わせたというふうに思っていただければいいかと思います。
 もう一枚,貸借対照表については,このイメージ図の中で変更になったのを赤で示させていただきましたが,特に右側の方,大科目と中科目と小科目の分類がわかりにくいという御意見もありましたので,大中小で段をそろえたということと,未払金だとか借入金,学校債のあたりに長短を全部つけてしまった。つけすぎると,逆に非常に見にくいという御意見を頂戴したところでございますので,最低限のところということで,長期未払金と学校債の部分に短期の方だけ1年以内償還予定学校債という表現に変えさせていただいているというところが変更したところでございます。
 ここまでがイメージ図の説明。
 その後に財務3表の様式。実際に学校法人会計基準に書き換える財務3表の様式のイメージをつくったところです。表紙をつけて順番に説明していきますが,基本的に先ほどのイメージ図に書かれていないところで変更になった部分のみ説明をしていきます。
 そうすると,通し番号を下に振っています。全部で12ページあって,3/12というところ,資金収支計算書の支出の部です。人件費からずっと大科目があって,真ん中あたりに設備関係支出というところがあります。教育研究用機器備品の下です。管理用機器備品という形にしました。理由としては,経費の方は教育研究と管理に分けているんだけれども,設備の方は教育研究とその他に分かれておると。これも整合性をとったらどうかという意見が委員から出されましたので,そういう意味で変えてみたところでございます。御意見を頂戴できればと思います。
 あと,それ以外のところで大きく変わったところは,8/12あたりの事業活動計算書のうち寄付金の小科目のところで特別寄付金の後に「施設整備指定分除く」ということで,書かせていただきました。施設設備特定分が結局特別収支の部の方に行ってしまうので,ここからは抜けているんだよということを書かせていただいたというところです。そこが大きな変更点。あとは,貸借対照表のうち先ほどの管理用機器備品のところが変わったというところだけでございます。
 それ以外の資料,全部で残り3枚ついておりますけれども,今回の検討会の要項と,委員の皆様のお名前一覧,それから1回目から第7回目までのざっと簡単な審議経過を書かせていただいたというところでございます。
 すみません,ちょっと長くなりましたけれども,資料の御説明はこれで終わらせていただきます。
【大橋座長】 
 ありがとうございました。
 これまで議論してきていただいたことをこういう形で正に直していただいたということになります。
 この段階で特に大きな問題はないと思いますけれども,一つ一つ確認しながら,この素案を確認していきたいと思います。よろしいでしょうか。
 では,初めの見直しの背景及び方向性について,3ページになりますが,ございますでしょうか。
 3ページの最後のところ,私立学校の基本的な性格,建学の精神だけじゃなくて,大学に培われた文化というようなものについての御指摘があって,こういう指摘は余り,そういったら怒られちゃうかな,文科省の文章にはないかなと思って,大変いいんじゃないかと,格調高いんじゃないかなと思って拝見しましたけれども,ここのところはよろしいでしょうか。
 佐野委員,お願いします。
【佐野委員】 
 基本的に,1ページから3ページまでに書かれた精神については賛同いたします。この会議の冒頭で話題になった,一体どこに軸を置くのか,つまり,報告基準なのか,配分基準なのかについては当時の議論を踏まえれば,実務と折り合いをつけたというところにあったんだと思います。やはりこれは全体を通して,学校法人会計基準が,私学振興助成法のもとでの基準が,配分基準のみならず,社会への説明を果たすべく実務で使われているというところから,この基準を考えるということにあるんだと思うんですね。これはもう承知しております。しかしながら,やはりどこかに精神として,報告責任を果たすべく,基本となる法律は私立学校法であり,その私立学校法で本来報告基準を定めるべきであるんだけれども,やはり実務でダブルスタンダードになってしまうことの負担とか弊害があり,それから現実にこの今の学校法人会計基準が私学の寄附行為で,その学校さんの基準として定められているというところから,現在広く一般に使われている会計基準の修正といいますか,改正に向けて検討したというようなことを,でき得れば,スタンスとしてどこかに入れて頂くことはできないものでしょうか。今更私学法改正の問題を申し上げるつもりは全くございませんが。
【大橋座長】 
 全体として,今,佐野委員がおっしゃったようなことをここに表現されていると思いますけれども,しかし配分基準としてスタートして,それが実務で一般に行われて,かつ現在この段階できちんと一般によく理解できるような報告基準として成り立っていくんですよというような,大きな流れみたいな,位置づけみたいなことを入れたらどうかと。
 お願いします。
【佐野委員】 
 位置づけというよりも,本来やはり会計基準は報告基準として説明して,社会のニーズにこたえるということからすれば,私立学校法での説明責任として,閲覧開示ではあっても,開示すべきとされたわけですので,こちらで統一的に私学全部に対する会計基準の足を置くべきだと。しかしながら,やはり実務の負担であるとか現状を考えると,今あるこの学校法人会計基準の改正について,その配分基準を軸にしつつ,しかも報告基準にもある程度なじむように検討を始めたんだというような意味です。
【大橋座長】 
 おっしゃることはわかるんですけれども,そういうことですね。それをそもそも検討する意図とか目的みたいなことにですか。
【佐野委員】 
 意図とか目的となると,やはり最初に報告,社会に対する説明責任を果たそうよというところからすれば,もしこの現在なじんでいる私立学校振興助成法上の会計基準が意識されていなければ,私立学校法上の会計基準をどうしようかと言う観点から入ったはずなんですね。しかし,実務はそうじゃなかったよと,せっかくあるからこれを使おうよということですから。そうなりますと,振興助成法上の書類の提出義務がないところは,やはり私立学校法に足を置かざるを得ないとなってしまうと思うんですね。
 ですから,具体的に申し上げれば,例えば2ページの枠組みの下にいろいろ書いてありますね。学校法人会計基準うんぬんで,一方でこうだと,これらを踏まえてこうなんだと。このあたりのどこかに私立学校法における開示基準についても検討すべきであるが,現在浸透しているので,これについて配分基準であることを踏まえて,報告の方になじむようにしたんだというようなことが盛り込めないかなと。私立学校法での基準作成というのがどこかに入らないかなと思ったんです。
【大橋座長】 
 なるほど。今まで私立学校法の会計基準として初めからこういうものをつくらなければいけないと,そういう議論ではなかったんですよね。既にある会計の実務とか,助成上の会計を基礎にして,その延長上に会計基準をつくったということになっているという,そのあたりの指摘ですよね。それはそのとおりですよね。それはわかりました。今度最終的な素案の最終案をつくるときに,是非考えさせていただきたいと思います。
 ほかにございますでしょうか,3ページの中で。森本委員,お願いします。
【森本委員】 
 今のところの賛成討論みたいなんですけれども,ほかの会計のグループですと,私の知る限りは,報告書をつくれという1本がありまして,それでつくると,それをどこかに持って行けばいいという形なんですけれども,こちらは報告書をつくれという話は昔からあったけれども,実はそれに対して具体的な話が何もないで過ぎていて,会計基準ができて,補助金がもらえて,40年たってしまったという実態があると。
 それから,最初の方の議論で,法律が二つあって,それをくっつけて何かするというのはかなり難しそうだというのがありましたので,今のように私学法上,これでいいとは書きにくいだろうと思いますけれども,そういうこともあるので考えながらとか何かそんなようなことで,二つあるんだということをちょっとどこかに書いておいていただけると,ほかで説明するときに,学校法人の特徴というか特性ということを説明しやすくなってきますので,ということです。
【大橋座長】 
 会計基準は会計実務をきちんと公の形に整理するという方向だから,自然といえば自然の形ですよね。会計基準をきちんと構成するというのとはちょっと違っていますよね,成り立ちがね。
 何かありますでしょうか。わかりました。それでは,そのようにさせていただきましょう。
 では,次の課題に行きましょうか。改正内容,基本金のところも随分議論してまいりましたけれども,これが6ページまで行きますか,何かありますでしょうか。お願いします。
【桑田委員】 
 特にこれでよろしいのですが,先ほどお話があった,今回基本金の集計表をつくるということで,そこに第3号基本金ごとの運用収入が個別に入るという話だったので,その説明が基本金のところに入るのか,貸借対照表の付表に入るか,わかりませんが,フォーマットか何かを例示して頂くとわかりやすいなと思います。
【大橋座長】 
 そのあたりは。
【田辺専門官】 
 わかりました。具体的な表現は6ページのところに第2号,第3号基本金の組入表はどうたらこうたらで,計画が複数ある場合には合算しないと一致しないから新たに集計表をつくる,これがそのイメージだったんですが,わかりやすいように最終的には様式をつくって出したいと思います。
【大橋座長】 
 ほかによろしいでしょうか。お願いします,佐野委員。
【佐野委員】 
 5ページの4号基本金に関連いたしましては,現在の大臣裁定は今後もともとの収支がなくなりますので,多分修正というんでしょうか,再発出というんでしょうか,しなければいけないと思うんですが,4号を基本金の計算式,裁定額についても検討の余地があるのではないかと私は思うんですが,そのことについて触れることはできないのでしょうか。
【大橋座長】 
 例えばどういう形になりましょうか。
【佐野委員】 
 4号につきましては,大臣裁定額について,計算の根拠となるもとの計算書類はなくなりますので,修正が必要であります。その際に1か月分という概念を維持すべきなのかどうかというのは,ちょっとここではまだ十分議論がされていないと思いますので,大臣裁定について見直す際には,保有すべき4号基本金の額の計算についても見直しが必要であると。結果として1か月になるのか,合意の上で何かふえるのか,その辺はまた検討するべきではないかと思うんですね。ですから,ここで4号についても検討の余地があると,裁定額について,そのことを盛り込んだらどうかという意味ですが。
【大橋座長】 
 これが具体的にスタートすると,どれぐらいを設定するかという基準とか考え方が示されないと,それぞればらばらでは統一した基準になっていかないとか,比較可能性が出てくるというようなことがありますから,これは具体的に出すときには,かつてのように1か月なら1か月なのか,あるいはどのくらいなのかという,そういうのが必要になってきますでしょうね。
【田辺専門官】 
 いずれにしても,おっしゃりとおり,計算書類が変わってしまいますので,変更しなければいけない。その際には検討しなければいけない要素の一つだとは思います。
【大橋座長】 
 これはどういう形でまとまるかにしろ,それを素案の中に入ってくるか,あるいは課題としてきちんとはっきり明示するというようなことになりますよね。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは,7ページからの資金収支計算書の方に行きたいと思います。これは区分を導入して,付表の方,活動区分別の資金収支表を作成するということで議論をしてまいりました。何かございましたら,是非出してください。これも随分議論してまいりましたので,よろしいでしょうか。
 では,先に行きます。9ページの消費収支計算書で事業活動計算書という形で経常的な収支,臨時的な収支ということで表示するということになっていましたけれども,この消費収支計算書について,御意見がございましたら出してください。これもよろしいですね。
 どうぞ,佐野委員,お願いします。
【佐野委員】 
 10ページに関連してですが,先ほどの御説明の中で,経常的・臨時的収支バランスの区分で,「その際」のブロックのところですが,最後のところで,多額な収支は事実と内容について注記すべきであるということについては,後ほど意見をというような御発言もあったかと思うんですが,これは注記すべき論としての提案でよろしいのでしょうかという疑問の投げかけと,あわせまして,消費支出準備金の3行目のところに注記することを前提に取りやめというような書きぶりになっているんですが,これでよろしいのかなという疑問がございまして,ちょっと御質問です。
【大橋座長】 
 初めの注記は,「その際」のところですね。何か説明ありますでしょうか。
【田辺専門官】 
 最初の方,こういう形で注記をするという趣旨については,先ほど御説明したとおりで,いきなり「べき」と書いたことに関しては,不適切だったかもしれませんが,この会で合意がとれれば,こういう方向で変えたいということを提案させていただきたいということと,もしそれが承認がとれれば,次の消費支出準備金,上記のとおり多額の収入,支出については注記することとしたという,「するべきこととした」というふうに書くべきなのかもしれませんけれども,それを前提にした表現で書いたところでございます。
【大橋座長】 
 このあたり,何か積極的に,佐野委員,御意見ありますでしょうか。
【佐野委員】 
 注記について触れているのは,ここだけなんですね。有価証券なんかは別に出てくると思いますけれども,この多額な収入支出の判断,非常に判断が難しいと思うんですね。注記をするから消費支出準備金がなくなるんだというようなロジックになりますと,非常に無理があると思います。消費支出準備金についてはそもそもこの上に書かれている3行,収支均衡概念というのは今後も維持するんだと,これも前のページの9ページに毎期の収支均衡のところで説明があったように,基本金組入れ前と組入れ後,両方表示するけれども,あくまで均衡を果たすように事業計画し,予算策定すべきだという概念は残るんだと思います。そうであれば,この考え方は維持する,収支均衡概念というのは維持すべきであるが,その上でも,更にこの準備金というのは役割が終わったんだと考えた方がよろしいのではないか。何で役割が終わったかと言えば,現在の消費支出計算書の中では,一番下の繰越消費収支すぐのところで出てきますので,そこで調整されてしまう可能性がある。それで,多分多くの学校さんが使っていなかったんだと思うんですね。べた打ちのときには,最後にバランスという意味で役割は一つ見い出すことはできます。今度は区分ごとの収支差額が出てきて,それをまず一義的に見て,活動区分ごとの収支内容をあらわそういうことに主たる軸を置いたわけですから,その役割は終わったということができ,それともちろん実務で非常に使用しているケースは少ないという,ここにお書きになっている現実もあろうかと思いますので,その辺を付加していただければよろしいのかなと。
 あと,上の「その際」と書いてある経常的・臨時的収支バランスのところに書かれた注記の問題,これは特別損益ではなくて,経常収支に入った多額の収支について説明を注記でしなさいという意味であろうかと思うんですが,先ほど申し上げたように,非常に判断に悩むところであろうかと思いますので,もし注記が必要ということでいけば,指針等である程度合意を得ないと進めないんだろうと思います。
【大橋座長】 
 これはどうしましょうか。
【田辺専門官】 
 今,先生から頂いた御意見がありますので,表現ぶりについては,十分また検討させていただきたいと思っています。注記する場合に関しては,実務指針の対応等も考えなければいけないということも承知しております。ありがとうございます。
【大橋座長】 
 僕なんかはさらっと読んじゃうけれども,やはり実際に実務を観察している立場からいうと,どこが高くなる,どこがやっているかがすぐに出てきますよね。そうでないと会計の役割を果たさなくなっちゃうという。わかりました。注記するからこうですというのは,ちょっと無理があるかなという感じですよね。わかりました。
 お願いします。
【高橋委員】 
 今のところで,ちょっと私はよくわからないので確認なんですけれども,「その際,周年記念式典等」のところですけれども,経常の方に,上の方に載せた場合に注記というときもあるし,特別収支の方で載せる場合もあるしというイメージなのでしょうかというところがちょっとわからないんです。だから,臨時の支出だということで,特別収支で載せるという判断のときもあれば,何が多額かという問題のがあるので,そうではなくて,上の経常収支の方で載せて,その上で注記ということなのか,その辺がちょっと整理ができないんです。
【田辺専門官】 
 確かにそうですね。ここで載せたイメージとしては,特別にこういう臨時的な大きな支出があったときに,負担になってしまうので,経常の中に入り込んじゃうものを注記させようという趣旨で考えたところなんですけれども,確かに特別の中でも,大きな勘定科目の中だけで見たらわからないということがあるから,更に広げたらという考え方も出てくるかもしれない。そのあたり少し検討させていただきます。
【小松私学部長】 
 今のお話を聞いていて,率直な疑問みたいなことなんですけれども,要するにここの議論というのは,特別収支でやる方がいいんじゃないかという議論もあったと思うんです。それはそれでいいと思うんですけれども,だけども一方で,実際の実務から考えたときに,やり方によっては非常に煩雑になったり,やりにくくなったりすることもあるので,通常の中で入っていたものだと,そこでやってもいいんじゃないかということになって,どっちもあり得るんでしょうけれども,後者の方にここでの議論は整理されたのかなとちょっと思っていたんです。
 それを前提とすると,確かに実際の実務をやるときに,多額というのはどこかとか決めるのは難しいというのは,確かにそうかもしれないなと思う反面,周年記念で,変な話ですけれども,明治以来,ずっと私学ができてきて,次々とみんな100周年とか,戦後でも50周年とか,どんどんこれから迎えていくということを考え,かつ,経済の状況が余りよろしくないということを考えますと,通常におけるお金の出し入れ動きに比して,結構大きな意味を持ってくるような場合があるのではないかと。
 そうすると,そこは全部溶け込んでしまってよくわからない,というのではなくて,何らかの形でわかるようにしておいた方がいいということはあるんだろうと。もともと特別収支に計上してもいいのではないかという議論が出ていたのは,そういう発想から出たけれども,全体として見ると溶け込み。その溶け込み方式の中で何かわかるようにしておく必要があるだろうし,またそうなってさえいれば,それはそれでいいのではないかぐらいの感覚で我々としては考えますので,そういった範囲でよろしければ,また今田辺が言いましたように,少し今日出た御議論を踏まえながらどういうふうに書くか,あるいは注記にしても,例えば注記にするとどうかを検討すべきであるという書き方でいいのかもしれませんし,そんな感じで処理していっていいものでしょうか。
【大橋座長】 
 片山委員,お願いします。
【片山委員】 
 今の周年記念式典等のための寄付金とか何かというのは,特別収入の方に入れていいと思うんです。もう何年後に50周年というのを決めているわけですから,そのための寄付だったら,もう周年記念事業のための寄付というのは,経常的な収入ではなくて,特別収入の方に入れた方がいいと思うんです。名目がちゃんとついている。ただ,ここのイメージのところで,消費収支計算書,企業活動計算書のイメージのところでは,特別寄付金については施設設備寄付金しかないので,この中に入れるのか,あるいは別の勘定科目を立てて入れるのか。周年記念50周年とか100周年記念事業の寄付金だったら,特別収入の方に入れていいと思うんです。
【大橋座長】 
 佐野委員,お願いします。
【佐野委員】
先ほどの部長のお話になるんですけれども,周年記念式典費という科目は今の会計基準の考え方を踏襲すると出てこないはずなんですね。目的分類ではなく現行の形態別分類科目のままで行くという前提だと,目的別の支出は賃借料とかいろいろなところに入ってしまう。その弊害をなくすために,金額が多額である場合は,現在は目的別の中科目を設定して,形態別の細分科目を出しなさいというようなことになっている。ということを前提に考えますと,これを更に事実と内容について注記するというのは重複感があるんですね。現在の形態別分類の科目,小科目設定は踏襲するという意識でまずよろしいのか確認をしたいということと,それから単に特別収支と経常収支の違いというのは,2回目か3回目に整理をされて,過年度修正であるとか災害,こういったものだけで,大きなものであろうと,金額が多額であろうと,周年事業であろうと,経常収支に入るという整理で進んでいるんだろうと思っているんですがいかがでしょうか。
 そうしますと,今片山委員がおっしゃったひもつきの寄付を特別に下ろしてはどうかという話になってしまうと,収入とのバランスが崩れてしまうので,そこは割り切りをして,上に上げっぱなしというふうに考えているのですが,いかがでしょうか。
【小松私学部長】 
 後半の方は私もそういう整理だったように思うので,片山先生のおっしゃった発想,考え方もあると思うんですけれども,割り切ってそこはそういう議論にしたというところで。そうすると,確かに佐野先生がおっしゃられて,今言われてなるほどと思ったんですけれども,要はどこで普通に入っているものの中で,これが特別,周年に限ってだと思うんですけれども,例えばどこかの,わからないですけれども,国際的な大学間連携に,資産化するということで済んでしまえばそれでいいんですけれども,何かそういうふうな,あるときにどさっと出てくるというようなときに,それが本当はあればいいんだろうと思うんですけれども,どういうふうにするのが一番いいのかなということが,まだ少し考えが足りないのかなとちょっと思います。
【大橋座長】 
 経常の中のきちんと説明がそれなりについているような表示をすると。
 どうぞ,お願いします。
【徳田委員】 
 私もこの最初の議論のときに,できるだけ特別収支の部はハードルを高くしないでいただきたいと。これをやり出すとどんどん困るんです。最初に災害のお話の中で,ちょっとそういう事例も紹介させていただきますということで,どんどん細かく入っていきます。今は周年事業で100万円寄付金が入りました,1億円寄付金がある大学と100万円と一緒ですか。これの議論をし出すととどまりもなくなります。収入についてもそうですし,支出についてもどんどんとどまりがなくなるということで,どこかの割り切りだと私は思うんです。
 やはり当初私がお願いしているような特別収支,特別というのはこんなものなんだということでの割り切り方で進めていく方が,私は混乱が少ないような気がいたします。
【大橋座長】 
 どうぞお願します,片山委員。
【片山委員】 
 私なんかの理解では,例えば公益法人なんかの会計基準では,一般と指定の方にどういう形で区分するかというと,寄付をする人とか,補助金を支給する側の国とか地方自治体が,使途を指定した場合は,指定正味財産の増加のところに入る。どうぞ御自由に使って結構ですよというふうに使途を指定しない場合には,一般正味財産の方に入る。そういう区分として,この経常的なものと特別というふうに区分をしたのかというふうな理解をしていたんですけれども,金額的で区分をするというのではなくて,使途を指定するか否かで区分したと思うんです。
【大橋座長】 
 お願いします,徳田委員。
【徳田委員】 
 現在の会計基準からいいますと,収入はわかるけれども,それでは支出はどうなるんだといった場合には形態分類。形態分類の場合には,それをまず特定して,引き抜いて特別支出の中に入れるということも,逆にはそういう話にもなってくるということで,なかなかそれは現在の会計基準等を,実際どこまでそれを正確な情報として出すかということについては,情報はなかなか一遍というわけにはいかないし,当初この目的の中で推し進めていく方がいいのかなという気はいたします。
【大橋座長】 
 何か。お願いします。
【田辺専門官】 
 最初に,佐野先生の最初の方の質問なんですが,基本的に形態分類をなくすということはないだろうと,補助金配分上,必要な形態分類については維持していかざるを得ないと。会計基準の中に,大科目と小科目の間に適当な中科目を設けることができるという表現も今の会計基準にありますので,それも基本的には維持していこうというふうに思います。その上で,まだ明確でない部分,いかに注記で書かせていくかということなんじゃないかなということだと思っております。これが最初の話です。
 それから,片山先生のお話の中で,まず特別と一般を分ける。寄付金の中で,今もそうなんですが,例えば資金収支計算書のイメージの中にもあるように,寄付金収入は使途特定があったら特別寄付金収入にして,使途特定がないものは一般寄付金収入にするという根源は今も存在しておって,これは今後どう変えるかというときに,活動区分別資金収支表の中では,特別寄付金収入のうちの施設設備分だけを特別収支の方に落としていくという整理を前回までにさせていただいたところでございますので,寄付者の意図うんぬんで特別収支かどうかに分けるのではないと。ただ,勘定科目上は分けておるのは,そこは明確にしておるということでございます。
【大橋座長】 
 これは厳密に厳密にこうやっていくと,きりなく正確になりますけれども,きりなく煩雑になるというところがあるので,やはりなるべくハードルを低くということも大事なことで,それによって会計の報告の実態が変わってしまうのとは違うわけですから,この件について言えば経常の中でどういう注記ができるかということを工夫していきましょうということになりましょうか。よろしいでしょうか。
 では,また記述させていただきます。
 それでは,貸借対照表に行っていいでしょうか。では,貸借対照表に行きます。貸借対照表で何かありましたら,お出しください。お願いします,片山委員。
【片山委員】 
 細かいことですけれども,11ページの枠の中の一番上,固定資産の中科目として新たに特定資産を設けるというので,特定資産というのは科目でしょうか。大区分,中区分,区分と言った方が正式ではないでしょうか。
【田辺専門官】 
 今の会計基準だと,科目が大科目と小科目という表示があって,間に中科目を設けることができるというところはあるので,科目という表現に合わせてみたところなんです。区分としてしまうと,違うイメージになってしまうかもしれません。それは確認した上で表現を適正なものにいたします。
【大橋座長】 
 中科目でいいと言えますか,ですよね。すみません。また,検討させていただきます。
 ほかに貸借対照表でありますでしょうか。
 それでは,先に行きます。13ページ,その他の論点の減損会計から行きましょうか。よろしいでしょうか。これも議論してきたところですけれども。
 それでは,金融商品会計。お願いします。
【渡辺委員】 
 先ほどの議論と同じですが,余り細かく書かれていないものについては,私はガイドラインという形で出てくると理解しています。そういう意味では,先ほどの議論と同じように,ここも評価替えのところ,著しくというところがどの程度か,そういうのはもう少しガイドラインで出てくる前提でオーケーするという理解でよろしいでしょうか。
【大橋座長】 
 そういうことですね。よろしいですよね。
【田辺専門官】 
 そうです,おっしゃるとおりです。
【大橋座長】 
 退職給付会計,よろしいですね。
 それでは,連結会計はいかがでしょうか。お願いします,片山委員。
【片山委員】 
 退職給付会計のところで,年金を独自で持っている学校法人についての会計処理の問題ですよね。これもやはり渡辺委員がおっしゃったように,ガイドラインのところで明示するのでしょうか。
【大橋座長】
 これはそこまで行きますか,どうですかね。ほとんど議論していないですね。
【片山委員】
 余り議論はされていないですけれども。現在のところはオフバランスになっていますよね。それをオンバランスさせるのかどうか。
【田辺専門官】
 結局すべての法人が持っているわけではなく,ごく一部の法人が持っているという実態があるということと,実態の把握の必要性と,ルールを定める必要性は多分あるんだろうと思うけれども,確かに議論していないのでどこまで整理するのかということも考えなければいけません。この検討会の中で書くとしたら,実はここまでなのかなということを,必要性だけ今回書かせていただいて,今後のやり方については検討させていただければというぐらいの表現でとどめてあるかと思います。
【片山委員】
 そうですか。独自の年金制度を持っている学校法人の方は,これは非常に関心があると思うんです。
【大橋座長】
 これ,結構大きいですよね。だから,基本的な方向はきちんと開示していくような方向を目指さなければいけないと思うんですけれども,そういう議論はほとんどしていないですから。
【片山委員】
 ここの書き方では,引当金の統一したルールを定める必要が結構あるから,引当金という形で記載させるのかなというふうに受け取れるかと思うんですね。そういうものも含めて今後検討する必要があると思います。
【大橋座長】
 これはここあたりまでということでしょうね,この段階ではね。片山委員,よろしいでしょうか。お願いします,高橋委員。
【高橋委員】
 そうすると,ここは記載は残して,修正して,今後検討する課題だと書いてもらえば変わるという方向ですね。
【大橋座長】
 そういうことになりましょうか。
【佐野委員】
 確認なのですが,今日の論点にはありませんけれども,前回引当金についても考えてみてはどうかという提案をしたときに,実務指針等を含めて全般的に考えるというお話があったと思います。今,ここの文面で行くと,引当金の統一したルール,計上するかしないかも含めて,必要だという認識をこの検討会で持っているので,検討してくださいというのを実務指針で挙げられるのかなと読んだんですが,ここの場で検討するのでしょうか。検討会がこの使命を持っているのでしょうか。
【大橋座長】
 これを実務指針に投げたら,ちょっと重いですよね。
【佐野委員】
 といいますのは,文科省の会計方針の統一通知がありましたね。あのときに一般論としての各団体が持っているような制度については,格段の手当てをしないかわりに,実務指針で一部触れているんですね。やり方はこうだということではなくて,それぞれの慣行等に従うというような投げかけになってしまっているんですけれども,それを修正する必要があるのかなというミッションをもらったという形なのかなと思ったんですが,その辺はどうなのでしょうか。
【徳田委員】
 一応退職給与引当金の計算の中で,多くの学校法人さんはルール,決まった様式がある上,計算しています。しかし,ここに書かれている独自の年金制度というのは一体何なのかということがあります。要するに退職金財団に加入を含めた,きちんとしたルールを持ちながら,なおかつやっているのか,そうじゃなくて,退職金財団に加入しなくて,独自で全くやっているのかというのが実態としてよく私自身が理解できないし,どのくらいの学校法人がそれに該当するのかということもあるだろうと思っています。学校法人が結構ありますので,そういう中でどういう位置づけにしていくかというまず実態がわからないと,どういう人たちでこのルールを決めていくかというのは,私はどちらかというと枠の外という,私自身はそういうような気持ちでおります。
【大橋座長】
 枠の外ではないと思いますけれども,ちょっとそのあたりわかる範囲で説明していただけますか。
【田辺専門官】
 実態をすべて正確に把握しているわけではないです。イメージとしては,私学共済が退職年金等の制度と私学の制度としてできているところですけれども,そういった制度に入らないで,独自に年金を持っている学校さんというのが幾つかあります。その際,将来払う年金に備えて,一定の資産を本当は持っていなければならないのだけれども,その積立て不足等が想定されることもあるので,必要な積立金を持っているべきだみたいなルールが企業の中では企業年金という形で存在しております。それをそのまま学校に入れるのかどうかというあたりの議論が想定されるので,大方の学校はそういうことはないんですが,一部の学校では持っている法人があるという事実ぐらいは我々も承知しているところです。
【徳田委員】
 今の御説明でしたら,統一的にそれをするということが一番はっきりしているような気がします。ほとんどの大学法人はそうやって,文部科学省等の通知に沿って今現在経営しています。そういう流れを考えるならば,そうではない学校法人さんについては,そういうような形の指針として統一する中の方が私はいいというように思います。全く入ってない,自由にやっているところが自由であるというのは,何か納得がいかないですね。
【大橋座長】
 おっしゃることは全く当たっているんですけれども,これはかなり大きな課題になってきて,金額的にもかなりの負担になってきますので,それはやっぱりきちんと要支給額のどれぐらいを確保しているかというようなことについての指針なり何なりが必要になってくるかと思います。今までの議論からいくと,このことについて余り議論してこなかったですけれども,ここでの議論の基本的な考え方から言うと,統一したルールをきちんと定める必要があると思います。それがどういう形でどこでということについては,ちょっと今はっきり言うことはできないと思いますけれども,そういう表現は残さなければいけないでしょうね,おっしゃるように。ちょっと不明確なところが残ってしまいますが,よろしいでしょうか。
【片山委員】
 今の件ですけれども,ここには,14ページのところでは,引当金の統一したルールをというふうにかなり具体的に書き込んであるので,ここはもう少し表現を和らげて,例えば,オンバランスしなくても,注記事項を明確にもっとさせるとか,そういう道もあると思うんですよね。これは大きな影響がありますから,実務指針だけじゃ決めることはできないと思うんです。ここのところで,こういう研究会なんかでいろいろ議論を,やはり議論が前提,必要だと思います。
【大橋座長】
 では,少し表現を工夫して,でも必要性はきちんと指摘するということにいたしましょう。
 それでは,連結に行きます。連結会計はこういう形で議論は進まないと思います。継続性についても,これでこういう形の議論であったというようなことで,よろしいでしょうか。はい,ありがとうございました。
 最後になりましょうか,17ページの今後の進め方ですけれども,これはここでも度々課題になっていて,どの時期で,それから法人によってどういう配慮をしなければいけないかということが出ていまして,部長からも御説明があったと思いますが,こういう形でまとめていただきましたけれども,何か御意見ございますでしょうか。
【村山委員】
 中段ごろの特例取り扱いについてなんですけれども,ガイドラインで具体的な科目とか方向が示されるのであれば,これでいいかなと思いますが,ガイドラインがないのであれば,もう少し詳しい項目ぐらいは挙げていただければというふうに思っております。
【大橋座長】
 お願いします。
【田辺専門官】
 17ページの一番下あたりに少し書かせていただいたところと関連するかもしれません。ただ,今出した資料だけでは確かに明確ではない部分等もありますし,これから省令にかえていくためには,それぞれ明確に書いていかなければいけない部分もありますし,それだけでは足りない部分が当然出てきますので,より詳細な扱いについては文科省から通知を発出する,若しくは公認会計士協会さんにお願いして実務指針を作成して頂くなどの手当てをした上で,この前提があるというふうにお考えいただければと思います。
【大橋座長】
 村山委員,いかがでしょうか。
【村山委員】
 今,決まっているのでわかっている範囲でいいんですけれども,特例取り扱いの中身について,挙げられるものがあれば挙げていただきたいなと思います。
【田辺専門官】
 今既存の知事所管法人で特例取り扱いを設けている部分は基本的に維持するという形にしていくことと,新しくつけ加えた活動区分別の資金収支表に関しては,作成を義務づけないというのが今の時点で示していることでございます。
【村山委員】
 わかりました。できるだけ細かく記載していただきたいと思います。
【大橋座長】
 内容的な例外とか,時期の猶予というようなことについて,なるべく対応しやすいような形で,なるべくわかりやすく,なるべく早く教えて,我々も説明しなければと思います。
【小松私学部長】
 そういうことでよろしかったんですけれども,村山委員がおっしゃっておられるのは,いわゆること知事所管法人から見てこういうものが出されるけれども,一体どう対応したらいいのかというのが変わるとか,例外があるぞというだけで,実際によくわからないと,準備とか,不安があるからという,そういう御趣旨ですよね。
【村山委員】
 そうです。
【小松私学部長】
 それで,今のような形でやるとすると,今回,いろいろ報告書を頂いて,今まで我々が説明している日程で言いますと,年度内に省令改正をするというのが一つの考え方ですので,そのときまでに整理をして,その省令改正をしたときの例えば通知とかそういうものの説明をするということになりますが,その時点で今おっしゃった様子というのは,知事所管部局の法人の方が,見ればこういうふうに動けばいいんだなというのがわかるようなものが入っていくというようなスケジュールかなという感じがしますが,スケジュール的にはそんな感じでしょうか。
【村山委員】
 それでもいいんですけれども,ソフトをつくる関係もありますので,できるだけ,早ければ早い方がいいかなというふうに思います。
【大橋座長】
 よろしいですね。ありがとうございます。
【佐野委員】
 私の記憶違いでなければ,たしか平成26年4月から適用で,2年待つのは遅いよねと,たしか座長もおっしゃったような記憶があって,いつの間に平成27年からになったのかなという気がしつつ,結論としては私は平成26年4月というのは厳しいなと思っておりましたので,平成27年からに賛成なんですけれども,これ書き間違いじゃないんですね。
【大橋座長】
 私も覚えています。せかしておいて,後へ引くということとなりましたが。
【佐野委員】
 では,平成27年4月で,少し執行猶予がついたみたいで,いいんですけれども,その場合に,知事所轄法人さんに更に1年の準備期間を置くことになります。もちろん準備期間はあった方がいいに決まってはいるのでしょうが,例えば大学法人さんで都道府県に高等学校以下の計算書類を出している場合,知事所轄ですから都道府県が見るわけですね。そのときに計算書類が異なるものを1年間見なければいけないという形になります。これは各都道府県の補助金配分であるとか,分析であるとか,多大な影響が出ると思うのでというのが1点あります。
 それと,2年になったことによって,今御心配があったソフトの問題であるとかを含めて,一般にソフト会社がつくるときに,知事向けはさておいて,つまり直さないで,大臣向けだけつくりましたということは多分なくて,要するに学校法人会計基準ソフトをおつくりになって,複数の部門になるのかとか,クライアントを幾つにするかというそういう規模の問題だけになると思うんですね。そうすると,ここで1年間更に伸ばす積極的な理由というのがちょっと思いつかないんですが,いかがものでしょうか。
【小松私学部長】
 ちょっと技術的にできるかどうかわからないんですけれども,確かにおっしゃるとおりで,施行というのは2通り考え方があって,その前はやっちゃいけないという考え方と,行いたい法人のみ先に行うという考え方です。
 それで,少なくともここで今考えているのは,全部がこれに沿ってきれいにやるということは少なくともやらなければいけないんですけれども,それより前倒しで,今のようなことをやったときに,できるか,あるいはより前はやっちゃいけないということがあるかどうかは,そしてそれを法令的にできるのかというのは,ちょっと検討が要ります。今のはよくわかりますので,一番理想はやっぱり,省令を改正して,実務指針ができてというふうになって,明らかになったある場所から先,極端なことを言えば,それこそ平成26年からでもやりたい人はやっていいですというのは理論的にはあり得るわけですけれども,その中で今のような事情で分けて先行するというのもあるかもしれませんし,その場合に都道府県とかともちょっと相談しておかないと,都道府県の担当者が別々のものを一緒に扱う理解ができるかとか,たしかそういう問題もありそうなので,そこはちょっと併せてどうするか調整させていただきます。
【佐野委員】
 個人的な意見としては,一斉適用がやりやすいのでないかなと思います。これはやはり報告責任を果たすということを前面に出したからには,やはり比較可能性であるとか,読み手の便宜を考えるのも必要だと思うんですね。そうしたときに,1年とはいえ,1年延ばしたんですから,平成26年4月で導入しようというときに,幼稚園さんは大変でしょう,1年延ばしましょうという議論があって,平成27年がいいと言っていたんです。その経過を踏まえても,平成27年の4月で一斉の方が,読み手の方からしてもいいのかなという気は,私の個人的な意見として申し上げます。
【大橋座長】
 よくわかりますけれども。お願いします。
【渡辺委員】
 企業会計基準変更の場合は,一番遅いのが何年何月まで,先行対応可能というのが割とよくある話なんですね。私は小規模の法人のほうが対応しやすいのではないかと思っていますので,全体的に1年延ばしたんだったら,もうそこで知事管轄のところも一緒にした方がいいのではないかと思います。むしろ大規模法人のところが多分大変だと思っています。これだけ長期間会計基準の変更がなかった場合は,現行システムのドキュメンテーションが十分でない場合が多く,そういうところから非常に時間がかかってしまうんですね。今回全体の冒頭の書き出しについて,佐野委員からも御意見がありましたように,今回が最終決定ではなくて,順次改訂していく意向を是非入れていただいて,ドキュメンテーションもこれを機に整備して頂くようにお願いしておいた方がより良いのではないかと思います。
【大橋座長】
 ありがとうございました。私からは何とも言えませんという感じですが。お願いします。
【工藤委員】
 中高はみんな知事の所轄法人なのでありますが,同時に全体的な日本の私学の統計資料等をまとめるといった場合に,これは混在すると,多分そういったものはつくれなくなるというか,大変な労力が必要になるだろうなという形がありますし,またもともとは公に配分基準でもってできたものですから,それが二つものが出てきちゃうと,補助金の配分にも影響が出る可能性が全くないというふうにも言えないような気がするんですね。
 ですから,確かに私自身もこの前の議論のときに,もう平成26年4月からでも大丈夫じゃないかなというふうに申し上げて,それがまた1年伸びているので,多分これは中小も含めて,この時期にやった方が混乱が少ないのではないかというふうに思います。
【大橋座長】
 ありがとうございます。村山委員,何かありますか。
【村山委員】
 確かにそういうこともあろうかなとは思うんですが,幼稚園側のわがままを言わせていただければ,実は平成27年4月からは,認定こども園法という法律が施行されまして,そちらの処理だけでもう手いっぱいでございますので,1年間御猶予いただければ助かるものでございます。
【高橋委員】
 もう大勢が決まっているかのような感じなので,ちょっと申し上げにくいのですが,本当に平成26年4月はやめてしまうのか,平成27年4月でいいんですかということです。システムの変更,特に独自でシステムをつくっておられる大学法人を中心にシステムの変更が大変だとか,あるいは予算制度があるということがあって,平成26年4月といっても,もう来年の秋ぐらいにはもう詳細に固まっていないとまずいよみたいなところがある中で,大変厳しいというのももちろんそうだと思うんですけれども,ここでエイヤーとみんなで頑張っていけないものなのかなと。動きの激しいこの時代に,新しい制度が平成27年4月からですというのは,どうなんだろうかと。さあ,頑張ってやらなければと思っていたところが,やや遅いんじゃないかなという感じは私は持っているんですけれども,もちろん実務をされている学校の方には,遅ければ遅いほどいいということかもしれませんけれども,その辺を一応確認して議論したいなと思いまして発言しました。
【鈴木委員】
 私も直接の当事者ではないので,意見をこの件ではあまり言えないかなと思っていたんですが,高橋委員がおっしゃっておられましたので,率直な感じを申し上げますと,何て悠長なスケジュール感なのかなという感じはいたしました。いろいろな現場の事情といったものがあるということは重々分かるのでありますが,こういうものは一気呵成にやらないといけない部分もあるわけでありまして,そういうものが平成28年4月スタートというふうに言われると,勝手な言い方で恐縮ですが,結構違和感があることは事実であります。
【岸本室長】
 この日程の設定なんでございますけれども,一応この平成27年4月ということにさせていただきました理由を簡単に御説明させていただきますと,御指摘のように,私どもとしてもなるべく早くやりたいというところはあるんですが,1点は,今後かなり大きな改正になりますので,そこの詳細を詰めて,その詳細が詰まった上で,更にシステムの変更ということで,業者さんが変えられていくという時間を考えると,1年というのは実はかなり厳しい日程だろうというのが一つございます。
 もう1点は,先ほど村山委員からも御指摘がございましたが,認定こども園制度の方が先般大きく改正が行われまして,これは平成27年4月から施行ということになっております。現に幼稚園を持っていらっしゃる学校法人さんも,大学を持っていらっしゃるところも大変多くございますので,そこのところも若干考えなければならないということで,平成26年4月から一斉に公布してしまうと,その後,1年でまた再び認定こども園に沿った形で変えなければいけなくなる可能性が非常に高いということもございまして,その辺を鑑みますと,平成27年4月というのが様々な諸制度から見ると一番適当な線かなということで御提案させていただいたところでございます。
【小松私学部長】
 社会福祉法人を変えたときは,あれは3年,もっとですよね。だから,おっしゃるとおり,スピード感ということからすると早く変えた方がいいんですけれども,いろいろ現場に実際当たってみて,よくそこは1個も残らずついてきてくださいということにもなり,非常に複雑なことを考えますと,社福で3年といってもそんなに極めて遅かったというわけでもないので,2年というのは結構ぎりぎりかなというのは,どうもそういう感じがしております。
 それと,ここの議論を踏まえて対応したいと思いますが,今日のようなお話を集約すると,前回の皆様のスケジュール感を伺って,知事部局とかは少し配慮した方がいいのかなと少し思いましたけれども,確かにおっしゃったように,前回工藤先生からは,研修なんかはその予定で組んでいる,つまり1年後という日程で組んでいるという話もありましたし,今日のお話を伺っていると,幼稚園さんはちょっと別として,なるべく統一して,幼稚園さんについてはちょっと幼保の制度そのものがこれまた根本的な変更を経験いたしますので,ちょっとそこだけ詰めさせていただいて,次ぐらいまでにというような考え方でいかがでございましょうか。
【大橋座長】
 この議論はそうさせて頂くしかないような気がします。また,詰めていただいて,今度の素案,あるいは最終的に決めるときまでにははっきりさせたいと思います。やはり現実的にどう対応できるかという課題だと思います。よろしくお願いいたします。ほかにございますでしょうか。
【佐野委員】
 知事所轄法人の特例のお話なんですけれども,現行の会計基準の中での特例というのは,知事所轄法人全部に係ってくるのではなくて,高等学校を設置する法人を除く知事所轄法人,中学校,小学校法人というのはほとんどありませんので,いわゆる幼稚園のみを設置している法人に係っている特例だと思うんですね。それと今回のこの特例が残るかどうかわかりませんけれども,先ほど来,村山委員が御心配されている特例,どういったものが出るのかといったことを今後検討するに当たり,幼稚園法人と高等学校法人を同一に考えるかどうか,その辺も整理が必要なのかなと思いますので,是非検討していただきたいと思います。
 それと,この特例のセクションで書かれている規模が小さいという表現が,やはり実務を見たときに,短大でも規模は小さい,幼稚園でもたくさん規模が大きいところもあろうかと思われます。この辺の表現は,例えば利害関係人の地域的な広さであるのか,それとも,これは補助金ということを絡めますと,最終的には皆さん税金になっちゃうので,余り規模の大小は関係ないじゃないかという議論も出てくるかと思うのですね。ちょっと書き方については工夫をしていただければと思います。
【大橋座長】
 そうですね,それなりに工夫して書いていらっしゃると思いますが,ちょっとまた工夫していただきたいと思います。わかりました。ほかにございますでしょうか。
 そうしますと,いろいろと御意見を頂きまして,ありがとうございました。この後ですけれども,今日頂きました御意見を踏まえて,修正させて頂くことにするんですけれども,その際,修正については座長に一任いただいて,素案をつくらせていただきたいと思いますけれども,御異議ございますでしょうか。どうぞ。
【森本委員】
 1点,細かいですけれども,さっき見落としていたんですけれども,3ページ,丸が三つある一番下のところで,「私立学校は」と書いてあるところの3行目なんですけれども,「例えば学生は」という表現がありますね。「学生は」というと,これは大学に限定したような感じがするので,「例えば」とは書いてあっても,「例えば学生等」と「等」の字が一つ入るぐらいがいいと思います。つまり生徒,児童,幼児まで全部つけちゃうと,さすがにこの文脈の中で長いですから,学生等とやっておくと,これはいわゆる大学だけを念頭に置いたんじゃないんだぞという意味があって,前のところでもたしか学部等という表現があります。その前の学部等というのは,例えば課程という表現もあります。学校の中を区別するというか,グループに分けます。そういったところの意味で,特に授業料を払っている方はというような意味を簡潔に言うために,「学生等は」の方がおだやかかなと思います。
【大橋座長】
 よくわかりました。ありがとうございます。大事なところで,どうしても大学のことを考えてしまう傾向があって,申し訳ありませんでした。
【佐野委員】
 では,細かいことついでにお願いしたいんですけれども,期中,期末,年度中,年度末が混在しているので,ちょっとその辺も整合させていただければと思います。
【田辺専門官】
 わかりました。ありがとうございます。
【大橋座長】
 ほかにございますでしょうか。どうぞ,お願いいたします。
【工藤委員】
 細かい文言の言い回しなんですが,7ページ,「私立学校の特質として,その在学生等は,建学の精神に基づき形作られている学園の一員として,その精神に基づく教育を提供しつづけて」とありますが,提供し続けているのは学園だと思うんです。大学生は違う客体なので,ここの文章を,整理していただきたいなと思いました。
【大橋座長】
 よろしいでしょうか。この後もそういう文書のちぐはぐしたところがお気づきになりましたら,是非お知らせいただければと思います。
 それで,最終的に次回までに修正して,座長に一任させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。どうぞお願します。
【高橋委員】
 こちらの財務3表についての様式の議論はどうなるのでしょうか。
【大橋座長】
 それもまだ残っていますよね。この文章は,3表も引っくるめてだね。すみませんでした。
 では,3表に行きましょう。財務諸表の様式ですね。これも,イメージも残っていますね。では,どっちから行きますか。3表から行きましょう。
 これもかなり細かなところに行くと思いますが,是非気がつかれたことを出してください。
【高橋委員】
 財務3表の様式の方,9/12ページ,事業活動計算書の特別収支の部に入っている現物寄付のところなんですけれども,先ほどの議論もあったように,ある種,特別収支,限定的に考えていこうという中での割り振りということで,現物寄付を入れていくという考えでいいのでしょうか。それはそれで考えとしていいと思うんですけれども,そもそも原則は経常収支の部なんじゃないかという考えもあるかもしれないし,どちらかに割り切るのに,こちらの特別収支の部に割り切る方がいいのかどうかというのは,ちょっと議論しなければいけないんじゃないかなと思います。
【徳田委員】
 私はこの特別収支の部に現物寄付はいいと思います。特別収支の中に入れておいた方が,経常的収支というのをしっかりと把握できるということで,私は特別収支の方がすっきりしているというふうには思っています。
【高橋委員】
 そういう考え方も確かにあると思いますけれども,内容的に私が記述の中で見る内容的には,毎期,同じようなものが載ってきて,通常の教育計画の中に入ってきているようなものが多いのではないかなということからすると,性質から言って,経常収支の部の方がいい場合が多いようにも思うわけです。
【佐野委員】
 たしかこれは特別収支の部には,設備関係が全部行っちゃったと,設備というところに引っ張られて現物寄付も行ったんだと思うんですね。そもそもという話になってしまうと,そもそも学校の設備が特別かという話に戻ってしまうのではないかと思うんですね。固定資産の固定性配列法からいって,物的財産,人的財産から成り立っているという説明が,設備は経常じゃないと言われちゃうと,学校はショックを受けるんじゃないかと思います。そこは割り切って,設備関係は下に落としたということなので,その辺の割り切りで特別収支の方が説明しやすいのかなというふうに思います。
【大橋座長】
 高橋委員,これでいいですか。
【高橋委員】
 ええ,意見を述べたということで。結構です。
【片山委員】
 現物収支は物で入ってくるので,キャッシュが入ってくるわけじゃないんですよね。だから,上の方に入れるのはちょっと厳しいんじゃないかなと思うんです。だから,特別収支で私はいいと思います。お金が入ってくるわけじゃないから。
【大橋座長】
 では,そうしてください。ほかにお願いします。
【佐野委員】
 財務3表については,ここで「(何)」と書いてあるのは,各小科目設定にないところをこれで決め打ちだよというイメージに見えるんですが,その辺は従来の考え方と変わってないということでよろしゅうございますか。
【田辺専門官】
 基本的にそこは旧来の科目のつくり方について変えるつもりは今のところないです。中身を見た上でもちろん考えなければいけないと思いますが。
【佐野委員】
 その前提をもちまして,でき得れば,これは今後の省令等の手当てにも関連するのかと思いますが,現在ここで示されているいわゆる例示科目だと思うんですけれども,例示科目に近いものはこの科目に入れていただけるような手当てをしていただきたいと思います。ここに例示していないものについては,各学校が設定できるんだよというような,ある程度の任意性は認めるけれども,どこに入っているかわからないよ,というようなことがないような手当てをしていただければというのが一つです。
 そして,科目についてなんですが,2/12ページの受取利息・配当金の中に,その他のという前書きがあってのその他の受取利息・配当金収入とありますが,これはその他のというのはちょっと冗長じゃないかなと思いますので,私は個人的にはなくていいと思います。
 それから,同じページで言いますと,先ほどイメージ図でも検討の材料として御提案がありましたその他の収入のうち,引当特定資産からの取崩収入に変更したいという御意見がありましたが,私はもし取崩しという言葉でいくのであれば,特定資産取崩収入として,「からの」はなくて良いのではと思います。といいますのは,「特定資産からの繰入収入」というのは特定資産から支払資金に繰入れましたということで「からの」だったんだと思うんですね。「特定資産への繰入支出」は支払資金から特定資産へ繰り入れたという概念で来ていますので,ここは「からの」を残して取崩にするのは合わないと思います。だからといってそれでは従前どおり「からの繰入収入」と「への繰入支出」がいいかというと,長いので,この際,もう「から」はやめちゃったらどうかなと思います。
 それからもう一つ,3/12ページで,管理用機器備品にしてはどうかというお話がございましたが,個人的にはこれでもいいと思うんですが,私学さんが教育施設・管理施設といったときに,管理施設であっても,いわゆる教管区分の管理経費と同じ意味の管理備品というくくりをとっていないんじゃないかと思うんですね。その辺,もし管理経費と教育経費の区分で使われている,通知で使われている管理という概念と,それから教育研究機器備品以外のその他の機器備品の概念が同じであればいいんですが,私学さんはその辺誤解されないかどうかちょっと懸念があるという問題提起です。
 それから,先ほどのまとめの中にもありましたが,ソフトウエアにつきまして,3/12ページに科目が例示されております。先ほどのまとめの中では,12ページのところで,この機会に会計基準上の科目として表示するんだというふうにお書きになっていらっしゃるので,この辺,例示なのか,限定なのかちょっと分かりにくくなったと思います。
 それから,科目の中でもう1点は人件費支出内訳表なんですが,これも従前からの問題で,今始まった問題ではないんですけれども,所定福利費が細分科目として表記されておりますが,今の実務指針等では,私大退職金財団への掛金は性格が異なるので別の科目を設定となっているので,ここに「何」というのがないと決め打ちになってしまいますので,これを機会に1行,私大退職金財団掛金など入れて頂くか,「何」と入れていただければという気がいたします。
 あわせて,6/12ページの人件費で「何」というのが一等下にありますね。これは多分退職金支出の中の教員,職員,例えば役員になるだろうという何だと思うんですが,現行の基準では「何」が大科目のときに「何」と書いてあるんですよね,たしか。ちょっとこれ,今回は変えたんですかという確認です。とりあえず以上です。
【徳田委員】
 今の関連で,ちょっとソフトウエア支出という科目についてです。ソフトウエアというのは私の記憶では,実は収益を上げるためにソフトウエアを開発したとか,そういうときに計上するんだよ,業務の省力化ということがメインであるならば,ソフトウエアという科目で,繰延財産としてやりましょうというのが,私はほとんどではなかったかなという気がします。そうすると,全部とは言いませんが,多くはやはり教育・研究の条件の向上,サービスの向上のためにいろいろなソフトウエアを開発して提供しているのではないかなというふうに思います。
 ここに新たにソフトウエア支出と入れると,何か全部が載せなければいけないですよという話になり,どういったものが限定された形でソフトウエアとして計上するか,実務指針であったような気がします。ここに入れちゃうと,全部載せなければいけないような,私はちょっとそういうふうにとられてしまうような気がします。
【高橋委員】
 会計基準が変わっていて,ソフトウエアを購入した際に,教育研究に使っていれば,従来どおりの経費処理というのはあるわけですけれども,実際資産計上をするような,しなければいけないようなソフトウエアも多いですから,そういう意味では上げておいた方がいいのかなということで,ソフトウエアを買ったから,必ずソフトウエアを載せなければいけないわけじゃないですから,そこをどう考えるか,ちょっとよくわからないですけれども,例示としてはあった方がいいのかなと思います。
【徳田委員】
 私は高橋委員と全く正反対です。載せちゃうとそれをしなければいけなくなります。いろいろな小科目は,経費にしても何にしても,これぐらい経常的に発生するだろうから,科目として小科目に入りますよと。しかし,それ以外については,学校特有のものであるならば追加して,科目を設定してみる。ソフトウエアというのが,そういうふうなものに入るのかということで,私の記憶の中では,先ほどお話ししました限定が二つあります。収益を上げるものと,明らかに業務の省力化という,明らかにそういう経済的なリターンとして,返ってくるもののソフトの支出については,繰延べ財産として載せてくださいよということで,果たしてこれが経常的なものなのかどうかというのは,私はちょっと。
【田辺専門官】
 この考え方自体はソフトウエアの通知の形で出させていただいたときに,従来はすべて消耗品でやっていたものをその中身に応じて,消耗品かソフトウエアに分けるということです。ただ,あとは,こうやって通知を出している以上,やはりどこが載せるといいけれども,徳田委員がおっしゃるように,それで誤解が生まれてはいけないので,実際的には書くときに小科目を例示として載せたら,その横に備考として,例えばこれは資産計上されるソフトウエアなんだよというふうにはっきり書いて,その部分だけを載せることを明示すればいいのではないかという気がしております。
【佐野委員】
 先ほどもちょっと触れましたけれども,先ほど検討のまとめて触れた12ページがちょっとネックなんです。12ページで,ソフトウエアのように近年になり通知を通じて一般的に用いられる新しい科目を会計基準上の科目として表示したという,この文章は今の議論を考えれば,削除した方が誤解を招かないと思います。削除をした上で,勘定科目の例示をどこまで載せるかという問題だと思うんですね。多分これは高橋委員から御提案があった中には,ソフトウエアは見えないものなので,設備にしていいんですか,施設なんですか,その他ですか,いや資産運用支出じゃないかとか,実務上で質問がたまにあり,形がないと迷うので,例示としてここの大科目ですよと示したいという程度に考えれば,本文を削除した上で例示することもちょっといいのかなと思います。
 それと,同じようなことで言えば,むしろデリバティブの運用損は特別に統一通知で当時科目を例示したものですので,デリバティブ運用損はこの際下なんですよということを例示に入れていただきたいなと思います。
【大橋座長】
 それがいいんじゃないかと思いますけれども,この3行削除,どうでしょうか。素案の12ページ。これ,目立ちますよね。それを例示に入れるというような形で。
【田辺専門官】
 確かにソフトウエアだけ取り出してここで挙げるのはおかしいとも言えます。
【大橋座長】
 そうそう,これだけ目立ちますからね。趣旨はよくわかりますけれども。
 それと,今,佐野委員から5つ,6つ出されました科目のことについては,基本的に私はそれでいいんじゃないかと聞いておりました。素案をまとめる段階できちんとさせていただきます。ほかに。お願いします。
【森本委員】
 今回全然議論になってこなかったので,ちょっと確認だけなんですけれども,従来この表のところの注記のところに,この表に掲げる事項がないとき,金額がない場合は省略することができるというようなことが,あるいは追加できるとあったんですが,借入金明細表だけはそれがないから,しようがないから空欄でばっとつくっているんですけれども,これはこのまま続ける,特に話題がないから続けるという意味合いでよろしいでしょうか。
【田辺専門官】
 この辺りも含めて,今回の改定に合わせて,必要な部分については見直しを行っていこうと思います。
【大橋座長】
 そういうことです。
【片山委員】
 佐野委員からの御提案があった7/12というところですけれども,財務活動による資金収支のところで,特定資産からの取崩収入,特定資産への繰入支出というところですよね。これまでは固定資産からの繰入収入というのをこういうふうに収入の場合には取崩というふうに変えたんですよね。それで,これは「からの」とか「への」というのを外して,上の方は第3号基本金引当特定資産取崩収入,下の方は第3号基本金引当特定資産繰入支出,「からの」とか「への」というのは外したら,それでいかがでしょうか。
【大橋座長】
 これでわかりますよね。ほかにありますでしょうか。お願いします。
【鈴木委員】
 とても細かなことで,かつ,ちょっと話を戻すような感じで恐縮ですが,11/12のところの現物寄付のところですが,先ほど佐野委員から施設設備というものに準ずるものとしてここにおさまるのではないかという御解説があったんですが,この現物は別に施設設備だけに限らないわけでして,例えば運動着を学生に寄付してくれたというような場合は,明らかに施設設備ではないわけですから,こういう場合にはどのように考えたらいいのですか。
【佐野委員】
 これはかつて議論があったように,固定資産の計上基準が学校によって違いますから,同じ物品をもらっても,固定資産に上がるところとそうでないものがあります。それは割り切った上で現物給付という貸方科目で割りましょうという割り切りをしたので,体操着をもらっても,ピアノをもらっても,現物でもらったということで割り切りませんか。中身は問わない,勘定科目での割り切りということで。細かく突き詰めていきますと,この寄付に限らず,いろいろな問題が出てきますよね。だから,割り切るしかないのかなと思っています。
【大橋座長】
 ありがとうございました。それでは,イメージに行きましょうか。
【佐野委員】
 もう1点だけ。今の11/12ページで前期決算修正額というのがありますが,決算修正という言葉がちょっとハードかなという気がするんですけれども,皆さんいかがなんでしょうか。
【森本委員】
 以前から決算は間違っているはずがないという建前の中ではというのがあり得るわけですね。そのときには,しようがないから,雑収入の下でやっていて,決算修正としか言いようがないと,ほかの言葉が何かいい言葉があれば別ですけれども,今のところそれでしようがないのかなと思っております。
【高橋委員】
 森本委員と同感といいますか,ほかにいい科目があれば,そちらで。
【佐野委員】
 例えばほかの学校さんで使っている例示で言えば,収支修正額,これは収支決算ということから来て,収支修正,収入修正とか,支出修正とかがあります。決算修正ということはまさにその通りなんですけれども,遡及修正制度がない中で,収支修正とかいう言葉を使っているところもあるという,例示の披露でございます。
【森本委員】
 ちょっとつまらない質問ですけれども,これは純額表示をするという想定なんですか,それとも収入としても増やすべきものがあって,全く別件で支出しても支出の分も増やすべきものが見つかったとしますね。そのときは両側の純額をとっていって,この収入か支出か,どちらか一方にだけ書くのか,収入として挙げるものが幾らで,支出として挙げるものが幾らなのかという,二つつけるのか。もし二つつけるのであれば,上が収入修正で,下が支出修正の方が同一勘定科目が2か所に来ないという意味ではいいんですけれども,純額にするんだったら,同じ名前にしておいて,どっちかだけ書けという方がすっきりするんです。別にどっちがいいと言っているわけではないので,どちらにしても純額をつけておけば問題なく対応できると思います。そもそもすごい金額が来るのはないというか,思いたくないです。
【大橋座長】
 では,これもちょっと預からせていただいて,よく相談させていただきます。よろしいですか,3表の方は。
 それでは,イメージ図の方に行きますので。これも今まで出てきたものもありますので,それ以外にありましたら,お願いします。
【高橋委員】
 細かいところですけれども,収支計算書のイメージの方の真ん中のところのその他の収入のところで,これまでの議論を踏まえると,例えば,退職給付引当資産からの取崩収入となっているんですけれども,退職給付引当特定資産取崩収入となるのでしょうか。
【大橋座長】
 ほかにありますでしょうか。お願いします。
【牛尾参事官】
 恐縮ですけれども,もともと予定していた時間もございますので,もしよろしければ,後ほどお気づきの点は事務局の方にいただければ,大橋座長と御相談させていただいて,修正するような形でどうかと思いますが,いかがでしょうか。
【大橋座長】
 僕は大賛成です。だんだん細かくなってきましたので,是非出していただいて,それで素案の最終案をつくるときまでに出していただいて,引き取らせていただいて,最終的な調整案はお任せいただきたいというふうに思います。ちょうどいい時間になりました。
 それでは,この後のことについて,これで修正をさせていただきまして,素案を年内に文科省のホームページに掲載するということになっています。1月中旬ごろまでに一般の方からの御意見を寄せて頂くというふうになります。
 次回について,お願いいたします。
 次回は8回目ですけれども,一般の方から寄せられた意見を踏まえて,報告書の取りまとめをしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。それから,8回の日時等について,事務局からお願いします。
【田辺専門官】
 次回,8回目でございますけれども,1月24日木曜日の,ちょっと時間が変わりまして,1時から3時という時間帯,いつも2時,4時ですが,今回は1時から3時で,場所は三田の共用会議室で行いたいと思っております。詳細はまた別途連絡させていただきます。
 ちょっと確認でございますけれども,先ほど座長におっしゃっていただいたように,今日,皆さんから頂いた御意見については,修正については座長御一任とさせて頂くということで,先ほどの計算書を含めて御一任いただいたということでよろしかったですか。
【大橋座長】
 よろしいですね。ありがとうございます。
【田辺専門官】
 その後,この素案について年内に文部科学省のホームページに掲載し,1月中ごろまで一般の方の意見募集を行います。次回,8回,1月24日になりますけれども,この一般から寄せられた意見を踏まえて,報告書案を取りまとめた議論をもう一度したいということで,これで固まったわけではないということをお知らせしておきます。
 それから,今日なんですけれども,たまたま隣の会議室でも会議をやっている最中でございますので,恐縮なんですが,退室される際に音に御配慮いただければというふうにお願いしたいと思います。
【大橋座長】
 うるさく帰ってはいけませんよ。どうもありがとうございました。閉会します。

 

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