獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議(平成23年度~)(第18回) 議事要旨

1.日時

平成26年4月24日(木曜日) 15時~16時

2.場所

文部科学省16F3会議室

3.議題

  1. 議論のまとめ(素案)について
  2. その他

4.出席者

委員

伊藤座長、酒井副座長、尾崎委員、藏内委員、佐藤委員、中村委員、中山委員、平井委員、政岡委員、森川委員、横尾委員、吉澤委員

文部科学省

牛尾専門教育課長、児玉専門教育課長補佐

オブザーバー

藁田農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長、滝本厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長

5.議事要旨

議事の概要:資料1、資料2に基づき、事務局より説明。その後、以下のとおり議事が進行した。(○:委員、●:事務局・オブザーバー)

○ライフサイエンスに関してはこれから伸びてくる分野であるといわれている。日本医師会会長と厚生労働省に行った際に議論した中で話題となった。アニマルセラピー等、人の健康に寄与する動物の活用といったことをライフサイエンスに関する記述の部分に追記願いたい。獣医の需要増にもつながる事項である。

○学部段階で厳格な定員管理を行うと、大学院へ進む学生の数が足らなくなってくるのではというニュアンスに感じるが、そういうことではないという理解でいいのか。大学院教育は充実させなければならないし、どう構築するかはこれまで議論してきたところである。公衆衛生の分野については、専門職大学院があるかと思うので、そことの兼ね合いに関する議論はまだされていないが、すみ分けをどうするかというのはもう一つ議論が必要になるだろう。

○学部段階で公衆衛生分野に従事するための獣医師の養成は一つの目玉となっているが、その学生が今後、新しいカテゴリの獣医系の大学院に行くのか、公衆衛生分野に特化した専門職大学院に行くのか、これから議論が必要である。

○専門職大学院に行くというよりも、獣医学部の中でどのように連携していくのかという視点の方が重要である。

○私学関係者として気になるのは入学定員に関する部分。直近の17回の会議まで積極的に定員管理について議論してきたところだが、今回の「まとめ」の中にその議論の内容は反映されているという理解でいいのか。最後の「定員管理の厳格化」と「必要な支援」について資料1には記載されているのに、資料2には記載されていない。また、全国配置に関する記載があるが、そのあり方は議論されていないので、今後その必要がある。
また、「定員のあり方については、その状況に応じ、適宜適切な時機に見直しが行われることが必要である。」という文言は第17回の議論を踏まえての内容であると考えるがいかがか。この文言も資料2に入れるべきではないか。理由として、定員をどうするのか、あるいは厳格な定員管理をどのようにするのかの踏み込んだ議論がなされていない中で、私学は厳格な定員管理をされると、経営が非常に厳しくなる。そうなった場合は各方面から支援をお願いしないといけない。

○更に過去に定員管理を恒常的に見るのか見ないのかという議論の中で、事務局サイドからは、そのときの必要に応じて他省庁と連携して必要数を確保しているということであった。その回答を踏まえて「適宜適切な時機に見直し」という文言になったと取れるが、そのような理解でいいのか。

●ギリギリまで修正していたため、反映できていない部分があったことに関しては、最終的に調整して整合性をとれるようにしたいと思う。定員については将来的にどういう要因でどう変わるか分からないため、やり方も含めて、恒常的なのか臨時的なのか、引き続き検討させていただければと思う。

●すみ分けに関しては大学院についてまとめた記載の中に隣接分野との協働のような記載をしているが、もし、具体的に「公衆衛生」という単語が必要であれば御指摘をいただければと思う。

○現在国立大学では共同課程が進んでいる。今回、「完成年度に先だって積極的に検証を行うことが期待される」という文言が盛り込まれているが、これは平成30年3月を待たずに積極的に検証をするということでいいのか。完成年度を迎える前の段階で何らかの評価をするということか。

○評価をするというわけではない。完成年度を迎える前にカリキュラムを変更することができるのであれば。要は常時検証し続ける意味合いが含まれている。

●改革工程表の分野別第三者評価導入・実施の矢印の部分を言葉に置き換えるとこのようになる。

○獣医師が活躍しているのは、野生動物の管理・保護に関して充実した取組を行っているからである。しかし、その分野の記載が欠けている。また、卒業論文は多くの大学において卒業論文を実施しているということでいいのか。

○私学は1校実施していないため、「多く」の標記で問題ない。

○4ページ目に「現在、職に就いていないものが約750名おり、その平均年齢は約40歳である)に対する現場復帰策が、日本獣医師会の主導で進められている」とあるが、この数字と情報はどこからのものなのか。

●農水省から頂いた数字である。

○パブコメを去年実施したが、野生動物についてや、動物愛護に関する文言を入れるべきではないかという意見があったのでその意見は尊重すべきと考える。

○動物愛護について、平成12年に法律が改正され、動物が死んだ場合、それまで一般廃棄物扱いされていたものが、命あるものへと扱いが変わった。動物愛護思想をもっと啓蒙していかなければならないのが今後の課題である。しかし、世界的に通用するような動物愛護と管理の法律の骨格ができたのは我々としてもうれしい。野生動物については、愛護というより管理の観点で、環境を保全していかなければならない。絶滅危惧種をどう保護するのかにもつながってくる。

○野生動物の管理は難しく、獣医が関与する必要がある。

○資料2だが,先ほど御指摘のあった内容で、入学定員のあり方についての最後に「又はそれに対する支援が必要である。」という文言を付け加えてもらいたい。また、矢印をなくして文書をつなげて書いてはどうか。「全国的な配置の必要性にも留意」については余り議論されていなかったため、今後の課題である。あとは文書の統一性を図ってほしい。

○随所に「厳格な定員管理」と出てくるが、これは何を指すのか。1.0を指すのか。その定員は入口時点なのか出口を指すものなのかの議論はしていない。またどの程度のフレキシビリティがあるのか。これは要望だが、その整理はやっておいてほしい。

○獣医学教育に関する評価はこれまで議論してきて大学基準協会にも要望してきた。第三者評価に関する記載はどこかにあるのか。

●第三者評価に関しては第一期の報告書の中に記載されている。それは今回の素案のフォローアップ部分に包括されているということだが、あえて特出しした方がいいということであれば記載させていただく。

●今現在の進捗状況について、「平成26年4月ないし5月の段階でこういうところまできていおり、進捗状況を確認しています。」という形で記載することは可能である。

○本日頂戴した意見を反映させて、委員の先生方に再度御確認いただき、本まとめを完成させたいと考えているが、それで問題があるか。付け加えた方が良い事項があれば言ってほしい。

○協力者会議は今回これで終わりか。

●今回まとめていただければ一つの区切りだと思っている。

○昔、東大に荒木先生という人がいたが、質の高い国際的に通用する獣医学部を作ろうという思いで様々な活動していたが、現在においてもそれは必要だと感じる。特に国公立大学のような公の大学については文科省の指導の下にあるので、文科省がしっかりとした方針を打ち立てることによってそれ可能だと思う。

○もし今後意見等ありましたら、5月2日(金曜日)までに事務局まで提出願います。それらの意見も踏まえ、最終的な調整は私と事務局に一任でも構わないか。

(一同意見なし)

○それでは本日の会議を終了します。お疲れ様でした。

以上

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